JP7395711B2 - 金属層及び電磁波シールドフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、金属層及び電磁波シールドフィルムに関する。
従来から、例えばフレキシブルプリント配線板(FPC)などのプリント配線板に電磁波シールドフィルムを貼り付けて、外部からの電磁波をシールドすることが行われている。
電磁波シールドフィルムは、通常、導電性接着剤層と、金属薄膜等からなるシールド層と、絶縁層とが順に積層された構成を有する。この電磁波シールドフィルムをプリント配線板に重ね合わせた状態で加熱プレスすることにより、電磁波シールドフィルムは接着剤層によってプリント配線板に接着されて、シールドプリント配線板が作製される。この接着後、はんだリフローによってプリント配線板に部品が実装される。また、プリント配線板は、ベースフィルム上のプリントパターンが絶縁フィルムで被覆された構成となっている。
シールドプリント配線板を製造する際に、加熱プレスやはんだリフローによりシールドプリント配線板を加熱すると、電磁波シールドフィルムの導電性接着剤層やプリント配線板の絶縁フィルム等からガスが発生する。また、プリント配線板のベースフィルムがポリイミドなど吸湿性の高い樹脂で形成されている場合には、加熱によりベースフィルムから水蒸気が発生する場合がある。導電性接着剤層や絶縁フィルムやベースフィルムから生じたこれらの揮発成分は、シールド層を通過することができないため、シールド層と導電性接着剤層との間に溜まってしまう。そのため、はんだリフロー工程で急激な加熱を行うと、シールド層と導電性接着剤層との間に溜まった揮発成分によって、シールド層と導電性接着剤層との層間密着が破壊され、シールド特性が低下してしまう場合がある。
このような問題を解決するために、特許文献1には、導電性接着剤層と、前記導電性接着剤層の上に積層されたシールド層と、前記シールド層の上に積層された絶縁層とからなる電磁波シールドフィルムであって、前記シールド層には、複数の開口部が形成されており、前記開口部の開口面積は、70~71000μmであり、かつ、前記開口部の開口率は、0.05~3.6%であることを特徴とする電磁波シールドフィルムが開示されている。
また、特許文献2には、保護層と金属層と導電性接着剤層とから構成され、引張破断強度が10~80N/20mmであって、前記金属層は複数の開口部を有し、前記開口部の所定の計算式から求められる円径度係数の平均値が0.5以上であって、かつ金属層の開口率が0.1~20%であることを特徴とする電磁波シールドシート(電磁波シールドフィルム)が開示されている。
特許文献1及び2に記載の電磁波シールドフィルムのように、シールド層に所定の形状の開口部を設けると、揮発成分が発生したとしても、揮発成分は、開口部を通じてシールド層を通過することができる。そのため、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まることを防止することができ、層間密着が破壊されることによるシールド特性の低下を防止することができる。
国際公開第2018/147298号 特許第6544466号
しかし、揮発成分による層間密着の破壊を防止する効果には改良の余地があった。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、揮発成分により電磁波シールドフィルムの層間密着が破壊されにくくすることができる電磁波シールドフィルム用の金属層を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、電磁波シールドフィルムの金属層に形成される開口部の形状を制御することにより、電磁波シールドフィルムの層間密着が破壊されにくくなることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の電磁波シールドフィルム用の金属層は、第1主面と、上記第1主面と反対側の第2主面とを有する金属層であって、上記金属層には上記第1主面から上記第2主面を貫通する複数の開口部が形成されており、上記第1主面における前記開口部の開口面積は、70~71000μmであり、かつ、上記第1主面における上記開口部の開口率は、0.1~20%であり、上記第1主面の開口部の開口面積よりも、上記第2主面の開口部の開口面積が大きいことを特徴とする。
本発明の電磁波シールドフィルム用の金属層は、第1主面に絶縁層が配置され、第2主面に導電性接着剤層が配置されて電磁波シールドフィルムとなる。このような電磁波シールドフィルムは、プリント配線板に貼付されることになる。
プリント配線板は電子部品を実装するために、加熱(リフロー)されることになるが、この際、主に揮発成分はプリント配線板から発生することになる。
本発明の金属層では、第1主面の開口部の開口面積よりも、第2主面の開口部の開口面積が大きいという特徴を有するので、揮発成分は、第2主面から第1主面側に抜けやすくなると考えられる。
そのため、本発明の金属層を用いた電磁波シールドフィルムでは、層間密着が破壊されにくい。
本発明の金属層では、上記開口部はテーパー状であることが好ましい。
開口部がテーパー状であると、揮発成分がより抜けやすくなる。
本発明の金属層では、第1主面における上記開口部の最長径Aと、上記第2主面における開口部の最長径Bとの比が、最長径A/最長径B=0.65~0.95であることが好ましい。
上記最長径Aと最長径Bとの比が0.65未満であると、金属層を用いて電磁波シールドフィルムを作製し、当該電磁波シールドフィルムを用いてシールドプリント配線板を製造する際に、電磁波シールドフィルムの表面に凹凸が形成されやすくなる。このような凹凸は、外観不良になり、また、シールド特性も低下する原因となる。
上記最長径Aと最長径Bとの比が0.95を超えると、第1主面の開口部の大きさと、第2主面の開口部の大きさとの差が小さくなり、揮発成分が抜けやすくなる効果が得られにくくなる。
本発明の金属層では、上記電磁波シールドフィルム用の金属層を平面視した際に、上記開口部の形状は円形又は楕円形であることが好ましい。
円形又は楕円形の開口部は、角部が無いので、角部が起点となり金属層が破れてしまうことがない。
本発明の金属層の厚さは、0.5~10.0μmであることが好ましい。
0.5μm未満であると、金属層が破れやすくなる。また、シールド性が不足する。
10.0μmを超えると、金属層の柔軟性が低下する。
本発明の金属層は、銅、銀、ニッケル、アルミニウム及びチタンからなる群から選択される少なくとも1種の金属からなることが好ましい。
これらの金属からなる金属層を電磁波シールドフィルムに用いると、シールド特性が向上する。
本発明の電磁波シールドフィルムは、絶縁層、金属層及び導電性接着剤層が順に積層された電磁波シールドフィルムであって、上記金属層は、上記本発明の金属層であり、上記金属層の第1主面が上記絶縁層と接触しており、上記金属層の第2主面が前記導電性接着剤層と接触していることを特徴とする。
本発明の電磁波シールドフィルムは、上記本発明の金属層が用いられている。そのため、揮発成分により層間密着が破壊されにくい電磁波シールドフィルムであるといえる。
本発明の金属層では、第1主面の開口部の開口面積よりも、第2主面の開口部の開口面積が大きい。
本発明の金属層は、第1主面に絶縁層が配置され、第2主面に導電性接着剤層が配置されて電磁波シールドフィルムとなる。このような電磁波シールドフィルムにおいて、揮発成分は主に導電性接着剤層から発生することになる。
本発明の金属層では、第1主面の開口部の開口面積よりも、第2主面の開口部の開口面積が大きいという特徴を有するので、揮発成分は、第2主面から第1主面側に抜けやすくなると考えられる。
そのため、本発明の金属層を用いた電磁波シールドフィルムでは、層間密着が破壊されにくい。
図1Aは、本発明の第1実施形態に係る電磁波シールドフィルム用の金属層の一例を模式的に示す斜視図である。 図1Bは、図1AのA-A線断面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る電磁波シールドフィルム用の金属層が用いられた電磁波シールドフィルムの一例を模式的に示す断面図である。 図3Aは、金属層の開口部がテーパー状である場合において、開口部を、第1主面に垂直な方向に切断した断面の一例を模式的に示す断面図である。 図3Bは、金属層の開口部がテーパー状である場合において、開口部を、第1主面に垂直な方向に切断した断面の一例を模式的に示す断面図である。 図4Aは、最長径Aと最長径Bとの比が0.65未満である場合に、電磁波シールドフィルムの表面に凹凸が形成されやすくなる原理を説明する説明図である。 図4Bは、最長径Aと最長径Bとの比が0.65未満である場合に、電磁波シールドフィルムの表面に凹凸が形成されやすくなる原理を説明する説明図である。 図4Cは、最長径Aと最長径Bとの比が0.65未満である場合に、電磁波シールドフィルムの表面に凹凸が形成されやすくなる原理を説明する説明図である。 図5Aは、本発明の金属層における開口部の配列パターンの一例を模式的に示す平面図である。 図5Bは、本発明の金属層における開口部の配列パターンの一例を模式的に示す平面図である。 図5Cは、本発明の金属における開口部の配列パターンの一例を模式的に示す平面図である。 図6は、実施例1に係る銅層の第1主面に垂直な方向の断面図を表す写真である。 図7は、KEC法で用いられるシステムの構成を模式的に示す模式図である。
以下、本発明の電磁波シールドフィルム用の金属層について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
本発明の電磁波シールドフィルム用の金属層及び当該金属層が用いられた電磁波シールドフィルムについて図面を用いて説明する。
なお、本発明の電磁波シールドフィルム用の金属層が用いられた電磁波シールドフィルムも本発明の一態様である。
図1Aは、本発明の第1実施形態に係る電磁波シールドフィルム用の金属層の一例を模式的に示す斜視図である。図1Bは、図1AのA-A線断面図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る電磁波シールドフィルム用の金属層が用いられた電磁波シールドフィルムの一例を模式的に示す断面図である。
図1A及び図1Bに示すように、金属層10は、第1主面11と、第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。
金属層10には第1主面11から第2主面12を貫通する複数の開口部20が形成されている。
なお、図1Bでは、便宜上、開口部20の第1主面11側の端部を開口部21とし、開口部20の第2主面側の端部を開口部22とする。
図2に示すように、電磁波シールドフィルム50は、金属層10と、第1主面11に配置された絶縁層60と、第2主面12配置された導電性接着剤層70とからなる。
すなわち、電磁波シールドフィルム50は、絶縁層60、金属層10及び導電性接着剤層70が順に積層されている。電磁波シールドフィルム50では、金属層10の第1主面11が絶縁層60と接触しており、金属層10の第2主面12が導電性接着剤層70と接触している。
開口部21の開口面積は、70~71000μmであり、70~32000μmであることが好ましく、70~10000μmであることがより好ましく、80~8000μmであることがさらに好ましい。
また、開口部21の開口率は、0.1~20%であり、0.1~10.0%であることがより好ましい。
金属層10に形成された開口部21の開口面積及び開口率がこの範囲であれば、耐折り曲げ性が充分となる。また、本発明の金属層10を用いた電磁波シールドフィルムにおいて、金属層10と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まることを防止することができる。
なお、本明細書において、開口部21の「開口率」とは、金属層10の第1主面11の全面積に対する、複数の開口部21の総開口面積の割合のことを意味する。また、本明細書において、開口部22の「開口率」とは、金属層10の第2主面12の全面積に対する、複数の開口部22の総開口面積の割合のことを意味する。
第1主面における開口部の開口面積が、70μm未満であると、開口部が狭すぎ、揮発成分が金属層を通過しにくくなる。その結果、金属層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりやすくなる。そのため、このような金属層を含む電磁波シールドフィルムを用いてシールドプリント配線板を製造する際に、金属層と導電性接着剤層との層間密着が破壊されやすくなる。その結果、リフロー時に膨れが発生する。
第1主面における開口部の開口面積が、71000μmを超えると、開口部が広すぎ、金属層が弱くなり、耐折り曲げ性が低下する。また、シールド特性が低下する。
第1主面における開口部の開口率が、0.1%未満であると、開口部の割合が少なすぎ、揮発成分が金属層を通過しにくくなる。その結果、金属層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりやすくなり、リフロー時に膨れが発生する。
第1主面における開口部の開口率が、20%を超えると、開口部の割合が多すぎ、金属層が弱くなり、耐折り曲げ性が低下する。またシールド特性が低下する。
金属層10では、開口部21の開口面積よりも、第2主面12の開口部22の開口面積が大きい。
上記の通り、金属層10は、第1主面11に絶縁層60が配置され、第2主面12に導電性接着剤層70が配置されて電磁波シールドフィルム50となる。このような電磁波シールドフィルム50は、プリント配線板に貼付されることになる。
プリント配線板は電子部品を実装するために、加熱(リフロー)されることになるが、この際、主に揮発成分はプリント配線板から発生することになる。
金属層10では、開口部21の開口面積よりも、開口部22の開口面積が大きいという特徴を有するので、揮発成分は、第2主面12から第1主面11側に抜けやすくなると考えられる。
そのため、金属層10を用いた電磁波シールドフィルム50では、層間密着が破壊されにくい。
金属層10では、開口部21の開口面積よりも、開口部22の開口面積が大きければ、特に、開口部の形状は限定されないが、テーパー状であることが好ましい。
開口部20がテーパー状であると、揮発成分がより抜けやすくなる。
図3A及び図3Bは、金属層の開口部がテーパー状である場合において、開口部を、第1主面に垂直な方向に切断した断面の一例を模式的に示す断面図である。
図3Aに示すように、開口部20がテーパー状である場合、開口部20を、第1主面11に垂直な方向に切断した断面では、開口部20の側面13と第1主面11とは鋭角αを形成する。
この鋭角αの角度は5~85°であることが好ましく、15~75°であることがより好ましく、20~60°であることがさらに好ましい。
また、図3Bに示すように、金属層10では、第1主面11側の開口部20の先端がR面となる場合がある。
この場合、第1主面11に垂直な方向に切断した金属層10の断面において開口部20の側面13が直線状になる部分を延長した仮想直線13´と、第1主面11が直線状になる部分を延長した仮想直線11´とが形成する角を鋭角αとする。
金属層10では、開口部21の最長径Aと、開口部22の最長径Bとの比が、最長径A/最長径B=0.65~0.95であることが好ましく、0.7~0.85であることがより好ましい。
上記最長径Aと最長径Bとの比が0.65未満であると、金属層を用いて電磁波シールドフィルムを作製し、当該電磁波シールドフィルムを用いてシールドプリント配線板を製造する際に、電磁波シールドフィルムの表面に凹凸が形成されやすくなる。このような凹凸は、外観不良になり、また、シールド特性も低下する原因となる。
上記最長径Aと最長径Bとの比が0.95を超えると、第1主面の開口部の大きさと、第2主面の開口部の大きさとの差が小さくなり、揮発成分が抜けやすくなる効果が得られにくくなる。
最長径Aと最長径Bとの比が0.65未満である場合に、電磁波シールドフィルムの表面に凹凸が形成されやすくなる原理について、以下に図面を用いて説明する。
図4A、図4B及び図4Cは、最長径Aと最長径Bとの比が0.65未満である場合に、電磁波シールドフィルムの表面に凹凸が形成されやすくなる原理を説明する説明図である。
図4Aに示すように、最長径Aと最長径Bとの比が0.65未満である場合、すなわち、開口部21の開口面積よりも、開口部22の開口面積がかなり大きい場合、金属層10の開口部21の周辺部分10aは薄くなる。
図4Bに示すように、金属層10では、第1主面11に絶縁層60が配置され、第2主面12に導電性接着剤層70が配置され、電磁波シールドフィルム50とされる。
図4Cに示すように、電磁波シールドフィルム50は、プリント配線板に配置された後、加熱・加圧されることになる(図4C中、圧力の方向を矢印で示す)。
この際に、金属層10の開口部21の周辺部分10aは薄いので折れやすくなる。
金属層10の開口部21の周辺部分10aが折れたことに起因して、電磁波シールドフィルムの表面に凹凸が形成されやすくなる。
金属層10では、金属層10を平面視した際の開口部20の形状は、特に限定されず、多角形、円形、楕円形であってもよい。
これらの中では、円形又は楕円形であることが好ましい。
円形又は楕円形の開口部20は、角部が無いので、角部が起点となり金属層が破れてしまうことがない。
金属層10では、金属層10を平面視した際、複数の開口部20は等間隔で配列されていてもよい。
複数の開口部20が等間隔で配列されている場合、その間隔は10~10000μmであることが好ましく、25~2000μmであることがより好ましく、250~2000μmであることがさらに好ましい。
開口部同士の間隔が10μm未満であると、金属層全体で開口部の割合が多くなる。その結果、金属層が弱くなり、耐折り曲げ性が低下する。またシールド特性が低下する。
開口部同士の間隔が10000μmを超えると、金属層全体で開口部の割合が少なくなる。その結果、揮発成分が金属層を通過しにくくなる。その結果、金属層が用いられた電磁波シールドフィルムにおいて、金属層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりやすくなり、リフロー時に膨れが発生する。
金属層10における開口部20は、不規則に分散していてもよく、一定の規則性をもって分散していてもよい。
金属層10における開口部20が一定の規則性をもって分散している場合、開口部20は千鳥型に配列されていてもよく、格子型に配列していてもよい。
金属層10における開口部20が一定の規則性をもって分散している場合の配列パターンの例を、図面を用いて説明する。
図5A、図5B及び図5Cは、本発明の金属層における開口部の配列パターンの一例を模式的に示す平面図である。
なお、図5A、図5B及び図5Cは、金属層10を第1主面11側から平面視した図である。
図5Aに示すように、開口部20の配列パターンは、正三角形を縦横に連続的に並べた平面において、各開口部20の中心が正三角形の頂点に位置するような配列パターンであってもよい。この配列パターンは千鳥型の配列パターンの一態様である。
なお、図5Aでは、隣り合う開口部20同士を結ぶ線分が形成する角の角度は、60°であるが、本発明の金属層では、この角の角度は、特に限定されず、例えば45°であってもよい。
また、図5Bに示すように、開口部20の配列パターンは、正方形を縦横に連続的に並べた平面において、開口部20の中心が正方形の頂点に位置するような配列パターンであってもよい。この配列パターンは格子型の配列パターンの一態様である。
なお、図5Bでは、開口部20の中心が正方形の頂点に位置するように配列されているが、本発明の金属層では、開口部20の中心が矩形の頂点に位置するような配列パターンであってもよい。
また、図5Cに示すように、開口部20の配列パターンは、正六角形を縦横に連続的に並べた平面において、開口部20の中心が正六角形の頂点に位置するような配列パターンであってもよい。
金属層10の厚さは、0.5~10.0μmであることが好ましく、1.0~6.0μmであることがより好ましく、2.0~6.0μmであることがさらに好ましい。
0.5μm未満であると、金属層が破れやすくなる。また、シールド性が不足する。
10.0μmを超えると、金属層の柔軟性が低下する。
また、金属層の厚さが0.5μm以上であると、周波数が1GHz以上である高周波の信号を伝送する信号伝達系において伝送特性が良好になる。
なお、金属層に開口部が形成されていない場合、金属層が厚くなると、当該金属層を備える電磁波シールドフィルムを用いてシールドプリント配線板を製造する際に、金属層と導電性接着剤層との間における層間密着の破壊が生じやすくなる。特に、金属層の厚さが、10.0μmを超えると、層間密着の破壊が顕著に生じる。しかし、金属層10には、開口部20が形成されているので、金属層10と導電性接着剤層70との間の層間密着が破壊されることを防止することができる。
金属層10は、特に限定されないが、銅、銀、ニッケル、アルミニウム及びチタンからなる群から選択される少なくとも1種の金属からなることが好ましい。また、金属層はこれらの合金であってもよい。
これらの金属からなる金属層を電磁波シールドフィルムに用いると、シールド特性が向上する。
本発明の金属層を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、開口部が形成されていない金属箔をエッチングして開口部を形成することにより作製する方法、金属めっき法、真空蒸着法、スパッタリング法等により作製する方法が挙げられる。
なお、エッチングにて本発明の金属層を作製する場合には、エッチング液の組成や、エッチング時間を調整し金属箔をエッチングすることにより第1主面の開口部の開口面積よりも、第2主面の開口部の開口面積を大きくすることができる。
また、金属めっき等にて本発明の金属層を作製する場合には、例えば、予め基材上に樹脂組成物等からなる錘状や錐台状の凸部等を形成し、基材、及び、錘状や錐台状の凸部等が完全に埋没しない程度に金属めっき等により金属層を形成する。なお、錘状や錐台状の凸部の底面は円形や楕円形であることが好ましい。
このように金属層を形成することで、第1主面の開口部の開口面積よりも、第2主面の開口部の開口面積を大きくすることができる。
次に、電磁波シールドフィルム50の絶縁層60について説明する。
絶縁層60は充分な絶縁性を有し、金属層10及び導電性接着剤層70を保護できれば特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、活性エネルギー線硬化性組成物等から構成されていることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂組成物としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂組成物、酢酸ビニル系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリエチレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物、イミド系樹脂組成物、アクリル系樹脂組成物等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂組成物としては、特に限定されないが、フェノール系樹脂組成物、エポキシ系樹脂組成物、ウレタン系樹脂組成物、メラミン系樹脂組成物、アルキッド系樹脂組成物等が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化性組成物としては、特に限定されないが、例えば、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物等が挙げられる。
絶縁層60は1種単独の材料から構成されていてもよく、2種以上の材料から構成されていてもよい。
絶縁層60には、必要に応じて、硬化促進剤、粘着性付与剤、酸化防止剤、顔料、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、充填剤、難燃剤、粘度調節剤、ブロッキング防止剤等が含まれていてもよい。
絶縁層60の厚さは、特に限定されず、必要に応じて適宜設定することができるが、1~15μmであることが好ましく、3~10μmであることがより好ましい。
絶縁層60の厚さが1μm未満であると、薄すぎるので金属層10及び導電性接着剤層70を充分に保護しにくくなる。
絶縁層60の厚さが15μmを超えると、厚すぎるので電磁波シールドフィルム50が折り曲りにくくなり、また、絶縁層60自身が破損しやすくなる。そのため、耐折り曲げ性が要求される部材へ適用しにくくなる。
次に、電磁波シールドフィルム50の導電性接着剤層70について説明する。
電磁波シールドフィルム50では、導電性接着剤層70は、導電性を有し接着剤として機能できればどのような材料から構成されていてもよい。
例えば、導電性接着剤層70は、導電性粒子と、接着性樹脂組成物とから構成されていてもよい。
導電性粒子としては、特に限定されないが、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等であってもよい。
導電性粒子が金属微粒子である場合、金属微粒子としては、特に限定されないが、銀粉、銅粉、ニッケル粉、ハンダ粉、アルミニウム粉、銅粉に銀めっきを施した銀コート銅粉、高分子微粒子やガラスビーズ等を金属で被覆した微粒子等であってもよい。
これらの中では、経済性の観点から、安価に入手できる銅粉又は銀コート銅粉であることが好ましい。
導電性粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5~15.0μmであることが好ましい。導電性粒子の平均粒子径が0.5μm以上であると、導電性接着剤層の導電性が良好となる。導電性粒子の平均粒子径が15.0μm以下であると、導電性接着剤層を薄くすることができる。
導電性粒子の形状は、特に限定されないが、球状、扁平状、リン片状、デンドライト状、棒状、繊維状等から適宜選択することができる。
接着性樹脂組成物の材料としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂組成物、酢酸ビニル系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリエチレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物、イミド系樹脂組成物、アミド系樹脂組成物、アクリル系樹脂組成物等の熱可塑性樹脂組成物や、フェノール系樹脂組成物、エポキシ系樹脂組成物、ウレタン系樹脂組成物、メラミン系樹脂組成物、アルキッド系樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物等を用いることができる。
接着性樹脂組成物の材料はこれらの1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
導電性接着剤層70には、必要に応じて、硬化促進剤、粘着性付与剤、酸化防止剤、顔料、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、充填剤、難燃剤、粘度調節剤等が含まれていてもよい。
導電性接着剤層70における導電性粒子の配合量は、特に限定されないが、15~80質量%であることが好ましく、15~60質量%であることがより好ましい。
上記範囲であると、導電性接着剤層のプリント配線板への接着性が向上する。
導電性接着剤層70の厚さは、特に限定されず、必要に応じ適宜設定することができるが、0.5~20.0μmであることが好ましい。
導電性接着剤層の厚さが0.5μm未満であると、良好な導電性が得られにくくなる。導電性接着剤層の厚さが20.0μmを超えると、電磁波シールドフィルム全体の厚さが厚くなり扱いにくくなる。
また、導電性接着剤層70は、異方導電性を有することが好ましい。
導電性接着剤層70が異方導電性を有すると、等方導電性を有する場合に比べて、プリント配線板の信号回路で伝送される高周波信号の伝送特性が向上する。
(その他の構成)
電磁波シールドフィルム50では、絶縁層60と金属層10との間にアンカーコート層が形成されていてもよい。
アンカーコート層の材料としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂をシェルとしアクリル樹脂をコアとするコア・シェル型複合樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリイソシアネートにフェノール等のブロック化剤を反応させて得られたブロックイソシアネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
また、電磁波シールドフィルム50では、絶縁層60側に支持体フィルムを備えていてもよく、導電性接着剤層70側に剥離性フィルムを有していてもよい。
電磁波シールドフィルム50が、支持体フィルムや剥離性フィルムを有していると、電磁波シールドフィルム50の輸送や、電磁波シールドフィルム50をプリント配線板等に貼付する際の作業において、電磁波シールドフィルム50が扱いやすくなる。
電磁波シールドフィルム50は、電磁波を遮断する目的であればどのような用途で用いてもよい。
特に、電磁波シールドフィルム50は、プリント配線板、特に、フレキシブルプリント配線板に用いることが好ましい。
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
開口部のある金属層を以下の方法により形成した。
(1)基材の作製
グラビア塗工により、表面に離型処理を施したPETフィルムの離型処理面に、銀ペーストを印刷して銀層を形成した。
銀層の厚みは30nmであった。
銀ペーストとしては、下記調整例1で得られた銀ペーストを用いた。
(調製例1:銀ペーストの調製例)
エタノール35質量部と、イオン交換水65質量部との混合溶媒に、分散剤としてポリエチレンイミン化合物を用いて平均粒子径30nmの銀粒子を分散させることにより、銀濃度が15質量%の銀ペーストを得た。
(2)パターン状の凸部の形成
次に、銀ペーストの上に、頂部が30μm、底部が35μm、高さが3μm、ピッチ370μmの千鳥型の配列パターンになるように、エポキシ樹脂により凸部をグラビア印刷で形成した。なお、隣り合う凸部同士を結ぶ線分が形成する角の角度を45°とした。
凸部の頂部は、後述する銅層の一方の主面(第1主面)における開口部の最長径Aにあたり、凸部の底部は、他方の主面(第2主面)における開口部の最長径Bにあたる。
印刷後の凸部の実測値は、頂部が38μm、底面が42μm、高さは2μmであった。なお、凸部の実測値は、コンフォーカル顕微鏡(Lasertec社製、OPTELICS HYBRID、対物レンズ20倍)を用いて、凸部を形成した銀ペーストの表面の任意の5か所を測定した後、データ解析ソフト(LMeye7)を用い解析した。2値化のパラメータは高さで、自動しきい値アルゴリズムはKittler法を用いた。
(3)銅層の形成
次に、パターン状に凸部を形成した銀ペーストの上に、銅めっきにより金属層(銅層)を形成した。
銅めっき工程を以下に示す。
無電解銅めっき液(奥野製薬株式会社製「ARGカッパー」、pH12.5)中に55℃で20分間浸漬し、銀層の上に無電解銅めっき膜(厚さ0.2μm)を形成した。
次いで、上記で得られた無電解銅めっき膜の表面をカソードに設置し、含リン銅をアノードに設置し、硫酸銅を含む電気めっき液を用いて電流密度2.5A/dmで30分間電気めっきを行うことによって、銀層の上に、合計の厚さが2μmの銅めっき層を積層した。上記電気めっき液としては、硫酸銅70g/リットル、硫酸200g/リットル、塩素イオン50mg/リットル、トップルチナSF(奥野製薬工業株式会社製の光沢剤)5g/リットルの溶液を用いた。
実施例1に係る銅層の第1主面に垂直な方向の断面を図6に示す。
図6は、実施例1に係る銅層の第1主面に垂直な方向の断面図である。
実施例1に係る銅層では、開口部の形状は平面視円形であり、第1主面に垂直な方向に切断した断面がテーパー状であった。
また、銅層の一方の主面(第1主面)における開口部の最長径Aは、38μmであり、他方の主面(第2主面)における開口部の最長径Bは、42μmであり、銅層の一方の主面(第1主面)における開口部の面積は、1114μmであり、他方の主面(第2主面)における開口部の面積は、1417μmであった。
また、銅層の一方の主面(第1主面)における前記開口部の開口率は、1%であった。
また、銅層の厚さは、2μmであった。
(実施例2)~(実施例16)及び(比較例1)~(比較例5)
表1及び表2に示すパラメータに変更した以外は、実施例1と同様に、実施例2~16及び比較例1~5に係る銅層を作製した。
Figure 0007395711000001
Figure 0007395711000002
(電磁波シールドフィルムの作製)
エポキシ樹脂組成物を、表面に離型処理を施したPETフィルム基材に塗布し、100℃、3分の条件で加熱硬化して厚さが5μmのエポキシ樹脂からなる絶縁層を形成した。次いで、各実施例及び各比較例の銅層の第1主面に、前記絶縁層を加熱ラミネートにより貼り合わせ、離型フィルムを剥離して絶縁層付きの金属層を形成した。次いで、金属層の第2主面に厚さが15μmとなるように導電性接着剤組成物を塗布し、100℃、3分の条件で加熱硬化して、各実施例及び各比較例に係る電磁波シールドフィルムを作製した。なお、導電性接着剤組成物は、エポキシ樹脂に、平均粒子径12μmの樹枝状AgコートCu粉末を20質量%添加して作製した。
(層間剥離の評価(リフロー耐性の評価))
各電磁波シールドフィルムを熱プレスによりプリント配線板上に貼り付けた。
次いで、このシールドプリント配線板を、23℃、63%RHのクリーンルーム内に7日間放置した後、リフロー時の温度条件に曝して層間剥離の有無を評価した。なお、リフロー時の温度条件としては、鉛フリーハンダを想定し、最高265℃の温度プロファイルを設定した。また、層間剥離の有無は、シールドプリント配線板を大気リフローに5回通過させ、膨れの有無を目視により観察して評価した。
評価基準は以下の通りである。結果を表1及び表2に示す。
○:シールドフィルムに膨れが全く生じなかった。
×:シールドフィルムに膨れが生じた。
(電磁波シールド特性の評価)
各実施例及び各比較例に係る電磁波シールドフィルムの電磁波シールド特性について、一般社団法人KEC関西電子工業振興センターで開発された電磁波シールド効果測定装置80を用いたKEC法により評価した。
図7は、KEC法で用いられるシステムの構成を模式的に示す模式図である。
KEC法で用いられるシステムは、電磁波シールド効果測定装置80と、スペクトラム・アナライザ91と、10dBの減衰を行うアッテネータ92と、3dBの減衰を行うアッテネータ93と、プリアンプ94とで構成される。
図7に示すように、電磁波シールド効果測定装置80には、2つの測定治具83が対向して設けられている。この測定治具83の間に、各実施例及び各比較例に係る電磁波シールドフィルム(図7中、符号50で示す)が挟持されるように設置する。測定治具83には、TEMセル(Transverse Electro Magnetic Cell)の寸法配分が取り入れられ、その伝送軸方向に垂直な面内で左右対称に分割した構造になっている。但し、電磁波シールドフィルム50の挿入によって短絡回路が形成されることを防止するために、平板状の中心導体84は各測定治具83との間に隙間を設けて配置されている。
KEC法では、先ず、スペクトラム・アナライザ91から出力した信号を、アッテネータ92を介して送信側の測定治具83に入力する。そして、受信側の測定治具83で受けてアッテネータ93を介した信号をプリアンプ94で増幅してから、スペクトラム・アナライザ91により信号レベルを測定する。なお、スペクトラム・アナライザ91は、電磁波シールドフィルム50を電磁波シールド効果測定装置80に設置していない状態を基準として、電磁波シールドフィルム50を電磁波シールド効果測定装置80に設置した場合の減衰量を出力する。
このような装置を用い、温度25℃、相対湿度30~50%の条件で、各実施例及び各比較例に係る電磁波シールドフィルムを15cm四方に裁断し、200MHzにおける電磁波シールド特性の測定を行い評価した。
評価基準は以下の通りである。結果を表1及び表2に示す。
○:85dB以上である。
△:80dB以上、85dB未満である。
×:80dB未満である。
(密着性の評価)
各実施例及び各比較例に係る電磁波シールドフィルムを、電磁波シールドフィルムの導電性接着剤層面に、厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レデュポン社製「カプトン100EN」)を170℃、3MPa、30分の条件で加熱加圧し測定サンプルを作製した。次いで接着強度測定のため、この測定サンプルを10mm幅にカットし、引張試験機AGS-X50N(島津製作所社製)を使用して剥離速度50mm/min、剥離角度180°で、導電性接着剤層とポリイミドフィルムとの界面を剥離することで接着強度を測定した。
評価基準は以下の通りである。結果を表1及び2に示す。
〇:4N/10mm以上である。
△:3N/10mm以上、4N/10mm未満である。
×:3N/10mm未満である。
表1及び2に示すように、実施例1~16に係る電磁波シールドフィルムは、リフロー耐性、電磁波シールド特性及び密着性が良好であった。
10 金属層
10a 開口部21の周辺部分
11 第1主面
12 第2主面
13 開口部の側面
20 開口部
21 第1主面側の開口部
22 第2主面側の開口部
50 電磁波シールドフィルム
60 絶縁層
70 導電性接着剤層
80 電磁波シールド効果測定装置
83 測定治具
84 中心導体
91 スペクトラム・アナライザ
92、93 アッテネータ
94 プリアンプ

Claims (6)

  1. 第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面とを有する金属層であって、
    前記金属層には前記第1主面から前記第2主面を貫通する複数の開口部が形成されており、
    前記第1主面における前記開口部の開口面積は、70~71000μmであり、かつ、
    前記第1主面における前記開口部の開口率は、0.1~20%であり、
    前記第1主面の開口部の開口面積よりも、前記第2主面の開口部の開口面積が大きく、
    前記開口部はテーパー状であることを特徴とする電磁波シールドフィルム用の金属層。
  2. 前記第1主面における前記開口部の最長径Aと、前記第2主面における開口部の最長径Bとの比が、最長径A/最長径B=0.65~0.95である請求項1に記載の金属層。
  3. 前記電磁波シールドフィルム用金属層を平面視した際に、前記開口部の形状は円形又は楕円形である請求項1又は2に記載の金属層。
  4. 厚さが0.5~10.0μmである請求項1~のいずれかに記載の金属層。
  5. 銅、銀、ニッケル、アルミニウム及びチタンからなる群から選択される少なくとも1種の金属からなる請求項1~のいずれかに記載の金属層。
  6. 絶縁層、金属層及び導電性接着剤層が順に積層された電磁波シールドフィルムであって、
    前記金属層は、前記請求項1~のいずれかに記載の金属層であり、
    前記金属層の第1主面が前記絶縁層と接触しており、前記金属層の第2主面が前記導電性接着剤層と接触していることを特徴とする電磁波シールドフィルム。

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