JP7391617B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつに関する。
従来より、スキンケア剤の塗布されたおむつが種々提案されている。
例えば、特許文献1には、疎水性のローションをトップシートの表面に配した使い捨ておむつが記載されている。また、特許文献2及び3には、親水性のローションをトップシートの表面に配した使い捨ておむつが記載されている。
特表2008-522772号公報 特表2010-525862号公報 特開2010-75733号公報
使い捨ておむつは、着用時において、着用者の脚などによる外力や体液漏れ防止のための立体ギャザーの伸縮等によって、表面シート(トップシート)が変形しやすい。特許文献1乃至3に記載の使い捨ておむつでは、このような表面シートの変形に伴うスキンケア剤の肌への移行効率についてまでは十分に考慮されていなかった。
本発明の課題は、表面シートに塗布されたスキンケア剤を効率よく着用者の肌へ移行させることが可能な使い捨ておむつの提供に関する。
本発明の一形態に係る使い捨ておむつは、吸収体と該吸収体の肌側に配置された液透過性の表面シートと該吸収体の非肌側に配置された裏面シートとを有する本体を備え、着用者の腹側から股間部を通って背側に延びる縦方向と、前記縦方向に直交する横方向と、を有し、かつ、前記縦方向腹側に位置する腹側領域と、前記縦方向背側に位置する背側領域と、前記腹側領域及び前記背側領域の間に位置し前記横方向内方に括れた形状の股下領域と、に区分される。
前記吸収体は、
前記股下領域の前記縦方向中央部に配置され、非肌側に凸となるような谷折りを誘導し得る、前記横方向に延びる第1可撓部と、
前記股下領域における、前記第1可撓部より前記縦方向腹側の腹側股下領域又は前記第1可撓部より前記縦方向背側の背側股下領域の少なくとも一方に配置され、かつ前記横方向に延びる複数の第2可撓部と、を有する。
前記使い捨ておむつは、
前記縦方向に伸縮する第1弾性部材を含み肌側に起立することが可能な伸縮部をそれぞれ有する、前記本体の前記横方向両側部に設けられた左右一対の立体ギャザーをさらに備える。
前記複数の第2可撓部は、左右の前記伸縮部に挟まれた位置に配置される。
前記本体は、前記表面シート上の、前記本体の厚み方向から見た平面視において前記複数の第2可撓部のうちの2つの第2可撓部で挟まれた領域に少なくとも位置し、スキンケア剤が配置されたスキンケア剤配置領域を有する。
本発明の使い捨ておむつによれば、第1可撓部と複数の第2可撓部とによって肌側に突出する凸形状が形成され、2つの第2可撓部に挟まれた領域に少なくとも位置するスキンケア剤配置領域が肌側に盛り上がる。これにより、スキンケア剤が着用者の肌に効率よく移行できる。
本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつを示す平面図(展開図)である。 図1のII-II線で切断した断面図である。 図1の吸収体の吸収性コアを非肌側から見た裏面図である。同図には、表面シート上のスキンケア剤配置領域を斜線のハッチングで模式的に示している。 本発明の使い捨ておむつの他の構成例を示す平面図(展開図)である。 図3のV-V線で切断した断面図である。 図1の表面シート2の要部を拡大して模式的に示す平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[おむつの全体構成]
本発明の使い捨ておむつ1は、図1の展開図に示すように、本体Mと、一対の立体ギャザーGと、ファスニングテープFと、を備える。使い捨ておむつ1は、以下、おむつ1と称する。
おむつ1は、着用者の腹側から股間部を通って背側に延びる縦方向Xと、着用者の左右方向に対応し縦方向Xに直交する横方向Yと、を有する。さらに、おむつ1は、縦方向X及び横方向Yの双方に直交する厚み方向Zを有する。なお、本明細書では、厚み方向Zに関しては、着用時に着用者の肌に近い側を上又は肌側、着衣に近い側を下又は非肌側という事がある。
なお、図1は、後述するおむつ1の各弾性部材の収縮力に対抗して、おむつ1をXY平面上で引き伸ばした態様を示す。
本体Mは、縦方向Xに沿って、着用者の腹側から股間部を通って背側に延び、着用者の尿や水様性便等の液状の排泄物(単に「液」とも称する)を吸収する機能を有する。本体Mは、本発明において、後述する裏面シート3と、吸収体4と、表面シート2と、の積層体を言うものとする。
一対の立体ギャザーGは、肌側に起立可能に構成され、本体Mの横方向Y両側部にそれぞれ設けられる。立体ギャザーGは、第1弾性部材9を含み、着用時に厚み方向Z上方、つまり着用者の肌側に起立し、横方向Yの液の漏れを防止することができる。立体ギャザーGの詳細な構成については、後述する。
おむつ1は、縦方向X腹側に位置する腹側領域Aと、縦方向X背側に位置する背側領域Bと、背側領域B及び腹側領域Aの間に位置し横方向Y内方に括れた形状の股下領域Cと、に区分される。
背側領域Bは、股下領域Cから左右の横方向Y外方に突出した側部B1を含む。側部B1の横方向Yにおける側縁部B2には、ファスニングテープFが設けられている。同様に、腹側領域Aは、股下領域Cから左右の横方向Y外方に突出した側部A1を含む。腹側領域Aの非肌側面には、ファスニングテープFを接着させるためのランディングテープ(図示せず)が設けられている。背側領域B及び腹側領域Aは、着用時に、ファスニングテープFによって相互に接着され、一体となって着用者の腰周り及びウエスト周りに配置される。
股下領域Cは、背側領域B及び腹側領域Aよりも幅狭となるように、横方向Y内方に括れた脚繰りが形成され、着用時に着用者の排尿部及び肛門等を含む股間部に配置される。
なお、ここでいう「着用時」は、通常想定される適正な着用位置が維持された状態をいう。
おむつ1は、さらに、腹側領域A又は背側領域Bに設けられた、横方向Yに伸縮する、ウエストギャザー形成用の第2弾性部材10を備えていてもよい。第2弾性部材10は、横方向Yに伸縮可能な糸状又は帯状の弾性部材である。第2弾性部材10の「横方向Yに伸縮する」とは、全体として横方向Yに伸縮すればよく、横方向Yと平行なベクトル成分を含む向きに伸縮すればよい。
第2弾性部材10は、横方向Yに伸長された状態で、例えば2枚のシート材(図示せず)の間に挟持されている。第2弾性部材10は、これらのシート材とともに、横方向Yに伸長された状態で、腹側領域A又は背側領域Bに配置される。図1に示す例では、第2弾性部材10は、背側領域Bの左右の側部B1に少なくとも位置し、背側領域Bの横方向中央部において左右の第2弾性部材10が離間している。背側領域Bの左右の側部B1には、それぞれ、複数の第2弾性部材10が縦方向Xに並んで配置される。
図2に示すように、おむつ1は、吸収体4と、表面シート2と、裏面シート3と、一対の立体ギャザー形成用シート5と、を備える。これらの構成は、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段により互いに接合されている。
吸収体4は、縦方向Xに沿って延び、表面シート2及び裏面シート3の間に配置される。吸収体4は、液を表面シート2側の面から吸収し、内部で拡散させて当該液を保持する。
吸収体4は、吸収性コア7と、コアラップシート8と、を有する。
吸収性コア7は、肌側に位置するコア上面7aと、非肌側に位置するコア下面7bと、を含み、液を保持することが可能な吸収性材料を主体として構成される。具体的に、吸収性コア7は、親水性繊維の積繊体、当該積繊体に吸収性ポリマーを担持させた構成、又は吸水性ポリマーのみからなる構成等を有する。
コアラップシート8は、吸収性コア7を被覆し、例えば吸収性コア7の形状を保持する機能等を有する。コアラップシート8は、例えばティッシュペーパー状の薄く柔らかい紙や液透過性の不織布等で形成される。
表面シート2は、吸収体4の肌側(厚み方向Z上方)に配置され、例えば、おむつ1の肌側面の横方向Y中央部側を構成する。表面シート2は、液透過性のシート材として構成され、合成繊維又は天然繊維からなる織布や不織布、多孔性シート等で形成される。表面シート2は、後述するように、厚み方向Z上方に突出する複数の凸部18を有していてもよい。
裏面シート3は、吸収体4の非肌側(厚み方向Z下方)に配置され、例えば、おむつ1の非肌側面のほぼ全体を構成する。裏面シート3は、防漏性を有していることが好ましく、例えば、液難透過性、水蒸気透過性及び撥水性等の機能を有するシート材で形成される。当該シート材としては、例えば、炭酸カルシウム等のフィラーからなる微粉を分散させたポリエチレン等の合成樹脂製のフィルムを延伸し、微細な孔を設けた多孔質フィルム等を用いることができる。
一対の立体ギャザー形成用シート5は、表面シート2の横方向Y側部に配置され、例えば、おむつ1の肌側面の横方向Y側部を構成する。立体ギャザー形成用シート5は、裏面シート3として使用可能な、液難透過性、水蒸気透過性及び撥水性等の機能を有するシート材で形成される。一対の立体ギャザー形成用シート5では、横方向Y中央部側が表面シート2に重なって配置され、横方向Y側部が表面シート2の外側まで延出し、裏面シート3と接合される。立体ギャザー形成用シート5の横方向Y中央部側の側端部5aは、表面シート2等に接合されない自由端部となっており、立体ギャザーGを構成する。
なお、図1及び図2に示すように、立体ギャザー形成用シート5の横方向Y外側の側端部5b近傍には、例えば縦方向Xに伸縮する第3弾性部材21が配置されることで、着用時に着用者の脚周りにフィットするレッグギャザーが構成される。第3弾性部材21は、縦方向Xに伸縮可能な糸状又は帯状の弾性部材である。第3弾性部材21は、図2に示すように、縦方向Xに伸長した状態で、例えば立体ギャザー形成用シート5と裏面シート3との間に挟持される。なお、第3弾性部材21の伸長方向は、縦方向Xに平行な方向に限定されず、縦方向Xに平行なベクトル成分を含む方向であればよい。
左右一対の立体ギャザーGは、肌側に起立することが可能な伸縮部G1をそれぞれ有する。伸縮部G1は、股下領域Cにおいて縦方向Xに延び、例えば腹側領域A及び背側領域Bの一部まで延びていてもよい。伸縮部G1は、縦方向Xに伸縮する第1弾性部材9を含む。第1弾性部材9は、縦方向Xに伸縮可能な糸状又は帯状の弾性部材である。第1弾性部材9の「縦方向Xに伸縮する」とは、全体として縦方向Xに伸縮すればよく、縦方向Xと平行なベクトル成分を含む向きに伸縮すればよい。
第1弾性部材9は、XY平面に引き延ばされた状態の立体ギャザー形成用シート5に、縦方向Xに伸長された状態で取り付けられる。図2に示すように、第1弾性部材9は、立体ギャザー形成用シート5の側端部5aが折り返された折り返し部の内部に配置される。これにより、着用時に、第1弾性部材9が縦方向Xに収縮して端部5aが表面シート2から厚み方向Zに離間し、厚み方向Zに起立する立体ギャザーGが実現される。
図1に示すように、立体ギャザーGは、さらに、伸縮部G1の縦方向X外方に配置され、かつ本体M側に接合された接合部G2を有する。ここで「本体M側」とは、立体ギャザーGが起立する肌側に対して、起立を阻害する方向として本体Mを基準とした方向を意味する。なお、図1及び2に示す形態では、接合部G2は本体Mに形成されている。接合部G2は、例えば、腹側領域Aに左右一対、背側領域Bに左右一対、それぞれ配置される。接合部G2は、立体ギャザー形成用シート5の側端部5aと、本体Mの肌側面を構成するシート(例えば表面シート2)とが、ヒートシールや接着剤等によって接合されている領域である。これにより、接合部G2では、第1弾性部材9の弾性力が発揮されない状態となり、立体ギャザーGの起立が抑制される。
立体ギャザーGが伸縮部G1を有することで、左右の伸縮部G1に挟まれた領域が第1弾性部材9の弾性力によって湾曲し、凹凸が形成されやすくなる。本実施形態では、吸収体4を以下のように構成することで、本体Mを好ましい形状に誘導しやすくする。
[吸収体の詳細な構成]
図1に示すように、吸収体4は、股下領域Cの縦方向X中央部に配置され、横方向Yに延びる第1可撓部11を有する。股下領域Cの縦方向X中央部は、股下領域Cを縦方向Xに3等分した場合の中央の領域を意味する。典型的には、第1可撓部11は、おむつ1を縦方向Xに2等分する位置に形成される。第1可撓部11において「横方向Yに延びる」とは、全体として横方向Yに延びていればよく、少なくとも一部がわずかに湾曲又は蛇行している態様も含むものとする。
第1可撓部11は、非肌側に凸となるような谷折りを誘導し得る。第1可撓部11の具体的な態様としては、製造段階において少なくとも吸収体4に形成された折り癖、吸収性コア7に形成された低坪量の溝若しくはスリット、又は吸収体4の圧搾加工によって形成された溝等であってもよい。一例として、第1可撓部11は、製造段階においておむつ1全体に形成された折り癖として構成される。第1可撓部11は、吸収体4が縦方向Xに折れ曲がるような谷折りを誘導できればよく、吸収体4の横方向Yにおける少なくとも一部に延びていればよい。
図1に示すように、吸収体4は、さらに、横方向Yに延びる複数の第2可撓部12を有する。第2可撓部12は、股下領域Cにおける、第1可撓部11より縦方向X腹側の腹側股下領域C1又は第1可撓部11よりも縦方向X背側の背側股下領域C2の少なくとも一方に配置される。つまり、第2可撓部12は、腹側股下領域C1及び背側股下領域C2の双方に配置されてもよいし、腹側股下領域C1又は背側股下領域C2の一方に配置されてもよい。図1に示す例では、第2可撓部12は、腹側股下領域C1に2本、背側股下領域C2に2本、それぞれ配置されている。第2可撓部12において「横方向Yに延びる」とは、全体として横方向Yに延びていればよく、少なくとも一部がわずかに湾曲又は蛇行している態様も含むものとする。
第2可撓部12は、外力が付加された場合に、肌側に凸となるような山折り又は非肌側に凸となるような谷折りを誘導し得る。第2可撓部12の具体的な態様としては、例えば吸収性コア7に形成された低坪量の溝若しくはスリット、又は吸収体4の圧搾加工によって形成された溝等であってもよい。第1可撓部11は、吸収体4が縦方向Xに折れ曲がるような山折り又は谷折りを誘導できればよく、吸収体4の横方向Yにおける少なくとも一部に延びていればよい。
第2可撓部12は、左右の伸縮部G1に挟まれた位置に配置される。つまり、第2可撓部12は、平面視において、伸縮部G1と縦方向Xに重なる位置に配置される。伸縮部G1に挟まれた領域には、伸縮部G1の弾性力によって縦方向X内方に収縮する力が作用するため、第2可撓部12の山折り又は谷折りが誘導されやすくなる。
[スキンケア剤配置領域の構成]
本体Mは、スキンケア剤が配置されたスキンケア剤配置領域13を有する。図1並びに後述する図3及び図4においては、スキンケア剤配置領域13を斜線のハッチングで示している。スキンケア剤配置領域13は、表面シート2上にスキンケア剤が塗工されている領域である。スキンケア剤配置領域13は、表面シート2上の、本体Mの厚み方向Zから見た平面視において複数の第2可撓部12のうちの2つの第2可撓部12で挟まれた領域に少なくとも位置する。なお、本明細書において、「本体Mの厚み方向Zから見た平面視」を単に「平面視」とも称する。「複数の第2可撓部12のうちの2つの第2可撓部12で挟まれた領域」とは、表面シート2上の領域であって、隣り合う第2可撓部12の間に位置する領域、又は間に1又は複数の第2可撓部12を挟んだ2つの第2可撓部12間の領域を意味する。スキンケア剤配置領域13は、平面視において、2つの第2可撓部12で挟まれた領域内のみに位置する態様に限定されず、当該2つの第2可撓部12を横切って縦方向X外方まで延びていてもよい。図1で示す例では、スキンケア剤配置領域13は、平面視において、4本の第2可撓部12を横切るように縦方向Xに延びた領域として構成される。
スキンケア剤配置領域13では、好ましくはスキンケア剤が当該領域全体に塗布されているが、スキンケア剤が点状又は線状に塗布されていてもよい。スキンケア剤の塗布方法は限定されず、ダイスコーター方式、スロットスプレー方式、カーテンスプレー方式、メルトブローン方式、スパイラルスプレー方式、グラビア方式及びビード方式から選ばれる1種又は2種以上の方法を適宜選択できる。
上述のように、第2可撓部12は、折れ曲がりやすい部分であるため、立体ギャザーGによる縦方向Xの伸縮に伴って、その肌側又は非肌側へ凸となるように折れ曲がり得る。本発明では、第1可撓部11が谷折りを誘導し得るため、それと隣り合う第2可撓部12は、山折りを誘導し得る。さらにその外側に第2可撓部12がある場合は、その第2可撓部12が谷折りを誘導し得る。このように、第1可撓部11及び第2可撓部12によって谷折り及び山折りが誘導された結果、2つの第2可撓部12で挟まれた領域が肌側に突出し易くなる。さらに、股下領域Cでは、着用者の脚から横方向Y内方へ向かう外力が付加されることで、表面シート2の肌側への突出がさらに助長され、表面シート2が着用者の排尿部及び/又は臀部に良好にフィットし易くなる。2つの第2可撓部12で挟まれた領域にスキンケア剤が配置されることで、表面シート2が肌側へ十分に突出する部分にスキンケア剤が配置されることとなる。この結果、着用者の排尿部及び/又は臀部の肌にスキンケア剤が効率よく移行でき、スキンケア効果を高めることができる。
[第2可撓軸のより詳細な配置及び構成]
図1及び図3に示すように、吸収体4の吸収性コア7は、縦方向X端部側に位置する腹側幅広部14及び背側幅広部15と、腹側幅広部14及び背側幅広部15の間に位置する幅狭部16と、を含む。腹側幅広部14、幅狭部16及び背側幅広部15は、縦方向Xに沿って並んでいる。すなわち、腹側幅広部14は幅狭部16より腹側に位置し、背側幅広部15は幅狭部16より背側に位置する。幅狭部16は、股下領域Cに少なくとも一部が位置し、図1に示す例では、全体が股下領域Cに位置する。吸収性コア7は、横方向Yにおいて左右対称な平面形状を有する。
図3に示すように、幅狭部16は、腹側幅広部14及び背側幅広部15よりも幅狭に構成され、腹側幅広部14の幅D1及び背側幅広部15の幅D3よりも狭い幅D2を有する。幅狭部16の幅D2は、横方向Yにおける最小幅寸法をいうものとする。
幅狭部16は、一例として、縦方向X略中央に最小幅寸法である幅D2となる部分を有し、当該部分から腹側及び背側に向かうに従い、幅が漸増する構成を有する。
図1に示すように、腹側幅広部14は、少なくとも一部が腹側領域Aに位置し、幅狭部16よりも横方向Yにおける幅が広く構成される。同様に、背側幅広部15は、少なくとも一部が背側領域Bに位置し、幅狭部16よりも横方向Yにおける幅が広く構成される。
図3に示すように、腹側幅広部14は、一定の幅D1を有する領域を含む。同様に、背側幅広部15は、一定の幅D3を有する領域を含む。腹側幅広部14の幅D1及び背側幅広部15の幅D3は、横方向Yにおける最大幅寸法をいうものとする。なお、ある領域において「幅が一定」とは、当該領域の横方向Yにおける最小幅を100%としたときに、当該領域内の幅寸法の差異が20%以下に収まっていることをいう。腹側幅広部14の幅D1及び背側幅広部15の幅D3は同一でも異なっていてもよい。
なお、吸収性コア7の縦方向X両端部側に幅が一定の領域がない場合には、吸収性コア7を縦方向Xに3等分し、腹側の領域から腹側幅広部14、幅狭部16及び背側幅広部15と定義する。
複数の第2可撓部12のうちの少なくとも一つの第2可撓部12は、好ましくは幅狭部16に配置される。図1及び図3に示す例では、4つの第2可撓部12のうち、3つの第2可撓部12が幅狭部16に配置される。
幅狭部16は、着用者の脚による横方向Y内方への外力を受け易い位置にある。この外力により、第1可撓部11及び第2可撓部12による肌側へ突出した凸部がより盛り上がりやすくなり、着用者の排尿部及び/又は臀部に良好にフィットする形状への変形を促すことができる。
さらに、図4に示すように、複数の第2可撓部12が、腹側股下領域C1及び背側股下領域C2の双方に配置され、かつ、幅狭部16において、背側股下領域C2よりも腹側股下領域C1の方に多く配置されてもよい。この場合、複数の第2可撓部12のうちの少なくとも一つの第2可撓部12が、背側幅広部15に配置されてもよい。
図4に示す例では、吸収体4は5つの第2可撓部12を有し、幅狭部16における腹側股下領域C1に3つ、幅狭部16における背側股下領域C2に1つの第2可撓部12が配置されている。また、背側股下領域C2の1つの第2可撓部12が背側幅広部15に配置されている。
第2可撓部12は、幅狭部16において、腹側股下領域C1の方に多く配置されるため、腹側股下領域C1に折れ曲がり起点が密に配置される。これにより、幅狭部16の腹側股下領域C1では、2つの第2可撓部12間の距離が狭くなり、着用者の脚から横方向Yの外力が付加された場合、小さな凸形状が形成され易くなる。幅狭部16の腹側股下領域C1は、着用者の両脚に挟まれた狭い排尿部に対応するため、排尿部に小さな凸形状がより確実にフィットしやすくなる。さらに、腹側股下領域C1から腹側領域Aにかけて、第2可撓部12が存在しない領域又は第2可撓部12間の距離が広くなる領域が存在するため、凸形状が腹側股下領域C1より大きくなり得る。これにより、着用者の排尿部及びそこから徐々に広くなる鼠径部に即した形状で、これらの領域に柔らかく当たるような表面シート2の変形を促進することができる。
一方、背側股下領域C2では、幅狭部16において第2可撓部12が比較的疎に配置されることで、着用者の脚から横方向Yの外力が付加された場合、比較的大きな面の凸形状が形成され易くなる。また、背側幅広部15にも第2可撓部12が配置されることで、臀部全体に大きな面の凸部がフィットしやすくなり、背側からの軟便等の漏れを良好に抑制できる。
さらに、背側幅広部15には、着用者の脚等によって横方向Yからの外力が付加されやすいが、腹側股下領域C1の小さな凸形状への変形によってこの外力のエネルギが消費される。このため、背側幅広部15では横方向Y外方からの外力の影響が抑制され、大きな面の凸形状が安定して形成されやすくなり、臀部へのフィット性をより高めやすくなる。
図5に示すように、第2可撓部12は、吸収体4の非肌側に開口し横方向Yに延びる溝を含む。より詳細に、第2可撓部12は、吸収性コア7の非肌側に位置するコア下面7bから上方に向かって形成された溝を含む。第2可撓部12は、好ましくは周囲の領域よりも低い坪量で構成される。
第2可撓部12の「低坪量」とは、吸収性コア7の材料が存在する形態の他、吸収性コア7の材料が存在しない形態も含む概念である。第2可撓部12で吸収性コア7の材料が存在する形態では、第2可撓部12を介してその両側に位置する吸収性コア7のブロック状部位が接続されているため、吸収性コア7の変形及び破壊等を抑制しつつ柔軟性を付与できるため、より好ましい。
第2可撓部12では、このような溝により吸収体4の厚みが薄くなるため、周囲の領域と比較して剛性が低くなる。これにより、第2可撓部12が変形しやすくなり、非肌側又は肌側に凸状に折れ曲がりやすくなる。
また、第1可撓部11が非肌側に凸の谷折りを誘導し得るが、これと隣り合う第2可撓部12が非肌側に開口しているため、肌側に凸の山折りを一層誘導しやすくなる。これにより、第1可撓部11及び第2可撓部12によって肌側に盛り上がる凸形状がより確実に形成される。
図1に示すように、複数の第2可撓部12は、好ましくは、立体ギャザーGの接合部G2の縦方向X内方における端部G3よりも縦方向X内方に2cm以上離間して配置されている。立体ギャザーGにおいて、端部G3から縦方向X内方に2cm以上離れた位置は、伸縮部G1であって、接合部G2から十分に離間しており良好な起立性を有する。このような左右の伸縮部G1に挟まれた第2可撓部12は、立体ギャザーGの伸縮に伴って変形し易くなり、肌側への凸形状を一層誘導しやすくなる。これにより、スキンケア剤配置領域13が肌側に突出しやすくなり、スキンケア剤を着用者の肌へより確実に移行させることができる。
なお、おむつ1において、最も腹側の第2可撓部12及び最も背側の第2可撓部12によって挟まれた領域と、平面視において縦方向Xに重なる位置には、横方向Yに伸縮する弾性部材が配置されていないことが好ましい。これにより、第2可撓部12の横方向Y外側の領域が横方向Yに伸縮することを防止でき、着用者の脚から横方向Y内方へ外力が付加された場合に、第2可撓部12に皺が発生することを抑制できる。したがって、第2可撓部12による凸形状を安定して形成させることができ、スキンケア剤の移行が一層促進される。
[第3可撓部の構成及び配置]
図1、図3及び図4に示すように、吸収体4は、好ましくは、縦方向Xに延びる1又は複数の第3可撓部17を有する。第3可撓部17は、スキンケア剤配置領域13と平面視において重なる位置、又はスキンケア剤配置領域13を横方向Y両側から挟む位置に配置される。図1等に示す例では、第3可撓部17は、スキンケア剤配置領域13と平面視において重なる位置であって、吸収体4の横方向Y中央に1本配置されている。
第3可撓部17において「縦方向Xに延びる」とは、全体として縦方向Xに延びていればよく、少なくとも一部が湾曲又は蛇行している態様も含むものとする。
第3可撓部17は、外力が付加された場合に、肌側に凸となるような山折りを誘導し得る。第3可撓部17の具体的な態様としては、例えば吸収性コア7に形成された低坪量の凹部若しくはスリット、又は吸収体4の圧搾加工によって形成された凹部等であってもよい。第3可撓部17は、吸収体4が横方向Yに折れ曲がるような山折りを誘導できればよく、吸収体4の縦方向Xにおける少なくとも一部に延びていればよい。
図2に示すように、第3可撓部17は、一例として吸収体4の非肌側に開口し縦方向Xに延びる溝を含んでいてもよい。具体的には、第3可撓部17は、吸収性コア7の非肌側に位置するコア下面7bから上方に向かって形成された溝を含み、好ましくは周囲の領域よりも低い坪量で構成されてもよい。
第3可撓部17により、スキンケア剤配置領域13又はその周囲が変形し易くなる。第3可撓部17が第1可撓部11及び第2可撓部12と協働することで、スキンケア剤配置領域13が肌側に突出しやすくなり、スキンケア剤を着用者の肌へ効果的に移行させることができる。
第3可撓部17は、ウエストギャザー形成用の第2弾性部材10との関係では、好ましくは以下のように配置される。
図1に示すように、第2弾性部材10は、平面視において、第3可撓部17を縦方向Xに延長した仮想的な領域に重ならないように配置される。つまり、当該仮想的な領域が、左右の第2弾性部材10間の間隙を通るように構成され、第2弾性部材10と第3可撓部17とが横方向Yにおいて重ならない。
この構成では、第3可撓部17の横方向Y両側の領域が第2弾性部材10の伸縮の影響を受けるため、第3可撓部17による肌側への起立を促しやすくなる。また、第3可撓部17自体は第2弾性部材10の伸縮により形成された皺などの影響をうけにくくなり、第3可撓部17における変形性を維持することができる。これにより、第3可撓部17によってスキンケア剤配置領域13を肌側に盛り上げる作用を確実に発揮させることができ、スキンケア剤を着用者の肌へより確実に移行させることができる。
第2弾性部材10は、ファスニングテープFとの関係では、以下のように配置される。
一対のファスニングテープFは、背側領域Bの横方向Yにおける側縁部B2に設けられ、平面視において、第2弾性部材10を横方向Yに延長した仮想的な領域と少なくとも一部が重なるように配置される。
この場合、第2弾性部材10は、好ましくは、吸収体4の縦方向Xにおける端部4aと縦方向Xに離間して配置される。つまり、最も縦方向X内方に位置する第2弾性部材10が、吸収体4の縦方向端部4aよりも縦方向X外方に位置する。
おむつの着用時には、一対のファスニングテープFが腹側領域Aに接着され、おむつ1のウエスト部が形成される。この場合、ファスニングテープFが第2弾性部材10と縦方向Xにおいて重なる位置に配置されることで、ファスニングテープFの接着によって第2弾性部材10が横方向Yに十分伸長され、着用者のウエスト周りに背側領域B及び腹側領域Aが良好に装着される。さらに、第2弾性部材10が吸収体4と縦方向Xに離間していることにより、第2弾性部材10の伸縮の影響が吸収体4に及びにくくなる。これにより、吸収体4の第1可撓部11、第2可撓部12及び第3可撓部17が上述のように好ましい変形の起点となり、着用者の肌にフィットするような凸形状を安定して形成することができる。
[吸収体のコアラップシートの構成]
図2に示すように、コアラップシート8は、例えば、縦方向Xに延びる第1側縁部8a及び第2側縁部8bを含み、縦方向Xに沿った吸収性コア7の周りに巻回される。このとき、第1側縁部8a及び第2側縁部8bは、コア下面7b上に重なって配置され得る。
図2に示す例において、コアラップシート8は、横方向Y中央部に位置する第1側縁部8aからコア下面7bの横方向Y端部まで延び、そこからコア上面7aに向かって延び、さらに横方向Yに延びてコア上面7a全体を被覆する。さらにコアラップシート8は、コア上面7aの横方向Y端部からコア下面7bに向かって延び、コア下面7bを被覆するように横方向Yに第2側縁部8bまで延びる。第2側縁部8bが第1側縁部8a上に重なって配置されることで、コア上面7a及びコア下面7bの全体をコアラップシート8で被覆することができる。
このような構成では、第1側縁部8a及び第2側縁部8bの重なり部がコア下面7bに配置されるため、コア下面7bが重なり部によって肌側に押し上げられるように変形し易くなる。これにより、コア上面7aも肌側に盛り上がるように変形し易くなり、第1可撓部11及び第2可撓部12による凸形状をより安定して形成することができる。したがって、スキンケア剤配置領域13を肌側に盛り上げ、スキンケア剤を着用者の肌へより確実に移行させることができる。
さらに、第1側縁部8a及び第2側縁部8bの重なり部は、平面視において第3可撓部17と重なる位置に配置されてもよい。これにより、第3可撓部17による肌側への盛り上がりをより効果的に促進でき、スキンケア剤配置領域13が一層肌側に突出しやすくなる。
[表面シートの構成]
図2に示すように、表面シート2は、上述のように、複数の凸部18を有し、これらの凸部18が以下のように配列されている。
図6に示すように、凸部18は、肌側に突出する第1凸部18a及び第2凸部18bを含む。
表面シート2は、第1凸部18aが縦方向Xに沿って並んだ第1凸部列19aと、第2凸部18bが縦方向Xに沿って並んだ第2凸部列19bと、を有する。第2凸部列19bは、第1凸部列19aと横方向Yに隣り合って配置される。つまり、表面シート2では、第1凸部列19aと第2凸部列19bとが横方向Yに交互に配置されている。
第2凸部列19bでは、複数の第2凸部18bが複数の第1凸部18aに対して縦方向Xにずれて配置される。
「第2凸部18bが第1凸部18aに対して縦方向Xにずれて配置される」とは、各第1凸部18aの頂部を通り横方向Yに延びる仮想的な直線が、各第2凸部18bの頂部を通り横方向Yに延びる仮想的な直線と一致せず、これらの仮想的な直線が縦方向Xに間隔をあけて延びている態様を意味する。なお、第1凸部18a及び第2凸部18bの頂部は、第1凸部18a及び第2凸部18bにおいて厚み方向Zに最も上方(肌側)に位置する部分を意味する。
第1凸部18a及び第2凸部18bの周囲には、複数の凹部20が配置される。凹部20は、表面シート2において厚み方向Z下方に陥凹した部分であり、例えばエンボス加工によって厚み方向Zに圧搾された部分である。凹部20は、一例として、平面視において略矩形状に構成され、第1凸部18a及び第2凸部18bの周囲に分散して配置される。これらの凹部20によって、凹部20に取り囲まれた領域が上方に突出し、第1凸部18a及び第2凸部18bが形成される。
凹部20では、第1凸部18a及び第2凸部18bよりも表面シート2の厚みが薄くなるため、変形の起点となりやすい。つまり、表面シート2は、第1凸部18a及び第2凸部18bの周囲の領域で変形しやすくなる。一方で、第1凸部18aと第2凸部18bは縦方向Xにずれて配置されるため、表面シート2における変形の起点となり得る領域が横方向Yに直線状に延びるように形成されない。このため、第1可撓部11及び第2可撓部12によって吸収体4が山折り又は谷折りされる場合、表面シート2が急峻に折れ曲がらず、柔らかく湾曲するように折れ曲がる。これにより、本体Mが柔らかく肌に当たるような凸形状に変形しやすくなり、当該凸形状による装着違和感を抑制し、着用感を向上させることができる。
[本実施形態の追加説明]
以下、本実施形態の説明を補足する。
(第2可撓部の構成例)
各第2可撓部12の縦方向Xにおける幅は、第2可撓部12における山折り又は谷折りをより確実に促進する観点から、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であり、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下である。
各第2可撓部12の横方向Yにおける長さは、吸収体4をより確実に変形させる観点から、好ましくは、第2可撓部12を配置する部分における吸収体4の横方向Yにおける長さの1/4以上、より好ましくは1/3以上であり、好ましくは1以下、より好ましくは2/3以下である。また、各第2可撓部12の横方向Yにおける長さは、同様の観点から、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、好ましくは180mm以下、より好ましくは130mm以下である。
第1可撓部12とこれに隣接する第2可撓部の縦方向Xにおける間隔は、好ましい幅の凸形状を形成する観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは15mm以上であり、好ましくは40mm以下、より好ましくは25mm以下である。
腹側股下領域C1における2つの第2可撓部12の縦方向Xにおける間隔は、排尿部にフィットする好ましい幅の凸形状を形成する観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは15mm以上であり、好ましくは40mm以下、より好ましくは25mm以下である。
背側股下領域C2における2つの第2可撓部12の縦方向Xにおける間隔は、臀部にフィットする好ましい幅の凸形状を形成する観点から、、好ましくは5mm以上、より好ましくは15mm以上であり、好ましくは40mm以下、より好ましくは25mm以下である。
(第3可撓部の構成例)
第3可撓部17の横方向Yにおける幅は、第3可撓部17における山折りをより確実に促進する観点から、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であり、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下である。
第3可撓部17の縦方向Xにおける長さは、吸収体4をより確実に変形させる観点から、第3可撓部17を配置する部分における吸収体4の縦方向Xにおける長さに対して、好ましくは1/3以上、より好ましくは1/2以上であり、好ましくは1以下、より好ましくは4/5以下であり、具体的には、好ましくは30mm以上、より好ましくは100mm以上であり、好ましくは540mm以下、より好ましくは400mm以下である。
(吸収性コアの坪量)
第2可撓部12及び第3可撓部17を除く吸収性コア7の坪量は、おむつ1の着用時の違和感を抑制し、フィット性を向上させる観点から、好ましくは300g/m以上、さらに好ましくは350g/m以上であり、好ましくは900g/m以下、さらに好ましくは800g/m以下である。
第2可撓部12及び第3可撓部17が低坪量の溝を含む場合、第2可撓部12及び第3可撓部17の坪量は、第2可撓部12における山折り又は谷折りを促進する観点から、好ましくは100g/m以上であり、さらに好ましくは150g/m以上であり、好ましくは500g/m以下、さらに好ましくは400g/m以下である。なお、第2可撓部12及び第3可撓部17の坪量が0g/mとは、吸収性コア7の材料が存在しないことを表す。
(吸収性コアの坪量の測定方法)
吸収性コア7の測定対象領域を、フェザー社製片刃剃刀を用いて切断し、あらかじめ定めた面積となるように小片を得る。それらの小片の重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR-300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を各部の小片の面積で除して小片の坪量を算出する。各部のそれぞれについて、小片5個の坪量の平均を坪量とする。
(スキンケア剤配置領域の構成例)
スキンケア剤配置領域13の横方向Yにおける幅は、スキンケア剤を着用者の肌に十分移行させる観点から、好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上であり、好ましくは50mm以下、より好ましくは70mm以下である。
スキンケア剤配置領域13の縦方向Xにおける長さは、スキンケア剤を着用者の肌に十分移行させる観点から、好ましくは100mm以上、より好ましくは150mm以上であり、好ましくは600mm以下、より好ましくは450mm以下である。
(スキンケア剤の具体例)
スキンケア剤としては、着用者の肌に対して保護、治癒等の効能を有するものを特に制限なく用いることができる。例えば、好ましいスキンケア剤として、下記式(I)で表されるジアミド誘導体が挙げられる。下記式(I)で表されるジアミド誘導体は、国際公開公報WO00/61097号に記載されている発明のジアミド誘導体であり、角質層の水分保持能力及びバリヤ機能を改善する、という薬効を有している。該ジアミド誘導体が、おむつ1の着用中に着用者の肌に移行すると、油性スキンケア剤として機能し、肌のかぶれを抑制/改善することができる。スキンケア剤として上記ジアミド誘導体を用いる場合は、1種のみであってもよいし、2種以上を併用することもできる。
Figure 0007391617000001
また、スキンケア剤配置領域13に配置され得る他のスキンケア剤としては、例えば化粧品の分野においてエモリエント剤として用いられている油性スキンケア剤等を用いることができる。該他のスキンケア剤の具体例としては、流動パラフィン、シリコーンオイル、動植物油(オリーブ油、ホオバ油、ベニバナ油、スクワラン及びスクワレン等)、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、脂肪族エーテル(ミリスチル-1,3-ジメチルブチルエーテル、パルミチル-1,3-ジメチルブチルエーテル、ステアリル-1,3-ジメチルブチルエーテル、パルミチル-1,3-メチルプロピルエーテル、ステアリル-1,3-メチルプロピルエーテル等)、イソステアリル-コレステロールエステル、パラフィンワックス、C12~C22脂肪酸、C12~C44脂肪酸エーテル、C12~C22脂肪族アルコール、ワセリン、脂肪酸ソルビタンエステル(モノエステル、ジエステル、及びトリエステルのいずれでも可)、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル(モノエステル、ジエステル、及びトリエステルのいずれでも可)、金属石験(ステアリン酸マグネシウム等)、ショ糖脂肪酸エステル、シクロデキストリン脂肪酸エステル、シリコーン、シリコーン系レジン、特開2004-298643号公報又は特表2008-522772号公報に記載されている発明で使用されるエモリエント剤やエモリエント剤と固定化剤を含むローション組成物等が挙げられる。
前記各種のスキンケア剤は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
表面シート2上に排泄された体液の透過性を低下させない観点から、C12~C22脂肪族アルコール(好ましくはステアリルアルコール)と、上式(I)のジアミド誘導体との混合物を好ましく用いることができる。ステアリルアルコールと上式(I)のジアミド誘導体との混合比(ステアリルアルコール/ジアミド誘導体)は、スキンケア剤の肌への移行性、スキンケア効果、使用時の感触、及び表面シート2の体液透過性の観点から、90/10~50/50(質量%)であること好ましい。これらの混合物は、加熱してその流動性を高めてから、表面シート2上に塗工して付着させることが好ましい。表面シート2に付着させた後は、常温で放置することにより、流動性を低下させて、表面シート2に保持され易くする。
(表面シートの構成例)
表面シート2は、一例として、肌側に配置される第1シートと、非肌側に配置される第2シートとの積層体として構成される。これらの積層体は、上述の凹部20においてエンボス加工されて部分的に接合される。これにより、第1シートの凹部20に囲まれた領域が肌側(上方)に突出し、上述の凸部18を有する構成が実現される。凹部20におけるエンボス加工としては、熱を伴うか又は伴わないエンボス加工、超音波エンボス加工等の公知のエンボス加工を挙げることができる。上記積層体は、例えば特開2015-112343号公報に記載の複合シートの製造方法に準じて製造することができる。
凸部18は、例えば内部にシートの材料を含まない領域を有する中空な構造であるが、内部にシートの材料を含む中実な構造でもよい。凸部18は、図6に示す例では、平面視において長径が横方向Yに一致する略楕円形状であるが、種々の形状を採り得る。凸部18の平面形状は、凹部20の配置によって規定され得る。
各凹部20は、分散して規則的に配置されている。凹部20は、上述のようにエンボス加工されるため、他の部分と比較して圧密化され剛性が高い部分となる。このような凹部20が分散して配置されることで、硬さの感じられる部分が連続的に配置されることなく、表面シート2の柔軟性を向上させることができる。
第1シート及び第2シートは、好ましくは、エアスルー不織布又はスパンボンド不織布で構成される。肌側の第1シートは、より好ましくはエアスルー不織布で構成される。第1シート及び第2シートは、凹部20における接合強度を高める観点から、好ましくは同一の種類のシート材料を用いることができる。第1シート及び第2シート各々の坪量は、好ましくは10g/m以上、さらに好ましくは12g/m以上であり、好ましくは30g/m以下、さらに好ましくは25g/m以下である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、吸収体4は、第3可撓部17を有していなくてもよい。第2可撓部12の配置及び数も、図示の例に限定されない。また、吸収性コア7は、幅狭部16を有さず、縦方向Xに沿って略一定の幅を有していてもよい。
以上の実施形態では、吸収性物品として展開型の使い捨ておむつの例を示したが、これに限定されず、パンツ型の使い捨ておむつ等であってもよい。
1…おむつ(使い捨ておむつ)
2…表面シート
3…裏面シート
4…吸収体
9…第1弾性部材
11…第1可撓部
12…第2可撓部
13…スキンケア剤配置領域
M…本体
A…腹側領域
B…背側領域
C…股下領域

Claims (10)

  1. 吸収体と該吸収体の肌側に配置された液透過性の表面シートと該吸収体の非肌側に配置された裏面シートとを有する本体を備え、着用者の腹側から股間部を通って背側に延びる縦方向と、前記縦方向に直交する横方向と、を有し、かつ、前記縦方向腹側に位置する腹側領域と、前記縦方向背側に位置する背側領域と、前記腹側領域及び前記背側領域の間に位置し前記横方向内方に括れた形状の股下領域と、に区分された使い捨ておむつであって、
    前記吸収体は、
    前記股下領域の前記縦方向中央部に配置され、非肌側に凸となるような谷折りを誘導し得る、前記横方向に延びる第1可撓部と、
    前記股下領域における、前記第1可撓部より前記縦方向腹側の腹側股下領域又は前記第1可撓部より前記縦方向背側の背側股下領域の少なくとも一方に配置され、かつ前記横方向に延びる複数の第2可撓部と、を有し、
    前記使い捨ておむつは、
    前記縦方向に伸縮する第1弾性部材を含み肌側に起立することが可能な伸縮部をそれぞれ有する、前記本体の前記横方向両側部に設けられた左右一対の立体ギャザーをさらに備え、
    前記複数の第2可撓部は、左右の前記伸縮部に挟まれた位置に配置され、
    前記本体は、スキンケア剤が配置されたスキンケア剤配置領域を有し、
    前記スキンケア剤配置領域は、前記表面シート上の、前記本体の厚み方向から見た平面視において前記複数の第2可撓部のうちの2つの第2可撓部で挟まれた領域に少なくとも位置し、
    前記第2可撓部は、前記腹側股下領域及び前記背側股下領域の双方にそれぞれ複数配置され、
    前記腹側股下領域において隣り合う2つの前記第2可撓部間の距離は、前記背側股下領域において隣り合う2つの前記第2可撓部間の距離よりも狭い
    使い捨ておむつ。
  2. 前記吸収体は、
    前記縦方向端部側に位置する腹側幅広部及び背側幅広部と、
    前記腹側幅広部及び前記背側幅広部の間に位置し、前記腹側幅広部及び前記背側幅広部よりも前記横方向の幅が狭い幅狭部と、を含む吸収性コアを有し、
    前記複数の第2可撓部のうち少なくとも一つの第2可撓部は、前記幅狭部に配置される
    請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記複数の第2可撓部は前記幅狭部において、前記背側股下領域よりも前記腹側股下領域の方に多く配置され、
    前記複数の第2可撓部のうちの少なくとも一つの第2可撓部が、前記背側幅広部に配置される
    請求項2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記複数の第2可撓部は、前記吸収体の非肌側に開口し前記横方向に延びる溝を含む
    請求項1から3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記一対の立体ギャザーは、
    前記伸縮部の前記縦方向外方に配置され、前記本体側に接合された接合部を有し、
    前記複数の第2可撓部は、前記接合部の前記縦方向内方における端部よりも前記縦方向内方に2cm以上離間して配置される
    請求項1から4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記吸収体は、
    前記スキンケア剤配置領域と前記平面視において重なる位置、又は前記スキンケア剤配置領域を前記横方向両側から挟む位置に、前記縦方向に延びる、1又は複数の第3可撓部を有する
    請求項1から5のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  7. 前記使い捨ておむつは、
    前記腹側領域又は前記背側領域に設けられた、前記横方向に伸縮する、ウエストギャザー形成用の第2弾性部材をさらに備え、
    前記第2弾性部材は、前記平面視において、前記第3可撓部を前記縦方向に延長した仮想的な領域と重ならないように配置される
    請求項6に記載の使い捨ておむつ。
  8. 前記使い捨ておむつは、
    前記背側領域の前記横方向における側縁部に設けられ、前記平面視において、前記第2弾性部材を前記横方向に延長した仮想的な領域と少なくとも一部が重なるように配置された一対のファスニングテープをさらに備え、
    前記第2弾性部材は、前記吸収体の前記縦方向における端部と前記縦方向に離間して配置される
    請求項7に記載の使い捨ておむつ。
  9. 前記吸収体は、
    肌側に位置するコア上面と、非肌側に位置するコア下面と、を含む吸収性コアと、
    前記縦方向に延びる第1側縁部及び第2側縁部を含み、前記縦方向に沿った前記吸収性コアの周りに巻回されたコアラップシートと、を有し、
    前記第1側縁部及び前記第2側縁部は、前記コア下面上に重なって配置される
    請求項1から8のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  10. 前記表面シートは、
    肌側に突出する複数の第1凸部が前記縦方向に沿って並んだ第1凸部列と、
    肌側に突出する複数の第2凸部が前記縦方向に沿って並んでおり、前記第1凸部列と前記横方向に隣り合って配置され、前記複数の第2凸部が前記複数の第1凸部に対して前記縦方向にずれて配置される第2凸部列と、を有する
    請求項1から9のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
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