JP7394341B2 - 気液分離器 - Google Patents

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Description

気液二相流を気相と液相とに分離する気液分離器に関する。
気液二相流を気相と液相とに分離する気液分離器として、上方から気液二相流を流入させて、分離した気相を上方に向かって排出するとともに、分離した液相を下方に向かって排出する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。前述した気液分離器は、気液二相流を筺体に導入して、表面張力により気相と液相とに分離させ、気相は上方に向かって排出させ、液相は下方に向かって排出させる装置であった。
特開2009-30950号公報
近年では、気液分離器は、車両などの乗物にも搭載されるようになってきている。しかしながら、車両などの乗物は、移動に伴って振動したり傾いたり、或いは、車両などの乗り物の加速や減速による作用や乗り物が曲がる際の作用で液面が傾いたりするため、気相と液相とに的確に分離させることが困難になる場合も想定される。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、的確に気相と液相とに分離させることができる気液分離器を提供することにある。
本発明(1)は、
内部空間が形成されている容器外郭体と、前記容器外郭体の上部における側面に設けられた側面開口と接続された入口管と、前記容器外郭体の上面に設けられた上面開口と接続された気相出口管と、前記容器外郭体の下部に形成された下部開口と接続された液相出口管とを備え、前記容器外郭体の前記内部空間の上部は円柱形状をなす円柱形状部とされ、前記容器外郭体の内部空間の下部は、小径側を下側とした円錐台形状をなす円錐台形状部とされている気液分離器において、以下の構成(1-1)を備えることを特徴とする気液分離器である。
(1-1)前記入口管の管軸方向には前記円柱形状部の中心軸が位置しておらず、前記入口管内に形成され肉厚が変化する突出部により、前記入口管の管軸方向に垂直な断面の図心は、前記側面開口に近づく断面となるにつれ、前記円柱形状部の中心軸から離れる方向かつ前記円錐台形状部へ向かう方向へ遷移する。
本発明(2)は、
前記容器外郭体における前記円錐台形状部を分割して仕切るとともに小径側を下側とした円錐台仕切り部を備え、前記円錐台仕切り部の小径側は閉塞し、前記円錐台仕切り部の大径側は開放しており、前記円錐台仕切り部の大径側の周辺部から前記容器外郭体の内壁に至るまで広がる平面仕切り部によって前記円錐台仕切り部と前記容器外郭体とが近接もしくは接続されており、前記平面仕切り部には前記平面仕切り部を貫通する複数の小孔が設けられまたは前記容器外郭体の内部側壁と平面仕切部との間に隙間が設けられており、
前記気相出口管は、前記円錐台形状部の内部空間に至るまで伸びている上記(1)に記載の気液分離器である。
本発明(3)は、
前記円錐台形状部の内部空間に位置する前記気相出口管の開口部近傍における前記気相出口管の外周には、前記気相出口管の外壁から該内部空間に向かって突き出す突起部が設けられている上記(2)に記載の気液分離器である。
本発明(4)は、
前記容器外郭体の上部の内壁には前記円柱形状部の高さ方向に沿って整流板が設けられており、前記整流板は前記側面開口を跨ぐ位置に設けられるかまたは前記側面開口と近接する位置に設けられるとともに、前記整流板は、回動可能に設けられているかまたは固定されて設けられていている上記(3)に記載の気液分離器である。
本発明(5)は、
前記容器外郭体における下部の内壁には、前記液相出口管に向かって曲率半径が小さくなる渦巻き状の突起部が設けられている上記(4)に記載の気液分離器である。
本発明()は、
前記発明(1)~()のいずれかの気液分離器を備える流体装置である。
本発明によれば、的確に気相と液相とに分離させることができる。
図1は、第1の実施の形態による気液分離器10の全体を示す斜視図である。 図2は、第1の実施の形態による気液分離器10の正面を示す正面図である。 図3は、第1の実施の形態による気液分離器10の平面を示す平面図である。 図4は、第1の実施の形態による気液分離器10の一部破断側面図である。 図5は、図2中の断面I-I部における断面図である。 図6は、図3中の断面II-II部における断面図である。 図7は、第2の実施の形態による第2気液分離器10-2の全体を示す斜視図である。 図8は、第2の実施の形態による第2気液分離器10-2の正面を示す正面図である。 図9は、第2の実施の形態による第2気液分離器10-2の平面を示す平面図である。 図10は、図9中の断面IV-IV部における断面図である。 図11は、図8中の断面III-III部における断面図である。 図12は、図9中の断面V-V部における断面図である。 図13は、第3の実施の形態による第3気液分離器10-3の全体を示す斜視図である。 図14は、第3の実施の形態による第3気液分離器10-2の正面を示す正面図である。 図15は、第3の実施の形態による第3気液分離器10-3の平面を示す平面図である。 図16は、図15中の断面VII-VII部における断面図である。 図17は、図14中の断面VI-VI部における断面図である。 図18は、図15中の断面VIII-VIII部における断面図である。
次に、本発明にかかる気液分離器について、具体的な実施の形態によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものと解釈すべきではない。
本明細書および図面においては、同一のまたは類似する機能もしくは構造を有する部材については、特に断りなく、実施の形態に依らずに、同一の名称および/または符号を付す場合がある。また、ある実施の形態にて既に説明された部材と同一の名称および/または符号を有する部材については、説明を省略する場合がある。
本明細書においては、特に断らない限り、ある部位と、該ある部位と連続して設けられている別の部位と、を含む構造体は、該ある部位および該別の部位を含むように一体成形された構造体であってもよいし、該ある部位を含むある部材と該別の部位を含む別の部材とが互いに固定されるように接続された構造体であってもよい。2つ以上の部材を固定する方法としては、特に限定されず、嵌め込み、固定部材(ビスやボルトなど)による固定、溶接、接着などの公知慣用の方法を採用することができる。
本発明にかかる気液分離器を構成する部材の材質は、特に限定されず、金属、樹脂(複合樹脂を含む。)およびセラミックスなどとすることができる。また、ある部材の材質と別の部材の材質とは、同種であってもよいし、異種であってもよい。
<<<<第1の実施の形態>>>>
<<方向の定義>>
<理想状態における方向>
第1の実施の形態による気液分離器10は、各種の車両や船舶などの乗物に搭載され、乗物の移動の際に生ずる衝撃や振動などで揺動したり、坂道などの走行などで傾いたりする。このため、方向は、乗物の状態によって異なってくる。しかし、乗物が水平な位置に停止しているような理想状態のときには、下は、鉛直方向と一致する。以下の説明では、原則、第1の実施の形態による気液分離器10は、理想状態に位置付けられているものとする。
<鉛直(鉛直方向)>
鉛直、鉛直方向は、重力の方向、すなわち物体を吊り下げた糸の示す方向であり、水平面と垂直をなす方向である。
<下(下方向、下側、下方、下端など)>
下は、理想状態で鉛直方向と同義であり、重力の方向であり、物体を吊り下げた糸の示す方向であり、水平面と垂直をなす方向である。
<上(上方向、上側、上方、上端など)>
上は、下に対して反対(逆)の方向(向きが180度で異なる)である。
<水平(水平方向など)>
水平は、地球の重力と直角に交わる方向である。鉛直(鉛直方向)と直角に交わる方向である。
<外向き(外周方向など)>
外向きは、気液分離器10を構成する容器外郭体100の中心軸CAから離れる方向である。
<内向き(内周方向など)>
内向きは、気液分離器10を構成する容器外郭体100の中心軸CAに近づく方向である。
<<<気液分離器10>>>
図1は、第1の実施の形態による気液分離器10の全体を示す斜視図である。図2は、第1の実施の形態による気液分離器10の正面を示す正面図である。図3は、第1の実施の形態による気液分離器10の平面を示す平面図である。図4は、第1の実施の形態による気液分離器10の一部破断側面図である。図5は、図2中の断面I-I部における断面図である。図6は、図3中の断面II-II部における断面図である。
第1の実施の形態による気液分離器10は、主に、容器外郭体100と、入口管130と、気相出口管140と、液相出口管150とを有する。
<容器外郭体100>
容器外郭体100は、円柱形状をなす上部110と、逆円錐台形状部をなす下部120とを有する。上部110において円柱形状をなす上部内部空間(円柱形状部)UISと下部120において逆円錐台形状をなす下部内部空間(円錐台形状部)BISとによって、容器外郭体100の内部空間WISが形成される。なお、本明細書において、逆円錐台形状とは、小径側を下側とした円錐台形状を言う。また、容器外郭体100の形状は、円柱形状の上部110と逆円錐台形状の下部120とを有する形状に限定されず、どのような形状であっても良い。すなわち、容器外郭体100の内部空間において、上部内部空間UISが円柱形状をなし、下部内部空間BISが逆円錐台形状をなしていれば、容器外郭体100の形状については特に限定しない。
<上部110>
上部110は、略円筒状の円筒側面112と、円板天部114とを有する。円板天部114の内面は、平面であったり、円錐形状であったり、逆円錐形状であったり、傾斜を持たせても良い。円板天部114は、円筒側面112の最上端の外周部で密接して連結されている。円板天部114と円筒側面112とは、最上端の外周部で封止されている。
上部110は、円筒側面112の最下端で円状の開放面116を有する。後述する下部120は、上部110の下部に位置する。円筒側面112の最下端の外周部で、下部120と密接して連結されている。上部110と下部120とは、最下端の外周部で封止されている。
<下部120>
下部120は、略円錐状の円錐側面122を有する。下部120は、最上端で円状の開放面126を有する。下部120の最上端の外周部は、円筒側面112の最下端の外周部と密接して連結されている。上部110と下部120とが連通する。下部120の最上端の外周部と円筒側面112の最下端の外周部とは、封止されている。
上部110の開放面116の半径と、下部120の開放面126の半径とは同じである。上部110の開放面116の大きさと、下部120の開放面126の大きさとは一致する。なお、上部110の開放面116の大きさと、下部120の開放面126の大きさの関係については、上述のように一致するものに限定されず、例えば、開放面126の方が、開放面116よりも一回り小さくする等、仕様に応じて適宜設定可能である。
下部120は、下方に向かって徐々に半径が小さくなる。下部120は、最下端部124に底面開口(下部開口)128を有する。底面開口128は、後述する液相出口管150に連結される。
<中心軸CA>
上部110と下部120とは同軸上(同心)に配置されている。上部110と下部120とは、共通する中心軸CAを有する。中心軸CAは、理想状態で鉛直方向に向く。円筒側面112、円板天部114、開放面116、円錐側面122、開放面126、底面開口128なども同軸上(同心)に配置され、共通する中心軸CAを有する。
<内部空間WIS、上部内部空間UIS、下部内部空間BIS>
上部110は、中心軸CAを中心とした半径が一定の上部内部空間UISの上部を有する。下部120は、鉛直方向に沿って中心軸CAを中心とした半径が徐々に変化する下部内部空間BISの下部を有する。上部110によって画定される上部内部空間UISと、下部120によって画定される下部内部空間BISとによって、容器外郭体100の内部空間WISが形成される。
<入口管130>
上部110の円筒側面112は、側面開口118を有する。側面開口118は、円筒側面112に形成された貫通孔である。
入口管130は、略円筒状の形状を有する。入口管130は、中心軸CAに対して垂直方向に配置される。具体的には、入口管130は、水平方向に配置される。入口管130は、側面開口118を介して円筒側面112と連結する。換言すれば、入口管130は、その基端面が、上部110の内壁面(内周面)と一致するように、上部110に連結されているともいえる。
入口管130は、中心軸CAから偏倚した位置に配置される。入口管130の中心軸IAは、中心軸CAと交差せず、中心軸CAから離れた位置を通過する(図2または図5参照)。
入口管130は、入口管130の直径を含み入口管130の円筒側面の内面上の第1の側面辺SE1と第2の側面辺SE2とを有する。第1の側面辺SE1および第2の側面辺SE2は、水平面HS(図2参照)に含まれる。第1の側面辺SE1は、第2の側面辺SE2よりも、中心軸CAから離れている。第1の側面辺SE1は、上部110の円筒側面112の内面での接線として、円筒側面112の内面と接する(図3または図5参照)。
<案内体132>
入口管130の内側の一部には、案内体132が設けられている。案内体132は、中心軸IAに向かって突出する(図2参照)。案内体132は、入口管130から流入した気液二相流の流れの向きを調整する。
案内体132は、CG方向へ屈曲する突出部134と、下方突出部136とを有する。CG方向へ屈曲する突出部134と下方突出部136とは、連続的に形成されている。CG方向へ屈曲する突出部134は、上部110の外周方向に向かって突出する。換言すれば、CG方向へ屈曲する突出部134は、入口管の中心軸IAに向かって突出する。CG方向へ屈曲する突出部134は、気液二相流の向きを上部110の内壁面に沿うように調整する。下方突出部136は、気液二相流の向きを上部110の下方に向かうように調整する。
案内体132によって、図心CGは、側面開口118に向かうに従って入口管の中心軸IAから偏倚する(図2または図5参照)。具体的には、CG方向へ屈曲する突出部134によって、図心CGは、側面開口118に向かうに従って入口管の中心軸IAから外周側に偏倚する。下方突出部136によって、図心CGは、側面開口118に向かうに従って入口管の中心軸IAから下側に偏倚する。
CG方向へ屈曲する突出部134の突出の大きさと、下方突出部136の突出の大きさとは、気液二相流の流速や流量などに応じて適宜に定めればよい。
<気相出口管140>
気相出口管140は、略円筒状の形状を有する。気相出口管140は、円板天部114に形成された上面開口115を貫き、円板天部114に対して垂直に延在して設けられる。気相出口管140は、上部110と同軸上(同心)に配置されている。気相出口管140は、中心軸CAに沿って配置されている。気相出口管140は、外側管部142と内側管部144とを有する。外側管部142は、上部110の外側に配置される。内側管部144は、上部110の内側に配置される。外側管部142は、円板天部114から離れる方向に延びる。内側管部144は、円板天部114から上部110に進入する。なお、本例では、気相出口管140は、円板天部114に対して垂直な方向に設けられていたが、これに限定されず、円板天部114に対して斜めに傾斜する方向に設けられていても良い。換言すれば、気相出口管140は、円板天部114に対して交差する方向に設けられていれば良い。また、本例では、気相出口管140は、上部110と同軸上に配置されているが、これに限定されず、気相出口管140の中心軸線と、上部110の中心軸CAとが一致しない位置関係となるように、気相出口管140を配置するようにしても良い。
内側管部144は、最下端に開口部146を有する。開口部146から気相出口管140に気相を案内して気液分離器10の外部に排出する。
内側管部144の外側の直径は、外側管部142の外側の直径よりも細い。内側管部144の外側の直径と外側管部142の外側の直径は同等でも良いが、内側管部144の外側の直径を細くすることにより、上部内部空間UISを大きくすることができる。気液二相流を上部110に収容する量を増やすことができる。
<液相出口管150>
下部120の底面開口128には、液相出口管150が連結されている。液相出口管150は、略円筒状の形状を有する。液相出口管150は、底面開口128と連通する。液相出口管150は、下部120と同軸上(同心)に配置されている。液相出口管150は、中心軸CAに沿って配置されている。分離した液相は、液相出口管150を介して気液分離器10の外部に排出される。なお、この液相出口管150についても、上述の気相出口管140と同様に、下部120と同軸上に配置されていなくても良い。具体的には、液相出口管150を底面開口128に対して、下部120と同軸にならないように連結しても良い。また、液相出口管150を、下部120の円錐側面122に連結するようにしても良い。
<バッフル板160>
バッフル板160は、薄い略円板状の形状を有する。バッフル板160は、外周に沿って形成された複数の小孔162を有する。バッフル板160は、円筒側面112の最下端、または円錐側面122の最上端に配置されている。すなわち、バッフル板160は、上部110と下部120との境界に配置されている。バッフル板160は、中心軸CAに対して垂直に配置されている。中心軸CAは、バッフル板160の中心を通過する。バッフル板160の外周の少なくとも一部と上部110の内壁面との間に隙間が形成されるように、バッフル板160を配置することができる。なお、本例では、バッフル板160は、上部110と下部120との境界に配置されているが、これに限定されず、例えば、上記境界の上方または下方のいずれかに配置されるようにしても良いことは言うまでもない。また、バッフル板160を、上記境界の上方に配置する場合には、気相出口管140と接触しないように配置することも言うまでもない。
バッフル板160によって、上部内部空間UISと下部内部空間BISとを分離することができる。気液二相流や分離した気相が、上部110から下部120に案内されることを防止することができる。
小孔162は、貫通孔である。小孔162によって、上部110と下部120とが連通する。上部110で分離した液相は、小孔162を介して下部120に流下する。なお、バッフル板160の外周の少なくとも一部と上部110の内壁面との間に隙間が形成されている場合、小孔162を設けてもよいし、小孔162を設けずともよい。
気相出口管140の内側管部144の開口部146は、バッフル板160から離隔した上方に位置付けられる。開口部146とバッフル板160との間に間隙GP(図4または図6参照)を有する。間隙GPを設けたことにより、上部110で分離した気相を開口部146を介して気相出口管140に円滑に案内することができる。
前述した入口管130、気相出口管140及び液相出口管150は、気液二相流、気相、液相などの流体の輸送に用いる中空の筒であり、断面形状は、円、楕円、長円などの閉じた曲線、三角形、四角形などの多角形などの任意の形状にすることができる。また、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150の材質は、金属、樹脂など、任意のものにすることができる。さらに、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150は、所望する剛性や弾性や可撓性を有することができる。さらにまた、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150は、外面の形状と内面の形状とが、異なっていてもよい。例えば、外面の断面形状が、四角状の形状を有し、内面の断面形状が、円状の形状を有するようにできる。
<<<第1の実施の形態による気液分離器10での気液分離の過程>>>
気液二相流が、入口管130を介して上部110に流入される。気液二相流は、入口管130のCG方向へ屈曲する突出部134によって、上部110の内壁面に沿うように案内される。気液二相流は、入口管130の下方突出部136によって、上部110の下方に向かうように案内される。
上部110に流入された気液二相流は、上部110の内壁面に押し当てられ、上部110の内壁面に沿って周回しつつ下方に向かう。言い換えれば、気液二相流は、上部110内壁面に沿って、下方に向かう螺旋状に移動する。気液二相流は、上部110の内壁面に沿って旋回する際に生じる遠心力により気相と液相とに分離する。
分離した気相は、上部内部空間UIS内を移動し、開口部146を介して気相出口管140に案内され、気液分離器10の外部に排出される。
前述したように、気液二相流は、上部110内壁面に沿って、徐々に下方に向って移動(螺旋状に移動)するので、上部110内で既に移動している気液二相流や気相と液相と、入口管130から新たに流入してきた気液二相流との衝突を防止することができる。
分離した液相は、バッフル板160の小孔162を通過し、下部120の円錐側面122の内面を伝って、最下端部124に流下する。最下端部124に達した液相は、底面開口128を介して液相出口管150に案内され、気液分離器10の外部に排出される。
<<<<第2の実施の形態>>>>
<<<第2気液分離器10-2>>>
図7は、第2の実施の形態による第2気液分離器10-2の全体を示す斜視図である。図8は、第2気液分離器10-2の正面を示す正面図である。図9は、第2気液分離器10-2の平面を示す平面図である。図10は、図9中の断面IV-IV部における断面図である。図11は、図8中の断面III-III部における断面図である。図12は、図9中の断面V-V部における断面図である。
第2の実施の形態による第2気液分離器10-2において、気液分離器10の同様の構成には、同一の符号を付した。第2気液分離器10-2は、気液分離器10と同様に、主に、容器外郭体100と、入口管130と、気相出口管140と、液相出口管150とを有する。例えば、容器外郭体100は、気液分離器10と同様の構成を有する。
第2の実施の形態においても、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150は、気液二相流、気相、液相などの流体の輸送に用いる中空の筒であり、断面形状は、円、楕円、長円などの閉じた曲線、三角形、四角形などの多角形などの任意の形状にすることができる。また、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150の材質は、金属、樹脂など、任意のものにすることができる。さらに、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150は、所望する剛性や弾性や可撓性を有することができる。さらにまた、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150は、外面の形状と内面の形状とが、異なっていてもよい。例えば、外面の断面形状が、四角状の形状を有し、内面の断面形状が、円状の形状を有するようにできる。
以下、第2気液分離器10-2と気液分離器10との相違点のみについて説明する。例えば、第2気液分離器10-2の有する、上部110、下部120、液相出口管150、中心軸CA、各内部空間(内部空間WIS、上部内部空間UIS、下部内部空間BIS)などについては、気液分離器10と同様であるため、説明を省略する。なお、第2気液分離器10-2は、バッフル板160を有しない。
<入口管130>
第2気液分離器10-2は、入口管130が案内体132を有しない(図8、図11参照)。即ち、第2気液分離器10-2においては、入口管130を通過する気液二相流が特定の方向に案内されることなく、内部空間WISに導入される。
<突起部145>
気相出口管140は、開口部146近傍に、内側管部144の外壁(外部側面)に沿って、内部空間WISに向かって突き出す突起部145を有する。なお、この突起部145の形状については、例えば、板状等の適宜でよく、その形状については特に限定されない。
突起部145は、気相出口管140への液相の流入を防止し、気液分離効率の向上に寄与する。より詳細には以下の通りである。
内側管部144の外部側面は、上部内部空間UISを周回する気液二相流と接触することで分離された液相が存在する場合がある。このような液相は、重力によって内側管部144の外部側面を移動し、内側管部144の下端部にある開口部146まで到達する。その結果、このような液相が、内部空間WISから内側管部144に流入する気相に乗り、内側管部144に直接吸入されることで、気液分離効率を低下させる場合がある。しかしながら、開口部146近傍に、内側管部144の外部側面に沿って突起部145が存在することで、内側管部144の外部側面に存在する液相は、突起部145に溜まり、開口部146まで到達することが出来ないこととなる。突起部145に溜まった液相は、気相に乗ることなく突起部145の縁部から下方へ落下するため、内側管部144への液相の流入を防止できると考えられる。
<開口部146>
気相出口管140の開口面を形成する開口部146は、気相出口管140の管軸方向(中心軸CAの軸方向と一致する。)に対して斜めもしくは湾曲している(図10、図12参照)。
開口部146をこのように構成することで、気相出口管140の管軸方向に対して垂直な開口部とした場合(換言すれば、気相出口管140の開口部146が水平方向となっている場合)と比較して、開口部146をより大面積化することが可能となる。その結果、開口部146に流入する気相の流速を弱め、開口部146周辺に存在する液相が気相に巻き込まれて気相出口管140に流入することを防止できると考えられる。
また、内側管部144の管の長さは、中心軸IAに近い側面は長く、中心軸IAから離れた側面は短くなるように構成されている。このように構成することで、開口部146と入口管130とが対向しないこととなる。その結果、入口管130から上部内部空間UISに導入された気液二相流が、気液分離されることなく開口部146に直接到達することを防止できると考えられる。
また、気相出口管140の開口部146は、上部内部空間UISを超えて、下部内部空間BIS内に位置するように設けられている。このように構成することで、入口管130から開口部146に到達するまでの気液二相流の流路を長く取ることが可能となり、気液分離効率を向上させることができると考えられる。
図12に示されるように、開口部146は、気相出口管140が、中心軸CAに対して斜めに傾斜する平面によって切り取られて形成される面であるが、開口部146は、気相出口管140が曲面によって切り取られて形成される面であってもよい。換言すれば、開口部146は、気相出口管140の管軸方向に対して斜めの開口面であってもよいし、気相出口管140の管軸方向に対して湾曲する開口面であってもよい。
突起部145は、内側管部144の外部側面を一周するように設けられているが、複数の突起が離隔して設けられていたり、切欠が設けられていてもよい。
突起部145が設けられる位置は、別の表現によれば、上部内部空間UISと下部内部空間BISとの境界と一致する高さ、または、後述する平面仕切り部184と一致する高さと表現することもできるが、これには何ら限定されるものではない。
<整流板170>
第2気液分離器10-2は、上部110の内壁に沿って、且つ、上部110の高さ方向に沿って設けられた、整流板170を有する(図8、図10、図11参照)。この整流板170は、上部110の側面開口118を跨ぐ位置に設けられるかまたは上部110の側面開口118と近接する位置に設けられている。
整流板170は、より詳細には、入口管130の第1の側面辺SE1に近い方(第2の側面辺SE2から遠い方)から、整流板172、整流板174、整流板176という順番で並ぶ3つの板状の部材から構成される。
板状の整流板170は、板幅方向が入口管130の中心軸IAと一致する方向となるよう設けられている。整流板170は、板幅方向の向きに応じて、入口管130から流入する気液二相流を所望の方向へ整流させる機能を有する。
例えば、整流板170の板幅方向の向きを変更し、入口管130の中心軸IAを基準として、上部110の中心軸CAから離れる方向へ傾斜する傾斜面を有するように、整流板170を設けることで、気液二相流が上部110内壁面に最適に添わせるように構成することもできる。
整流板170は、側面開口118を通して上部内部空間UIS内に導入された気液二相流が、上部内部空間UISを周回した後、流速を保ったまま側面開口118に再度接近することを防止する機能を有する。その結果、気液分離効率をより向上させることができる。より詳細には以下の通りである。
気液二相流が入口管130の管内を通過する際に、気液二相流の一部が入口管130の内壁面と接触することで気液分離される等、入口管130の下端部に液相が溜まることがある。この液相は、入口管130の下端部を通りつつ、側面開口118を介して上部内部空間UISに導入され、上部110の内壁面に沿って移動する。このように、側面開口118の近傍は、液相が存在しやすい場所となっている。ここで、入口管130から側面開口118を介して上部内部空間UISに導入された気液二相流は、上部内部空間UISを周回した後、十分な流速を保ったまま側面開口118に再度接近する場合がある。この場合、側面開口118近傍の液相と上部内部空間UISを周回した気液二相流とが接触し、液相が気液二相流に巻き上げられ、気液二相流の含有する液相が増加し、気液分離効率が低下する可能性がある。しかしながら、整流板170が存在することで、上部内部空間UISを周回する気液二相流が側面開口118に必要以上に接近することを防止できる。その結果、上部内部空間UISを周回する気液二相流によって側面開口118近傍の液相が巻き上げられることが防止される。また、上部内部空間UISを周回した気液二相流に誘導され上部110の内壁面に沿って移動する液相、および、上部内部空間UISを周回した気液二相流中の液相が、整流板170(特に、整流板176)に突き当たる。これにより、液相は、その下方の平面仕切り部184の小孔186(これについては後述する)に向けて案内され捕捉される。以上のようにして、整流板170は、気液分離効率の向上に寄与する。
整流板170を設ける数、各整流板170の高さ(各整流板170の下端部の位置および上端部の位置)、整流板170の厚みおよび形状、並びに、各整流板170の配置の間隔などは、何ら限定されるものではない。また、整流板170については、一定の位置に固定して設ける場合だけでなく、図11で見て左右に回動可能に設けるようにしても良い(例えば、整流板170の基端部に、回動の中心となるヒンジを設けることや、或いは、整流板170の上方に回動中心となるピンを設け、このピンに整流板170を回動可能に取り付ける等によって実現可能である)。この場合、整流板170は入口管130から流入する気液二相流からの入口側押圧力と、上述の上部内部空間UISを周回した気液二相流からの周回側押圧力とを受けることにより、図11にて示す初期位置からこれらの押圧力の釣り合いの位置に回動することとなる。すなわち、整流板170は、入口側押圧力の方が強い場合には、上記初期位置に対して右方向に回動して、上記釣り合いの位置にて保持され、周回側押圧力の方が強い場合には上記初期位置に対して左方向に回動して、上記釣り合いの位置にて保持されることとなる。このように、整流板170を回動可能に設けることで、整流板170を、上記それぞれの押圧力に応じた最適な方向に保持することができ、入口管130から流入した気液二相流および周回後の気液二相流からの抵抗圧損を受けにくくすることができる。また、入口管130に流入する気液二相流や周回後の気液二相流の流量変化に対して、適宜対応することができる。
<逆円錐台仕切り部180>
第2気液分離器10-2は、下部120によって形成される下部内部空間BISを分割して仕切る逆円錐台仕切り部180を備える(図10~12参照)。
逆円錐台仕切り部180は、液相出口管150側の底面(下面)として、該底面を閉塞する閉塞部182を有する。閉塞部182は、気相出口管140の内径と同じまたは該内径以上の径を有する薄い略円板状となっている。閉塞部182は、中心軸CAに対して垂直に配置されている。中心軸CAは、閉塞部182の中心を通過する。
逆円錐台仕切り部180は、閉塞部182と異なる側の上面(気相出口管140側の上面)が開放されている。
逆円錐台仕切り部180の高さ、上面および底面の大きさは、下部120の大きさ、気液二相流の流速や流量などに応じて適宜に定めればよい。
逆円錐台仕切り部180は、気相出口管140側の周辺部に、容器外郭体100の内壁に至るまで広がる、フランジ状の平面仕切り部184を有する。この平面仕切り部184によって、逆円錐台仕切り部180と容器外郭体100とが接続されている。なお、本例では、図11にも示すように、逆円錐台仕切り部180の外周と容器外郭体100の内壁とが接続されてこれらの間には隙間が形成されていないが、これに代えて、逆円錐台仕切り部180の外周と容器外郭体100内壁との間に隙間が形成されていても良い。逆円錐台仕切り部180の外周と容器外郭体100内壁とは、完全に隔離していてもよい。
平面仕切り部184は、平面仕切り部184を貫通する複数の小孔186を有する。平面仕切り部184は、上述のように整流板176によって下方に案内された液相が効率的に通過することができるようにするため、図11に示すように、小孔186の少なくとも1つが、整流板176の下方に位置するように配置され、配置された小孔186は大きい方が望ましく隙間を開けてもよい。なお、逆円錐台仕切り部180の外周と容器外郭体100内壁との間に隙間が形成されている場合、小孔186を設けてもよいし、平面仕切り部184の小孔186を設けずともよい。
また、逆円錐台仕切り部180は、側面を貫通する複数の小孔188を有する。
小孔186および小孔188は、貫通孔である。小孔186および小孔188によって、逆円錐台仕切り部180より上部の空間と逆円錐台仕切り部180より下部の空間とが連通する。
小孔188は、閉塞部182と垂直になるように(即ち、中心軸CAに沿って)設けられている。
小孔186および小孔188は、中心軸CAを軸とする同心円上に配置されている。
<<<第2の実施の形態による第2気液分離器10-2での気液分離の過程>>>
気液二相流が、入口管130を介して上部110に流入される。
上部110に流入された気液二相流は、整流板170によって流れが調整され(例えば、上部110の内壁面に押し当てられ)、上部110の内壁面に沿って周回しつつ下方に向かう。言い換えれば、気液二相流は、上部110内壁面に沿って、下方に向かう螺旋状に移動する。気液二相流は、上部110の内壁面に沿って旋回する際に生じる遠心力により気相と液相とに分離する。
上部110内部を十分に周回した気液二相流および液相は、逆円錐台仕切り部180の小孔186および小孔188を通過する。小孔186および小孔188を通過することで、気液二相流中の液相が捕捉される。
逆円錐台仕切り部180を通過した液相は、最下端部124に流下する。最下端部124に達した液相は、底面開口128を介して液相出口管150に案内され、第2気液分離器10-2の外部に排出される。
逆円錐台仕切り部180を通過した気相は、小孔186および小孔188を上方向に戻すように通過し、上部110の内壁面との接触によって分離された気相と合流し、開口部146を介して気相出口管140に案内され、第2気液分離器10-2の外部に排出される。
<<<<第3の実施の形態>>>>
<<<第3気液分離器10-3>>>
図13は、第3の実施の形態による第3気液分離器10-3の全体を示す斜視図である。図14は、第3気液分離器10-3の正面を示す正面図である。図15は、第3気液分離器10-3の平面を示す平面図である。図16は、図15中の断面VII-VII部における断面図である。図17は、図14中の断面VI-VI部における断面図である。図18は、図15中の断面VIII-VIII部における断面図である。
第3の実施の形態による第3気液分離器10-3においても、気液分離器10や第2気液分離器10-2との同様の構成には、同一の符号を付した。第3気液分離器10-3は、気液分離器10や第2気液分離器10-2と同様に、主に、容器外郭体100と、入口管130と、気相出口管140と、液相出口管150とを有する。例えば、容器外郭体100は、気液分離器10と同様の構成を有する。
第3の実施の形態においても、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150は、気液二相流、気相、液相などの流体の輸送に用いる中空の筒であり、断面形状は、円、楕円、長円などの閉じた曲線、三角形、四角形などの多角形などの任意の形状にすることができる。また、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150の材質は、金属、樹脂など、任意のものにすることができる。さらに、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150は、所望する剛性や弾性や可撓性を有することができる。さらにまた、入口管130、気相出口管140及び液相出口管150は、外面の形状と内面の形状とが、異なっていてもよい。例えば、外面の断面形状が、四角状の形状を有し、内面の断面形状が、円状の形状を有するようにできる。
以下、第3気液分離器10-3と第2気液分離器10-2との相違点のみについて説明する。例えば、第3気液分離器10-3の有する、上部110、下部120、入口管130、気相出口管140、液相出口管150、整流板170、中心軸CA、各内部空間(内部空間WIS、上部内部空間UIS、下部内部空間BIS)などについては、気液分離器10と同様であるため、説明を省略する。なお、第3気液分離器10-3は、逆円錐台仕切り部180を有しない。
<突起部190>
第3気液分離器10-3は、下部120の内壁に沿って、液相出口管150に向かって曲率半径が小さくなる渦巻き状の突起部190が設けられている(図15、16、17、18参照)。
より詳細には、突起部190は、上部110の内壁面の上端部近傍を開始点、上部110の最下端部124近傍を終点とした、渦巻き状(円錐螺旋状)となっている。
突起部190を設けることで、下部120の内壁と突起部190とで形成される溝が形成される。突起部190によって、下部120の内壁の表面積が大きくなることから、気液二相流と下部120の内壁とが接触し易くなり、表面張力による気液分離が促進される。また、分離された液相は、溝内部に捕捉されることとなる。更に、突起部190は渦巻き状に設けられているため、溝内部に捕捉された液相が、突起部190に沿って流下し、最下端部124まで案内されることとなる。更に、分離された液相が溝内部に捕捉されることから、第3気液分離器10-3全体が振動したり傾いたりした場合にも、液相が飛散することなどを防止できる。
突起部190は、その高さ方向が中心軸CAに沿うように設けられている。
突起部190の厚み、高さ、および螺旋のピッチなどは、下部120の大きさ、気液二相流の流速や流量などに応じて適宜に定めればよい。一例として、第3気液分離器10-3を上面から視た際に、突起部190がインボリュート曲線を描くように構成されていることが好ましい。
突起部190は、下部120の内壁を複数回周回するように設けられていることが好ましい。
突起部190は、複数の渦巻き状の突起が設けられて形成される、多重螺旋(例えば二重螺旋)の構造であってもよい。
突起部190は、気液分離器10-3内に導入された気液二相流の旋回方向と同一方向に回転しながら渦を巻く形状としている。より詳細には、図17のように気液分離器10-3の上面から見た場合に、突起部190と気液二相流とは、右回りに曲率半径が小さくなる渦状となるように構成されている。なお、突起部190はこれには限定されず、左回りに曲率半径が小さくなる渦状となるよう構成されていてもよい。
<<<第3の実施の形態による第3気液分離器10-3での気液分離の過程>>>
気液二相流が、入口管130を介して上部110に流入される。
上部110に流入された気液二相流は、整流板170によって流れが調整され、上部110の内壁面に押し当てられ、上部110の内壁面に沿って周回しつつ下方に向かう。言い換えれば、気液二相流は、上部110内壁面に沿って、下方に向かう螺旋状に移動する。気液二相流は、上部110の内壁面との接触によって生ずる遠心力により気相と液相とに分離する。
上部110内部を十分に周回した後の気液二相流および上部110の内壁面を流下した液相は、突起部190に接触する。気液二相流に含まれる液相が、突起部190との接触により気液分離される。
上部110の内壁面を流下した液相および突起部190との接触によって分離された液相は、突起部190と上部110の内壁面との間の溝に沿って、最下端部124に流下する。最下端部124に達した液相は、底面開口128を介して液相出口管150に案内され、気液分離器10の外部に排出される。
上部110の内壁面との接触によって分離された気相および突起部190との接触によって分離された気相は、上部内部空間UIS内を移動し、開口部146を介して気相出口管140に案内され、気液分離器10の外部に排出される。
<<<<その他の実施の形態>>>>
本発明は、前述されていない様々な実施の形態などを含むものと解釈されるべきである。例えば、本明細書にて開示された全ての構成要件を矛盾が生じない範囲で自由に組み合わせてなる全ての気液分離器や、本発明の効果を阻害しない範囲で、各部材の位置や部材間の大小関係を変更してなる気液分離器が本発明に含まれるものとする。
例えば、
内部空間WISが形成されている容器外郭体100と、容器外郭体100の上部110における側面に設けられた側面開口118と接続された入口管130と、容器外郭体100の上面に設けられた上面開口115と接続された気相出口管140と、容器外郭体100の下部120に形成された底面開口128と接続された液相出口管150とを備え、容器外郭体100の内部空間WISの上部は円柱形状をなす上部内部空間(円柱形状部)UISとされ、前記容器外郭体の内部空間の下部120は、小径側を下側とした円錐台形状をなす下部内部空間(円錐台形状部)BISとされている気液分離器において、
下記に示す(1-1)~(3-2)の7種の構成要件のうち、1乃至7種の構成要件を自由に組み合わせて構成される全ての気液分離器が、本発明に含まれる。
(1-1)入口管130の管軸(中心軸IA)方向には上部110の中心軸CAが位置しておらず、入口管130の管軸(中心軸IA)方向に垂直な断面の図心CGは、側面開口118に近づく断面となるにつれ、上部110の中心軸CAから離れる方向かつ下部120へ向かう方向へ遷移する。
(1-2)入口管130の管軸(中心軸IA)方向には上部110の中心軸CAが位置しておらず、容器外郭体100の上部(例えば、上部110)の内壁には上部110の高さ方向に沿って整流板170が設けられており、整流板170は側面開口118を跨ぐ位置に設けられるかまたは側面開口118と近接する位置に設けられるとともに、前記整流板は、回胴可能に設けられているかまたは固定されて設けられる。
(2-1)容器外郭体100の内部空間WISを上下に仕切る(例えば、上部110によって形成される内部空間(上部内部空間UIS)と容器外郭体100における下部120によって形成される内部空間(下部内部空間BIS)とを仕切る)バッフル板160が設けられており、バッフル板160にはバッフル板160を貫通する複数の小孔162がバッフル板160の外周に沿って設けられまたは前記容器外郭体の内部側壁とバッフル板との間に隙間が設けられている。
(2-2)容器外郭体100における下部120によって形成される内部空間(下部内部空間BIS)を分割して仕切るとともに小径側を下側とした逆円錐台仕切り部180を備え、逆円錐台仕切り部180の小径側(液相出口管150側の底面)は閉塞し(閉塞部182を有し)、逆円錐台仕切り部180の大径側(気相出口管140側の底面)は開放しており、逆円錐台仕切り部180の大径側(気相出口管140側)の周辺部から容器外郭体100の内壁に至るまで広がる平面仕切り部184によって逆円錐台仕切り部180と容器外郭体100とが近接もしくは接続されており、平面仕切り部184には平面仕切り部184を貫通する複数の小孔188が設けられまたは前記容器外郭体の内部側壁と平面仕切部との間に隙間が設けられている。
(2-3)下部120の内壁には、液相出口管150に向かって曲率半径が小さくなる渦巻き状の突起部190が設けられている。
(3-1)気相出口管140は、容器外郭体100の内部空間WISに至るまで伸びており、該内部空間WISに位置する気相出口管140の開口部146近傍における気相出口管140の外周には、気相出口管140の外壁から該内部空間WISに向かって突き出す突起部145が設けられている。
(3-2)気相出口管140は、容器外郭体100の内部空間WISに至るまで伸びており、該内部空間WISに位置する気相出口管140は気相出口管140の管軸方向(中心軸CAと一致する方向)に対して斜めもしくは湾曲に傾斜する開口面(開口部146)を有する。
<<<<気液分離器の用途>>>>
本発明によれば、種々の実施の形態で示すように、小形で安価な生産性の良い気液分離器が得られることから、空気調和機などの冷凍装置、蒸気サイクル装置、燃料電池車、気液二相流を扱う機械装置などの流体装置など、種々の用途で使用することが可能である。
特に、本発明によれば、下部120と、その最下端部124またはその近傍に液相出口管150を備えたものとすることで、気液分離器全体が振動する乃至は傾くなどしても、液相が液相出口管150に接触し易く構成される。更に本発明によれば、下部120を有する気液分離器において、更に気液分離効率を向上させる特徴的な構成を含むことから、より振動や傾きに強く、安定的且つ効率的に気液分離が可能な気液分離器とすることが可能となる。このような観点から、本発明の気液分離器は、車載用、特に燃料電池車用として、好ましく使用することが可能である。
10 気液分離器
10-2 第2気液分離器
10-3 第3気液分離器
100 容器外郭体
110 上部
112 円筒側面
114 円板天部
115 上面開口
116 開放面
118 側面開口
120 下部
122 円錐側面
124 最下端部
126 開放面
128 底面開口
130 入口管
132 案内体
134 CG方向へ屈曲する突出部
136 下方突出部
140 気相出口管
142 外側管部
144 内側管部
145 突起部
146 開口部
150 液相出口管
160 バッフル板
162 小孔
170 整流板
180 逆円錐台仕切り部
182 閉塞部
184 平面仕切り部
186 小孔
188 小孔
190 突起部
UIS 上部内部空間
BIS 下部内部空間
WIS 内部空間
CA 中心軸
CG 図心
IA 中心軸
SE1 第1の側面辺
SE2 第2の側面辺
HS 水平面

Claims (6)

  1. 内部空間が形成されている容器外郭体と、前記容器外郭体の上部における側面に設けられた側面開口と接続された入口管と、前記容器外郭体の上面に設けられた上面開口と接続された気相出口管と、前記容器外郭体の下部に形成された下部開口と接続された液相出口管とを備え、前記容器外郭体の前記内部空間の上部は円柱形状をなす円柱形状部とされ、前記容器外郭体の内部空間の下部は、小径側を下側とした円錐台形状をなす円錐台形状部とされている気液分離器において、以下の構成(1-1を備えることを特徴とする気液分離器。

    (1-1)前記入口管の管軸方向には前記円柱形状部の中心軸が位置しておらず、前記入口管内に形成され肉厚が変化する突出部により、前記入口管の管軸方向に垂直な断面の図心は、前記側面開口に近づく断面となるにつれ、前記円柱形状部の中心軸から離れる方向かつ前記円錐台形状部へ向かう方向へ遷移する。
  2. 前記容器外郭体における前記円錐台形状部を分割して仕切るとともに小径側を下側とした円錐台仕切り部を備え、前記円錐台仕切り部の小径側は閉塞し、前記円錐台仕切り部の大径側は開放しており、前記円錐台仕切り部の大径側の周辺部から前記容器外郭体の内壁に至るまで広がる平面仕切り部によって前記円錐台仕切り部と前記容器外郭体とが近接もしくは接続されており、前記平面仕切り部には前記平面仕切り部を貫通する複数の小孔が設けられまたは前記容器外郭体の内部側壁と平面仕切部との間に隙間が設けられており、
    前記気相出口管は、前記円錐台形状部の内部空間に至るまで伸びている請求項1に記載の気液分離器。
  3. 前記円錐台形状部の内部空間に位置する前記気相出口管の開口部近傍における前記気相出口管の外周には、前記気相出口管の外壁から該内部空間に向かって突き出す突起部が設けられている請求項2に記載の気液分離器
  4. 前記容器外郭体の上部の内壁には前記円柱形状部の高さ方向に沿って整流板が設けられており、前記整流板は前記側面開口を跨ぐ位置に設けられるかまたは前記側面開口と近接する位置に設けられるとともに、前記整流板は、回動可能に設けられているかまたは固定されて設けられている請求項3に記載の気液分離器
  5. 前記容器外郭体における下部の内壁には、前記液相出口管に向かって曲率半径が小さくなる渦巻き状の突起部が設けられている請求項4に記載の気液分離器
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の気液分離器を備えていることを特徴とする流体装置。
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