JP7397465B2 - 牛を平穏に保つ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、牛を平穏に保つ方法に関する。
牛などの家畜を飼養する建物である畜舎では、殺虫、害虫忌避、殺菌、除菌などを目的とする薬剤が散布されている。有効成分としての薬剤は、防除(例えば駆除)対象に応じて適宜選定される。薬剤は、常温において液体のもの、あるいは固体のものなど様々である。薬剤は、他の成分や、水などと混合した散布液として散布される場合が多い。
薬剤としては、これまで多くの化合物が提案されてきており、市販品も数多くある。近年では、例えば特許文献1に、二酸化塩素を有効成分とする殺虫剤が節足動物を死に至らしめるものとして記載されている。特許文献1によると、この殺虫剤は、節足動物が生息する空間における二酸化塩素濃度を0.001ppm~0.1ppmに維持した状態で、二酸化塩素を上記空間内に供給する。
また特許文献2には、亜塩素酸塩固体と乾燥剤を主剤とし、酸性水を活性化剤とする二酸化塩素発生剤が記載されている。特許文献2によると、この二酸化塩素発生剤は、防水透湿性フィルムのガス透過量に応じた二酸化塩素ガスが徐放され、水中または空間中に設置し使用することで水相または気相に二酸化塩素が徐放拡散される。
また、特許文献3には、外表面に微生物が付着した物品を、濃度0.01~0.05ppmの低濃度二酸化塩素ガスに暴露して付着微生物を不活化することにより、動物の退避を回避する方法が開示されている。特許文献3によると、上記濃度は低濃度であり、動物を退避させずに付着微生物を殺菌することができると記載されている。上記微生物としては、大腸菌、黄色ブドウ球菌、インフルエンザウイルス、ネコカリシウイルスが挙げられている。
薬剤は、散布されて接触した接触面積が大きいほど効果が得られやすい傾向があるので、散布液を液滴にして霧状にして散布することが好ましい。霧状に散布する方法としては、手動式の圧縮機で空気を圧縮し、その圧縮空気により散布液を霧状に噴霧する手動加圧式の散布機で行う方法が多く行われている。しかし、この方法は散布の効率が悪い。そこで、散布の効率面を考慮すると、例えばパルスジェット式などで高速気流を生成し、この高速気流により、散布液を細かな液滴にして吐出する手法の方が好ましい。
国際公開第2012/108480号 特開2012-036072号公報 特開2016-117747号公報
しかしながら、多くの薬剤は臭いがきつく、家畜が嫌がる。例えば牛の場合には臭いを嫌い、逃げることがある。そのため、薬剤を散布する場合には、牛を畜舎外へ予め退避させ、散布の終了後、一定の時間が経過した後に畜舎へ戻す場合が多い。こうした家畜の畜舎外への退避を、散布のたびに行うことは、家畜の飼養者ないし散布作業者の作業面や時間面などで大きな負担となる。また、上記のようなパルスジェット式の散布機は、ガソリンなどの燃料の急激な燃焼、すなわち爆発を利用して高速気流を発生させるから、駆動音が非常に大きい。この駆動音の大きさで、例えば牛の場合には、驚くなどして暴れ、場合によっては怪我をすることもある。
そこで、本発明は、牛を平穏な状態に維持しつつ、散布機により牛舎内に薬剤を散布する牛を平穏に保つ方法を提供することを目的とする。
本発明の牛を平穏に保つ方法は、畜舎内に牛がいる状態で、畜舎に、薬剤と水と二酸化塩素とを含む散布液を、散布機により30μm以下の径の液滴にして煙霧状に噴出することにより散布する。薬剤はピレスロイド系殺虫剤である
散布機は、生成した気流により散布液を液滴にして煙霧状に噴出することが好ましい。
散布機はパルスジェット式散布機であることが好ましい。
散布機の散布液の噴出口を下向きにした状態で、かつ、地面を散布液で濡らさないように、散布液を散布機から噴出することが好ましい。水平方向と前記噴出口が向いた向きとのなす角θ(ただし、0°≦θ≦90°)は、10°以上30°以下の範囲内であることが好ましい。噴出口と障害物との距離は少なくとも1mであることが好ましい。ピレスロイド系殺虫剤はペルメトリンであることが好ましい。
本発明によれば、牛などの家畜を平穏な状態に維持しつつ、散布機により畜舎に薬剤を散布することができる。
牛舎における散布液の散布の説明図である。 散布液の散布方法の説明図である。 散布機による散布方法の説明図である。 散布液を散布した別の牛舎の説明図である。 別の牛舎の平面概略図である。
本発明の一実施形態は、図1に示すように、家畜として牛を飼養する畜舎、すなわち牛舎11に、散布機14を用いて散布液13を散布する。畜舎は、牛舎11に限られず、牛とは異なる家畜を飼養する畜舎であってもよい。牛とは異なる家畜は、例えば、馬、豚などである。牛舎11の内部には、柵17によって牛房18が形成されている。各牛房18で飼養する牛の個体数は1または複数とされ、いずれでもよい。牛房18は、給餌用の通路21に沿って形成されることが通常であり、本例でもそのようにしてある。
散布液13は、害虫や菌などを防除する有効成分としての薬剤を含んだ液体である。散布は、散布液13を液滴として吐出する散布機14により実施している。液滴の径が例えば3μmなどというように非常に小さい液滴の場合には、散布機14の噴出口14aから吐出して間もなく気体となる場合もある。
散布機14を用いて牛舎11に散布される散布液13は、有効成分としての薬剤と、水と、二酸化塩素とを含む。薬剤としては、例えば殺虫剤、害虫忌避剤、殺菌剤、除菌剤などがあり、いずれでもよく、目的とする防除対象に応じて選択する。また、これらの個々の作用を複数併せもつ薬剤でもよく、例えば、殺虫剤と害虫忌避剤との両方として作用する薬剤や、殺虫剤と除菌剤との両方として作用する薬剤でもよい。また、散布液13は、複数種類の薬剤を含有してもよい。
殺虫剤としては、例えば、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、IGR(Insect Growth Regulator、昆虫成長制御剤)剤、ネオニコチノイド系殺虫剤などを用いることができる。ハエの防除の観点では、これらの中でもピレスロイド系殺虫剤がより好ましい。本例では、牛舎11のハエを防除する観点で、ピレスロイド系殺虫剤を用いている。
ピレスロイド系殺虫剤としては、例えば、式(1)に示すペルメトリン(Permethrin、CAS登録番号は52645-53-1)などを用いることができる。ハエの防除の観点では、これらの中でもペルメトリンがより好ましく、本例でもこれを薬剤として用いている。ペルメトリンを薬剤として用いることにより、ハエの他、クモ、カメムシ、ゴキブリなども防除できる。ペルメトリンは、市販されており、本例では、大日本除虫菊(株)製の動物用金鳥(登録商標)ETB乳剤を用いている。
Figure 0007397465000001
害虫忌避剤としては、例えば、ハーブから抽出した成分などを用いることができる。例としては、「家畜保護液アロマライフ」(エコファーマ・ドットコム(株)から販売されている)がある。
殺菌剤としては、例えば、グルタルアルデヒド(1,5-ペンタンジアール,グルタールアルデヒド,グルタラールとも呼ばれる)などを用いることができる。
散布液13に含まれる水は、薬剤及び二酸化塩素の濃度の調整などのために用いている。水は、具体的には、散布液13を液滴として散布するために好ましい状態に薬剤を溶解する、散布液13における薬剤の濃度を散布に好ましい濃度に調整する、二酸化塩素のガスを散布に好ましい濃度で発生させるものとして使用している。本例での水は、さらに、二酸化塩素を生成させる作用ももつ。
二酸化塩素ClOは、牛を平穏な状態に保つためのものである。二酸化塩素は、散布機14により散布される散布液13に混合されて使用され、薬剤と混合される散布薬剤用混合剤である。
二酸化塩素は、単体で存在する場合には、常温では気体の化合物である。二酸化塩素は、散布機14の噴出口14aからの噴出された散布液13に含まれていればよく、散布液13に溶解した状態で含まれていてもよいし散布液13に気泡として含まれていてもよい。すなわち、二酸化塩素は、薬剤及び水とともに散布液13として予め混合されていてもよいし、水と混じることにより二酸化塩素を生成している状態で散布機14に案内され、その状態で散布機14から噴出されてもよい。
二酸化塩素を薬剤及び水と混合してある散布液13を、散布機14により液滴として噴出することにより、薬剤の臭いが軽減あるいは解消され、牛が逃げたりすることがなくなる。また、散布機14の大きな駆動音にも、牛舎11の牛は暴れることなく、平穏な状態に保たれ、散布液13を散布することができる。二酸化塩素は、単独でも例えば除菌の有効成分として用いることができる。つまり、二酸化塩素を薬剤として散布液に用いることができる。このような場合でも、散布機14の大きな駆動音にも、牛舎11の牛は暴れることなく、平穏な状態に保たれ、二酸化塩素を薬剤とする散布液を散布することができる。
本例では、水との混合により気体の二酸化塩素を生成する市販の二酸化塩素発生剤を用いている。この二酸化塩素発生剤は、錠剤(タブレット)状とされた、共立製薬(株)製のクイック・クリーン・タブ(登録商標)である。この二酸化塩素発生剤を、水に入れて溶かすことにより二酸化塩素がガス状に生成する。
クイック・クリーン・タブは、商品説明書によると、亜塩素酸ナトリウム・無機塩を成分とする、1錠の質量が7.0gの錠剤であり、表1のように、溶かす水の体積(単位はL(リットル))を変えることによって、生成する二酸化塩素の濃度を変えることができる。
Figure 0007397465000002
散布液13は、薬剤と水と二酸化塩素とのいずれとも異なる他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、拡散剤や、緩衝剤が挙げられる。拡散剤は、散布液13を散布する際に、散布液13の液滴がより遠くまで、及び/または、より拡がりをもって散布対象の空間に拡散するためのものである。本例では、拡散剤として、福栄産業(株)が発売するタマミロン(登録商標)を用いている。このタマミロンは、商品説明カタログによると、高級アルコールを成分としており、液滴が再結合されるのを抑制し、散布機14からの液滴の大きさを平均化、すなわち均一化する作用をもつ。
緩衝剤は、散布液13のpH(水素イオン濃度指数,水素イオン指数)を所定の範囲内にするためのものである。薬剤としてグルタルアルデヒドを用いる場合には緩衝剤を用いることが好ましい場合がある。市販されているグルタルアルデヒドにおいても緩衝剤を用いるタイプのものと、緩衝剤を不要としているものとの両方がある。例えば、住化エンバイロメンタルサイエンス(株)製や日本全薬工業(株)販売のグルタプラスは緩衝剤不要とされている。また、グルタルアルデヒドを成分として含有する市販品のヘルミンは、緩衝剤を用いるものとされている。
本例の散布液13は、前述の二酸化塩素発生剤と拡散剤と殺虫剤とを以下の量とし、これらと水とで全体積が10L(=10×10-3)となる配合となっている。なお、以下のタマミロンの20%水溶液とは、タマミロンの体積をTTとし、水の体積をTWとするときに、{TT/(TT+TW)}×100で求める体積濃度である。
クイック・クリーン・タブ 1錠
タマミロンの20%水溶液 2L(=2×10-3
動物用金鳥ETB乳剤 50cc(=50×10-6
なお、上記の散布液13において、殺虫剤である動物用金鳥ETB乳剤を用いない場合には、殺虫剤の量の分だけ水に置き換えるとよい。
散布液13は、上記の配合に限られず、クイック・クリーン・タブを用いる場合には発生する二酸化塩素の量(または空気中における濃度)及び作業性等の観点から、クイック・クリーン・タブ1錠に対して、水が5L(5×10-3)以上40L(40×10-3)L以下の範囲内であることが好ましい。クイック・クリーン・タブ1錠に対して、水が5L以上であることにより、5L未満である場合よりも、散布液13を均一にかつ広範囲に、効率的に散布する等の作業性がよい。また、クイック・クリーン・タブ1錠に対して、水40L以下とすることにより、40Lを超える場合と比べて、牛の平穏さを維持する作用がより確実に得られやすい。クイック・クリーン・タブを用いる場合には、クイック・クリーン・タブ1錠に対して水が7L以上30L以下の範囲内であることがより好ましく、8L以上20L以下の範囲内であることがさらに好ましい。
散布液13は、薬剤と水と二酸化塩素とが混合していれば、これらの混合方法及び混合順序は、特に限定されない。例えば散布液13は、以下の順序及び方法でつくっている。なお、下記の1の水は、クイック・クリーン・タブが溶けにくかったり、殺虫剤などと均一に混じりにくい場合などは、加熱して例えば20℃以上40℃以下の範囲内の温度に昇温させて用いてもよい。本例でも20℃以上40℃の範囲内の温度の水にクイック・クリーン・タブを溶かしている。
1.クイック・クリーン・タブを1×10-3の水に1錠溶かして水溶液を得る。
2.タマミロンの20%水溶液を容器に2×10-3入れる
3.クイック・クリーン・タブを溶かした上記1の水溶液を、タマミロンを入れた上記2の容器に100cc(=100×10-6)加え、攪拌する。
4.50×10-6の動物用金鳥ETB乳剤を、上記3の容器に加える。
5.水を足し、全体積が10×10-3となるようにした後、よく攪拌することにより散布液13を得る。
散布機14としては、薬剤の効き目(効能)である作用が低下するような変性を抑制した状態で散布液13を吐出するものであればよく、公知の散布機を使うことができ、市販品でもよい。薬剤の効き目を抑制する観点では、薬剤を過度な高温に加熱することなく、散布液13を液滴として噴出する散布機が好ましい。また、散布を効率的に、すなわち短時間で終えることができる観点では、パルスジェット式など、高速気流を生成し、この高速気流により、散布液13を細かな液滴にして、霧状に噴出する散布機が好ましく、本例でもパルスジェット式の散布機14を用いている。
散布液13は、散布機14により3μm以上30μm以下の径の液滴で噴出することが好ましい。液滴の径が小さいほど、より遠く及び/またはより拡がりをもって拡散する。本例では、市販の散布機14を用いており、この製品カタログによると、噴出している液滴の径は3μm以上30μm以下の範囲内となっている。このように非常に小さい径の液滴で噴出することにより、散布液13は、液滴が目視では確認できないほど小さく、そのため、液滴が落下しにくく、むしろ上昇する傾向があり、煙霧状になる。煙霧状に散布されることで、散布液13は、より迅速に牛舎11の内部を拡散し、かつ、薬剤や二酸化塩素による殺虫や除菌などの効果がより現れる。また、散布液13がこのように小さい液滴で煙霧状に散布されることにより、薬剤の臭いの低減効果がより発現されやすく、かつ、牛の平穏さを維持する効果もより高い。したがって、液滴の径は3μm以上30μm以下の範囲内で、できるだけ小さい方、すなわち3μmに近いほど好ましい。なお、この例では、液滴の径を3μm以上としているが、液滴の径が小さいほど上記のように効果はあるから、3μmよりも小さな径の液滴で噴出することができる散布機があれば、その散布機を用いてよい。
殺菌剤として挙げた前述のグルタルアルデヒドを薬剤として用いる場合には、二酸化塩素を用いなくてもよい。つまり、グルタルアルデヒドと水との混合物を、散布液として用いてもよい。グルタルアルデヒドは、水と混ざった状態で散布機14により液滴として噴出して散布すると、二酸化塩素と同様に、牛を平穏な状態に保つ効果がある。
パルスジェット式の散布機14としては、例えば、ドイツ・スタール社製のプルスフォグ(pulsFOG(登録商標))や、(株)土佐農機製のフォグジェット(商品名である)などがある。中でも、プルスフォグは、散布液13をより小さな液滴にして煙霧状に散布できる観点で、最も好ましく、本例でもこれを用いている。なお、プルスフォグを販売する日本総代理店は福栄産業(株)である。また、市販されている噴霧器であるスイングフォッグ(商品名である)も散布機として用いることができる。
散布は、牛舎11の出入口11i以外の開口、例えば窓11wや出入口11i以外の出入口11h(図5参照)などを閉状態にして行うことが好ましい。これにより、散布した散布液13が牛舎11の内部により確実に滞留し、薬剤の効き目がより確実に得られる。
本例では、散布液13を前述のように非常に小さな径の液滴として噴出し、煙霧状に散布しているから、通路21において散布するだけで、牛舎11の内部の隅々、例えば壁面11sにまで確実に薬剤が到達する。また、煙霧状に散布しているから、散布液13は前述のように落下しにくい。そのため、散布液13は、できるだけ、床(地面)11fに近い位置、で散布することが好ましい。これにより、牛舎11の鉛直方向におけるより広い領域に、より確実に薬剤が到達する。
この例の牛舎11には、図2に示すように、4つの牛房18が形成されている。ただし、牛房の数及び各牛房の大きさはこの例に限られない。ここで、図2に示すように、通路21に沿って任意に3か所を選び、通路21に沿って出入口11iに最も近い位置を第1位置P1、最も遠い位置を第2位置P2、第1位置P1と第2位置P2との間の位置を第3位置P3とする。散布は、開状態としている出入口11iよりも最も遠い箇所で開始し、その箇所から出入口11iに移動しながら散布を行うことが好ましい。すなわち散布は、第2位置P2、第3位置P3、第1位置P1の順で散布することが好ましい。これにより、散布した散布液13が牛舎11の内部により確実に滞留し、薬剤の効き目がより確実に得られる。
散布は、散布機14の噴出口14aを、図3に示すように下向きにした状態で行うことが好ましい。これは、散布液13が前述のように落下しにくいからである。これにより、牛舎11の鉛直方向におけるより広い領域に、より確実に薬剤が到達する。なお、下向きとは、真下に向いていることに限られず、下方向の成分をもった傾きに噴出口14aが向いていればよい。より好ましくは、水平方向と噴出口14aが向いた向きとのなす角θ(ただし、0°≦θ≦90°)は、10°以上30°以下の範囲内であることが好ましい。
散布液13を下向きに散布する場合であっても、床11fを散布液13で濡らさないように、散布液13を噴出することが好ましい。これにより、散布液13がロス無く空中に漂う。同様の理由により、牛舎11の内部に設置してある物、例えば、柵17や、飼養に用いる道具を収容する物置(図示無し)などの障害物がある場合には、これらを濡らさないように、散布液13を噴出することが好ましい。このような観点では、噴出口14aと障害物との距離Lは少なくとも1mであることが好ましく、2m以上であることがより好ましい。
この例では、前述の処方及びつくり方でつくった散布液13を、牛舎11(内部の床11fから天井までの高さは3mである)300坪の広さに対して5リットルの量で散布ししている。なお、この散布における牛舎11での二酸化塩素の濃度は、床11fの単位面積あたりの散布液13の散布量と、床11fから天井までの高さと、散布液13におけるクイック・クリーン・タブの量とから、表1のカタログデータに基づき求めることができる。
上記構成によると、除菌の効果もあることが確認されている。具体的には、一般落下細菌数と、空中浮遊真菌数とを、除菌の評価として以下の方法で行い、効果有りの結果を得ている。評価は、外部機関である有限会社ベッセルにより実施している。一般落下細菌数は、直径9cmの一般細菌用平板培地(寒天平板)1枚あたり、30秒暴露した際の一般落下細菌数である。まず、図2における第1位置P1~第3位置P3の3地点のそれぞれで上記の一般細菌用平板培地を暴露した。その後、各平板培地を35℃で48時間培養して、コロニーの数を数えている。なお、散布液13の散布前と散布後(散布から15分経過時)との気温及び相対湿度を表2の「第1牧場」欄に示す。
空中浮遊真菌数は、エアーサンプラーを用いて、SDX-γ寒天培地1枚あたり20L(リットル)の空中浮遊真菌を求めたものである。培養条件は、25℃で120時間としている。これらの一般落下細菌数と空中浮遊真菌数とを求めた結果は表3の「第1牧場」欄に示す。
Figure 0007397465000003
Figure 0007397465000004
図4及び図5に示すさらに別の牛舎41においても、同様に、散布を行い、同様の方法で空中浮遊真菌数を求めた。図4及び図5においては、図1及び図2と同様の部材等については図1及び図2と同じ符号を付してある。サンプリングした位置は、牛舎11の場合と同様に第1位置~第3位置P1~P3である。結果は表3の「第2牧場」欄に示す。なお、散布液13の散布前と散布後(散布から15分経過時)との気温及び相対湿度を表2の「第2牧場」欄に示す。なお、表3において「NC」とは検出されなかった(カウントできるものが認められなかった)ことを意味する。
参考例として二酸化塩素を含まない散布液も散布機14により散布する態様も実施している。この散布液(以下、「二酸化塩素非含有の散布液」と称する)は、殺菌剤である前述のグルタルアルデヒドと拡散剤と殺虫剤とを以下の量とし、これらと水とで全体積が5L(=5×10-3)となる配合となっている。なお、下記のグルタルアルデヒドの25%水溶液としては、ヘルミン25(サンケミファ(株)製)を用いることができる。また、グルタルアルデヒド水溶液としては、例えば、全薬工業(株)販売のグルタプラス(100mL中グルタルアルデヒド50%、40g)などもあり、用いることができる。
グルタルアルデヒドの25%水溶液 100cc(=100×10-6
タマミロン 2L(=2×10-3
動物用金鳥ETB乳剤 50cc(=50×10-6
緩衝剤 100cc(=100×10-6
なお、二酸化塩素非含有の散布液において、殺虫剤である動物用金鳥ETB乳剤を用いない場合には、殺虫剤の量の分だけ水に置き換えるとよい。
二酸化塩素非含有の散布液も同様に、混合する成分の混合方法及び混合順序は特に限定されない。例えば本例では以下の順序及び方法でつくっている。なお、下記の6の水は、気温が低すぎて凍ってしまう場合には、加熱して昇温させることにより液体にすればよく、本例では例えば10℃にしている。
1.タマミロン1×10-3を容器に入れる。
2.グルタルアルデヒドを獣医師に指示された濃度で計量し、上記の容器に入れる。
3.タマミロンとグルタルアルデヒドとを容器中で混ぜ、よく攪拌する。
4.50×10-6の動物用金鳥ETB乳剤を、上記の容器に加える。
5.緩衝剤を獣医師に指示された濃度で計量し、上記容器に入れる。
6.水を足し、全体積が5×10-3となるようにした後、よく攪拌することにより二酸化塩素非含有の散布液とする。
二酸化塩素は用いていないものの、グルタルアルデヒドを用いているこの例でも、殺菌効果と牛の平穏さを保つ一定の効果とは確認できている。ただし、殺菌の他にハエやクモ、カメムシ、ゴキブリなどを、牛の平穏さを保ちながら防除するには、害虫などを防除する薬剤とともに二酸化塩素を含有する液を散布液13とすることがより好ましい。二酸化塩素は、こうした害虫などを防除する薬剤と併用しても、併用する薬剤の効果を低減しないし、また、向上させる場合もある。
11,41 牛舎
11f 床
11h 出入口
11i 出入口
11s 壁面
11w 窓
13 散布液
14 散布機
17 柵
18 牛房
21 通路

Claims (7)

  1. 畜舎内に牛がいる状態で、前記畜舎に、薬剤と水と二酸化塩素とを含む散布液を、散布機により30μm以下の径の液滴にして煙霧状に噴出することにより散布し、
    前記薬剤はピレスロイド系殺虫剤である
    牛を平穏に保つ方法
  2. 前記散布機は、生成した気流により前記散布液を液滴にして煙霧状に噴出する請求項1に記載の牛を平穏に保つ方法
  3. 前記散布機はパルスジェット式散布機である請求項1または2に記載の牛を平穏に保つ方法
  4. 前記散布機の前記散布液の噴出口を下向きにした状態で、かつ、地面を前記散布液で濡らさないように、前記散布液を前記散布機から噴出する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の牛を平穏に保つ方法
  5. 水平方向と前記噴出口が向いた向きとのなす角θ(ただし、0°≦θ≦90°)は、10°以上30°以下の範囲内である請求項4に記載の牛を平穏に保つ方法
  6. 前記噴出口と障害物との距離は少なくとも1mである請求項4または5に記載の牛を平穏に保つ方法
  7. 前記ピレスロイド系殺虫剤はペルメトリンである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の牛を平穏に保つ方法
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