JP7393368B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関制御装置に関するものである。
従来、燃焼室内で燃料と空気の混合気を形成させ、点火または自着火により燃焼させるガソリンエンジンが知られている。この種類のエンジンの熱効率を向上させる技術として、数ccの微小空間である副燃焼室で混合気を点火し、火炎ジェットを主燃焼室に噴射させる副室式火炎ジェット点火(以降、副室燃焼と称す)システムがある。
一般的なガソリンエンジンでは,主燃焼室上部に点火プラグが、その先端を燃焼室に露出する形で固定されている。そして、燃焼開始時には、点火プラグから放電による火花を発生させて、主燃焼室内の混合気へ直接点火を行う。
一方、副室燃焼では、燃焼室上部に副室を設け、点火プラグは副室内に露出する形で固定される。この副室には、主燃焼室に連通する副室噴射孔が設けられている。燃焼開始時は、まず副室内部にて混合気への点火が行われる。そして、副室内の燃焼発生後、副室噴射孔から主燃焼室側に向けて高温かつ未燃混合気を含んだジェットが噴出し、このジェットにより主燃焼室側の混合気を着火させる。主燃焼室では多点で同時に着火が起き、副室を用いない場合に比べて急速に燃焼が進行するため、燃焼の安定性が向上する。
副室燃焼により、理論空燃比よりも燃料が薄い混合気を燃焼させるリーン燃焼を、より高い希釈状態で実施することが可能となり、混合気の比熱比増加による理論熱効率の向上や、ポンプ損失の低下により、熱効率が向上する。また、ノッキングなどの異常燃焼が発生する前に、当該異常燃焼発生領域に燃焼ガスを到達させることができ、その結果ノッキング抑制効果も得られる。これにより高負荷領域でも最適な点火時期を取ることができ、副室を用いない場合に比べて排気損失が低減、熱効率が更に向上する。
また、副燃焼室を備えた内燃機関を制御する技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、副燃焼室の圧力を検出する圧力センサと、内燃機関の運転状態および検出された副燃焼室における圧力に応じて点火プラグの点火を制御する点火制御部とを備えた技術が記載されている。
特開2018-178966号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、副室の圧力を検出する圧力センサが必要となり、システコストが増大する、という問題を有していた。
また、副室から噴出するジェットの強度が高いほど、混合気への安定着火が可能となるが、ジェット強度が高過ぎると、副室壁面や主燃焼室壁面への熱損失が増加し、その結果、燃料消費量が増大し、副室燃焼による燃費低減効果が減少する恐れがある。そして、ジェット強度が更に増加すると、ジェット噴出による主燃焼室の圧力変動がノッキングを誘発してしまう恐れもある。したがって、燃焼安定性と熱損失のバランスを取りながら、ジェット強度を適切な範囲に調整するために、ジェット強度を正確に推定することが求められる。
本目的は、上記の問題点を考慮し、副室の圧力を検出する圧力センサを用いることなくジェット強度を推定することができる内燃機関制御装置を提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するため、内燃機関制御装置は、ピストンに面する主燃焼室と、副燃焼室と、点火プラグと、クランク軸と、クランク角センサと、シリンダと、ノックセンサと、を備えた内燃機関を制御する。また、副燃焼室は、主燃焼室に連通する。点火プラグは、副燃焼室の内部に取り付けられる。クランク軸は、ピストンに連結される。クランク角センサは、クランク軸の回転角度を検出する。シリンダは、主燃焼室を形成する。ノックセンサは、シリンダの振動を検出する。
内燃機関制御装置は、着火時刻推定部と、クランク角情報取得部と、回転変動取得部と、ジェット強度推定部と、を備えている。
着火時刻推定部は、ノックセンサが検出したノックセンサ信号に基づいて、副燃焼室から噴射されたジェットによる主燃焼室の混合気の着火時刻を推定する。クランク角情報取得部は、クランク角センサが検出したクランク角情報を取得する。回転変動取得部は、クランク角情報に基づいて、着火時刻よりも後に発生する回転数変化量を算出する。ジェット強度推定部は、回転変動取得部が算出した回転数変化量と着火時刻推定部が推定した着火時刻に基づいて、着火時刻より後に発生する回転数変化率を算出し、ジェット強度を推定する。
上記構成の内燃機関制御装置によれば、副室の圧力を検出する圧力センサを用いることなくジェット強度を正確に推定することができる。
第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置が搭載された内燃機関のシステム構成を示す概略構成図である。 第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置が搭載された内燃機関のシリンダ周りの構成を示す概略構成図である。 第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置におけるジェット強度の推定処理の構成を示すブロック図である。 ジェット強度の違いによる燃焼消費量及び熱損失量を説明する図であり、図5Aはジェット強度の違いによる副室の圧力と主燃焼室の圧力との差を示す図である。図5Bは、ジェット強度の違いと燃焼消費率の関係を示す図、図5Cは、ジェット強度の違いと熱損失量の関係を示す図である。 燃焼1サイクル当たりの副室及び主燃焼室の圧力、圧力差、回転数及び振動(加速度)の変化について示すものである図6(a)は副室の圧力、図6(b)は主燃焼室の圧力、図6(c)は圧力差、図6(d)は回転数、図6(e)は振動(加速度)を締めている。 従来の回転数変化率の推定方法と、第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置における回転数変化率の推定方法を示すイメージ図である。 第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置におけるノックセンサ信号の信号処理を示すもので、図8(a)はノックセンサの出力値を示す波形、図8(b)はノックセンサ信号に対してフィルタ処理を行ったフィルタ出力値を示す波形である。図8(c)は、フィルタ出力値の絶対値を示す図である。 従来のジェット強度の推定結果と第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置が推定したジェット強度の推定結果の精度を示すグラフである。 第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置におけるジェット強度の補正制御動作を示すフローチャートである。 第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置におけるジェット強度の増減処理を示すもので、図11Aは増減処理の一例を示すグラフ、図11Bは増減処理の他の例を示すグラフである。 第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置におけるジェット強度の増減処理を示すもので、図12Aは増減処理の一例を示すグラフ、図12Bは増減処理の他の例を示すグラフである。 第2の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置におけるジェット強度の推定処理の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置におけるエンジン運転条件ごとのジェット強度推定時のノックセンサ振幅信頼率を示すマップである。 第2の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置の第2ジェット強度推定部によるジェット強度の推定方法を示す図である。 ジェット強度と初期燃焼機関の相関関係を示すグラフである。 燃焼1サイクルにおける主燃焼室の筒内圧及びトルクの変動を示す図である。 火炎ジェットの変化の様子と、圧力差ΔPの例を示す図である。 第5の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置における燃焼タイミングの検出を説明するための制御タイムチャートである。 変形例にかかる内燃機関の副室周りの構成を拡大して示す概略構成図である。
以下、実施の形態例にかかる内燃機関制御装置について、図1~図20を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.第1の実施の形態例
まず、第1の実施の形態例(以下、「本例」という)にかかる内燃機関制御装置の構成例について説明する。
1-1.内燃機関の構成例
まず、図1及び図2を参照して内燃機関の構成例について説明する。
図1は、本例の内燃機関のシステム構成を示す概略構成図である。図2は、内燃機関のシリンダ周りの構成を示す概略構成図である。
図1に示す内燃機関100は、ガソリンからなる燃料を筒内に直接噴射する筒内噴射型の内燃機関(直噴エンジン)である。内燃機関100は、吸入行程、圧縮行程、燃焼(膨張)行程、排気行程の4行程を繰り返す4サイクルエンジンである。さらに、内燃機関100は、例えば、4つの気筒(シリンダ)を備えた多気筒エンジンである。なお、内燃機関100が有する気筒の数は、4つに限定されるものではなく、6つ又は8つ以上の気筒を有していてもよい。
図1に示すように、内燃機関100は、エアフローセンサ1と、電子制御スロットル弁2と、吸気圧センサ3と、過給機4と、インタークーラ7と、シリンダ14と、備えている。エアフローセンサ1、電子制御スロットル弁2、吸気圧センサ3、過給機4のコンプレッサ4a、インタークーラ7は、吸気管6におけるシリンダ14までの位置に配置されている。
エアフローセンサ1は、吸入空気量と、吸気温度を計測する。電子制御スロットル弁2は、不図示の駆動モータにより開閉可能に駆動する。そして、運転者のアクセル操作に基づいて、電子制御スロットル弁2の開度が調整される。これにより、インタークーラ7やシリンダ14に吸気される空気量を調整する。
コンプレッサ4aは、吸気を過給する過給機である。このコンプレッサ4aは、後述するタービン4bにより回転力が伝達される。インタークーラ7は、シリンダ14の上流側に配置され、電子制御スロットル弁2、エアフローセンサ1よりも下流側に配置されている。そして、インタークーラ7は、吸気を冷却する。
また、内燃機関100は、図1及び図2に示すように、シリンダ14の筒内に燃料を噴射するインジェクタ13と、点火エネルギを供給する点火コイル16及び点火プラグ17からなる点火装置と、副室8と、ノックセンサ47がシリンダ14ごとに設けられている。点火コイル16は、内燃機関制御装置20の制御の下、高電圧を生成し、点火プラグ17に印加する。これにより、点火プラグ17に火花が発生する。
また、図2に示すように、点火プラグ17は、シリンダ14に設けられた副室8内に配置されている。中空の副室8は、シリンダ14の筒内に挿入されている。そのため、本例の内燃機関100は、シリンダ14の筒内に形成された主燃焼室14aと、副室8により形成される副燃焼室に分けられる。副室8は、その先端部が主燃焼室14a内に露出する状態でシリンダヘッドに固定されている。副室8の先端部には、主燃焼室14aと連通する副室噴射孔8aが形成されている。副室8により形成される副燃焼室と主燃焼室14aは。副室噴射孔8aにより連通する。そして、副室8内には、副室噴射孔8aを介して主燃焼室14aから混合気が取り込まれる。
また、点火プラグ17に発生した火花により副燃焼室内の混合気が燃焼する。そして、副室8内で生じた火炎は、副室噴射孔8aを通過して主燃焼室14aに複数の火炎ジェットとして噴出し、主燃焼室14a内の混合気を着火し、主燃焼が行われる。以下、副室噴射孔8aから噴射される火炎ジェットを単にジェットと称す。これにより、主燃焼室14aでは、同時に多点で着火が発生し、副室8を用いない場合に比べて急速に燃焼が進行し、燃焼の安定性が向上する。以下、副室噴射孔8aから噴射される火炎ジェットを単にジェットと称す。
また、点火コイル16には、不図示の電圧センサが取り付けられている。電圧センサは、点火コイル16の一次側電圧又は二次側電圧を計測する。そして、電圧センサが計測した電圧情報は、ECU(Engine Control Unit)である内燃機関制御装置20に送られる。
また、シリンダ14のシリンダヘッドには、可変バルブ5が設けられている。図2に示すように、吸気側タイミング機構5aと、排気側タイミング機構5bと、吸気バルブ31と、排気バルブ32とを有している。吸気バルブ31は、シリンダ14における吸気管6が接続される吸気ポートに配置され、排気バルブ32は、シリンダ14における後述する排気管15が接続される排気ポートに配置される。
可変バルブ5は、吸気側タイミング機構5aと排気側タイミング機構5bにより吸気バルブ31と排気バルブ32の開弁及び閉弁磁気を調整する。これにより、シリンダ14の筒内に流入する混合気、または筒内から排出する排気ガスが調整される。可変バルブ5を調整することにより、全シリンダ14の吸気量及び内部EGR量が調整される。
さらに、シリンダ14の筒内には、ピストン18が摺動可能に配置されている。ピストン18は、シリンダ14の筒内に流入した燃料とガスの混合気を圧縮する。そして、ピストン18は、筒内に生じた燃焼圧力によりシリンダ14の筒内を往復運動する。ピストン18は、コンロッドを介してクランク軸48が連結されている。
また,クランク軸48の角度を検出するための、クランク角センサ49が設けられている。クランク角センサ49は、クランク軸48の周方向に所定の角度間隔(例えば、6deg)に設けられた歯を検出する。
また、ノックセンサ47は、シリンダ14の側面部またはシリンダヘッドに取り付けられている。ノックセンサ47は、シリンダ14の振動を検出する加速度センサである。ノックセンサ47を設ける位置は、シリンダ14の側面部に限定されるものではなく、例えば、シリンダヘッドの上部等のシリンダ14の振動を検出できる位置であればよい。ノックセンサ47が検出したシリンダ14の振動信号(加速度情報)は、後述する内燃機関制御装置(ECU)20に出力される。そして、ECU20は、ノックセンサ47からの振動信号が予め設定されたノック閾値を超えたと判断した場合、ノッキングの発生を検出する。
インジェクタ13は、後述する内燃機関制御装置(ECU)20に制御されて、シリンダ14の筒内に燃料を噴射する。これにより、シリンダ14における主燃焼室14aには、空気の燃料が混合された混合ガスが生成される。また、インジェクタ13には、不図示の高圧燃料ポンプが接続されている。高圧燃料ポンプにより圧力が高められた燃料がインジェクタ13に供給される。さらに、インジェクタ13と高圧燃料ポンプとを接続する燃料配管には、燃料噴射圧力を計測するための燃料圧力センサが設けられている。
なお、本例では、インジェクタ13をシリンダ14に設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、吸気管6にポート噴射用インジェクタ13Bを取り付け、ポート噴射用インジェクタ13Bから吸気ポートに燃料を噴射させてもよい。
図1に示すように、排気管15には、タービン4b、電子制御ウエイストゲート弁11、三元触媒10、空燃比センサ9が設けられている。タービン4bは、排気管15を通過する排気ガスにより回転し、コンプレッサ4aに回転力を伝える。電子制御ウエイストゲート弁11は、タービン4bに流れる排気流路を調整する。
三元触媒10は、酸化・還元反応により排気ガスに含まれる有害物質を浄化する。また、空燃比センサ9は、三元触媒10の上流側に配置されている。そして、空燃比センサ9は、排気管15を通る排気ガスの空燃比を検出する。
また、内燃機関100は、三元触媒10の下流から、コンプレッサ4aの上流で、かつエアフローセンサ1よりも下流側の位置に排気ガス(EGRガス)を還流させるEGR流路管40を備えている。EGR流路管40には、EGRクーラ42と、EGRバルブ41と、差圧センサ43が設けられている。
EGRクーラ42は、EGRガスを冷却する。EGRバルブ41は、EGR流路管40を通るEGRガスの流量を調節するEGR流量を制御する。EGRバルブ41の近傍には、EGRバルブ41の前後の差圧を検出する差圧センサ43が取り付けられている。ここで、EGRバルブ41の前後の差圧とは、EGR流路管40におけるEGRバルブ41の上流側の圧力と下流側の圧力との差である。EGR温度センサ44は、EGRバルブ41の下流に配置されている。EGR温度センサ44は、EGR流路管40を流れるEGRガスの温度を検出する。
三元触媒10で浄化された排気ガスの一部は、外部へ排出されずに、EGR流路管40へ流入し、EGRガスとして利用される。EGRガスは、EGRクーラ42及びEGRバルブ41を通過後、コンプレッサ4aの上流にて、吸気された新気と合流する。その後、EGRガスと新気の混合ガスは、インタークーラ7及び電子制御スロットル弁2を通過後に、シリンダ14に流入する。
また、エアフローセンサ1、吸気圧センサ3、ノックセンサ47等の各センサが検出した信号は、ECU(Engine Control Unit)である内燃機関制御装置20に送られる。また、アクセルペダルの踏み込み量、すなわち、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ12が検出した信号も内燃機関制御装置20に送られる。
内燃機関制御装置20は、アクセル開度センサ12の主力信号に基づいて、要求トルクを演算する。すなわち、アクセル開度センサ12は、内燃機関100への要求トルクを検出する要求トルク検出センサとして用いられる。また、内燃機関制御装置20は、不図示のクランク角度センサの出力信号に基づいて、内燃機関100の回転速度を演算する。そして、内燃機関制御装置20は、各種センサの出力から得られる内燃機関100の運転状態に基づき、空気流量、燃料噴射量、点火時期、燃料圧力等の内燃機関100の主要な作動量を最適に演算する。
内燃機関制御装置20により演算した燃料噴射量は、開弁パルス信号に変換され、インジェクタ13に出力される。また、内燃機関制御装置20により演算された点火時期は、点火信号として点火プラグ17に出力される。さらに、内燃機関制御装置20により演算されたスロットル開度は、スロットル駆動信号として電子制御スロットル弁2に出力される。また、内燃機関制御装置20により演算されたEGRバルブ開度は、EGRバルブ開度駆動信号として、EGRバルブ41に出力される。
1-2.内燃機関制御装置20の構成例
次に、図3を参照して内燃機関制御装置20の構成例について説明する。
図3は、内燃機関制御装置20の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ECU(Engine Control Unit)である内燃機関制御装置20は、入力回路21と、入出力ポート22と、RAM(Random Access Memory)23cと、ROM(Read Only Memory)23bと、CPU(Central Processing Unit)23aを有する。また、内燃機関制御装置20は、点火制御部24と、を有している。
入力回路21には、エアフローセンサ1からの吸入流量、吸気圧センサ3からの吸気圧、電圧センサからのコイル一次電圧又は二次電圧が入力される。また、入力回路21には、アクセル開度、回転数、湿度、空気量、クランク角度、点火装置情報、ノックセンサ情報等の各種センサが計測した情報が入力される。
入力回路21は、入力された信号に対してノイズ除去等の信号処理を行って、入出力ポート22へ送る。入出力ポート22の入力ポートに入力された値はRAM23cに格納される。
ROM23bには、CPU23aにより実行される各種演算処理の内容を記述した制御プログラムや、各処理に用いられるMAPやデータテーブル等が記憶されている。RAM23cには、入出力ポート22の入力ポートに入力された値や、制御プログラムに従って演算された各アクチュエータの操作量を表す値を格納する格納領域が設けられている。また、RAM23cに格納された各アクチュエータの操作量を表す値は、入出力ポート22の出力ポートに送られる。
入出力ポート22の出力ポートにセットされた点火信号は、点火制御部24を経て、点火コイル16に送られる。点火制御部24は、点火コイル16への通電時期や通電時間を制御する。さらに、点火制御部24は、点火プラグ17での放電エネルギ制御を行う。
なお、本例では、内燃機関制御装置20に点火制御部24を設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、点火制御部24の一部、あるいは点火制御部24の全てを内燃機関制御装置20とは異なる制御装置に実装してもよい。
また、内燃機関制御装置20は、各種センサからの出力信号に基づいて、副室8の副室噴射孔8aから噴射されるジェットの強度を推定し、点火プラグ17での点火時期を制御する。
1-3.内燃機関制御装置20におけるジェット強度の推定処理の構成例
次に、図4を参照して内燃機関制御装置20におけるジェット強度の推定処理の構成例について説明する。
図4は、内燃機関制御装置20におけるジェット強度の推定処理の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、内燃機関制御装置20は、ノックセンサ信号取得部101と、バンド幅・閾値取得部102と、クランク角情報取得部103と、回転変動取得部104と、着火時刻推定部105と、クランク軸加速開始時刻推定部106とを有している。さらに、内燃機関制御装置20は、ジェット強度推定部107と、ジェット強度比較部108と、点火時期出力部109と、ジェット強度上限値・下限値計算部110とを有している。
ノックセンサ信号取得部101は、ノックセンサ47に接続されており、ノックセンサ47からのノックセンサ信号、シリンダ14の振動情報、すなわち加速度情報を取得する。ノックセンサ信号取得部101は、着火時刻推定部105に接続されており、取得したノックセンサ信号を着火時刻推定部105に出力する。
バンド幅・閾値取得部102は、エンジンの回転数情報や、エンジンの形状情報等が入力される。エンジンの形状情報は、エンジンに搭載されたシリンダ14の数、すなわち気筒数である。バンド幅・閾値取得部102は、着火時刻推定部105において、ノックセンサ信号に対してフィルタ処理を行う際のバンド幅の設定値や、着火時刻の推定処理に用いる閾値を、エンジンの回転数情報やエンジンの形状情報等に基づいて取得する。バンド幅・閾値取得部102は、取得したバンド幅と閾値を着火時刻推定部105に出力する。
バンド幅・閾値取得部102は、エンジンの固有振動数や回転による機械振動が含まれないようにバンド幅の低周波側を設定する。すなわち、エンジンの回転数が高くなるほど、固有振動数も高くなるため、バンド幅の下限値は大きく設定される。また、固有振動数は、エンジンの気筒数、すなわち4気筒エンジンか3気筒エンジンによって変化する。そのため、バンド幅・閾値取得部102は、制御対象となるエンジンの気筒数に基づいて、バンド幅の設定値の中に固有振動数が含まれないように、バンド幅の下限値を変更する。
また、エンジンの回転数が低くなるほど、またはエンジンの負荷が小さくなるほど、機械振動の振幅は、小さくなる。そのため、バンド幅・閾値取得部102は、エンジンの回転数やエンジンの負荷が小さくなるほど、閾値を小さくなるように設定する。
着火時刻推定部105は、バンド幅・閾値取得部102から出力されたバンド幅に基づいて、ノックセンサ信号取得部101から出力されたノックセンサ信号に対してフィルタ処理を行い、燃焼成分を抽出する。さらに、着火時刻推定部105は、抽出した燃焼成分と、バンド幅・閾値取得部102から出力された閾値に基づいて、ジェットによる着火時刻(ジェット開始時刻tjet)を推定する。そして、着火時刻推定部105は、推定した着火時刻をクランク軸加速開始時刻推定部106に出力する。
着火時刻補正部を示すクランク軸加速開始時刻推定部106は、着火時刻推定部105から出力された着火時刻と、予め記憶しているピストン機構に起因する時間遅れに基づいて、クランク軸48の加速が開始される時刻、すなわちクランク軸加速開始タイミングtaccを推定する。すなわち、ランク軸加速開始時刻推定部106は、ピストン機構に起因する時間遅れに基づいて、着火時刻を補正する。そして、クランク軸加速開始時刻推定部106は、推定したクランク軸加速開始タイミングをジェット強度推定部107に出力する。
クランク角情報取得部103は、クランク角センサ49に接続されており、クランク角センサ49からクランク角情報を取得する。そして、クランク角情報取得部103は、取得したクランク角情報を、回転変動取得部104に出力する。
回転変動取得部104は、クランク角情報に基づいて、着火時刻より後に発生する回転変化量を取得(計算)する。なお、回転変動取得部104は、クランク軸48に設けた歯と歯の間隔毎の回転数の変化量を取得する。また、回転変動取得部104は、取得した回転数変化量をジェット強度推定部107に出力する。
ジェット強度推定部107は、クランク軸加速開始タイミングと、回転数の変動量に基づいて、ジェット強度を推定する。そして、ジェット強度推定部107は、推定したジェット強度をジェット強度比較部108に出力する。
ジェット強度比較部108には、ジェット強度推定部107が推定したジェット強度だけでなく、ジェット強度上限値・下限値計算部110が計算した上限値と下限値が出力される。ジェット強度比較部108は、ジェット強度推定部107が推定したジェット強度と、ジェット強度上限値・下限値計算部110が計算した上限値及び下限値と比較する。そして、ジェット強度比較部108は、比較した結果を、点火時期出力部109に出力する。点火時期出力部109は、ジェット強度比較部108が比較した結果に基づいて、点火時期を制御する。
なお、各処理部の詳細な処理方法については、後述する。
1-4.ジェット強度の実例と、ジェット強度の違いによる燃料消費量及び熱損失量
次に、図5Aから図5Cを参照して、ジェット強度の実例と、ジェット強度の違いによる燃料消費量及び熱損失量について説明する。
図5Aは、ジェット強度の違いによる副室8の圧力と主燃焼室14aの圧力との差(圧力差)を示すもので、縦軸に圧力差[MPa]、横軸にクランク角度を示している。図5Bは、ジェット強度の違いと燃焼消費率の関係を示す図、図5Cはジェット強度の違いと主燃焼室14aの壁面への熱損失量の関係を示す図である。図5Bにおける縦軸は熱消費率ISFC[g/kWh]を示す、図5Cにおける縦軸は熱損失量[W]を示している。そして、図5B及び図5Cにおける横軸はジェット強度を示している。
図5Aに示すように、副室噴射孔8aが副室8から主燃焼室14aに噴出する際に圧力差は最大値となる。そして、この圧力差の最大値をジェット強度と定義する。また、副室8から噴出するジェット強度が高いほど、混合気への着火が安定する。しかしながら、ジェット強度が高い場合、図5Cに示すように、副室8や主燃焼室14aの壁面への熱損失が増加する。その結果、図5Bに示すように、燃料消費率(燃料消費量)が増大し、副燃焼室による燃費低減効果が減少するおそれがある。
また、ジェット強度が更に増加すると、ジェット噴出によって主燃焼室14aの圧力変動が増大し、ノッキングを誘発してしまうおそれがある。そのため、ジェット強度は、燃焼安定性と熱損失のバランスを取りながら、適切な範囲に調整することが必要となる。
1-5.燃焼1サイクル当たりの圧力、回転数及び振動(加速度)の変化
次に、燃焼1サイクル当たりの副室及び主燃焼室の圧力、圧力差、回転数及び振動(加速度)の変化について図6を参照して説明する。図6(a)は副室8の圧力、図6(b)は主燃焼室14aの圧力、図6(c)は圧力差、図6(d)は回転数、図6(e)は加速度、すなわちノックセンサの出力値を示している。なお、図6(a)及び図6(b)に示すデータは、測定した波形を直接プロットしている。そして、図6(c)に示すデータは、図6(a)及び図6(b)に示すデータの差分をとったデータに対して、フィルタ処理を行い、ノイズ軽減処理を行ったデータである。
図6(a)に示すように、副室8の圧力は、上死点において1度目のピークを迎える。その後、燃焼により圧力が再上昇し、2度目のピークを迎える。そして、図6(b)に示すように、主燃焼室14aの圧力の挙動も、副室8の圧力の挙動とほぼ同じになる。しかしながら、図6(a)及び図6(b)に示すように、両者の間には、若干の位相差が発生する。そのため、副室8の圧力が燃焼により上昇し始めた直後に、図6(c)に示すように、副室8と主燃焼室14aの圧力差は、ピークを迎える。この圧力差のピークを迎えた瞬間が、ジェットが副室8から主燃焼室14aに噴射されるタイミングであり、ジェットの開始時期とみなされる。
図6(d)は、クランク角センサ49が検出した信号に基づいて、エンジンの回転数を算出した図である。本例では、上述したうように、クランク角の検出間隔が6degのクランク角センサ49を用いている。すなわち、クランク角センサ49は、クランク角6degおきに、クランク軸48に設けた歯を検出する。そして、クランク角情報取得部103は、1つの前の歯を検出した時間からの時間差を検出し、その時間差に基づいてクランク軸48が6deg進むのにかかった時間を求め、この時間からエンジンの回転数を算出している。
図6(d)に示すように、エンジンの回転数は、燃焼1サイクルの中で数十rpm常時変動している。圧縮行程では、負のトルクが発生するため、回転速度は低下する。また、膨張行程において燃焼が発生すると、燃焼圧によりピストン18が押圧されるため、上死点360deg.ATDC後から膨張行程中盤の450deg.ATDCにかけて、回転数の増加が発生する。
また、図6(e)に示すように、ジェットの開始時期には、振動波形の周波数に変化が見られるが、燃焼時期以外にも多々振動が発生している場面が見られる。これは、主にエンジン側の負荷変動や、バルブ開閉時の機械振動であると考えられる。そのため、適切なフィルタ処理を行うことで、これらの影響を除去することができる。
ここで、エンジンの回転数と主燃焼室14aの圧力の関係について説明する。クランク角センサ49により、角速度ω得られた場合、燃焼時に生じるトルク、すなわち燃焼トルクτcombは、摩擦トルクτfric、慣性トルクτinner、負荷トルクτload及びエンジン回転系の慣性Jから下記数1で表される。
Figure 0007393368000001
数1に示すように、燃焼トルクτcombを求めるには、角速度ωの微分値dωを計算する必要がある。しかしながら、クランク角センサ49により測定される角速度ωには、様々なノイズが含まれている。そのため、通常の微分を行うと、このノイズが強調され、正確なトルク波形を再現することができない。したがって、微分によるノイズの強調を避けるために、角速度ωに含まれる高周波成分をカットした結果を用いて燃焼トルクτcombを推定してもよい。以下、角速度ωの微分値dωを、回転数変化率と称す。
また、推定された燃焼τcombには、摩擦トルクτfricや負荷トルクτloadによるオフセットが含まれている。そのため、事前適合により、このオフセット量を推定して補正する。または、4気筒エンジンのコネクティングロッドの幾何学的な特徴を用いて、このオフセットを打ち消し、補正後の推定トルクτcompensationを得ることができる。この補正後の推定トルクτcompensationと、エンジンの回転数、すなわち角速度ωの関係は、下記数2となる。
Figure 0007393368000002
次に、得られた推定トルクτcompensationから主燃焼室14a内の圧力、すなわち筒内圧Pcombを算出する。推定トルクτcompensationと、筒内圧Pcombの関係は、ピストン機構学的に定まるため、下記数3で表される。ここで、Acylは、主燃焼室14aの断面積、Rはクランクアームの長さ、φは、クランクアームと中心軸の間の角度を示す。
Figure 0007393368000003
そして、上記数2と数3を合わせることで、回転数変化率dωと、主燃焼室14aの筒内圧Pcombの関係は、以下の数4で表される。
Figure 0007393368000004
図6(d)に示すように、ジェット発生直後の370degATDC付近に、エンジンの回転数がクランク角度の歯1区間(すなわち、6deg)の間で急上昇している区間が見られる。この回転数の上昇は、副燃焼室にて毎サイクル、特定の区間にて発生することが確認されている。そして、この回転数の上昇は、ジェット点火による急速な主燃焼室14aの圧力の上昇dP/dθによりもたらされたものであると考えられる。そのため、回転数変化率dωを推定することで、主燃焼室14aの圧力の上昇dP/dθを求めることができ、ジェット強度も推定することができる。
1-6.回転数変化率の推定方法
次に、図7を算出して従来の回転数変化率dωの推定方法と、本例の回転数変化率dωの推定方法について説明する。
図7は、回転数変化率dωの推定方法を示すイメージ図である。図7における横軸は時刻、縦軸はエンジンの回転数(角速度ω)を示している。そして、図7に示す黒丸は、クランク角センサ49の検出信号を(クランク角センサ信号)示している。そして、クラン角センサ信号は、歯の間隔ごとに出力値が更新される離散値である。そのため、歯と歯の間におけるエンジンの回転数は、その前後区間におけるエンジンの回転数を線形補間して算出されるため、図7に示す実線A1、A2のような折れ線グラフとなる。そして、実線A1は、本例の推定方法を示し、実線A2は従来の推定方法を示している。また、図7に示す点線は、実際の回転数挙動を示している。
また、点火時期後にジェットにより加速が発生する区間(tx+1-t)における回転数変化量Δωは、回転変動取得部104により下記数5に基づいて算出される。
Figure 0007393368000005
まず、従来の回転数変化率dωの推定方法について説明する。従来の推定方法では、クランク角センサ49の信号のみを用いて回転数変化率dωを算出している。すなわち、回転数変化率dωは、下記数6に示すように、回転数変化量Δωを区間の長さである(tx+1-t)を割ることで算出される。
Figure 0007393368000006
ここで、数6により算出される回転数変化率dωは、クランク角6degの区間における平均回転速度の変化を表すことになり、図7に示す実線A2の傾きに相当する。しかしながら、短時間で発生するジェットに起因する回転数の変化を捉えようとした場合、その影響が平滑化され、十分な推定精度を得ることができない。
次に、本例の回転数変化率dωの推定方法について説明する。本例の内燃機関制御装置20では、加速度センサであるノックセンサ47の信号と、クランク角センサ49のクランク角信号を用いて回転数変化率dωを算出している。まず、ノックセンサ信号取得部101により、図6(e)に示すノックセンサ47の信号を取得する。そして、着火時刻推定部105により、ノックセンサ信号取得部101が取得したノックセンサの信号を処理する。
ここで、図8(a)から図8(c)を参照してノックセンサ信号の信号処理について説明する。
図8(a)は、ノックセンサ47の出力値(ノックセンサ信号)を示す波形であり、図8(b)はノックセンサ信号に対してフィルタ処理を行ったフィルタ出力値を示す波形である。図8(c)は、フィルタ出力値の絶対値を示す図である。
図8(a)に示すノックセンサ信号に対して着火時刻推定部105がフィルタ処理を行うことで、図8(b)に示すフィルタ出力値を得ることができる。すなわち、着火時刻推定部105は、ノックセンサ信号に対して、フィルタ処理を行うことで、燃焼に起因する振動成分を抽出する。なお、着火時刻推定部105は、フィルタ処理として、バンド幅・閾値取得部102から出力されたバンド幅を用いてノックセンサ信号に対してバンドパスフィルタを行う。
図8(b)に示す例では、バンドパスフィルタのバンド領域として、1.0kHzから2.0kHzとした。バンド領域が1.0kHzよりも小さい領域をバンド領域に含めた場合、機械振動などに起因する低周波成分がフィルタ出力値に乗ってしまい、燃焼による振動成分として不適切な結果となる。そのため、バンド領域の下限値を1.0kHzとしている。また、バンド領域として、2.0kHzよりも大きい領域をバンド領域に含めた場合、燃焼開始前から高周波成分がフィルタ出力値に現れるようになり、こちらも燃焼に起因する振動成分を抽出するには不適切な波形となる。そのため、バンド領域の上限値を2.0kHzとしている。
なお、バンド領域、すなわちバンド幅は、上述した1.0kHzから2.0kHzに限定されるものではなく、上述したように、バンド幅・閾値取得部102によりエンジンの回転数情報やエンジンの形状情報等に基づいて適宜設定される。
また、着火時刻推定部105は、図8(b)に示すフィルタ出力値を絶対値に変換し、図8(c)に示す波形、すなわち振動の振幅を得る。そして、着火時刻推定部105は、振動の振幅が、バンド幅・閾値取得部102から出力された閾値を上回ったタイミングをジェットの開始タイミングとして判定し、ジェット開始時刻tjetを得る。
なお、閾値は、上述したように、バンド幅・閾値取得部102がエンジンの回転数に基づいて適宜設定される。
このように、ノックセンサ47から出力されたノックセンサ信号に対してフィルタ処理を行うことで、機械振動や高周波ノイズを適切に除去することができる。その結果、ジェットによる着火タイミングを精度よく検出することができる。
次に、ジェット開始時刻tjetに基づいて、クランク軸加速開始時刻推定部106がクランク軸加速開始タイミングtaccを推定する。上述した数4に示すように、主燃焼室14aにおける圧力上昇から回転数の増加が発生するまでには、ピストン機構やクランク軸48の慣性質量に起因する応答遅れがある。そのため、クランク軸加速開始時刻推定部106には、ジェットによる圧力増加開始タイミングを振った主燃焼室14aの筒内圧Pcomb(θ)のプロファイルが複数用意されている。また、それらのプロファイルに対する回転数変化率dω(θ)の応答を計算し、主燃焼室14aにおける圧力の上昇から回転数の増加が発生するまでの時間遅れΔt(θ)がテーブルとして、クランク軸加速開始時刻推定部106には、記憶されている。
そして、この時間遅れΔt(θ)と、ジェット開始時刻tjetからクランク軸加速開始タイミングtaccは、下記数7により算出される。
Figure 0007393368000007
このようにして、クランク軸加速開始時刻推定部106によりピストン機構に起因する応答遅れを補正することで、ノックセンサ信号に基づいて、ジェットによる着火時刻から実際のクランク軸48の加速開始タイミングを精度よく検出することができる。
次に、ジェット強度推定部107は、クランク軸48の加速開始タイミングを起点に、クランク角センサ49で検出される回転数を用いて、回転数変化率dωを算出する。すなわち、ジェット強度推定部107は、上述した数5で算出された回転数変化量Δωと、数7で算出されたクランク軸加速開始タイミングtaccを用いて、数8に基づいて回転数変化率Δωを算出する。
Figure 0007393368000008
ここで、数8で算出されたΔωは、図5に示す実線A1の傾きに相当する。図5に示すように、本例の回転数変化率Δωの推定方法では、回転数変化率Δωの計算開始点がクランク角センサ49の歯の検出時刻txからノックセンサ47により推定されたクランク軸加速開始タイミングtaccに変更していることが分かる。また、図5に示すように、本例の推定方法で得られた実線A1を、従来の推定方法で得られる実線A2よりも、点線で示す実際の回転数挙動に近づけることができる。
従来の推定方法では、ジェットによる着火タイミングに関係なく、計算開始点が常に時刻txとして回転数変化率Δωが計算される。その結果、クランク角センサ49が検出する歯の間隔より細かい時間分解能を得ることができない。これに対して、本例の推定方法では、クランク軸加速開始タイミングtaccを計算開始点として回転数変化率Δωを計算するため、エンジンの状態により変動するジェット開始タイミングを考慮した回転数変化率Δωを算出することができる。
1-7.ジェット強度の推定方法
次に、上述した回転数変化率Δωを用いたジェット強度の推定方法について説明する。
上述した数4により、ごく短い時間の間では、θの項は定数とみなされるため、主燃焼室14aの筒内圧Pcombと、回転数変化率Δωには、下記数9に示すような比例関係が成り立つ。なお、数9に示すτはトルクである。
Figure 0007393368000009
また、内燃機関では、一般的に、dP/dθが大きく急峻な圧力上昇が見られる場合に、主燃焼室14aの筒内圧Pcombも増加する。そのため、ジェット強度I_jetは、間接的に回転数変化率Δωを用いて下記数10に基づいて算出することができる。なお、Ppreは、副燃焼室の圧力である。
Figure 0007393368000010
このように、回転数変化率Δωを推定することで、ジェット強度I_jetを推定することができる。
次に、従来のジェット強度の推定結果と本例のジェット強度の推定結果の精度について図9を参照して説明する。
図9は、従来のジェット強度の推定結果と本例のジェット強度の推定結果の精度を示すグラフである。図9に各グラフの横軸は、回転数変化率dωを示している。また、図9における各グラフの縦軸は、副燃焼室と主燃焼室14aの圧力差、すなわちジェット強度を示している。そして、圧力差の最大値を、点火時期を0deg.ATC、3deg.ATC、6deg.ATCと変化させて、連続する5サイクルを平均化してプロットしたものである。
図9に示すように、クランク角センサ49のみを使用して回転数変化率dωを推定した従来の推定結果では、回転数変化率dωとジェット強度との相関係数が0.68となっている。これに対して、クランク角センサ49とノックセンサ47を併用して回転数変化率dωを推定した本例の推定結果では、回転数変化率dωとジェット強度との相関係数が0.87となっている。このように、本例のジェット強度の推定結果の精度は、クランク角センサ49のみを使用した従来のジェット強度の推定結果の精度よりも向上していることが分かる。すなわち、ノックセンサ47の情報を併用することで、回転数変化率dωの時間分解能を向上させることができ、副室の圧力を検出する圧力センサを用いることなくジェット強度を精度よく推定することができる。
1-8.ジェット強度の補正制御動作例
次に、上述した構成を有する内燃機関制御装置20におけるジェット強度の補正制御の動作例を図10から図12を参照して説明する。
図10は、ジェット強度の補正制御動作を示すフローチャートである。
図10に示すように、まず、内燃機関制御装置20は、エンジンの暖気が完了しているか否かを判断する(ステップS11)。エンジンが冷機状態である場合、ジェット強度が大幅に低下し、主燃焼室14a側の燃焼が不安定になるおそれがある。そのため、ステップS11の処理において、エンジンの暖気が完了していないと判断した場合(ステップS11のNO判定)、内燃機関制御装置20は、ジェット強度の補正処理は行わずに処理を終了する。
ステップS11の処理において、エンジンの暖気が完了していると判断した場合(ステップS11のYES判定)、ノックセンサ信号取得部101は、ノックセンサ47からノックセンサ情報を取得する(ステップS12)。そして、ノックセンサ信号取得部101は、取得したノックセンサ情報(ノックセンサ信号)を着火時刻推定部105に出力する。
次に、着火時刻推定部105は、ノックセンサ信号に対してフィルタ処理を行い、燃焼成分を抽出する(ステップS13)。ステップS13の処理では、着火時刻推定部105は、バンド幅・閾値取得部102から出力されたバンド幅を用いてノックセンサ信号に対してバンドパスフィルタを行う。これにより、上述したように、図8(a)に示すノックセンサ信号から図8(b)に示すフィルタ出力値を得ることができる。
次に、着火時刻推定部105は、燃焼成分を抽出したフィルタ出力値に基づいて、ジェットよる着火時刻tjetを推定する(ステップS14)。すなわち、着火時刻推定部105は、上述したように、フィルタ出力値を値絶対値に変換し、図8(c)に示す波形、すなわち振動の振幅を得る。そして、着火時刻推定部105は、バンド幅・閾値取得部102から出力された閾値を上回ったタイミングをジェットによる着火時刻tjetとして推定する。また、着火時刻推定部105は、推定したジェットによる着火時刻tjetをクランク軸加速開始時刻推定部106に出力する。
次に、クランク角情報取得部103は、クランク角センサ49からクランク角情報を取得する(ステップS15)。そして、クランク角情報取得部103は、取得したクランク角情報を、回転変動取得部104に出力する。また、回転変動取得部104は、数5から回転数変化量Δωを算出し、算出した回転数変化量Δωをジェット強度推定部107に出力する。
また、クランク軸加速開始時刻推定部106は、ジェット開始時刻tjetと数6に基づいて、クランク軸加速開始タイミング(時刻)taccを推定する(ステップ16)。そして、クランク軸加速開始時刻推定部106は、推定したクランク軸加速開始時刻taccをジェット強度推定部107に出力する。
次に、ジェット強度推定部107は、回転数変化量Δωと、クランク軸加速開始時刻taccに基づいて、加速開始時刻taccよりも後に発生する回転数変化率dωからジェット強度I_jetを推定する(ステップS17)。すなわち、ジェット強度推定部107は、数8に基づいて、回転数変化率dωを算出し、この回転数変化率dωをジェット強度I_jetとして推定する。そして、ジェット強度推定部107は、推定したジェット強度I_jetをジェット強度比較部108に出力する。
ジェット強度比較部108は、ジェット強度I_jetが、ジェット強度上限値・下限値計算部110から出力された下限値Imin以上であるか否かを判断する(ステップS18)。ステップS18の処理において、ジェット強度I_jetが下限値Iminよりも小さいと判断した場合(ステップS18のNO判定)、内燃機関制御装置20は、ジェット強度の増加処理を実施する(ステップS19)。ステップS19によるジェット強度の増加処理が完了すると、再びステップS12の処理に戻る。
また、ステップS18の処理において、ジェット強度I_jetが下限値Imin以上であると判断した場合(ステップS18のYES判定)、ステップS20の処理に移行する。ステップS20の処理では、ジェット強度比較部108は、ジェット強度I_jetが、ジェット強度上限値・下限値計算部110から出力された上限値Imax以上であるか否かを判断する。
ステップS20の処理において、ジェット強度I_jetが上限値Imaxよりも大きいと判断した場合(ステップS20のNO判定)、内燃機関制御装置20は、ジェット強度の低減処理を実施する(ステップS21)。ステップS21によるジェット強度の増加処理が完了すると、再びステップS12の処理に戻る。
ステップS20の処理において、ジェット強度I_jetが上限値Imax以下であると判断した場合(ステップS20のYES判定)、内燃機関制御装置20は、ジェット強度I_jetが適切な範囲内に収まっていると判断し、制御を終了する。
次に、図11Aから図12Bを参照してステップS19及びステップS20に示すジェット強度の増減処理の一例について説明する。
図11Aは、ジェット強度の増減処理の一例を示すグラフであり、横軸はジェット強度、縦軸は点火時期を示している。
図11Aに示すように、ジェット強度I_jetが強くなるほど、点火時期出力部109は、点火時期を遅角方向に補正する。点火時期を遅角することにより、燃焼重心が遅れるため、副室8内の燃焼温度が低下する。これにより、ジェット強度I_jetを低減させることができる。
また、ジェット強度I_jetが弱い場合、点火時期出力部109は、点火時期を進角方向に補正する。点火時期を進角することにより、燃焼重心が早まり、副室8内の燃焼温度が上昇する。これにより、ジェット強度I_jetを増加させることができる。
図11Bは、ジェット強度の増減処理の他の例を示すグラフであり、横軸はジェット強度、縦軸はEGR率目標値[%]を示している。
図11Bに示すように、内燃機関制御装置20は、ジェット強度I_jetに応じてEGR率目標値を制御する。すなわち、ジェット強度I_jetが強いほど、EGR率目標値が高くなるように補正する。EGR率を増加させることにより、混合気の希釈率が高まる。その結果、副室8内の燃焼温度が低下し、ジェット強度I_jetを低減させることができる。
また、ジェット強度I_jetが弱い場合、EGR率目標値が低くなるように補正する。EGR率を低下させることにより、混合気の希釈率が低くなる。その結果、副室8内の燃焼温度が上昇し、ジェット強度I_jetを増加させることができる。
図12Aは、ジェット強度の増減処理の他の例を示すグラフであり、横軸はジェット強度、縦軸はA/F目標値を示している。
図12Aに示すように、内燃機関制御装置20は、ジェット強度I_jetに応じてA/F目標値を制御する。すなわち、ジェット強度I_jetが強いほど、A/F目標値が高くなるように補正する。A/Fを増加させることにより、混合気の希釈率が高まる。その結果、副室8内の燃焼温度が低下し、ジェット強度I_jetを低減させることができる。
また、ジェット強度I_jetが弱い場合、A/F目標値が低くなるように補正する。A/Fを低下させることにより、混合気の希釈率が低くなる。その結果、副室8内の燃焼温度が上昇し、ジェット強度I_jetを増加させることができる。
図12Bは、ジェット強度の増減処理の他の例を示すグラフであり、横軸はジェット強度、縦軸は点火エネルギ[mJ]を示している。
図12Bに示すように、内燃機関制御装置20は、ジェット強度I_jetに応じて点火エネルギを制御する。すなわち、ジェット強度I_jetが強いほど、点火エネルギが低くなるように補正する。点火エネルギを低下させることにより、着火遅れ時期が増加して、点火時期を遅角した際と同様に、燃焼重心が遅れて、副室8内の燃焼温度が低下する。その結果、ジェット強度I_jetを低減させることができる。
また、ジェット強度I_jetが弱い場合、点火エネルギが高くなるように補正する。点火エネルギを増加させることにより、着火遅れ時期を減少させ、点火時期を進角した際と同様に、燃焼重心が早まり、副室8内の燃焼温度が上昇する。その結果、ジェット強度I_jetを増加させることができる。
なお、ジェット強度の増減処理は、上述した例に限定されるものではなく、その他各種の増減方法が適用されるものである。
2.第2の実施の形態例
次に、図13から図15を参照して第2の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置について説明する。
図13は、第2の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置のジェット強度の推定処理の構成を示すブロック図である。図14は、エンジン運転条件ごとのジェット強度推定時のノックセンサ振幅信頼率を示すマップである。図15は、第2の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置の第2ジェット強度推定部によるジェット強度の推定方法を示す図である。なお、第1の実施の形態例に内燃機関制御装置20と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図13に示すように、内燃機関制御装置20Bは、ノックセンサ信号取得部101と、バンド幅・閾値取得部102と、クランク角情報取得部103と、回転変動取得部104と、着火時刻推定部105と、クランク軸加速開始時刻推定部106とを有している。また、内燃機関制御装置20Bは、ジェット強度比較部108と、点火時期出力部109とを有している。これらの処理部の構成は、第1の実施の形態例にかかる処理部と同様であるため、その説明は省略する。
さらに、内燃機関制御装置20Bは、第1ジェット強度推定部207Aと、第2ジェット強度推定部207Bと、ジェット強度選択部201と、信頼率β計算部202と、ジェット強度上限値・下限値計算部210とを有している。第1ジェット強度推定部207Aの構成は、第1の実施の形態例にかかるジェット強度推定部107と同様であるため、その説明は省略する。また、第1ジェット強度推定部207Aは、推定した第1ジェット強度をジェット強度選択部201に出力する。
第2ジェット強度推定部207Bは、ノックセンサ47に接続されており、ノックセンサ47からノックセンサ信号を取得する。第2ジェット強度推定部207Bは、ノックセンサ信号に基づいて、第2ジェット強度を推定する。なお、第2ジェット強度推定部207Bによる第2ジェット強度の推定方法については、後述する。そして、第2ジェット強度推定部207Bは、推定した第2ジェット強度をジェット強度選択部201に出力する。
ジェット強度選択部201は、信頼率β計算部202に接続されており、信頼率β計算部202から信頼率βが出力される。そして、ジェット強度選択部201は、信頼率βに応じて、第1ジェット強度と第2ジェット強度のうち指標として用いるジェット強度を選択する。ジェット強度選択部201は、選択したジェット強度をジェット強度比較部108に出力する。
例えば、ジェット強度選択部201は、信頼率βが所定値以下の場合、第1ジェット強度推定部207Aが推定した第1ジェット強度の信頼性が高いと判断し、第1ジェット強度を選択する。また、ジェット強度選択部201は、信頼率βが所定値以上の場合、第2ジェット強度推定部207Bが推定した第2ジェット強度の信頼性が高いと判断し、第2ジェット強度を選択する。
信頼率β計算部202は、アクセル開度センサ12に接続されている。そして、信頼率β計算部202には、アクセル開度センサ12からスロットル開度やエンジンの回転数情報が入力される。そして、信頼率β計算部202は、図14に示すエンジン運転条件ごとのジェット強度推定時のノックセンサ振幅信頼率βを示すマップを有している。図14における横軸はエンジンの回転数[rpm]、縦軸はエンジン負荷IMEP[rpm]を示している。信頼率β計算部202は、エンジンの運転条件に基づいて、図14に示すマップから信頼率βを計算し、ジェット強度選択部201に出力する。
第2の実施の形態例にかかるジェット強度上限値・下限値計算部210は、第1ジェット強度推定部207Aと第2ジェット強度推定部207Bに対する上限値及び下限値を計算する。すなわち、ジェット強度上限値・下限値計算部210は、ジェット強度選択部201が選択したジェット強度に応じて、上限値及び下限値を計算する。そして、ジェット強度上限値・下限値計算部210は、計算した上限値及び下限値をジェット強度比較部108に出力する。
次に、第2ジェット強度推定部207Bによる第2ジェット強度の推定方法について図15を参照して説明する。
ここで、第1ジェット強度推定部207Aでは、上述したように、ノックセンサ信号をジェットによる着火時刻の推定のみに使用し、ノックセンサ信号の振幅情報は使用していない。しかしながら、ノックセンサ信号の振幅情報にも、着火時の振動が含まれている。そのため、エンジンの機械振動が比較的少ない低回転時や、エンジンの回転変動が少なく、クランク角センサ49の回転変動(回転変化量Δω)の検知精度が悪化する低負荷時などでは、ノックセンサ信号の振幅情報をジェット強度の推定に用いることができる。
図15(a)から図15(c)に示すように、第2ジェット強度推定部207Bは、着火時刻推定部105と同様に、ノックセンサ信号に対してフィルタ処理を行い、フィルタ出力値を絶対値に変換し、振動の振幅を取得する。そして、第2ジェット強度推定部207Bは、図15(c)に示すように、点火時期より後、かつ排気弁開時期より前の範囲でノックセンサ信号の振幅最大値を第2ジェット強度Ijet-kocksensorとして推定する。
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置20と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する内燃機関制御装置20Bによっても、上述した第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置20と同様の作用効果を得ることができる。
また、第2の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置20Bによれば、運転状態に応じて各センサの信頼度を設定し、ジェット強度を推定する際に用いるセンサ情報を決定している。これにより、内燃機関100に設けた各センサの性能を最大限発揮することができ、ジェット強度の推定精度の向上を図ることができる。
なお、第2の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置20Bでは、信頼率βを閾値として用いることで、第1ジェット強度推定部207Aが推定した第1ジェット強度と、第2ジェット強度推定部207Bが推定した第2ジェット強度とを切り替える例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各ジェット強度推定部207A、207Bが推定したジェット強度に重み付けを行い平均した値をジェット強度として用いてもよい。さらに、ノックセンサ47及びクランク角センサ49の仕様から推定されるジェット強度の推定誤差を事前誤差分布σとして予め計算し、この事前誤差分布σを信頼率βの計算に用いてもよい。
3.第3の実施の形態例
次に、第3の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置について図16を参照して説明する。
図16は、ジェット強度と初期燃焼機関の相関関係を示すグラフである。横軸は主燃焼室14aの筒内圧に基づいた燃焼解析装置により求めた初期燃焼機関(点火時期-MFB02)を示している。また、縦軸はジェット強度(副燃焼室と主燃焼室の差圧の最大値)を示している。
図16に示すように、初期燃焼機関とジェット強度には、高い相関があることが分かる。すなわち、ジェット強度の推定方法は、ジェット点火における初期燃焼速度の推定方法と読み替えることが可能である。そのため、第3の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置では、ジェット強度の推定だけでなく、初期燃焼機関の推定を行う。これにより、ジェット強度の推定を行うことで、初期燃焼機関を推定し、エンジン制御全般に適用することができる。
4.第4の実施の形態例
次に、第4の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置について図17を参照して説明する。
図17は、燃焼1サイクルにおける主燃焼室14aの筒内圧及びトルクの変動を示す図である。縦軸にトルク[Nm]と筒内圧[MPa]を示し、横軸に燃焼1サイクルのクランク軸48の回転角度を示している。
第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置20では、回転数変化率dωをジェット強度として推定している。しかしながら、図17に示すように、クランク軸48の加速開始タイミングが上死点に近い場合、燃焼圧がトルクにほとんど変換されず、トルクの値がゼロとなっている。その結果、圧力変動が回転変動として検知できなくなるおそれがある。
そのため、第4の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置では、ジェット強度推定部107が数8を用いて回転数変化率dωを推定する。その後、ジェット強度推定部107は、数4に基づいて、ピストン機構による圧力-トルク変換の関係性が考慮された主燃焼室14aの筒内圧Pcombを算出し、ジェット強度を推定する。または、各クランク角度において数4を用いて筒内圧Pcombを算出し、その結果から傾きdP/dθを算出することで、ジェット強度を推定する。
これにより、第4の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置によれば、上死点付近のピストン機構の特異点によりジェット強度が正しく検知できなくなることを防ぐことができ、ジェット強度の推定精度の向上を図ることができる。また、第4の実施の形態例にかかるジェット強度推定部107は、ジェットの発生タイミングが上死点に近いと判定された時のみ、数4を用いて筒内圧Pcombまたはその傾きdP/dθを算出してもよい。これにより、計算負荷の軽減を図ることができる。
5.第5の実施の形態例
次に、図18から図19を参照して第5の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置について説明する。
上述した第1の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置20では、クランク角センサ49のクランク情報に基づいて、ジェットの終了タイミングを検出している。これに対して、第5の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置では、点火コイル16の信号に基づいて、ジェットの終了タイミングを検出している。
図18は、火炎ジェットの変化の様子と、圧力差ΔPの例を示す図である。図18の下部には、クランク角度に対する圧力差ΔPのグラフが示される。そして、図18の上部に示す火炎ジェットの変化の様子を示す説明図(a)~(c)の符号が、圧力差ΔPのグラフに付加される。なお、図中では、副燃焼室を「副室」と略記し、主燃焼室14aを「主室」と略記する。また、説明図(a)~(c)内に示す矢印は、火炎の伝播方向を表す。
図18の説明図(a)に示すように、ピストン18が上昇中に、点火プラグ17による点火が行われる。そして、副燃焼室内に火炎が形成され、副燃焼室内を火炎が伝播する。この時、図18の下部のグラフより、圧力差ΔPが正の値を示すことが分かる。
次に、図18の説明図(b)に示すように、ピストン18が上死点を経て下降し始めるが、副燃焼室から主燃焼室14aに火炎が噴出する。この時にも、図18の下部のグラフより、圧力差ΔPが正の値を示すことが分かる。
次に、図18の説明図(c)に示すように、主燃焼室14aに噴出した火炎ジェットにより、主燃焼室14aの混合気が燃焼し、ピストン18が下降する。そして、副燃焼室内の圧力が負圧になる。この時、図18の下部のグラフより、圧力差ΔPが負の値を示すことが分かる。このため、主燃焼室14aから副燃焼室へ火炎が吹き戻る現象が発生する。なお、吹き戻りが発生しているということは、すでにジェットによる主燃焼室14a内の混合気への点火が完了していることを示唆している。そのため、この吹き戻りを検知した時刻、すなわちジェット終了時刻tburnにて、回転数変化率dωの計算を打ち切る。そのため、回転数変化率dωは、下記数11により算出される
Figure 0007393368000011
すなわち、第5の実施の形態例にかかるジェット強度推定部は、加速開始時刻tacc又はジェット開始時刻tjetからジェット終了時刻tburnまでの間の回転数変化量Δωに基づいて、回転数変化率dωを算出している。
図18の説明図(b)から説明図(c)に示すように、副燃焼室内における混合気の流動が大きく変化する。そして、点火プラグ17の電極間の乱れが大きく変化すると共に、電極間の抵抗Rspも変化する。
図18の説明図(c)に示した吹き戻りのタイミングは、クランク角度が0~20[deg.ATDC]の範囲に収まる。また、クランク角度が0~20[deg.ATDC]の範囲より遅角化した場合は、既に膨張行程に入っているため、主燃焼室14aから副燃焼室へ火炎が吹き戻ることはない。一方、クランク角度が0~20[deg.ATDC]の範囲より進角化した場合は、エンジン100内の圧力が高くなり過ぎるため、適用範囲外の条件となる。
次に、図19を参照して吹き戻りのタイミングの検出方法について説明する。
図19は、燃焼タイミングの検出を説明するための第1の制御タイムチャートである。図19の上から順に、点火信号、放電2次電流の変化が示される。また、図8の横軸は時間を表す。
第5の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置は、点火信号を点火コイル16に出力する。点火信号のパルス幅は、チャージ期間tcとして表され、チャージ期間tcに、1次コイルが通電される。
内燃機関制御装置は、チャージ期間tcの経過後、点火信号を立下げることで、点火プラグ17の放電開始を制御する。点火プラグ17では、放電期間tdにわたって電極間で放電される。内燃機関制御装置は、点火プラグ17からフィードバックされる電極間の放電時における放電2次電流の値に基づいて、放電2次電流の電流変化タイミングを検出する。クランク角度が0~20[deg.ATDC]として表される火炎の吹き戻り期間には、主燃焼室14から副室8に火炎が吹き戻るので、放電2次電流の値が激しく変化する。そして、内燃機関制御装置は、放電2次電流の値が激しく変化した時刻を、吹き戻り時刻tburnとして検出する。
このように、第5の実施の形態例にかかる内燃機関制御装置では、ジェットの開始と終了タイミングの両方を正確に検出することができ、回転数変化率dωを実際の回転数挙動に近づけることができる。その結果、ジェット強度の推定精度の向上を図ることができる。
6.内燃機関の変形例
次に、図20を参照して内燃機関の変形例について説明する。
図20は、変形例にかかる内燃機関の副室周りの構成を拡大して示す概略構成図である。
図1に示す内燃機関100は、インジェクタ13がシリンダ14の側面部に設けられ、副室8内には点火プラグ17のみが設置されるパッシブ型の内燃機関である。なお、本発明の内燃機関制御装置が適用される内燃機関としては、図1に示すパッシブ型に限定されるものではない。
本発明の内燃機関制御装置が適用される内燃機関としては、例えば、図20に示すような、インジェクタ13Cが副室8内に設置されるアクティブ型の内燃機関を適用してもよい。そして、インジェクタ13Cは、副室8内に燃料を直接噴射する。アクティブ型の場合、副室噴射孔8aを通じて主燃焼室14a側から供給される空気とインジェクタ13Cから供給される燃料によって、副室8内の空燃比を着火性が良好となるように制御することができる。その結果、燃焼安静性を向上させることが可能となる。
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した各実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
2…電子制御スロットル弁、 3…吸気圧センサ、 4…過給機、 5…可変バルブ、 6…吸気管、 8…副室、 8a…副室噴射孔、 13、13B、13C…インジェクタ、 14…シリンダ、 14a…主燃焼室、 15…排気管、 16…点火コイル、 17…点火プラグ、 18…ピストン、 20、20B…ECU(内燃機関制御装置)、 21…入力回路、 22…入出力ポート、 23a…CPU、 23b…ROM、 23c…RAM、 24…点火制御部、 47…ノックセンサ、 48…クランク軸、 49…クランク角センサ、 100…エンジン(内燃機関)、 101…ノックセンサ信号取得部、 102…バンド幅・閾値取得部、 103…クランク角情報取得部、 104…回転変動取得部、 105…着火時刻推定部、 106…クランク軸加速開始時刻推定部(着火時刻補正部)、 107…ジェット強度推定部、 108…ジェット強度比較部、 109…点火時期出力部、 110、210…ジェット強度上限値・下限値計算部、 201…ジェット強度選択部、 202…信頼率β計算部、 207A…第1ジェット強度推定部、 207B…第2ジェット強度推定部

Claims (8)

  1. ピストンに面する主燃焼室と、前記主燃焼室に連通する副燃焼室と、前記副燃焼室の内部に取り付けられる点火プラグと、前記ピストンに連結されるクランク軸と、クランク軸の回転角度を検出するクランク角センサと、前記主燃焼室を形成するシリンダと、前記シリンダの振動を検出するノックセンサと、を備えた内燃機関を制御する内燃機関制御装置において、
    前記ノックセンサが検出したノックセンサ信号に基づいて、前記副燃焼室から噴射されたジェットによる前記主燃焼室の混合気の着火時刻を推定する着火時刻推定部と、
    前記クランク角センサが検出したクランク角情報を取得するクランク角情報取得部と、
    前記クランク角情報に基づいて、前記着火時刻よりも後に発生する回転数変化量を算出する回転変動取得部と、
    前記回転変動取得部が算出した前記回転数変化量と前記着火時刻推定部が推定した前記着火時刻に基づいて、前記着火時刻より後に発生する回転数変化率を算出し、ジェット強度を推定するジェット強度推定部と、
    を備えた内燃機関制御装置。
  2. 前記着火時刻推定部は、前記ノックセンサ信号に対してフィルタ処理を行い、フィルタ処理を行ったフィルタ出力値から前記着火時刻を推定する
    請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  3. ピストン機構に基づいて、前記着火時刻推定部が推定した前記着火時刻を補正する着火時刻補正部をさらに備え、
    前記ジェット強度推定部は、前記着火時刻補正部が補正した着火時刻と、前記回転数変化量に基づいて、前記回転数変化率を算出し、前記ジェット強度を推定する
    請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  4. 前記回転数変化量と前記着火時刻に基づいて、前記回転数変化率を算出し、第1ジェット強度を推定する第1ジェット強度推定部と、
    前記ノックセンサ信号に基づいて、第2ジェット強度を推定する第2ジェット強度推定部と、
    備えた請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  5. 前記第1ジェット強度と前記第2ジェット強度のうち指標として用いるジェット強度を選択するジェット強度選択部を
    さらに備えた請求項4に記載の内燃機関制御装置。
  6. 前記ジェット強度推定部は、前記回転数変化率から前記主燃焼室の筒内圧を推定し、前記筒内圧から前記ジェット強度を推定する
    請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  7. 前記ジェット強度推定部は、
    前記点火プラグの点火動作を制御するに点火コイルの信号に基づいて、ジェット終了時刻を検出し、
    前記回転数変化率は、前記着火時刻から前記ジェット終了時刻の間の前記回転数変化量に基づいて、前記回転数変化率を算出する
    請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  8. 前記ジェット強度推定部が推定した前記ジェット強度に基づいて、点火時期、燃料噴射量、点火エネルギ及びEGRバルブ開度のうち少なくとの一つ以上のパラメータを補正する
    請求項1に記載の内燃機関制御装置。
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