JP7388135B2 - ヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

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Description

本発明は、ヘッドマウントディスプレイに関する。
特許文献1には、凹面鏡を有する頭部装着式表示装置が開示されている。特許文献1の装置は、凹面鏡は非球面鏡となっている。具体的には、4次、6次、8次、10次の非球面係数をA、B、C、Dとすると、実施例1~5において、C=0,D=0となっている。
特開2000-352692号公報
上記のようなヘッドマウントディスプレイでは、より表示品質を高くすることが望まれる。例えば、広い視野角とすることが望まれる。
本開示は上記の点に鑑みなされたものであり、表示品質の高いヘッドマウントディスプレイを提供することを目的とする。
本実施形態にかかるヘッドマウントディスプレイは、ユーザの前方に配置され、表示画像を形成する表示光を前記ユーザの方向に反射する非球面の凹面鏡と、前記凹面鏡と前記ユーザとの間に配置され、前記表示光を前記凹面鏡に反射するとともに、前記凹面鏡で反射した表示光を透過するビームスプリッタと、を備え、光学系において、前記ユーザの眼の有効視野に対応する有効視野角よりも内側の範囲では、歪曲収差が5%以下となっており、前記有効視野角よりも外側の範囲では、視野の外側に向かうほど歪曲収差が大きくなっている。
本開示によれば、表示品質の高いヘッドマウントディスプレイを提供することを目的とする。
本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイの一部の構成を示す図である。 本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイの機能ブロックを示す図である。 ヘッドマウントディスプレイの光学系における表示光、及び外光を説明するための図である。 光学系を簡略化して示す模式図である。 光学系における表示光の光線図である。 像高(表示素子サイズ)と視野角(半画角)の関係を説明するための図である。 実施の形態1の光学系における像高特性のシミュレーション結果を示すグラフ図である。 図7の一部を拡大する図である。 実施例1の非球面係数を示す表である。 比較例3の光学系における像高特性のシミュレーション結果を示すグラフ図である。 光学系の歪曲収差を説明する図である。 光学系の歪曲収差を示す図である。 光学系の歪曲収差に応じて補正した表示画像を示す図である。 実施例2、実施例3の非球面係数を示す表である。 実施の形態2における像高特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 図15の一部を拡大する図である。 視野角と歪曲との関係を示すグラフである。 実施の形態2の光学系における非球面係数の一例を示す図である。 R=-100,-150、-200の場合の非球面係数を示すグラフである。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本開示が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
実施の形態1.
本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイ、及びその表示方法について、図を参照して説明する。図1はヘッドマウントディスプレイ100の一部の構成を模式的に示す斜視図である。図2はヘッドマウントディスプレイ100の一部の機能ブロックを示す図である。図1、図2では、主として、ヘッドマウントディスプレイ100の画像表示に関する構成が示されている。図1では、ヘッドマウントディスプレイ100の内部構成が示されており、実際には、図1に示す各構成要素がカバーなどで覆われていてもよい。
ヘッドマウントディスプレイ100は、ゲーム用、エンターテインメント用、産業用、医療用、フライトシミュレータ用などの様々な用途に適用可能である。ヘッドマウントディスプレイ100は、例えばVR(Virtual Reality)ヘッドマウントディスプレイやAR(Augmented Reality)ヘッドマウントディスプレイやMR(Mixed Reality)ヘッドマウントディスプレイである。なお、本実施の形態では、ヘッドマウントディスプレイ100が、ARやMRに用いられるオプティカルシースルータイプのヘッドマウントディスプレイとなっているが、非透過型のヘッドマウントディスプレイであってもよい。
以下、説明の明確化のため、XYZ3次元直交座標系を用いて説明を行う。ユーザを基準として、前後方向(奥行方向)をZ方向、左右方向(水平方向)をX方向、上下方向(鉛直方向)をY方向とする。前方向が+Z方向、後ろ方向が-Z方向、右方向を+X方向、左方向を-X方向、上方向を+Y方向、下方向を-Y方向とする。
図示しないユーザが、ヘッドマウントディスプレイ100を装着している。ヘッドマウントディスプレイ100は、表示素子部101と、フレーム102と、左眼用光学系103Lと、右眼用光学系103Rと、制御部105を備えている。制御部105は、制御部105Lと制御部105Rとを備えている。
フレーム102はゴーグル形状や眼鏡形状を有しており、図示しないヘッドバンドなどによりユーザの頭部に装着される。フレーム102には、表示素子部101、左眼用光学系103L、右眼用光学系103R、制御部105L、制御部105Rが取り付けられている。なお、図1では、両眼式のヘッドマウントディスプレイ100が図示されているが、眼鏡形状を有する非没入型ヘッドマウントディスプレイであってもよい。
表示素子部101は、左眼用表示素子101Lと右眼用表示素子101Rを備えている。左眼用表示素子101Lは、左眼用の表示画像を生成する。右眼用表示素子101Rは、右眼用の表示画像を生成する。左眼用表示素子101L、及び右眼用表示素子101Rはそれぞれ液晶モニタや有機EL(Electro-Luminescence)モニタなどのフラットパネルディスプレイを備えている。左眼用表示素子101L、及び右眼用表示素子101Rは曲面形状を有するディスプレイでもよい。左眼用表示素子101Lと右眼用表示素子101Rは、それぞれアレイ状に配置された複数の画素を備えている。ここでアレイ状の配置とは、2次元状の配置だけでなく、ペンタイル配列などでもよい。左眼用表示素子101Lは右眼用表示素子101Rの左側(-X側)に配置されている。
表示素子部101の上方(+Y側)には、制御部105が設けられている。制御部105には、外部からの映像信号、制御信号、電源が供給されている。例えば、HDMI(登録商標)などの有線接続、又はWiFi(登録商標)やBlueTooth(登録商標)等の無線接続によって、映像信号等が制御部105に入力される。ヘッドマウントディスプレイ100は、映像信号を生成する映像生成部(図示せず)を備えていてもよく、制御部105には、映像生成部が生成した映像信号等が入力されてもよい。
制御部105L、制御部105RはCPU(Central Processing Unit)、及びメモリなどのハードウェア資源を備えており、メモリに格納されたコンピュータプログラムにしたがって動作する。さらに、制御部105L、制御部105Rはそれぞれ、ディスプレイの駆動回路等を備えている。制御部105Lは、映像信号、制御信号等に基づいて、左眼用画像の表示信号を生成して、左眼用表示素子101Lに出力する。これにより、左眼用表示素子101Lは、左眼用画像を表示するための表示光を出力する。制御部105Rは、映像信号、制御信号等に基づいて、右眼用画像の表示信号を生成して、右眼用表示素子101Rに出力する。これにより、右眼用表示素子101Rは、右眼用の表示画像を表示するための表示光を出力する。つまり、制御部105は表示信号を表示素子部101に出力する。
なお、表示素子部101は、左眼用表示素子101Lと右眼用表示素子101Rを別々の表示素子とする構成に限らず、単一の表示素子とする構成としてもよい。単一の表示素子が、左眼用の表示画像と右眼用の表示画像とを生成してもよい。この場合、表示素子部101は、ディスプレイの表示領域の片側の一部を用いて、左眼用画像を生成し、反対側の一部を用いて、右眼用画像を生成する。
表示素子部101、制御部105等の一部又は全部は、フレーム102に固定されている構成に限らず、フレーム102に対して脱着可能に設けられていてもよい。例えば、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等をフレーム102に対して取り付けることで、表示素子部101、制御部105等を実現してもよい。この場合、スマートフォン等にヘッドマウントディスプレイ用の表示画像を生成するアプリケーションプログラム(アプリ)を予めインストールしておけばよい。
左眼用光学系103Lは、左眼用表示素子101Lが出力した表示光を、左眼用画像としてユーザの左眼ELに導く。右眼用光学系103Rは、右眼用表示素子101Rが出力した表示光を、右眼用画像としてユーザの右眼ERに導く。左眼用光学系103Lは右眼用光学系103Rの左側(-X側)に配置されている。左眼用光学系103Lは、ユーザの左眼ELの前方(+Z方向)に配置されている。右眼用光学系103Rは、ユーザの右眼ERの前方(+Z方向)に配置されている。ユーザは、表示素子部101が生成した表示画像の虚像を正面前方(+Z方向)に視認することができる。
上記の通り、本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイ100は、半透過型又は非透過型のヘッドマウントディスプレイのいずれにも可能である。なお、ここではヘッドマウントディスプレイ100が、半透過型のヘッドマウントディスプレイであるとして説明を行う。従って、左眼用光学系103L、及び右眼用光学系103Rは、後述するコンバイナを備えている。半透過型のヘッドマウントディスプレイ100では、表示素子部101からの表示光と、外光とが、左眼EL及び右眼ERに入射する。よって、ユーザは、前方(+Z方向)の景色に表示画像が重畳した重畳画像を視認することができる。
以下、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103R(以下、まとめて単に光学系と称する)の例について説明する。図3は、光学系を模式的に示す側面図である。なお、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとは同様の構成となっているため、図3においては、主として左眼用光学系103Lの説明を行う。
左眼用光学系103Lは、コンバイナ121Lと、ビームスプリッタ122Lと、遮光部150Lと、を備えている。コンバイナ121L、ビームスプリッタ122L、及び遮光部150Lは、図1で示したフレーム102に固定されている。
コンバイナ121Lは凹面鏡となっており、ビームスプリッタ122Lは平面鏡となっている。コンバイナ121L、及びビームスプリッタ122Lはハーフミラー等のビームスプリッタであり、入射光の一部を反射して、一部を透過する。コンバイナ121Lの反射の比率と透過の比率とが等しいとすると、コンバイナ121Lは、入射光のほぼ半分の光量を透過し、残りの半分を反射する。同様に、ビームスプリッタ122Lの反射の比率と透過の比率とが等しいとすると、ビームスプリッタ122Lは、入射光のほぼ半分の光量を透過し、残りの半分を反射する。コンバイナ121L及びビームスプリッタ122Lは、反射の比率を増やし透過の比率を減らしてもよいし、反射の比率を減らし透過の比率を増やしてもよい。
コンバイナ121L、及びビームスプリッタ122Lはユーザの左眼ELの正面前方(+Z方向)に配置されている。また、コンバイナ121Lは、ビームスプリッタ122Lの前方(+Z方向)に配置されている。
ビームスプリッタ122Lの上方(+Y方向)には、左眼用表示素子101Lが配置されている。左眼用表示素子101Lは表示画像を形成するための表示光PL11を出射する。つまり、左眼用表示素子101Lは、左眼ELの前方斜め上に配置されている。
遮光部150Lは、ビームスプリッタ122Lの下方(-Y方向)に配置されている。つまり、遮光部150Lは、左眼ELの前方斜め下に配置されている。遮光部150Lは、前方斜め下の視界を遮るために設けられている。遮光部150Lは光を吸収する黒色材料などで形成されている。遮光部150Lの代わりに、前方斜め下を視認するための下部窓を設けてもよい。
左眼用表示素子101Lからの表示光PL11について説明する。左眼用表示素子101Lの表示面は、鉛直下方(-Y方向)に向いている。したがって、左眼用表示素子101Lからの表示光PL11は、-Y方向に出射される。左眼用表示素子101Lは、例えば、液晶表示パネルを有する液晶モニタである。液晶表示パネルはバックライトからの光の偏光状態を制御することで、光を空間変調する。
左眼用表示素子101Lの下方(-Y方向)には、ビームスプリッタ122Lが傾斜して配置されている。左眼用表示素子101Lからの表示光PL11は、ビームスプリッタ122Lに入射する。ビームスプリッタ122Lは、表示光PL11の一部を反射する。また、ビームスプリッタ122Lを透過した残りの表示光PL11は、遮光部150Lで吸収される。
ビームスプリッタ122Lで反射した表示光PL11は、前方(+Z方向)に反射される。そして、ビームスプリッタ122Lで反射した表示光PL11は、コンバイナ121Lに入射する。コンバイナ121Lは、後方(-Z方向)に表示光PL11の一部を反射する。コンバイナ121Lで反射された表示光PL11を表示光PL12とする。さらに、コンバイナ121Lは凹面鏡であり、表示光PL12を左眼ELに向けて集光するように、表示光PL12を反射する。コンバイナ121Lで反射された表示光PL12は、ビームスプリッタ122Lに入射する。ビームスプリッタ122Lは、表示光PL12の一部を透過する。
ビームスプリッタ122Lを透過した表示光PL12は、左眼ELに入射する。このように、左眼用光学系103Lが、左眼用表示素子101Lからの表示光PL11を、ユーザの左眼ELに導く。光学系により、ユーザの前方(+Z方向)に虚像を表示させることができる。また、コンバイナ121Lとして凹面鏡を用いているため、表示画像が拡大して表示される。
次に、ユーザの前方(+Z方向)からの外光PL21について説明する。外光PL21の一部は、コンバイナ121Lを透過する。コンバイナ121Lを透過した外光PL21は、ビームスプリッタ122Lに入射する。ビームスプリッタ122Lは、外光PL21の一部を透過する。ビームスプリッタ122Lを透過した外光PL21は、左眼ELに入射する。
ヘッドマウントディスプレイ100が半透過型であるため、コンバイナ121Lは、前方(+Z方向)からの外光PL21と左眼用表示素子101Lからの表示光PL12を合成する。ユーザの前方(+Z方向)にコンバイナ121Lを設けることで、ヘッドマウントディスプレイ100を光学シースルー方式とすることができる。ユーザの前方(+Z方向)の景色に、表示画像が重畳される。つまり、ユーザは、表示画像が重畳された景色を視認することができる。
右眼用光学系103Rは、左眼用光学系103Lと同様に、コンバイナ121R、ビームスプリッタ122R、及び遮光部150Rを有している。よって、右眼用表示素子101Rからの表示光PR11が、ビームスプリッタ122Rで反射されて、コンバイナ121Rに入射する。コンバイナ121Rは、前方(+Z方向)からの外光PR21と右眼用表示素子101Rからの表示光PR12を合成する。以下、右眼用光学系103R及び左眼用光学系103Lをまとめて光学系として説明する。
コンバイナ121L、121Rは非球面の凹面鏡となっている。つまり、コンバイナ121L、121Rは非球面鏡となっている。コンバイナ121L、121Rの焦点距離をfとする。図4は、光学系を簡略化して示す模式図である。図4では、説明のため、ビームスプリッタ122L、122Rを省略している。以下の説明では、ビームスプリッタ122L、122Rを省略して説明する。
左眼用表示素子101L、右眼用表示素子101Rは、それぞれコンバイナ121L、121Rからほぼ距離fの位置に配置されている。つまり、左眼用表示素子101Lとコンバイナ121Lとの間の距離は、焦点距離fとほぼ一致しており、右眼用表示素子101Rとコンバイナ121Rとの間の距離は、焦点距離fとほぼ一致している。
図5に示すように、左眼用表示素子101L、右眼用表示素子101Rの一点から出射した表示光PL11、PR11は、拡がりながら、コンバイナ121L、121Rに入射する。そして、コンバイナ121L、121Rで反射された表示光PL12、PR12は平行光束となる。左眼用表示素子101Lの一点から出射した表示光PL11は、コンバイナ121Lで反射されることで平行光束となって左眼ELに入射する。右眼用表示素子101Rの一点から出射した表示光PR11は、コンバイナ121Rで反射されることで平行光束となって右眼ERに入射する。なお,図5は、上下方向(Y方向)の視野角0°、5°、10°、15°、20°、27°でのシミュレーション結果を示す光線図である。ここで視野角とは、左眼EL及び右眼ERから放射状に広がる角度のことである。よって、それぞれの視野角において、コンバイナ121L、121Rで反射された表示光PL12、PR12は実質的に平行光束となっている。
左眼EL、右眼ERの結像作用でユーザが左眼用表示素子101L、右眼用表示素子101Rの表示画像を視認することができる。図6は、物体(物体面)と像高との関係を説明するための図である。図6は、焦点距離fの凸レンズの結像光学系を示している。この場合、像面における像高yと画角θとの関係は、以下の式(1)で示される。
y=f×tanθ ・・・(1)
上記の関係を図3、及び図4の光学系に当てはめると、レンズの焦点距離fが凹面鏡(コンバイナ121L、121R)の焦点距離fに相当する。像高yが左眼用表示素子101L、右眼用表示素子101Rの中心(光学系の光軸)からの距離に相当する。画角θが視野角に相当する。
式(1)から、式(2)が得られる。
θ=arctan(y/f) ・・・(2)
像高yを大きくすることで、視野角θを大きくすることができる。しかしながら、像高yは左眼用表示素子101L、右眼用表示素子101Rの表示素子サイズ(パネルサイズ)で決まるため、一定以上大きくすることが困難である。左眼用表示素子101L、右眼用表示素子101Rが左右方向(X方向)に大きいアスペクト比をもつ表示素子である場合、像高yは左眼用表示素子101L、右眼用表示素子101Rの左右方向(X方向)の表示素子サイズ(パネルサイズ)で決まる。
また、凹面鏡の焦点距離fを小さくすることで、視野角θを大きくすることができる。しかしながら、凹面鏡の焦点距離fを小さくすると、光学系全体が小さくなる。例えば、左眼用表示素子101Lとコンバイナ121Lとの間の光学的な距離が短くするために、左眼用表示素子101Lを下方(-Z方向)に下げる必要がある。左眼用表示素子101Lを下げすぎると、コンバイナ121Lで反射した表示光PL12のうち+Y方向に大きい視野角の成分が左眼用表示素子101Lと干渉してしまう。つまり、ユーザは表示画像の虚像の上端部(+Y側端部)付近を視認することが出来なくなってしまう。よって、視野角を広くすることが困難となる。本実施の形態では視野角を広くするために、有効視野の外側では歪曲収差を大きくしている。
人間の視野は左右200°上下135°程度であるが、眼球静止状態で高い視力を得られる弁別視野は数°程度である。また、通常の眼球運動で高い視力を得られる有効視野は左右各約15°、上約8°、下約12°以内である。有効視野の外側を見る場合は自然に頭部運動を伴って見ることになる。そこで、本実施の形態では有効視野内の範囲は高画質で表示し、有効視野外では画質を落として表示して、実質的な高画質とコストダウンや小型化を両立させている。
一般的に、有効視野は左右に各約15°以内、上に約8°以内、下に約12°以内の範囲となっている。ここでは、上下方向と比べて大きい左右方向の有効視野の視野角に合わせて、有効視野に対応する視野角を15°として説明する。つまり、上下左右それぞれの方向に15°以内の範囲を有効視野としている。有効視野に対応する視野角を有効視野角とする。有効視野角は、左右方向における有効視野の最大角度に対応している。本実施の形態では、有効視野角を15°として説明するが、有効視野角はこの値に限定されるものではない。また、コンバイナ121L、コンバイナ121Rは、それぞれ左眼EL,右眼ERの有効視野内から有効視野外に渡って配置されている。つまり、コンバイナ121L、コンバイナ121Rの光軸に近い部分が有効視野内にあり、コンバイナ121L、コンバイナ121Rの光軸から遠い部分が有効視野外にある。例えば、コンバイナ121L、121Rの中央部のみが有効視野内にあり、コンバイナ121L、121Rの周縁部が有効視野外にあってもよい。
光学系において、ユーザの眼の有効視野に対応する有効視野角よりも内側の範囲では、歪曲収差が一定値以下となっている。例えば一定値は、一般的に違和感なく視認できる限界とされる5%とする。一方、有効視野角よりも外側の範囲では、視野の外側に向かうほど歪曲収差が大きくなっている。有効視野角未満の視野角では、高い視力で表示画像又は景色を視認することができるため、歪曲収差を小さくしている。有効視野角以上の視野角での景色を見る場合、ユーザは、頭部を回転しないと高い視力が得られない。従って、視認したい景色が有効視野内に入るようにユーザが頭部を回転する。有効視野角以上では、歪曲収差を大きくしても表示品質の劣化を抑制することができる。
図7は、視野角と像高との関係を示す像高特性のシミュレーション結果のグラフである。図8は、図7の一部を拡大した拡大図である。横軸が視野角であり、縦軸が像高となっている。像高特性は、視野角に対する像高の変化を示す特性である。
像高は、左眼用表示素子101L又は右眼用表示素子101Rの光軸からの左右方向(X方向)の距離に対応する。例えば光軸をパネルの中心として光学系を設計した場合、像高は、左眼用表示素子101L又は右眼用表示素子101Rのパネル中心からの左右方向(X方向)の距離に対応する。視野角0°は、像高0mm、つまりパネル中心に対応する。視野角15°は、パネル中心から約23mmの距離に対応する。また、左眼用表示素子101L又は右眼用表示素子101Rの左右方向(X方向)における表示パネルサイズを66mmとするため、半幅は33mmとなる。パネル中心から左端又は右端までのサイズが33mmとなる。つまり最大像高が33mmとなる。33mmに対応する視野角が左右方向(X方向)における最大視野角(最大表示画角)となる。
図7、図8では、実施例1、及び比較例1,2のシミュレーション結果を示している。比較例1は、曲率半径R=-180mm、つまりf=90mmの非球面鏡ではない球面鏡での像高特性を示しており、比較例2は、f=90mmとした場合の、式(1)のy=f*tanθの像高特性である。比較例2は、歪曲収差がない理想的な光学系における像高特性である。比較例2の像高を理想像高とする。
比較例1,2は、像高特性が実質的にリニア(線形)となっている。つまり比較例1,2では、像高特性のグラフの傾きがほぼ一定となる。比較例1では歪曲収差がわずかにあるため、比較例1のグラフの傾きは、比較例2の傾きよりも小さくなっている。像高33mmが最大視野角であるため、比較例1の最大視野角は22°、比較例2の最大視野角が21°となっている。
実施例1では、有効視野角の近傍までは、視野角と像高との関係が実質的にリニアとなっている。しかしながら、視野角が有効視野角よりも大きくなると、実施例1では、視野角と像高との関係がリニアではなくなる。具体的には、視野角15°以上において、実施例1では、比較例1,2よりもグラフの傾きが小さくなる。さらに、視野角が大きくなっていくほど、傾きが徐々に小さくなっていく。有効視野角=15°付近から、像高特性のグラフが徐々に曲がり始めていき、視野角が大きくなるほど比較例2からの像高特性(理想像高)から離れていく。このように、有効視野角以上となると、視野角が大きくなるにつれて、歪曲収差が徐々に大きくなっていく。
本実施の形態では、視野角が有効視野角よりも大きくなると、視野角の増加に対する像高の増加が小さくなっていく。さらに、視野角が大きくなるほど、像高特性のグラフの傾きが小さくなる。このようにすることで、最大視野角を大きくすることができる。実施例1では、像高33mmに対応する最大視野角は約27°となっている。実施例1によれば、球面鏡である比較例1に比べて5°程度視野角が広くなる。実施例1では比較例1よりも視野角を23%ほど広くすることができる。なお、有効視野角以下の視野角では、実施例1の像高特性は、比較例1,2の像高特性とほぼ同等となっている。ここまで、表示素子部101の左右方向(X方向)の像高特性について説明をしたが、上下方向においても同様の像高特性を持つ。つまり表示素子部101の上下方向においても、視野角が有効視野角よりも大きくなると、視野角の増加に対する像高の増加が小さくなっていく。ただし表示素子部101のパネルサイズは左右方向(X方向)に大きいアスペクト比をもつ為、上下方向の最大視野角は左右方向(X方向)の最大視野角である27°よりも小さくなる。
以下、凹面鏡の反射面形状について説明する。凹面鏡のサグ量をZとする。サグ量Zは、非球面鏡の反射面のプロファイル形状を示す。rは光軸と直交する平面内における光軸からのラジアル方向距離(径方向距離)である。サグ量Zは、非球面鏡の頂点から反射面までのZ方向距離である。具体的にはサグ量Zは以下の式(3)のようにrの関数で表される。
Figure 0007388135000001
cは曲率(曲率半径Rの逆数)、kは円錐定数、αnは非球面係数である。α1は2次の非球面係数、α2は4次の非球面係数、α3は6次の非球面係数、α4は8次の非球面係数、α5は10次の非球面係数である。c、k、α1~α5を用いて、非球面の凹面鏡の形状を規定することができる。このように、サグ量Zはrに応じて変化する。
実施例1では、曲率c、円錐定数k、及び非球面係数α1~α5を図9の表に示す値としている。曲率cは、R=-180の逆数である。1次~3次の非球面係数α1~α3は、0となっている。また、円錐定数kも0となっている。
図9のような非球面係数に設定にすることで、凹面鏡の外側部分だけを曲率半径が小さくなるように曲げることができる。図7、及び図8に示すように、有効視野の外側だけで、歪曲収差が大きくなるようにしている。これは、有効視野の内側はほぼベースになる曲率半径R=-180mmの球面形状とし、有効視野角のあたりから非球面形状にして、より曲率半径が小さくなるように曲げていることになる。
円錐定数kや低次(例えば2次~6次)の非球面係数を使うと、より内側から球面形状より曲率半径が小さくなってしまうおそれがある。この場合、図7、及び図8に示すような像高特性を得ることが困難になる。有効視野の内側で歪曲収差が大きくなると、表示特性が劣化してしまう。よって、実施例1では、円錐定数kを0、かつ、2次~6次の非球面係数α1~α3を0としている。
次に、像高特性の形状について説明する。ベースとなる球面よりも歪曲収差を大きくする場合、図10に示す比較例3のようにすることも考えられる。比較例3では、像高特性が、有効視野角あたりから直線状に変化している。比較例3のように設定するために、有効視野角以上では、より小さい曲率半径の球面形状としている.具体的には、有効視野角未満では、曲率半径R=-180として、有効視野角以上では曲率半径Ro=R×0.55(=-180×0.55)としている。なお、図10において、比較例1、2は、図7及び図8と同じである。
しかしながら、比較例3は、曲面形状の変化が有効視野角の前後で不連続になり、表示画像に不自然さが生じてしまうおそれがある。つまり、有効視野の境界近傍で表示画像に違和感が生じるおそれがある。そこで、本実施の形態では、有効視野角前後の像高の変化がなめらかになるようにすることが好ましい。具体的には、有効視野角より外側の曲線には、いわゆる緩和曲線を使うことが好ましい。つまり、有効視野角よりも外側の範囲において、像高特性が、緩和曲線形状になっている。緩和曲線にはクロソイド曲線、3次曲線等があるが、ここではより簡易に、有効視野角より内側の変化量を、ある係数で徐々に減らした変化量にして、緩和曲線を作成している。このような緩和曲線を使うことにより、有効視野角前後の凹面鏡の曲面形状の変化がなめらかになる。よって、有効視野角前後の表示画像のつながりも自然にすることができる。これにより、表示品質の劣化を抑制することができる。
このように設計した光学系での表示パネル上のスポット位置を図11に示す。図11では、実施例1の凹面鏡において、2.5°毎の左右方向(X方向)のスポットの位置が示されている。ここでは、視野角0°~25°の範囲でシミュレーションを行った結果が示されている。有効視野角の15°以下では、ほぼ等間隔にスポットが並んでいるが、15°を越えると、徐々にスポット間隔が短くなる。よって、上記の歪曲収差特性を実現することができる。なお、図11ではパネルサイズを縦58mm×横66mmとしている。
図12は、表示パネル上の歪曲収差特性を示す図である。図12に示すように、歪曲収差は、いわゆる樽型になる。つまり、中央から外側に向かって膨らんだように見える。
左眼用表示素子101L又は右眼用表示素子101Rが形成する表示画像は、光学系の歪曲収差特性に合わせて補正が施されていることが好ましい。図12に示すような歪曲収差に応じて、表示画像が歪曲するように、制御部105が表示画像を形成する。制御部105は、ソフトウェアまたはハードウェアを利用して歪曲した表示画像の形成を実現する。図13は、歪曲収差に応じて補正が施された左右の表示画像の例を示す図である。図13は、光学系の歪曲収差に応じて補正した左右の表示画像を、光学系を介さずに視認した表示画像を示している。
図13のように、中央から外側に向かって膨らんだ表示画像を、制御部105が形成する。表示素子部101が光学系の歪曲収差と同等の歪曲を持たせた表示画像を表示する。つまり、表示素子部101が、光学系の歪曲収差に応じて歪曲させた表示画像を形成するように、制御部105が表示画像を補正する。歪んだ表示画像をユーザが光学系を介して視認することで、適切な表示画像を視認することができる。これにより、表示品質を向上することができる。
上記の構成によれば、表示品質を向上することができる。一般的な均一画素の表示パネルを用いた場合でも、有効視野内は色収差のないすっきりした非常に高い画質を得ることが可能となる。また有効視野の外側は、歪曲収差を徐々に大きくすることによって、実用上より広い視野角を得ることが可能となる。さらに、有効視野の境界部分で表示画像を自然につなぐことができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、コンバイナ121L、121Rの反射面の形状が異なっている。具体的には、実施の形態2では、式(3)に示した4次、及び6次の非球面係数α2、α3が0となっていない。なお、ヘッドマウントディスプレイ100の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
以下、曲率半径Rを変えてシミュレーションを行った結果について説明を行う。実施例2では、曲率半径R=-180mmとし、実施例3では、曲率半径R=-150mmとしている。実施例2,実施例3の光学系では、円錐定数k、及び非球面係数α2~α5が図14の表に示す値となっている。なお、k=0、かつ、α1=0である。cはそれぞれの曲率半径の逆数である。
実施の形態2にかかる光学系での像高特性を図15に示す。図16は、図15の一部を拡大して示すグラフである。図15、及び図16は実施例1,2と比較例1、2を示すグラフである。図15,図16において、実施例1、及び比較例1、2は、図7、図8と同様である。また、実施の形態1と同様に、有効視野角は15°であり、最大像高は33mmである。
実施例2において、有効視野角以下では、像高特性がほぼ直線となり、有効視野角以上において、緩和曲線特性となっている。つまり、有効視野角よりも外側の範囲において、像高特性が、緩和曲線形状になっている。有効視野角以上では、徐々に歪曲収差が増加していくことが分かる。つまり、実施の形態1と同様に、有効視野角の外側の範囲で、視野の外側に向かうにつれて、歪曲収差が徐々に大きくなっていく。よって、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
比較例2では、y=f*tanθであるため、比較例2のyが理想像高となる。歪曲収差は、理想像高と実際の像高とのずれ量で規定される。光学系による実際の像高AをAとすると、歪曲収差(%)=100×(y-A)/Aで示される。図17は、視野角と歪曲収差(%)の関係を示すグラフである。図17では、比較例1と実施例1~3でのシミュレーション結果を示している。
図17では、視野角を2.5°刻みで変化させた場合のシミュレーションした結果を示している。シミュレーションでは、2.5°刻みの視野角における歪曲収差(%)が算出されている。図17は、実施例1~3と比較例1のシミュレーション結果を示すグラフである。
実施例1~3では、有効視野角以下において歪曲収差が5%以下となっている。換言すると、実施例1~3では、視野角が20°以上の全範囲において、歪曲収差が5%を越えている。一方、比較例1では、視野角が20°以下において、歪曲収差が5%以下となっている。このように、有効視野に対応する有効視野角以上で、歪曲収差を大きくすることが好ましい。このように、有効視野角よりも内側の範囲において、歪曲収差を5%以下としている。よって、画角(視野角)を広くすることができる。
図18は、本実施の形態の光学系における非球面係数の一例を示す表である。図18は、シミュレーション結果で得られた良好な歪曲収差特性を示す非球面係数の一例を示している。図18では、R=-100mm、-120mm、-150mm、-180mm、-200mmにおける非球面係数の一例を示している。以降はR=-100mmの場合をR-100、R=-120mmの場合をR-120、R=-150mmの場合をR-150、R=-180mmの場合をR-180、R=-200mmの場合をR-200と記す。図18は、非球面係数と、非球面係数の絶対値をそれぞれ表として示している。図18の表に示す非球面係数を用いることで、良好な光学系を得ることができる。なお、α1=0、k=0である。
図19は、図18の表の非球面係数の絶対値をグラフしたものである。図19は、次数と非球面係数の絶対値との関係を示すグラフである。図19は、非球面次数が4次、6次、8次、10次の非球面係数、すなわち、α2、α3、α4、α5を示している。ここでは、R=-100、-150、-200の場合の非球面係数α2、α3、α4、α5を示している。絶対値を記した理由は、Z方向すなわち凹面鏡の曲面の方向を逆にすると、曲率半径Rの符号も非球面係数の符号も反対になるからである。
4次の非球面係数α2の絶対値、及び6次の非球面係数α3の絶対値を、相対的に小さい値とすることで、所望の歪曲収差特性を容易に得ることができる。例えば、4次の非球面係数α2の絶対値は1.735×10-7以下であることが好ましい。例えば、6次の非球面係数α3の絶対値は2.151×10-10以下であることが好ましい。多数のシミュレーションを行った結果、非球面係数を上記の範囲とすることで、良好な特性を得られた。
4次の非球面係数α2の絶対値は、8.049×10-8以上、かつ、1.735×10-7以下であることが好ましい。6次の非球面係数α3の絶対値は、9.832×10-11以上、かつ、2.151×10-10以下であることが好ましい。8次の非球面係数α4の絶対値は、1.181×10-13以上、かつ、2.432×10-13以下であることが好ましい。10次の非球面係数α5の絶対値は、2.687×10-17以上、5.656×10-17以下であることが好ましい。多数のシミュレーションを行った結果、非球面係数を上記の範囲とすることで、良好な特性を得られた。
なお、ヘッドマウントディスプレイ100がオプティカルシースルー方式のヘッドマウントディスプレイとして説明したが、ヘッドマウントディスプレイ100は非透過型のヘッドマウントディスプレイであってもよい。非透過型のヘッドマウントディスプレイの場合、コンバイナ121L、121Rの代わりに、反射ミラーが設けられていればよい。つまり、ビームスプリッタ122L、12Rの前方に配置される凹面鏡は、ハーフミラーなどのビームスプリッタであってもよく、反射ミラーであってもよい。凹面鏡が表示光をユーザの方向に反射する。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。上記の実施の形態の2つ以上を適宜組み合わせることも可能である。
EL 左眼
ER 右眼
100 ヘッドマウントディスプレイ
101 表示素子部
101L 左眼用表示素子
101R 右眼用表示素子
102 フレーム
103L 左眼用光学系
103R 右眼用光学系
121L コンバイナ
121R コンバイナ
122L ビームスプリッタ
122R ビームスプリッタ
PL11、PL12、PR11、PR12 表示光
PL21、PR21 外光

Claims (6)

  1. ユーザの前方に配置され、表示画像を形成する表示光を前記ユーザの方向に反射する非球面の凹面鏡と、
    前記凹面鏡と前記ユーザとの間に配置され、前記表示光を前記凹面鏡に反射するとともに、前記凹面鏡で反射した表示光を透過するビームスプリッタと、を備え、
    光学系において、
    前記ユーザの眼の眼球運動で高い視力を得られる範囲のうち左右方向の視野角である有効視野角よりも内側の範囲では、歪曲収差が5%以下となっており、
    前記有効視野角よりも外側の範囲では、視野の外側に向かうほど歪曲収差が5%を超えて大きくなっており、
    視野角と像高との関係を示す像高特性が、前記有効視野角よりも内側の範囲においてリニアであり、前記有効視野角よりも外側の範囲においてリニアではないヘッドマウントディスプレイ。
  2. 前記有効視野角よりも外側の範囲において、前記像高特性が、緩和曲線形状になっている請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  3. ユーザの前方に配置され、表示画像を形成する表示光を前記ユーザの方向に反射する非球面の凹面鏡と、
    前記凹面鏡と前記ユーザとの間に配置され、前記表示光を前記凹面鏡に反射するとともに、前記凹面鏡で反射した表示光を透過するビームスプリッタと、を備え、
    光学系において、
    前記ユーザの眼の眼球運動で高い視力を得られる範囲のうち左右方向の視野角である有効視野角よりも内側の範囲では、歪曲収差が5%以下となっており、
    前記有効視野角よりも外側の範囲では、視野の外側に向かうほど歪曲収差が大きくなっており、
    前記凹面鏡は、サグ量Zが以下の式(4)で示される非球面鏡であり、
    Figure 0007388135000002
    k=0、かつ、α1=0であり、
    α2の絶対値は1.735×10-7以下であり、
    α3の絶対値は2.151×10-10以下であるヘッドマウントディスプレイ。(なお、rは径方向距離、cは曲率、kは円錐定数、α1は2次の非球面係数、α2は4次の非球面係数、α3は6次の非球面係数、α4は8次の非球面係数、α5は10次の非球面係数である。)
  4. α2が0であり、かつ、α3が0である請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  5. α2の絶対値が、8.049×10-8以上、かつ、1.735×10-7以下であり、
    α3の絶対値が、9.832×10-11以上、かつ、2.151×10-10以下であり、
    α4の絶対値が、1.181×10-13以上、かつ、2.432×10-13以下であり、
    α5の絶対値は、2.687×10-17以上、5.656×10-17以下である請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  6. 前記表示画像を表示するための表示信号を生成する制御部をさらに備え、
    前記制御部は前記光学系の歪曲収差の特性に応じて、前記表示画像に補正をする請求項1~5のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
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