JP7400887B1 - 電動機の制御装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents

電動機の制御装置、制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】高タクトな機械の動作を実現する技術を提供する。【解決手段】電動機の制御装置は、位置指令値と位置検出値との偏差に基づき第1速度指令値を生成する位置制御部と、荷重指令値と荷重検出値との偏差に基づき第2速度指令値を生成する荷重制御部と、第2速度指令値を第1速度指令値に加算して速度指令値を生成する第1加算器と、第2速度指令値を積分して第2位置指令値を生成する積分器と、第2位置指令値を第1位置指令値に加算して位置指令値を生成する第2加算器と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、電動機の制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
従来、電動機の制御モードを位置指令に基づく位置制御から荷重指令に基づく荷重制御に切替える制御装置が知られている。
また、電動機の制御装置には、荷重制御を行う荷重制御部から速度制御を行う速度制御部に対して速度指令を出力するものがある(例えば特許文献1)。
特開平09-254205号公報
従来技術では、電動機の制御モードを位置制御から荷重制御に切替える際にショックを防止するため、電動機を完全に停止する手順が必要である。斯かる切替え手順により、機械のタクトを上げられないことがある。
本開示は、高タクトな機械の動作を実現する技術を提供する。
本開示の一態様は、位置指令値と位置検出値との偏差に基づき第1速度指令値を生成する位置制御部と、荷重指令値と荷重検出値との偏差に基づき第2速度指令値を生成する荷重制御部と、前記第2速度指令値を前記第1速度指令値に加算して速度指令値を生成する第1加算器と、前記第2速度指令値を積分して第2位置指令値を生成する積分器と、前記第2位置指令値を指令部によって生成される第1位置指令値に加算して前記位置指令値を生成する第2加算器と、を備える、電動機の制御装置である。

本開示の一態様によれば、高タクトな機械の動作を実現する技術を提供することができる。
第1実施形態の制御システムのシステム構成例を示す図である。 第1実施形態の制御システムの機能構成例を示す図である。 第1実施形態の制御システムを適用した実施例1を示す図である。 比較例1と実施例1の制御装置の差異を示すタイミングチャートである。 比較例2と実施例1の制御装置の差異を示すタイミングチャートである。 第2実施形態の制御システムの機能構成例を示す図である。 比較例3と実施例2の制御装置の差異を示すタイミングチャートである。 第3実施形態の制御システムの機能構成例を示す図である。 実施例3の制御装置における制御切替え時のタイミングチャートである。 第4実施形態の制御システムの機能構成例を示す図である。 比較例4と実施例4の制御装置の差異を示すタイミングチャートである。 第5実施形態の制御システムの機能構成例を示す図である。
図面を参照して、本開示の実施形態について詳細に説明する。各図面において、同一構成要素には同一符号を付与し、重複した説明を適宜省略する。
<第1実施形態>
以下、第1実施形態の制御システム1について説明する。
<<システム構成>>
図1は、本実施形態の制御システム1のシステム構成例を示す図である。制御システム1は、1つの電動機100を駆動制御する1軸のサーボシステムであるが、複数の電動機100を駆動制御する多軸のサーボシステムでもよい。
制御システム1は、電動機100と、駆動制御装置200と、を備えている。電動機100は、検出センサ101を備えるサーボモータであり、駆動制御装置200は、電動機100を駆動制御するサーボアンプである。
制御システム1は、上位制御装置400をさらに備えていてもよい。上位制御装置400は、1つ又は複数の駆動制御装置200を制御する上位コントローラである。上位制御装置400は、駆動制御装置200に通信可能に接続する。
電動機100は、交流電動機であるが、直流電動機でもよい。電動機100は、同期電動機であるが、誘導電動機でもよい。電動機100は、回転式モータであるが、リニアモータでもよい。例えば、電動機100は、U相、V相、及びW相の三相の巻線を設けたステータと、永久磁石を設けたロータと、を備えている。三相の巻線は、スター結線されるが、デルタ結線されてもよい。
検出センサ101は、ロータの回転角度又は回転角速度等の電動機100の位置又は速度を検知するエンコーダであるが、ホール素子、又はレゾルバ等でもよい。検出センサ101は、電動機100の位置又は速度に応じた電気信号をパルス信号等により出力する。
電動機100は、ボールねじ及びテーブル等を備えた機械300を駆動する。機械300は、制御対象部位311にかかる荷重を検知するロードセル等の荷重センサ301を備えている。荷重センサ301は、制御対象部位311の荷重に応じた電気信号を制御装置220に出力する。
駆動制御装置200は、商用電源等の交流の電源PSから、R相、S相、及びT相の三相交流又は単相交流の交流電力を入力して電動機100の駆動電力に変換する。駆動制御装置200は、二次電池等の直流の電源PSから直流電力を入力して電動機100の駆動電力に変換してもよい。
駆動制御装置200は、インバータ装置等の電力変換装置210(駆動装置)と、MCU(Micro Control Unit:マイクロコントローラ)等の制御装置220と、を備えている。電力変換装置210は、電源PSの電力を電動機100の駆動電力に変換する。制御装置220は、上位制御装置400に通信可能に接続する。制御装置220は、上位制御装置400の指令に応じて電動機100を制御する。
電力変換装置210は、コンバータ回路211と、平滑コンデンサ212と、インバータ回路213と、駆動信号生成部214と、電流センサ215と、を備えている。電源PSが直流電源である場合、電力変換装置210は、コンバータ回路211及び平滑コンデンサ212を備えていなくてよい。
コンバータ回路211は、交流を直流に変換する。平滑コンデンサ212は、直流電圧を平滑化する。インバータ回路213は、例えば電圧形インバータである。インバータ回路213は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の6個のスイッチング素子を備え、PWM(Pulse Width Modulation)信号等の駆動信号に応じて直流を交流に変換する。
駆動信号生成部214は、U相、V相、及びW相の三相交流のそれぞれの電圧指令に応じてPWM信号等の駆動信号をそれぞれ生成する。駆動信号生成部214は、PWM信号等の駆動信号をインバータ回路213の6個のスイッチング素子に出力する。
インバータ回路213のスイッチング素子のそれぞれのゲート端子は、駆動信号生成部214に接続されている。6個のスイッチング素子は、駆動信号に応じてオンオフ間隔を変化させ、正弦波のU相、V相、及びW相の三相交流の駆動電力を生成する。駆動信号生成部214は、制御装置220の中にあってもよい。
電流センサ215は、U相、V相、及びW相の三相の巻線に流れる電流をそれぞれ検知する。電流センサ215は、巻線に流れる電流に応じた電気信号を制御装置220に出力する。
制御装置220は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を備えている。制御装置220は、NVRAM(Non Volatile Random Access Memory)、及び入出力回路等をさらに備えている。制御装置220は、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Filed Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備えていてもよい。
CPUは、制御装置220の全体を制御すると共に、各種演算処理を実行する。ROMは、IPL(Initial Program Loader)等のCPUの駆動に用いるプログラムを記憶する。RAMは、プログラムをロードする記憶領域として又はロードしたプログラムのワークエリアとして使用する。
NVRAMは、CPUにより実行される各種プログラムを記憶する。入出力回路は、センサ等の入力信号をA/D(Analog to Digital)変換するA/D変換器と、出力信号をD/A(Digital to Analog)変換するD/A変換器等を備えている。
制御装置220は、電動機100の位置制御、速度制御、及び電流制御を行う。また、制御装置220は、制御対象部位311の荷重に基づいて電動機100の荷重制御を行う。制御方式としては、P(Proportional:比例)制御、PI(Proportional-Integral:比例積分)制御、又はPID(Proportional-Integral-Differential:比例積分微分)制御が用いられる。
制御装置220は、上位制御装置400から電動機100の制御指令をパルス信号等により入力してA/D変換する。制御指令は、位置指令、速度指令、トルク指令、又は荷重指令等を含む。
上位制御装置400は、モーションコントローラ等の上位コントローラである。上位制御装置400は、PLC(Programmable Logic Controller)等を備えている。上位制御装置400は、PTP(Point To Point)制御又はCP(Continuous Path)制御等により、1つ又は複数の電動機100の制御装置220を制御する。
本実施形態の制御装置220は、電動機の制御モードを位置制御と荷重制御との間でシームレスに切替える。
制御装置220は、検出センサ101、電流センサ215、及び荷重センサ301の出力信号をそれぞれ入力してA/D変換する。制御装置220は、A/D変換された位置検出値、電流検出値、及び荷重検出値に基づいてフィードバック制御を行う。
制御装置220は、U相、V相、及びW相の三相交流のそれぞれの電圧指令を駆動信号生成部214に出力する。駆動信号生成部214は、電圧指令に応じてPWM信号等の駆動信号を生成し、インバータ回路213の6個のスイッチング素子のオンオフ間隔を変化させる。
電動機100のステータは、U相、V相、及びW相の三相交流に応じて回転磁界を生成し、電動機100のロータが回転する。電動機100のロータは、ボールねじ及びテーブル等の機械300に動力を伝達する。荷重センサ301は、機械300の動作に応じた制御対象部位311の荷重を検知する。
<<機能構成>>
以下、本実施形態の制御システム1の機能構成について説明する。図2は、本実施形態の制御システム1の機能構成例を示す図である。図2に示す各種機能は、1以上のプログラムがCPU等のプロセッサに実行させる処理により実現する。
制御装置220は、位置制御部221と、速度制御部222と、電流制御部223と、位置検出部224と、速度検出部225と、電流検出部226と、を備えている。
本実施形態の制御装置220は、荷重制御部227と、荷重検出部228と、第1加算器230と、積分器231と、第2加算器232と、をさらに備えている。
上位制御装置400は、指令部401を備えている。制御装置220の少なくとも一部の機能は、後述の実施形態で説明するように上位制御装置400が担当してもよい。
指令部401は、PTP制御又はCP制御等を行う移動制御器を備えている。指令部401は、PTP制御又はCP制御等に基づき、電動機100の目標位置を含む第1位置指令p1*を生成する。指令部401は、第1位置指令p1*をパルス信号等により制御装置220に出力して、制御装置220の位置制御を活性化する。
位置制御部221は、位置指令値p*と位置検出値pdetとの位置偏差に基づき、P制御、PI制御、又はPID制御を行う位置調節器を備えている。位置制御部221は、位置偏差をゼロに近づけるための第1速度指令値ω1*を速度制御部222に出力する。
速度制御部222は、速度指令値ω*と速度検出値ωdetとの速度偏差に基づき、P制御、PI制御、又はPID制御を行う速度調節器を備えている。速度制御部222は、速度偏差をゼロに近づけるための電流指令値I*を電流制御部223に出力する。
電流制御部223は、電流指令値I*と電流検出値Idetとの電流偏差に基づき、P制御、PI制御、又はPID制御を行う電流調節器を備えている。電流制御部223は、電流偏差をゼロに近づけるための電圧指令値V*を駆動信号生成部214に出力する。
電流制御部223は、ベクトル制御を行ってもよい。つまり、電流制御部223は、ベクトル変換器と、ベクトル逆変換器と、を備えていてもよい。ベクトル変換器は、U相、V相、及びW相の三相交流の電流検出値Iu、Iv、及びIwを、α軸及びβ軸の電流検出値Iα及びIβに相変換する。ベクトル変換器は、位置検出値pdet(磁極位置)に基づいてd軸及びq軸の電流検出値Id及びIqに座標変換する。
α軸は、U相の巻線方向に規定され、β軸は、α軸より電気角で90°(π/2)進んだ方向に規定される。d軸は、ロータに設けられた永久磁石のN極の向き(磁極位置)に規定され、q軸は、d軸より電気角で90°(π/2)進んだ方向に規定される。
電流制御部223内の電流調節器は、速度制御部222内の速度調節器から出力されるd軸及びq軸の電流指令値Id*及びIq*と、ベクトル変換器から出力される電流検出値Id及びIqとの電流偏差に基づき、P制御、PI制御、又はPID制御を行う。電流調節器は、電流偏差をゼロに近づけるための電圧指令値Vd*及びVq*をベクトル逆変換器に出力する。
ベクトル逆変換器は、電動機100の電気位相角及び磁極位置等に基づき、電圧指令値Vd*及びVq*を、U相、V相、及びW相の三相交流の電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に相変換して駆動信号生成部214に出力する。
電流指令値I*は、d軸及びq軸の電流指令値Id*及びIq*の総称であり、電圧指令値V*は、U相、V相、及びW相の三相交流の電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*の総称である。
位置検出部224は、検出センサ101の出力信号に基づき、ロータの回転角度等の電動機100の位置検出値pdetを検出する。
速度検出部225は、検出センサ101の出力信号に基づき、ロータの回転角速度等の電動機100の速度検出値ωdetを検出する。
電流検出部226は、電流センサ215の出力信号に基づき、U相、V相、及びW相の三相交流の電流検出値Iu、Iv、及びIw等の電流検出値Idetを検出する。電流検出値Idetは、三相交流の電流検出値Iu、Iv、及びIwの総称である。
指令部401は、制御対象部位311の目標荷重を含む荷重指令f*を生成する。指令部401は、荷重指令f*をパルス信号等により制御装置220に出力して、制御装置220の荷重制御を活性化する。
荷重制御部227は、荷重指令値f*と荷重検出値fdetとの荷重偏差に基づき、P制御、又はPI制御を行う荷重調節器を備えている。荷重制御部227は、荷重偏差をゼロに近づけるための第2速度指令値ω2*を出力する。
第1加算器230は、荷重制御部227から出力された第2速度指令値ω2*を、位置制御部221から出力された第1速度指令値ω1*に加算して速度指令値ω*を生成する。第1加算器230は、速度指令値ω*を速度制御部222に出力する。
積分器231は、第2速度指令値ω2*を積分した第2位置指令値p2*を生成する。積分器231は、第2位置指令値p2*を第2加算器232に出力する。
第2加算器232は、第2位置指令値p2*を第1位置指令値p1*に加算して位置指令値p*を生成する。第2加算器232は、位置指令値p*を位置制御部221に出力する。
<<実施例1>>
以下、本実施形態の制御システム1を適用した実施例1について説明する。図3は、本実施形態の制御システム1を適用した実施例1を示す図である。
機械300は、ウエハW等の被検査体を検査する検査装置である。機械300は、ウエハWに形成されたIC(Integrated Circuit)チップ等の複数のデバイスDの電気的特性を検査するプローバである。
機械300は、プローブカード302と、複数のプローブ303と、ウエハチャック304と、アライメント装置310と、をさらに備えている。
プローブカード302は、ウエハWを載置するウエハチャック304の上方に配置される。プローブカード302は、ウエハWに形成されたデバイスDの各電極パッドに電気的に接触する複数のプローブ303を備えている。
複数のプローブ303は、スプリングピン等のプローブピンであり、プローブカード302の下面から下方に向けて突出する。複数のプローブ303は、図示しないテストヘッドの各端子に接続されていて、テストヘッドから電力及び検査信号を供給される。テストヘッドは、ウエハW上のデバイスDからの出力信号を測定して、各デバイスが正常に動作するかを電気的に検査する。
プローブカード302は、複数のプローブ303の少なくとも一部の荷重を検知するロードセル等の荷重センサ301を備えている。
ウエハチャック304は、真空吸着等によりウエハWを吸着して固定する。ウエハチャック304の内部には、150℃等の高温状態又は-40℃等の低温状態でデバイスDの電気的特性検査を行うため、図示しない加熱冷却機構が設けられる。
ウエハWが加熱されると、プローブカード302が熱膨張して、プローブ303とデバイスDの電極パッドが目標荷重以上のコンタクト荷重で接触し、デバイスD又はプローブ303が損傷することがある。
ウエハチャック304は、アライメント装置310に支持される。アライメント装置310は、ウエハチャック304をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動させ、Z軸回りのθ方向に回転させることにより、複数のプローブ303を各デバイスDの電極パッドに接触させる。
アライメント装置310は、ラックギア305、ピニオンギア306、固定部材307、X軸テーブル308、及びY軸テーブル309等を備えている。
ラックギア305は、ウエハチャック304に固定される。ピニオンギア306は、ラックギア305に螺合する。ピニオンギア306は、Z軸用の電動機100のロータシャフト102に固定される。電動機100は、固定部材307に固定される。
電動機100のロータシャフト102は、ピニオンギア306を回転させる。ピニオンギア306は、ラックギア305をZ軸方向に移動させる。ラックギア305は、ウエハチャック304をZ軸方向に直動して、デバイスDの各電極パッドを各プローブ303に接触させる。
アライメント装置310は、図示しないが、X軸用、Y軸用、Z軸用、及びθ軸用の複数の電動機100をさらに備えている。
X軸テーブル308は、X軸用の電動機100によりX軸方向に移動し、Y軸テーブル309は、Y軸用の電動機100によりY軸方向に移動する。ウエハチャック304は、Z軸用の電動機100によりZ軸回りのθ方向に回転する。
本例の制御システム1は、X軸用、Y軸用、Z軸用、及びθ軸用の複数の電動機100を駆動制御する多軸のサーボシステムである。
プローブカード302の熱膨張等により、デバイスDの各電極パッドと各プローブ303の接触位置が変化することがある。
そこで、制御システム1は、X軸用、Y軸用、Z軸用、及びθ軸用の複数の電動機100を位置制御して、デバイスDの電極パッドがプローブ303に接触する直前の目標位置までウエハチャック304を高速に移動させる。
次いで、制御システム1は、位置制御から荷重制御に切替え、Z軸用の電動機100を荷重制御して、プローブ303のコンタクト荷重が目標荷重になるまでウエハチャック304をZ軸方向に移動させる。
検査装置がデバイスDの電気的特性検査を終了した後、制御システム1は、荷重制御から位置制御に切替え、次のデバイスDの電極パッドがプローブ303に接触する直前の目標位置までウエハチャック304を高速に移動させる。
以降、制御システム1は、ウエハW上の全てのデバイスDの検査が終了するまで同じシステム制御を繰り返す。
斯かる制御システム1において、指令部401は、デバイスDの各電極パッドが各プローブ303に接触する0.1mm手前までウエハチャック304を移動させるPTP制御を行った。指令部401は、PTP制御に基づき、第1位置指令値p*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて位置制御を活かした。
次いで、指令部401は、2Nの荷重指令f*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて荷重制御を活かした。
<<比較例1>>
比較例1の制御装置220は、図2に示す積分器231と第2加算器232を備えておらず、第2位置指令値p2*を第1位置指令値p1*に加算しない構成とした。
図4は、比較例1と実施例1の制御装置220の差異を示すタイミングチャートである。図4は、Z軸用の電動機100の制御装置220における各種信号の変化と信号間の関係を示している。
第1時刻t1において、指令部401は、デバイスDの電極パッドがプローブ303に接触する0.1mm手前までウエハチャック304を移動させるPTP制御に基づき、第1位置指令値p*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて位置制御を行った。
第2時刻t2において、指令部401は、2Nの荷重指令f*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて荷重制御を活かした。
比較例の制御装置220では、第2時刻t2において、荷重制御部227が0.04m/秒の第2速度指令値ω2*を出力した。しかし、位置制御部221は、位置偏差peをゼロに近づけるように位置制御して、-0.04m/秒の第1速度指令値ω1*を出力したため、荷重制御部227から出力された第2速度指令値ω2*を打ち消した。結果として、囲み線CFで示すように、荷重検出値fdetがゼロのままになった。
対照的に、本例の制御装置220は、荷重制御部227から出力された第2速度指令値ω2*を積分して第2位置指令値p2*を生成し、第2位置指令値p2*を第1位置指令値p1*に加算する。従って、位置制御部221における位置偏差peがゼロに向かい、荷重制御部227から出力された第2速度指令値ω2*を打ち消さなかった。結果として、囲み線EFに示すように、荷重検出値fdetが2Nに収束した。
また、荷重制御が活きた瞬間である第2時刻t2においても、電動機100の速度はゼロにならなかった。つまり、本例の制御装置220は、電動機100を停止することなく、高タクトな機械300の動作を可能にした。
<<比較例2>>
比較例2の制御装置220は、第2速度指令値ω2*を第1速度指令値ω1に加算せず、第2位置指令値p2*を第1位置指令値p1*に加算して位置指令p*を生成する構成とした。つまり、比較例2の制御装置220は、位置指令ベースの荷重制御を行う構成とした。
図5は、比較例2と実施例1の制御装置220の差異を示すタイミングチャートである。図5は、Z軸用の電動機100の制御装置220における各種信号の変化と信号間の関係を示している。
第1時刻t1において、指令部401は、デバイスDの電極パッドがプローブ303に接触する0.1mm手前までウエハチャック304を移動させるPTP制御に基づき、第1位置指令値p*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて位置制御を行った。
第2時刻t2において、指令部401は、2Nの荷重指令値f*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて荷重制御を活性化した。
第3時刻t3において、プローブ303のコントタクト荷重が2Nの目標荷重に到達した。
比較例2の制御装置220では、第2時刻t2において、荷重制御部227が0.01mの第2位置指令値p2*を出力した。しかし、位置指令ベースの荷重制御は、速度指令ベースの荷重制御に比べ、制御応答が遅い。結果として、囲み線CFで示すように、プローブ303のコントタクト荷重が2Nの目標荷重に到達する第3時刻t3までに22msの到達時間が掛かった。
対照的に、本例の制御装置220では、荷重制御部227から出力された第2速度指令値ω2*に基づいて速度指令値ω*を生成する速度指令ベースの荷重制御を行う。速度指令ベースの荷重制御は、位置指令ベースの荷重制御に比べ、制御応答が早い。結果として、囲み線EFで示すように、プローブ303のコントタクト荷重が2Nの目標荷重に到達する第3時刻t3までに12msの到達時間で済んだ。
<<第1実施形態の作用効果>>
第1実施形態の制御装置220は、荷重制御部227から出力した第2速度指令値ω2*を積分して第2位置指令値p2*を生成する積分器231と、第2位置指令値p2*を第1位置指令値p1*に加算する第2加算器232と、を備えている。
第2位置指令値p2*を第1位置指令値p1*に加算することにより、位置制御部221における位置偏差peがゼロに向かい、荷重制御部227から出力された第2速度指令値ω2*の邪魔をしない。従って、制御装置220は、位置制御を活かしたまま荷重制御を行うことができる。
また、制御装置220は、速度指令ベースの荷重制御を行うため、位置指令ベースの荷重制御を行う場合に比べ、制御応答が速いという特徴を保持している。
第1実施形態によれば、高タクトな機械300の動作を実現することができる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態の制御システム1について説明する。なお、前述の実施形態と重複する記載については説明を適宜省略する。
<<機能構成>>
図6は、本実施形態の制御システム1の機能構成例を示す図である。図6に示す各種機能は、1以上のプログラムがCPU等のプロセッサに実行させる処理により実現する。
荷重制御部227が第2速度指令値ω2*を出力してから、位置検出値pdetが位置制御部221に戻ってくるまでの間に応答遅延TDがある場合、位置制御から荷重制御への切替え時に過渡的な又は一時的な位置偏差peが発生する。従って、荷重のオーバーシュートが生じる可能性がある。
そこで、制御装置220は、積分器231から第2加算器232へ第2位置指令p2*を出力する時間を、荷重制御の応答遅延TDと等価な遅延時間分だけ遅延させる時間遅延器233を備えている。
時間遅延器233は、電動機100を完全に停止した状態で、荷重制御部227が第2速度指令ω2*を出力してから、位置検出値pdetが位置制御部221に戻ってくるまでの遅延時間を計測して自動で設定する。或いは、ユーザがアプリケーションに応じて遅延時間を手動で設定してもよい。時間遅延器233は、遅延時間をNVRAM等の不揮発性メモリに記憶する。
時間遅延器233は、遅延時間を不揮発性メモリから読出し、基準クロック信号に基づいて積分器231から第2加算器232へ第2位置指令p2*を出力する時間を遅延時間分だけ遅らせて第2加算器232に出力する。
<<実施例2>>
以下、本実施形態の制御システム1を適用した実施例2について説明する。なお、実施例1と重複する記載については説明を適宜省略する。
図3に示す機械300において、時間遅延器233は、荷重制御部227が第2速度指令ω2*を出力してから、位置検出値pdetが位置制御部221に戻ってくるまでの遅延時間を計測した。
指令部401は、ウエハW上のデバイスDの各電極パッドが各プローブ303に接触する0.1mm手前までウエハチャック304を移動させるPTP制御に基づき、第1位置指令値p*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて位置制御を行った。
位置制御の動作後、0.16秒が経過した時点で、指令部401は、2Nの荷重指令f*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて荷重制御を活かした。
また、時間遅延器233の効果を確認するため、制御装置220の速度制御応答を遅めの80Hz相当に設定した。
<<比較例3>>
比較例3の制御装置220は、図6に示す時間遅延器233を備えておらず、積分器231から第2加算器232へ第2位置指令値p2*を直ちに出力する構成とした。
図7は、比較例3と実施例2の制御装置220の差異を示すタイミングチャートである。図7は、Z軸用の電動機100の制御装置220における各種信号の変化と信号間の関係を示している。
第1時刻t1において、指令部401は、ウエハW上のデバイスDの各電極パッドが各プローブ303に接触する0.1mm手前までウエハチャック304を移動させるPTP制御を行った。指令部401は、PTP制御に基づき、第1位置指令値p*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて位置制御を活かした。
位置制御の動作後、0.16秒が経過した第2時刻t2において、指令部401は、2Nの荷重指令値f*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて荷重制御を活かした。
比較例3の制御装置220では、荷重制御の応答遅延補償がないため、囲み線CEで示すように、荷重制御を活かした第2時刻t2において位置偏差peが若干大きくなった。結果として、囲み線CFに示すように、荷重がオーバーシュートした。
対照的に、本例の制御装置220では、時間遅延器233による荷重制御の応答遅延補償があるため、囲み線EEで示すように、荷重制御を活かした第2時刻t2において位置偏差peが概ねゼロになった。結果として、囲み線EFに示すように、荷重のオーバーシュートが殆どなかった。
<<第2実施形態の作用効果>>
第2実施形態の制御装置220は、積分器231から第2加算器232へ第2位置指令p2*を出力する時間を、荷重制御による応答遅延TDと等価な遅延時間分だけ遅延させる時間遅延器233を備えている。
第2実施形態によれば、制御装置220の制御応答が遅い場合でも、荷重制御における位置偏差peを概ねゼロに保つことができ、荷重のオーバーシュートが発生しない。ひいては、プローブ303とデバイスDの電極パッドが目標荷重以上のコンタクト荷重で接触することによるデバイスD又はプローブ303の損傷を防止することができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態の制御システム1について説明する。なお、前述の実施形態と重複する記載については説明を適宜省略する。
<<機能構成>>
図8は、本実施形態の制御システム1の機能構成例を示す図である。図8に示す各種機能は、1以上のプログラムがCPU等のプロセッサに実行させる処理により実現する。
本実施形態の制御システム1では、指令部401が、位置制御から荷重制御への切替え時に、電動機100が完全に停止するのを待つことなく、荷重指令値f*を荷重制御部227に与える。
荷重制御部227は、位置制御から荷重制御への切替え時に、電動機100が完全に停止する前に荷重指令値f*に応じて活性化する。
また、本実施形態の制御装置220は、荷重制御から位置制御への切替え時に、電動機100の現在位置をプリセットすると共に、荷重制御部227と積分器231とをリセットするリセット器235を備えている。
荷重制御から位置制御への切替え時は、荷重制御の結果としての電動機100の現在位置と、位置制御の結果としての目標位置との間にズレが生じているため、電動機100の現在位置をプリセットする処理が必要になる。
また、荷重制御から位置制御への切替え時は、荷重制御部227と積分器231とに溜まっている値をリセットすることにより、荷重制御から位置制御への切替え時のショックを防止することができる。
リセット器235は、電動機100の現在位置をプリセット信号presetとして指令部401に出力すると共に、荷重制御部227と積分器231にリセット信号resetを出力する。
制御装置220は、プリセット信号presetを指令部401に出力する出力ポート234を備えている。
なお、上位制御装置400がリセット器235を備えていてもよい。制御装置220は、リセット信号resetを上位制御装置400から入力し、プリセット信号presetを指令部401に出力する。
<<実施例3>>
以下、本実施形態の制御システム1を適用した実施例3について説明する。なお、前述の実施例と重複する記載については説明を適宜省略する。
図3に示す機械300において、指令部401は、位置制御から荷重制御への切替え時に、電動機100が完全に停止するのを待つことなく、荷重指令値f*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えた。荷重制御部227は、電動機100が完全に停止する前に荷重指令値f*に応じて活性化した。
デバイスDの電気的特性検査が完了した後、リセット器235は、荷重制御から位置制御への切替え時に、電動機100の現在位置を指令部401にプリセットすると共に、荷重制御部227と積分器231とをリセットした。
図9は、実施例3の制御装置220における制御切替え時のタイミングチャートである。図9は、Z軸用の電動機100の制御装置220における各種信号の変化と信号間の関係を示している。
第1時刻t1において、指令部401は、ウエハW上のデバイスDの各電極パッドが各プローブ303に接触する0.1mm手前までウエハチャック304を移動させるPTP制御を行った。指令部401は、PTP制御に基づき、第1位置指令値p*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて位置制御を活かした。
電動機100が完全に停止していない第2時刻t2において、指令部401は、2Nの荷重指令値f*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えた。荷重制御部227は、電動機100が完全に停止する前に荷重指令値f*に応じて活性化した。
デバイスDの電気的特性検査が完了した第3時刻t3において、指令部401は、ウエハチャック304を待機位置まで移動させるPTP制御に基づき、第1位置指令値p*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて位置制御を行った。
本例の制御装置220では、電動機100が完全に停止していない第2時刻t2において荷重制御部227が活性化したが、速度検出値ωdetはゼロにならなかった。つまり、制御装置220は、位置制御を活かしたまま荷重制御にシームレスに切替えることができた。
また、本例の制御装置220では、荷重制御から位置制御への切替え時である第3時刻t3において、リセット器235が電動機100の現在位置を指令部401にプリセットすると共に、荷重制御部227と積分器231とをリセットした。従って、ショックが発生することなく、荷重制御から位置制御にシームレスに切替えることができた。
<<第3実施形態の作用効果>>
第3実施形態の制御装置220では、位置制御から荷重制御への切替え時に、電動機100が完全に停止する前に荷重制御部227が荷重指令値f*に応じて活性化する。つまり、制御装置220は、位置制御を活かしたまま荷重制御にシームレスに切替えることができる。
また、制御装置220は、荷重制御から位置制御への切替え時に、電動機100の現在位置をプリセットすると共に、荷重制御部227と積分器231とをリセットするリセット器235を備えている。従って、ショックが発生することなく、荷重制御から位置制御にシームレスに切替えることができる。
第3実施形態によれば、制御切替え時に待ち時間が発生しないため、高タクトな機械300の動作を実現することができる。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態の制御システム1について説明する。なお、前述の実施形態と重複する記載については説明を適宜省略する。
<<機能構成>>
図10は、本実施形態の制御システム1の機能構成例を示す図である。図10に示す各種機能は、1以上のプログラムがCPU等のプロセッサに実行させる処理により実現する。
本実施形態の制御装置220は、荷重検出値fdetが所定の閾値を超えるまで荷重制御部227におけるPI制御の積分をリセット又はホールドする積分リセット器236を備えている。
荷重制御を活かした後、電動機100が空走した場合、荷重制御部227におけるPI制御の積分に偏差が蓄積され、荷重のオーバーシュートが発生する。
積分リセット器236は、荷重検出値fdetが所定の閾値を超えるまで荷重制御部227におけるPI制御の積分をリセット又はホールドするため、荷重のオーバーシュートを防止できる。
積分リセット器236は、0より大きくかつ目標荷重より小さい値を閾値として自動で設定する。或いは、ユーザがアプリケーションに応じて閾値を手動で設定してもよい。積分リセット器236は、閾値をNVRAM等の不揮発性メモリに記憶する。
積分リセット器236は、予め定めた閾値を不揮発性メモリから読出し、荷重検出値fdetが閾値を超えるまで荷重制御部227におけるPI制御の積分をリセット又はホールドする。
<<実施例4>>
以下、本実施形態の制御システム1を適用した実施例4について説明する。なお、前述の実施例と重複する記載については説明を適宜省略する。
図3に示す機械300において、指令部401は、デバイスDの各電極パッドが各プローブ303に接触する位置の0.5mm手前でウエハチャック304を停止させるPTP制御を行い、空走期間を増やした。
次いで、指令部401は、2Nの荷重指令値f*を制御装置220に与えて荷重制御を活かした。
なお、積分リセット器236の効果を確認するため、荷重制御部227におけるPI制御の積分時間を10msと早く設定した。
<<比較例4>>
比較例4の制御装置220は、図10に示す積分リセット器236を備えておらず、荷重制御部227におけるPI制御の積分をリセット又はホールドしない構成とした。
図11は、比較例4と実施例4の制御装置220の差異を示すタイミングチャートである。図11は、Z軸用の電動機100の制御装置220における各種信号の変化と信号間の関係を示している。
第1時刻t1において、指令部401は、デバイスDの各電極パッドが各プローブ303に接触する位置の0.5mm手前でウエハチャック304を停止させるPTP制御を行った。指令部401は、PTP制御に基づき、第1位置指令値p*をZ軸用の電動機100の制御装置220に与えて位置制御を活かした。
第2時刻t2において、指令部401は、2Nの荷重指令値f*を制御装置220に与えて荷重制御を活かした。
第2時刻t2から第3時刻t3まで荷重制御の状態で電動機100が空走した。
比較例4の制御装置220では、囲み線CWに示すように、第2時刻t2から第3時刻t3までの空走期間中に荷重制御部227にPI制御の積分が溜まった。結果として、囲み線CFに示すように、荷重が大きくオーバーシュートした。
対照的に、本例の制御装置220では、積分リセット器236が、囲み線EWに示すように、0.2Nの閾値を超えるまでの荷重制御部227におけるPI制御の積分をリセットした。結果として、囲み線EFに示すように、荷重のオーバーシュートは殆ど発生しなかった。
<<第4実施形態の作用効果>>
第4実施形態の制御装置220は、荷重検出値fdetが所定の閾値を超えるまで荷重制御部227における積分をリセット又はホールドする積分リセット器236を備えている。
第4実施形態によれば、電動機100の空走期間中に荷重制御部227におけるPI制御の積分を蓄積しないため、荷重のオーバーシュートを防止することができる。
<第5実施形態>
以下、第5実施形態の制御システム1について説明する。なお、前述の実施形態と重複する記載については説明を適宜省略する。
<<機能構成>>
図12は、本実施形態の制御システム1の機能構成例を示す図である。図12に示す各種機能は、1以上のプログラムがCPU等のプロセッサに実行させる処理により実現する。
本実施形態の制御システム1では、上位制御装置400が電動機100の位置制御と荷重制御を行う。
制御システム1が複数の電動機100を駆動制御する多軸のサーボシステムである場合には、上位制御装置400が電動機100ごとに位置制御と荷重制御を行う。或いは、上位制御装置400は、複数の電動機100を纏めて位置制御と荷重制御を行ってもよい。
制御装置220は、速度制御部222と、電流制御部223と、位置検出部224と、速度検出部225と、電流検出部226と、を備えている。
上位制御装置400は、指令部401と、位置制御部221と、荷重制御部227と、荷重検出部228と、第1加算器230と、積分器231と、第2加算器232と、を備えている。
上位制御装置400は、時間遅延器233と、リセット器235と、積分リセット器236と、をさらに備えていてもよい。
上位制御装置400の各種機能は、前述の実施形態で説明したものと同じであるため、説明を省略する。上位制御装置400は、本開示の「制御装置」の一例である。
上位制御装置400は、位置制御部221から出力された第1速度指令値ω1*と、荷重制御部227から出力された第2速度指令値ω2*とを加算して速度指令ω*を生成し、速度指令ω*をパルス信号等により制御装置220に出力する。
上位制御装置400は、位置検出値pdetを制御装置220からパルス信号等により入力すると共に、荷重センサ301の出力信号を入力する。
<<第5実施形態の作用効果>>
第5実施形態によれば、制御システム1全体の制御と、各電動機100の制御とを分散処理させることにより、コンピュータ自体の処理能力を向上できる。
上記で説明した実施形態の各種機能は、一又は複数の処理回路により実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」は、電子回路で実装するプロセッサのようにソフトウェアで各機能を実行するようにプログラミングしたプロセッサを含む。或いは、「処理回路」は、各機能を実行するように設計したASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はDSP(Digital Signal Processor)等のデバイスを含む。また、「処理回路」は、FPGA(Field Programmable Gate Array)又は従来の回路モジュール等のデバイスを含む。
本開示の態様は、例えば以下の通りである。
<1> 位置指令値と位置検出値との偏差に基づき第1速度指令値を生成する位置制御部と、
荷重指令値と荷重検出値との偏差に基づき第2速度指令値を生成する荷重制御部と、
前記第2速度指令値を前記第1速度指令値に加算して速度指令値を生成する第1加算器と、
前記第2速度指令値を積分して第2位置指令値を生成する積分器と、
前記第2位置指令値を第1位置指令値に加算して前記位置指令値を生成する第2加算器と、
を備える、電動機の制御装置である。
<2> 前記第2位置指令値を前記第2加算器に出力する時間を、前記第2速度指令値の応答遅延と等価な遅延時間分だけ遅延させる時間遅延器をさらに備える、前記<1>に記載の制御装置である。
<3> 位置制御から荷重制御への切替え時に、前記荷重制御部は、前記電動機が完全に停止する前に前記荷重指令値に応じて活性化する、前記<1>又は前記<2>に記載の制御装置である。
<4> 荷重制御から位置制御への切替え時に、前記電動機の現在位置をプリセットすると共に、前記荷重制御部及び前記積分器をリセットするリセット器をさらに備える、前記<1>から前記<3>のいずれかに記載の制御装置である。
<5> 前記荷重検出値が所定の閾値を超えるまで前記荷重制御部における比例積分制御の積分をリセット又はホールドする積分リセット器をさらに備える、前記<1>から前記<4>のいずれかに記載の制御装置である。
<6> 電動機の制御装置による制御方法であって、前記制御装置が、
位置指令値と位置検出値との偏差に基づき第1速度指令値を生成するステップと、
荷重指令値と荷重検出値との偏差に基づき第2速度指令値を生成するステップと、
前記第2速度指令値を前記第1速度指令値に加算して速度指令値を生成するステップと、
前記第2速度指令値を積分して第2位置指令値を生成するステップと、
前記第2位置指令値を第1位置指令値に加算して前記位置指令値を生成するステップと、
を実行する、制御方法である。
<7> 位置指令値と位置検出値との偏差に基づき第1速度指令値を生成するステップと、
荷重指令値と荷重検出値との偏差に基づき第2速度指令値を生成するステップと、
前記第2速度指令値を前記第1速度指令値に加算して速度指令値を生成するステップと、
前記第2速度指令値を積分して第2位置指令値を生成するステップと、
前記第2位置指令値を第1位置指令値に加算して前記位置指令値を生成するステップと、
を電動機を制御するコンピュータに実行させる、プログラムである。
1 制御システム
100 電動機
101 検出センサ
102 ロータシャフト
200 駆動制御装置
210 電力変換装置
211 コンバータ回路
212 平滑コンデンサ
213 インバータ回路
214 駆動信号生成部
215 電流センサ
220 制御装置
221 位置制御部
222 速度制御部
223 電流制御部
224 位置検出部
225 速度検出部
226 電流検出部
227 荷重制御部
228 荷重検出部
230 第1加算器
231 積分器
232 第2加算器
233 時間遅延器
234 出力ポート
235 リセット器
236 積分リセット器
300 機械
301 荷重センサ
302 プローブカード
303 プローブ
304 ウエハチャック
305 ラックギア
306 ピニオンギア
307 固定部材
308 X軸テーブル
309 Y軸テーブル
310 アライメント装置
311 制御対象部位
400 上位制御装置
401 指令部
p1* 第1位置指令値
p2* 第2位置指令値
p* 位置指令値
pdet 位置検出値
pe 位置偏差
ω1* 第1速度指令値
ω2* 第2速度指令値
ω* 速度指令値
ωdet 速度検出値
I* 電流指令値
Idet 電流検出値
V* 電圧指令値
f* 荷重指令値
fdet 荷重検出値
D デバイス
PS 電源
W ウエハ

Claims (7)

  1. 位置指令値と位置検出値との偏差に基づき第1速度指令値を生成する位置制御部と、
    荷重指令値と荷重検出値との偏差に基づき第2速度指令値を生成する荷重制御部と、
    前記第2速度指令値を前記第1速度指令値に加算して速度指令値を生成する第1加算器と、
    前記第2速度指令値を積分して第2位置指令値を生成する積分器と、
    前記第2位置指令値を指令部によって生成される第1位置指令値に加算して前記位置指令値を生成する第2加算器と、
    を備える、電動機の制御装置。
  2. 前記第2位置指令値を前記第2加算器に出力する時間を、前記第2速度指令値の応答遅延と等価な遅延時間分だけ遅延させる時間遅延器をさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
  3. 位置制御から荷重制御への切替え時に、前記荷重制御部は、前記電動機が完全に停止する前に前記荷重指令値に応じて活性化する、請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 荷重制御から位置制御への切替え時に、前記電動機の現在位置をプリセットすると共に、前記荷重制御部及び前記積分器をリセットするリセット器をさらに備える、請求項1又は2に記載の制御装置。
  5. 前記荷重検出値が所定の閾値を超えるまで前記荷重制御部における比例積分制御の積分をリセット又はホールドする積分リセット器をさらに備える、請求項1又は2に記載の制御装置。
  6. 電動機の制御装置による制御方法であって、前記制御装置が、
    位置指令値と位置検出値との偏差に基づき第1速度指令値を生成するステップと、
    荷重指令値と荷重検出値との偏差に基づき第2速度指令値を生成するステップと、
    前記第2速度指令値を前記第1速度指令値に加算して速度指令値を生成するステップと、
    前記第2速度指令値を積分して第2位置指令値を生成するステップと、
    前記第2位置指令値を指令部によって生成される第1位置指令値に加算して前記位置指令値を生成するステップと、
    を実行する、制御方法。
  7. 位置指令値と位置検出値との偏差に基づき第1速度指令値を生成するステップと、
    荷重指令値と荷重検出値との偏差に基づき第2速度指令値を生成するステップと、
    前記第2速度指令値を前記第1速度指令値に加算して速度指令値を生成するステップと、
    前記第2速度指令値を積分して第2位置指令値を生成するステップと、
    前記第2位置指令値を指令部によって生成される第1位置指令値に加算して前記位置指令値を生成するステップと、
    を電動機を制御するコンピュータに実行させる、プログラム。
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