JP7400044B1 - 乗車かご推定装置および乗車かご推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】専用の装置を必要とせずに、利用者が乗車した乗りかごを推定する。【解決手段】一実施形態に係る乗車かご推定装置は、利用者データ取得部と、運転データ取得部と、推定処理部と、データ出力部とを備える。前記利用者データ取得部は、利用者が建物内の第1の階を通過した第1の時刻と、前記第1の階とは別の第2の階を通過した第2の時刻を含む利用者データを取得する。前記運転データ取得部は、前記建物内に設置された複数台の乗りかごの運転データを取得する。前記推定処理部は、前記利用者データ取得部から取得した前記利用者データと、前記運転データ取得部から取得した前記運転データとに基づいて、前記複数台の乗りかごの中で前記利用者が乗車した乗りかごと運行区間を推定する。前記データ出力部は、前記推定処理部によって推定された結果を所定データ形式で出力する。【選択図】 図8

Description

本発明の実施形態は、乗車かご推定装置および乗車かご推定方法に関する。
ビル館内移動のサービス向上に向けて、運用分析などを事前検証するシミュレーション(デジタル試運転)を、昇降機運転データと人流データからデータドリブンに実施可能にする昇降機運用支援サービスが求められる。そのため、ビル館内の利用者の移動を把握することが必要となる。
ここで、昇降機システムから得られる各階のホール呼びの登録情報や、乗りかごの停止階、積載荷重などの情報に基づいて、利用者の出発階・到着階を推定する方法がある。しかし、この方法では、各利用者の乗降階、乗降タイミングなどを把握することはできない。
特開2004-137005号公報 特開2019-81626号公報
上述したように、昇降機システムから取得できる情報からは、利用者毎に乗降階、乗降タイミング、乗車かごなどを把握できない。なお、昇降機システムから得られる情報を基にした数学的、統計的モデルや、シミュレーションモデルを用いる方法もあるが、利用者の個人差およびビル毎の傾向の違いを反映させることは難しい。また、カメラやビーコンシステムなどを用いる方法もあるが、専用の装置を設置する必要があり、管理・運用のコストがかかる。
本発明が解決しようとする課題は、専用の装置を必要とせずに、利用者が乗車した乗りかごを推定できる乗車かご推定装置および乗車かご推定方法を提供することである。
一実施形態に係る乗車かご推定装置は、利用者データ取得部と、運転データ取得部と、推定処理部と、データ出力部とを備える。
前記利用者データ取得部は、利用者が建物内の第1の階のエレベータホールの入口側に設置された第1の認証装置を通過した第1の時刻と、前記第1の階とは別の第2の階のエレベータホールの出口側に設置された第2の認証装置を通過した第2の時刻を含む利用者データを取得する。前記運転データ取得部は、前記建物内に設置された複数台の乗りかごの運転データを取得する。前記推定処理部は、前記利用者データ取得部から取得した前記利用者データと、前記運転データ取得部から取得した前記運転データとに基づいて、前記各乗りかごの中で前記利用者が乗車した乗りかごと運行区間を推定する。前記データ出力部は、前記推定処理部によって推定された結果を所定データ形式で出力する。
図1は一実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。 図2は利用者の移動経路上で測定可能な情報と推定を必要とする情報を示した図である。 図3は利用者の歩行時間から昇降機利用時刻を推定する方法を説明するための図である。 図4は昇降機のかご運行線を示す図である。 図5は乗車確率と降車確率の算出例を示す図である。 図6は到着階における推定歩行時間の補正方法を説明するための図である。 図7は出発階における利用者の推定歩行時間の補正方法を説明するための図である。 図8は同実施形態における乗車かご推定装置の構成を示すブロック図である。 図9は前記乗車かご推定装置に用いられる利用者データとして、入退管理システムから得られるゲートの通過データの一例を示す図である。 図10は前記乗車かご推定装置に用いられる昇降機の運転データとして、昇降機システムの群管理制御装置から得られる各乗りかごの運転データの一例を示す図である。 図11は前記乗車かご推定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図12は前記乗車かご推定装置の処理動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
図1は一実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。図中の100はビル(ビルディング)を示している。このビル100には、昇降機システム110と入退管理システム120とが備えられている。
昇降機システム110は、ビル100内に設置された複数台の昇降機(乗りかご)を制御対象としている。なお、昇降機(乗りかご)の台数は任意であり、図1の例に限定されるものではない。昇降機システム110は、各昇降機に対応した制御盤112a,112b…112fと、群管理制御装置113とを備える。制御盤112a,112b…112fと群管理制御装置113は、それぞれにCPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータからなる。
制御盤112a,112b…112fは、群管理制御装置113の制御の下で、乗りかご111a,111b…111fの運転を制御する。具体的には、乗りかごを昇降動作させるための図示せぬモータ(巻上機)の制御やドアの開閉制御などを行う。乗りかご111a,111b…111fは、昇降路内に設けられ、それぞれにホール呼びまたはかご呼びに応答して各階を移動する。「ホール呼び」とは、各階のエレベータホールに設置されたホール呼びボタンの操作により登録される呼びの信号のことであり、登録階と行先方向の情報を含む。「かご呼び」とは、かご室内に設けられた行先階ボタンの操作により登録される呼びの信号のことであり、行先階の情報を含む。
群管理制御装置113は、主制御装置として存在し、乗りかご111a,111b…111fの運転を統括的に制御する。群管理制御装置113は、制御盤112a,112b…112fを通じて乗りかご111a,111b…111fの運転データを取得する。これらの運転データには、乗りかご111a,111b…111fの走行状態、位置情報、積載荷重、ドア開閉状態、呼びの登録情報などが含まれる。群管理制御装置113は、新たなホール呼びが発生した際に、これらの運転データに基づいて、乗りかご111a,111b…111fの中から割当かごを選出して、当該ホール呼びが登録された階に応答させるなどの処理を行う。
「割当かご」とは、ホール呼びが割り当てられた乗りかごのことを言う。なお、ホール呼びの割当方法については、一般的に知られている方法を用いるものとする。一般的には、所定の評価関数式を用い、各乗りかごにホール呼びを割り当てた場合の評価値を求め、最も評価が高い評価値を有する乗りかごを割当かごとして選出する方法が用いられる。
一方、入退管理システム120は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータからなり、利用者の入退管理を行う。入退管理システム120には、ビル100の出入口階に設けられた入退館ゲート121,124と、各階に設けられたフロアゲート122,123とが接続されている。各ゲート121~124は、利用者を認証する機能を備えている。入退管理システム120は、ゲート毎に利用者の通過可否の管理と、通過時刻の記録を行う。なお、利用者の認証方法としては、セキュリティカード、生体認証、ID/パスコードなどが広く使われている。本発明においては、利用者を識別でき、ゲート間の通過を把握できる方法であれば、如何なる方法であっても良い。
ここで、例えば利用者P1がビル100の出入口階から任意の階に存在する自分のテナントに向かう場合には、以下のような移動経路を取る。
まず、利用者P1は、出入口階に設置された入退館ゲート(出発階ゲート)121を通ってエレベータホール101まで歩く。このとき、利用者P1の通過時刻が利用者P1のID(識別情報)と共に入退管理システム120に記録される。エレベータホール101に来た利用者P1は、ホール呼びボタン114の操作により上方向のホール呼びを登録し、乗りかごの到着を待つ。なお、入退館ゲート121に、利用者P1の認証とともにホール呼びを自動登録する機能が備えられている場合には、ホール呼びボタン114は不要である。
いま、利用者P1が登録したホール呼びに対して、例えば乗りかご111fが応答したとする。利用者P1は、乗りかご111fに乗車し、図示せぬ行先階ボタンの操作により行先階を登録する。これにより、乗りかご111fが利用者P1の行先階に向かって移動する。乗りかご111fが行先階に到着すると、利用者P1は、そこで降車し、エレベータホール103からフロア共用部に設置されたフロアゲート(到着階ゲート)122を通ってテナントの占有部へ入る。利用者P1がフロアゲート122を通過したときに、そのときの通過時刻が利用者P1のIDとともに入退管理システム120に記録される。
ここで、本実施形態において、乗車かご推定装置200は、昇降機システム110と入退管理システム120に接続されている。乗車かご推定装置200は、昇降機システム110から各号機(乗りかご)の運転データを取得し、入退管理システム120から利用者データを取得し、これらのデータを分析処理することで、利用者が乗車した乗りかごなどを推定する。
乗車かご推定装置200は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータからなる。乗車かご推定装置200は、ビル100内に設置されていても良いし、クラウドサーバとして、外部に設置されていても良い。乗車かご推定装置200と各システム110,120との間のデータ授受は、ビル100内に構築された通信線やインターネットを介して行うことであっても良いし、IoTに代表されるインターネットおよびクラウドシステムを介して行うことでも良い。
図1において、Ta~Teは、利用者P1が各箇所を通過したときの時刻を表している。t1~t4は、利用者P1が各箇所の移動で要した時間を表している。
Ta:出発階ゲート通過時刻,Tb:ホール到着時刻,Tc:乗車時刻,Td:降車時刻,Te:到着階ゲート通過時刻,t1:歩行時間,t2:待ち時間,t3:乗車時間,t4:歩行時間
また、図中のP2は他の利用者を示している。図1の例では、利用者P2が任意の階からフロアゲート(出発階ゲート)123を通ってエレベータホール102まで歩き、そこから乗りかご111bに乗って出入口階まで行き、入退館ゲート(到着階ゲート)124を通って外に出る様子を表している。
図2は利用者P1の移動経路上で測定可能な情報と推定を必要とする情報を示した図である。D1群に示す情報は、入退管理システム120から得られるゲート通過情報であり、測定可能な情報である。D2群に示す情報は、昇降機システム110から得られる昇降機の運転データであり、測定可能な情報である。D3群に示す情報は、出発階の歩行時間、待ち時間、乗車時間、降車階の歩行時間、ホール到着時刻、乗車時刻、降車時刻などであり、推定を必要とする情報である。
入退管理システム120から各利用者のゲート通過情報(D1群)が得られる。このゲート通過情報から利用者毎の出発階と行先階に関するOD(Origin-Destination)情報を抽出することができる。しかし、利用者毎にどの乗りかごに乗車したのかなどの情報は得られない。
昇降機システム110では、行先階登録システム(DCS:Destination Control System)を除いて、利用者毎に乗車かごと乗降階を判別することが困難である。昇降機システム110の運転データ(D2群)には、乗りかごの運転状態に関する情報は含まれているが、待ち時間、乗車時間などの情報は含まれていない。つまり、入退管理システム120と昇降機システム110は、D3群に示す情報は保持していない。
以下では、入退管理システム120の利用者データと昇降機システム110の運転データを用いて、利用者が乗車した乗りかご(乗車かご)とD3群の情報を推定する方法について説明する。なお、利用者P1を例にして説明するが、実際には、各階において、複数の利用者を対象にして同様の推定処理が繰り返し実行される。
図3は利用者P1の歩行時間から昇降機利用時刻を推定する方法を説明するための図である。図中のe1は推定歩行時間、e2は推定ホール到着時刻、e3は推定降車時刻、e4は推定歩行時間である。
最初に、利用者P1が乗車した乗りかごを絞り込むために、利用者P1が出発階でエレベータホール101に到着した時刻e2と、乗りかごの到着階で降車した時刻e3を導出する。そのため、入退館ゲート(出発階ゲート)121とエレベータホール101との間の推定歩行時間e1の初期値と、到着階のエレベータホール103のエレベータホール103とフロアゲート(到着階ゲート)122との間の推定歩行時間e4の初期値を設定しておく。これらの初期値は、例えばゲートとエレベータホール間の距離と利用者の平均歩行速度から設定される。あるいは、現地で歩行時間を実測した結果から設定される。
ここで、出発階における利用者P1のゲート通過時刻Taと到着階における利用者P1のゲート通過時刻Teはわかっているので、これらの時刻を基準にして、推定ホール到着時刻e2と推定降車時刻e3を算出する。推定ホール到着時刻e2は、利用者P1が出発階のエレベータホール101に到着した時刻の推定値であり、ゲート通過時刻Taに推定歩行時間e1を加算することで得られる(e2=Ta+e1)。推定降車時刻e3は、利用者P1が到着階のエレベータホール103に降車した時刻の推定値であり、ゲート通過時刻Teから推定歩行時間e4を減算することで得られる(e3=Te-e4)。
図4は昇降機のかご運行線を示す図である。横軸が時刻、縦軸が乗りかごの停止階である。この例では、4台の乗りかごの運行状態を示している。
乗りかごが運転方向を反転した区切りを「かご運行区間」とする。図中の401で示される区間が「かご運行区間」の一例である。例えば、乗りかごが3階で上り方向に反転し、12階で停止した後、引き続き上り方向に運転し、14階で下り方向に反転した場合、3階が運行区間の始点、14階が運行区間の終点となる。運行区間の区切り単位で、利用者の乗降を判定する。
基本的な考え方として、利用者P1が乗車できる乗りかごは、下記の条件を満たすものである。
・利用者の出発階において、利用者P1の推定ホール到着時刻e2以降に停車した乗りかごであり、かつ、その乗りかごの運転方向が利用者の行先方向と一致する。
・利用者の到着階において、乗りかごがエレベータホールで停車時間内に、利用者P1の推定降車時刻e3を含む。
図4の例では、運行区間402を有する乗りかごが利用者P1の乗車かごとして推測できる。実際には、利用者毎に前記条件に合った乗りかごを全ての乗りかごの運行区間から探索する。
ここで、複数台の乗りかごが同じような運行工程を有する場合、前記条件に合った乗りかごが1台に絞れない可能性がある。この場合、複数の解の中から最も確度の高いものを選定する必要がある。推定ホール到着時刻e2および推定降車時刻e3は、出発階と到着階とで各利用者の平均歩行時間などを元にした算出した推定値であり、それぞれに平均値を中心とした正規分布モデルで表すと、一定の時間幅を持つ。この時間幅を考慮すると、乗車かごの候補が増えることになる。そこで、推定ホール到着時刻e2および推定降車時刻e3が分布を持つことを利用して、乗車確率および降車確率を算出し、これを掛け合わせたものを乗降確率として定義する。
乗降確率=乗車確率×降車確率
図5は乗車確率と降車確率の算出例を示す図である。
運行線図500は、図4に示した運行線図から、ある乗りかごの1行程分を抽出したものに相当する。乗りかごの運転状態は、図中のa,b,c,dで示される「停止」,「ドア開」,「ドア閉」,「出発」のイベントによって遷移する。「停止」イベントaにより、乗りかごは停止状態となる。「ドア開」イベントbにより、ドアが完全に開いた状態となる。「ドア閉」イベントcにより、ドアが閉まり始めた状態となる。「発車」イベントdにより、乗りかごは移動を始める。利用者P1が乗りかごに乗降できるのは、「ドア開」から「ドア閉」イベントの間、つまり、ドアが完全に開いている状態と見なす。
出発階において、利用者P1が乗りかごに乗車できる制約条件は、乗りかごが出発する前つまりドアが閉まる前に、エレベータホールに到着していることである。なお、ドアが開く前に利用者P1に到着している場合には、ドアが開くまで待つものとする。
ここで、利用者P1の推定ホール到着時刻e2は、出発階の推定歩行時間e1に比例して分布を持つ。図中の501は、利用者P1の推定ホール到着時刻e2の時間幅を表す到着時刻分布である。d1は出発階のドア開時刻、d2は出発階のドア閉時刻を示す。乗車確率は、到着時刻分布501とドア閉時刻d2との関係、つまり、各乗りかごが出発階で戸閉を開始するまでの間の積分値(分布の面積)として算出される。
到着階において、利用者P1が乗りかごから降車できる制約条件は、ドアが開いている区間である。図中の502は利用者P1の推定降車時刻e3の時間幅を表す降車時刻分布である。d3は到着階のドア開時刻、d4は到着階のドア閉時刻を示す。降車確率は、降車時刻分布502とドア開時刻d3との関係、つまり、各乗りかごが到着階で戸開している区間の積分値(分布の面積)として算出される。全ての乗りかごの運行区間について、このような乗降確率を算出し、この乗降確率が最大値となる運行区間を有する乗りかごを乗車かごとして推定する。
なお、図5の例では、到着時刻分布501を正規分布モデルとしているが、複数の利用者毎に出発階における所要区間(入退館ゲート121とエレベータホール101間)の歩行時間を統計した結果から作成される他の分布モデルであっても良い。降車時刻分布502についても同様であり、複数の利用者毎に到着階における所要区間(エレベータホール103とフロアゲート122間)の歩行時間を統計した結果から作成される他の分布モデルであっても良い。また、ここでは利用者P1を例にして説明したが、実際には、各階において、利用者毎にすべての乗りかごを対象にして、前記同様にして乗降確率を求めることで、各利用者のそれぞれが乗車した乗りかごを推定していく。
図6は到着階における推定歩行時間の補正方法を説明するための図である。
利用者毎に乗車かごを推定することで、各利用者の移動と昇降機の運転データとを関連付けることが可能となる。つまり、利用者P1の乗車かごを推定できたときに、出発階における利用者P1の乗車時刻Tcを当該乗車かごのドア開時刻d1とすみなすことができる(Tc=d1)。同様に、到着階における利用者P1の降車時刻Tdを当該乗車かごのドア開時刻d3とみなすことができる(Td=d3)。これにより、昇降機の運転データ(実測データ)に基づいた、利用者P1の乗降時刻の推定値を得ることができる。
ここで、到着階におけるゲート通過時刻Teとドア開時刻d3との差から歩行時間t4を推定することができる(t4=Te-d3)。当初の推定歩行時間e4は、初期値として、歩行距離と歩行速度などから設定されていた。このため、実際の歩行時間t4とは乖離して、そのズレにより乗車かごの判定に誤りが生じる可能性があった。利用者P1の乗車かごの推定結果を受けて、その乗車かごの運転データを利用すれば、利用者P1が降車してからフロアゲート122に移動するまでの歩行時間t4を正しく推定することができる。他の階でも同様であり、推定結果として得られた乗車かごの運転データを利用すれば、利用者が降車してからゲートに移動するまでの歩行時間を正しく推定することができる。
図7は出発階における利用者の推定歩行時間の補正方法を説明するための図である。
エレベータホールからゲートまでの歩行時間は、同じ階のゲートからエレベータホールまでの歩行時間とほぼ同じであると仮定すると、降車時の歩行時間t4の統計値を、同じ階で利用者が乗車時に反対方向から来るときの歩行時間の統計値として利用できる。
つまり、図7に示すように、利用者P1が入退館ゲート121からエレベータホール101に移動したときの歩行時間t1は、同じ階で降車した他の利用者がエレベータホール101から入退館ゲート121に移動したときの歩行時間と同じとみなすことができる。これにより、出発階における推定歩行時間e1についても、実際の歩行時間t1に合わせて補正することができる。
また、歩行時間t1からホール到着時刻Tbが導出され、さらに、乗車時刻Tcとホール到着時刻Tbとの差から待ち時間t2についても導出される。乗車時間t3は、乗車時刻Tcと降車時刻Tdから得られる。これにより、図2に示したD3群の情報のすべてが得られたことになる。
推定歩行時間e1,e4は、例えば各階毎に利用者の歩行時間の統計を取ることで、平均歩行時間および分布(分散)を算出して使用するものとする。また、各階の複数箇所にゲートが設置されている場合など、ゲートとホールとの経路によって歩行時間に差が生じるような場合には、ゲート毎に歩行時間の統計値を算出しても良い。
また、例えば任意の階にあるオフィスの場合、複数の利用者が同じ出発階と降車階を繰り返すため、利用者毎にエレベータホールとゲート間の歩行時間の統計値を算出して使用しても良い。この歩行時間の統計値を推定歩行時間e1,e4の補正に反映させることで、乗車かごの推定精度を上げることができる。
図8は乗車かご推定装置の構成を示すブロック図である。
乗車かご推定装置200は、利用者データ810を取得するための利用者データ取得部801と、昇降機の運転データ820を取得するための運転データ取得部803とを備える。なお、これらのデータを取得する形態として、外部から送信されたデータを受信する形態と、外部にデータを要求して受け取る形態のいずれであっても良い。
利用者データ810は、利用者毎に固有のデータであって、少なくとも、利用者の識別情報や移動に伴って適宜発生する時刻データなどを含む。具体的には、利用者データ810は、図1に示した入退管理システム120から得られるゲートの通過データである(図9参照)。この場合、乗車かご推定装置200に利用者データ集計・変換部802を設けておき、多数のゲートから得られる通過データを集計し、利用者毎に出発階ゲートの通過時刻、到着階ゲートの通過時刻に分類したデータに作成するなど、推定処理に使用できるデータ形式に変換する必要がある。利用者データ810が推定処理に使用可能なデータ形式に加工済みであれば、利用者データ集計・変換部802は不要である。
昇降機の運転データ820は、昇降機の運転に関するデータであり、少なくとも、乗りかごの識別情報やかご位置,ドア開閉の情報などを含む。具体的には、運転データ820は、図1に示した群管理制御装置113から得られる複数台の乗りかごの運行に関連した情報である(図10参照)。この場合、運転データ820が機種毎に形式が違っている場合など、推定処理に使用可能な形式に変換が必要な場合には、運転データ変換部804を乗車かご推定装置200に設けておく必要がある。データ変換が不要な場合には、運転データ変換部804は不要である。
推定処理部805は、利用者データと昇降機の運転データとに基づいて、各乗りかごの中で利用者が乗車した乗りかごと運行区間を推定する。詳しくは、推定処理部805は、利用者が第1の階(出発階)を通過した第1の時刻を基準にして、利用者が第1の階のエレベータホールに到着した時刻を推測することにより、各乗りかご毎に利用者が第1の階から乗車した確率を示す乗車確率を算出する。また、推定処理部805は、利用者が第2の階(到着階)を通過した第2の時刻を基準にして、利用者が第2の階で降車した時刻を推測することにより、各乗りかご毎に利用者が第2の階に降車した確率を示す降車確率を算出する。推定処理部805は、各乗りかごの中で乗車確率と降車確率とを乗算した乗降確率が最大値となる運行区間を有する乗りかごを利用者が乗車した乗りかごとして推定する。
乗車かご推定装置200に、推定処理部805の推定結果に基づいて、各階毎に待ち時間や待ち数人を算出するための演算処理部806を設けても良い。待ち時間は、利用者がエレベータホールに到着した時刻と、利用者が乗りかごに乗車した時刻との差分から算出できる。待ち人数は、利用者毎の待ち時間を時系列で集計することで得られる。
かご推定処理部805および演算処理部806から出力されたデータは、必要に応じて出力変換処理部807で所定のデータ形式に変換され、データ出力部808を通して出力データ830として出力される。この出力データ830には、利用者毎の乗車かご、各階の待ち時間、待ち人数などが含まれる。また、推定処理の過程で得られる利用者の移動経路上の各時刻(ホール到着時刻、乗車時刻、降車時刻など)を乗車かごの推定結果と共に出力することでも良い。
図9に利用者データ810として、入退管理システム120から得られるゲートの通過データの一例を示す。ゲート通過毎のイベント情報として、発生時刻(タイムスタンプ)、利用者ID、通過ゲートID、通過方向の情報などを含む。なお、ここで例示したデータ項目は必要最小限のものであり、他の項目が含まれていても良い。
図10に昇降機の運転データ820として、昇降機システム110の群管理制御装置113から得られる各乗りかごの運転データの一例を示す。運転データとして、発生時刻(タイムスタンプ)、かごID、イベント名、イベント属性情報などを含む。なお、ここで例示したデータ項目は必要最小限のものであり、他の項目が含まれていても良い。
(ハードウェア構成)
図11は乗車かご推定装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
乗車かご推定装置200は、ハードウェアの構成要素として、CPU11、不揮発性メモリ12、主メモリ13、通信デバイス14等を備える。
CPU11は、乗車かご推定装置200の動作を制御するハードウエアプロセッサである。CPU11は、ストレージデバイスである不揮発性メモリ12から主メモリ13にロードされる様々なプログラムを実行する。CPU11によって実行されるプログラムには、オペレーティングシステム(OS)の他に、図12のフローチャートに示す処理動作を実行するためのプログラム(以下、乗車かご推定プログラムと称す)13a等が含まれる。
図8に示した乗車かご推定装置200による推定処理は、コンピュータであるCPU11に乗車かご推定プログラム13aを実行させることで実現される。この乗車かご推定プログラム13aは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して頒布されても良いし、またはネットワークを通じて他のコンピュータにダウンロードされても良い。なお、乗車かご推定装置200の一部または全ての機能は、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されても良いし、当該ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせ構成として実現されても良い。
不揮発性メモリ12および主メモリ13は、乗車かご推定装置200内に設けられ、利用者データ810や昇降機の運転データ820、乗車かご推定プログラム13aなどを含む各種情報を記憶する。通信デバイス14は、乗車かご推定装置200内に設けられ、有線または無線により外部の装置との通信を実行するように構成されたデバイスである。
次に、本実施形態の動作について説明する。
図12は乗車かご推定装置200の処理動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、コンピュータである乗車かご推定装置200が乗車かご推定プログラム13aを読み込むことにより実行される。
図1に示したビル100において、利用者が第1の階(出発階)から昇降機を利用して第2の階(到着階)に移動した場合に、乗車かご推定装置200(乗車かご推定処理部805)は、以下のような処理によって、当該利用者が乗車した乗りかご(乗車かご)を推定し、その乗車かごの運行区間を決定する。ここで示される処理は、分析対象とする利用者毎に実行される。
以下では、説明を簡単にするため、図1乃至図7と合わせて、利用者P1に着目して説明する。
まず、乗車かご推定処理部805は、出発階における利用者P1の推定歩行時間e1と、到着階における利用者P1の推定歩行時間e4の初期値を設定する(ステップS10)。推定歩行時間e1,e4の初期値は、ゲートとエレベータホール間の距離と一般的な利用者の平均歩行速度などから設定され、実際の歩行時間t1,t4とは誤差を持つ。
ここで、乗車かご推定処理部805は、乗車かごの判定が収束するまで、以下のような最適解探索処理ループを繰り返す(ステップS11-S23)。この最適解探索処理ループは、乗車かごを探索するための処理ループであり、分析対象とする利用者毎に移動経路を探索する処理ループ(ステップS12-S21)と、乗りかご毎に運行区間を探索する処理ループ(ステップS14-S19)とを含む。
乗車かご推定処理部805は、推定歩行時間e1,e4の情報を用いて、利用者P1の推定ホール到着時刻e2、推定降車時刻e3を算出する(ステップS13)。詳しくは、乗車かご推定処理部805は、利用者データ810として得られる出発階のゲート通過時刻Taに推定歩行時間e1を加算して、推定ホール到着時刻e2を算出する。また、乗車かご推定処理部805は、利用者データ810として得られる到着階のゲート通過時刻Teから推定歩行時間e4を減算して、推定降車時刻e3を算出する。この状態が図3に相当する。
次に、乗車かご推定処理部805は、以下のようにして利用者P1の乗降確率が最大値となる運行区間を有する乗りかごを探索する。
まず、乗車かご推定処理部805は、乗降確率の最大値P_maxを0に初期化しておく(ステップS15)。乗車かご推定処理部805は、昇降機の運転データ820に基づいて、乗りかご毎に利用者P1の乗降確率を算出する(ステップS16)。詳しくは、推定処理部805は、ホール到着時刻e2および推定降車時刻e3と、昇降機の運転データ820として得られる各乗りかごの運行工程とを照らし合わせて、乗りかご毎に利用者P1が出発階で乗車可能な確率(乗車確率)と、利用者P1が到着階で降車可能な確率(降車確率)を求め、これを掛け合わせたものを乗降確率として算出する。
ここで、前記ステップS16で算出された乗降確率がそれまでに算出された乗降確率より大きい場合には、推定処理部805は、最大値P_maxを更新する(ステップS17-S18)。推定処理部805は、全ての乗りかごの運行区間について乗降確率を算出し、最終的に乗降確率が最大値P_maxとなる運行区間を有する乗りかごを利用者P1の乗車かごとして推定し、その運行区間を決定する(ステップS20)。この状態が図4-5に相当する。
このようにして、利用者P1の乗車かごが推定されると、推定処理部805は、その乗車かごの運行区間に基づいて、推定歩行時間e1,e4を実際の歩行時間t1,t4に近づけるように補正する(ステップS22)。詳しくは、推定処理部805は、到着階におけるゲート通過時刻Teとドア開時刻d3との差から歩行時間t4を推定し、推定歩行時間e4を歩行時間t4に近づけるように補正する。また、推定処理部805は、利用者P1が入退館ゲート121からエレベータホール101まで移動したときの歩行時間t1を同じ階で降車した他の利用者がエレベータホール101から入退館ゲート121まで移動したときの歩行時間とみなして、推定歩行時間e1を歩行時間t1に近づけるように補正する。この状態が図6-7に相当する。
このようにして、利用者毎に出発階と到着階の推定歩行時間を補正しながら、各利用者のそれぞれが乗車した乗りかごと運行区間を推定する処理を繰り返し、最終的に各利用者の乗車かごの判定結果と歩行時間の変化が予め設定された閾値以下になったとき(つまり、判定結果が収束したとき)、ここでの処理を終える。
この推定処理部805によって得られた乗車かごの推定結果は、所定の形式で変換されて外部に出力される。また、図8に示したように、乗車かご推定装置200に演算処理部806が備えられていれば、乗車かごの推定結果に基づいて各階の待ち時間および待ち人数が算出され、前記推定結果と共に所定の形式で変換されて外部に出力される。外部とは、例えば昇降機システム110などを含む。
このように本実施形態によれば、ビルの入退管理システムで管理されている各階毎の利用者の通過情報と、昇降機システムが持つ昇降機の運転データとを組み合わせることで、カメラ等の専用の装置を必要とせずに、利用者が乗車した乗りかごとその運行区間を推定することができ、さらに、その推定結果から各階の待ち人数、待ち時間などの情報を把握できる。
これらの推定結果を例えば昇降機システムに与えれば、各階の交通需要を考慮して、各乗りかごを効率的に運転制御でき、群管理効率を向上させることができる。通常、利用者が多く発生する階では、その階のホール呼びに対する乗りかごの割当評価を強くし、その他の階のホール呼びに対する乗りかごの割当評価を弱くしている。各階の待ち人数がわかることで、その待ち人数を係数として割当評価を行うことができ、平均的な待ち時間を短縮できる。また、利用者がゲートを通過したときに、その利用者がエレベータホールに到着する時間と待ち人数などの状況がわかるので、その状況を割当評価に反映させて、乗りかごを効率的に応答させることが可能となる。
一方、例えばビル管理会社に推定結果を与えれば、ビル全体の交通需要を考慮して、ビル管理に関連した各種機能を有効的に使えるようになる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、専用の装置を必要とせずに、利用者が乗車した乗りかごを推定できる乗車かご推定装置および乗車かご推定方法を提供することができる。
なお、前記実施形態では、各階に設置されたセキュリティゲートを利用して、利用者の通過情報を得る構成としたが、例えば監視カメラなどの既設の装置を利用して、利用者の通過情報を得るようにしても良い。
要するに、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…ビル、101,102,103…エレベータホール、110…昇降機システム、111a~111f…乗りかご、112a~112f…制御盤、113…群管理制御装置、120…入退管理システム、121,124…入退館ゲート、122,123…フロアゲート、200…乗車かご推定装置、Ta…出発階ゲート通過時刻、Tb…ホール到着時刻、Tc…乗車時刻、Td…降車時刻、Te…到着階ゲート通過時刻、t1…歩行時間、t2…待ち時間、t3…乗車時間、t4…歩行時間、e1…推定歩行時間、e2…推定ホール到着時刻、e3…推定降車時刻、e4…推定歩行時間、501…到着時刻分布、502…降車時刻分布、810…利用者データ、820…昇降機の運転データ、801…利用者データ取得部、802…利用者データ集計・変換部、803…運転データ取得部、804…運転データ変換部、805…推定処理部、806…演算処理部、807…出力変換処理部、808…データ出力部、830…出力データ。

Claims (11)

  1. 利用者が建物内の第1の階のエレベータホールの入口側に設置された第1の認証装置を通過した第1の時刻と、前記第1の階とは別の第2の階のエレベータホールの出口側に設置された第2の認証装置を通過した第2の時刻を含む利用者データを取得する利用者データ取得部と、
    前記建物内に設置された複数台の乗りかごの運転データを取得する運転データ取得部と、
    前記利用者データ取得部から取得した前記利用者データと、前記運転データ取得部から取得した前記運転データとに基づいて、前記複数台の乗りかごの中で前記利用者が乗車した乗りかごと運行区間を推定する推定処理部と、
    前記推定処理部によって推定された結果を所定データ形式で出力するデータ出力部と
    を具備したことを特徴とする乗車かご推定装置。
  2. 前記推定処理部は、
    前記第1の時刻を基準にして前記利用者が前記第1の階のエレベータホールに到着した時刻を推測することにより、前記複数台の乗りかご毎に前記利用者が前記第1の階から乗車した確率を示す乗車確率を算出し、
    前記第2の時刻を基準にして前記利用者が前記第2の階で降車した時刻を推測することにより、前記複数台の乗りかご毎に前記利用者が前記第2の階に降車した確率を示す降車確率を算出し、
    前記複数台の乗りかごの中で前記乗車確率と前記降車確率とを乗算した乗降確率が最大値となる運行区間を有する乗りかごを前記利用者が乗車した乗りかごとして推定することを特徴とする請求項1記載の乗車かご推定装置。
  3. 前記推定処理部は、
    前記第1の階における前記利用者の推定ホール到着時刻の時間幅を表す第1の時刻分布と、前記複数台の乗りかごが前記第1の階で戸閉を開始する時刻との関係から前記乗車確率を算出し、
    前記第2の階における前記利用者の推定降車時刻の時間幅を表す第2の時刻分布と、前記複数台の乗りかごが前記第2の階で戸開している時刻との関係から前記降車確率を算出することを特徴とする請求項2記載の乗車かご推定装置。
  4. 前記第1の時刻分布は、前記利用者の推定ホール到着時刻の平均値を中心とした正規分布であり、
    前記第2の時刻分布は、前記利用者の推定降車時刻の平均値を中心とした正規分布であることを特徴とする請求項3記載の乗車かご推定装置。
  5. 前記第1の時刻分布は、複数の利用者毎に前記第1の階における所要区間の歩行時間を分析した結果から作成され、
    前記第2の時刻分布は、複数の利用者毎に前記第2の階における所要区間の歩行時間を分析した結果から作成されることを特徴する請求項3記載の乗車かご推定装置。
  6. 前記利用者データ取得部から取得した前記利用者データを集計し、前記推定処理部で処理できる形式に変換する第1の変換部を具備したことを特徴とする請求項1記載の乗車かご推定装置。
  7. 前記運転データ取得部から取得した前記運転データを前記推定処理部で処理できる形式に変換する第2の変換部を具備したことを特徴とする請求項1記載の乗車かご推定装置。
  8. 前記推定処理部は、
    前記利用者が前記第1の階のエレベータホールに到着した時刻、前記乗りかごに乗車した時刻、前記第2の階で降車した時刻を乗車かごの推定結果と共に出力することを特徴とする請求項1記載の乗車かご推定装置。
  9. 前記推定処理部の乗車かごの推定結果に基づいて、各階毎に利用者の待ち時間と待ち人数を算出する演算処理部を具備したことを特徴とする請求項1記載の乗車かご推定装置。
  10. 前記推定処理部または前記演算処理部の出力を所定のデータ形式に変換する第3の変換部を具備したことを特徴とする請求項9記載の乗車かご推定装置。
  11. 利用者が建物内の第1の階のエレベータホールの入口側に設置された第1の認証装置を通過した第1の時刻と、前記第1の階とは別の第2の階のエレベータホールの出口側に設置された第2の認証装置を通過した第2の時刻を含む利用者データを取得し、
    前記建物内に設置された複数台の乗りかごの運転データを取得し、
    前記第1の時刻を基準にして前記利用者が前記第1の階のエレベータホールに到着した時刻を推測することにより、前記複数台の乗りかご毎に前記利用者が前記第1の階から乗車した確率を示す乗車確率を算出し、
    前記第2の時刻を基準にして前記利用者が前記第2の階で降車した時刻を推測することにより、前記複数台の乗りかご毎に前記利用者が前記第2の階に降車した確率を示す降車確率を算出し、
    前記複数台の乗りかごの中で前記乗車確率と前記降車確率とを乗算した乗降確率が最大値となる運行区間を有する乗りかごを前記利用者が乗車した乗りかごとして推定する、
    ことを特徴とする乗車かご推定方法。
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