JP7395882B2 - 遺体処理用不織布シート - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 販売年月日: 平成31年2月14日 販売した場所: 株式会社平安閣流通センター 流通事業部 公開者: 王子キノクロス株式会社 展示物: 遺体処理用不織布シート 展示会名: エンディング産業展 開催場所: 東京ビッグサイト 開催時期: 令和1年8月20日~令和1年8月22日
本発明は、遺体処理用不織布シートに関し、詳細には、機能性粒子を含む機能性物質含有層を有する、遺体処理用不織布シートに関する。
従来、遺体の収容に際し、例えばポリエチレン等からなる防水性シートの上に布団を配置し、この布団の上に遺体を安置することで、遺体から排出される体液等の水分を吸収し、また、防水性シートによって布団から水分が漏洩することを防止している。しかし、遺体から排出される体液等が多量である場合には、布団によっては十分に吸収することができず、水分が棺桶の外に漏洩する場合がある。また、遺体から発せられる死臭は不快感の原因となるため、その臭気を抑えることが必要とされている。
この問題を解決する手段として、例えば特許文献1には、パルプと、吸液性を有する高分子吸液体と、香り発散物とを混合して吸液性シート体を構成し、この吸液性シート体を吸液性カバー体で被覆した、棺内敷物が開示されている。この文献の記載によれば、液状体が一旦パルプおよび高分子吸液体によって吸収されてしまえば、液状体は吸液性シートから外に漏れることはなく、さらに棺外部へ漏洩することもない。また、棺内敷物中には香り発散物が封入されているため、遺体から発散された腐敗臭を、その香り発散物から発散される香りによって抑えることができる。
しかし、特許文献1に記載の棺内敷物において、シート体はカバー体の内部で動くことができる状態にある。このため、シート体が水分を吸収するにつれて、シート体とカバー体とにズレが生じ、カバー体の内部でシート体が偏りを生じることがある。これは、結果的に遺体から排出される体液等の吸収を不十分にし、水分が棺の外に漏洩する原因となる。
さらに、場合により、遺体の一部を吸水性シートで覆うことに対する需要もまた存在する。しかし、特許文献1に記載の棺内敷物は、カバー体によりシート体を封止しているが、シート体を構成する材料は固定されていないため、特許文献1に記載の棺内敷物を裁断すると、切断面から繊維のほつれが生じたり、内容物が脱落したりすることがある。これらの性質は作業を煩雑にするだけでなく、遺体およびその周辺を汚染し、好ましくない外観を与える一因となる。
実開平2-010831号公報
本発明は、吸水性に優れ、例えば防臭性および抗菌性といった機能性をシート全面に均一に付与することができ、切断面において繊維のほつれおよび内容物の脱落が生じず、シートの全面に渡って機能の偏りのない、遺体処理用不織布シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下の態様を有する。
[1] 通気性シートからなる表面層と、親水性繊維、機能性粒子および熱融着性樹脂を含む機能性物質含有層と、を含み、前記表面層は遺体側であって、前記機能性物質含有層の片側に積層される、遺体処理用不織布シート。
[2] 通気性シートまたは樹脂フィルムから選択される裏面層をさらに含み、前記裏面層は、前記機能性物質含有層の、前記表面層とは反対の側に積層される、[1]に記載の遺体処理用不織布シート。
[3] 前記裏面層が樹脂フィルムである、[2]に記載の遺体処理用不織布シート。
[4] 前記機能性物質含有層が、高吸水性繊維(SAF)をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載の遺体処理用不織布シート。
[5] 前記親水性繊維がパルプである、[1]~[4]のいずれかに記載の遺体処理用不織布シート。
[6] 前記熱融着性樹脂が、粒子の形態、繊維の形態、またはその組み合わせから選択される、[1]~[5]のいずれかに記載の遺体処理用不織布シート。
[7] 前記機能性粒子の少なくとも1つが、吸水性樹脂、抗菌剤、消臭剤、防カビ剤、香料、およびpH指示薬からなる群から選択される、[1]~[6]のいずれかに記載の遺体処理用不織布シート。
[8] 前記抗菌剤が、水分と接触した際にアルカリ性を呈する物質、または水分と接触した際に酸性を呈する物質である、[7]に記載の遺体処理用不織布シート。
[9] 前記吸水性樹脂が、高吸水性樹脂(SAP)、ポリビニルアルコール(PVA)、およびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つを含む、[7]または[8]に記載の遺体処理用不織布シート。
[10] 前記消臭剤が、ゼオライト、ベントナイト、シリカゲル、および活性炭からなる群から選択される少なくとも1つを含む、[7]~[9]のいずれかに記載の遺体処理用不織布シート。
[11] 前記機能性物質含有層がエアレイド法により形成される、[1]~[10]のいずれかに記載の遺体処理用不織布シート。
本発明の遺体処理用不織布シートは、乾式法により製造することができ、機能性物質含有層の形成には、例えばエアレイド法を用いることができる。機能性物質含有層の形成にエアレイド法を用いることにより、機能性物質含有層は空隙を多く有する構造となる。この空隙は液体を保持することができるため、本発明の遺体処理用不織布シートは優れた吸水性を示す。また、この空隙に機能性粒子を保持させることができ、これにより、機能性粒子が切断面から脱落することを防ぐことができる。
本発明の遺体処理用不織布シートには、機能性粒子を含有させることにより、例えば防臭性および抗菌性といった、任意の機能を付与することができる。
また、本発明の遺体処理用不織布シートは、熱融着性樹脂によって構成要素同士を結着させることにより、切断面からの繊維のほつれおよび内容物の脱落を防ぐことができる。
さらに、本発明の遺体処理用不織布シートは、各層同士を熱融着性樹脂によって接着させることにより、水分を吸収した後も、内容物の偏りを防ぐことができる。
本発明の遺体処理用不織布シートの使用例を示す図である。 本発明の遺体処理用不織布シートの構成例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。なお、図中において、同一の符号は同一の構成要素を示す。同一の構成要素に関しては、重複する説明を割愛する場合がある。
[遺体処理用不織布シート]
本発明の遺体処理用不織布シート200、201、202(以下、単に不織布シートと記載することがある)は、通気性シートからなる表面層210と、親水性繊維280、機能性粒子270および熱融着性樹脂260を含む機能性物質含有層250と、を含む(図2参照)。本発明の遺体処理用不織布シート200、201、202は、通気性シートまたは樹脂フィルムから選択される裏面層220を含んでもよい。表面層210は機能性物質含有層250の片側に積層され、裏面層220は、機能性物質含有層250の、表面層210とは反対の側に積層される。機能性物質含有層250と、表面層210および/または裏面層220とは、直接接着されてもよく、機能性物質含有層250と、表面層210および/または裏面層220と間に1つまたは複数の他の層を有してもよい。
(表面層)
表面層210は、不織布シート200、201、202の遺体側の層であり、通気性シートからなる。さらに、遺体から排出される液体等を吸収する目的から、通気性シートは通水性および/または吸水性を有することが好ましい。
(通気性シート)
本実施の形態の通気性シートとしては、気体を通す性質(通気性)を有するシートのうちから任意のシートを用いることができる。通気性を有するシートとしては、気体を通しさえすればよく、何ら限定はない。遺体から排出される液体等を吸収するという目的から、通気性シートは、通水性(水を通す性質)または吸水性(水分を吸収する性質)を有することが好ましい。吸水性を有するシートとしては、水分を内部に取り込んで保持することができるとともに、内部の水分を放出することができるシートを使用することができる。すなわち、吸水性シートは、通水性シートの一種であるといえる。
通気性シートは、例えば、不織布、布または他のメッシュ構造を有するシートであることができる。通気性シートとしては、例えば、エアレイド法、スパンボンド法、サーマルボンド法、スパンレース法、メルトブロー法、ニードルパンチ法等により形成される不織布、湿式不織布、ティッシュ、ニット、クロス、タック紙、クラフト紙、ウレタンフォーム等が挙げられる。吸水性に優れる点で、通気性シートは、好ましくはエアレイド法により形成される不織布である。
通気性シートを形成する繊維としては、天然繊維または化学繊維から選択される少なくとも一つの繊維を用いることができる。天然繊維としては、パルプ、麻、綿、絹、羊毛、鉱物繊維等が挙げられる。また、化学繊維としては、再生セルロース繊維、高吸収性樹脂繊維(SAF)並びにポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、低融点ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、低融点ポリアミド樹脂、低融点ポリ乳酸樹脂およびポリブチレンサクシネート樹脂等からなる合成繊維が挙げられる。好ましくは、パルプである。
また、本実施形態の通気性シートを形成する繊維として、以下に説明する熱融着性樹脂を、繊維の形態で使用してもよい。これらの繊維は、例えば解繊ショートカットファイバーの形態で用いることができる。これらの繊維は、2種以上を併用してもよい。
(裏面層)
本発明の遺体処理用不織布シートは、裏面層220を含んでもよい。裏面層220は、不織布シートにおいて、機能性物質含有層250の、表面層210とは反対の側に積層される。裏面層220は、通気性シートまたは樹脂フィルムから選択される。裏面層220が通気性シートである場合、当該通気性シートは表面層210と同一でも異なってもよい。裏面層220はまた、樹脂フィルムでもよい。本発明の不織布シートは、裏面層220を含むことで、内容物の脱落を防ぐ効果を高めることができる。さらに、裏面層220を樹脂フィルムとすることで、本発明の不織布シートは、吸収した水分の漏洩を防ぐ効果も高めることができる。水分の漏洩を防ぐという点から、裏面層220は、非通水性の樹脂フィルムであることが好ましい。通気性シートは、表面層210に用いたものと同様のものを利用することができる。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルムとしては、不織布シートを使用する際に、遺体の形に合わせて任意の形状に湾曲させられるような柔軟性を有し、通水性が低い、任意の樹脂フィルムを用いることができる。樹脂フィルムの通水性が低いほど、水分の漏洩を防ぐ効果が高まる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
本発明の遺体処理用不織布シートの表面層210および裏面層220には、凹凸付与等の表面加工、並びに孔およびスリットの形成等の加工を施してもよい。
(機能性物質含有層)
機能性物質含有層250は、機能性粒子270、親水性繊維280および熱融着性樹脂260を含む不織布の層である。機能性物質含有層250に種々の機能性粒子を含有させることで、不織布シート200、201、202に、用途に応じた任意の機能を付与することができる。機能性物質含有層250は1つまたは複数の機能性粒子を含むことができる。機能性物質含有層250は、2層以上の多層構造を有してもよく、単層構造でもよい。
(熱融着性樹脂)
本発明における熱融着性樹脂260は、構成成分を結着させるバインダ樹脂となる。また、熱融着性樹脂260は、遺体処理用不織布シートにおける強度付与の効果を有し、遺体処理用不織布シートは熱融着性樹脂260を含むことにより形状が維持されやすくなる。
熱融着性樹脂260は、親水性繊維同士、機能性粒子同士、および親水性繊維と機能性粒子とを結着させることができる。さらに、他の成分が含まれる場合は、親水性繊維および機能性粒子と、他の成分とを結着させることができる。熱融着性樹脂260は、溶融され固化する際に、親水性繊維および機能性粒子の全体を被覆しないような量で配合される。
熱融着性樹脂260は繊維状でもよく、粒子状でもよい。強度がより高くなる点から、熱融着性樹脂260は繊維状であることが好ましい。熱融着性樹脂260は、例えば、ショートカットファイバーの形態でもよい。
熱融着性樹脂260としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、低融点ポリエチレンテレフタレート等のポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、低融点ポリアミド、低融点ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。
熱融着性樹脂260は、2種類以上の樹脂の複合体でもよい。例えば、芯部分と鞘部分とからなる芯鞘繊維、長手方向に垂直な断面において片側の半分ともう一方の片側の半分とが異なる樹脂からなるサイドバイサイド繊維、異なる樹脂からなるコアとシェルとを有するコアシェル粒子等が挙げられる。中でも、不織布の剛度を向上させつつ熱融着性樹脂の性能を発揮させたい場合には、芯鞘繊維が好ましい。
芯鞘繊維としては、例えば、ポリプロピレン繊維(融点160℃)からなる芯部分と、該芯部分の外周に形成された、ポリエチレン(融点130℃)からなる鞘部分とを備えたPP/PE複合芯鞘繊維が挙げられる。また、他の芯鞘繊維としては、PP/EVA複合芯鞘繊維、PET/低融点PET複合芯鞘繊維、高密度ポリエチレン/低密度ポリエチレン複合芯鞘繊維、PET/PE複合芯鞘繊維、ポリアミド/低融点ポリアミド複合芯鞘繊維、ポリ乳酸/低融点ポリ乳酸複合芯鞘繊維、ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート複合芯鞘繊維等が挙げられる。芯鞘繊維の中でも、PP/PE複合芯鞘繊維、PET/PE複合芯鞘繊維、PE/PE複合芯鞘繊維等の、ポリエチレンからなる鞘部分を備えた複合芯鞘繊維が好ましい。
熱融着性樹脂260としては、(1)PET熱融着性繊維、(2)PETからなる鞘部分を備えた複合芯鞘繊維、(3)ポリエチレン熱融着性繊維、(4)ポリエチレンからなる鞘部分を備えた複合芯鞘繊維、(5)EVA熱融着性繊維、(6)EVAからなる鞘部分を備えた複合芯鞘繊維からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、ポリエチレン熱融着性繊維、およびポリエチレンからなる鞘部分を備えた芯鞘繊維からなる群から選ばれた少なくとも1種がより好ましい。
熱融着性樹脂260は2種類以上を併用してもよい。機能性物質含有層250が多層構造を有する場合、それぞれの層に含まれる熱融着性樹脂260は、同一でも異なってもよく、1種類でも複数種類の併用でもよい。また、遺体処理用不織布シート200、201、202が他の層を含む場合であって、他の層が熱融着性樹脂を含む場合は、他の層に含まれる熱融着性樹脂は、機能性物質含有層に含まれる熱融着性樹脂と同一でも異なってもよく、1種類でも複数種類の併用でもよい。
(親水性繊維)
機能性物質含有層250を形成する親水性繊維としては、パルプ、麻、綿、絹、羊毛、鉱物繊維等の天然繊維、レーヨンなどの再生セルロース繊維、ポリ乳酸、ナイロン、ポリビニルアルコール(PVA)等の合成繊維を用いることができる。これらの繊維は、例えば解繊ショートカットファイバーの形態で用いることができる。親水性繊維の長さ加重平均繊維長は 1~100mmであることが好ましく、1~60mmであることがより好ましく、2~30mmであることがさらに好ましい。これらの繊維は、2種以上を併用してもよい。親水性繊維は、好ましくはパルプである。
本発明の機能性物質含有層は親水性繊維を含有し、これらの親水性繊維間に形成された空隙には水が保持され易いため、本発明の機能性物質含有層は吸水性に優れる。さらに、機能性物質含有層250には、上記親水性繊維に加えて、高吸水性樹脂(SAP)からなる合成繊維である、高吸水性繊維(SAF)を含有することもできる。前記高吸水性繊維を加えたり、また、後述する機能性粒子として高吸水性樹脂を用いること等により、機能性物質含有層の吸水性をさらに高めることができる。
(機能性粒子)
本発明の遺体処理用不織布シート200、201、202は、その用途に応じて、機能性物質含有層250に1つまたは複数の機能性粒子を含む。
機能性粒子としては、例えば、吸水性樹脂、抗菌剤、消臭剤、防カビ剤、香料およびpH指示薬等が挙げられる。
吸水性樹脂としては、高吸水性樹脂(SAP)、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
抗菌剤としては、金属粒子、水分と接触した際にアルカリ性を呈する物質、および水分と接触した際に酸性を呈する物質の他、抗菌剤として知られている高分子化合物およびその複合体等が挙げられる。
水分と接触した際にアルカリ性を呈する物質としては、金属酸化物または、金属水酸化物、炭酸塩または、重炭酸塩などの無機塩などが挙げられる。金属酸化物または、金属水酸化物としては、例えば、貝殻焼成物が挙げられる。貝殻焼成物としては、例えば、ホタテ貝殻焼成物を好適に使用することができ、ナチュラルジャパン株式会社のオホーツクカルシウム、ユニセラ株式会社のホタテ貝殻焼成パウダー、および株式会社抗菌研究所が製造し菱江化学株式会社が販売するスカロー(登録商標)等を好適に使用することができるが、これらに限定されない。また、他の貝の貝殻(例えば、牡蠣の貝殻等)から得られる貝殻焼成物でもよい。炭酸塩または、重炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、重炭酸カルシウムもしくはその誘導体等を用いることができる。
水分と接触した際に酸性を呈する物質としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、ヒアルロン酸、リン酸二水素ナトリウムもしくはその誘導体、加水分解されて酸を生じる物質等を用いることができる。これらは2種以上を併用してもよい。
消臭剤としては、ゼオライト、ベントナイト、シリカゲル、および活性炭等が挙げられる。これらの消臭剤は、2種以上を併用してもよい。
また、防臭効果を得るために、芳香剤粒子などの香料を用いることもできる。
pH指示薬の例としては、メチルバイオレッド、チモールブルー、コンゴーレッド、メチルイエロー、ブロモチモールブルー(ブロムチモールブルーとも呼ばれる)、メチルレッド、メチルオレンジ、リトマス、ブロモクレゾールパープル(ブロムクレゾールパープルとも呼ばれる)、フェノールレッド、フェノールフタレイン、クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンイエローR、エリオクロムブラックT等の合成色素が挙げられる。また、赤キャベツ色素、シソ色素、ムラサキイモ色素、アカダイコン色素、ムラサキトウモロコシ色素、エルダーベリー色素、ブドウ/ブルーベリー色素等の天然色素を使用することができる。
本発明の遺体処理用不織布シートは、好ましくは、抗菌剤または消臭剤を含む。
機能性粒子の平均粒径は、限定的ではないが、1~1000μmが好ましく、2~800μmがより好ましく、10~500μmがさらに好ましく、15~400μmが最も好ましい。前記平均粒径が小さすぎるとシート(不織布)からの脱落、および製造工程におおける飛散による作業効率の低下、などの懸念がある。また、前記平均粒径が大きすぎると、均一に不織布全体に配合することが難しくなる場合がある。
本発明において、機能性物質含有層250は乾式法により形成され、詳細には、エアレイド法により形成されることが好ましい。乾式法を用いることにより、機能性粒子として、例えば、水溶性の材料、および、水と接触した際に酸性またはアルカリ性を呈する様な機能性粒子を、機能を損なうことなく機能性物質含有層に含有せしめることができる。さらに、エアレイド法を用いることにより、機能性物質含有層250は、熱融着性樹脂(熱融着性繊維)260および親水性繊維280によって形成される空隙を多く有する構造となる。この空隙は液体を保持することができるため、本発明の不織布シート200、201、202は優れた吸水性を示す。また、この空隙に機能性粒子を保持させることで、不織布シート200、201、202の切断面から脱落することを防ぐことができる。
上記のように形成される機能性物質含有層中には、機能性粒子を、面方向に均一に分布させることができる。また、機能性粒子は、繊維間に形成される空隙に保持されるため、脱落したり、移動して片寄りを生じることがなく、安定した性能の不織布シートが得られる。
(他の層)
本発明の不織布シート200、201、202は、表面層210、機能性物質含有層250、および裏面層220に加えて、例えば強度(剛性)付与等の機能性付与の目的で、他の層を含むことができる。他の層は、表面層210と機能性物質含有層250との間、および機能性物質含有層250と裏面層220との間等、任意の位置に組み込むことができる。
他の層としては、例えば、不織布、布、紙等の通気性を有する任意のシートおよび/または任意の樹脂フィルムを用いることができる。これらの通気性シートおよび樹脂フィルムは、上述の表面層210および/または裏面層220、と同一でもよく、異なってもよい。
他の層は、熱融着性樹脂を含んでもよい。他の層が熱融着性樹脂を含む場合は、他の層に含まれる熱融着性樹脂は、上述の熱融着性樹脂と同一でも異なってもよく、1種類でも複数種類の併用でもよい。
他の層として、本発明の不織布シート200、201、202は、例えば接着層を含むことができる。接着層の形成方法は特に限定されないが、例えば、ホットメルト加工によって得られた接着層であることができる。ホットメルト加工は、熱可塑性樹脂を溶かして押し出し、シートとシートを接着する加工方法である。接着層は、2つの層を接合する際の層間接着に用いることができる。ホットメルト加工に用いることのできる熱可塑性樹脂としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などがあり、一般にホットメルト接着剤として知られている樹脂を用いることができる。
(不織布シートの構成)
図1および2を参照して、本発明の遺体処理用不織布シート200、201、202の実施形態をさらに説明する。図1は、本発明の遺体処理用不織布シート200、201、202の使用例を示す図である。図2は、本発明の遺体処理用不織布シート200、201、202の構成を、限定目的ではなく例示目的で示す図である。図中において、同一の符号は同一の構成要素を示す。同一の構成要素に関しては、重複する説明を割愛する場合がある。
図1は、遺体を収容した棺100における、本発明の遺体処理用不織布シート120の使用例を示す。図1において、遺体130は、遺体処理用不織布シート120で包まれ、棺桶110に安置される。本発明の遺体処理用不織布シート120が、遺体130から排出される体液等を吸収するため、棺桶110から水分が漏洩することを防ぐことができる。
図2(a)~(c)は、本発明の遺体処理用不織布シート200、201、202の構成の例を示す。図(a)~(c)において、表面層210は通気性シートからなり、機能性物質含有層250は、熱融着性樹脂260と、抗菌剤270と、親水性繊維280と、を含み、裏面層220は樹脂フィルムからなる。図2(a)および(b)は、機能性物質含有層250が抗菌剤含有層230および親水性繊維含有層240からなる2層構造を有する、遺体処理用不織布シート200、201を示す。図2(c)は、機能性物質含有層250において、抗菌剤270および親水性繊維280が均一に分布する単層構造を有する、遺体処理用不織布シート202を示す。
本発明の遺体処理用不織布シート200、201、202の機能性物質含有層250は、図2(a)~(c)に示すように、単層構造を有してもよく、2層、または3層以上(図示せず)の多層構造を有してもよい。本発明の遺体処理用不織布シート200、201、202は、例えば、強度(剛性)を付与する目的など、遺体処理用不織布シート200、201、202に何らかの機能性を付与する目的で、さらに他の層(図示せず)を含んでもよい。他の層は、表面層210と機能性物質含有層250との間、または機能性物質含有層250と裏面層220との間等、任意の位置に組み込むことができる。
(第1の態様)
図2(a)は、通気性シートからなる表面層210と、抗菌剤含有層230および親水性繊維含有層240からなる機能性物質含有層250と、樹脂フィルムからなる裏面層220とを備え、機能性物質含有層250が2層構造を有する、遺体処理用不織布シート200を示す。図2(a)において、抗菌剤含有層230および親水性繊維含有層240は、それぞれ、熱融着性樹脂260と、抗菌剤270または親水性繊維280と、を含む。抗菌剤含有層230は、エアレイド法を用いて形成することにより、熱融着性樹脂260によって形成される空隙を多く有する構造となる。抗菌剤270をこの空隙に保持させることにより、切断面からの脱落を防ぐことができる。一方、親水性繊維含有層240は、エアレイド法を用いて形成することにより、熱融着性樹脂260と、親水性繊維280とから構成される空隙を形成する。さらに、抗菌剤含有層230および親水性繊維含有層240に形成される空隙は、液体を保持することができるため、本態様の遺体処理用不織布シート200は優れた吸水性を示す。
(第2の態様)
図2(b)は、通気性シートからなる表面層210と、抗菌剤含有層230および親水性繊維含有層240からなる機能性物質含有層250と、樹脂フィルムからなる裏面層220とを備え、機能性物質含有層250が2層構造を有するが、抗菌剤含有層230および親水性繊維含有層240が、図2(a)に示す遺体処理用不織布シート200とは異なる順で積層される、遺体処理用不織布シート201を示す。図2(b)に記載する遺体処理用不織布シート201は、抗菌剤含有層230および親水性繊維含有層240の積層順が異なることを除き、図2(a)に示す遺体処理用不織布シート200と同様の構成を有する。
(第3の態様)
図2(c)は、通気性シートからなる表面層210と、抗菌剤および親水性繊維を含有する機能性物質含有層250と、樹脂フィルムからなる裏面層220とを備え、機能性物質含有層250が均一の単層構造を有する、遺体処理用不織布シート202を示す。図2(c)において、抗菌剤270および親水性繊維280は、機能性物質含有層250に均一に分布している。機能性物質含有層250において、エアレイド法を用いて形成することで、抗菌剤270は、親水性繊維280および熱融着性樹脂260により形成される空隙に保持されるため、切断面からの脱落を防ぐことができる。また、この空隙は、液体を保持することができるため、本態様の遺体処理用不織布シート202は優れた吸水性を示す。
[遺体処理用不織布シートの製造方法]
(乾式法による機能性物質含有層の形成)
本発明において、機能性物質含有層250は乾式法で設けられた層である。本発明で用いることのできる乾式法には、水を使用しない任意の層形成方法が含まれる。
(遺体処理用不織布シートの製造方法)
例えば、エアレイド法を採用するウェブ形成装置で機能性物質含有層250を作製し、他の層が含まれる場合は、機能性物質含有層250に対して他の層を別途積層させる製造方法を用いることができる。そのような方法として、機能性物質含有層250の表面に、例えばポリエチレン(PE)のような熱融着性樹脂を配置し、熱融着性樹脂を熱により溶融させて接合する方法がある。あるいはまた、エアレイド法を採用するウェブ形成装置で機能性物質含有層250を作製する際に、機能性物質含有層250を搬送するためのキャリアシートに本発明の他の層を用いることによって、他の層と機能性物質含有層250との積層体を形成して、本発明に係る層構成を有する遺体処理用不織布シート200、201、202を得てもよい。また、別途作製した不織布シートの各層を、エンボス加工およびヒートシール加工等により接合させてもよい。また、不織布シートの各層の接合面の少なくとも一方に熱可塑性樹脂のようなホットメルト接着剤等により接着層(粘着層)を設けて、ホットメルト加工により各層を接合させる方法等もある。製造時における、機能性物質と水との接触を防ぐために、本発明において、これらの積層は乾式法にて行う。
(エアレイド法を採用する遺体処理用不織布シートの製造方法)
エアレイド法を採用する本実施形態の遺体処理用不織布シート200、201、202の製造方法は、解繊工程と混合工程とウェブ形成工程と結着工程とを任意選択的に有する。
(解繊工程)
解繊工程は、ショートカットファイバーの形態の材料を、空気流によって解繊して解繊ショートカットファイバーを得る工程である。
ショートカットファイバーの空気流による解繊方法では、ブロアー等によって空気流を形成し、その空気流にショートカットファイバーを供給し、空気流の攪拌効果によって解繊する。
解繊方法としては、旋回する空気流で解繊することが好ましい。旋回する空気流を利用した解繊方法によれば、ショートカットファイバーを充分に解繊することができ、エアレイド法によってエアレイドウェブを形成する際に、解繊ショートカットファイバーの分散性をより高めることができる。
旋回する空気流を利用した解繊方法としては、例えば、ブロアーの中にショートカットファイバーを投入してブロアーにて解繊する方法が挙げられる。また、ブロアーによって円筒容器内に、周方向に沿うように空気を送って旋回流を形成し、その旋回流の中にショートカットファイバーを供給し、攪拌して解繊する方法が挙げられる。
空気流の流速は、ショートカットファイバーの量に応じて適宜選択されるが、通常は、10~150m/秒の範囲内である。
(混合工程)
混合工程は、粉末または粒子の形態の材料と、解繊ショートカットファイバーの形態の材料(含まれる場合)とを混合してウェブ原料を得る工程である。このとき同時に、任意の他の材料を混合することができる。任意の他の材料の形状は、繊維状でも粒子状でもよい。任意の他の材料の例としては、必要に応じて添加される助剤等が挙げられる。これらの材料の添加順に特に限定は無く、また、これらの材料は、混合工程よりも後の工程で、例えば散布等によって添加することもできる。
混合に際しては、解繊ショートカットファイバーの分散性を向上させるために、解繊ショートカットファイバーと他の材料とを攪拌することが好ましい。ただし、解繊ショートカットファイバーの破断を防ぐために、機械的剪断力を利用した攪拌ではなく、空気流を用いた攪拌を適用することが好ましい。
混合工程は、解繊工程の後でもよく、解繊工程と同時でもよい。混合工程を解繊工程と同時とする場合には、解繊工程での空気流を利用して、解繊ショートカットファイバーと任意の材料を混合する。また、後述する粒子散布工程で、解繊ショートカットファイバーのウェブ形成ラインに機能性物質および/または任意の粒子を投入し、混合してもよい。
(ウェブ形成工程)
ウェブ形成工程は、エアレイド法によってウェブ原料からエアレイドウェブを得る工程である。ここで、エアレイド法とは、空気流を利用して繊維を3次元的にランダムに堆積させてウェブを形成する方法である。
(粒子散布工程)
粒子散布工程は、既知の方法よってウェブ原料に粉末(粒子)の形態の材料を配合する工程である。繊維の形態の材料に粉末(粒子)の形態の材料を混合してウェブを形成する方式、もしくはウェブの表面もしくはキャリアシート上に散布する方式のいずれを用いてもよい。
本実施形態におけるウェブ形成工程では、例えば、第1のキャリアシートとして、通気性シートからなる表面層210が形成され、その上に上記混合工程で混合された、機能性粒子270、親水性繊維280および熱融着性樹脂260を含むウェブ原料が散布される。詳細には、表面層210からなる第1のキャリアシートを吸引しながら、空気流と共にウェブ原料を下降させ、キャリアシート上に繊維混合物を落下、堆積させる。これにより、エアレイドウェブを形成する。
次いで、エアレイドウェブの上に、第2のキャリアシートとして、樹脂フィルムからなる裏面層220を積層して、エアレイドウェブ含有不織布シートを得る。
(結着工程)
結着方式は、水を使わずに結着させる観点から、サーマルボンド方式を使用することが好ましい。サーマルボンド方式による結着工程は、エアレイドウェブを加熱処理して、解繊ショートカットファイバー同士を熱融着性樹脂260によって結着させる工程である。
エアレイドウェブの加熱処理としては、熱風処理、赤外線照射処理が挙げられ、装置が低コストである点では、熱風処理が好ましい。
熱風処理としては、エアレイドウェブを、周面に通気性を有する回転ドラムを備えたスルーエアードライヤに接触させて熱処理する方法(熱風循環ロータリードラム方式)、およびエアレイドウェブを、ボックスタイプドライヤに通し、エアレイドウェブに熱風を通過させることで熱処理する方法(熱風循環コンベアオーブン方式)等が挙げられる。
結着工程は第2のキャリアシートを供給する前後に分けて行ってもよく、第2のキャリアシートを供給した後にのみ行ってもよい。結着工程は、1回のみ行ってもよく、複数回行ってもよい。
例えば、第2のキャリアシートが通気性シートである場合、エアレイドウェブ上に第2のキャリアシートを供給した後に、結着工程を1回のみ行うことで、本発明の遺体処理用不織布シートが得られる。
一方、第2のキャリアシートが樹脂フィルムである場合、例えば、結着工程は、第2のキャリアシートを供給する前後に、合計2度行ってもよい。この場合、まず、1度目の結着工程により、第1のキャリアシートとエアレイドウェブを結着させる。次に、エアレイドウェブ上にさらに熱融着性樹脂を堆積させ、その上に第2のキャリアシート供給手段から第2のキャリアシートを供給し、2度目の結着工程を行うことで、本発明の遺体処理用不織布シートが得られる。
結着工程の後には、遺体処理用不織布シートの厚みおよび密度を微調整する目的で、加熱ロールに通して圧縮処理してもよい。
(坪量)
遺体処理用不織布シート200、201、202の坪量は、用途に応じて適宜設定することができる。例えば、10~4000g/m2であることが好ましく、30~3000g/m2がより好ましく、50~300g/m2がさらに好ましい。前記坪量が小さすぎると均一なシートを作製することが困難になる場合があり、前記坪量が大きすぎると使用時のハンドリングが悪くなる場合がある。
(加工)
本発明の遺体処理用不織布シートは、ヒートシール加工およびエンボス加工等、更なる加工を施すこともできる。
(ヒートシール加工)
ヒートシールは、ヒートシーラーなどの加熱手段により、熱を加えて層間接着させる方法である。本発明においては、例えば、不織布シート200、201、202を2つ折りにし、二辺をヒートシールすることにより、遺体処理用不織布シート200、201、202を袋状に成形することができる。
(エンボス加工)
エンボス加工は、凸凹模様を彫った押し型で強圧し、熱を加える加工である。この加工は、吸水性を高める等の目的で、本発明の遺体処理用不織布シート200、201、202に凹凸などの表面加工を施すために用いることができる。
(作用効果)
上記製造方法では、機能性物質含有層250の形成にエアレイド法が用いられることにより、熱融着性樹脂(熱融着性繊維)260および親水性繊維280によって空隙が形成される。この空隙は液体を保持することができるため、形成された不織布シート200、201、202は優れた吸水性を示す。また、機能性粒子はこの空隙に保持されるため、切断面から脱落することを防ぐことができる。さらに、機能性物質含有層250において、熱融着性樹脂260および親水性繊維280が互いに結着していることにより、切断面から繊維がほつれることを防ぐことができる。
さらに、本発明の不織布シートの各層は、熱融着性樹脂によって互いに結着していることにより、水分を吸収しても、シートに偏りが生じることを防ぐことができる。
[遺体処理用不織布シートの用途]
以下に、本発明の遺体処理用不織布シートの用途を例示する。
本発明の遺体処理用不織布シートは、特に、遺体を安置する際に、遺体を包む用途に好適に使用することができる。本発明の遺体処理用不織布シートを用いることにより、遺体から排出される液体等が本発明の不織布シートに吸収され、棺の外に水分が漏洩することを防ぐことができる。さらに、遺体処理用不織布シートに防臭性および/または抗菌性を付与することにより、遺体から発せられる臭気を抑えることができ、および/または感染の予防に役立つ。また、本発明の遺体処理用不織布シートは、棺桶の内張りとして使用することもできる。
本発明の遺体処理用不織布シートは、遺体用布団の中層として使用することもできる。遺体用布団の中層として使用することで、遺体を布団に安置している間、遺体から排出される水分が布団から漏洩することを防ぐことができる。
本発明の遺体処理用不織布シートは、遺体用衣類の中層および裏地として使用することができる。遺体用衣類の中層および裏地として使用することで、遺体から排出される水分の漏洩を防ぐこと、および遺体から発せられる臭気を吸収することができる。
本発明の遺体処理用不織布シートは、任意の大きさに裁断し、遺体の口および鼻等に用いる詰め物として使用することができる。本発明の不織布シートを詰め物とすることで、遺体からの液体等の排出を抑えることができる。さらに、本発明の不織布シートは、切断面からの内容物の脱落を防ぐことができるため、遺体およびその周辺を汚染する心配がなく、作業をスムーズに行うことができる。また、任意の大きさに裁断した本発明の不織布シートを、遺体の一部のみを覆うことに使用することもできる。
本発明の遺体処理用不織布シートは、折り畳み、または2枚重ねにし、縁をヒートシール等の加工法で接着することにより、遺体を包むための遺体収容袋として使用することができる。本発明の不織布シートは任意の大きさに裁断できるため、ペット等の大きさに合わせた、任意の大きさの遺体収容袋を作成することもできる。
袋状に加工した本発明の遺体処理用不織布シートは、遺体の保存に使用するドライアイスの収納袋として使用することもできる。本発明の不織布シートは吸水性に優れるため、特に夏場等に発生する結露を吸収し、棺から水分が漏洩することを防ぐことができる。さらに、エアレイド法で形成された不織布は、空隙が多く、嵩があるため、ドライアイスの収納袋に用いることで、遺体がドライアイスに接触し、遺体が灼けることを防ぐことができる。
なお、本発明の遺体処理用不織布シートは、上記の用途に限定することなく使用することができる。
100 遺体を収容した棺
110 棺桶
120 遺体処理用不織布シート
130 遺体
200、201、202 遺体処理用不織布シート
210 通気性シートからなる表面層
220 樹脂フィルムからなる裏面層
230 抗菌剤含有層
240 親水性繊維含有層
250 機能性物質含有層
260 熱融着性樹脂
270 抗菌剤
280 親水性繊維

Claims (11)

  1. 通気性シートからなる表面層と、
    親水性繊維、機能性粒子および熱融着性樹脂を含む機能性物質含有層と、
    を含み、前記表面層は遺体側であって、前記機能性物質含有層の片側に積層され、
    前記機能性粒子の粒径が、15~400μmであり、
    前記通気性シートが、エアレイド不織布である、
    遺体処理用不織布シート。
  2. 通気性シートまたは樹脂フィルムから選択される裏面層をさらに含み、前記裏面層は、前記機能性物質含有層の、前記表面層とは反対の側に積層される、請求項1に記載の遺体処理用不織布シート。
  3. 前記裏面層が樹脂フィルムである、請求項2に記載の遺体処理用不織布シート。
  4. 前記機能性物質含有層が、高吸水性繊維(SAF)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の遺体処理用不織布シート。
  5. 前記親水性繊維がパルプである、請求項1~4のいずれか一項に記載の遺体処理用不織布シート。
  6. 前記熱融着性樹脂が、粒子の形態、繊維の形態、またはその組み合わせから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の遺体処理用不織布シート。
  7. 前記機能性粒子の少なくとも1つが、吸水性樹脂、抗菌剤、消臭剤、防カビ剤、香料、およびpH指示薬からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の遺体処理用不織布シート。
  8. 前記抗菌剤が、水分と接触した際にアルカリ性を呈する物質、または水分と接触した際に酸性を呈する物質である、請求項7に記載の遺体処理用不織布シート。
  9. 前記吸水性樹脂が、高吸水性樹脂(SAP)、ポリビニルアルコール(PVA)、およびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項7または8に記載の遺体処理用不織布シート。
  10. 前記消臭剤が、ゼオライト、ベントナイト、シリカゲル、および活性炭からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の遺体処理用不織布シート。
  11. 前記機能性物質含有層がエアレイド法により形成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の遺体処理用不織布シート。
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