JP7401872B2 - 斜め地盤改良施工機および同施工機を用いた斜め地盤改良工法 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 令和 元年 7月16日から18日までソニックシティにおいて開催された第54回地盤工学研究発表会(さいたま大会)で発表
この発明は、液状化対策に用いられる地盤改良施工機の技術分野に属し、さらにいえば、鉛直方向に対して傾斜した斜め改良体の構築に好適な斜め地盤改良施工機および同施工機を用いた斜め地盤改良工法に関する。
近年、東日本大震災や北海道胆振東部地震をはじめとした自然災害が多く発生しており、その速やかな対応が望まれている。液状化による被害と対応もその1つであり、特に宅地等の空間的制約がある場所での液状化対策の場合、既存構造物が存在する狭隘な環境下での施工が要求される。そこで、このような狭隘な場所での格子状地盤改良を主目的として、小型機械撹拌工法(スマートコラム工法)が開発され、主に首都圏臨海地域の市街地などで液状化対策を実施してきた(例えば、特許文献1を参照)。
前記特許文献1に係る発明によれば、同文献1の図1~図3等に示したように、地盤改良施工機1の共回り防止翼11の形態に工夫を施すことにより(詳しくは請求項1等の記載を参照)、宅地等の空間的制約がある場所での地盤改良施工を容易に可能ならしめると共に、掘削翼10及び駆動軸5を水平面で見た直交2次元方向への変位又は芯ブレによる曲がりは効果的に阻止される等の効果を奏し、実用性が高く、現在でも利用価値の高い技術として注目されている(詳しくは明細書の[発明の効果]を参照)。
特開2013-147878号公報
前記特許文献1に係る発明は、あくまでも地盤(軟弱地盤)を鉛直方向に改良することを目的とした技術であり、斜め方向に傾斜させて改良することを目的とした技術ではないが、仮に、斜め方向に傾斜させた改良体を精度よく確実に造成(構築)することができれば、高品質の斜め改良体を実現することができるので、既存構造物の下部などの地盤改良技術へ適用できるし、より狭小なスペースでの施工が可能になり、非常に有益であることは明らかである。
また、既存構造物の下部などの地盤改良技術として薬液注入工法が挙げられるが、薬液注入工法はコストが非常に嵩むので、小型機械撹拌工法で実施(代用)できれば非常に経済的に実施できることも明らかである。
しかしながら、前記特許文献1に係る発明の構成のままでは、所定の角度(例えば、鉛直面に対して45度程度)に傾斜させて地盤を改良しようとしても、掘削翼又は撹拌翼が重力の影響を受けて漸次下向きに誘導される等、どうしても狙った傾斜角度を維持した施工を行うことができず、このままの構成では高品質の斜め改良体を実現することはできず、解決するべき課題があった。
また、通常、掘削翼の軸最先端部から吐出するセメントミルク等の安定材は、地下水よりも比重が大きく、重力の影響により狙った部位を充満させることができず、ばらつきが大きい等、やはりこのままの構成では高品質の斜め改良体を実現することはできず、解決するべき課題があった。
したがって、本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、所定の角度に傾斜させて地盤を改良するにあたり、狙った傾斜角度を維持しつつ良好な施工を行うことができ、高品質の斜め改良体を実現することができる、斜め地盤改良施工機および同施工機を用いた斜め地盤改良工法を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る斜め地盤改良施工機は、任意の角度に傾斜可能なリーダーと、前記リーダーに沿って昇降する回転駆動部で回転させるロッドと、前記ロッドの下部に連結された回転軸と、前記回転軸に設けられた撹拌翼と掘削翼と先端貫入部材とを備え、鉛直方向に対して傾斜した斜め改良体を造成することが可能な地盤改良施工機であって、
前記回転軸を所定の角度に傾斜させた姿勢で地盤に貫入させるにあたり、前記先端貫入部材の先端が、前記撹拌翼および前記掘削翼よりも常に先行して改良地盤の最深層に到達
するように突き出した構成であること
前記撹拌翼は、第1の撹拌翼と、前記第1の撹拌翼の下方に設けられた前記第1の撹拌翼よりも小径の第2の撹拌翼とからなり、前記第2の撹拌翼は、共回り防止翼を形成する上下2段に配置された細長い板状の枠材の間に設けられていること、
前記上下2段に配置された枠材の左右の先端部であって、掘削孔の内面へ接する位置に、前記掘削孔の円周方向の曲率と等しい円弧面状をなす変位抑止板が、前記上下2段に配置された枠材を一体的に繋ぐように設けられ、さらに前記変位抑止板の外面に前記掘削孔の孔壁土中へ食い込む拡径部材が突設されることで前記共回り防止翼が形成されること、
前記先端貫入部材は、その先端に近い部位の周面部に、セメントミルク等の安定材を横方向へ吐出する吐出孔が設けられ、前記ロッドに着脱可能な構成であること、及び、
鉛直方向の施工を行う場合は、前記先端貫入部材が無い構造で鉛直改良体を造成し、斜め方向の施工を行う場合は、前記先端貫入部材を装着した状態で斜め改良体を造成することが可能な構成であることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1に記載した斜め地盤改良施工機において、前記先端貫入部材は先細状に形成されていることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1又は2に記載した斜め地盤改良施工機において、前記先端貫入部材に、障害物を効率よく排除するためのビットが設けられていることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1~のいずれか1項に記載した斜め地盤改良施工機において、前記回転軸を傾斜させる角度は、鉛直面に対して、0°より大きく60°以下の範囲であることを特徴とする。
請求項に記載した発明に係る斜め地盤改良工法は、請求項1~のいずれかに記載の斜め地盤改良施工機を用いた斜め地盤改良工法であって、前記回転軸を所定の角度に傾斜させた姿勢で地盤に貫入させつつ、前記先端貫入部材を改良地盤の最深層へ常に先行させながら前記掘削翼および前記撹拌翼を回動させることにより、鉛直方向に対して傾斜した斜め改良体を造成することを特徴とする。
[発明の効果]
本発明に係る斜め地盤改良施工機および同施工機を用いた斜め地盤改良工法によれば、以下の効果を奏する。
(1)斜め地盤改良施工機のロッド(駆動軸)を所定の角度に傾斜させた姿勢で地盤に貫入させつつ、先端貫入部材を改良地盤の最深層へ常に先行させながら掘削する構成で実施するので、あたかも当該掘削点を軸にコマの如く掘削翼および撹拌翼を回動させる構造を実現できる。よって、ロッドの軸振れを極力抑制することができ、その結果、狙った傾斜角度を維持しつつ良好な施工を行うことができるので、高品質の斜め改良体を実現することができる。加えて、安定材を従来の下向きではなく、横向きに吐出する構成で実施すると、安定材(セメントミルク)を改良範囲内に効率よく循環させることができるので、より高品質の改良体を造成することができる。
(2)前記先端貫入部材を着脱可能な構成とすることにより、鉛直方向の施工を行う(鉛直改良体を造成する)場合は前記先端貫入部材が無い地盤改良施工機で実施し、斜め方向の施工を行う(斜め改良体を造成する)場合は前記先端貫入部材を装着した斜め地盤改良施工機で実施することにより、高品質の鉛直改良体および斜め改良体を造成できる。すなわち、従来の鉛直方向施工用の地盤改良施工機を若干改良するだけで鉛直・傾斜兼用の地盤改良施工機を実現することができる。よって、非常に経済的かつ合理的である。
(3)従来の鉛直方向の改良施工に、斜め方向の改良施工が加わることで、格子間隔を従来仕様の2倍程度に拡大できる等、地盤改良のバリエーションが増える利点もある。
本発明に係る斜め地盤改良施工機の全体構成を示した立面図である。 本発明に係る斜め地盤改良施工機の要部(ロッド5の下部構造)を拡大して示した立面図である。 図2の要部を立体的に示した説明図である。 本発明に係る斜め地盤改良施工機による実験概要を示した立断面概要図である。 斜め地盤改良施工機の施工状態を示した説明図である。 実験地の地盤条件を示した地盤柱状図である。 実験概要ならびに使用機械の概要を各ケース毎に示した表である。 A、Bは、ロッドの軌跡を立断面(正面)的に考察した説明図であり、C、Dは、同平面的に考察した説明図である。 各改良深度における改良強度を各ケース毎に示したグラフである。
以下に、本発明に係る斜め地盤改良施工機および同施工機を用いた斜め地盤改良工法の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示す斜め地盤改良施工機1は、液状化防止を目的として、主に軟弱地盤を対象として地盤改良を行う施工機であって、特に狭隘な場所で地盤改良工事を行うことに適するように、ロッド(駆動軸)5を単軸とした小型で構成している。
前記斜め地盤改良施工機1は、走行機構部3を備えた機械本体部2の前部にリーダー4を立て、前記リーダー4(のガイドレール)に沿って昇降する回転駆動部6でロッド(駆動軸)5を回転させる構成であり、前記ロッド5の下部に連結された回転軸7と、前記回転軸7に設けられた撹拌翼8と掘削翼9と先端貫入部材10とを備え、前記リーダー4を任意の角度に傾斜可能な構成とすることにより、鉛直方向に対して傾斜した斜め改良体を造成することが可能な構造を呈している。
ちなみに、図1中の符号11は、前記リーダー4の下部に設けられ、前記ロッド5を支持してロッド5の揺動を防止するための下部ガイドを示している。また、符号12は、前記ロッド5の推進力を与えるための油圧シリンダーを示し、符号13は、共回り防止翼を示している。
前記ロッド(駆動軸)5の下部構造について更に詳しく説明すると、図2に示したように、前記回転軸7は、第1の撹拌翼8を備え、前記ロッド5の下端部へ嵌め込み式の軸継手により同心状態に接続されている。
この第1の撹拌翼8の直下位置には、上下をスラスト受け板14、14により軸方向へは不動状態に支持され、前記回転軸7に対しては回転軸筒15により回転自在な状態、つまり撹拌翼8、掘削翼9、及び先端貫入部材10とは共回りしない状態で共回り防止翼13が取り付けられている。
前記共回り防止翼13を構成する細長い板状の枠材13aは、第2の撹拌翼8を間に挟んで上下2段に配置されている。この第2の撹拌翼8は、前記回転軸7と一体的構造とされている。
更に、前記回転軸7の下端部へ掘削翼9の回転軸7が、嵌め込み式の軸継手により同心状態に接続されている。
前記共回り防止翼13を構成する前記した上下2段の細長い板状の枠材13a、13aはそれぞれ、斜めに掘削して形成する掘削孔20の直径線方向に配設されている。そして、前記枠材13a、13aの左右の先端部であって、斜めの掘削孔20の孔壁内面へ接する位置に、前記掘削孔20の円周方向の曲率と等しい円弧面状をなす変位抑止板13bが配置され、上下2段の枠材13a、13aを共通に一体的に繋ぐ形態に取り付けられている。更に、前記変位抑止板13bの外面から突き出された拡径部材13cが、掘削孔20の孔壁土中へ例えば10cm程度食い込んで前記の非回転状態を保つ構成で設けられている。
なお、本発明の主たる特徴をなす前記先端貫入部材10を除いた構成(例えば、前記撹拌翼8等の下部構造を含む地盤改良施工機)の実施形態は、特開2013-147878号公報に、より一層詳細に説明されている。
もっとも、本発明の主たる特徴をなす前記先端貫入部材10を除いた構成(当該地盤改良施工機)の実施形態は、あくまでも一例を示したものに過ぎず、各構成部材に課される役割を果たすことを条件に当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のため特記しておく。
次に、本発明の主たる特徴をなす前記先端貫入部材10の構成を中心に説明する。
前記先端貫入部材10は、金属製であり、本実施例では、掘削翼10の回転軸7の下端部へ、嵌め込み式の軸継手により同心状態に接続されている。すなわち、前記先端貫入部材10の軸径は、前記回転軸の軸径と略同径(例えば、16cm程度)とされている。本実施例に係る前記先端貫入部材10は、先端部を先細状(テーパー状)に形成して実施している。
一方、前記先端貫入部材10の長さ(軸長)Lは、本実施例では、例えば図5に示したように、掘削翼10の径(回転円の直径)が100cm程度のとき、50cm程度で実施されている。前記50cm程度の長さは勿論これに限定されず、前記先端貫入部材10の先端が、前記撹拌翼8および前記掘削翼9よりも常に先行して改良地盤の最深層Sに到達するように突き出す構成(請求項1記載の発明)を条件に適宜設計変更可能である。
一例として、図5は、前記回転軸7を傾斜させる角度を鉛直面に対して45度に設定した実施例を示しているが、この場合、簡単な三角関数の定理に基づき、前記掘削翼10の直径の半分の長さ(即ち半径)程度が、先端貫入部材10に必要な長さの目安になる。前記目安としたのは、前記先端貫入部材10を接続する前記回転軸7の下端部の突き出し寸法に応じて前記先端貫入部材10自体の必要な長さが変更されるからである。要は、前記したように、前記回転軸7を傾斜させる角度θ(主に0°<θ≦60°)に拘わらず、前記先端貫入部材10の先端が、前記撹拌翼8および前記掘削翼9よりも常に先行して改良地盤の最深層Sに到達するように突き出す構成(例えば図5参照)で実施すればよい。
当該構成を必須の構成要件とした意義は、前記先端貫入部材10の先端が、前記構成要件を満たさない程度に短いと、改良地盤の最深層Sに常に先行して接する部材が(図示例の場合は)掘削翼9となり、当該掘削翼9又は撹拌翼8が重力の影響を受けて漸次下向きに誘導される等、どうしても狙った傾斜角度を維持した施工を行うことができないからである。
一方、前記先端貫入部材10の先端の突き出し寸法の上限は特にないが、前記先端貫入部材10の軸径に対する軸長の比(軸長/軸径)があまりに大きいと必然的に前記先端貫入部材10自体の強度・剛性が低下し、破損、損傷する虞があるので、本出願人が経験上又は実験上知得した数値等を勘案し、軸径及び軸長が決せされる。
また、本実施例に係る先端貫入部材10は、いわゆる斜め施工の場合、貫入方向と重力方向が異なるため、安定材(セメントミルク)が改良範囲内に効率よく循環されず、不均質な改良体になることが懸念される。そのため、従来は掘削ロッドの先端から鉛直下向き方向に吐出している安定材(セメントミルク)を、より高品質な斜め改良体を実現するべく、前記先端貫入部材10の両側面から横向き方向(図2、図5の符号T参照)に吐出させる構成とした。
(実験概要)
実験概要を図4、図5に示す。実験地の地盤条件(地盤柱状図)を図6に示す。
実験では、斜め改良体を3つのケース(Case1~Case3)で造成し、前記先端貫入部材10の形状、安定材の吐出方向、の変更の効果を確認した。
改良体は直径1.0m、斜め打設長10mの単軸ソイルセメントコラムで、本出願人が実験上、経験上知得した配合試験結果を参考に、目標強度1,500kN/mに対応した配合を設定した。実験概要ならびに使用機械の一覧を図7に示す。
Case1とCase2とを比較することにより、本発明に係る前記先端貫入部材10の効果(安定性向上、吐出向き変更)を確認した。また、Case2とCase3とを比較することにより、撹拌回数増加による品質向上効果を確認した。
(実験結果)
<先端貫入部材10の効果>
図8に、前記ロッド(駆動軸)5の軌跡を示す。計測方向は、改良下端到達時に、地盤改良施工機1と前記ロッド5とを切り離し、ジャイロ式の傾斜計をロッド5内に挿入し、計測を行った。変位は、計画角度45度の掘削軌跡からの変位量を表す。
図8の結果から、先端貫入部材10を装着したことにより、前記ロッド5の変位が大きく低減していることが分かる。具体的に説明すると、前記先端貫入部材10が無く、安定材の吐出方向(図7ではスラリー吐出方向と表記)が下向きのいわゆる従来装置に係るCase1と比し、前記先端貫入部材10を備え、安定材の吐出方向が横向きの本発明に係るCase2、Case3は、立断面方向からみても(図8A、B参照)、平面方向からみても(図8C、D参照)、変位が非常に小さくなっており、より高品質の斜め改良体を造成できていることが分かる。
<施工品質>
各ケース(Case1~Case3)で造成した斜め改良体(改良杭)の品質を、ボーリングコア(σ28)による一軸圧縮試験により確認した。図9に各改良深度における採取コアの一軸圧縮強度(qu)を示す。全ケースにおいて、各ケースの平均強度は、目標強度を満足する結果となった。また、変動係数は、Case1(47.3)<Case2(28.2)<Case3(25.9)となり、安定材の吐出方向Tの変更により、変動係数を目標値以下にすることが可能なことを確認した。さらに、羽切回数を増加させることにより、より高品質な改良体の施工が可能であることも確認できた。
以上の結果より、斜め方向の施工であっても、前記先端貫入部材10を新設する等、施工形態を工夫することで、打設精度および改良品質を向上させ得ることが分かった。
要するに、本発明に係る斜め地盤改良施工機を用いた斜め地盤改良工法によれば、前記ロッド5を所定の角度に傾斜させた姿勢で地盤に貫入させつつ、前記先端貫入部材10を改良地盤の最深層Sへ常に先行させながら掘削する構成で実施するので、あたかも当該掘削点を軸にコマの如く前記掘削翼8および前記撹拌翼9を回動させる構造を実現できる。よって、ロッド5の軸振れを極力抑制することができ、その結果、狙った傾斜角度を維持しつつ良好な施工を行うことができるので、高品質の斜め改良体を実現することができるのである。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、施工対象地盤に硬い障害物の存在が想定される場合等、障害物を効率よく排除するためのビットを備えた前記先端貫入部材10で実施する等の工夫は適宜行われるところである。前記先端貫入部材10は鋳物のほか、3Dプリンターで作製することも可能である。
また、本実施例に係る斜め地盤改良施工機は、いわゆる単軸構造で実施しているがこれに限定されず、前記撹拌翼8および前記掘削翼9よりも常に先行して改良地盤の最深層Sに到達するように突き出す構成の条件を満たすことができれば、2軸構造でも3軸構造でも実施可能である。
さらに、斜め地盤改良施工機1、圧送ポンプ、プラント間の通信を無線化し、かつ各機器の運転をコンピュータで一括制御する全自動施工管理システムを導入することもできる。当該システムを搭載することにより、安定した施工品質を確保すると同時に、省力化を図ることもできる。
この発明は、既存建物下の地盤改良に適用できるほか、海岸堤防、のり面補強にも利用可能である。
1 斜め地盤改良施工機
2 機械本体部
3 走行機構部
4 リーダー
5 ロッド(駆動軸)
6 回転駆動部
7 回転軸
8 撹拌翼
9 掘削翼
10 先端貫入部材
11 下部ガイド
12 油圧シリンダー
13 共回り防止翼
13a 枠材
13b 変位抑止板
13c 拡径部材
14 スラスト受け板
15 回転軸筒
20 斜め改良体(掘削孔)
S 改良地盤の最深層
T 安定材の吐出方向

Claims (5)

  1. 任意の角度に傾斜可能なリーダーと、前記リーダーに沿って昇降する回転駆動部で回転させるロッドと、前記ロッドの下部に連結された回転軸と、前記回転軸に設けられた撹拌翼と掘削翼と先端貫入部材とを備え、鉛直方向に対して傾斜した斜め改良体を造成することが可能な地盤改良施工機であって、
    前記回転軸を所定の角度に傾斜させた姿勢で地盤に貫入させるにあたり、前記先端貫入部材の先端が、前記撹拌翼および前記掘削翼よりも常に先行して改良地盤の最深層に到達するように突き出した構成であること
    前記撹拌翼は、第1の撹拌翼と、前記第1の撹拌翼の下方に設けられた前記第1の撹拌翼よりも小径の第2の撹拌翼とからなり、前記第2の撹拌翼は、共回り防止翼を形成する上下2段に配置された細長い板状の枠材の間に設けられていること、
    前記上下2段に配置された枠材の左右の先端部であって、掘削孔の内面へ接する位置に、前記掘削孔の円周方向の曲率と等しい円弧面状をなす変位抑止板が、前記上下2段に配置された枠材を一体的に繋ぐように設けられ、さらに前記変位抑止板の外面に前記掘削孔の孔壁土中へ食い込む拡径部材が突設されることで前記共回り防止翼が形成されること、
    前記先端貫入部材は、その先端に近い部位の周面部に、セメントミルク等の安定材を横方向へ吐出する吐出孔が設けられ、前記ロッドに着脱可能な構成であること、及び、
    鉛直方向の施工を行う場合は、前記先端貫入部材が無い構造で鉛直改良体を造成し、斜め方向の施工を行う場合は、前記先端貫入部材を装着した状態で斜め改良体を造成することが可能な構成であることを特徴とする、斜め地盤改良施工機。
  2. 前記先端貫入部材は先細状に形成されていることを特徴とする、請求項に記載した斜め地盤改良施工機。
  3. 前記先端貫入部材に、障害物を効率よく排除するためのビットが設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した斜め地盤改良施工機。
  4. 前記回転軸を傾斜させる角度は、鉛直面に対して、0°より大きく60°以下の範囲であることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載した斜め地盤改良施工機。
  5. 請求項1~のいずれかに記載の斜め地盤改良施工機を用いた斜め地盤改良工法であって、前記回転軸を所定の角度に傾斜させた姿勢で地盤に貫入させつつ、前記先端貫入部材を改良地盤の最深層へ常に先行させながら前記掘削翼および前記撹拌翼を回動させることにより、鉛直方向に対して傾斜した斜め改良体を造成することを特徴とする、斜め地盤改良工法。
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