JP7396212B2 - ボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法 - Google Patents

ボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法 Download PDF

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本発明は、ボイラー内部に設けられている伝熱水管の破孔による漏洩を早期に検知する方法に関するものである。
石炭などの燃焼により生ずる熱エネルギーを利用して水から蒸気を発生させる装置であるボイラーは、該燃焼で生じた高温の燃焼排ガスとボイラー水との熱交換を行う伝熱水管が該燃焼排ガスの流路に設けられている。また、燃焼室の炉壁が過熱により焼損するのを防ぐため、内部にボイラー水が流れる伝熱水管を並べて炉壁を構成する水冷壁が採用されることがある。これら伝熱水管は、燃焼排ガスに含まれる腐食性成分による腐食やクリンカ付着等による高温腐食に起因する割れや穴あき等(以降、破孔とも称する)が生じることがある。また、後述するような流動層ボイラーの場合は、飛灰や流動材による摩耗に起因する破孔が生ずることがある。伝熱水管に破孔が生じると、その内部を流れている高圧のボイラー水が漏洩するトラブルが発生する。
このようなボイラー水の漏洩を放置すると、ボイラーの空焚き等のより大きなトラブルにつながるので、できるだけ早期にボイラー水の漏洩を検知することが好ましい。そこで、例えば特許文献1には、ボイラー水の漏洩を検知する方法として、漏洩に起因するボイラー給水系統のアンバランスによって生じうるボイラードラム水位の異常低下が認められたときに、伝熱水管に破孔が生じたと推測する技術が開示されている。
すなわち、一般的には、ボイラーはボイラードラムの水位を正常に維持して空焚きを防止するため、蒸気蒸発量とボイラー水供給量との差(制御偏差)がゼロになるように、ボイラードラムから出る蒸気流量にボイラードラムの水位を一定に制御する調節計出力を加算し、これをボイラー給水の流量調節計の設定値にするいわゆる三要素制御が行われており、この制御システムに警報装置を導入することで、計器を監視している運転員は伝熱水管に破孔が発生したことを推測することができる。具体的には、ボイラードラムへの給水量指示調節装置、ボイラードラムからの蒸発量指示装置、及びボイラードラムの水位指示調節警報装置の計器を監視し、漏洩に起因する給水系統のアンバランスから起こるボイラードラム水位の異常低下によって伝熱水管群の破孔を推測していた。
また、特許文献2には、発電用商用ボイラーにおいて、音響センサーによりボイラー水の漏洩を検知する技術が開示されており、特許文献3にはボイラーへの入力蒸気量と出力蒸気量とを測定し、これら入力蒸気量と出力蒸気量との差分に基づいてボイラー水の漏洩を検知する技術が開示されている。更に、特許文献4には、センサーを利用してボイラー水の漏洩を検知する技術として、ボイラーの燃料/ガス混合物の状態を監視する第1センサーと、ボイラーの水/蒸気混合物の状態を監視する第2センサーとを有する監視システムが開示されている。
特開2004-211923号公報 特開平1-150834号公報 特表平8-500442号公報 特表2010-504501号公報
しかしながら、ボイラー水は、ボイラードラム以外に減温器(デスーパーヒータ)での温調用の給水ラインや、流量計前の分岐配管を経由して例えば排圧タービンへの蒸気供給を目的とした減圧注水ライン等にも供給されるため、これらがボイラー水の供給系制御の外乱になる。また、ボイラー水の供給系の制御は発生蒸気の流量計前の蒸気ベント弁の影響も受ける。そのため、上記特許文献1の三要素制御や上記特許文献3の漏洩検知方法では水管漏れを早期に検出できない場合があった。
また、上記特許文献2の音響センサーによる漏洩検知方法は、装置が複雑で高価すぎるという問題があり、コストをできるだけ抑えることが求められる廃熱回収ボイラーには適用するのが難しかった。上記特許文献4の技術は、監視システムを良好に作動させるには、AI(人工知能)によるディープラーニングが必要であり、事前に多量の履歴データを準備する必要があった。本発明は上記の従来のボイラー水の漏洩検知方法が抱える問題点に鑑みてなされたものであり、ボイラーの伝熱水管の破孔による漏洩をコストをあまりかけることなく正確且つ早期に検知する方法を提案することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係るボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法は、ボイラーに設けられている伝熱水管の漏洩の検知方法であって、該ボイラーの燃焼室から排出される燃焼排ガスのノルマル流量をA(Nm/hr)とし、該燃焼室に導入される燃焼空気のノルマル流量をB(Nm/hr)としたとき、AをBで除して求めた流量比Cが、過去に求めた流量比Cの時間積算値をその積算時間で除して求めた平均流量比と比較して所定の倍率以上になった場合に警報を発報することを特徴とする。
本発明によれば、ボイラーの伝熱水管の漏洩をコストをあまりかけることなく正確且つ早期に検出することができる。
本発明の実施形態に係るボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法を適用したボイラー設備の模式的なフロー図である。 図1のボイラー設備に一般的に採用される三要素制御の制御フロー図である。
以下、本発明の実施形態のボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法について図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、本発明の実施形態のボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法が好適に適用される循環流動層ボイラー設備について説明する。なお、本発明の漏洩検知方法が適用されるボイラー設備は循環流動層ボイラーに限定されるものではなく、ストーカー式や流動床式等のボイラー設備にも好適に適用することができる。
図1に示すように、循環流動層ボイラーは、テーパー形状の底部を有する縦型筒形構造の燃焼室(コンバスタ)1において、その下部に投入された石炭等の固形燃料が、硫黄酸化物を除去する脱硫剤として同様に投入された石灰石粉及び予め装入されている流動媒体と共に、燃焼室1の底部から導入される1次空気及び壁部から導入される2次空気によって流動されながら燃焼が行なわれる。なお、これら1次空気及び2次空気は、それぞれ1次空気供給ファン11及び2次空気供給ファン12から供給される。燃焼室の周囲には、いわゆるメンブレンパネル式の水冷壁が設けられており、この水冷壁を構成する伝熱水管1aの内部をボイラードラム2から供給されるボイラー水が循環している。ボイラー水は、この水冷壁の伝熱水管1a内を流れる間に上記の固形燃料の燃焼により生じた燃焼ガスの輻射伝熱によって温められ、一部が蒸発して蒸気になる。
上記の燃焼ガスは流動媒体及び脱硫剤と共に燃焼室1の頂部から出て隣接するサイクロン3に導入され、ここで気固分離により燃焼ガス以外の固形分が除去される。サイクロン3で分離された固形分は、燃焼ガスの逆流を防止するシール部を介して燃焼室1に戻され、一方、燃焼ガスは後段の熱回収部4に送られる。上記のシール部には、流動空気供給ファン13から供給される空気が導入されており、これにより該シール部内の固形分の流動性が確保される。このシール部に導入された流動用空気は、サイクロン3で分離された固形分と共にダウンカマーを介して燃焼室1に導入されて燃焼空気となる。
熱回収部4には、スーパーヒータ4a、エコノマイザー4b、及び空気予熱器4cが設けられており、それらの各々において対流伝熱により燃焼ガスの熱エネルギーが熱回収される。すなわち、スーパーヒータ4aでは、ボイラードラム2を出た飽和蒸気が過熱されて自家発電用の過熱蒸気が生成され、エコノマイザー4bでは後述する復水器で蒸気から戻されたボイラー水の予熱が行われ、空気予熱器4cでは、2次空気の予熱が行われる。
上記のスーパーヒータ4aを出た過熱蒸気は必要に応じて減温器(図示せず)で温度が調整された後、タービンジェネレータ5に導入され、ここで蒸気タービンの回転に使用された後、復水器6で凝縮されてボイラー水に戻り、ボイラー水タンク7に一旦回収される。その後、脱気装置8及び上記エコノマイザー4bを介してボイラードラム2に供給される。一方、熱回収部4で熱回収された燃焼ガスは、燃焼排ガスとして電気集塵機9に導入され、ここでサイクロン3で分離されなかった微細な固形分が除塵された後、吸引ファン14を介して煙突10に導入されて大気放出される。
上記のボイラードラム2内のボイラー水の液位は、一般的には図2に示すような三要素制御で制御されることが多い。すなわち、ボイラードラム2へのボイラー水の給水量は、その流量を計測して計器で指示すると共にボイラー水流量調整弁15aの開度を調節する給水量指示調節装置15で制御されており、この給水量指示調節装置15の設定値は、ボイラードラム2を出てスーパーヒータ4a及び減温器16を経由した蒸気の流量を計測して計器指示する蒸発量指示装置17からの出力と、ボイラードラム2の水位を計測して計器で指示すると共に該水位を所定のレベルになるように調節するドラム水位指示調節装置18からの出力を加算した値が用いられる。そして、この三要素制御を用いて伝熱水管の漏洩も検知することが一般的に行われている。
しかしながら、飽和水の状態で存在するボイラードラム2内の缶水(ボイラー水)の一部は、ボイラー水質を維持管理するために連続的なブロー(連続ブロー)及びボイラー底部からの間欠的なブロー(缶底ブロー)によりボイラー系外に排出されている。また、ボイラードラム2への給水は、一部抜き出されて減温器用流量調整弁16aを介して蒸気の減温用として減温器16に供給されている。上記のように、ボイラードラム2から発生した蒸気を復水器6で凝縮することで回収されたボイラー水は、ボイラードラム2への給水以外に、様々なユースポイントに供給されるため、漏洩による給水系統のアンバランスを素早く把握するのが難しかった。
そこで、本発明の実施形態に係るボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法は、ボイラーの燃焼室1から排出される燃焼排ガスの排出ノルマル流量をA(Nm/hr)とし、該燃焼室1に供給される燃焼空気の供給ノルマル流量をB(Nm/hr)としたとき、該排出流量Aを供給流量Bで除して求めた流量比Cが、過去に求めた流量比Cの時間積算値をその積算時間で除して求めた平均流量比と比較して大きいか否かを常時モニタしている。
そして、この流量比Cが、平均流量比と比較して所定の倍率以上になった場合に、ボイラーの伝熱水管から破孔によりボイラー水が漏洩したと判断して警報を発報する。この警報には、例えば計器室のディスプレイ画面上に「ボイラー水漏洩」と警告表示したり、計器室でサイレンを鳴らしたりすることが考えられる。これにより、伝熱水管で漏れが発生しているおそれがあることをオペレーターに正確且つ早期に知らせることができる。その結果、ボイラーの空焚きなどのより大きな問題に進展する前に適切に対処することが可能になる。
上記の排出流量Aは、図1に示すID(Indnced Draft)ファンとも称される吸引ファン14によって排出される排風量を0℃、1気圧の標準状態に換算した単位時間当たりのノルマル流量である。一方、上記の供給流量Bは、図1に示す1次空気供給ファン11、2次空気供給ファン12、及び流動空気供給ファン13によって供給される送風量を0℃、1気圧の標準状態に換算した単位時間当たりの合計ノルマル流量である。なお、前述したようにFAブロワ(Fluidizing Air Blower)とも称する流動空気供給ファン13は、サイクロン3の下部のシール部に流動用空気を供給するものであるため、循環流動層タイプ以外のボイラーの場合はこの流動空気供給ファン13の送風量は上記供給流量Bには含まれない。
このように、排出流量A及び供給流量Bに実流量ではなく0℃及び1気圧(1.01325バール)の標準状態に換算したノルマル流量を用いる理由は、ボイラーの燃焼室1では、投入する燃料の発熱量や投入量等の運転条件の変動により温度や圧力が変動するため、漏洩の判断のベースとなる上記流量にはこれら変動する温度及び圧力に依存しない値であることが望ましいからである。
上記の排出流量A及び供給流量Bは、各々対応する送風機の電流値等の運転データをDCSなどの制御手段に入力し、予め該制御手段においてデータベース化しておいた該当する送風機の性能曲線に照合させることで実流量を求め、別途測定して該制御手段に入力した当該送風機で送風されるガスの温度圧力でこの実流量を補正してもよいが、図1に示すように、送風機の吸込側又は吐出側に設けた流量計で測定した実流量を別途測定した温度圧力で補正して制御手段20に出力するのが好ましい。このように流量計を用いる場合は、自動的に且つリアルタイムで温度圧力補正を行う圧力センサー及び温度センサーを内蔵した流量計を用いるのが好ましい。
上記の警報を発報するか否かの閾値となる上記の所定の倍率の値は、伝熱水管が破孔することで放出されるボイラー水がすべて蒸発したと仮定することで好ましい倍率の値を求めることができる。例えば、JIS B8226-2000の破裂板式安全装置に記載されている吹出量を求める下記式1に基づいて破孔により放出されるボイラー水の量を推定することができる。
[式1]
=5.1・A・f・K’・(ΔP・δ)1/2
ここで、Qmは吹出し量[kg/hr]、Aは吹出し面積[mm]、fは液体の動粘性補正係数、K’は吹出係数(通常は0.62)、ΔPは液体の入口側と出口側の差圧(MPa)、δは液体の密度(kg/m)である。通常は上記の所定の倍率は、1.05倍が好ましい。あるいは、流量比Cが平均流量比の1.05倍に達したときにサイレンを鳴らし、1.15倍に達したときにディスプレイの画面に「ボイラー水漏洩」を警告表示するようにしてもよい。
上記したように、ボイラーは運転条件が外乱により変動することが多いので、破孔の問題が生じていないのに警報が頻繁に発報されるのを防ぐため、上記の流量比Cが平均流量比として所定の倍率以上になった時間が一定時間継続したときに警報が発報されるようにしてもよい。この継続する一定時間としては、3~5分間程度が好ましいが、ボイラーの蒸気発生量や外乱の要因等を考慮して適宜調整するのが好ましい。
上記の平均流量比のベースとなる過去の流量比Cは、ボイラーの立ち上げ時や減量運転(ターンダウン運転)などの非定常の運転時の運転データは採用しないのが好ましく、前日から少なくとも1か月前までの期間の流量比Cを平均したものであるのが好ましい。また、この平均流量比の計算に用いる過去の流量比Cのデータは、1時間毎のデータを採用するのが好ましい。なお、ボイラーの燃焼室1における燃焼では、不完全燃焼にならないように一般的には理論空気量よりも過剰に空気が供給されるうえ、ボイラーの燃焼室1ではフリーエア等を吸引している場合もあるので、排出流量Aを供給流量Bで除して求めた流量比Cは、ボイラーのタイプや使用する燃料等によって異なるものの通常は1.0を超えるため、上記のように平均流量比からの変動で破孔の有無を判断することで正確な判断が可能になる。
図1に示すような蒸気発生量300トン/時、蒸気温度540℃、蒸気圧力12.8MPaの循環流動層式の石炭燃焼ボイラー設備に対して、本発明の伝熱水管の漏洩検知方法を365日間に亘って適用した。具体的には、1次空気供給ファン11、2次空気供給ファン12、及び流動空気供給ファン13のそれぞれの吐出側に設置した流量計11a、12a、及び13aで測定して温度圧力補正を行った燃焼空気の供給ノルマル流量の信号と、電気集塵機9と吸引ファン14との間に設置した流量計14aで測定して温度圧力補正を行った燃焼排ガスの排出ノルマル流量の信号とを制御手段20としてのDCS(Distributed Control System)に一定の時間間隔で次々に入力した。
そして、該DCSにおいて、上記にて入力された燃焼空気の供給ノルマル流量の合計値Aを上記燃焼排ガスの排出ノルマル流量の値Bで除算して流量比Cを求め、この流量比Cを過去1年間の該流量比Cの時間積算値を該積算時間で除して求めた平均流量比と比較し、該流量比Cが平均流量比の1.05倍率以上になったときに警報が発報されるようにした。なお、平均流量比の算出に用いた過去1年の運転データでは、工場稼働率が80%以上の日の流量比を抽出して平均値を求めたところ、平均流量比は1.254になった。
上記方法でボイラーの伝熱水管の漏洩検知を実施したところ、検知を開始してから8か月と12日が経過した日の午前10時に警報が発報した。そこで、生産部門において直ちにシャットダウンのための事前準備を行い、その日の13時45分にボイラーをシャットダウンすることができた。その後、ボイラーの内部を点検したところ、伝熱水管燃焼室(炉本体1)の側壁部の過去に漏洩後補修した部分が再度破孔してそこからボイラー水が漏洩していることが確認された。
上記のように事前準備が必要であるため、漏洩を知られる警報が発報されたとしても直ぐにボイラーをシャットダウンすることはできないものの、上記伝熱水管の漏洩検知方法を採用することにより、ボイラーの空焚きなどの大きなトラブルに進展することなくボイラーのシャットダウンのための作業を行った後に正常にシャットダウンすることができた。
なお、この漏洩が発生した日の3:00から13:00までの運転データを下記表1に示す。ここで13:00のデータが213.35kNm/Hrとなっており、1時間前と比べて大幅に流量が減少している理由は、ボイラーのシャットダウンの事前準備のため、ボイラーの蒸気を使用するプロセス装置の操業停止作業を取り始めたためであり、具体的には蒸気使用量及び発電量が少なくなってボイラー負荷が下がったためである。
Figure 0007396212000001
これに対して、上記の漏洩検知方法を採用しない場合は、警報が発報した時点では三要素制御に表示されているボイラードラム1の給水量、ボイラードラム1の水位、及び減温器16の2次側(出口側)で測定した蒸気流量の値には特に異常が生じておらず。オペレーターがボイラー水の漏洩に気付くことはできない。上記の三要素制御の3つのパラメータに異常が表れるのは上記警報の2時間遅れの12時頃であったため、従来の三要素制御のパラメータに基づく漏洩検知方法では13時頃にボイラーのシャットダウンのための事前準備が開始されることになる。なお、実際に漏洩が起こる確率は極めて低いため、オペレーターは、蒸気流量と補給水とのバランスをあまり注視していないことがあり、このこともボイラーのシャットダウンが遅れる要因になりうる。
1 燃焼室(コンバスタ)
1a 伝熱水管
2 ボイラードラム
3 サイクロン
4 熱回収部
4a スーパーヒータ
4b エコノマイザー
4c 空気予熱器
5 タービンジェネレータ
6 復水器
7 ボイラー水タンク
8 脱気装置
9 電気集塵機
10 煙突
11 1次空気供給ファン
11a 流量計
12 2次空気供給ファン
12a 流量計
13 流動空気供給ファン
13a 流量計
14 吸引ファン
14a 流量計
15 給水量指示調節装置
15a ボイラー水流量調整弁
16 減温器(デスーパーヒータ)
16a 減温器用流量調整弁
17 蒸発量指示装置
18 ドラム水位指示調節装置
20 DCS

Claims (4)

  1. ボイラーに設けられている伝熱水管の漏洩の検知方法であって、
    該ボイラーの燃焼室から排出される燃焼排ガスのノルマル流量をA(Nm/hr)とし、該燃焼室に導入される燃焼空気のノルマル流量をB(Nm/hr)としたとき、AをBで除して求めた流量比Cが、過去に求めた流量比Cの時間積算値をその積算時間で除して求めた平均流量比と比較して所定の倍率以上になった場合に警報を発報することを特徴とするボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法。
  2. 前記流量比Cが前記平均流量比と比較して前記所定の倍率以上になった時間が一定時間継続した場合に前記警報を発報することを特徴とする、請求項1に記載のボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法。
  3. 前記平均流量比が、前日から少なくとも1か月前までの期間の流量比を平均したものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法。
  4. 前記倍率が1.05倍のときに警報を発報することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のボイラーの伝熱水管の漏洩検知方法。
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