JP7391663B2 - 海洋物体周りの長期流れ制御のためのコーティング - Google Patents

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Description

本発明は、没水している物体周りの水流を滑らかにする人工柔毛に関する。
没水した(海洋)物体は、静止し周りに水流を受けているか、静水または流水中で航行しているかにかかわらず、その周囲の水から力を受ける。流体力学者は、これらの表面の表面特性を変化させることによってこれらの力を最小限に抑えようと試みている。この目的のために、自然がしばしば着目されている。最もよく知られている例は、いわゆる「鮫肌効果」である(たとえば、Bechert, D., Bruse, M., Hage, W. et al. Naturwissenschaften (2000) 87: 157. doi:10.1007/s001140050696)。別の例は、魚の滑りやすい表皮を模倣した一種の「究極的に滑らかな表面」として非常に滑りやすい表面を生み出すことである(たとえば、Yang Wu et al., Biomimicking lubrication superior to fish skin using responsive hydrogels, NPG Asia Materials (2014) 6, e136)。大抵、模倣の対象は完全に水中の動物である。これらの動物では、体の流体力学的形状の他に、表皮の上での摩擦抵抗が優位である。しかし、表面では、表皮摩擦より波抵抗がはるかに重要である。水中で泳ぐとき、抗力は、造波抗力の不足のため4分の1に減少する。
異なる目的のためには、環境に関連して表面の特性を変化させるために、繊維被覆された材料が海洋物体に対して使用されることがある。
WO1993025432A1は、海洋構築物に対する汚れ止めとして高密度の細く短い繊維を有する繊維フロック(fiber flock)の使用について教示している。これは、繊維の密度50~300本/mm2、0.1mm未満の繊維太さ、および0.5~5mmの繊維長さについて述べている。しかし、特許WO2007/108679の比較例IIは、密度に基づいて、短い繊維だけが使用され、そのような表面の汚れ止め性能が限られていることを示している。その代わりに、WO2007/108679は、「とげのようなもの」として特徴付けられる比較的短く太い繊維に基づく、汚れ止め特性を有する繊維被覆された海洋材料について記載している。これらは、依然としていくらかの繊維運動を可能にすることになるが、藻類および貝甲殻類の胞子、遊走子、または幼生生物は、概して、特に比較的硬質なほとんど動かないものに付着すると言われている。これらの汚れ止め繊維コーティングを他の目的に使用する記録は述べられていない。しかし、実用的な理由で、船体の現在の慣行は、汚れ止めから必要なとき清掃することに向かいつつある。遠隔操作車両による清掃が潜水清掃に置き換わりつつあり、その工程はますます効率的になっている。この開発は、清掃しやすい表面の必要を増大している。
また、従来技術において流れ特性を変えるために繊維フロックについても記載されている。流体力学ではなく空気力学に対する注目にかかわらず、米国特許第7,318,619号は、抗力および騒音を低減することを含めて-フロック加工のない表面に対して空気力学的特性を調整するように上を空気が流れる表面にフロック加工を加えることについて記載している。米国特許第7,318,619号は、長さ0.5、1.0、および2.5mmの繊維でフロック加工されたNACA2412エーロフォイルを使用して、高い迎え角で増大された揚力および低減された抗力について報告している。しかし、迎え角ゼロでは、ベアのエーロフォイルに比べて、繊維で被覆されたエーロフォイルについて測定された抗力係数CDは、長さ0.5mmの繊維について40%高く(CD0.7対滑らかなフォイルについてCD0.5)、長さ1.5mmの繊維について60%高く(CD0.8対滑らかなフォイルについてCD0.5)、長さ2.5mmの繊維について80%高い(CD0.9対滑らかなフォイルについてCD0.5)ことも示されている。さらに、繊維はエアフォイルの揚力側にのみ適用されており、一方、船舶の場合、それは揚力によってではなく摩擦抗力によって大部分支配される他方の側である。その情報に基づいて、当業者は、ゼロ度の迎え角で航行する水上に浮かぶ船舶の動きに含まれる流体力学を改善するために空気力学に対する知見を推測しないであろう。実際、あったとしても、当業者に対して別の方向に教示することになり、フロック加工のないものに比べて、繊維被覆された水上に浮かぶ船舶についてより高い抗力係数を期待するであろう。
米国特許第3,554,154号は、水線より下方でその外側表面から突出する複数の剛毛を有するボートについて記載しており、これらの剛毛は、水上のボートによって生成されるキャビテーション渦を減衰させるために十分に密集している。キャビテーションの効果は、所与の温度についての蒸気飽和圧力未満の圧力低下によって引き起こされる。この文献によれば、ボートの外側表面を剛毛で覆うことにより、キャビテーション効果が減衰され、水上のボートの動きによって生成される摩擦が低減される。しかし、専門家にとっては、キャビテーションポイントより上方での船体の流れ特性は、キャビテーションポイントより下方での(通常の)流れ特性とは著しく異なることが明らかである。キャビテーションは、プロペラおよび付加物にとって重要であるが、そのような圧力低下条件が存在しない船舶の動きについての抗力にほとんど関連がない。
DE19704207は、浮体の水の抵抗(表皮摩擦)を、その外側表面を繊維が広げられた繊維パターンで被覆することによって低減することについて記載している。水中の電荷とは反対の正電荷を印加するために、繊維のための支持層内に導体が組み込まれている。この高電圧は、マグネシウムカソードを有する制御システムによって印加される。正電荷は、繊維の接着剤層内に埋め込まれたワイヤによって、または導電性接着剤を使用することによって印加され得る。繊維は、ローラによる塗布中に必要とされるパターンにされる。DE19704207には、この構造は、流れに対して直交する、またはおそらくは傾斜する繊維と共に、空気クッション/空気潤滑として機能する繊維が小さな渦を生み出すことに基づいて、抵抗低減効果をもたらすことも記載されている。空気潤滑は、表皮摩擦抵抗を低減するという知られている概念である。船体上の空気の薄い層が、水に比べてより低い空気の粘性により表皮摩擦を実質的に低下させ得る。この空気層は、この場合には船体と水の間で、空気ベアリングのような潤滑剤として働く。しかし、大部分の船体の形状は、必然的に空気クッションを高速で逃がすことになり、そのような空気層を維持するために、一定の空気の補充(泡注入)が必要とされることになる。これは、エネルギー節約モードになると思われない。
2011年のミュンヘンにおける第21回International Flock Symposiumにおいて、Hofmannは、空気の閉じ込め(空気潤滑)に基づいて表皮摩擦を低減するフロック加工された表面について述べている。しかし、空気の閉じ込めは、空気の補充の速度を修正することはできるが、連続的な空気供給の必要を解消しない。したがって、閉じ込められた(たとえば、フロック内に)空気だけに依拠する受動的なシステムは、船舶が動き始めた後すぐにその効果を失うことになる。
上記のいずれも、没水した(海洋)物体に蓄積された力の低減について教示していない。あったとしても、当技術分野は、増大された摩擦抵抗について教示しており、概して水中の移動物体に繊維を適用することから離れる。
大部分の人工構造物は水面にあるので、本発明は、前記構造物の流体力学を改善するために海洋哺乳類表皮を模倣することに基づく。哺乳類は、しばしば表面で泳ぎ、優勢の抗力に効率的に対処する。流体力学全体を改善するために海洋哺乳類の毛皮を模倣することは、それ自体まったく新しい手法であり、当技術分野は長さの効果について論じているが、剛性の効果(剛毛対柔毛を比較する)は対処されていない。本発明者は、思いがけなく、0.3~4mmの平均繊維長および5~80ミクロンの平均繊維太さを有する柔らかい繊維フロック材料を、水流の迎え角が本質的に0度である可動もしくは移動中の船舶の船体など水中構造物または洋上風力モノパイル(monopile)および海洋掘削装置など水中静止構造物に適用したとき、全体的な抗力は、負の影響を受けず、(表皮)摩擦が著しく増大するにつれて、これらの繊維フロック材料は、総抗力の低減さえもたらし得る優れた残留抗力低減特性を有することを見出した。
例では、より細い繊維は、より太い繊維に比べて低い摩擦抵抗を有し、より長い繊維は、より短い繊維に比べてより高い表面摩擦を有し、したがって、繊維長および直径に基づいて流れ特性を最適化するためのツールをもたらすことが示されている。また、表面構造の効果は、単に表面に汚れがない限り効果があるので、汚れないように保つことが重要であり、汚れが生じた場合、清掃するのは容易である。本発明者は、これらの2つの目的は、繊維長および太さ、および任意選択で本発明の太さ対長さ比に働きかけるとき合体され得ることを見出した。繊維は、清掃するのが容易である。
一実施形態では、構造物は、移動中の、または(自己)可動の航海船舶である。それに関連して、本発明は、水上を通る航海船舶の燃料消費の削減に関する。別の実施形態では、構造物は、洋上風力モノパイルまたは海洋掘削装置など静止構造物である。
関連の態様では、本発明は、残留抗力を低減するための、可動もしくは移動中の航海構造物など構造物または洋上風力モノパイルもしくは海洋掘削装置など静止構造物の水中表面上の繊維被覆された材料に関し、前記材料は、本明細書および添付の特許請求の範囲に定義された平均繊維長および平均繊維太さを有する繊維を含む、またはそれらからなる。
繊維被覆された材料は、改善された清掃性特性を有し、すなわち好ましくは清掃しやすい。
船舶の速度-長さ比(V/(√L))に対する総抗力係数C_totalの依存性を示す概略図。(「1」)表皮摩擦抗力係数、(「2」)残留抗力係数、(「3」)層流のライン、(「4」)乱れへの移行、(「5」)乱流、(「6」)完全な乱流、(「7」)造波抵抗によるC_totalの山、(「8」)造波抵抗によるC_totalのくぼみ。 排水モードにおける特定のエンジン回転数で達成される船舶速度(単位ノット)に対する繊維フロックの効果の図。菱形(「2」)は、長繊維(平均長さ2.5~3mm)での結果を示し、方形(「1」)は、短繊維(平均長さ0.5~1.5mm)を表し、円(「3」)は、被覆なしの船舶表面で得られたものである。
一態様では、本発明は、(流体力学的)残留抗力を低減するための構造物の水中表面上での繊維被覆された材料の使用に関し、前記材料は、0.3から4mmの間の平均繊維長および5から80ミクロンの間の平均繊維太さを有する繊維を含む、またはそれらからなる。別の態様では、本発明は、水中に沈められた構造物の残留抗力を低減するための方法に関し、構造物の水中表面の少なくとも一部は、繊維被覆された材料を備え、前記材料は、0.3から4mmの間の平均繊維長および5から80ミクロンの間の平均繊維太さを有する繊維を含む、またはそれらからなる。
一実施形態では、繊維は、好ましくは0.5と3.5mmの間、より好ましくは0.5と3mmの間、より好ましくは2.5mm未満、さらに好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満、最も好ましくは0.5から1mmの範囲内の平均長さを有する。
一実施形態では、改善された清掃性のために、繊維は、80μm未満、好ましくは75μm未満、好ましくは70μm未満、より好ましくは60μm未満、より好ましくは50μm未満、さらに好ましくは45μm未満、最も好ましくは30μm未満の平均太さを有することが好ましい。
好ましい一実施形態では、上記の好ましい平均繊維長と平均繊維太さが組み合わされる。これらの範囲内で、平均太さと長さの実際の組合せは、特定の応用例のために抗力と清掃性の最適に応じて選択され得る。別の実施形態では、改善された清掃性のために、平均繊維長は、好ましくは少なくとも1mm、より好ましくは少なくとも2mm、最も好ましくは2から4mmの間、より好ましくは少なくとも2.5mmであり、好ましくは、ここで上記に定義されている平均繊維太さを有する。しかし、これらのより長い繊維のための改善された清掃性は、残留抗力低減にとってあまり有利でない。本発明の範囲内において、残留抗力問題に取り組むことがより重要である場合、平均繊維長は、好ましくは3.5mm未満、より好ましくは3.0mm未満、最も好ましくは2.5mm未満、さらに好ましくは2.0mm未満である。より短い繊維長の場合、清掃は、より注意を要することになる。
前述の範囲内では、本発明による繊維は、好ましくは0.05以下、好ましくは0.04未満、より好ましくは0.03未満の(平均繊維長および平均繊維太さに基づく)太さ対長さ比(すなわち、平均直径/平均長さ)を有する。太さ対長さ比は、好ましくは少なくとも0.005、より好ましくは少なくとも0.009、最も好ましくは少なくとも0.01である。
哺乳類の柔毛を模倣するためには、柔らかい繊維が物体の表面上に静電フロック加工によって堆積される。この技法の場合、装填可能な繊維が繊維容器とフロック加工対象の(接地された)物体との間の高電圧電界内で装填され得る。電界により、繊維は物体へ直接流れ、繊維は直交に近づいている。物体に適用された接着剤が繊維を捉え、乾燥および架橋プロセスの後、繊維は永続的に付着する。繊維は、流れ方向の位置決めを可能にするように、方向性のフロック加工がなされ得る。繊維材料は、多様であり、たとえばビスコース、ポリエステル、およびポリアミドとすることができ、また、それらの寸法および密度は、大きく変わり得る。異なる繊維は、水流と、繊維の材料ならびに寸法(長さ、直径、太さ対長さ比)とのことで異なる挙動を受けることになることは明らかである。また、異なる哺乳類は、異なる柔毛の毛を有し、その結果、流体力学を最適化するために正しい繊維を見出すためには、選択および最適化が欠かせない。
繊維被覆された表面での流体力学的現象を理解するために、特に繊維の抗力低減特性から別の方向へ教示する従来技術における残念な結果に照らして、抗力の異なる成分間で見分けなければならない。抗力の水中部分は、本質的に摩擦および残留抗力からなる。これらの抗力成分は、互いに独立して様々である。
物体に対する流体(水)の相対運動だけが重要であるため、流体中で動くボディに関する有利な残留抗力低減効果について述べられるあらゆる事項は、流体が静止(水中)構造物周りを流れる状況に自動的に変わる。
摩擦抗力は、水の内部粘性によるものであり、物体の付近における水体積の剪断運動に由来する。ボディが流体中を動くとき、境界層がその露出表面上で発達する。すなわち、固体表面のすぐ近くの流体層は、ボディに対して無流であり、すなわち、ボディに付着し、その速度(ノンスリップ境界条件)で動き、隣接する流体層は、ボディから遠く離れて流体が完全に静止するまで、徐々に低下する速度を有する。(逆に、流体は、静止構造物周りで動くとき、構造物の表面でゼロ速度が得られるまで境界層内で遅くなる。)境界層内の摩擦は、流体(水)の粘性によって示され、ボディの摩擦抵抗を支配する。流体中で動く船舶の摩擦抵抗は、船体の濡れたエリアに比例し、境界層の厚さに依存する。境界層の状態および厚さは、船速と共に、また船舶の最前部の点を基準とする船体に沿った位置と共に変化する。低速および前部近くにて、境界層は層流である(隣接する流体層間での拡散性の伝達)。高速で、および/または前部から遠く離れると、境界層は乱流になる(渦の創出および流体特性のカオス的な変化に関連する、隣接する流体層間での対流的な伝達)。当技術分野では、摩擦抗力とそれを低減する方法に多くの注意が払われてきた。
残留抗力は、主に形状抗力(「圧力」抗力としても知られる)および「造波」抗力(wave or wave-making drag)から形成される。
1.移動中の航海船舶での実施形態では、形状抗力は、船舶の形状に依存し、船舶の前部と後部との圧力の差に由来する。船舶が水上で移動するとき、その前部で水は分割され、船舶周りを強制的に移動し、この現象は、局所的な圧力上昇に関連付けられる。反対に、船舶の後部では、水は再結合し、船舶の通過後に残される空所を埋める。これが効率的に行われない場合、局所的に低い圧力が船舶の後ろに形成される。これらの圧力の差は、船舶断面積に作用し、速度を低下させる力-形状抗力を加える。形状抗力は、船体の形状、および船舶の後ろに形成される伴流に依存する。境界層剥離は、伴流を増大し、効率を低減し、それに伴って後部圧力が回復し、したがって形状抗力増大をもたらす。
2.造波抗力(造波抗力)は、波の形成に関係する。穏やかな水域では、船舶が通過した後、水面にウェーブシステム(wave system)が発達する。したがって、船舶のエネルギーの一部が、このウェーブシステムを攪拌するために使用された。これは、抗力-造波抗力に関連する。造波抗力は、船舶の前部および後部での圧力の差に依存し、したがって船舶の長さ、船体の形状に依存するが、境界層内の粘性消散にも依存する。
図1は、水上に浮かぶ船舶の速度(V)長さ(√L)比に関して異なる抗力成分(総抗力係数で表す)を示す。低い速度長さ比では、低いレイノルズ数(Re=ρVL/μ、ここでρは流体の密度でありμはその粘性であり、Vは流体に対する船舶の速度であり、Lは船舶の長さである)にも関連し、摩擦抗力(「1」)が優勢である。さらに、摩擦抗力係数は、V/(√L)と共に減少する。総抗力係数は、最初、同じ傾向に従うが、より高いV/(√L)では、残留抗力(「2」)の貢献が増大し、最終的に優位を占める。典型的な船舶の巡航速度では、残留抗力は、その船舶が受ける総抗力の50%超に貢献する。
本発明者の知見では、全体的な抗力は、例4、例5、および例7に示されているように中立であったが、例1に示されているように摩擦抗力が増大したとき、残留抗力は、本質的に増大したはずである。
残留抗力に関する本発明者の知見は、水上で移動する船舶について、残留抗力低下を維持しながら摩擦の貢献を低減するように本発明者の初期知見における繊維から繊維長および太さが変えられる場合、有利に維持された、またはさらにはより低い全体的な抗力特性、および関連の燃料低減をもたらし得る。
例1は、異なる長さおよび太さを有する繊維被覆された 円板に対する摩擦抗力の差を明確に示す。繊維が短いほど摩擦抗力が低くなり、同じ平均長さで繊維が細くなるほど摩擦抗力が低くなる。これらの知見は、摩擦抗力を低減するためには、繊維が可能な限り短く細くあるべきであることを暗示する。しかし、寸法は、残留抵抗の低減が依然として存在し、したがって、特に繊維の長さの最小値があるように、慎重に選択されるべきである。摩擦抗力によって支配される長く細身の船舶については、抗力は、0.7mmの繊維について中立であることを例7が示すように、これは依然として、残留抗力特性が存在する繊維である。例4および例5について中立抗力が長さ3mmの太い繊維について見出されたということは、この長さ領域では依然として、船舶形状に応じて、残留抗力低下は摩擦抗力増大と一致し得ることを示す。
残留抗力の利益を最適化するためには、より柔らかい繊維の方がより剛性の繊維より好ましく、より短い繊維の方がより長い繊維より好ましい。平均繊維太さは、5~80μm、より好ましくは5~75μm、特に5~70μm、好ましくは60μm未満、より好ましくは50μm未満、最も好ましくは45μm未満、特に好ましくは10~30μmである範囲内にあることが好ましい。
抗力に対する効果が持続するためには、表面は、異物(生物学的、化学的、沈積物)のないままにするべきである。この態様では、本発明の第2の態様は、表面を容易に清掃する必要について教示している。人工毛皮の繊維は、汚染が断熱された物体の表面に容易に到達しないようにする。汚染-本質的に有機または無機-は、繊維の上部を「汚す」ことになり、その場所に堆積層を生み出すことになる。繊維の上部でのこの付着は、汚れの下に空間を残し、この空間は、清掃具が繊維のマット内に容易に圧入され得、上部からではなく底部から除去を可能にするので、容易な清掃を可能にする。
繊維の長さは、清掃性において重要な役割を果たすことが見出された。短繊維は、清掃具を配置するには下にほとんど余地を残さず、熱帯生物によって分泌される接着剤が厚くなり得、3~4mmの長繊維でさえ完全に埋めることができるので、堅い付着をもたらすことさえあり得る。例6は、従来の汚れ止めコーティングに比べて、比較可能な北欧水域条件での短繊維タイプと長繊維タイプとの清掃の差を示す。
さらに別の態様では、船舶または構造物の遊休時の場合、汚れが発生し得、清掃性が重要になる。これらの場合には、より長い可撓性の繊維の方が、より短い繊維より、またより太い繊維より好ましい。例6は、異なる繊維の清掃性を比較している。
繊維のフロックの密度(「フロック密度」)は、従来のものであることが好ましく、被覆率約25%までの実際的なフロック密度を達成するための当業者の能力内にある。フロックのような特性を得るために、3%の最低密度が好ましい。残留抗力低減が達成される密度の点で明瞭な限界はないが、フロック密度は、好ましくは3~25%の範囲内、より好ましくは5~15%の範囲内である。
あらゆる種類の繊維形成材料が使用され得る。親水性ポリマーも疎水性ポリマーも使用され得る。繊維は、一般にポリエステル、ポリアミド、またはポリアクリレートから構成され、ポリ(エチレン)テレフタレートおよびポリ(ブチレン)テレフタレートなどポリエステル、ナイロン6、11、12、66、および610によって代表されるポリアミド、しかしまたポリウレタン、(改質)ポリ(ビニルアルコール)、ポリエチレンもしくはポリプロピレンなどポリアルキレン、またはそれらの改質(共重合された)形態をも含む。また、レーヨンなど天然繊維が適用されてもよい。繊維は、好ましくはポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリシロキサン、フルオロポリマー、およびそれらの組合せからなる群から選択される合成繊維材料製であることが好ましい。また、繊維は、前述のタイプの改質形態、コポリマー、または混合物を含んでもよい。繊維は、ポリアミドまたはポリプロピレンを含むことが好ましい。
一実施形態では、残留抗力低減は、摩擦抗力増大を補償し、さらには置き換わり、好ましくは少なくとも1%、より好ましくは少なくとも2.5%、最も好ましくは少なくとも5%だけ置き換わり、したがって総抗力を低減する。
船舶の船体など構造物の水中部分(水線より下方)の少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%が繊維フロック材料によって覆われることが好ましい。一実施形態では、(船体の)水中部分のすべて、好ましくは90%未満、より好ましくは80%未満、さらにより好ましくは70%未満、より好ましくは60%未満、好ましくは50%未満が繊維フロック材料によって覆われることが好ましい。これは、経済的な観点からであり、船舶の場合、合理的なレベルで平坦な底部と垂直な側部に主に起因する摩擦抗力を維持するためでもある。
本発明は、予測可能な浅喫水および比較的短い船体を有する小型(航海)船舶または可変の喫水および長い船体を有する大排水量船舶に使用されるように適合された、抗力問題に対する解決策を提供する。一実施形態では、繊維フロックは、水上を通過する物体に適用される。
また、本発明は、構造物周りの、または構造物を通る水流が、水と構造物の間の相対運動によって抗力が引き起こされるとき構造物に対して力を加える水中に沈められた静止構造物のための解決策を提供する。繊維フロックの使用は、残留抗力および構造物に対して加えられる力の量を低減することが有利である。好ましい(水中)静止構造物は、洋上風力モノパイルおよび海洋掘削装置だけでなく、プラットフォーム、石油掘削装置、係船柱、およびブイである。
したがって、本発明は、水中で使用するための繊維被覆された構造物に関し、表面の少なくとも一部は、摩擦抗力を低く保つために4mm未満の平均長さを有するが残留抗力の低下を可能にするために0.3mmより長い繊維を有する繊維フロックで覆われる。好ましくは、平均繊維長はより短く、すなわち0.5mmから4mmの間、抗力最適化のために好ましくは0.5から1.5mmの間、清掃性最適化のために好ましくは2から3mmの間である。繊維の密度および太さは、必要とされる速度、または(それだけには限らないが)(無機ならびに生物学的)汚れの清掃の容易さのような追加の要件に応じて最適化され得る。
別段指定されない限り、本説明および特許請求の範囲を通じて与えられる太さ、長さ、密度、および比の値は、平均である。個々の繊維の5%未満のアンダーカットおよびオーバーカットは許容される。
本発明は、汚染によって表面が汚れていない場合のみ適正に機能し得る。あらゆる表面は最終的に汚れることになることは知られているので、得るべき最良の表面は、清掃しやすい表面である。したがって、本発明は、繊維の清掃しやすい効果にも関する。清掃に関して最適化するためには、より長くより柔らかい繊維の方が、剛性の繊維ならびに短繊維より好ましい(例6参照)。

例1-回転円板の設定による摩擦抵抗の測定
水中で回転する、繊維で被覆された回転PVC円板を使用して、摩擦抗力テストが研究室環境で実施された。平坦なPVC円板を測定する他に、2組の円板、すなわち、同じ平均直径、異なる平均長さ(0.5および1.0mm)を有する短繊維、および異なる平均直径(27、50、および70μm)を有する長繊維(平均3mm)が比較された。指定されたトルクに起因する回転速度が測定された。いくつかのトルク値が使用され、それぞれあらゆる場合において特性トルクが測定された。平板条件があるので、抵抗は純粋に摩擦関連のものである。測定は、異なるトルクで実施された。
ある特性測定では、滑らかなPVC円板に対して、長さ0.5mmの繊維に覆われた表面は、回転速度において29%の減少となり、一方、長さ1.0mmの繊維に覆われた表面は、回転速度において35%の低減となり、より短い繊維の方がより低い摩擦増大となることを示した。長さ3mmの繊維の組についての別の特性測定では、滑らかなPVC円板に比べて、直径27mmの繊維に覆われた表面は、46%低い回転速度となり、直径50mmの繊維に覆われた表面は、48%低い回転速度となり、70mmの繊維に覆われた表面は、51%低い回転速度となり、より太い繊維の方がより高い摩擦増大となることを示した。
例2-清掃特性
洋上停泊中の船舶が平均で3mmの繊維(44μmの平均繊維太さを有する)で覆われた膜で被覆され、船舶は、水中で2.5年の間試験され、これは石油プラットフォーム近くの停泊位置で遊休であり、ごくたまに航行することを意味していた。2年後、ほとんど汚れはなく(水中検査)、2.5年後、船舶は乾ドックに入れられた。乾ドック中、存在する汚れは、容易に除去することができた。厚さ3mmの繊維層を貫通する接着剤の厚い層では、汚れの小部分が永続的に付着していた。
例3-抗力
フロック繊維のシート(平均長さ3mm、直径平均70μm、従来のフロック密度)がアルミニウム製パイロットボートに取り付けられ、速力試運転が実施された。潮流および風の影響を防止するために、速力試運転は、2方向で実施された。速力試運転後、シートは除去された、同じ速力試運転が滑らかな船体で実施された。各試験回の前に、船舶は燃料補給された。滑らかな船体での試運転後、第2のシートが船体に取り付けられ、このときは、短繊維(長さが平均長さ0.7mm、平均直径13μm)から構成され、同様のフロック密度であった。
試験は、以下のように進められた。すなわち、最初に、エンジンの所望の回転数(毎分回転数)が実施され、したがって推進力を固定し、その後、船舶が一定の速度となることを可能にした。5秒ごとに、エンジン回転数、船舶の座標、方向、および表面に対する速度を含むデータが記録された。所与のエンジン回転数について、2回、すなわち卓越気候条件の方向での1回、および反対方向での2回目から、船舶の速度が平均として計算された。各エンジン回転数について、速度誤差が個々の測定から統計的に計算され、当該2回のうち大きい方が妥当なものとして受け入れられた。
図2は、試験結果を示す。船が排水モードにある限り、特定のエンジン出力に起因する速度は、滑らかな船体および長繊維について同じであることが明らかである。短繊維の結果を見ると、7%(高速時)の速度増大から20%超(低速時)までの、同じエンジン出力で速度の大きな増大が得られている。
例4-抗力
フロック繊維のシート(平均長さ3mm、直径平均70μm、従来のフロック密度)がハーバータグに取り付けられ、通常の汚れ止め塗料が同一のハーバータグに適用された。タグは、キール冷却チャネルを有し、船舶の長さは、19.6mである。達成可能な最大速度を確立するために、両船舶での速力試運転が実施された。繊維フロックのシートを有するタグは、11.0ノットの最大速度を達成し、一方、通常の汚れ止め塗料を有するタグは、11.2ノットの最大速度を達成した。例1における実験の結果に基づいて、これは残留抵抗の大きな低減によって達成されたと結論づけられ得る。
例5-抗力
フロック繊維のシート(平均繊維長3mm、直径平均70μm、従来のフロック密度)が長さ34mの鋼製のクルーテンダ(crew tender)に取り付けられ、それを用いて、通常の汚れ止め塗料を有する速力試運転は、16.0ノットの最大達成可能速度をもたらした。達成可能な最大速度を確立するために、この船舶を用いた速力試運転がフロック繊維のシートの適用後に実施された。達成された最大速度は、16.5ノットであった。例3における実験の結果に基づいて、これは残留抵抗の大きな低減に関連付けられた。
例6-清掃
2つの平均繊維長(0.7および3mm)を有するフロック繊維のシートが冷水内で2つの船舶に取り付けられ、2か月後(0.7mmの繊維シート)および1.5年後(3mmの繊維シート)に検査された。3mmの繊維シートで被覆されたものと同一の船舶が、比較のために通常の汚れ止め塗料で被覆され、1.5年間、比較可能な状態で使用された。3つの船舶すべてがある程度汚れを示し、清掃が実施された。短繊維は、平坦な板金の清掃具を必要とし、汚れの下に板金を押し込むことによって容易に清掃された。長繊維については、1.5年後でさえ、清掃は単純に素手で可能であった。通常の汚れ止め塗料については、ダイブナイフを用いた清掃は、コーティングシステム全体の除去をさえもたらし、繊維が存在しない表面を清掃することができないことを示した。
例7-抗力
フロック繊維のシート(平均長さ0.7mm、直径平均14μm、従来のフロック密度)が長さ220mの細身の船舶に取り付けられ、それを用いて、通常の汚れ止め塗料を有する速力試運転は、21.6ノットの最大達成可能速度をもたらした。達成可能な最大速度を確立するために、この船舶を用いた速力試運転がフロック繊維のシートの適用後に実施された。達成された最大速度は、21.3ノットであった。比較例3の実験の結果に基づいて、この繊維については30~35%の範囲の摩擦抵抗の増大があり、等しい速度は、繊維で被覆された船舶について残留抵抗の大きな低減に関連付けられる。

ここに、出願当初の特許請求の範囲の記載事項を付記する。
[1] 残留抗力を低減するための構造物の水中表面上での繊維被覆された材料の使用であって、前記材料は、0.3から4mmの間の平均繊維長および5から80μmの間の平均繊維太さを有する繊維を含む、またはそれらからなる、使用。
[2] 構造物の前記水中表面は、(自己)可動もしくは移動中の船舶の船体、または洋上風力モノパイルおよび海洋掘削装置など静止構造物の水中部分である、[1]に記載の使用。
[3] 水上を通る航海船舶の燃料消費を削減するための、[1]または[2]に記載の使用。
[4] 前記平均繊維長は、0.5から3.5mmの範囲内、好ましくは0.5から3mmの間、より好ましくは2.5mm未満、さらに好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満、最も好ましくは0.5から1mmの範囲内である、[1]から[3]のいずれか一項に記載の使用。
[5] 前記平均繊維太さは、5から75μmの間、好ましくは5から70μmの間、より好ましくは5から50μmの間、最も好ましくは5から30μmの間である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の使用。
[6] 前記繊維は、0.05以下、好ましくは0.04未満、より好ましくは0.03未満、および好ましくは少なくとも0.005、より好ましくは少なくとも0.009、最も好ましくは少なくとも0.01の(平均繊維長および平均繊維太さに基づく)太さ対長さ比を有する、[1]から[5]のいずれか一項に記載の使用。
[7] 繊維フロック密度は、3から25%の間である、[1]から[6]のいずれか一項に記載の使用。
[8] 船舶の没水表面の少なくとも5%は、前記繊維被覆された材料によって覆われる、[1]から[7]のいずれか一項に記載の使用。
[9] 前記繊維は、合成繊維材料であり、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリシロキサン、フルオロポリマー、およびそれらの組合せから選択される、[1]から[8]のいずれか一項に記載の使用。
[10] 前記繊維は、堆積物の清掃の容易さを提供する、[1]から[9]のいずれか一項に記載の使用。
[11] 前記繊維は、少なくとも1mm、より好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも2.5mm、最も好ましくは少なくとも3mmの平均繊維長を有する、[10]に記載の使用。
[12] 水上を通る航海船舶の全体的な抗力を低減するための、[1]から[11]のいずれか一項に記載の使用。
[13] 水中に沈められた構造物の残留抗力を低減するための方法であって、構造物の水中表面の少なくとも一部は、柔らかい繊維被覆された材料を備え、前記材料は、0.3から4mmの間の平均繊維長および5から80μmの間の平均繊維太さを有する繊維を含む、またはそれらからなる、方法。
[14] 残留抗力を低減するための可動もしくは移動中の航海構造物の水中表面上の繊維被覆された材料であって、0.3から4mmの間の平均繊維長および5から80μmの間の平均繊維太さを有する繊維を含む、またはそれらからなる、材料。
[15] 前記平均繊維長は、0.5から3.5mmの範囲内、より好ましくは2.5mm未満、さらに好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満、最も好ましくは0.5から1mmの範囲内である、[14]に記載の繊維被覆された材料。
[16] 前記繊維は、0.05以下、好ましくは0.04未満、より好ましくは0.03未満、および好ましくは少なくとも0.005、より好ましくは少なくとも0.009、最も好ましくは少なくとも0.01の(平均繊維長および平均繊維太さに基づく)太さ対長さ比を有する、[14]または[15]に記載の繊維被覆された材料。

Claims (17)

  1. 残留抗力を低減するための構造物の水中表面上での繊維被覆された材料の使用であって、前記材料は、0.3から4mmの間の平均繊維長および5から80μmの間の平均繊維太さを有する繊維を含む、またはそれらからなるものであって、前記繊維は前記構造物の水中表面に直交するように配置され、水流の迎え角が0度である、使用。
  2. 構造物の前記水中表面は、(自己)可動もしくは移動中の船舶の船体、または静止構造物の水中部分である、請求項1に記載の使用。
  3. 水上を通る航海船舶の燃料消費を削減するための、請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記平均繊維長は、0.5から3.5mmの範囲内である、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記平均繊維太さは、5から75μmの間である、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記繊維は、0.005から0.05の間の(平均繊維長および平均繊維太さに基づく)太さ対長さ比を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 繊維フロック密度は、3から25%の間である、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 船舶の没水表面の少なくとも5%は、前記繊維被覆された材料によって覆われる、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記繊維は、合成繊維材料であり、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリシロキサン、フルオロポリマー、およびそれらの組合せから選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記繊維は、堆積物の清掃の容易さを提供する、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 前記繊維は、少なくとも1mmの平均繊維長を有する、請求項10に記載の使用。
  12. 水上を通る航海船舶の全体的な抗力を低減するための、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 水中に沈められた移動中の航海船舶の残留抗力を低減するための方法であって、移動中の航海船舶の水中表面の少なくとも一部は、柔らかい繊維被覆された材料を備え、前記材料は、0.3から4mmの間の平均繊維長および5から80μmの間の平均繊維太さを有する繊維を含む、またはそれらからなるものであって、前記繊維は前記移動中の航海船舶の水中表面に直交するように配置され、前記航海船舶は水流の迎え角が0度で移動する、方法。
  14. 残留抗力を低減するための可動もしくは移動中の航海構造物の水中表面のための繊維被覆された材料であって、0.5から2.5mm未満の平均繊維長および10から30μmの間の平均繊維太さを有する繊維を含む、またはそれらからなるものであって、前記繊維は前記航海構造物の水中表面に直交するように配置されることができ、前記繊維の(平均繊維長および平均繊維太さに基づく)太さ対長さ比が0.005から0.03未満である、繊維被覆された材料。
  15. 前記平均繊維長は、2.5mm未満である、請求項4に記載の使用。
  16. 前記平均繊維太さは、5から50μmの間である、請求項5に記載の使用。
  17. 前記平均繊維太さは、10から30μmの間である、請求項16に記載の使用。
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