JP7397551B1 - 無限軌道装置及び搬送台車 - Google Patents
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Abstract
Description
この無限軌道装置は、細長のレールをトラックロールが覆っており、トラックロールの内周側には、レールと接触する位置にローラを備えたエレメントが複数取り付けられている。さらにエレメントは、トラックロールの外周側にプレートを備えている。そして、それぞれのエレメントは、レール上で一定間隔を保持するためのベルトに固定されている。
そのため、台車が押されると、プレートは地面との摩擦によって停止するが、レールはローラが回転することによって台車が押された方向に移動可能である。そして、すべてのプレートはベルトによって前後の間隔が維持されているため、レールが移動することで、プレートもレールに沿って循環する。
例えば建築物の基礎工事現場では、搬送台車がコンクリートを打設する前の鉄筋上を走行する必要があるが、芯ベルトが露出しているために、芯ベルトだけに荷重が掛かる可能性がある。また、建材や工具などの重量物を運搬することになるため、強い荷重が掛かりやすい。
このような理由から、原動機を備えない無限軌道装置の装置重量当たりの耐荷重の向上と、不整地走行能力の向上とを、同時に達成することは困難であった。
前記所定の隙間は、前記履板の厚さよりも狭い幅であることを特徴とする無限軌道装置である。
他端面と接地面との間に面取りが施されていることを特徴とする無限軌道装置である。
前記メインローラは、前記メインローラ軸の軸方向の中央を挟んだ両側に少なくとも一つずつ備えられていることを特徴とする無限軌道装置である。
図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、表示等を下記の実施形態に特定するものではない。
この定義に従い、前側と後側とを水平に接続するような仮想の直線に沿う向きを「前後方向」、左側と右側とを水平に接続するような仮想の直線に沿う向きを「左右方向」、上
側と下側とを鉛直に接続するような仮想の直線に沿う向きを「上下方向」と定義する。
なお、本実施形態に係る無限軌道装置1は、装置全体の前後及び左右が対称に構成されているため、前後左右の区別は便宜上のものである。また、トラックベルトの循環方向は、前後方向とする。
初めに、図1を参照して無限軌道装置の全体構造について説明する。
本発明に係る無限軌道装置は、通常の場合2機以上を組み合わせて用いられるが、同一構造の装置を左右に並べて配置可能であるため、1機分のみ説明する。
次より、各構成要素の構造について説明する。
<フレームの構造>
フレーム10は、横断面が逆U字形状の上部フレーム11と、縦断面がV字形状の下部フレーム12と、角棒形状の補強部材13と、によって構成されている。
開口部11a及び開口部12aは、トラックベルト30が巻き上げた土などの異物が、フレーム10の内部から容易に排出されるようにするために形成されている。
なお、補強部材13の長さは、前側に配置されている下部フレーム12の前端部から後側に配置されている下部フレーム12の後端部までの長さに等しく、この長さは、底部21よりも短い。
引き続き、図1及び図2を参照してレール20の構造について説明する。
レール20は、板状部材の端同士を接続して前後方向に長い環状に形成されており、下側における約75%の範囲は、平らな形状の底部21である。
底部21の前後には、湾曲しながら上方に延びている第一曲げ部分22A及び第二曲げ部分22Bが形成されており、特に、下側が大迎角部分23A、23Bとして、上側よりも半径が大きな円弧状に形成されている。
そして、第一曲げ部分22Aと第二曲げ部分22Bとの上部は、底部21と平行な循環部分24によって接続されている。
次に、図3~図5を参照してトラックベルト30の構造について説明する。なお、各部
分の詳細な構造については後述するものとし、以後において、ローラ上部エレメント41と下部エレメント60とが固定された状態のものをローラエレメント40と呼び、無ローラ上部エレメント51と下部エレメント60が固定された状態のものを無ローラエレメント50と呼ぶ。
ピン孔32及びボルト孔33の位置に合わせてローラエレメント40及び無ローラエレメント50を交互に取り付けることで、それぞれのエレメントは、隣接する履板70同士の間に、履板70の厚さの15%程度の幅の隙間G1が形成されるように配置される。
次に、図3及び図5(a)(b)を参照して、ローラエレメント40及び無ローラエレメント50の構造について説明する。なお、無ローラ上部エレメント51は、ローラ上部エレメント41の底部46と略同一形状の板状部材であるため、詳細な説明は省略する。
第一エレメントであるローラエレメント40は、前後方向から見て角形のU字形状であり、且つ左右方向から見て上側に凸な三角形状部分及びその下部に三角形状部分と略同じ高さの長方形部分が形成された形状のローラ上部エレメント41と、履板70が固定される下部エレメント60とによって構成されている。
第二エレメントである無ローラエレメント50は、平板形の部材である無ローラ上部エレメント51と、履板が固定される下部エレメント60とによって構成されている。
メインローラ軸42a、42bには、前方右側、前方左側、後方右側及び後方左側にメインローラ43a~43dが支持されており、ガイドローラ軸44a、44bにはメインローラ43a~43dよりも小径のガイドローラ45a、45bが支持されている。
49a~49dが形成されている。
下部エレメント60の上面における、前後方向の中央左側及び中央右側には、上下方向に沿う向きに貫通している貫通孔61a、61bが形成されており、左右方向の中央前側及び中央後側には、上側に延びる突起であるピン62a、62bが形成されている。さらに、当該面を前後方向に4分した中央側の2つの範囲内には、1つの範囲内に2本ずつ、左右方向に長く上側に延びる略四角形状のベルト固定凸部63a~63dが形成されている。
また、左側面部及び右側面部の前側及び後側には、下に向かって延び、下端部に左右方向の中央側に向かって突出する爪が形成されたエレメント側取り付け部64a~64dが形成されている。
次に、図7を参照して、履板70の構造について説明する。
履板70は、前後方向及び左右方向から見た縦断面形状が凹字形であり、上下方向から見て角部が丸められた長方形状の部材であり、外面71の底部には、接地面76として、前後方向に長い長方形状の平面が形成されている。
また、内面72における前方左側、前方右側、後方左側及び後方右側には、前後方向に長い長方形状であり上下方向に沿って貫通している収容孔74a~74dが形成されている。また、収容孔74a~74dの左右方向中央側の辺からは、上側に伸び左右方向の外側に延びる爪が形成された履板側取り付け部75a~75dが形成されている
次に、図3~図7を参照して、無限軌道装置1の組み立て方法について説明する。なお、ローラ上部エレメント41、無ローラ上部エレメント51、下部エレメント60及び履板70の芯ベルト31への固定方法について、無ローラ上部エレメント51を芯ベルト31に固定する方法は、ローラ上部エレメント41と同様であるため、説明は省略する。
その後、同様の手順を繰り返してローラエレメント40及び無ローラエレメント50を芯ベルト31の全周に亘って交互に取り付ける。
そのためには、エレメント側取り付け部64a~64dと、履板側取り付け部75a~75dとの位置を合わせ、履板70を下部エレメント60に押し付ける。これによって、エレメント側取り付け部64a~64d及び履板側取り付け部75a~75dが、弾性によって互いに変形し、エレメント側取り付け部64a~64dが収容孔74a~74dに収容され、先端の爪同士が掛かり合うことで、履板70が固定される。
そのため、トラックベルト30は、芯ベルト31からローラエレメント40及び無ローラエレメント50を取り外すことなく、履板70を着脱可能である。
<動作・作用>
搬送台車2は、天板の底部における右側及び左側に、トラックベルト30が前後方向に沿って動作する向きに、無限軌道装置1を、1つずつ備えている。
このような場合、無ローラエレメント50はレール20の側に押され、芯ベルト31がレール20に接近するように変形する。このとき、他のエレメントは、押圧されている無ローラエレメント50に近づくように移動し芯ベルト31が内周側に凹むように変形しているため、芯ベルト31の張力が上昇する。そのため、メインローラ43a~43dに掛かる荷重が強まる。
仮に、メインローラ43a~43dに掛かる荷重が上昇し続けると、メインローラ43a~43dが回転不可能な状態になり、トラックベルト30が停止する。そのため、搬送台車2も停止する。
そのため、隣り合う履板70同士の間隔は、最大で履板70の厚さ分まで設定可能である。これは、芯ベルト31が露出する量が履板70の厚さより多いと、無ローラエレメント50がレール20の内周側に変形したときに、前後の履板70と接触しない位置まで移動することになる為である。
本発明に係る無限軌道装置1は、芯ベルト31の全周に亘って履板70が備えられているため、従来の芯ベルト31が露出する無限軌道装置と比較して、芯ベルト31の保護能力が高い。さらに、無限軌道装置1における下部の全域に亘って履板が接地するため、従来の無限軌道装置よりも接地圧を低減しやすく不整地での走行性能が高い。また、全周に履板70を備えていることで、接地箇所が限定される場所でも、履板70によって接地可
能であり、芯ベルト31が直接接地することを防止でき、芯ベルト31の保護が可能である。
本発明に係る無限軌道装置では、補強部材13を、大迎角部分23A、23Bに掛からない大きさとし、底部21から逸脱しない位置に配置することで、このようなフレッチングの発生を抑制できるため、レール20及び補強部材13の耐久性を向上させることが可能である。
また、特許文献1に開示されているクローラ装置のように、履板に規制凸部及び規制凹部を形成する必要がないため、製造コストを低減することも可能である。
dのいずれかに偏って荷重が掛かりにくい。このように、負荷が接地側のメインローラ43a~43dに分散することで、メインローラ43a~43dの耐久性も向上可能である。
このような構造であるため、ガイドローラ45a、45bと、レール20とのクリアランスを狭くすることができ、左右で大きな差が生じにくく、ローラエレメント40のロール方向の傾きを抑制する能力が高い。
そのため、メインローラ43a~43dに掛かる荷重を分散しやすく、メインローラ43a~43dのうち一つが集中的に消耗することを抑制可能である。
対して、本発明に係る無限軌道装置1は、底部21が平らな形状であるため、装置下側に位置している履板70全体で接地することになり、接地負荷を底部21の全域に分散可能であるため、耐荷重を向上させることが容易である。
上記実施形態において、ローラエレメント40に備えられているメインローラ43a~43dは、独立したメインローラ軸42a、42bに支持されていたが、本発明の実施においては、ローラ上部エレメント41の形状に合わせて、メインローラ43a~43dを支持する軸の配置を選択可能である。
場合であっても、ローラエレメント40に固定されている履板70が無ローラエレメント50に固定されている履板70を挟み込むことができるため、耐荷重や不整地での走行性能は低下しない。
Claims (7)
- 水平方向に長い底部、一端が該底部の一端部に接続されており湾曲しながら上方に延びている第一曲げ部、一端が前記底部の他端部に接続されており湾曲しながら上方に延びている第二曲げ部分、及び前記第一曲げ部分の他端と前記第二曲げ部分の他端とを接続する循環部分を備えている環状のレールと、
該レールの全体を、その形状に沿って外周側から覆う環状のトラックベルトと、を備え、
前記トラックベルトが、前記レールに沿って循環する無限軌道装置であって、
前記トラックベルトは、長さ方向の端部同士が接続されている環状の芯ベルトと、履板が固定されている複数のエレメントとして、前記芯ベルトの内周側に前記レールの外周側と接触するメインローラを備えている第一エレメントと、前記メインローラを備えていない第二エレメントとが、交互に取り付けられており、
前記第一エレメントと前記第二エレメントとは、隣接する前記履板同士の間に所定の隙間が形成される間隔で前記芯ベルトの全周に亘って取り付けられており、
前記所定の隙間は、前記履板の厚さよりも狭い幅であることを特徴とする無限軌道装置。 - 水平方向に長い底部、一端が該底部の一端部に接続されており湾曲しながら上方に延びている第一曲げ部、一端が前記底部の他端部に接続されており湾曲しながら上方に延びている第二曲げ部分、及び前記第一曲げ部分の他端と前記第二曲げ部分の他端とを接続する循環部分を備えている環状のレールと、
該レールの全体を、その形状に沿って外周側から覆う環状のトラックベルトと、を備え、
前記トラックベルトが、前記レールに沿って循環する無限軌道装置であって、
前記トラックベルトは、長さ方向の端部同士が接続されている環状の芯ベルトと、履板が固定されている複数のエレメントとして、前記芯ベルトの内周側に前記レールの外周側と接触するメインローラを備えている第一エレメントと、前記メインローラを備えていない第二エレメントとが、交互に取り付けられており、
前記第一エレメントと前記第二エレメントとは、隣接する前記履板同士の間に所定の隙間が形成される間隔で前記芯ベルトの全周に亘って取り付けられており、
前記所定の隙間は、前記履板の厚さよりも狭い幅であり、
前記底部には、前記レールの内周側に、前記底部の長さ以下の長さの補強部材が固定されていることを特徴とする無限軌道装置。 - 水平方向に長い底部、一端が該底部の一端部に接続されており湾曲しながら上方に延びている第一曲げ部、一端が前記底部の他端部に接続されており湾曲しながら上方に延びている第二曲げ部分、及び前記第一曲げ部分の他端と前記第二曲げ部分の他端とを接続する循環部分を備えている環状のレールと、
該レールの全体を、その形状に沿って外周側から覆う環状のトラックベルトと、を備え、
前記トラックベルトが、前記レールに沿って循環する無限軌道装置であって、
前記トラックベルトは、長さ方向の端部同士が接続されている環状の芯ベルトと、履板が固定されている複数のエレメントとして、前記芯ベルトの内周側に前記レールの外周側と接触するメインローラを備えている第一エレメントと、前記メインローラを備えていない第二エレメントとが、交互に取り付けられており、
前記第一エレメントと前記第二エレメントとは、隣接する前記履板同士の間に所定の隙間が形成される間隔で前記芯ベルトの全周に亘って取り付けられており、
前記所定の隙間は、前記履板の厚さよりも狭い幅であり、
前記底部は、平らな形状であることを特徴とする無限軌道装置。 - 前記履板は、循環方向の一端面と接地面との間及び他端面と接地面との間に、面取りが施されていることを特徴とする請求項1に記載の無限軌道装置。
- 前記第一エレメントは、前記メインローラが前記底部に位置しているとき、前記レールの内周側に位置し、且つ前記レールの内周面との間に最大0.5mmの隙間が形成されるガイドローラを備えていることを特徴とする請求項1に記載の無限軌道装置。
- 前記第一エレメントは、水平且つ前記トラックベルトの循環方向に垂直な向きのメインローラ軸を、前記循環方向の中央を挟んだ両側に少なくとも1本ずつ備えており、
前記メインローラは、前記メインローラ軸の軸方向の中央を挟んだ両側に少なくとも一つずつ備えられていることを特徴とする請求項1に記載の無限軌道装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の無限軌道装置を備えていることを特徴とする搬送台車。
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