JP7394018B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両制御装置に係り、車両にて先行車両との車間距離や相対速度を安全に保ちつつ、追従走行を行うための車両制御装置に関する。
車両の運転操作において、運転者の負担を軽減するため、レーダーやカメラを用いて自車両(以下、自車ともいう)の前方を監視し、自車前方の先行車両(以下、先行車ともいう)との車間距離及び相対速度を計測し、運転者がアクセルやブレーキの操作を行わずとも、自動的に先行車両に追従走行を行う技術(このような技術をAdaptive Cruise Control:ACCともいう)が知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。
また、特許文献1に記載の制御装置は四輪車を対象としているが、車両にて先行車両との車間距離や相対速度を安全に保つという機能を、二輪の鞍乗り型車両のような比較的小型の車両に適用し、運転者(ライダー)がスロットルやブレーキの操作を行わずとも、自動的に先行車両に追従走行を行うことが考えられる。しかしながら、四輪車と異なって鞍乗り型車両のように同一走行車線上(1つの走行帯内)で複数の車両が並走できるような車幅の短い車両では、仲間同士が多数集まって集団走行(マスツーリング)するような運用があり、その際は車群の長さを短くするために同一走行車線上を左右交互の二列縦隊で走行(千鳥走行)する。このような運用において、自動的に自車前方の先行車両に追従走行を行う技術を組み合わせた際、集団走行時に前方車両との車間距離が長くなりすぎる傾向がある。そのため、前述の車両用制御装置を鞍乗り型車両のような比較的小型の車両に適用する場合、追従対象となる車両に対して、自車両からの側方車間距離(つまり、自車両と追従対象となる前方車両との側方方向距離)に応じて追従時の車間距離を短くして走行し、集団走行時の車群(車列)の長さを短く保ったまま走行することができる技術が知られている(例えば、下記特許文献2を参照)。
特開2009-149254号公報 特開2016-34819号公報
しかしながら、前記従来の技術では、自車の追従対象としている車両との側方車間距離に応じて追従走行中の前方車間距離を再設定しており、先行車両が走行帯の中で左右のいずれかに寄って走行し、自車前方の走行可能領域幅が狭くなっているか否かにかかわらず、追従対象としている車両との側方車間距離が離れていれば、前方車間距離を短くしてしまう。そのため、走行帯における先行車両の位置に応じて自車前方の走行可能領域幅が狭いと、自車両を操縦するライダーは前方に安全な空間を確保しながら追従走行を続けることができなくなり、違和感が発生するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、違和感の少ない車間距離で走行することのできる車両制御装置を提供することにある。
前記の問題を解決するため、本発明に係る車両制御装置は、外界認識装置を用いて自車両前方の先行車両との間に設定した目標車間距離に基づいて、前記自車両の加速度制御を行う車両制御装置において、前記自車両が複数台並行走行可能な走行帯を前記先行車両に追従して走行する際に、前記外界認識装置を用いて認識した前記先行車両および前記走行帯の情報に基づき、前記先行車両と前記走行帯の側方方向の走行帯路端との距離に応じて、前記先行車両への追従時の目標車間距離を補正する目標車間距離補正部を有することを特徴とする。
本発明の車両制御装置によれば、先行車両との車間距離や相対速度を安全に保ちつつ、自動で自車両の駆動力を制御して加速度制御を行う時、走行帯内の自車両および追従対象となる先行車両の走行位置に応じて、違和感の少ない車間距離で走行することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
ACC搭載の車両のシステム構成ブロック図。 ステレオカメラの装置構成ブロック図。 ステレオカメラのステレオ視による式の説明図。 ステレオカメラと車両制御装置の機能ブロック図。 ACCの加速度制御処理のフローチャート。 先行車に対する目標加速度を計算する処理のフローチャート。 目標車間距離を補正する処理のフローチャート。 エンジンへの加速度要求を計算する処理のフローチャート。 ブレーキへの加速度要求を計算する処理のフローチャート。 右前方先行車追従時の記号を説明する俯瞰図。 左前方先行車追従時の記号を説明する俯瞰図。 正面先行車追従時の記号を説明する俯瞰図。 目標車間距離と自車前方走行可能幅の関係を示すグラフ。 車走行帯上の先行車に対する記号を説明する俯瞰図。 車走行帯上でない先行車に対する記号を説明する俯瞰図。 自車両が走行帯路端を跨って車線変更を行いつつ先行車追従する状況を説明する俯瞰図。 自車両が曲率が大きい走行帯を走行しつつ先行車追従する状況を説明する俯瞰図。 変形例2に関する、先行車両および自車両が車群(集団)外の車両に対して追い抜きまたは追い越しを行う状況を説明する俯瞰図。 変形例3に関する、先行車追従時に割り込み車が存在する状況を説明する俯瞰図。 変形例3に関する、ナンバー連携機能を有するステレオカメラと車両制御装置の機能ブロック図。 変形例3に関する、追従対象車両のナンバーを考慮した目標車間距離を補正する処理のフローチャート。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態である車両制御装置を説明する。
車両制御装置100は、車両1(以下、自車や自車両ということがある)に搭載され、図1のようなブロック図に従って車両1を構築する。本実施形態において、車両1は、二輪の鞍乗り型車両のような比較的小型で、1つの走行帯内で複数台並行走行(千鳥走行)可能な車両である。また、車両1にはACC(Adaptive Cruise Control)が搭載されており、以下では、当該車両1が複数台並行走行可能な走行帯を先行車両に追従して走行する集団走行(マスツーリング)を行う際の、当該車両1の加速度制御について説明する。
車両制御装置100は、外界認識装置であるステレオカメラ200と接続され、ステレオカメラ200で計測した自車両に対する先行車両や走行帯路端との車間距離は、車両制御装置100へ通信によって送信される。また、車両制御装置100は、車輪に取り付けられた車輪速センサ300と接続され、車輪速センサ300でタイヤ900の回転数を計測し、計測した回転数から換算した自車両の速度は、車両制御装置100へ送信される。また、車両制御装置100はACCコントロールスイッチ700と接続され、ライダーのスイッチ操作情報が車両制御装置100へ送信されることで、ライダーのACC制御開始、ACC制御解除、ACC走行時の設定速度を判断する。この構成により、車両制御装置100は、車間距離、自車速度、ACC走行時の設定速度を得ることで、制御量の計算を行う。
また、車両制御装置100は、算出した制御量に基づいて、ブレーキ410での制御量、エンジン510での制御量を算出し、ライダーへの報知方法を決定する。
算出したブレーキ410での制御量は、車両制御装置100に接続したブレーキコントロールユニット400に通信で送信され、ブレーキコントロールユニット400は、アクチュエータであるブレーキ410を動作させ、タイヤ900に対する摩擦力を用いて車両1の減速度(負の加速度)を制御する。
更に、エンジン510での制御量は、車両制御装置100に接続したエンジンコントロールユニット500に通信で送信され、エンジンコントロールユニット500は、エンジン510を動作させる。エンジン510で発生した加速力は、トルクコンバータ520、トランスミッション530、ファイナルギア540を通して倍力され、チェーンとリアスプロケットを介してタイヤ900に伝えられることで、車両1の加速度を制御する。
更に、車両制御装置100で決定したライダーへの報知方法は、車両制御装置100に接続されたメータコントロールユニット600に通信で送信されることで、メータコントロールユニット600によるブザー620を用いた聴覚による警告や、表示装置610を用いた視覚による制御状態通知などを行う。
そして、上述する接続は、例えばCAN(Car Area Network)を用いて行われる。
次に、図2及び図3を用いて、図1に記載したステレオカメラ200が持つ機能の詳細を説明する。
ステレオカメラ200の装置構成を図2に示す。ステレオカメラ200は、撮像部としてのCCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220を持ち、CCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220で得た画像(データ)を画像処理部230に入力して画像に映る検出対象との距離を測定する。検出対象との距離は、通信処理部250を通して車両のCANバスを通して車両制御装置100へ送信される。検出対象との距離は、画像処理部230によって、左右のCCDカメラから得られた画像を処理して計測するが、その原理を、図3を用いて説明する。
図3は、CCDカメラ(右)210、CCDカメラ(左)220、検出対象Aの位置関係を示す図である。CCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220は、車両の前進方向に対して撮像面を向け、地面に対して水平となるように、当該車両に取り付けられる。そして、車両の側面に向けた方向、つまり車両の左右方向又は車幅方向をX軸(X軸方向)とし、X軸に対して直交し、検出対象Aのある方向、つまり車両の前進方向をY軸(Y軸方向)と定義する。検出対象Aはカメラの設置位置よりY軸方向にlの距離が離れている。また、CCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220の焦点距離をfとする。また、CCDカメラ(右)210の撮影面をSr、焦点位置をOrとし、直線A-OrとSrの交点をPrとする。同様に、CCDカメラ(左)220の撮影面をSl、焦点位置をOl、直線A-OlとSlの交点をPlとする。
また、CCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220は、X軸方向に基線長Bだけ離れた位置に配置する。そして、直線A-Orの位置を基線長Bの距離だけ平行移動させた直線A’-OlとSlの交点を、Pr’とし、X軸方向のPlとPr’間の距離を視差pとする。この視差pは、CCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220によりステレオ視で撮影した際の各画像における検出対象Aの結像位置のズレ量に相当する。
そして、図3に示すように、三角形A-Ol-Orと三角形Ol-Pl-Pr’は相似形である。したがって、検出対象Aまでの距離lは、以下の式によって算出することができる。
(数1)
Figure 0007394018000001
よって、基線長B、焦点距離f、及び視差pを明らかにすることで、ステレオカメラ200を用いて検出対象Aまでの距離lを算出することができる。
そして、基線長Bはハードウェアを構成する上でCCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220の設置位置を固定することで明らかにできる。また、焦点距離fも同様にハードウェアを構成する上で、レンズの曲率を固定することで明らかにできる。そのため、CCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220に撮像された画像から、検出対象Aを取り出し、CCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220によるステレオ視を行って得られた視差pを算出することで、距離lを得る。
また、撮像位置と距離lから、検出対象Aが自車両に対してX軸方向にどれだけの距離離れている位置にいるか、三角関数を用いて取得することができる。
この時、CCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220で自車両周辺を撮像し、検出対象Aを自車両前方の車両として適用すれば、自車両前方の車両と自車両が前後方向、側方方向にどれだけの距離(車間距離)があるかを計測することができる。また、検出対象Aを車道外側線や車道中央線などの区画線とすれば、区画線が自車に対して前後方向、側方方向にどれだけの距離があるかを計測し、自車両走行帯(自車両が走行している走行帯)の左右路端位置(走行帯路端位置)を検出することもできる。さらに、自車走行帯を検出するための対象として、車道外側線や車道中央線を含む区画線だけではなく、車道と歩道を分離する段差、道路の色の変化、わだち、ガードレール、ポール、壁、ボッツドッツ、チャッターバー、車道脇の駐車車両や道路工事表示などを含む路上障害物を画像処理によって識別し、それらの識別情報のうちいずれか又は全てを基に左右の自車走行帯路端位置を検出(取得)することができる。この時検出する自車走行帯とは、自車の走行する車線のことを指しており、隣接車線や対向車線を含まない。そのため、自車線を判断するための近傍に存在する対象から自車走行帯を特定し、それより外に存在している対象は走行帯を判定するためには用いない。例えば、自車線から見て、対向車線を挟んで反対側に存在する区画線や壁等の対象を用いて自車走行帯路端は検出しない。
このように、CCDカメラ(右)210とCCDカメラ(左)220を含むステレオカメラ200が撮像した画像から、左右の自車走行帯路端位置と、自車前方を走行する先行車とを同時に認識することができる。そのため、単眼カメラで自車走行帯路端の位置を認識し、ミリ波レーダーを用いて先行車の位置を認識するような場合と違ってセンシングの同時性が確保できるため、センシングタイミングを補正するような処理を省き、シンプルな構成であり、かつ、センシングタイミングのずれを原因とした測定誤差の少ない認識結果を得ることができる。
次に、図4に記載の機能ブロック図を用いて、図1に記載したステレオカメラ200と車両制御装置100の機能ブロックを説明する。なお、車両制御装置100は、内部にCPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータ(マイコンともいう)として構成されており、CPUは、ROMに格納された各種プログラムを実行し、CPUが実行されることで生成される情報はRAMに一時的に格納される。
[ステレオカメラ200の機能ブロック]
ステレオカメラ200(の画像処理部230)は、自車両周辺を撮像した画像データを処理することで自車両周辺の立体物の位置や種別を認識する立体物認識部231を備える。また、ステレオカメラ200(の画像処理部230)は、同様に撮像した画像データから区画線等の走行帯を識別する情報を検出し、自車両の走行する走行帯を検出する走行帯検出部232を備える。
[車両制御装置100の機能ブロック]
そして、ステレオカメラ200と通信によって接続された車両制御装置100では、ライダーのスロットルおよびブレーキ操作を伴わず、自車の前方を走行している車両の速度、または、ライダーがACCコントロールスイッチ700を用いて設定した車速に合わせて走行できるようにするため、自車両に発生させるべき前後方向の加速度、つまり、目標加速度を決定し、その目標加速度を実現するためのエンジン出力、および、ブレーキ出力を計算する。そのため、車両制御装置100は、自車前方を走行している車両(先行車)の速度に合わせて走行するための目標加速度を計算する、先行車に対する目標加速度算出部130と、ライダーが設定した車速に合わせて走行するための目標加速度を計算する、設定車速に対する目標加速度算出部140とを備える。
そして、先行車に対する目標加速度算出部130、及び、設定車速に対する目標加速度算出部140で算出した目標加速度を基に、最終的に自車両の目標加速度をいくらとするかを決定する、目標加速度決定部150を備える。更に、目標加速度決定部150で得た目標加速度を用いて、自車両のエンジン510に対する加速度要求(制御量)を算出してエンジンコントロールユニット500に送信するエンジン加速度要求算出部160と、目標加速度決定部150で得た目標加速度を用いて、自車両のブレーキ410に対する加速度要求(制御量)を算出してブレーキコントロールユニット400に送信するブレーキ加速度要求算出部170とを備えている。
特に、車両制御装置100が備える先行車に対する目標加速度算出部130では、ステレオカメラ200が備える立体物認識部231で得た立体物認識情報と、走行帯検出部232で得た走行帯検出情報を用いて、追従対象先行車情報生成部133により、自車の追従対象とする立体物の識別を行う。例えば隣接車線であり、自車走行帯の外を走行する車両や、歩行者等の自車の追従走行対象として不適切な対象を除外し、以降の処理で用いる追従対象先行車情報を生成する。すなわち、追従対象先行車情報生成部133は、自車両の追従対象先行車を選択する追従対象選択部としての機能も有する。
次に、追従対象先行車情報生成部133で生成した追従対象先行車情報に含まれる追従対象先行車と、自車との前後方向距離を用いて、相対速度計算部135で時間微分を行い、追従対象先行車と自車の相対速度を算出する。次に、相対速度計算部135で得た相対速度、及び、車輪速センサ300から得た自車両の速度を基に、基本目標車間距離計算部136aを用いて、自車両の目標とする前後方向車間距離(目標車間距離)の補正前の値である基本目標車間距離を計算する。
次に、基本目標車間距離計算部136aで計算した基本目標車間距離に対し、目標車間距離補正部136bによって補正を行い、目標車間距離を計算する。この時、目標車間距離補正部136bは、追従対象先行車情報生成部133で取得した追従対象先行車の側方方向位置、背面の幅、また、走行帯検出部232から得た自車から走行帯左右路端までの距離を用いて、追従対象先行車と走行帯路端の間に自車が走行可能な側方方向幅がいくらであるかを判断するため、自車前方走行可能幅を計算する自車前方走行可能幅計算部136b6を備えており、自車前方走行可能幅計算部136b6の計算で得た自車前方走行可能幅を用いて基本目標車間距離に対する補正を行う(詳細は後述)。
次に、目標車間距離補正部136bで計算された目標車間距離、相対速度計算部135で得た先行車と自車の相対速度、追従対象先行車情報生成部133で得た先行車と自車の距離から、対象の先行車に追従して走行するために適切な目標加速度を先行車毎目標加速度計算部137によって先行車毎に計算する。そして、目標加速度選択部138によって、先行車毎目標加速度計算部137で計算した先行車毎の目標加速度の中から、最終的にどの先行車に対して目標加速度を計算するのかを選択し、先行車に対する目標加速度算出部130の出力を選択する。
[車両制御装置100のACCの加速度制御]
次に、車両制御装置100で行うACCの加速度制御の処理内容について、図5のフローチャートを用いて説明する。車両制御装置100に組み込まれている処理は、図5のフローチャートに記載の処理を定周期で実施する。車両制御装置100は、前述した車間距離や、設定車速、自車速を受け取り、図5のフローチャートに記載の処理を繰り返し実行することでACCの加速度制御を行う。
本処理内容を説明する上で、記号を以下のように定義する。
自車両の速度をVhとする。
先行車両の速度をVpとする。
相対速度をVdiffとし、正の値を離れる方向とする。
設定車速をVtgtとする。
先行車との距離をlとする。
車頭時間をThとする。
先行車に追従して停車した場合の先行車との距離をLoffsetとする。
補正を行う前の目標車間距離(基本目標車間距離)をl_tgt_baseとする。
目標車間距離の補正量をl_tgt_offsetとする。
目標車間距離をl_tgtとする。
目標加速度をTgtAとする。
先行車に対する目標加速度をTgtA_Pvとする。
設定車速に対する目標加速度をTgtA_Spdとする。
エンジンへの加速度要求AccelReq_Egとする。
ブレーキへの加速度要求AccelReq_Brkとする。
エンジンブレーキで発生する加速度をEgBrkAccelとする。
加速度制御処理の実行周期をTcとする。
先行車両の背面の幅(車幅)をwidth_pとする。
側方方向における自車中央から先行車両中央までの距離(側方位置)をside_posとする。
側方方向における自車中央から先行車両左右いずれか近い方の端位置までの距離(左右端側方位置)をside_pos_edgeとする。
自車の幅(車幅)をwidth_oとする。
側方方向における自車中央から自車両走行帯(走行車線)の左端までの距離(自車左方向路端位置)をleft_road_edgeとする。
側方方向における自車中央から自車両走行帯(走行車線)の右端までの距離(自車右方向路端位置)をright_road_edgeとする。
先行車と走行帯路端の間に存在する自車が進入しても先行車と衝突しない領域を示す側方方向距離(自車前方走行可能幅)をsafe_widthとする。
車両制御装置100によるACCの加速度制御は、処理S101から開始して判断S110から実行する。
判断S110のACC制御許可判断では、以下に挙げるようないずれかの状態になっており、ACCの制御ができなくなっていないかを判断する。
・故障が発生している。
・カメラの画像が取得できない(悪天候やレンズの汚れ)。
・スイッチ操作でACCを無効化している。
・ブレーキペダルを踏んでいる。
・ブレーキレバーを握っている。
・ドライブレンジ以外の選択ギア位置となっている。
・クラッチを離して一定時間経過している。
・制御ができないような速度で走行している。
・走行速度に対するギア位置が不適切な組み合わせで一定時間経過している。
・自車両のバンク角が一定以上になっている。
上記のいずれかの状態になっている場合は、ACCの制御を行うのは不適切とし、制御禁止とする。また、上記のいずれの状態にもなっていない場合は、制御許可とする。判断S110において、制御禁止と判断した場合は、処理S165と処理S175を実行してエンジンへの加速度要求AccelReq_Egとブレーキへの加速度要求AccelReq_Brkを解除することで、制御を行わないようにする。
判断S110において、制御許可と判断した場合は、処理S130から処理S170を実行していく。
(先行車に対する目標加速度算出部130による処理S130)
次に処理S130では、先行車に対する目標加速度TgtA_Pvを算出する。先行車に対する目標加速度を計算する処理を、図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、処理S131から開始して、処理S132にて、TgtA_Pvを無効値で初期化する。
(追従対象先行車情報生成部133による処理S133、S134)
次に、処理S133へ進み、ステレオカメラ200から得た情報を用いて、自車の追従対象とする先行車情報を生成する。自車の追従対象とする先行車情報は、ステレオカメラ200(の立体物認識部231)から、自車前方向に存在する立体物の情報として、立体物の自車から見た側方方向における幅の中央位置から自車両幅中央位置までを計測した側方方向位置である側方位置side_pos(図10等参照)、立体物後端から自車先端までの前後方向位置である距離l(図10等参照)、パターンマッチングによって取得した、四輪自動車、歩行者、自転車、バイク、その他立体物といった立体物種別、立体物の自車から見た(背面の)幅width_p(図10等参照)を取得する。この時、自車前方に存在する立体物の情報は1つに限られるものではなく、通常複数の立体物情報を同時に取得する。また、立体物と合わせて、ステレオカメラ200(の走行帯検出部232)から、車両右方向の走行帯路端位置、および、左方向の走行帯路端位置を取得する。そして、複数検出した立体物に対して、対象が自車走行帯上に存在しているかを、側方位置、および、幅の情報から判断する。具体的には、側方位置と、幅の半分とを左右方向にそれぞれ加算した立体物側方方向左端位置、立体物側方方向右端位置を算出する。そして、立体物側方方向左端位置が自車走行帯右端位置より左側になっており、立体物側方方向右端位置が自車走行帯左端位置より右側になっていることを判断して、自車走行帯上にその立体物が存在していることを判断して、自車の追従対象として選択する。
図14に示す俯瞰図の例によれば、立体物10(ここでは四輪自動車)の側方位置side_pos、幅width_pから計算した立体物側方方向右端位置right_side_pos_edgeが、自車走行帯左端位置left_road_edgeよりも右側に存在しており、立体物側方方向左端位置left_side_pos_edgeが、自車走行帯右端位置right_road_edgeよりも左側に存在しているため、立体物10は自車走行帯上に存在しているとして扱う。一方、図15に示す俯瞰図の例によれば、立体物20(ここではバイク)の側方位置side_pos、幅width_pから計算した立体物側方方向左端位置left_side_pos_edge、が、自車走行帯右端位置right_road_edgeよりも右側に存在しているため、立体物20は自車走行帯上に存在しているとして扱わない。
この時、区画線が経年劣化で薄くなる、また、汚れの付着や水たまりの発生、積雪の影響で区画線を検出できなくなるなど、自車両走行帯左右路端位置を検出できなくなる(換言すれば、走行帯を判断するための外界認識情報を取得できなくなる)場合がある。この時は、自車走行帯左路端位置を自車両(の進行路)から左方向に2[m]の位置、また、自車走行帯右路端位置を自車両(の進行路)から右方向に2[m]の位置といったように、自車両(の進行路)から左右側方に一定の距離幅の領域を自車走行帯と置き換えて計算する。なお、自車両の進行路は、自車速やバンク角などから推定することができる。このように自車両の進行路から左右側方に一定間隔の幅を持った領域を自車走行帯として扱うことにより、自車両走行帯路端位置をステレオカメラ200で検出できない(換言すれば、走行帯を判断するための外界認識情報をステレオカメラ200から取得できない)時も、自車走行帯上を走行している立体物であるかを判定することができる。
また、自車両が走行帯路端を跨って車線変更を行って3[s]間など、自車両が車線変更を行った後一定時間以内は、車線変更前の走行帯路端位置を自車に対して適切な走行帯路端位置として扱うことで(図16参照)、駐車車両などの障害物を回避する際に一時的に車線変更を行った場合でも追従対象となる車両を追従対象外とせず、適切な車間距離の制御および加速度の制御が可能となる。
更に、検出した対象について、立体物の種別が、四輪自動車、バイクのいずれかである場合は、自車の追従対象として設定し、歩行者や自転車、およびその他の立体物については、自車の追従対象として設定しないようにする。
こうして、自車の追従対象とする立体物をステレオカメラ200から複数検出した結果の中から抽出(選択)し、前述した追従対象先行車情報を生成し、判定S134へ進む。
判定S134では、処理していない追従対象先行車の存在有無を判定して、処理を終了するかを判定する。処理S133から判定S134へ進んだ場合、処理S133で生成した追従対象先行車情報を用いて追従対象先行車が存在しているかを判定し、追従対象とする先行車が存在しなかった場合は、処理S139へ進んで、処理S130を終了する。この場合、処理S132で無効値で初期化したTgtA_Pvが更新されないため、処理S130以降で用いるTgtA_Pvは無効値、つまり、先行車に対する目標加速度が用いられず、先行車に対する追従制御を行わないことを意味している。一方、判定S134で追従対象とする先行車が存在した場合は、処理S135へ進み、以降の処理を用いて先行車に対する目標加速度TgtA_Pvの更新を行う。
(相対速度計算部135による処理S135)
処理S135では、追従対象とした先行車両と自車両の相対速度Vdiffを計算する。追従対象先行車情報の中には、ステレオカメラ200で取得した立体物に対する前後方向の距離lと、逐次RAMに保存しておいた1周期前、つまり、制御周期Tc前の前後方向の距離lを含んでいる。その差をとって制御周期Tcで除算することで、相対速度Vdiffを得ることができる。
(基本目標車間距離計算部136aによる処理S136a)
次に、処理S136aで基本目標車間距離l_tgt_baseを算出する。基本目標車間距離l_tgt_baseは以下の式により算出する。
(数2)
Figure 0007394018000002
この時、Thには1~3[s]の数値を設定し、Loffsetには3~5[m]の数値を設定する。また、Th及びLoffsetはライダーの好みやステアリングスイッチの操作状況に応じて変化させる機能を設けることで、ライダーの嗜好に合った車間距離で走行することが可能になる。計算に用いる先行車両速度Vpは、(自車両速度Vh+相対速度Vdiff)で求めることができる。
(目標車間距離補正部136bによる処理S136b)
次に、処理S136bを用いて、処理S136aで計算した基本目標車間距離l_tgt_baseに対して補正を行い、目標車間距離l_tgtを計算する。処理S136bの処理を、図7のフローチャートを用いて説明する。
処理S136bではまず、処理S136b1から開始して、判定S136b2で、対象の先行車両が最近傍の車両であるかを判定する。具体的には、処理S133で生成した追従対象先行車情報の中に複数登録されている先行車両の中で、今回処理する先行車両の前後方向距離が自車両に対して最も近い場合は最近傍と判定し、処理S136b3へ進む。最近傍でないと判断した場合は、処理S136b8へ進み、目標車間距離l_tgtに対して処理S136bの実行までに計算した基本目標車間距離l_tgt_baseを設定し、追従対象先行車情報に属する車群走行中情報group_rideをOffで設定し、目標車間距離に対する補正を行わず、処理S136b9へ進んで処理S136bを終了する。つまり、複数の先行車両を追従対象として検出している場合は、自車両に対して前後方向距離が最も近い先行車両に対してのみ補正を行い、自車両に対して前後方向距離が最も近い先行車両でない先行車両に対しては補正を行わず、処理S136bを終了する。
判定S136b2によって、前後方向最近傍の先行車両に対してのみ補正を行うようにすることで、先行車より前方に存在している先行車両に対する車間距離を短くしないようにしている。これは、千鳥走行を行う時、左右交互に各車両の位置取りを行うため、自車の前後方向直前、つまり最近傍の車両が距離を詰めて走行する左右のいずれかにずれた対象であり、最近傍の先行車より前方に存在する車両は自車と側方位置関係がずれていないことが隊列上望ましい車両として扱える。そのため、最近傍の先行車より前方に存在する車両は距離を短くする補正の対象外とすることで、ライダーに対する違和感を低減できる。特に、先行車より前方に存在する車両が自車から左右方向に位置を適宜ずらしながら走行しているようなシーンでは前後方向距離が変化していないにもかかわらず目標車間距離を離したり、近づけたりすることで、自車の加減速を引き起こさず、燃費や乗り心地の面で有利となる。
処理S136b3以降、処理S136b62または処理S136b63までは、目標車間距離補正部136bにおける自車前方走行可能幅計算部136b6により実行される。
処理S136b3では、以降の処理で使用するための先行車両の自車両における左右端側方位置side_pos_edge(図10、図11、図12参照)を計算する。左右端側方位置side_pos_edgeは、先行車両の背面の幅width_p(図10、図11、図12参照)、側方位置side_pos(図10、図11、図12参照)を用いて以下の式で得られる。
(数3)
Figure 0007394018000003
この時用いる先行車両の背面の幅width_pと側方位置side_posは、ステレオカメラ200(の立体物認識部231)で取得する。また、この時用いる側方位置side_posは、自車両を基準として、右方向を正の値、左方向を負の値として扱う。結果として、左右端側方位置side_pos_edgeは、自車両(側方方向)中心から先行車両左端までの側方方向距離、または、自車両(側方方向)中心から先行車両右端までの側方方向距離として得ることができる。
次に、判定S136b4へ進み、先行車両側方位置が正面となっているかを判断する。先行車両側方位置が正面となっているかの判断方法は、左右端側方位置side_pos_edgeの絶対値と、自車両の車幅width_oの半分の値とを比較し、左右端側方位置side_pos_edgeの絶対値が自車両の車幅width_oの半分の値より小さい場合、先行車両側方位置が正面となっている、つまり自車両正面に先行車両が存在していると判断できる(一例として図12の場合)。この時用いる自車両の車幅width_oは、自車両固有のパラメータとしてあらかじめ車両制御装置100に搭載されたROMに組み込んでおき参照する。判定S136b4で自車両正面に先行車両が存在していると判定した場合は、処理S136b5へ進み、目標車間距離l_tgtに対して処理S136bの実行までに計算した基本目標車間距離l_tgt_baseを設定し、追従対象先行車情報に属する車群走行中情報group_rideをOffで設定し、目標車間距離に対する補正を行わず、処理S136b9へ進んで処理S136bを終了する。
判定S136b4で、左右端側方位置side_pos_edgeの絶対値と、自車両の車幅width_oの半分の値とを比較し、左右端側方位置side_pos_edgeの絶対値が自車両の車幅width_oの半分の値以上で、自車両正面に先行車両が存在していないと判断した場合、判定S136b61へ進む。
なお、判定S136b4の、自車両正面に先行車両が存在しているか否かの判断は、先行車両と走行帯路端位置との距離が自車両の車幅以上であるか否かの判断と同意である。つまり、この判定S136b4によって、先行車両と走行帯路端との距離が自車両の車幅以上である先行車両に対してのみ補正を行い、先行車両と走行帯路端との距離が自車両の車幅未満である先行車両に対しては補正を行わず、処理S136bを終了することになる。
判定S136b4によって、自車両正面に存在していない先行車両に対してのみ補正を行うようにすることで、自車両正面に存在している先行車両に対する車間距離を短くしないようにしている。これは、千鳥走行を行う時、自車両正面に存在していない先行車両が対象であり、自車両正面に存在している先行車両は、マスツーリング(千鳥走行)の対象外とすることで、ライダーに対する違和感を低減できる。また、自車両正面に存在している先行車両、つまり、先行車両と走行帯路端位置との距離が自車両の車幅未満で狭い先行車両は距離を短くする補正の対象外とし、自車両正面に存在していない先行車両、つまり、先行車両と走行帯路端位置との距離が自車両の車幅以上で広く確保されている先行車両は距離を短くする補正の対象とすることで、ライダーに対する違和感を低減できる。
判定S136b61では、先行車両の側方位置が右方向にずれている(一例として図10の場合)のか、または、左方向にずれている(一例として図11の場合)のかを判定する。先行車両の側方位置side_pos、または、左右端側方位置side_pos_edgeが正の値であれば、先行車両が右方向にずれた位置を走行しているとして、処理S136b62へ進み、正の値でなければ、先行車両が左方向にずれた位置を走行しているとして、処理S136b63へ進む。
処理S136b62では、左右端側方位置side_pos_edgeと自車左方向路端位置(左路端位置ともいう)left_road_edge(図10参照)から、以下の式によって、自車前方走行可能幅safe_width(図10参照)を算出する。
(数4)
Figure 0007394018000004
また、処理S136b63では、左右端側方位置side_pos_edgeと自車右方向路端位置(右路端位置ともいう)right_road_edge(図11参照)から、以下の式によって、自車前方走行可能幅safe_width(図11算出)を算出する。
(数5)
Figure 0007394018000005
処理S136b62および処理S136b63で用いる自車左方向路端位置left_road_edgeと自車右方向路端位置right_road_edgeは、側方位置side_posと同様に自車両中心を基準として、右方向を正の値、左方向を負の値として扱われ、ステレオカメラ200(の走行帯検出部232)によって測定される。
処理S136b62および処理S136b63で算出された自車前方走行可能幅safe_widthは、先行車と走行帯路端の間に存在する自車が進入しても先行車と衝突しない領域(自車が走行可能な側方方向幅)を示している。処理S136b62および処理S136b63で自車前方走行可能幅safe_width(先行車両と走行帯路端との距離に相当)を得る際、先行車両から見て自車両が存在する側方方向に存在する走行帯路端との距離を用い、先行車両が自車より右方向に存在している場合(図10参照)は左側路端、先行車両が自車より左方向に存在している場合(図11参照)は右側路端との間の幅を得ることで、自車より右方向に存在している先行車両と右側路端との幅のような先行車両の真後ろを横切って走行しなければ到達できないような領域を省き、自車の正面領域(言い換えれば、進行路方向領域)で先行車両と衝突しないような領域の幅を得る。
そして、処理S136b62または処理S136b63によって自車前方走行可能幅safe_widthを求めた後、処理S136b71へ進む。
処理S136b71では、自車前方走行可能幅safe_widthを用いて処理S136aで計算した基本目標車間距離l_tgt_baseに対して補正を行い、目標車間距離l_tgtを設定する。基本目標車間距離l_tgt_baseに対して行う補正量l_tgt_offsetは、自車前方走行可能幅safe_widthと基本目標車間距離l_tgt_baseによってあらかじめ設定されたマップ値を基に演算する。この時使用するマップ値は、正の値が設定される。自車前方走行可能幅safe_widthが補正下限走行幅閾値より小さい場合、例えば補正下限走行幅閾値として1.4mを設定し、1.4mより小さな場合は、補正量l_tgt_offsetを0[m]とする。自車前方走行可能幅safe_widthが補正上限走行幅閾値より大きい場合、例えば補正上限走行幅閾値として1.8mを設定し、1.8mより大きく、自車前方走行可能幅safe_widthが十分に広い場合は、補正量l_tgt_offsetを基本目標車間距離l_tgt_baseに応じた最大補正量とする。自車前方走行可能幅safe_widthが補正下限走行幅閾値から補正上限走行幅閾値の間である場合は、基本目標車間距離l_tgt_baseに応じた最大補正量と0[m]の間をなめらかにつなぐようにパラメータを設定する。また、基本目標車間距離l_tgt_baseの値が大きい場合、つまり、目標とする距離が広い場合は、補正量l_tgt_offsetを大きくして、先行車両により近い位置で走行できるようにしつつ、基本目標車間距離l_tgt_baseの値が小さい場合、つまり、目標とする距離が短い場合は、補正量l_tgt_offsetを小さくして、先行車の加減速や路面勾配の変化による加減速の発生によって即座に先行車両の側面に割り込んでしまわないように距離を広めに設定するように調整する。このパラメータは、搭載する車両の加減速に対する応答性、軌道変更時の機敏性、搭載車両のよく使われる気候や道路環境、ライダーが加減速を頻繁にコントロールして距離を保つようなシーンが多いか、距離の変動に関わらず、加減速の発生を抑止したようなシーンが多いかの特徴などに応じて、補正量、および、補正下限走行幅閾値と補正上限走行幅閾値をあらかじめ実験によって調整しておき、決定したパラメータを車両制御装置100に搭載しているROMに組み込みしておく。こうして演算によって得られた補正量l_tgt_offsetを、基本目標車間距離l_tgt_baseから減算し、目標車間距離l_tgtに設定することで、基本目標車間距離l_tgt_baseに対して補正を行った結果を目標車間距離l_tgtに設定することができる。
この構成とすることで、先行車が左右にふらつきながら走行している時や、自車両が左右にふらつきながら走行していても、補正上限走行幅閾値より広い自車前方走行可能幅safe_widthが確保できていれば、目標車間距離l_tgtが変化しない(一定)ため、加減速が少なく、燃費が良く、乗り心地の良い運転が可能となる。一方、補正下限走行幅閾値より狭いようない自車前方走行可能幅safe_widthとなるシーンでは、先行車両に対して接近しすぎてしまうようなシーンを抑止し、安全性を両立することができる。
上記の構成の一例として、先行車の車速を一定とした場合の、基本目標車間距離l_tgt_base、補正量l_tgt_offset、自車前方走行可能幅safe_width、目標車間距離l_tgtの関係を図13を用いて説明する。自車前方走行可能幅safe_widthが0[m]から補正下限走行幅閾値である1.4[m]の間は、補正量l_tgt_offsetがゼロになり、基本目標車間距離l_tgt_baseと目標車間距離l_tgtの値が等しく(一定に)なる。自車前方走行可能幅safe_widthが補正下限走行幅閾値である1.4[m]から補正上限走行幅閾値である1.8[m]の間は、自車前方走行可能幅safe_widthの値に比例して補正量l_tgt_offsetが変化し(大きくなり)、自車前方走行可能幅safe_widthが補正上限走行幅閾値である1.8[m]より大きくなると、補正量l_tgt_offsetが最大となる。結果として自車前方走行可能幅safe_widthが補正下限走行幅閾値である1.4[m]から広くなるにつれて、換言すると、先行車両と走行帯路端との距離が長いほど、目標車間距離l_tgtが短くなり、自車前方走行可能幅safe_widthが補正上限走行幅閾値である1.8[m]より大きくなると、目標車間距離l_tgtが最短(基本目標車間距離l_tgt_baseに応じた一定値)となるようにする。
また、この時ステレオカメラ200(の走行帯検出部232)で得た自車走行帯路端位置の、前後方向における自車に対する横位置変化を用いて得た道路曲率(自車両前方の走行帯の曲率)を用いて、補正量l_tgt_offsetをさらに補正する構成とすることもできる。具体的には、道路曲率が一定以上大きくなるような場合は、道路曲率の増大に応じて目標車間距離l_tgtを短くするための補正量l_tgt_offsetの適用割合を小さくするように調整する。これは、道路曲率が大きい急カーブやワインディングロードを走行する際、自車および先行車両が走行帯内のライン取りを各々行い、自車に対する先行車の左右方向位置が激しく変化する。また同様に、自車および先行車に対する走行帯路端の側方位置が激しく変化することが多いため、車群は千鳥走行の隊列を崩し、一列となって走行することが多い(図17参照)。そのため、千鳥走行に基づいた目標車間距離の補正量を小さくすることで、ライダーの違和感を抑止することができる。
次に、処理S136b72へ進む。
処理S136b72では、車群走行中情報group_rideの更新を行う。処理S136b71の処理を行う場合は、自車両が先行車両を含んだ車群で千鳥走行(並行走行)を行っていることを示している。次周期の車両制御処理へ反映させる目的で、追従対象先行車情報に属する車群走行中情報group_rideをOnで設定し、処理S136b9へ進み、処理S136bを終了する。
こうして、処理S136bでは、基本目標車間距離l_tgt_baseに対して自車前方走行可能幅safe_width等に基づく補正量l_tgt_offsetを用いて補正を行い、目標車間距離l_tgtを計算する。
(先行車毎目標加速度計算部137による処理S137d1、S137d2、S137p1、S137p2、S137p3)
図6に戻り、次に、判定S137d1を行い、先行車が目標車間距離より近くなっているのか(l_tgt≧l?)を判断し、近い場合は、処理S137p1で離間するための目標加速度を計算し、TgtA_Tmpに設定する。また、判定S137d1の結果、先行車が目標車間距離より遠かった場合は、判定S137d2を行い、処理S135で計算した相対速度が離れる、つまり、先行車の方が自車より速いか(Vdiff≧0?)の判断を行う。先行車の方が自車より速い場合は、処理S137p2にてTgtA_Tmpに無効値を設定する。
判定S137d2の結果、先行車の方が自車より遅い場合は、処理S137p3で追いつきするための目標加速度計算を行って、TgtA_Tmpに設定する。
処理S137p1で行う、離間するための目標加速度の計算を以下に説明する。離間するための目標加速度TgtA_Pv_Leaveは、Vdiff、及び、l_tgtとlの偏差に基づいてあらかじめ設定されたマップ値を基に演算する。マップ値は、先行車に対して近づきながら速度を低下させる、先行車と離間しながら速度を低下させる、先行車と離間しながら加速するなどを行い、先行車との相対速度をゼロにするように加速度を連続的に変化させて速度が制御できるように設定する。先行車との相対速度に応じて、先行車に対して近づきながら速度を低下させる状況や、先行車と離間しながら速度を低下させる状況を飛ばして、先行車と離間しながら加速のみを行うように制御する場合もある。
処理S137p3で行う、追いつきするための目標加速度計算を以下に説明する。追いつきするための目標加速度TgtA_Pv_Approachは、以下の計算式で行う。
(数6)
Figure 0007394018000006
更に、長距離から減速を開始してしまい、その間に先行車が加速して減速エネルギー分を無駄にしてしまう、また、乗り心地の悪化をしてしまわないように、lが減速開始閾値l_Thrより短くならなければTgtA_Tmpを無効値とし、lが減速開始閾値l_Thrより短ければTgtA_TmpにTgtA_Pv_Approachを設定することで、追いつきするための目標加速度計算を行う。減速開始閾値l_Thrは通常、ライダーがACCを使わずに運転する際の挙動を目安として、70m~130m前後の値を設定すると、違和感の少ない制御となる。また、この減速開始閾値l_Thrは、自車速などによって可変とすることも考慮される。
(目標加速度選択部138による処理S138d、S138p)
次に、判定S138dによって、処理S137p1、処理S137p2、または、処理S137p3によって得たTgtA_Tmpと処理S132によって無効値で初期化したTgtA_Pvとを比較する。TgtA_TmpがTgtA_Pvより小さい場合、処理S138pへ進み、TgtA_PvをTgtA_Tmpの値で上書き更新する。TgtA_TmpがTgtA_Pvより小さいということは、目標加速度が負の方向に対して大きい、つまり、先行車が、自車がより強い減速制御を用いて車間距離を制御する必要がある追従対象である。そのため、目標加速度の最も小さな対象を選択する。この時、TgtA_TmpまたはTgtA_Pvに無効値が設定されている場合は、無効値を最大の値として定義する。例えばTgtA_Tmpが+1[m/s2]、TgtA_Pvが無効値であった場合は、TgtA_Tmpの方が小さな値として扱い、処理S138pでTgtA_Pvを+1[m/s2]へと更新する。こうして、TgtA_Pvを更新した後は、判定S134へと進む。また、判定S138dで、TgtA_TmpとTgtA_Pvを比較した結果、TgtA_TmpがTgtA_Pv以上となっている場合は、処理S138pを行わず、判定S134へ進む。
そして、判定S138dまたは処理S138pから判定S134へと進んできた場合、再度先行車情報の有無を判定する。この際、処理S135から処理S138dまたは処理S138pでTgtA_Tmpを計算するのに用いた追従対象先行車情報は判定S134では無視され、追従対象先行車情報として抽出されたその他の追従対象先行車情報の有無を判定する。処理されていない追従対象先行車情報が存在しなくなった場合は、処理S139へ進んで処理S130を終了し、処理していない追従対象先行車情報が存在している場合は、処理S135へ進んで再度TgtA_Pvを更新するかを判定し、処理していない追従対象先行車情報が無くなるまで処理を繰り返し行う。
先行車に対する目標加速度算出部130による処理S130によって、複数検出した追従対象先行車に対して、安全な車間距離を保つような制御が可能となり、例えば、先行車両が先行車両の前を走る先行車両の減速に合わせて減速を開始する前に、自車の減速を開始し、遅れの少ない減速制御を行うことが可能になる。また、この時、先行車両の前を走る先行車両と自車両の距離lが広く、減速の開始が遅くても問題ないような場合は、自車両の直近に存在する先行車両に対して加減速を調整することができる。
(設定車速に対する目標加速度算出部140による処理S140)
図5に戻り、処理S140では、設定車速Vtgtに対する目標加速度TgtA_Spdを算出する。TgtA_Spdは、以下の式により計算する。
(数7)
Figure 0007394018000007
上記の式のKは正の定数となり、0.001~0.02で設定する。また、Kは、加速をする場合は大きく、減速する場合は小さくするといった可変値にすると、減速にブレーキを使わないような、燃費の良い運転にしやすい。また、Vhが大きいときは、加速を弱く、減速を強くするように、Kを可変値として調整することで、安全性を高めることもできる。このように、Kを可変値とした調整は、車両の安定性や、搭載車両を購入するライダーの嗜好傾向に応じて調整するのが望ましい。
(目標加速度決定部150による処理S150)
処理S150では、自車両の目標加速度TgtAを決定する。目標加速度TgtAは、処理S130で算出したTgtA_Pvと処理S140で算出したTgtA_Spdとを比較して小さい方、つまり、より減速する方を選択し、TgtAとする。また、TgtAの値が急変してしまうと車両の挙動が不安定になってしまうため、変化量リミットや一次遅れフィルタを用いることで、TgtAの値の変化を滑らかにするのが望ましい。更に加速側の変化量リミットは、乗り心地の良さを優先して抑制を強くし、減速側の変化量リミットは、安全性を優先して、変化量リミットを正負の方向に応じて非対称にし、加速をしにくく、減速をしやすくするのが望ましい。
(エンジン加速度要求算出部160による処理S160)
処理S160では、自車両のエンジン510への加速度要求AccelReq_Egを算出する。
エンジンへの加速度要求AccelReq_Egは、処理S150で算出した目標加速度TgtAに基づいて計算される。処理S160の内容を図8を用いて説明する。
まず、処理S161から開始して、処理S162によってエンジンブレーキで発生する加速度EgBrkAccelを計算する。EgBrkAccelは、エンジンによる減速度と走行抵抗による減速度とを加算して計算する。エンジンによる減速度は、Vhに応じてエンジンやトランスミッションの諸元や変速比に応じて設定した値を設定する。また、走行抵抗は、車両の形状に応じた空気抵抗の係数とVpを用いて計算する。また、路面の勾配を、車両に搭載された前後加速度センサ値と車輪速の時間微分値との比較から算出して、勾配抵抗として走行抵抗に加算する。次に、処理S163では、処理S162で算出したEgBrkAccelを下限として、TgtAに下限リミットを行い、エンジンの出力制御で操作できる加速度に制限し、AccelReq_Egに設定する。そして、処理S164でAccelReq_Egに不感帯処理を施して、エンジンでの出力が微小に変動することで車体に振動が発生することによる、ライダーに与える違和感を無くす。そして、処理S169へ進んで処理S160を終了する。
(ブレーキ加速度要求算出部170による処理S170)
処理S170では、自車両のブレーキ410への加速度要求AccelReq_Brkを算出する。
ブレーキへの加速度要求AccelReq_Brkは、処理S150で算出した目標加速度TgtAと、処理S160で算出した加速度要求AccelReq_Egに基づいて計算される。処理S170の内容を図9を用いて説明する。
まず、処理S171から開始して、処理S172によって、目標加速度TgtAから加速度要求AccelReq_Egを減算し、ブレーキで必要な目標ブレーキ減速度TgtA_Brkを計算する。次に、判断S173と判断S174によって、ブレーキの制御が未開始(AccelReq_Brk_Old=0)の時にブレーキ要求(=TgtA_Brk)がTgtABrkInitThrの値より小さいような弱いブレーキであるかを判断し、判断S173と判断S174の条件がともに成立している場合は、処理S175によって処理S172で計算した目標ブレーキ減速度TgtA_Brkをゼロにして無効化する。判断S173から処理S175の一連の処理を入れることで、ブレーキの作動と解除が繰り返されず、作動状態を継続し、車両ががたついてしまうような現象が発生しなくなり、乗り心地が良くなる。この時、TgtABrkInitThrは定数値として設定し、TgtABrkInitThrを大きくしすぎると減速開始が遅れて急ブレーキ気味になる。逆にTgtABrkInitThrを小さくしすぎると車両のがたつきが抑えられなくなる。そのため、車両のブレーキ性能や安定性に応じておよそ0.1[m/s2]で設定するのが望ましい。
次に、処理S176でTgtA_Brkに対してゼロを下限としたリミット処理を行い、AccelReq_Brkとすることで、ブレーキに対して誤って加速要求が出ないようにする。次に、処理S177でAccelReq_Brkに不感帯処理を行うことで、ブレーキでの出力が微小に変動することで車体に振動が発生することによる、ライダーに与える違和感を無くし、最終的なブレーキへの加速度要求AccelReq_Brkとする。処理S178では、判定S173でブレーキ制御開始を判断するため、AccelReq_BrkをRAM等に保持しておき、処理S179へ進んで処理S170を終了する。
そして、処理S102へ進んで、車両制御装置100によるACCの加速度制御を終了する。なお、処理S160で算出されたエンジン510への加速度要求AccelReq_Egは、当該車両制御装置100からエンジンコントロールユニット500に送信される。処理S170で算出されたブレーキ410への加速度要求AccelReq_Brkは、当該車両制御装置100からブレーキコントロールユニット400に送信される。
車両制御装置100では、図5などで示した加速度の制御以外にも、ACCを制御する上で、ライダーに情報を提示するための表示情報を生成する処理と、車両CANバスから目的の情報を受信したり、逆にACCの制御情報を送信する通信処理を行う。
表示情報を生成する処理は、ACCコントロールスイッチ700(図1、図2)から得たスイッチ情報や、判断S110(図5)の条件に伴い、制御中かどうかを示す表示を判断する。また、ステレオカメラ200(図1、図2)で制御対象となる先行車が検出できているかどうか、処理S140(図5)で使用する設定車速などの制御情報を表示情報として設定する。
通信処理では、前述の加速度の制御として計算したAccelReq_Brkをブレーキユニット400(図1、図2)に、AccelReq_Egをエンジンコントロールユニット500(図1、図2)に送信し、表示情報を生成する処理で生成した表示情報をメータコントロールユニット600(図1)へ送信する。
ACCコントロールスイッチ700は、車両のステアリングハンドルに設置したスイッチや、ステアリングコラムに取り付けたレバーなど、ライダーが運転中に容易に操作できる場所に設置され、ライダーのACC制御開始、ACC制御解除、ACC走行時の設定速度変更を行うために使用する。ACCコントロールスイッチ700は、ACCの開始をするためのスイッチ、ACCの解除をするためのスイッチ、ACC走行時の設定速度をプラス方向に変更するためのスイッチ、マイナス方向に変更するためのスイッチ、また必要に応じてACCを使えるようにするためのスイッチ、追従走行時の車間距離変更スイッチを備える。更に、ACC制御を実行中は、ACCの開始をするためのスイッチをACC走行時の設定速度をプラス方向に変更するためのスイッチと読み替えるなど、スイッチの種類増加によるコスト増加を防ぐ構成とすることもできる。
ブレーキコントロールユニット400は、車両制御装置100(のブレーキ加速度要求算出部170)から送信されたAccelReq_Brkを用いてブレーキ410を制御し、タイヤ900に対して制動力を発生させることで車両の加速度(つまり減速度)を制御する。この時、ブレーキコントロールユニット400は、自車両の重量やタイヤ動半径、ブレーキの有効径などにより、AccelReq_Brkに対して発生させるブレーキ出力を調整する機能を持つ。
エンジンコントロールユニット500は、車両制御装置100(のエンジン加速度要求算出部160)から送信されたAccelReq_Egを用いてエンジン510を制御し、トルクコンバータ520、トランスミッション530、ファイナルギア540を通してタイヤ900に対して駆動力を発生させることで車両の加速度を制御する。この時、エンジンコントロールユニット500は、自車両の重量やタイヤ動半径、トルクコンバータ520、トランスミッション530の状態を考慮してAccelReq_Egに対して発生させるエンジントルクを調整する機能を持ち、エンジン510のエンジンスロットル開度や噴射量を制御する。更に必要に応じてトランスミッション530の変速比も制御することで、目的の加速度を得られるようにする。
メータコントロールユニット600は、車両制御装置100から通信された表示情報に応じて、表示装置610やブザー620を制御し、ライダーに聴覚による警報や視覚による制御状態の通知を行う。
以上で説明したように、本実施形態の車両制御装置100は、ステレオカメラ(外界認識装置)200を用いて自車両前方の先行車両との間に設定した目標車間距離に基づいて、前記自車両の加速度制御を行うもので、前記自車両が複数台並行走行可能な走行帯を前記先行車両に追従して走行する際に、前記ステレオカメラ(外界認識装置)200を用いて認識した前記先行車両および前記走行帯の情報に基づき、前記先行車両と前記走行帯の側方方向の走行帯路端との距離(=自車前方走行可能幅)に応じて、前記先行車両への追従時の目標車間距離を補正する目標車間距離補正部136bを有する。
また、前記目標車間距離補正部136bは、前記先行車両と前記走行帯路端との距離(=自車前方走行可能幅)が長いほど、前記目標車間距離を短く補正する(前記目標車間距離を短く補正する補正量を大きくする)。
すなわち、自車走行路の路端位置と追従対象となる先行車両との距離(言い換えれば、走行帯路端に対する先行車両の距離)に応じて、先行車両追従時の目標となる前方車間距離に補正を行う。
本実施形態の車両制御装置100によれば、先行車両との車間距離や相対速度を安全に保ちつつ、自動で自車両の駆動力を制御する時、走行帯内の、自車両、および、追従対象となる先行車両の走行位置に応じて、違和感の少ない車間距離で走行することが可能となる。
次に、前述した本発明の一実施形態である車両制御装置100に対しての変形例を説明する。
<変形例1>
変形例1として、車両構成について説明する。
図1で示す車両構成では、エンジンを用いる車両を記載しているが、本発明は、車両加速度の制御方法を対象としているため、電気車両やハイブリッド車両、水素車両等、あらゆる原動機を使用する車両に対して有効となる。例えば電気車両を対象とする場合は、エンジンをモータに置き換えることができる。電気車両を対象とする場合は、エンジン車両と異なり、エンジンブレーキが無くなって回生ブレーキやバッテリーマネジメントの観点が入ってくるため、処理S162(図8)で算出するEgBrkAccelを変更することで、本実施形態を容易に流用することができる。
また、本実施形態で示した車両制御装置100の機能は、ソフトウェア機能として実現される。そのため、車両制御装置100を、専用のコントロールユニットとして準備せず、ステレオカメラ200の中にソフトウェア機能として組み込み、車両制御装置100として兼用する場合、また、ブレーキコントロールユニット400の中にソフトウェア機能として組み込み、車両制御装置100として兼用する場合なども考えられる。これらの例は、部品数を削減してアーキテクチャを簡易にする、また、コストを削減するためにも有効である。
<変形例2>
変形例2として、処理S133(図6)の追従対象先行車情報生成について説明する。
上記実施形態の構成では、ステレオカメラ200で検出したバイクをすべて自車の追従制御対象として設定するように記載している。しかしながら、バイクの中には時速30[km/h]以下の低速で運用することを想定している車両、いわゆる原動機付き自転車などがあり、それらの車両は、ステレオカメラ200などを用いた認識では時速30[km/h]以上での運用も想定したバイクと区別しにくい場合があるが、自車両が追突したりしてしまわないような位置に存在している車両であれば、追従対象として選択しないほうが望ましい。特に自車両がバイクに対して追従走行をしており、千鳥走行をしている最中に自車両の車群に30[km/h]以下の低速で運用することを想定している車両が混走すると、自車両より前を走行する車両は、減速を行わず、30[km/h]以下の低速で運用することを想定している車群(集団)外の車両に対して追い抜きまたは追い越しを行うが、自車両は、その車群(集団)外の車両によって減速を行って、一時的に車群を分断してしまうという問題が発生することがある(図18参照)。この事象に対処して、処理S133の追従対象先行車情報生成に対して変更を行う。
処理S133の追従対象先行車情報生成については、変更前制御周期において処理S136bで設定した車群走行中情報group_rideがOnと設定された追従対象先行車、つまり、目標車間距離補正部136bによって目標車間距離を短く補正している追従対象の先行車両の走行している速度より、「一定以上低い速度で走行している、または、停車している車両であり」、且つ、「自車走行車線上に存在していても自車の進行路上でない、つまり、自車が減速を行わずに走行した場合に自車が衝突してしまう可能性の高い横位置関係に存在しているバイクでなければ」、当該自車の追従対象として設定しないという条件を追加する。
この構成に変更することで、30[km/h]以下の低速で運用することを想定している車群(集団)外の車両が自車両車群に混走した場合でも、意図しない自車両の減速を防ぎつつ、減速が発生せず衝突してしまうような危険性のない加減速制御を、ライダーに提供できる。
<変形例3>
変形例3として、処理S136b(図6)の目標車間距離補正、及び、車両番号(ナンバー)検出の連携方法について説明する。
上記実施形態の構成では、自車両がバイクに対してACCを用いて追従する場合、追従対象とする車両が、車群(集団)外の割り込み車であり、同一車群として走行したい車両でない場合がある(図19参照)。この時、追従対象とした車両と自車両の側方位置が離れている場合、処理S136b71(図7)が実行され、同一車群を想定した車間距離での走行を行うことがある。この場合、追従されている先行車両のライダー、および、自車両を操縦するライダーは、車間距離が近いことに対して違和感を覚えることがある。この問題に対して自車両の所属する車群の車両を一意に識別する機能を設けることが好ましい。その方法として、図4に記載の機能ブロック図の構成から、図20に示す機能ブロック図の構成とする。
具体的には、図20に示すように、車両制御装置100に、ナンバー取得部191とナンバー記録部192を備え、ステレオカメラ200(の画像処理部230)の立体物認識部231に、ナンバー検出部231nを備えるようにする。
まず、車両制御装置100のナンバー取得部191は、ライダーが自車両の同一車群で走行する車両の車両番号標(ナンバープレート)に記載されたナンバーを得るための手段である。ナンバーを得るための手段は、例えばライダーがスイッチ、ダイヤル、タッチパネルを手で操作し、数値を直接車両制御装置100へ入力する方法、音声をマイクによって車両制御装置100へ入力する方法、その他にも、後述するナンバー検出部231nで検出している車両のナンバーをライダーへ情報提示し、提示されたナンバーをライダーが承認する形で車両制御装置100へ入力するといった方法、または、携帯情報端末を用いて同一車群のナンバー情報をお互いに交換し、携帯情報端末から無線/有線を問わず、通信によってデータを車両制御装置100まで送り、通信受信装置でナンバー情報を入力する方法のいずれか、または複数の組み合わせなどがあり、それらによって車両制御装置100に入力された情報をナンバー取得部191によって取得する。この時用いられる情報の提示手段は、表示装置610を流用してもよいし、別途表示用の装置を設けてもよい。また、スイッチ、ダイヤル、タッチパネルの操作についてもACCコントロールスイッチ700を流用してもよいし、別途専用のインターフェース装置を設ける、または、ナビゲーション装置等の図1に記載していないような装置に設けられているインターフェースを流用してもよい。更に、ナンバー取得部191は、取得したナンバーを消去するためのライダーの要求も受け取るようにし、ナンバーの入力誤りや車群を解散する場合に、任意の番号、または、記録している全ての番号を消去する要求を、ナンバーの入力同様のインターフェースを用いて取得できるようにする。
次に、ナンバー記憶部192は、ナンバー取得部191で得た自車両の同一車群で走行する車両のナンバーを記録する。記録する手段としては、車両制御装置100に備えられたメモリに保存する方法がある。特に、休憩等でバイクの動力を停止した後、改めて発進する際に再度ナンバーを記録し直す手間を省けるようにするため、ナンバーを記録するメモリは不揮発性のメモリを採用し、自車両の動力を停止した後も、記録したナンバーを保持し、再度動力を入れた後も、記録したナンバーを読み出せる構成とすることが望ましい。また、ナンバー記憶部192は、ナンバー取得部191によってナンバーの消去要求を受けた場合、任意の番号、または、記憶している全ての番号を消去する機能を有する。
次に、ステレオカメラ200の立体物認識部231は、検出した自車に対する障害物との距離や種別のほかに、立体物認識部231が備えるナンバー検出部231nを用いて、撮像した障害物の画像から車両番号標をパターンマッチングによって抽出する。更に、パターンマッチングによって抽出した車両番号標の中に対して車両番号を示す文字や数字を用いたパターンマッチングを行うことによって、該当の障害物を識別するナンバーを抽出し、障害物と自車の距離や種別情報と合わせてナンバーの情報を車両制御装置100に送信する。
車両制御装置100では、追従対象先行車情報生成部133でナンバーの情報を追従対象先行車情報に関連付けする。そして、ナンバー記憶部192に記憶している車群走行車両のナンバー情報と追従対象先行車情報生成部133で追従対象先行車情報に関連付けされたナンバーの情報を用いて、変更後の目標車間距離補正部136bで使用する。
変更後の目標車間距離補正部136bの処理内容を、図21に示すフローチャートを用いて説明する。図21では、図7で示した目標車間距離補正処理に対して、判定S136b2の前後方向最近傍の車両であるかの判定を変更し、判定S136b2_bの、ナンバー登録車両前後方向最近傍判定、すなわち、ナンバー登録車両、且つ、前後方向最近傍の車両であるかの判定とする。
変更前の判定S136b2(図7)では、処理S133で生成した追従対象先行車情報の中に複数登録されている先行車両と自車の前後方向距離のみを用いて自車に対して最も近い車両であるかを判定していた。それに対して、変更後の判定S136b2_b(図21)では、追従対象先行車情報に関連付けされたナンバーの情報が、ナンバー記憶部192に記憶している車群走行車両のナンバー情報に記録されていない車両を対象とせず、追従対象先行車情報に関連付けされたナンバーの情報が、ナンバー記憶部192に記憶している車群走行車両のナンバー情報に記録されている車両のみを対象として、今回処理する先行車両の前後方向距離が自車に対して最も近い車両であるかを判定する。
例えば、今回処理する先行車両のナンバーがナンバー記憶部192に記憶している車群走行車両のナンバー情報に記録されている車両でなければ、その時点で判定S136b2_bは不成立となって、処理S136b8へと進む。また、今回処理する先行車両のナンバーがナンバー記憶部192に記憶している車群走行車両のナンバー情報に記録されている車両であるが、追従対象先行車情報の中に、ナンバー記憶部192に記憶している車群走行車両のナンバー情報と同じナンバーの車両であり、自車に対して前後方向距離が今回処理する先行車両より近い車両が1つでも存在している場合は、判定S136b2_bは不成立となって、処理S136b8へと進む。今回処理する先行車両のナンバーがナンバー記憶部192に記憶している車群走行車両のナンバー情報に記録されている車両であり、自車に対して前後方向距離が今回処理する先行車両より近い車両が1つも存在しない、または、自車に対して前後方向距離が今回処理する先行車両より近い車両の全てがナンバー記憶部192に記憶している車群走行車両のナンバー情報と同じナンバーではない車両の場合にのみ、判定S136b2_bは成立となって、処理S136b3へ進む構成とする。すなわち、外界認識装置であるステレオカメラ200を用いて認識した先行車両のナンバーがナンバー記録手段192に記録されている場合のみ、目標車間距離補正部136bによる目標車間距離の補正を有効とする。処理S136b3以降の処理は、図7に基づき説明したのと同じである。
こうすることで、同一車群として走行したい車両にのみ処理S136b71(図7)の補正を行えるため、同一車群でない車両に対して目標車間距離を短くしないようにし、追従されている先行車両のライダー、および、自車両を操縦するライダーに対する違和感を抑止できる。
<変形例4>
変形例4として、自車両の走行環境の検出、認識手段について説明する。
上記実施形態の構成では、外界認識装置であるステレオカメラ200を用いて、自車両周辺の障害物、先行車、自車走行帯の検出を行うように記載している。しかし、自車両の走行環境の検出、認識手段は、ステレオカメラを用いた方式に限られるものだけではなく、例えばミリ波レーダーと単眼カメラを用いた方式が挙げられる。この場合、ミリ波レーダーを用いて自車前方の障害物や先行車と自車との前後方向および側方方向の距離を計測する。更に単眼カメラで得た画像から、車道区画線を検出することで、自車走行帯を認識する。また、ミリ波レーダーで得た情報に対して、単眼カメラで得た画像情報をパターンマッチングさせることによって、追従対象の先行車が4輪車両であるか、2輪車両であるか、すなわち、追従対象の先行車の種別を判別することもできる。この構成とすることで、比較的に安価なセンサであるミリ波レーダーや単眼カメラを組み合わせて使用することで、安価なシステムとすることが可能となる。また、ステレオカメラのように2つのカメラの取り付け位置に縛られないようなレイアウトが可能となり、車両デザインの際の自由度を上げることができる。また、センサの選択は、ソナーやレーザーレーダーなど、カメラやミリ波レーダーに限らず、その他のセンサを組み合わせて自車両に搭載することで、自車両の走行環境の検出、認識を可能にすることができる。
更に、自車両の走行環境の検出、認識手段は、自車両に搭載するセンサのみでされるものとは限らない。例えば、自車両と先行車両の通信、および、GPSを用いた自車走行帯の検出によって上述の機能を実現する方法もある。自車両および先行車両はGPSを搭載し、それぞれの車両位置を測定し、その情報を自車両周辺の車両へと配信することでお互いの車両間距離を計測することができる。また、自車はGPSから自車の経度、緯度、向きの情報を得、地図情報を用いて自車走行帯を検出することで、自車両に搭載されたセンサではなく、GPSとの通信によって自車両の走行環境の検出、認識を行うことが可能となる。この構成とすることで、自車両は比較的安価で小型な通信装置を搭載するのみで自車両の走行環境の検出、認識を行うことが可能となるため、車両価格を抑止することができる。更に、センサのように遮蔽物や設置の向き、位置による制限が減るため、車両デザインの際の自由度を更に上げることが可能となる。また、通信を用いる場合は自車両を含む車群の他車両を事前にペアリングすることで、自車群外の車両に対して車間距離を短く補正しないような構成とすることもできる。
そして、これらセンサや通信は、組み合わせて車両を構築することもできる。例えば夜間などカメラを用いたセンシングが苦手なシーンについて、通信を用いて検知性能を補う、また、トンネル内などGPSでは測位が難しく、ミリ波レーダーでも乱反射によって測距性能が低下する場合にはステレオカメラを用いて性能を補うなどの用途で車両を構築することもできる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 車両(自車両)
100 車両制御装置
130 先行車に対する目標加速度算出部
133 追従対象先行車情報生成部(追従対象選択部)
135 相対速度計算部
136a 基本目標車間距離計算部
136b 目標車間距離補正部
136b6 自車前方走行可能幅計算部
137 先行車毎目標加速度計算部
138 目標加速度選択部
140 設定車速に対する目標加速度算出部
150 目標加速度決定部
160 エンジン加速度要求算出部
170 ブレーキ加速度要求算出部
191 ナンバー取得部
192 ナンバー記録部
200 ステレオカメラ(外界認識装置)
210 CCDカメラ(右)
220 CCDカメラ(左)
230 画像処理部
231 立体物認識部
231n ナンバー検出部
232 走行帯検出部
250 通信処理部
300 車輪速センサ
400 ブレーキコントロールユニット
410 ブレーキ
500 エンジンコントロールユニット
510 エンジン
600 メータコントロールユニット
610 表示装置
620 ブザー
700 ACCコントロールスイッチ

Claims (13)

  1. 外界認識装置を用いて自車両前方の先行車両との間に設定した目標車間距離に基づいて、前記自車両の加速度制御を行う車両制御装置において、
    前記自車両が複数台並行走行可能な走行帯を前記先行車両に追従して走行する際に、前記外界認識装置を用いて認識した前記先行車両および前記走行帯の情報に基づき、前記先行車両と前記走行帯の側方方向の走行帯路端との距離に応じて、前記先行車両への追従時の目標車間距離を補正する目標車間距離補正部を有し、
    前記目標車間距離補正部は、複数の先行車両を追従対象として検出している場合、前記自車両に対して前後方向距離が最も近い先行車両に対してのみ補正を行い、前記自車両に対して前後方向距離が最も近い先行車両でない先行車両に対しては補正を行わないことを特徴とする車両制御装置。
  2. 外界認識装置を用いて自車両前方の先行車両との間に設定した目標車間距離に基づいて、前記自車両の加速度制御を行う車両制御装置において、
    前記自車両が複数台並行走行可能な走行帯を前記先行車両に追従して走行する際に、前記外界認識装置を用いて認識した前記先行車両および前記走行帯の情報に基づき、前記先行車両と前記走行帯の側方方向の走行帯路端との距離に応じて、前記先行車両への追従時の目標車間距離を補正する目標車間距離補正部を有し、
    前記目標車間距離補正部は、前記先行車両と前記走行帯路端との距離が前記自車両の車幅以上である先行車両に対してのみ補正を行い、前記先行車両と前記走行帯路端との距離が前記自車両の車幅未満である先行車両に対しては補正を行わないことを特徴とする車両制御装置。
  3. 外界認識装置を用いて自車両前方の先行車両との間に設定した目標車間距離に基づいて、前記自車両の加速度制御を行う車両制御装置において、
    前記自車両が複数台並行走行可能な走行帯を前記先行車両に追従して走行する際に、前記外界認識装置を用いて認識した前記先行車両および前記走行帯の情報に基づき、前記先行車両と前記走行帯の側方方向の走行帯路端との距離に応じて、前記先行車両への追従時の目標車間距離を補正する目標車間距離補正部を有し、
    前記目標車間距離補正部が前記目標車間距離を短く補正している最中に、前記自車両が車線変更を行った後一定時間以内は、前記自車両が車線変更を行う前の走行帯を、前記自車両の前記走行帯として扱うことを特徴とする車両制御装置。
  4. 外界認識装置を用いて自車両前方の先行車両との間に設定した目標車間距離に基づいて、前記自車両の加速度制御を行う車両制御装置において、
    前記自車両が複数台並行走行可能な走行帯を前記先行車両に追従して走行する際に、前記外界認識装置を用いて認識した前記先行車両および前記走行帯の情報に基づき、前記先行車両と前記走行帯の側方方向の走行帯路端との距離に応じて、前記先行車両への追従時の目標車間距離を補正する目標車間距離補正部を有し、
    前記目標車間距離補正部が前記目標車間距離を短く補正している追従対象の先行車両より走行速度が一定以上低い車両、且つ、前記自車両の進行路上に存在しない車両である場合、当該車両を前記自車両の追従対象としないことを特徴とする車両制御装置。
  5. 外界認識装置を用いて自車両前方の先行車両との間に設定した目標車間距離に基づいて、前記自車両の加速度制御を行う車両制御装置において、
    前記自車両が複数台並行走行可能な走行帯を前記先行車両に追従して走行する際に、前記外界認識装置を用いて認識した前記先行車両および前記走行帯の情報に基づき、前記先行車両と前記走行帯の側方方向の走行帯路端との距離に応じて、前記先行車両への追従時の目標車間距離を補正する目標車間距離補正部を有し、
    前記目標車間距離補正部は、前記自車両前方の走行帯の曲率を取得し、前記走行帯の曲率が一定以上大きい場合は、前記目標車間距離を短くするための補正量を小さくすることを特徴とする車両制御装置。
  6. 外界認識装置を用いて自車両前方の先行車両との間に設定した目標車間距離に基づいて、前記自車両の加速度制御を行う車両制御装置において、
    前記自車両が複数台並行走行可能な走行帯を前記先行車両に追従して走行する際に、前記外界認識装置を用いて認識した前記先行車両および前記走行帯の情報に基づき、前記先行車両と前記走行帯の側方方向の走行帯路端との距離に応じて、前記先行車両への追従時の目標車間距離を補正する目標車間距離補正部と、前記自車両と集団走行を行う車両の車両番号標に記載されたナンバーを取得するナンバー取得部と、前記ナンバー取得部で取得したナンバーを記録するナンバー記録部とを有し、
    前記外界認識装置を用いて認識した前記先行車両のナンバーが前記ナンバー記録部に記録されている場合のみ、前記目標車間距離補正部による前記目標車間距離の補正を有効とすることを特徴とする車両制御装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の車両制御装置において、
    前記目標車間距離補正部は、前記先行車両と前記走行帯路端との距離が長いほど、前記目標車間距離を短く補正することを特徴とする車両制御装置。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載の車両制御装置において、
    前記目標車間距離補正部は、前記先行車両と前記走行帯路端との距離が所定の補正上限閾値より大きい場合、または、前記先行車両と前記走行帯路端との距離が所定の補正下限閾値より小さい場合、前記目標車間距離を一定に補正することを特徴とする車両制御装置。
  9. 請求項1から6のいずれか一項に記載の車両制御装置において、
    前記自車両の前記走行帯上に存在する車両を前記自車両の追従対象として選択する追従対象選択部を有することを特徴とする車両制御装置。
  10. 請求項1から6のいずれか一項に記載の車両制御装置において、
    前記先行車両と前記走行帯路端との距離を得る際、前記先行車両から見て前記自車両が存在する側方方向に存在する前記走行帯路端との距離を用いることを特徴とする車両制御装置。
  11. 請求項1から6のいずれか一項に記載の車両制御装置において、
    前記外界認識装置は、2つのカメラによるステレオ視を行って得られた視差情報から、前記先行車両と前記走行帯路端との距離を得ることを特徴とする車両制御装置。
  12. 請求項1から6のいずれか一項に記載の車両制御装置において、
    前記外界認識装置は、車道外側線または車道中央線を含む区画線、車道と歩道を分離する段差、道路の色の変化、わだち、ガードレール、ポール、壁、ボッツドッツ、チャッターバー、駐車車両または道路工事表示を含む路上障害物のうちいずれか、または全てを検出して前記自車両の前記走行帯を取得し、前記走行帯を判断するための外界認識情報を取得できない場合は、前記自車両の進行路から左右側方に一定間隔の幅を持った領域を前記走行帯として扱うことを特徴とする車両制御装置。
  13. 請求項1から6のいずれか一項に記載の車両制御装置において、
    前記自車両は、二輪の鞍乗り型車両であることを特徴とする車両制御装置。
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