JP7397997B2 - マクロテクスチャ表面を有する多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜及びその製造方法 - Google Patents

マクロテクスチャ表面を有する多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、巨視的ノード凝集体の長尺ストランドの存在に起因するマクロテクスチャ表面を有する単層の自立型の高多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜に関する。
延伸PTFE(ePTFE)層を製造する従来の方法は、Goreの米国特許第3,953,566号明細書に記載されている。そこに記載されている方法において、PTFE樹脂及び潤滑剤を組み合わせることにより、PTFEペーストは形成される。次に、PTFEペーストは押出される。押出されたペーストから潤滑剤を除去した後に、PTFE物品を延伸して、多孔質で高強度のPTFE物品を形成する。延伸PTFE物品は、フィブリルによって相互接続されたノードを有する多孔質の開放された微細構造を特徴とする。
ノード及びフィブリルの様々な微細構造を有するePTFE物品は当該技術分野で知られている。幾つかのそのようなePTFE物品は、例えば、Bacinoの米国特許第4,902,423号、Brancaらの米国特許第5,814,405号、Bacinoの米国特許第5,476,589号及びRueferらの米国特許第6,342,294号明細書に記載されている。しかしながら、マクロ構造を有するePTFE物品は、これらの文献には記載されていない。
Hollenbaughらの米国特許公開第2016/0367947A1号明細書はマクロテクスチャ表面を有する非対称ポリテトラフルオロエチレン複合材料の調製を開示している。Rueferらの米国特許第7,306,841号明細書は、比較的長いフィブリルによって分離された複数のノード凝集体を有する非対称ポリテトラフルオロエチレン複合材料を開示している。両方の文献において、開示されている物品は、非対称な複合材料が、異なる延伸特性を有するPTFEテープを含むラミネートを積み重ねて共延伸させることによって製造されるので、z軸において構造的に非対称な複合材料(例えば、異なる密度、微細構造などを有する)である。
組織内部成長のための足場、原核生物及び真核生物細胞、胞子及び種子などの播種材料のための足場などの用途、また、高気流ろ過用途は、マクロテクスチャ表面/特徴を有する単層の自立型の高多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン膜の恩恵を受ける可能性がある。したがって、そのような材料の必要性が存在する。
複数の長いフィブリルによって接続された巨視的ノード凝集体の長いストランドを含むマクロテクスチャ表面を有する単層の自立型の高多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜は提供される。本発明の膜を含む物品とともにその製造方法も提供される。
1つの態様(「態様1」)によれば、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜は、a)第一の面及び第二の面、b)少なくとも25μmの厚さ、c)1.0g/cm以下のかさ密度、d)少なくとも50%の多孔率、e)約2.99cmの表面積にわたって12ミリバール(1.2kPa)の差圧下で測定して少なくとも200L/時(L/時)の空気流速、及び、f)多孔質膜内に複数の間隔を置いた巨視的ノード凝集体が存在することに起因する第一の面又は第二の面上のマクロテクスチャ表面を含み、ここで、隣接する巨視的ノード凝集体は、長いPTFEフィブリルの集団によって接続されており、前記巨視的ノード凝集体は、2.0g/モル~2.2g/モルの範囲の密度を有する複数の高密度PTFEノードを含み、ここで、i)前記巨視的ノード凝集体間の平均距離は少なくとも30μmであり、ii)前記巨視的ノード凝集体間の上位四分位平均距離は少なくとも100μmであり、iii)間隔を置いた前記巨視的ノード凝集体の平均幅は10μm~200μmの範囲であり、ここで、複数の間隔を置いた前記巨視的ノード凝集体の少なくとも一部は前記多孔質PTFE膜の前記第一の面から前記第二の面に延在しており、前記PTFE膜は単層でかつ自立型である。
別の態様(態様「2」)によれば、態様1に加えて、巨視的ノード凝集体の多くの部分は、前記多孔質PTFE膜の第一の面から前記多孔質PTFE膜の第二の面まで延在している。
別の態様(態様「3」)によれば、先行する任意の態様に加えて、前記巨視的ノード凝集体はPTFEノードの密度よりも低い密度を有する。
別の態様(態様「4」)によれば、上述の任意の態様に加えて、前記巨視的ノード凝集体は、少なくとも0.5cmの長さを有する多孔質PTFE膜の第一の面又は第二の面上にストランドを形成する。
別の態様(態様「5」)によれば、態様4に加えて、前記ストランドは、長さが120μm未満の短いPTFEフィブリルの集団によって接続された1つ以上の微視的なギャップから形成されている。
別の態様(態様「6」)によれば、先行する態様に加えて、前記多孔質PTFE膜は、第一の面から第二の面まで実質的に対称である。
別の態様(態様「7」)によれば、前記物品は、先行する任意の態様の多孔質PTFE膜を含む。
別の態様(態様「8」)によれば、態様7に加えて、前記物品は、ベント、フィルタ、インプラント可能なメディカルデバイス、組織内部成長のための足場、原核細胞又は真核細胞を成長させるための足場、胞子を成長させるための足場、植物を成長させるための足場又は衣服である。
別の態様(態様「10」)によれば、マクロテクスチャ表面を有する単層の自立型多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜を製造する方法は、a)機械方向及び横断方向の両方で1平方インチあたり800ポンドの力(psi)(5.52MPa)未満のマトリックス引張強度を有する第一のPTFE膜を含む第一の層、及び、ii)機械方向及び横断方向の両方で800psi(5.52MPa)を超えるマトリックス引張強度を有する第二のPTFE膜を含む第二の層を提供すること、b)前記第一のPTFE膜を前記第二のPTFE膜の上に積み重ねること、c)適切な量の圧力、熱又はそれらの組み合わせを適用して、前記第一のPTFE膜を前記第二のPTFE膜に非永久的に結合させて積層化製品を形成すること、d)前記積層化製品を機械方向に少なくとも1回、横断方向に少なくとも1回延伸すること、e)前記第二の層を前記第一の層から分離すること、ここで、前記第一の層は単層の多孔質PTFE膜である、f)所望により、前記単層の多孔質PTFE膜を少なくとも1つの追加の延伸工程にかけること、及び、g)前記単層の多孔質PTFE膜を適切な条件下で少なくとも1回熱処理にかけて、単層の多孔質PTFE膜を少なくとも部分的に焼結することを含む。
別の態様(態様「10」)によれば、先行する任意の態様に加えて、前記延伸工程d)は第一の横断方向延伸の前の第一の機械方向延伸を含む。
別の態様(態様「11」)によれば、態様10に加えて、前記第一の機械方向延伸は、1.1:1~1.7:1の延伸比を含む。
別の態様(態様「12」によれば、先行する任意の態様に加えて、工程d)又は工程e)は、二軸延伸、一軸延伸、半径方向延伸又はそれらの任意の組み合わせを含む。
別の態様(態様「13」)によれば、先行する任意の態様に加えて、二軸延伸は、順次二軸延伸、同時二軸延伸又はそれらの組み合わせである。
別の態様(態様「14」)によれば、先行する任意の態様に加えて、工程f)における少なくとも1つの追加の延伸工程は、二軸延伸、一軸延伸、半径方向延伸又はそれらの任意の組み合わせである。
別の態様(態様「15」)によれば、先行する態様に加えて、キャリア層は、前駆体層上にキャリア層を積み重ねる前に、少なくとも1つの一軸、二軸又は半径方向延伸工程に供される。
別の態様(態様「16」)によれば、先行する態様に加えて、熱処理は、10分以内で345℃~390℃の温度を含む。
別の態様(態様「17」)によれば、先行する態様に加えて、この方法は、単層の多孔質PTFE膜を緻密化することをさらに含む。
別の態様(態様「18」)によれば、態様17に加えて、前記緻密化は少なくとも1回の熱処理の前、その間又はその後に行われる。
別の態様(態様「19」)によれば、先行する態様に加えて、この方法は、熱処理された単層の多孔質膜を少なくとも1つのコーティング組成物と接触させることをさらに含む。
別の態様(態様「20」)によれば、先行する態様に加えて、この方法は、熱処理された単層の多孔質膜を表面改質処理剤と接触させることをさらに含むことができる。
別の態様(態様「21」)によれば、先行する態様に加えて、この方法は、熱処理された単層の多孔質膜を少なくとも1つの追加の材料にラミネート化又は結合することをさらに含む。
別の態様(態様「22」)によれば、態様21に加えて、前記少なくとも1つの追加の材料はPTFEではない。
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
図1は、幾つかの実施形態による、例1で調製された多孔質膜の光学顕微鏡表面画像である。
図2は、幾つかの実施形態による、例1で調製された多孔質膜の光学顕微鏡断面画像である。
図3は、幾つかの実施形態による、例1で調製された多孔質膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)表面画像である。
図4は、幾つかの実施形態による、例1で調製された多孔質PTFE膜のSEM断面画像である。
図5A、5B及び5Cは、幾つかの実施形態による、異なる倍率での、例3で調製された多孔質PTFE膜の表面のSEMである。
図6は、幾つかの実施形態による、例3で調製された多孔質膜PTFEのSEM断面画像である。
図7A、7B、7C及び7Dは、幾つかの実施形態による、異なる倍率での、例4で調製された多孔質膜の表面のSEMである。
図8は、幾つかの実施形態による、例4で調製された多孔質膜のSEM断面画像である。
図9は、幾つかの実施形態による、本発明の膜を調製するために使用される方法を示すダイアグラムである。
図10は、幾つかの実施形態による、本膜の断面の特徴を示す図である。
図11Aは、本明細書に記載の幾つかの実施形態による、3つの隣接中実体特徴が三角形の角を表す中実体特徴間隔の決定を示す概略図であり、その外接円には追加の中実体特徴が内部になく、中実体特徴間隔は三角形を形成している中実体特徴の2つの間の直線距離である。
図11Bは、本明細書に記載の幾つかの実施形態による、中実体特徴が三角形の角を形成する非隣接中実体特徴の決定を示す概略図であり、その外接円は少なくとも1つの追加の中実体特徴を含む。及び、
図12は、巨視的ノード凝集体の間隔を計算するために使用される複数の平行線(1210)を使用する定量的画像分析(QIA)を示すSEMである。
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきでないことにも留意されたい。
本開示は、光学的に観察することができるノードマクロ構造(例えば、巨視的ノード凝集体)から形成されたマクロテクスチャ表面を有する単層の自立型の高多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜を対象とする。複数の巨視的ノード凝集体は、膜の全厚(例えば、z方向)を横切って延在し、複数のフィブリル(すなわち、「長い」フィブリルの集団)によって接続されている。「多孔質PTFE膜」及び「ePTFE膜」という用語は、本明細書で交換可能に使用されることが理解されるべきである。
本明細書で使用されるときに、用語「含む(comprises)」、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(contains)」、「含む(contain)」又は「含む」は、非排他的な包含を網羅することが意図されている。例えば、要素のリストを含む組成物、プロセス、方法、物品又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるわけではなく、そのような組成物、プロセス、方法、物品又は装置に明示的に記載されていない又は固有ではない他の要素を含むことができる。
「からなる」という副次句は、具体的に特定されていない要素、工程又は成分を除外する。この句が特許請求の範囲で使用されているならば、そのような語句は、通常関連する不純物を除いて、記載されているもの以外の材料を除外するように特許請求の範囲を遮断する。前文(プリアンブル)の直後ではなく、特許請求の範囲の本文の条項に「からなる」という語句が含まれているときに、それは、その節に記載されている要素のみを限定し、その他の要素は全体として特許請求の範囲から除外されない。
量、濃度又は他の値又はパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は上限の好ましい値及び下限の好ましい値のリストのいずれかとして与えられるときに、それは、範囲が個別に開示されているかどうかに関係なく、任意の上限値又は好ましい値及び任意の下限値又は好ましい値の任意の対から形成されるすべての範囲を具体的に開示するものとして理解されるべきである。数値の範囲が本明細書に記載されている場合には、特に明記しない限り、範囲は、その端点及び範囲内のすべての整数及び分数を含むことが意図される。
本明細書で使用されるときに、「光学的に観察される」という用語は、光学顕微鏡を使用して及び/又は肉眼で物体を観察できることを表すことが意図される。
本明細書で使用されるときに、「上(on)」という用語は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜などの要素が別の要素上に直接存在するか、又は、介在要素も存在することができることを表すことが意図される。
本明細書で使用されるときに、「二軸」又は「二軸配向」という用語は、同時に又は順次に、少なくとも2つの方向に延伸されたポリマー、膜、プリフォーム又は物品を記載することが意図される。2つの直交する方向(つまり、長手方向/機械方向vs横断方向、x/y平面)のマトリックス引張強度(MTS)の比率を使用して、二軸配向膜の相対的な「バランス」を記載することができる。バランスされた膜は、典型的に、約2:1以下のMTS比を示す。
本明細書で使用されるときに、「潤滑剤」という用語は、処理条件でポリマーのための溶媒ではない非圧縮性流体を含み、そして幾つかの実施形態ではそれからなる処理助剤を記載することが意図される。流体-ポリマーの表面相互作用は、均質な混合物を形成できるようなものである。
本明細書で使用されるときに、「湿潤状態」という用語は、潤滑剤を除去するために乾燥されていないPTFE膜を記載することが意図される。
本明細書で使用されるときに、「乾燥状態」という用語は、潤滑剤を除去するために乾燥されたPTFE膜を記載することが意図される。
本明細書で使用されるときに、「微粉末PTFE」は、PTFE樹脂が水性分散重合技術によって調製されたことを表すことが意図される。
本明細書で使用されるときに、x、y又はz方向は、デカルト座標3D系を指すことが意図される。延伸された膜を指すときに、「x方向」及び「y方向」は、それぞれ、長手方向(すなわち、機械)及び横断方向を示すことを意味する。「z方向」という用語は、直交するx方向とy方向から形成される平面に垂直な方向を指すことが意図される。z方向は、二軸配向膜の厚さに関連する特徴を記載するために使用できる。
本明細書で使用されるときに、「自立型」という用語は、所望の用途で使用するための追加の構造的支持体(例えば、バッキング又は支持体層)を必要としないように十分な機械強度を有する本開示の高多孔質の単層PTFE膜を指すことが意図される。
本明細書で使用されるときに、「平均工学ひずみ速度」という用語は、延伸中の一定速度又は加速速度のいずれかを想定して、延伸時間全体にわたる材料の平均延伸速度である。具体的には、ひずみ速度は、材料に誘発された追加のひずみを、そのひずみが誘発された合計時間で割ったもの(%/秒)として定義される。
[数1]
[最終長さ(lf)-初期長さ(lo)]/初期長さ(lo)=ひずみε
ひずみ速度=ひずみε/時間(t)
本明細書で使用されるときに、「マクロテクスチャ表面」という用語は、本明細書に開示される多孔質PTFE膜の表面上で伸長した巨視的ストランドの外観を有する光学的に観察可能な巨視的ノード凝集体を指す。
本明細書で使用されるときに、「高多孔質」という用語は、膜が少なくとも50%の多孔率を有する、本明細書に記載の多孔質PTFE膜の相対多孔率を指す。本明細書に記載の多孔質PTFE膜は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%又は少なくとも約85%の多孔率を有する。大きな細孔サイズ及び高い多孔率のために、本明細書に記載の多孔質PTFE膜は、高いATEQ空気流速度を有する。幾つかの実施形態において、多孔質PTFE膜は、少なくとも200L/時、少なくとも300L/時、約300L/時~約5000L/時、約300L/時~約2000L/時、約300L/時~約1700L/時又は約300L/時~約1500L/時のATEQ空気流速度(約2.99cmの表面積を使用して12mbar(1.2kPa)の差圧で)を有する。
本明細書で使用されるときに、「巨視的ノード凝集体」及び「ノードマクロ構造」という用語は、(1)個々のPTFEノードの平均密度よりも小さい平均密度を有する巨視的構造へと凝集された約2.0g/cc~約2.2g/ccの密度、(2)本明細書に記載の範囲内の平均幅及び(3)本明細書に記載の範囲内の平均長さを有する複数のPTFEノードから形成される多孔質PTFE膜内の巨視的構造を指すために交換可能に使用される。図10は、本明細書に記載の多孔質PTFE膜の断面図の要素を示す図を提供する。膜の断面(1000)は、膜の幅(1010)にまたがる複数の巨視的ノード凝集体(1020)の存在を示している。多孔質PTFE膜の巨視的ノード凝集体の多くの部分は、第一の膜表面からz軸(幅;1010)を通って第二の膜表面(膜の反対側)まで延在し、複数の長いフィブリル(1040)によって接続されている。ノード凝集体内のノードは近接的に間隔を置いて配置され、複数のより短いフィブリルによって接続されうる(より短いのは、2つ以上の巨視的ノード凝集体を接続する、より長いフィブリルに比べて短い)。
幾つかの実施形態において、多孔質PTFE膜は、巨視的ノード凝集体について本明細書に示されるサイズ及び長さパラメータを満たさない幾つかのノード構造を有する。幾つかの実施形態において、巨視的ノード凝集体の多くの部分は、膜の厚さ全体にわたって延在している。本明細書で使用されるときに、「巨視的ノード凝集体の多くの部分」という用語は、巨視的ノード凝集体(本明細書で規定されるとおり)の約50%を超える量が多孔質PTFE膜の厚さ全体、多孔質PTFE膜の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%又は少なくとも約95%にわたって延在することを意味する。
巨視的ノード凝集体の長いストランドは、多孔質PTFE膜の表面上で光学的に観察可能である。幾つかの実施形態において、巨視的ストランドは、ストランドの長さに垂直な狭いギャップ/割れ目を含むことができ、ここで、複数の短いPTFEフィブリルは狭いギャップを橋渡しし、巨視的ノード凝集体を延長ストランドに接続し、それは多孔質PTFE膜のマクロテクスチャ表面特徴として光学的に観察可能である。
隣接する微視的ノード凝集体は、様々な距離によって分離されている。定性的画像分析(QIA)(以下に記載される方法)を使用して、距離測定値の分布を生成した。分布について統計分析を行った。QIA距離データは正規分布していなかった。そのため、全体の平均距離(測定されたすべての距離に基づく)と分布の上位四分位に基づく平均距離(つまり、データポイントの下位75%を除外)の両方を、巨視的特徴をよりよく特徴化するために各膜サンプルについて決定した。巨視的ノード凝集体間の(全体の)平均距離(1030)(本明細書に記載の定性的画像分析(QIA)方法によって測定される)は、少なくとも約30μm又は少なくとも約40μmである。1つの態様において、巨視的ノード凝集体の間の平均距離は、約30μm~約1000μm、約40μm~約500μm又は約40μm~約300μmである。巨視的ノード凝集体間の上位四分位(上位25%)の平均距離は、少なくとも約100μm、約100μm~約3mm、約100μm~約2000μm又は約100μm~約1000μmである。
別の実施形態において、巨視的ノード凝集体を接続する複数の長いフィブリル(1040)は、平均長さが約30μm~約3mm、好ましくは約100μm~約3mm、約500μm~約2mm及び/又は約500μm~約1mmである。
巨視的ノード凝集体(1020)の平均幅は、約10μm~約200μm、約10μm~約100μm又は約10μm~約50μmの範囲であることができる。巨視的ノード凝集体は、x軸又はy軸(選択した延伸手順に応じて)に長いストランドを特徴的に形成し、多孔質PTFE膜の表面に伸長ストランドとして光学的に見ることができる(例えば、図7A及び7Bを参照されたい)。幾つかの実施形態において、ノード凝集体ストランド(光学的に観察される)の平均長さは、少なくとも約0.5cm、少なくとも約1.0cm又は少なくとも約1.5cmである。幾つかの実施形態において、巨視的ストランドは、複数の短いフィブリルによって接続された微視的ギャップ又は割れ目(典型的にはストランドの方向に垂直)を含むことができる(例えば、図7Cを参照されたい)。これらの微視的な割れ目/ギャップは、典型的に、ストランドの光学的外観を変更せず、巨視的ストランドの平均の長さを記載するときに考慮されない。微視的なギャップ/割れ目を接続する短いフィブリルの集団(存在する場合)は、典型的に、長さが約120μm以下、長さが約1μm~約50μm又は長さが約5μm~約40μmである。
本明細書で使用されるときに、「前駆体テープ」、「前駆体膜」、「PTFE前駆体テープ」及び「前駆体層」という用語は交換可能に使用され、本開示のPTFE膜の質量の多くの部分を占める初期PTFE膜を指す。前駆体膜は、典型的に、PTFEキャリア層膜(すなわち、より強い膜)の延伸特性に対して高度に延伸性(すなわち、より弱い膜)であるように設計されたPTFE膜である。前駆体膜は、押出されそしてカレンダ加工された単層膜として開始するか、又は、積み重ねられ、次に、本開示の方法での使用に適したコヒーレントな単一膜へと耐久的にそれらを結合するのに十分な条件下でカレンダ加工される複数の膜から形成されうる。前駆体膜は比較的弱く、機械方向(MD)及び横断方向(TD)の両方で800psi未満(<約5.52MPa)のマトリックス引張強度(MTS)を有するように設計される。
本明細書で使用されるときに、「キャリア層」、「キャリア膜」、「PTFEキャリア膜」及び「キャリアテープ」という用語は交換可能に使用され、延伸可能かつフィブリル化可能なポリテトラフルオロエチレン(すなわち、溶融加工可能ではない)膜であって、PTFE前駆体膜に可逆的に結合される(すなわち、除去可能である)膜を指す。キャリア膜は、前駆体膜よりもはるかに強くなるように設計されており、マトリックス引張強度(MTS)が機械方向(MD)及び横断方向(TD)の両方で800psiより大きく(>約5.52MPa)、少なくとも1000psi(約6.89MPa)であり、少なくとも1100psi(約7.58MPa)であり、又は少なくとも1500psi(約10.34MPa)である。
幾つかの実施形態において、多孔質PTFE膜は実質的に対称である。本明細書で使用されるときに、「実質的に対称な膜」という語句は、膜の第一の面から膜の第二の(反対の)面まで(すなわち、z-軸を通して)同様の構造特性(例えば、密度、多孔率及びミクロ/マクロ構造)を有する膜を指す。これは、膜又は複合材料の反対面に非常に異なる構造特性/特徴を有する「非対称膜」と呼ばれる延伸PTFE膜又はPTFE複合材料(例えば、オープンタイト(OT)膜など)とは対照的である。
幾つかの実施形態において、本膜の厚さ(z方向)を横切る相対密度は実質的に変化しない。このように、多孔質PTFE膜は、膜の厚さにわたって実質的に対称である。少なくとも1つの実施形態において、多孔質PTFE膜は、厚さ(z軸)全体で約20%以下、約10%以下、約5%以下又は約1%以下である密度、多孔率及び/又は細孔サイズの相対的変化(膜の反対面に対する第一の面)を含む実質的に対称な単層膜であり、したがって、本明細書において「対称」膜と呼ばれることがある。
本発明の膜は、少なくとも約25μm、少なくとも約50μm、少なくとも約100μm、少なくとも約250μm、少なくとも約500μm、少なくとも約750μm、少なくとも約1000μm、又は、約50μm~約3mmの平均厚さを有する。
さらに、多孔質PTFE膜は、約1.0g/cm以下、約0.6g/cm以下、約0.5g/cm以下又は約0.4g/cm以下のかさ密度を有する。
幾つかの実施形態において、少なくとも1つの多孔質PTFE膜を含む複合材料及び/又はラミネートも提供される。他の実施形態において、多孔質PTFE膜は、限定するわけではないが、多孔質PTFE膜がポリマー又は生物学的コーティングなどの少なくとも1つのコーティング組成物で多孔質PTFE膜が多孔性のままであるように、又は、非孔質になるようにコーティングされうる。コーティング組成物は、溶媒コーティング、スプレイコーティング、スピンコーティング、蒸着、原子層堆積(ALD)、ディップコーティング又はそれらの組み合わせなどの任意の従来のコーティング方法によって多孔質PTFE膜に適用することができる。さらに、コーティングは、限定するわけではないが、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリフルオロアクリレート(PFA)及びシリコーンなどの構成要素のシート間で熱とともに圧縮を加えることによって、多孔質PTFE膜に適用されうる。
幾つかの実施形態において、コーティング組成物は、多孔質PTFE膜の厚さを通してボイドの少なくとも一部を占め又は充填する。「ボイド」という用語は、ノードとフィブリルとの間の空間を示すことが意図される。多孔質PTFE膜上にコーティング及び/又は吸収されうる適切なポリマー及び/又は生物学的コーティングとしては、限定するわけではないが、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、液体結晶性ポリマー、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリシロキサン、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアクリレート、ポリパラキシリレン、テトラフルオロエチレン(TFE)とVDF(ビニリデンフルオリド)とHFP(ヘキサフルオロプロピレン)とのターポリマー、テトラフルオロエチレン(TFE)とペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)とのコポリマー、テトラフルオロエチレンとペルフルオロ-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソールとのコポリマー、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロアルキルエーテル、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリビニルアルコール(PVA)、CBAS(登録商標)/ヘパリンコーティング(W.L. Gore & Associates, Inc.から市販)、抗菌剤、抗体、医薬品、生物学的実体、血管新生刺激剤及びそれらの組み合わせが挙げられる。多孔質PTFE膜に適用される及び/又は多孔質PTFE膜内に適用されるコーティングの量は所望の用途に依存する。
幾つかの実施形態において、多孔質PTFE膜は、化学的処理、プラズマ処理又はレーザ処理のうちの少なくとも1つを適用することによって表面改質されうる。
幾つかの実施形態において、1つ以上の多孔質PTFE膜を含む物品も提供される。少なくとも1つの実施形態において、物品は、ベント、フィルタ、衣服、インプラント可能なメディカルデバイス、組織内部成長のための足場、原核細胞又は真核細胞を成長させるための足場、胞子を成長させるための足場、植物を成長させるための足場である。
多孔質PTFE膜を製造するための方法
多孔質PTFE膜は、少なくとも2つのPTFE膜又はテープが積み重ねられ(図9; 930)、次いでカレンダ加工されて積層化複合材料(図9; 900)を形成する方法によって形成される。積層化複合材料は、PTFEキャリア膜又はテープ(図9; 920)である少なくとも1つの第二のPTFE膜又はテープに可逆的に接着される少なくとも1つの第一のPTFE膜(PTFE前駆体膜;図9;910)を含む。PTFE前駆体膜は、PTFEキャリア膜よりも機械的に弱く、延伸可能であるように設計されている。言い換えれば、PTFEキャリア膜は、PTFE前駆体膜よりも機械的に強く、延伸性が低い。
次に、積層化複合材料は、二軸共延伸される(順次及び/又は同時に(図9;940))。二軸共延伸(図9;950)の後に、PTFEキャリア膜層は除去される。PTFEキャリア膜の除去後に残っている単層多孔質PTFE膜(すなわち、PTFE前駆体膜層に由来する)は、場合により、少なくとも1つの追加の延伸工程に供されることができる(図9;960)。延伸は、一軸方向、半径方向、二軸方向又はそれらの任意の組み合わせであることができる。幾つかの実施形態において、高多孔質の単層PTFE膜は、PTFE前駆体膜をPTFEキャリア膜層から分離した後に、少なくとも1つの追加の延伸工程にかけられる(図9;960)。追加の二軸延伸工程は順次又は同時であることができる。高多孔質の単層PTFE膜は、多孔質の単層PTFE膜を少なくとも部分的又は完全に焼結して(図9;970)最終製品(例えば、物品)に到達するのに十分な最終熱処理にかけられる(図9;980)。
幾つかの実施形態において、積層化複合材料は、最初に機械方向に延伸され、続いて横断方向に少なくとも1回の延伸がなされる(すなわち、順次延伸)。幾つかの実施形態において、積層化複合材料は、最初に、約1.1:1~約1.7:1の範囲の延伸比で機械方向に延伸され、続いて横断方向に少なくとも1回の延伸がなされる。
幾つかの実施形態において、この方法は、少なくとも1つの緻密化工程をさらに含むことができる。緻密化工程は、キャリア層の除去後(例えば、直後)に起こることができ、又は単層多孔質PTFE膜の1つ以上の追加の延伸工程の後に起こることができる。幾つかの実施形態において、緻密化工程は、熱処理工程の前、その間又はその後に起こることができる。幾つかの実施形態において、緻密化は、プレートプレスによって、及び/又はローラ間の膜をカレンダ加工することによって起こることができる。幾つかの実施形態において、緻密化工程はまた、延伸中、延伸前又は延伸後の加熱を含むことができる。
本発明のPTFE膜を形成するために使用されるPTFE出発材料(前駆体膜/テープ及びキャリア膜/テープ)は、PTFE前駆体膜がPTFEキャリア膜よりも機械方向(MD)及び/又は横断方向(TD)で弱いかぎり、延伸時にフィブリル及びノードの形成に役立つ任意のタイプのPTFE樹脂のものであることができる。本開示全体を通して、「PTFE」という用語は便宜上使用されているが、ポリテトラフルオロエチレンだけでなく、延伸PTFE、変性PTFE、延伸変性PTFE及びPTFEの延伸コポリマー、例えば、Brancaの米国特許第5,708,044号明細書、Baileyの米国特許第6,541,589号明細書、Sabolらの米国特許第7,531,611号明細書、Fordの米国特許第8,637,144号明細書及びXuらの米国特許第9,139,669号明細書などに記載されている。本明細書で使用されるときに、「PTFE」という用語はまた、ノード及びフィブリル微細構造を有する膜に延伸することができ、上記のとおりの機械方向及び横断方向のマトリックス引張強度を満たす任意の非フルオロポリマーを含むことも意図されている。さらに、「PTFE」という用語は、本明細書に記載の前駆体膜及びキャリア膜の両方に使用することができるが、便宜上使用されており、本開示における「PTFE」のより広い定義を含むことが意図される。
1つの例示的な実施形態において、PTFE出発材料は、PTFEホモポリマー又はPTFEホモポリマーのブレンドであることができる。別の実施形態において、PTFE出発材料は、PTFEホモポリマーと、コポリマーに純粋なホモポリマーPTFEの非溶融加工可能特性を失わせる量のコモノマー単位が存在しないPTFEコポリマーとのブレンドであることができる。PTFEコポリマー中の適切なコモノマーの例としては、限定するわけではないが、エチレン及びプロピレンなどのオレフィン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、フッ化ビニリデン(VDF)及びクロロフルオロエチレン(CFE)などのハロゲン化オレフィン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PPVE)及びペルフルオロスルホニルビニルエーテル(PSVE)が挙げられる。さらに別の実施形態において、第一のPTFE膜及び/又は第二のPTFE膜は、高分子量PTFEホモポリマー及び低分子量変性PTFEポリマーのブレンドから形成される。
別の実施形態において、前駆体膜及び/又はキャリア層膜は、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)(ETFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリエチレン、ポリパラキシリレン(PPX)、ポリ乳酸(PLLA)、ポリエチレン(PE)、膨張ポリエチレン(ePE)及びそれらの任意の組み合わせ又はブレンドなどの、PTFE以外の他のフィブリル化可能及び膨張可能材料から形成されうる。
PTFE膜は、フィブリル化可能/ペースト処理可能なPTFE微粒子を潤滑剤とブレンドすることによって形成される。本明細書で使用するための潤滑剤の非限定的な例としては、軽質鉱油、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素及びハロゲン化炭化水素が挙げられる。得られるPTFE樹脂粒子と潤滑剤との混合物は、筒形ペレットに加工され、約10:1~約150:1、又は約25:1~約90:1の縮小比でダイを通して押出されて、テープを形成する。次に、テープは、ロール間で約1.1:1~約50:1、又は約1.1:1~約20:1のカレンダ比にて所望の厚さにカレンダ加工されて、PTFE膜/テープ(前駆体膜及び/又はキャリア膜/テープ)を形成する。
少なくとも1つの実施形態において、PTFE前駆体膜は、乾燥工程なしで形成され、湿潤状態で第二のPTFE膜(キャリア膜)と積層化される(図9、903)。PTFEキャリア膜/テープと積層化する前に、PTFE膜(プレカレンダ加工)又は第一のPTFE前駆体膜(ポストカレンダ加工)のいずれかを乾燥させることは、本開示の範囲内である。
議論を容易にするために、第一のPTFE膜/テープ(すなわち、PTFE前駆体層)及び第二のPTFE膜/テープ(PTFEキャリア層)に関して本明細書で参照されているが、処理助剤が除去され、最終製品が多孔質PTFE膜の特徴を含む限り、より多くのPTFE膜/テープを本明細書に記載の方法に含めることができることに留意されたい。
第二のPTFE膜/テープ(キャリア膜/テープ)は、第二の適切なPTFE出発材料(フィブリル化可能/ペースト加工可能な樹脂粒子)を潤滑剤とブレンドすることによって形成されうる。本明細書で使用するための潤滑剤の非限定的な例としては、軽質鉱油、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素及びハロゲン化炭化水素が挙げられる。得られた混合物は、筒形のペレットに加工され、約10:1~約150:1又は約50:1~約120:1の縮小比でダイを通してラム押出されてテープを形成することができる。次に、テープは、ロール間で約1.1~約20:1又は約1.1:1~約10:1のカレンダ比で所望の厚さにカレンダ加工されうる。次に、カレンダ加工されたテープを一方向又は複数の方向に延伸し、乾燥させて潤滑剤を除去することができる。例えば、カレンダ加工されたテープを、約1.1:1~約20:1又は約1.1:1~約10:1の延伸比で、長手方向及び/又は横断方向に延伸されうる。第二のPTFEテープ/膜は、PTFEテープ及び/又は膜を乾燥させずに形成することができ、湿潤状態で第一のPTFE膜(前駆体)と積層化することができることを理解されたい。幾つかの実施形態において、PTFEキャリア膜/テープは、PTFE前駆体膜/テープに接触する前に、一軸又は二軸に延伸されうる。別の実施形態において、PTFEキャリア膜/テープは、PTFEキャリア膜/テープをPTFE前駆体膜/テープに接触させる前に、横断方向に少なくとも1回延伸されうる。
積層化複合材料を形成する際に、第一のPTFE膜(前駆体膜)及び第二のPTFE膜(キャリア膜)は、スタック構成で互いの上に配置される。第一のPTFE膜及び第二のPTFE膜は、例えば、単に膜を互いの上に置くことによって、スタック構成で配置される。次に、スタックされた製品は、十分な量の圧力(例えば、カレンダ加工及び/又はプレートプレス)及び/又は熱にさらされて、PTFE前駆体層をPTFEキャリア層に可逆的に結合し、それによって積層化複合材料を形成する。幾つかの実施形態において、カレンダ加工を使用して、積層化複合材料を形成する。積層化複合材料を形成するときに、スタックされた膜の厚さを所望の厚さに減らすことができる。しかしながら、PTFE前駆体層とPTFEキャリア層との間の結合強度は、その後の共延伸工程(図9、940)を容易にするのに十分な強度であるべきであり、それでもなお、積層化複合材料を二軸延伸させた後に、PTFEキャリア層をPTFE前駆体層から分離させる能力を提供する(950)。したがって、PTFE前駆体層をPTFEキャリア層に可逆的に結合するときの厚さの減少(例えば、カレンダ加工)は、積層化複合材料を共延伸させた後にPTFEキャリア層を除去する能力を維持するように制御されるべきである。1つの実施形態において、積層化複合材料の厚さは、(カレンダ加工及び/又はプレス加工前の積層化製品の厚さに比べて)約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満、約1%未満又は約0.1%未満だけ縮小される。積層化複合材料の厚さは、約0.01mm~約3.0mm、約0.01mm~約2mm、約0.03mm~約1.0mm、約0.05mm~約0.7mm又は約0.1mm~約0.5mmの範囲であることができる。
積層化複合材料は、順次に又は同時に二軸延伸させることができる。1つの実施形態において、積層化複合材料は、機械方向(MD)で共延伸され、続いて横断方向(TD)で少なくとも1回延伸される。例えば、積層化複合材料は、約0.5%/秒~約300%/秒、又は約0.5%/秒~約150%/秒の平均工学ひずみ速度及び約10%~約350%又は約10%~約300%の延伸量で機械方向に延伸され、続いて約3%~約600%又は約10%~約400%の平均工学ひずみ速度及び約0%~約2000%又は約1.0%~約1600%の延伸量で横断方向に延伸され、又はその逆である(例えば、最初に横断方向に延伸され、次に機械方向に延伸される)。少なくとも1つの実施形態において、積層化製品は、約10%/秒~約500%/秒、又は約20%/秒~約250%/秒の平均工学ひずみ速度及び約10%~約2000%の延伸量で二軸方向に同時に延伸される。
次に、PTFEキャリア層膜は、延伸した積層化複合材料から分離され、廃棄される(図9;950)。幾つかの実施形態において、機械的な力を使用して、キャリア層を延伸された積層化複合材料から分離する。残りの製品(PTFE前駆体層に由来)は、マクロテクスチャ表面を有する単層高多孔質自立型PTFE膜である。
本実施例は、ペースト処理を使用するPTFE前駆体及び/又はキャリア膜の調製を例示しているが、フィブリル化技術を乾式混合することも使用できることが想定されている。代替の実施形態において、PTFE前駆体膜及び/又はPTFEキャリア膜は、Mitchellらの米国公開番号2005/0057888号明細書、Zhongらの米国公開番号第2010/0119699号明細書、Sassaらの米国特許第5,849,235号明細書、Rudolfらの米国特許第6,218,000号明細書又はMortimerの米国特許第4,985,296号明細書に一般に教示されるようにポリマー粒子をブレンドフィブリル化することにより形成されることができる。一軸、二軸又は半径方向の延伸は、一般に、Goreの米国特許第3,953,566号明細書及びHubisの米国特許第4,478,665号明細書に記載されている。
別の実施形態において、この方法は、単層の自立型多孔質PTFE膜を緻密化することをさらに含む。さらなる態様において、緻密化工程は、少なくとも1回の熱処理の前、その間又はその後に行われる。
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を説明するために誇張されていることがあり、その点に関して、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上記に説明されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは、当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
試験方法
特定の方法及び装置を以下に説明するが、当業者によって適切であると決定された他の方法又は装置を代替的に利用できることを理解されたい。
厚さ
膜の厚さは、ハイデンハインスナップゲージ(ハイデンハイン社、イリノイ州シャンバーグ)の2つのプレートの間にPTFE膜を配置することによって決定された。より薄いサンプル(厚さ140μm以下)はSEM断面によって決定された。
面積あたりの質量(質量/面積)
PTFE膜の質量/面積は、スケールを使用してサンプルの明確に規定された面積の質量を測定することによって計算された。サンプルは、ダイ又は任意の精密切断器具を使用して、規定された領域に切断された。
密度
密度は、面積当たりの質量を厚さで割ることによって計算された。
定性的画像分析(QIA)
多孔質PTFE膜の様々な特徴の平均寸法(巨視的ノード凝集体、フィブリル長さ、特徴間の間隔、例えば、内部間隔及び相互間隔)を決定するために、定性的画像分析を実施した。
巨視的ノード凝集体の内部間隔
巨視的ノード凝集体の内部間隔は、国立衛生研究所(NIH)からのImageJバージョン1.51hのSEM画像を分析することによって決定された(Schneider, C.A., Rasband, W.S., Eliceiri, K.W., “NIH Image to Image J: 25 years of image analysis” Nature Methods 9、671-675、2012又はAbramoff, M.D., Magalhaes, P.J., Ram, S.J. "Image Processing with Image J". Biophotonics International, volume 11, issue 7, pp.36-42, 2004)。画像スケールは、SEM画像によって提供されるスケールに基づいて設定された。サイズ/シェーディング及び/又は手動識別に基づくしきい値処理の組み合わせにより、特徴を識別及び分離した。画像内の最大の特徴の面積の1%未満の特徴を分析から除外した。特徴を分離した後に、隣接する特徴を識別するためにドロネー三角形分割を実行した。隣接する特徴の最も近い縁の間に線を引き、長さを測定して、隣接する特徴間の間隔を規定した(例えば、図11Aを参照されたい)。水平から45度~135度の間にある線が分析に含まれた。これらの線の垂直方向への投影(巨視的ノード凝集体の配向をとって、内部間隔を決定した)。
図11Aに絵で示されるように、指定された特徴(P)は、隣接する中実体特徴(N)に接続されて、外接円1110が内部に中実体特徴を含まない三角形1100を形成する。中実体特徴(X)は、Pに隣接する中実体特徴ではない中実体特徴を示す。したがって、図11Aに示された例において、特徴間隔1130は、指定された特徴(P)、(N)の間の直線距離である。対照的に、図11Bに示される外接円1150は、三角形1160から引かれ、その中に特徴(N)を含み、したがって、特徴の間隔を決定するために利用することはできない。
巨視的ノード凝集体の相互間隔
巨視的ノード凝集体の相互間隔は、国立衛生研究所(NIH)(上記)からのImageJ 1.51hのSEM画像を分析することによって決定された。画像スケールは、SEM画像によって提供されるスケールに基づいて設定された。サイズ/シェーディング及び/又は手動識別に基づくしきい値処理の組み合わせにより、特徴が識別及び分離された。画像内の最大の特徴の面積の1%未満の特徴は、分析から除外した。特徴を分離した後に、特徴は、マクロ凝集体に垂直な方向に、50以上の平行な一連の(図12、1200)及び等間隔の線でオーバーレイされた。2つのノードに接触する線を分離し、長さを測定して、巨視的ノード凝集体の平均間隔を決定した。データセット全体の平均値及び中央値を測定した(つまり、データセット全体の全体的な平均値及び中央値)。巨視的ノード凝集体の間の間隔の分布をさらに特徴づけるために、75パーセンタイルを下回った特徴/距離を除外し、次いで、残りの特徴/距離の平均(75パーセンタイル及び100パーセンタイルの間、上位四分位)を平均した。
マトリックス引張強度(MTS)
マトリックス引張強度(MTS)を決定するために、サンプルPTFE膜/テープを、ASTM D412-ドッグボーンダイタイプF(D412F)又はASTM D638-プラスチックの引張特性の標準試験方法(D638-5)を使用して長手方向及び横断方向に切断した。引張破壊荷重は、フラットフェースグリップ及び「22ポンド」(約100N)荷重セルを備えたINSTRON(登録商標)5567(Illinois Tool Works Inc.、マサチューセッツ州ノーウッド)引張試験機を使用して測定した。グリップのゲージ長は8.26cmに設定され、ひずみ速度は0.847cm/sであった。サンプルをグリップに配置した後に、サンプルを1.27cm引っ込めてベースラインを取得し、次いで、上述のひずみ速度で引張試験を行った。各条件の2つのサンプルを個別に試験し、最大負荷(つまり、ピーク力)の測定値の平均値をMTSの計算に使用した。長手方向及び横断方向のMTSは以下を使用して計算した。
[数2]
MTS=(最大荷重/断面積)X(樹脂の密度/膜の密度)
光学顕微鏡画像
光学顕微鏡画像を、7倍及び32倍の倍率でオリンパスSZX12顕微鏡を使用して生成した。
走査型電子顕微鏡写真(SEM)サンプル画像形成
SEM画像は、高解像度電界放出極低温顕微鏡(日立S4700 FE-SEM)を使用して生成した。
ATEQ空気流測定
ATEQ空気流試験は、膜サンプルを通る空気の層流体積流速を測定する。各膜サンプルは、流路全体で2.99cmの領域をシールするように2枚のプレートの間に固定された。ATEQ(登録商標)(ATEQ Corp.、ミシガン州リヴォニア)プレミアDコンパクト流試験機を使用して、各膜サンプルを1.2kPa(12ミリバール)の空気差圧でチャレンジすることにより、各膜サンプルを通る空気流速(L/時)を測定した。
本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは、当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
例1
第一のPTFE膜(膜前駆体層)の調製
第一のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜を以下のように調製した。高分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末と低分子量変性ポリテトラフルオロエチレンポリマーとのブレンドを、Brancaらの米国特許第5,814,405号明細書の教示に従って調製し、次に、0.244lb/lbのイソパラフィン系炭化水素潤滑剤(Isopar(商標)K、Exxon、テキサス州ヒューストン)と組み合わせた。次に、得られた混合物をブレンドし、圧縮して筒形ペレットにし、25℃の温度で18時間熱調整した。次に、筒形ペレットを、40:1の縮小比で矩形オリフィスダイを通して押出して、テープを形成した。次に、テープをロール間で1.2:1のカレンダ比でカレンダ加工し、次に1.1:1の比率で第二の同一のテープと積層化して、第一のPTFE膜(前駆体膜)を形成した。
第二のPTFE膜(キャリア層)の調製
第二のPTFE膜を以下のように調製した。Malhotraらの米国特許第4,576,869号明細書の教示に従って製造されたポリテトラフルオロエチレンポリマーの微粉末を0.185lb/lbの潤滑剤(Isopar(商標)K、Exxon、テキサス州ヒューストン)と組み合わせた。次に、得られた混合物をブレンドし、圧縮して筒形ペレットにし、次いで、49℃の温度で8時間熱調整した。次に、筒形ペレットを矩形オリフィスダイを通して78:1の縮小比で押出し、テープを形成した。次に、テープをロール間で2.8:1のカレンダ比でカレンダ加工して、PTFEキャリア膜を形成した。
多層処理(共延伸)
PTFE前駆体膜をPTFEキャリア膜の上に積み重ね、積層化製品をロール間でカレンダ加工し、3~5%の厚さだけ減少させた(カレンダ加工前の積み重ねた膜の厚さに対して)。得られた積層化ラミネートを180℃の温度で乾燥させて潤滑剤を除去した。次に、乾燥したラミネートを、300℃で機械方向(MD)に6%/秒の平均工学ひずみ速度及び20%の延伸量で延伸させた。次に、MD延伸したラミネートを、75%/秒の平均工学ひずみ速度及び約300℃の温度で3:1の比率で横断方向(TD)にさらに延伸させた。次に、PTFEキャリア層を第一のPTFE膜層(前駆体膜として始まったもの)から機械的に分離した。次に、残りの第一のPTFE膜層(前駆体膜に由来)を、300℃で機械方向(MD)に75%/秒で2:1の比率で、横断方向(TD)に2:1(75%/秒)の比率で二軸延伸させた。次に、得られた単層の高多孔質PTFE膜を、360℃で60秒間熱処理した。
単層の高多孔質のPTFE膜は、(z軸を通して)第一の表面から第二の表面に延在しているノードを有する非常に顕著な三次元構造を有していた(表1)。PTFE膜の光学顕微鏡画像は、巨視的ノード凝集体の存在によるマクロテクスチャ表面を示している(図1、上面図;図2、断面)。SEM画像(図3、上面図;図4、断面)は、巨視的ノード凝集体を示している。定量的画像分析は上記のように実施され、表2及び3に報告された。
例2
第一のPTFE膜(膜前駆体層)の調製
第一のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜を以下のように調製した。高分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末と低分子量変性ポリテトラフルオロエチレンポリマーとのブレンドを、Brancaらの米国特許第5,814,405号明細書の教示に従って調製し、次に、0.244lb/lbの潤滑剤(Isopar(商標)K、Exxon、テキサス州ヒューストン)と組み合わせた。得られた混合物をブレンドし、25℃の温度で18時間熱調整した。熱調整された混合物を、筒形ペレットに圧縮した。次に、筒形ペレットを矩形オリフィスダイを通して78:1の縮小比で押出し、テープを形成した。次に、テープをロール間で3:1のカレンダ比でカレンダ加工して、第一のPTFE膜(つまり、PTFE前駆体膜)を形成した。
第二のPTFE膜(キャリア層)の調製
第二のPTFE膜を以下のように調製した。Malhotraらの米国特許第4,576,869号明細書の教示に従って製造されたポリテトラフルオロエチレンポリマーの微粉末を、0.227 lb/lbの潤滑剤(Isopar(商標)K、Exxon、テキサス州ヒューストン)とブレンドした。ブレンドした混合物を圧縮して筒形ペレットにし、次に49℃の温度で8時間熱調整した。次に、熱調整された筒形ペレットを、矩形オリフィスダイを通して78:1の縮小比で押出して、テープを形成した。次に、テープをロール間で3:1のカレンダ比でカレンダ加工して、第二のPTFE膜(つまり、PTFEキャリア膜)を形成した。
多層処理(共延伸)
PTFE前駆体膜をPTFEキャリア層膜の上に積層化して積層化製品を形成し、これを続いて適切な量の圧力にてロール間でカレンダ加工にかけ、得られたラミネートの厚さを有意に減少させることなく層を穏やかに結合した。次に、ラミネートを180℃の温度で乾燥させて、潤滑剤を除去した。次に、ラミネートを次のように順次延伸させた。乾燥したラミネートを、330℃で機械方向(MD)に4%/秒の平均工学ひずみ速度及び20%に等しい延伸量で延伸させた。次に、MD延伸したラミネートを、2:1の比率で、約330℃の温度で50%/秒の平均工学ひずみ速度で横断方向(TD)に延伸させた。
次に、順次延伸させたラミネートを、機械方向(MD)に2:1の比率で、横断方向(TD)に6:1の比で200%/秒で300で二軸延伸させた。
次に、第二のPTFE膜層(すなわち、PTFEキャリア層)を、第一のPTFE膜層(すなわち、PTFE前駆体膜)から機械的に分離した。次に、単層の高多孔質PTFE膜を360℃で180秒以下で熱処理した。
単層の高多孔質膜は、ノードが第一の表面から第二の表面まで(z軸を通して)延在している、非常に顕著な三次元構造を有していた(表1)。
例3
第一のPTFE膜(膜前駆体層)の調製
第一のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜(すなわち、PTFE前駆体膜層)を以下のように調製した。高分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末と低分子量変性ポリテトラフルオロエチレンポリマーとのブレンドを、Brancaらの米国特許第5,814,405号明細書の教示に従って調製した。次に、0.244 lb/lbの潤滑剤(Isopar(商標)K、Exxon、テキサス州ヒューストン)とブレンドし、次に、ブレンドされた製品を圧縮して筒形ペレットにし、25℃の温度で18時間熱調整した。次に、熱調整された筒形ペレットを、40:1の縮小比で矩形オリフィスダイを通して押出して、テープを形成した。次に、テープをロール間で1.2:1のカレンダ比でカレンダ加工し、次に1.1:1の比率の第二の同一のテープと重ねて、第一のPTFE膜(つまり、PTFE前駆体膜)を形成した。
第二のPTFE膜(キャリア層)の調製
第二のPTFE膜(すなわち、PTFEキャリア膜)を以下のように調製した。Malhotraらの米国特許第4,576,869号明細書の教示に従って製造されたポリテトラフルオロエチレンポリマーの微粉末と0.185 lb/lbの潤滑剤(Isopar(商標)K、Exxon、テキサス州ヒューストン)とをブレンドした。ブレンドした混合物を圧縮して筒形ペレットにし、49℃の温度で8時間熱調整した。次に、熱調整された筒形ペレットを、矩形オリフィスダイを通して78:1の縮小比で押出して、テープを形成した。次に、テープをロール間で2.8:1のカレンダ比でカレンダ加工した。
多層処理(共延伸)
PTFE前駆体膜をPTFEキャリア膜上に積み重ねて積層化製品を形成した。次に、積層化製品を適切な圧力でロール間でカレンダ加工し、厚さを有意に減らすことなく、2つのPTFE膜をラミネートへと軽く接着した。得られたラミネートを180℃の温度で乾燥させて潤滑剤を除去した。次に、乾燥したラミネートを、320℃で機械方向(MD)に、平均工学ひずみ速度1.02%/秒及び60%に等しい延伸量(つまり、1.6:1 MDの比率)で延伸させた。次に、MD延伸したラミネートを、約300℃の温度で75%/秒の平均工学ひずみ速度で4:1の比率で横断方向(TD)に延伸させた。次に、第二の層(すなわち、PTFEキャリア膜)を第一の層(すなわち、PTFE前駆体膜)から機械的に分離した。得られた製品は、単層の高多孔質PTFE膜(前駆体膜に由来)であった。次に、得られた単層の高多孔質PTFE膜を、350℃で120秒以下で熱処理した。
単層の高度に多孔質のPTFE膜は、ノードがz軸を通って延在している、非常に顕著な三次元構造を有していた(表1)。異なる倍率でのSEM画像は、巨視的ノード凝集体を示している(図5A、5B及び5C、上面図;図6、断面)。定量的画像分析を上記のように実施し、表2及び3に報告した。
例4
第一のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜(すなわち、前駆体膜)を以下のように調製した。高分子量ポリテトラフルオロエチレン微粉末と低分子量変性ポリテトラフルオロエチレンポリマーとのブレンドを、Brancaらの米国特許第5,814,405号明細書の教示に従って調製し、次に、0.244 lb/lbの潤滑剤(Isopar(商標)K、Exxon、テキサス州ヒューストン)とブレンドした。次に、ブレンドされた製品を圧縮して筒形ペレットにし、25℃の温度で18時間熱調整した。次に、熱調整された筒形ペレットを、40:1の縮小比で矩形オリフィスダイを通して押出して、テープを形成した。次に、テープをロール間で1.2:1のカレンダ比でカレンダ加工し、次に1.1:1の比率で第二の同一のテープと重ねて、第一のPTFE膜(前駆体PTFE膜)を形成した。
第二のPTFE膜(キャリア層)の調製
第二のPTFE膜(キャリア層)を以下のように調製した。Malhotraらの米国特許第4,576,869号明細書の教示に従って製造されたポリテトラフルオロエチレンポリマーの微粉末を0.185 lb/lbの潤滑剤(Isopar(商標)K、Exxon、テキサス州ヒューストン)とブレンドした。ブレンドした混合物を圧縮して筒形ペレットにし、49℃の温度で8時間熱調整した。次に、熱調整された筒形ペレットを、矩形オリフィスダイを通して78:1の縮小比で押出して、テープを形成した。次に、テープをロール間で2.8:1のカレンダ比でカレンダ加工して、PTFEキャリア膜を形成した。
多層処理(共延伸)
PTFE前駆体膜をPTFEキャリア膜上に積み重ねて積層化製品を形成した。次に、積層化製品を適切な量の圧力にてロール間でカレンダ加工し、厚さを有意に減少させることなく、2つの膜を軽く結合してラミネートにした。得られたラミネートを180℃の温度で乾燥させて潤滑剤を除去した。次に、乾燥したラミネートを、320℃で機械方向(MD)に0.29%/秒の平均工学ひずみ速度及び20%に等しい延伸量で延伸させた。次に、MD延伸したラミネートを横断方向(TD)に4:1の比率で、約300℃の温度で75%/秒の平均工学ひずみ速度で延伸させた。次に、第二のPTFE膜(すなわち、キャリア膜)を第一のPTFE膜から機械的に分離した。得られた製品は、単層の高多孔質PTFE膜(PTFE前駆体膜に由来)であった。次に、単層の高多孔質PTFE膜を350℃で120秒以下で熱処理した。
単層の高多孔質PTFE膜は、z軸を通してノードが延在している非常に顕著な三次元構造を有した(表1)。異なる倍率でのSEM画像は、巨視的ノード凝集体を示している(図7A、7B、7C及び7D、上面図;図8、断面)。図7Dは、巨視的ノード凝集体が複数の緻密化PTFEノードから形成されていることを明確に示している。定量的画像分析を上記のように実施した。それを表2及び3に報告している。
Figure 0007397997000001
Figure 0007397997000002
Figure 0007397997000003

Claims (15)

  1. マクロテクスチャ表面を有する単層の自立型多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜を製造する方法であって、
    a)i)機械方向及び横断方向の両方で1平方インチあたり800ポンドの力(psi)(5.52MPa)未満のマトリックス引張強度を有する第一のPTFE膜を含む第一の層、及び、
    ii)機械方向及び横断方向の両方で800psi(5.52MPa)を超えるマトリックス引張強度を有する第二のPTFE膜を含む第二の層
    を提供すること、
    b)前記第一のPTFE膜を前記第二のPTFE膜の上に積み重ねること、
    c)適切な量の圧力、熱又はそれらの組み合わせを適用して、前記第一のPTFE膜を前記第二のPTFE膜に非永久的に結合させて積層化製品を形成すること、
    d)前記積層化製品を、機械方向に少なくとも1回及び横断方向に少なくとも1回、延伸すること、
    e)前記第二の層を前記第一の層から分離すること、ここで、前記第一の層は単層の多孔質PTFE膜である、並びに、
    f)前記単層の多孔質PTFE膜を適切な条件下で少なくとも1回熱処理にかけて、前記単層の多孔質PTFE膜を少なくとも部分的に焼結すること、
    を含む、方法。
  2. 前記単層の多孔質PTFE膜を少なくとも1つの追加の延伸工程にかけること、
    を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの追加の延伸工程は、二軸延伸、一軸延伸、半径方向延伸又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項2記載の方法。
  4. 前記延伸工程d)は、第一の横断方向延伸の前に、第一の機械方向延伸を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記第一の機械方向延伸は、約1.1:1~約1.7:1の延伸比を含む、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記工程d)又は工程e)は、二軸延伸、一軸延伸、半径方向延伸又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記二軸延伸は、順次二軸延伸、同時二軸延伸又はそれらの組み合わせである、請求項1~6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記キャリア層は、前記前駆体層上にキャリア層を積み重ねる前に、少なくとも1つの一軸、二軸又は半径方向延伸工程に供される、請求項1~7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記熱処理は、10分以内で345℃~390℃の温度を含む、請求項1~8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記単層の多孔質PTFE膜を緻密化することを含む、請求項1~9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記緻密化は、前記少なくとも1回の熱処理の前、その間又はその後に行われる、請求項10記載の方法。
  12. 熱処理された単層の多孔質膜を少なくとも1つのコーティング組成物と接触させることを含む、請求項1~11のいずれか1項記載の方法。
  13. 熱処理された単層の多孔質膜を表面改質処理剤と接触させることを含む、請求項1~12のいずれか1項記載の方法。
  14. 熱処理された単層の多孔質膜を少なくとも1つの追加の材料にラミネート化又は結合することを含む、請求項1~13のいずれか1項記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つの追加の材料はPTFEではない、請求項14記載の方法。
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