JP7391360B2 - バスダクトシステム、バスダクト及びバスダクトシステムのエンド構造並びにバスダクトシステムの増設方法 - Google Patents
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Description
また、バスダクトシステムは、その特性から、オフィスビル、工場、商業施設等々の建築物等における電気幹線として広く活用されており、使用電力量が増大する傾向にあるデータセンター等においても広がりを見せている。
通常、バスダクトシステムを増設するには、通電を一旦停止した上で追加分のバスダクトの電気的な接続を行うが、既存設備を停止することは言及するまでもなく甚だ不経済であるため、「活線増設」に対する需要がかねてからあった。
ここで、図12を参照しながら特許文献1に記載された従来技術のエンドキャップの構成を説明する。
図示するように、特許文献1に記載のエンドキャップ500は、矩形板状の本体部501と、本体部501の左右両側から一方に向けて屈曲し延設された一対の屈曲部502、502と、本体部501の下端から一方に向けて屈曲し延設された舌片504と、本体部501の上端に形成された係止鍔片505と、バスダクトに取り付けるためのばね板506とを有している。また、舌片504及びバネ板506には、それぞれ、ボルト用の挿通孔504a、506aが形成されている。
また、図中の符号550は、内部にバスダクト等(図示せず)を収容しているハウジングを示しており、その下面には長孔551が形成されている。
ここで、図13を参照しながら特許文献2に記載された従来技術のエンド構造を説明する。
図示するように、特許文献2に記載のバスダクトシステムは、移動式の配電ユニット601と、継ぎ足し用の移動式の配電ユニット602とを組み合わせて構成されている。各配電ユニット601、602は、キャスタ604を付けた架台603を有し、その架台603上に設けられた支柱605によりバスダクト606を水平に支持している。
そして、配電ユニット601と、配電ユニット602とを接続する場合には、配電ユニット601の端部のキャップ611を取り外すと共に、配電ユニット602の一方の端部のキャップ611を取り外し、両ユニットの連結部610、610同士を接続し、その後、両ユニットから外したキャップ611のどちらかを端板を外した状態にして再装着するようになっている。
特許文献1に開示されたエンド構造を備えたバスダクトにおいて「活線増設」をする場合、エンドキャップ500を取り外して通常のバスダクトの接続作業をする必要があるが、通電した状態でエンドキャップ500を取り外すと、通電中の導体が露出して大変危険である。そのため、特許文献1に開示された構成において「活線増設」の作業を行おうとする場合には、相当の絶縁対策並びに注意が必要となってコストも高くつくため、この様な構造による「活線増設」は現実的でない。
例えば、上記の構成によれば、第1導体及び第2導体が電気的に接続されてない第1位置に配置されて、且つ第1導体が通電中で、第2導体が通電していない場合において、通電していない第2導体に対して追加するバスダクトの導体を接続してから、操作部材を操作して第1導体及び第2導体が電気的に接続された第2位置に切り替える作業により、バスダクトシステムの「活線増設」をより安全・簡易に行うことができる。
本発明第2態様においても、上述した第1態様と同様、ダクトシステムの活線増設をより安全・簡易に行うことができる。
本発明第3態様においても、上述した第1態様と同様、ダクトシステムの活線増設をより安全・簡易に行うことができる。
本発明第4態様によれば、バスダクトシステムの「活線増設」をより安全・簡易に行う方法を提供することができる。
図示するように、本実施形態のバスダクトWは、母線導体(第1導体)5及び母線導体(第2導体)7と、母線導体5及び母線導体7を電気的に接続する接続導体14と、「母線導体5、母線導体7及び接続導体14(図2、4参照)」を収容するハウジングHと、接続導体14を操作可能な操作部材Sとを有している。また、接続導体14は、ハウジングHの外部から操作部材Sを操作することにより、母線導体5及び母線導体7が電気的に接続しない状態になる第1位置(図4(a)参照)と、母線導体5及び母線導体7が電気的に接続可能な状態になる第2位置(図4(b)参照)とに切り替え可能に設けられている。
母線導体5、7は、幅方向(Y軸方向)の両端における厚み(Z軸方向の厚さ寸法)が幅方向中央部における厚みよりも薄く設計されており(図3参照)、中央部の厚みがある部分で接続導体14と接触するように設けられている。
なお、ハウジングHの一方の端部2から露出している母線導体7の端部と、ハウジングHの他方の端部3から露出している母線導体5の端部とが、他のバスダクトに接続する場合に、接続部としての機能を果たす。
なお、第1、2筒部20、21は、いずれも、両端が貫通している中空・矩形筒状に形成されている。
なお、本実施形態では、ハウジングHを構成する第1筒部20及び第2筒部21のいずれにも、プラグインホール4a及びプラグインホール4aを開閉するシャッター部4bが設けられている。
プラグインホール4aは、母線導体5、7とサーバー等の電気的負荷とを電気的に接続するための分岐装置(図示しない)に設けられた分岐端子を挿通してハウジングH内に導くために、ハウジングHに設けられた開口である。
シャッター部4bは、ハウジングHのプラグインホール4aが設けられた箇所の外側に取り付けられた保護構造であり、通常の使用状態では閉じた状態であって、プラグインホール4aから異物や作業工具等がハウジングHの内部に侵入することを防ぐが、分岐装置の分岐端子をプラグインホール4aに挿通しようとする際に分岐端子によって開き、開口を形成するものである。
分岐装置の分岐端子をプラグインホール4a、シャッター部4bが設けられた箇所に挿通しようとすると、シャッター部4bが分岐端子によって開口し、プラグインホール4aの開口とシャッター部4bの開口とが連通してハウジングH上に分岐端子を挿通可能な一体の開口を形成するため、この一体の開口を通過させることで分岐端子をハウジングHの内部に導くことができ、分岐端子と母線導体5、7との電気的な接続を確立することができる。
分岐装置の分岐端子と母線導体5、7との電気的な接続を完了することで、分岐装置と電気的に接続するサーバー等の電気的負荷を母線導体5、7と電器的に接続することができるため、簡易かつ柔軟にサーバー等の電気的負荷に電源を供給することができる。
以下、本実施形態のバスダクト1の各構成について詳細に説明する。
具体的には、母線導体5は、第2筒部21の内部に配置された複数のホルダー27によって母線導体5の各相間および最外側の母線導体5と第2筒部21との間において、所定距離・離間した状態で保持されている。なお、母線導体5は、第2筒部21の一端側から母線導体5の一端側が突出して露出し、且つ第2筒部21の他端側から母線導体5の他端側が突出して露出した状態になるように、第2筒部21に保持されている。
また、母線導体7は、母線導体5と同様、第1筒部20内部において複数のホルダー27によって各相間および最外側の母線導体7と第1筒部20との間において所定距離を離間した状態で保持されている。なお、母線導体7は、第1筒部20の一端側から母線導体7の一端側が突出して露出し、且つ第1筒部20の他端側から母線導体7の他端側が突出して露出した状態になるように、第1筒部21に保持されている。
図3に示すとおり、接続導体14は、母線導体5、7を電気的に接続することのできる接続用の導体であって、母線導体5、7の各相に対して2枚ずつ設けられている。図示する例では、接続導体14は、平面視矩形の板状に形成されており、その中心部に、貫通孔14aが設けられている。
また、2枚の接続導体14、14は、両者の間に母線導体5、7を挟んだ状態で母線導体5、7と接触するものであり、接続導体14が押圧されて母線導体5、7との電気的な接触を得ることができる。後述するが、接続導体14は、母線導体5の長さ方向(長尺方向(図3に示す「X軸方向」))にスライド移動することができるようになっており、このスライド移動によって母線導体5のみに接触する「第1位置」と、母線導体5、7のいずれにも接触可能な「第2位置」とを切り替え可能となっている。
具体的には、異相の接続導体14の間の位置に絶縁体26が配置され、最外側の接続導体14の外側に絶縁導体25が配置され、絶縁導体25の外側に側板15、16が配置され、側板15、16の外側に補助金具12、24が配置され、補助金具12、24の外側にワッシャー8、11が配置された状態でボルト10が挿通されて一体になっている。
なお、パーツ一式をボルト10及びワッシャー8、11で一体とした状態において、ボルト10は図示しない絶縁体によって保護されている。そのため、ボルト10は、どのような状態においても母線導体5、7および接続導体14と絶縁された状態が確保される。例えば、接続導体14の貫通孔14aと、絶縁体25、26の各貫通孔とに、絶縁体で形成された絶縁スリーブを挿嵌し、その絶縁スリーブにボルト10を挿入することにより、導体(母線導体5、7、接続導体14)に対して、ボルト10が絶縁されている状態にすることができる。
パーツ一式のうち、補助金具12、24とボルト10の頭部分、ワッシャー8、11は、側板15、16よりも外方、即ちハウジングHの外方に配置されている。
したがって、ボルト10の頭部分、ワッシャー8、11、補助金具12、24をハウジングHの外方で操作することで、パーツ一式をスライド移動することができる。すなわち、本実施形態では、「ボルト10、ワッシャー8、11、補助金具12、24」が、接続導体14の位置を移動させるための操作部材(操作部)Sになっている。
また、本実施形態では、「ハウジングH」と、「ハウジングH内部の母線導体5、7および接続導体14」とは、絶縁された状態が確保されているため、仮に母線導体7が通電状態であったとしても、感電等の恐れなくボルト10の頭部分、ワッシャー8、11、補助金具12、24を操作することが可能であり、接続導体14のスライド移動時に、追加の絶縁対策をする必要がない。
「第2位置」では接続導体14が母線導体5、7のいずれに対しても十分に接触可能となっており、締着具であるボルト10を所定トルクで締め付けることで、母線導体5、7および接続導体14相互の十分な電気的接続を得ることができる(母線導体5、母線導体7及び接続導体14は締着具によって電気的に接続されるようになっている)。
なお、ボルト10は、所定トルクで締め付けるとボルト頭がねじ切れる構造となっており、ボルト頭をねじ切ることで確実に所定の接触圧力を得ることができる。
なお、上述したように、母線導体5、7は、幅方向(Y軸方向)の両端における厚み(Z軸方向の厚さ寸法)が幅方向中央部における厚みよりも薄く設計され(図3参照)、中央部の厚みがある部分で接続導体14と接触するようになっている。すなわち、母線導体5、7は幅方向中央部の厚みの厚い部分で接続導体14と接触し、幅方向両端の厚みの薄い部分では接続導体14と接触しないため、接触面積が小さく、接続導体14の「第1位置」と「第2位置」間の移動に力を要さず、当該移動が容易になっている。
一方で、図2に示すとおり、上板17には孔33~36が設けられている。そのため、接続導体14が第1位置にあるときは、孔31と孔33、孔32と孔36とが各々連通して一体の孔となり、ビス28、29によって固定することができる。また、接続導体14が第2位置にあるときは、孔31と孔34、孔32と孔35とが各々連通して一体の孔となり、ビス28、29によって固定することができる。
また、接続導体が「第2位置」に配置されて初めて上板17の孔34、35と補助金具12、24の孔31、32が一体の孔となるため、ビス28、29で固定した状態において、接続導体14が母線導体5、7共に十分な接触面積が確保できる位置にあることがハウジングHの外部から確認できる。このため、接続導体14が母線導体5、7との十分な接触面積が得られない位置でボルト10を締め付けてしまう虞がなく、確実に接続導体14と母線導体5、7との十分な電気的接続を得ることができる。
また、図7は、本実施形態のバスダクトの操作を説明するための斜視説明図である。なお、図7では、本実施形態のバスダクトWの中心付近を拡大して示しており、(a)が活線増設前の状態を示す斜視説明図であり、(b)~(d)が操作における各段階のバスダクトWの状態を示す斜視説明図である。
具体的には、図6(a)に示すように、バスダクトシステムは、図示しない電源から複数のバスダクト及び接続部を電気的に接続してなり、バスダクト40aはその端部側に配置されているバスダクトである。また、図示しない「電源と、複数のバスダクト」に接続されているバスダクト40aは、本実施形態のバスダクトWと接続部39で接続されて構成されており、バスダクト40aとバスダクトWが電気的に接続されている。
なお、複数のバスダクト及びバスダクト40aは、4線の母線導体をハウジングで覆っている周知構成の一般的なバスダクトである。
また、バスダクトWは、その一端部2において、母線導体7がバスダクト40aの母線導体と電気的に接続されており、バスダクトシステムの末端に配置されている。更に、バスダクトWの他端部3はエンドキャップ41によって被覆されている。また、バスダクトWに設けられている接続導体14(図6には示さず)は、「第1位置」に配置されている。
最初に、図6(a)に示すバスダクトシステムの端部からエンドキャップ41を取り外し、図6(b)に示すように、バスダクトWの他端部3から母線導体5を露出させる。この状態において、バスダクトWの接続導体14が「第1位置」、即ち母線導体5、7が電気的に接続しない位置にあるため、母線導体7がバスダクト40を介して電源に電気的に接続して通電された状態である一方で、母線導体5が通電されていない状態になっている。そのため、この図6(b)に示した状態において、バスダクトWから露出している母線導体5に触れても危険はなく、絶縁対策をしなくとも安全にエンドキャップ41を取外すことができる。
なお、追加のバスダクト40b、40cは、バスダクト40aと同じ構成のもの、すなわち、4線の母線導体をハウジングで覆っている周知構成の一般的なバスダクトである。
また、図6(c)~(e)に示す各状態においても、バスダクトWの母線導体5が通電されていないから、絶縁対策をしなくとも安全に追加のバスダクトを接続することができる。
そして、接続導体14を「第2位置」に移動させた後、ボルト10を所定トルクで締め付けることで、接続導体14が、母線導体5及び母線導体7に架設され当接した状態になり、接続導体14を介して母線導体5と母線導体7とが電気的に接続されて、追加のバスダクト40b、40cも通電された状態になる。
この手順によると、バスダクトシステムを停電させることも、また、絶縁対策をすることなく、安全かつ低コストにバスダクトシステムの「活線増設」を完了することができる。
なお、図6(e)に示されるバスダクトWをより詳細に示したのが図7(a)であり、図6(f)に示されるバスダクトWをより詳細に示したのが図7(d)である。
具体的には、作業者は、先ず、図7(a)に示した状態からビス28を取り外し、続いてカバー材9を取り外して、図7(b)に示す状態にする。なお、ビス29は、カバー材9とは関係がないため、ビス28と同時に取り外してもよいし、カバー材9を取り外した後で取り外してもよい。
次に、図7(d)に示すとおり、ビス28、29を連通した孔31、33および孔34、35に挿通して接続導体の位置を決め、ボルト10を締め付けて接続導体14と母線導体5、7の電気的な接続を確立する。
なお、上述したように、ボルト10は、所定トルクで締め付けるとボルト頭10hがねじ切れるようになっている。
このように、本実施形態によれば、より安全・簡易に活線増設を行うことができるバスダクトシステム、バスダクトW及びバスダクトシステムのエンド構造並びにバスダクトシステムの増設方法を提供することができる。
なお、本実施形態の変形例(第1~第3変形例)の説明では、上述した実施形態と異なる部分を説明し、同じ構成の説明を省略する。また、本変形例においては、上述した実施形態と同じ構成、或いは相当する構成については、同じ符号を付している。
ここで、図8は、本実施形態の第1変形例のバスダクトにおける接続導体、2つの母線導体および締着部材の位置関係を説明するための斜視説明図であり、(a)が2つの母線導体が電気的に接続されていない状態を示す斜視説明図であり、(b)が2つの母線導体が電気的に接続された状態を示す斜視説明図である。
そして、第1変形例では、母線導体7、105のいずれにも切り欠きを設けずに、母線導体7、105を挟むように2枚の接続導体14を配置し、図中のY軸方向(母線導体の幅方向)に、接続導体14をスライド移動できる構成を採用している。この構成により、接続導体14が、図8(a)に示す「第1位置」と、図8(b)に示す「第2位置」とに切り替え可能に配置されるようになっている。
また、第1変形例によれば、図8(a)に示す「第1位置」に配置されている接続導体14に対して、操作部材S(補助金具12、24またはボルト10)を掴んで、図中のY2方向に移動させることで、図8(b)に示す「第2位置」に接続導体14を配置させることができる。「第2位置」では、2枚の接続導体14が、母線導体7、105の両者を挟んで、架設できるようになっている。そのため、「第2位置」に接続導体14を移動させた後、ボルト10を所定トルクで締め付けることで、2枚の接続導体14により2つの母線導体7、105が挟持されて(すなわち、接続導体14が、母線導体7、105の両者に接触して)、接続導体14を介して母線導体7が母線導体105と電気的に接続される状態になる。
ここで、図9は、本実施形態の第2変形例のバスダクトにおける接続導体、2つの母線導体および締着部材の位置関係を説明するための斜視説明図であり、(a)が2つの母線導体が電気的に接続されていない状態を示す斜視説明図であり、(b)が2つの母線導体が電気的に接続された状態を示す斜視説明図である。
また、母線導体205は、母線導体207と相対向している端部に、凹状に切り欠かれた凹部205aが形成され、母線導体207は、母線導体205と相対向している端部に、凹状に切り欠かれた凹部207aが形成されている。
また、図9(a)に示す「第1位置」に配置されている接続導体214に対して、操作部材S(補助金具12、24またはボルト10等の操作部材S)を掴んで、母線導体205、207の長尺方向(図中のX2方向)にスライド移動させることで、図9(b)に示す「第2位置」に接続導体214を配置させることができる。「第2位置」では、2枚の接続導体214が、母線導体205、207の両者を挟んで、架設できるようになっている。
また、「第2位置」に接続導体214を移動させた後、ボルト10及び補助ボルト110を締めると、一対の接続導体214により2つの母線導体205、207が挟持され(すなわち、一対の接続導体214が、母線導体205、207の両者に接触して)、接続導体214を介して母線導体205が母線導体207と電気的に接続される状態になる。
ここで、図10は、本実施形態の第3変形例のバスダクトにおける接続導体、2つの母線導体および締着部材の位置関係を説明するための斜視説明図であり、(a)が2つの母線導体が電気的に接続されていない状態を示す斜視説明図であり、(b)が2つの母線導体が電気的に接続された状態を示す斜視説明図である。
また、母線導体307は、平板状に形成されており、母線導体305と相対向している端部の近傍に補助ボルト110を挿通させるための貫通孔307aが形成されている。
この接続導体314は、母線導体305、307を電気的に接続するための接続用の導体であり、母線導体305、307の各相に対して、1枚の接続導体314が設けられている。
また、接続導体314は、第1接触片314aが母線導体307側に配置され、第2接触片314cが母線導体305側に配置されるようになっている。また、第2接触片314cには、ボルト10を挿通させるための貫通孔314c1が形成されている。また、第1接触片314aは、その自由端に、凹状に切り欠かれた凹部(切欠き)314a1が形成されている。
なお、上述した実施形態及びその変形例(第1~第3変形例)は、あくまでも一例である。接続導体を移動させて「第1位置」と、「第2位置」とに切り替え可能に配置でき、離間している2つの母線導体及び接続導体間の電気的な接続及び非接続を切り替えできるものであれば、接続導体及び母線導体の形状、接触面積、断面形状等々は適宜設計されるものである。
ここで、図11は、本実施形態の第4変形例のバスダクトにおける接続導体、2つの母線導体、締着部材、および接続導体を保持する絶縁体の位置関係を説明するための斜視説明図であり、(a)が2つの母線導体が電気的に接続されていない状態を示す斜視説明図であり、(b)が2つの母線導体が電気的に接続された状態を示す斜視説明図である。
なお、本実施形態の第4変形例の説明では、上述した実施形態及び第1~3変形例と同じ構成、或いは相当する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
また、接続導体414は、母線導体7、105を電気的に接続するための接続用の導体であり、母線導体7、105の各相に対して、2枚の接続導体414が母線導体7、105を図中のZ軸方向から挟みこむように設けられている。また、2枚の接続導体414は、図中Y軸方向両側に、1対の絶縁体444が装着されている。
また、1対の絶縁体444は、平板状に形成されている。また、一対(2枚)の絶縁導体444のうち、接続導体414の図中のY1方向側に装着される絶縁体444は、図中のY2方向側の面に凹状のガイド溝部444aが形成されている。また、一対(2枚)の絶縁導体444のうち、接続導体414の図中のY2方向側に装着される絶縁体444は、図中のY1方向側の面に凹状のガイド溝部444aが形成されている。また、各絶縁体444には、いずれも、図中Z軸方向の面を貫通する2本のボルト10が設けられている。
母線導体7は、母線導体105と向かい合う端部が、当該一体の空間に挿通されており、母線導体105は、母線導体7と向かい合う端部が、当該一体の空間に出し入れ自在に挿通されるようになっている。
また、図示しないが、ボルト10の締着力を受けて接続導体414及び母線導体7、105を挟着する2つの板状部材が設けられる。2つの板状部材は、図中のY軸方向両側の最も外側から図示しない各相の接続導体間の絶縁部材、各相の2枚の接続導体414及び母線導体7、105を挟みこむように配置され、また、各々ボルト10が挿通される孔を4つ有し、当該孔にボルト10が挿通されて配置される。4本のボルト10を締めることで2つの板状部材がその締着力を各相の接続導体414、母線導体7及び105に伝達し、一括して電気的に接続することができるようになっている。
板状部材はバネ性をもつものを採用するとより好適である。
また、図11(a)に示す「第1位置」に配置されている接続導体414に対して、操作部材S(補助金具12、24、ボルト10等の接続部材)を掴んで、母線導体7、105の長尺方向(図中のX2方向)にスライド移動させることで、図11(b)に示す「第2位置」に接続導体414を配置させることができる。「第2位置」では、母線導体105が、接続導体414の両側に設けられた絶縁体444の他端部からガイド溝444aに挿通されている。また、「第2位置」では、接続導体414は、母線導体7及び母線導体105の両者の上方面を跨る位置に配置される。そして、「第2位置」に接続導体314を移動させた後、4本のボルト10を締めると、接続導体414が、2つの母線導体7、105の上面に架設されて当接し、接続導体414を介して母線導体105が母線導体7と電気的に接続された状態になる。
なお、第4変形例は、あくまでも一例である。作業者が通電している母線導体に触れることなく接続導体の位置を切り替え可能になっていればどの様な構成としてもよい。
加えて、上述した実施例では、接続導体(14、214、314、414)を第1位置から第2位置に切り替えて母線導体間の電気的接続を完了する構造、方法のみを例示しているが、当該電気的接続の完了後に締着具による締着を緩め、接続導体(14、214、314、414)を第2位置から第1位置に切り替える構成を排除するものではなく、その様に構成しても良い。
2…端部
3…端部
4a…プラグインホール
4b…シャッター部
5…母線導体
5a…凹部
7…母線導体
14…接続導体
14a…貫通孔
S…操作部材
8…ワッシャー(操作部材)
10…ボルト(操作部材)
10h…ボルト頭(ボルト(操作部材))
11…ワッシャー(操作部材)
12、24…補助金具(操作部材)
25…絶縁体
26…絶縁体
27…ホルダー
28、29…ビス
31…孔
32…孔
39…接続部
H…ハウジング
15、16…側板(ハウジング)
15a、16a…長孔(ハウジング)
17…上板(ハウジング)
18…下板(ハウジング)
20…第1筒部(ハウジング)
21…第2筒部(ハウジング)
33、34、35、36…孔(上板(ハウジング))
9…カバー材
40a、40b、40c…バスダクト
41…エンドキャップ
105…母線導体
110…補助ボルト
205…母線導体
205a…凹部
207…母線導体
207a…凹部
214…接続導体
214a…貫通孔
214b…凹部
305…母線導体
305a…基部
305b…垂直片
305c…接続片
305c1…凹部
307…母線導体
307a…貫通孔
314…接続導体
314a…第1接触片
314a1…凹部
314b…垂直片
314c…第2接触片
314c1…貫通孔
414…接続導体
444…絶縁体
444a…ガイド溝部
Claims (6)
- 複数のバスダクトを電気的に接続してなるバスダクトシステムであって、
第1導体と、
第2導体と、
前記第1導体及び前記第2導体を電気的に接続する接続導体と、
前記接続導体を収容するハウジングと、
前記接続導体を操作可能とする操作部材とを有するとともに、
前記接続導体が、前記第1導体及び前記第2導体を電気的に接続しない状態となる第1位置と、前記第1導体及び前記第2導体を電気的に接続可能な状態となる第2位置とを、前記第1導体の長尺方向にスライド移動することにより切り替え可能に設けられていることを特徴とするバスダクトシステム。 - 前記第1導体、前記第2導体及び前記接続導体は締着具によって電気的に接続されるとともに、
前記第1導体または前記接続導体の少なくとも一方に切り欠きまたは孔を設けて前記締着具を挿通可能に構成とすることを特徴とする請求項1に記載のバスダクトシステム。 - 前記操作部材は、前記ハウジングの外部から前記接続導体を操作可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバスダクトシステム。
- 複数のバスダクトを電気的に接続してなるバスダクトシステムにおけるバスダクトであって、
第1導体と、
第2導体と、
前記第1導体及び前記第2導体を電気的に接続する接続導体と、
前記接続導体を収容するハウジングと、
前記接続導体を操作可能とする操作部材とを有するとともに、
前記接続導体が、前記第1導体及び前記第2導体を電気的に接続しない状態となる第1位置と、前記第1導体及び前記第2導体を電気的に接続可能な状態となる第2位置とを、前記第1導体の長尺方向にスライド移動することにより切り替え可能に設けられていることを特徴とするバスダクト。 - 複数のバスダクトを電気的に接続してなるバスダクトシステムのエンド構造であって、
第1導体と、
第2導体と、
前記第1導体及び前記第2導体を電気的に接続する接続導体と、
前記接続導体を収容するハウジングと、
前記接続導体を操作可能とする操作部材とを有するとともに、
前記接続導体が、前記第1導体及び前記第2導体を電気的に接続しない状態となる第1位置と、前記第1導体及び前記第2導体を電気的に接続可能な状態となる第2位置とを、前記第1導体の長尺方向にスライド移動することにより切り替え可能に設けられていることを特徴とするバスダクトシステムのエンド構造。 - 請求項1~3にいずれかに記載のバスダクトシステム、請求項4に記載のバスダクト、及び請求項5に記載のバスダクトシステムのエンド構造のいずれかを用いたバスダクトシステムの増設方法であって、
前記接続導体が前記第1位置にあって、かつ前記第1導体および前記接続導体もしくは前記第2導体のいずれか一方のみが通電された状態で、他方の通電された状態にない前記第2導体もしくは前記第1導体に対して追加のバスダクトの母線導体を電気的に接続するステップと、
前記接続導体を前記ハウジング外部から操作して、前記第1導体の長尺方向にスライド移動させることにより前記第1位置から前記第2位置へ移動させるステップと、
前記接続導体、前記第1導体および前記第2導体を電気的に接続するステップとを含むことを特徴とするバスダクトシステムの増設方法。
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