JP7394897B2 - 眼科装置、及び眼科装置の制御方法 - Google Patents
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Description
図1に、実施形態に係る眼科装置の光学系の構成例を示す。実施形態に係る眼科装置1000は、被検眼Eを観察するための光学系と、被検眼Eを検査するための光学系と、これらの光学系の光路を波長分離するダイクロイックミラーとを含む。被検眼Eを観察するための光学系として、前眼部観察系5が設けられている。被検眼Eを検査するための光学系としてOCT光学系やレフ測定光学系(屈折力測定光学系)が設けられている。
前眼部観察系5は、被検眼Eの前眼部を動画撮影する。前眼部観察系5を経由する光学系において、撮像素子59の撮像面は瞳孔共役位置に配置されている。前眼部照明光源50は、被検眼Eの前眼部に照明光(例えば、赤外光)を照射する。被検眼Eの前眼部により反射された光は、対物レンズ51を通過し、ダイクロイックミラー52を透過し、絞り(テレセン絞り)53に形成された孔部を通過し、ハーフミラー23を透過し、リレーレンズ55及び56を通過し、ダイクロイックミラー76を透過する。ダイクロイックミラー52は、レフ測定光学系の光路と前眼部観察系5の光路とを合成(分離)する。ダイクロイックミラー52は、これらの光路を合成する光路合成面が対物レンズ51の光軸に対して傾斜して配置される。ダイクロイックミラー76を透過した光は、結像レンズ58により撮像素子59(エリアセンサー)の撮像面に結像される。撮像素子59は、所定のレートで撮像及び信号出力を行う。撮像素子59の出力(映像信号)は、後述の処理部9に入力される。処理部9は、この映像信号に基づく前眼部像E´を後述の表示部10の表示画面10aに表示させる。前眼部像E´は、例えば赤外動画像である。
Zアライメント系1は、前眼部観察系5の光軸方向(前後方向、Z方向)におけるアライメントを行うための光(赤外光)を被検眼Eに投射する。Zアライメント光源11から出力された光は、被検眼Eの角膜Crに投射され、角膜Crにより反射され、結像レンズ12によりラインセンサー13のセンサー面に結像される。角膜頂点の位置が前眼部観察系5の光軸方向に変化すると、ラインセンサー13のセンサー面における光の投射位置が変化する。処理部9は、ラインセンサー13のセンサー面における光の投射位置に基づいて被検眼Eの角膜頂点の位置を求め、これに基づき光学系を移動させる機構を制御してZアライメントを実行する。
XYアライメント系2は、前眼部観察系5の光軸に直交する方向(左右方向(X方向)、上下方向(Y方向))のアライメントを行うための光(赤外光)を被検眼Eに照射する。XYアライメント系2は、ハーフミラー23により前眼部観察系5の光路から分岐された光路に設けられたXYアライメント光源21とコリメータレンズ22とを含む。XYアライメント光源21から出力された光は、コリメータレンズ22を通過し、ハーフミラー23により反射され、前眼部観察系5を通じて被検眼Eに投射される。被検眼Eの角膜Crによる反射光は、前眼部観察系5を通じて撮像素子59に導かれる。
ケラト測定系3は、被検眼Eの角膜Crの形状を測定するためのリング状光束(赤外光)を角膜Crに投射する。ケラト板31は、対物レンズ51と被検眼Eとの間に配置されている。ケラト板31の背面側(対物レンズ51側)にはケラトリング光源32が設けられている。ケラトリング光源32からの光でケラト板31を照明することにより、被検眼Eの角膜Crにリング状光束が投射される。被検眼Eの角膜Crからの反射光(ケラトリング像)は撮像素子59により前眼部像E´とともに検出される。処理部9は、このケラトリング像を基に公知の演算を行うことで、角膜Crの形状を表す角膜形状パラメータを算出する。
レフ測定光学系は、屈折力測定に用いられるレフ測定投射系6及びレフ測定受光系7を含む。レフ測定投射系6は、屈折力測定用の光束(例えば、リング状光束)(赤外光)を眼底Efに投射する。レフ測定受光系7は、この光束の被検眼Eからの戻り光を受光する。レフ測定投射系6は、レフ測定受光系7の光路に設けられた孔開きプリズム65によって分岐された光路に設けられる。孔開きプリズム65に形成されている孔部は、瞳孔共役位置に配置される。レフ測定受光系7を経由する光学系において、撮像素子59の撮像面は眼底共役位置に配置される。
ダイクロイックミラー67によりレフ測定光学系の光路から波長分離された光路に、後述のOCT光学系8が設けられる。ダイクロイックミラー83によりOCT光学系8の光路から分岐された光路に固視投影系4が設けられる。
OCT光学系8は、OCT計測を行うための光学系である。OCT計測よりも前に実施されたレフ測定結果に基づいて、光ファイバーf1の端面が眼底Efと光学系に共役となるように合焦レンズ87の位置が調整される。
眼科装置1000の処理系の構成について説明する。眼科装置1000の処理系の機能的構成の例を図3及び図4に示す。図3は、眼科装置1000の処理系の機能ブロック図の一例を表す。図4は、図3のデータ処理部223の機能ブロック図の一例を表す。
制御部210は、プロセッサを含み、眼科装置の各部を制御する。制御部210は、主制御部211と、記憶部212とを含む。記憶部212には、眼科装置を制御するためのコンピュータプログラムがあらかじめ格納される。コンピュータプログラムには、光源制御用プログラム、検出器制御用プログラム、光スキャナー制御用プログラム、光学系制御用プログラム、演算処理用プログラム及びユーザインターフェイス用プログラムなどが含まれる。このようなコンピュータプログラムに従って主制御部211が動作することにより、制御部210は制御処理を実行する。
記憶部212は、各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、例えば他覚測定の測定結果、断層像の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。また、記憶部212には、眼科装置を動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。
演算処理部220は、眼屈折力算出部221と、画像形成部222と、データ処理部223とを含む。
表示部270は、ユーザインターフェイス部として、制御部210による制御を受けて情報を表示する。表示部270は、図1などに示す表示部10を含む。
通信部290は、図示しない外部装置と通信するための機能を有する。通信部290は、外部装置との接続形態に応じた通信インターフェイスを備える。外部装置の例として、レンズの光学特性を測定するための眼鏡レンズ測定装置がある。眼鏡レンズ測定装置は、被検者が装用する眼鏡レンズの度数などを測定し、この測定データを眼科装置1000に入力する。また、外部装置は、任意の眼科装置、記録媒体から情報を読み取る装置(リーダ)や、記録媒体に情報を書き込む装置(ライタ)などでもよい。更に、外部装置は、病院情報システム(HIS)サーバ、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)サーバ、医師端末、モバイル端末、個人端末、クラウドサーバなどでもよい。通信部290は、例えば処理部9に設けられていてもよい。
実施形態に係る眼科装置1000の動作について説明する。以下、眼軸長を測定する場合の動作例について説明する。
まず、主制御部211は、OCT計測を実行し、被検眼EのBスキャン画像を取得するための制御を実行する。
続いて、主制御部211は、ステップS1において取得されたBスキャン画像に基づいてアーチファクトの特定処理をアーチファクト特定部223Aに実行させる。アーチファクト特定部223Aは、上記のようにBスキャン画像を解析することによりアーチファクトの特定処理を実行する。
次に、主制御部211は、ステップS2においてアーチファクトが特定されたか否かを判定する。主制御部211は、アーチファクト特定部223Aの処理結果に基づいてアーチファクトが特定されたか否かを判定することができる。
アーチファクトが特定されたと判定されなかったとき(S3:N)、主制御部211は、移動機構200を制御することにより所定の移動方向に所定の移動量だけ被検眼Eに対して光学系を相対的に移動する。眼科装置1000の動作は、ステップS1に移行する。
ステップS3においてアーチファクトが特定されたと判定されたとき(S3:Y)、主制御部211は、ステップS2において取得されたBスキャン画像に基づいて黄斑部の特定処理を黄斑部特定部223Bに実行させる。黄斑部特定部223Bは、上記のようにBスキャン画像を解析することにより黄斑部の特定処理を実行する。
次に、主制御部211は、ステップS5において黄斑部が特定されたか否かを判定する。主制御部211は、黄斑部特定部223Bの処理結果に基づいて黄斑部が特定されたか否かを判定することができる。
ステップS6において黄斑部が特定されたと判定されたとき(S6:Y)、主制御部211は、被検眼Eの眼軸長を眼内距離算出部223Cに算出させる。眼内距離算出部223Cは、ステップS3において特定されたアーチファクトの位置(角膜頂点に相当する位置)とステップS5において特定された黄斑部に相当する位置との距離に基づいて眼軸長を算出する。ステップS7では、眼軸長以外の角膜厚、前房深度、水晶体厚等の眼内距離を算出することが可能である。なお、ステップS7以降に、後眼部の断層像の取得等を行ってよい。以上で、眼科装置1000の動作は終了である(エンド)。
ステップS6において黄斑部が特定されたと判別されなかったとき(S6:N)、主制御部211は、黄斑部再特定処理を実行する。具体的には、主制御部211は、被検眼Eにおける固視標の投影位置を変更するように固視投影系4を制御する。ステップS8では、後述のように、固視標の投影位置が変更された状態で新たにアーチファクトの位置と黄斑部に相当する位置とが特定される。その後、眼科装置1000の動作はステップS7に移行する。
まず、主制御部211は、光スキャナー88を制御することにより眼底Efを測定光LSでスキャンさせる。測定光LSのスキャンにより得られた検出信号は画像形成部222に送られる。画像形成部222は、得られた検出信号から眼底Efが描出された断層像を形成する。データ処理部223は、画像形成部222により形成された断層像から被検眼Eの3次元画像を形成する。なお、ステップS11におけるスキャンのスキャン間隔は、ステップS1やステップS14におけるスキャンのスキャン間隔より粗くてよい。
主制御部211は、ステップS11において取得された3次元画像に基づいて黄斑部の特定処理を黄斑部特定部223Bに実行させる。黄斑部特定部223Bは、上記のように3次元画像を解析することにより黄斑部の特定処理を実行する。
主制御部211は、所望の固視位置とステップS12において特定された黄斑部の位置との変位を求める。主制御部211は、求められた変位がキャンセルされるように固視投影系4を制御し、液晶パネル41における固視標の表示位置を変更することにより眼底Efにおける固視標の投影位置を変更する。
続いて、主制御部211は、ステップS1と同様に、OCT計測を実行し、被検眼EのBスキャン画像を取得するための制御を実行する。それにより、固視標の投影位置が変更された状態でBスキャン画像が取得される。
次に、主制御部211は、ステップS2と同様に、ステップS14において取得されたBスキャン画像に基づいてアーチファクト特定部223Aにアーチファクトを特定させる。
主制御部211は、ステップS3と同様に、ステップS15においてアーチファクトが特定されたか否かを判定する。
ステップS16において角膜頂点が特定されたと判定されたとき(S16:Y)、主制御部211は、ステップS5と同様に、ステップS14において取得されたBスキャン画像に基づいて黄斑部の特定処理を黄斑部特定部223Bに実行させる。
主制御部211は、ステップS6と同様に、ステップS17において黄斑部が特定されたか否かを判定する。
ステップS16においてアーチファクトが特定されたと判定されなかったとき(S16:N)、主制御部211は、移動機構200を制御することにより、被検眼Eに対して光学系を相対的に移動する。
実施形態に係る眼科装置、及び眼科装置の制御方法の作用及び効果について説明する。
以上に示された実施形態は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
2 XYアライメント系
3 ケラト測定系
4 固視投影系
5 前眼部観察系
6 レフ測定投射系
7 レフ測定受光系
8 OCT光学系
9 処理部
210 制御部
211 主制御部
220 演算処理部
222 画像形成部
223 データ処理部
223A アーチファクト特定部
223B 黄斑部特定部
223C 眼内距離算出部
1000 眼科装置
Claims (7)
- 光源からの光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を被検眼に投射し、前記被検眼からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を検出する干渉光学系と、
前記干渉光の検出結果に基づいて、所定の閾値以上の輝度を有する画素をアーチファクトとして特定するアーチファクト特定部と、
前記被検眼に対して前記干渉光学系を相対的に移動する移動機構と、
前記被検眼の角膜頂点に相当する位置に前記アーチファクトが出現するように前記移動機構を制御する制御部と、
前記移動機構により前記アーチファクトと前記干渉光学系との位置合わせが完了した状態で取得された前記干渉光の検出結果に基づいて、前記被検眼における黄斑部に相当する位置を特定する黄斑部特定部と、
前記アーチファクトの位置と前記黄斑部特定部により特定された前記黄斑部に相当する位置とに基づいて眼内距離を算出する眼内距離算出部と、
と含む眼科装置。 - 前記眼内距離算出部は、前記被検眼における眼軸長を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。 - 前記制御部は、前記アーチファクトに対する前記干渉光学系の変位をキャンセルするように前記移動機構を制御する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科装置。 - 前記制御部は、前記測定光の焦点位置が前記被検眼の角膜頂点又は水晶体に位置するように合焦レンズを移動し、
前記アーチファクト特定部は、前記測定光の焦点位置が前記被検眼の角膜頂点又は水晶体に位置した状態で得られた前記干渉光の検出結果に基づいて前記アーチファクトを特定する
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の眼科装置。 - 光源からの光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を被検眼に投射し、前記被検眼からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を検出する干渉光学系と、前記被検眼に対して前記干渉光学系を相対的に移動する移動機構と、を含む眼科装置の制御方法であって、
前記被検眼の角膜頂点に相当する位置に所定の閾値以上の輝度を有する画素が出現するように前記移動機構を制御する移動機構制御ステップと、
前記干渉光の検出結果に基づいて、前記所定の閾値以上の輝度を有する画素をアーチファクトとして特定するアーチファクト特定ステップと、
前記移動機構により前記アーチファクト特定ステップにおいて特定された前記アーチファクトと前記干渉光学系との位置合わせを行う位置合わせステップと、
前記位置合わせステップの後に取得された前記干渉光の検出結果に基づいて、前記被検眼における黄斑部に相当する位置を特定する黄斑部特定ステップと、
前記アーチファクトの位置と前記黄斑部特定ステップにおいて特定された前記黄斑部に相当する位置とに基づいて眼内距離を算出する眼内距離算出ステップと、
と含む眼科装置の制御方法。 - 前記眼内距離算出ステップは、前記被検眼における眼軸長を算出する
ことを特徴とする請求項5に記載の眼科装置の制御方法。 - 前記測定光の焦点位置が前記被検眼の角膜頂点又は水晶体に位置するように合焦レンズを移動するステップを含み、
前記アーチファクト特定ステップは、前記測定光の焦点位置が前記被検眼の角膜頂点又は水晶体に位置した状態で得られた前記干渉光の検出結果に基づいて前記アーチファクトを特定する
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の眼科装置の制御方法。
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