JP7387424B2 - インジェクタ及び直噴エンジンの燃焼室構造 - Google Patents

インジェクタ及び直噴エンジンの燃焼室構造 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンの燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタ及び直噴エンジンの燃焼室構造に関する。
従来、自動車等の車両に搭載されるエンジンにおいて、燃料を燃焼室内に直接的に噴射するインジェクタを備えた直噴エンジンが知られている。
インジェクタは、燃料を噴射するノズル部を有し、ノズル部において、燃料噴射用の孔(以下、燃料噴射孔とも称する)が形成された先端部表面は、燃焼室にさらされている。
このような直噴エンジンでは、継続的な運転により、インジェクタの先端部表面にデポジットが形成される。デポジットは、燃料ガス等が燃え残った煤状の物質であり、カーボン・デポジットとも称される。
インジェクタの先端部表面にデポジットが付着し、その付着量が多くなると、噴射孔から噴射される燃料の障害となって、燃料の噴霧量や噴霧形状が悪化し、燃焼効率の低下や、失火の原因につながるという問題がある。
このような問題を解決するために、インジェクタに付着したデポジットを除去するデポジット除去機能を備えた燃料噴射制御装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載の燃料噴射制御装置は、インジェクタと、インジェクタの燃料噴射量及び噴射タイミングを制御する制御部とを備えており、制御部は、インジェクタの駆動時間からデポジットの堆積量を予測し、デポジットが堆積していると予測された場合に、デポジットを除去するためにインジェクタから燃料を噴射させる。デポジット除去のための燃料噴射は、車両の減速中など、エンジン駆動のための燃焼とは関係のないタイミング(燃料カット中)に行われ、その噴射量は、燃焼を維持するために必要な燃料噴射量よりも少なく設定されている。
この燃料噴射制御装置では、制御部によって、燃料カット中にインジェクタから少量の燃料を噴射させることにより、インジェクタに付着したデポジットを除去することができる。
特開2018-35793号公報
しかしながら、従来の燃料噴射制御装置では、付着したデポジットを除去することはできるが、インジェクタにデポジットが付着すること自体を抑制することはできない。それ故、インジェクタの構造や、燃焼室の構造によって、インジェクタに対するデポジットの付着を抑制できる技術の開発が望まれていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタにおいて、燃料噴射孔の近傍にデポジットが付着することを抑制できるインジェクタ及び直噴エンジンの燃焼室構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係るインジェクタは、エンジンの燃焼室に取付けられ、前記燃焼室の壁面に配置される燃料噴射孔から前記燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタにおいて、前記燃料噴射孔の周辺領域に、一方向に伸びる少なくとも1つの溝を有し、前記溝は、前記燃料噴射孔と重ならないように配置されており、該溝の長さ方向の中央部が前記燃料噴射孔と近接し、該中央部から前記長さ方向の両端部に向かって前記燃料噴射孔から離間するように形成されており、前記溝の深さは、前記中央部から前記両端部に向かって大きくなることを特徴とする。
この構成によれば、燃焼室内のガスが圧縮されて燃焼室の壁面に衝突した際、このガスは、表面が凸となる領域から凹となる領域へ流れていくので、燃焼室にさらされたインジェクタの先端部表面に衝突した燃焼ガスは、燃料噴射孔の周辺領域に形成された凹状の溝の内部へ入り込み、溝の伸長方向に沿って流れていく。このように、インジェクタの燃料噴射孔の周辺領域(すなわち、燃料噴射孔の近傍)に形成された溝によって、燃焼ガスの流れを形成することにより、溝よりも表面が高くなっている噴射領域に、燃焼ガスが滞留してデポジットが付着することを抑制することができる。
また、この構成によれば、インジェクタの燃料噴射孔側から溝内に入り込んだ燃焼ガスは、溝の底面がより低くなる方向(すなわち、溝の深さがより大きくなる方向)へと流れていくので、溝内の燃焼ガスは、噴射領域から離間する方向へと流れやすくなる。このように、インジェクタの先端部表面に衝突した燃焼ガスを、溝に沿って燃料噴射孔から離間する方向へと流すことで、燃料噴射孔の近傍に燃焼ガスが滞留することをより適切に防止し、デポジットの付着防止効果を高めることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記インジェクタにおいて、前記溝は、前記燃料噴射孔を間に挟む態様で、少なくとも2つ形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記インジェクタにおいて、前記溝は、前記長さ方向に直線状に伸びることを特徴とする。
この構成によれば、インジェクタの燃料噴射孔の両側に溝が形成されているので、より効果的に、燃料噴射孔側から溝内に入り込む燃焼ガスの流れを形成することができ、デポジットの付着抑制効果を高めることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記インジェクタを備えた直噴エンジンの燃焼室構造において、前記インジェクタの前記溝の前記両端部における底面と、該底面と隣接して前記インジェクタの先端部を囲む燃焼室壁面とは、面一に形成、または、前記底面の方が前記燃焼室壁面よりも凸に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、溝の内部に入り込んだ燃焼ガスを溝の端部からその外側の領域へと流すことができるので、溝の端部にデポジットが付着することを抑制することができる。
また、本発明の一実施形態は、エンジンの燃焼室の壁面に配置される燃料噴射孔から前記燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタを備えた直噴エンジンの燃焼室構造において、前記燃焼室は、前記インジェクタの先端部を囲み、且つ前記燃焼室の壁面を形成する周辺壁面領域に、一方向に伸びる少なくとも1つの溝を有し、前記溝は、前記燃料噴射孔と重ならないように配置されており、該溝の長さ方向の中央部が前記燃料噴射孔と近接し、該中央部から前記長さ方向の両端部に向かって前記燃料噴射孔から離間するように形成されており、前記溝の深さは、前記中央部から前記両端部に向かって大きくなることを特徴とする。
この構成によれば、燃焼室内のガスが圧縮されて燃焼室の壁面に衝突した際、このガスは、表面が凸となる領域から凹となる領域へ流れていくので、燃焼室にさらされたインジェクタの先端部表面に衝突した燃焼ガスは、インジェクタの先端部を囲む周辺壁面領域に形成された凹状の溝の内部へ入り込み、さらに、溝の伸長方向に沿って流れていく。このように、インジェクタの先端部の近傍に形成された溝によって、燃焼ガスの流れを形成することにより、溝よりも表面が高くなっているインジェクタの先端部表面(すなわち、燃料噴射孔の形成領域)に、燃焼ガスが滞留してデポジットが付着することを抑制することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記直噴エンジンの燃焼室構造において、前記溝は、前記インジェクタの先端部を間に挟む態様で、少なくとも2つ形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記直噴エンジンの燃焼室構造において、前記溝は、前記長さ方向に直線状に伸びることを特徴とする。
この構成によれば、燃焼室にさらされたインジェクタの先端部の両側に溝が形成されているので、より効果的に、燃料噴射孔側から溝内に入り込む燃焼ガスの流れを形成することができ、デポジットの付着抑制効果を高めることができる。
本発明に係るインジェクタ及び直噴エンジンの燃焼室構造によれば、インジェクタの燃料噴射孔の近傍にデポジットが付着することを抑制できる。
本発明の第1の実施形態であるインジェクタを備えた直噴エンジンの燃焼室構造を説明する模式図である。 燃焼室のルーフを燃焼室側から見た模式図である。 図1の矢視X方向から燃焼室の壁面を見た図であって、インジェクタの先端部表面とその周辺の壁面領域を示す図である。 図3の矢視3A-3Aで示す断面図である。 図3の矢視3B-3Bで示す断面図である。 図3の矢視3C-3Cで示す断面図である。 本発明の第2の実施形態を説明する図3と同様の図である。 図7の矢視7A-7Aで示す断面図である。 図7の矢視7B-7Bで示す断面図である。 従来のインジェクタを説明する図であって、図4と同様の図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態であるインジェクタを備えた直噴エンジンの燃焼室構造を説明する模式図であって、図2は、燃焼室におけるインジェクタ及び点火プラグの配置を説明する図であり、図1に示す燃焼室のルーフを燃焼室側から見た模式図である。本発明に係るインジェクタは、自動車等の車両において駆動源となる内燃機関の燃焼室に取付けられ、燃焼室内に直接的に燃料を噴射する。
本実施形態の直噴エンジンの燃焼室構造10は、ピストン50が収容されるシリンダを形成するシリンダブロック12と、シリンダブロック12に連結されて燃焼室11の天井であるルーフを形成するシリンダヘッド14とを備えている。シリンダヘッド14には、インジェクタ20と、点火プラグ52とが取付けられている。
シリンダブロック12のシリンダ内には、円筒状のシリンダライナ13が嵌め込まれており、シリンダライナ13の内周面と、ピストン50の端面と、シリンダヘッド14とで囲まれた空間が燃焼室11を構成している。
本実施形態において、燃焼室11は、ルーフの中央部に頂部を有するペントルーフ型に形成されており、この頂部に点火プラグ52が設置されている。
シリンダヘッド14には、図1において破線で示すように、燃焼室11への流入させる吸気の通過路となる吸気ポート16と、燃焼室11内で発生した燃焼ガス(排気ガス)の通過路となる排気ポート18とが形成されている。また、図2に示すように、本実施形態では、1つの気筒に2つの吸気ポート16-1,16-2及び2つの排気ポート18-1,18-2が設けられている。
吸気ポート16は、吸気バルブ56によって開閉され、吸気バルブ56が開弁すると、吸気ポート16から燃焼室11内に吸気が導入される。排気ポート18は、排気バルブ58によって開閉され、吸気バルブ56の開弁したときに排気バルブ58が閉弁し、また、吸気バルブ56が閉弁して排気バルブ58が開弁すると、排気ポート18から排気ガスが排出される。
インジェクタ20は、燃焼室11内に燃料を直接的に噴射するものであり、燃焼室11に対する設置状態で、燃焼室11にさらされる先端部表面22に、燃焼室11内に開口した燃料噴射孔24を有している。インジェクタ20の本体部21内には、燃料が貯留された燃料ギャラリ(図示略)から高圧の燃料が供給され、本体部21に内蔵されたプランジャが作動し、内蔵された弁体が開弁すると、燃料噴射孔24から燃料が噴射される。
燃焼室11に噴射された燃料は、吸気ポート16から燃焼室11内に導入された空気と混合されて混合気を生成し、生成された混合気は、点火プラグ52によって点火されることで燃焼し、燃焼室11内に爆発圧力が生じる。また、この爆発圧力により、ピストン50がシリンダライナ13内を往復移動する。ピストン50には、コンロッド54を介して不図示のクランクシャフトが連結されており、ピストン50のシリンダライナ13内の直進運動は、コンロッド54を介してクランクシャフトの回転運動に変換される。吸気バルブ56、排気バルブ58、インジェクタ20及び点火プラグ52は、不図示の制御装置によって動作が制御される。
次に、インジェクタ20の先端部表面22の構造について説明する。図3は、図1の矢視X方向から燃焼室の壁面を見た図であって、図2のYで囲む領域、具体的には、インジェクタ20の先端部表面22とその周辺の燃焼室11の壁面領域(以下、周辺壁面領域14aとも称する)とを示す図である。また、図4は、図3の矢視3A-3Aで示す断面図であり、図5は、図3の矢視3B-3Bで示す断面図であり、図6は、図3の矢視3C-3Cで示す断面図である。なお、図4~図6では、インジェクタ20の内部構造(例えば、燃料の流路等)の記載を省略している。
本実施形態では、インジェクタ20の先端部を燃焼室11内から見た平面視で、インジェクタ20の先端部表面22が略円形に形成されている。インジェクタ20は、先端部表面22の中央部に、複数の燃料噴射孔24が形成された平面視略円形状の噴射領域25を有しており、その周囲に平面視略円形状の周辺領域26(燃料噴射孔の周辺領域)を有する。
周辺領域26は、複数の燃料噴射孔24の周囲を囲むように、噴射領域25に隣接する領域である。噴射領域25は、図4及び図5に示すように、周辺領域26の表面27から略円錐状に突出しており、円錐の頂部の周囲に6つの燃料噴射孔24が形成されている。なお、燃料噴射孔24の数は6つに限られず、1つ以上であればよい。
周辺領域26には、一方向に伸びる少なくとも1つの溝30が形成されている。本実施形態では、図3及び図4に示すように、一方向に伸びる4つの溝30-1,30-2,30-3,30-4が形成されており、複数の燃料噴射孔24は、周辺領域26において噴射領域25に近接する2つの溝30-1及び30-2の間に挟まれた態様となっている。また、これらの溝30は、燃焼室11にインジェクタ20を設置した状態(すなわち、車両に直噴エンジンを搭載した状態)で、鉛直方向に伸びるように形成されている。なお、図3において、上方は、鉛直方向の上方側を示し、下方は、鉛直方向の下方側を示している。
なお、本実施形態では、溝30の断面形状が略四角形状に形成されているが、溝形状は、これに限られず、例えば、断面略三角形状や、断面円弧状であってもよい。
図5に示すように、インジェクタ20の周辺領域26において、溝30が形成されていない領域の表面27は、ほぼ平面状に形成されている。
図3に示すように、各溝30は、伸長方向(以下、長さ方向とも称する)の長さが、噴射領域25の直径よりも大きく形成されている。また、各溝30は、長さ方向の中央部34が燃料噴射孔24と最も近接し、中央部34から長さ方向の両端部35,36に向かうにしたがって燃料噴射孔24から離間するように形成されている。
図6は、溝30の長さ方向の断面形状を説明する図である。各溝30は、長さ方向の中央部34から両端部35,36に向かうにしたがって(すなわち、燃料噴射孔24に近接する領域から離間するにしたがって)、溝30の深さが大きくなるように形成されている。
図4に示すように、インジェクタ20は、燃焼室11に取付けられた状態において、その先端部が、インジェクタ20の周りを囲む周辺壁面領域14aよりも、わずかに突出するように配置される。特に、本実施形態のインジェクタ20は、図に示すように、設置状態で、溝30の両端部35,36の底面32が、これと隣接する周辺壁面領域14aの表面よりも凸となるように設定されている。
次に、上述したインジェクタ20を備えた直噴エンジンの燃焼室構造10において、直噴エンジンを駆動した際に、インジェクタ20付近に生じる燃焼ガスの流れを説明する。上述したインジェクタ20では、周辺領域26に形成された溝30によって、燃焼ガスの流れを形成することができ、これにより、燃料噴射孔24の近傍にデポジットが付着することを抑制することができる。
具体的に説明すると、燃焼室11内のガスは、圧縮されて燃焼室11の壁面に衝突すると、表面が凸となる領域から凹となる領域へ流れていく。図10に示すように、従来の溝30を有していないインジェクタ120が取付けられた燃焼室構造100では、燃焼ガスが圧縮されて燃焼室の壁面に衝突すると、壁面がほぼ平面であって、燃焼ガスの流れが生じないため、燃料噴射孔が形成されたインジェクタ120の噴射領域125やその近傍の周辺領域126及び周辺壁面領域114aに燃焼ガスが滞留し、デポジット160が付着する。これに対し、本実施形態のインジェクタ20を備えた燃焼室構造10では、燃焼室11にさらされたインジェクタ20の先端部表面22に衝突した燃焼ガスは、図4において矢印で示すように、燃料噴射孔24の周辺領域26に形成された凹状の溝30の内部へ入り込み、溝30の伸長方向に沿って流れていく。このように、インジェクタ20の燃料噴射孔24の周辺領域26(すなわち、燃料噴射孔24の近傍)に溝30を形成することで、燃焼室11の内面に衝突する燃焼ガスの流れを形成することができ、溝30よりも表面が高くなっている噴射領域25に、燃焼ガスが滞留してデポジットが付着することを抑制することができる。
なお、溝30は、周辺領域26に少なくとも1つ形成されていればよいが、燃料噴射孔24を間に挟む態様で、少なくとも2つの溝30(例えば、溝30-1及び30-2)を形成することで、より効果的に、燃料噴射孔24側から、その両側の溝30-1及び30-2内へと流れ込む燃焼ガスの流れを形成することができ、デポジットの付着抑制効果を向上することができる。
また、インジェクタ20に形成された溝30は、図に示すように、燃料噴射孔24に近接する領域(すなわち、溝30の長さ方向中央部34)から、離間するにしたがって溝30の深さが大きくなっている。そのため、図において矢印で示すように、溝30内に入り込んだ燃焼ガスは、溝30の底面32がより低くなる方向(すなわち、溝30が深くなる溝30の端部35,36側)へと流れていく。これにより、燃焼ガスを溝30に沿って、燃料噴射孔24から離間する方向へと流すことができ、燃料噴射孔24の近傍に燃焼ガスが滞留することをより適切に防止することができる。
さらに、図に示すように、溝30が形成された周辺領域26と隣接する、燃焼室11の周辺壁面領域14aの表面高さは、溝30の端部35,36の底面32よりも低くなっているので、溝30の端部35,36側に流れた燃焼ガスを、インジェクタ20の外側の周辺壁面領域14aへと流しやすくすることができる。また、これにより、溝30の端部35,36に燃焼ガスが滞留してデポジットが付着することを抑制することができる。
なお、これに代えて、溝30の端部35,36の底面32と、周辺壁面領域14aの表面とは、面一になるように形成されていてもよい(図の仮想線で示す周辺壁面領域14aを参照)。かかる場合であっても、溝30の端部35,36にデポジットが付着することを抑制しながら、燃焼ガスを周辺壁面領域14aへ流すことができる。
また、インジェクタ20の先端部表面22において、溝30が形成されていない領域では、図6において矢印で示すように、噴射領域25に衝突した燃焼ガスが、周辺領域26の表面27を通って、この表面27よりも凹となる周辺壁面領域14aへと流れていく。
上述したように、本実施形態のインジェクタ20では、インジェクタ20の先端部表面22に溝30を形成したことにより、燃焼ガスを溝30に沿って流して、燃料噴射孔24の近傍にデポジットが付着することを抑制することができる。
さらに、本実施形態のインジェクタ20は、溝30が燃焼室11において鉛直方向に長く伸びるように設置されているので、インジェクタ20から燃料が噴射された後に、インジェクタ20の燃料噴射孔24から燃料が垂れて、溝30内に入り込んだ場合に、この燃料を自重により溝30に沿って下方に落とすことができる。これにより、溝30内に燃料が溜ることを防止することができる。
(第2の実施形態)
次に、図7~図9を用いて直噴エンジンの燃焼室構造10の第2の実施形態を説明する。図7は、本発明の第2の実施形態を説明する図3と同様の図であり、図8は、図7の矢視7A-7Aで示す断面図、図9は、図7の矢視7B-7Bで示す断面図である。なお、図8及び図9では、インジェクタ20の内部構造の記載を省略している。図7~図9において、上述した第1の実施形態と同様の要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の直噴エンジンの燃焼室構造10では、図7及び図8に示すように、インジェクタ20の先端部表面22に溝30が形成されておらず、インジェクタ20の先端部の周りを囲む燃焼室11の壁面、すなわち、周辺壁面領域14aに、一方向に伸びる2つの溝40-1及び40-2が形成されている。
2つの溝40-1,40-2は、その間に、燃料噴射孔24が形成されたインジェクタ20の先端部を挟む態様で形成される。また、各溝40は、車両に直噴エンジンを搭載した状態で、鉛直方向に伸びるように形成されている。
各溝40は、伸長方向(長さ方向)の長さが、インジェクタ20の先端部の直径よりも大きくなるように形成されている。また、各溝40は、長さ方向の中央部44が、インジェクタ20の燃料噴射孔24と最も近接しており、中央部44から長さ方向の両端部45,46に向かうにしたがって燃料噴射孔24から離間するように形成されている。
図9は、溝40の長さ方向の断面形状を説明する図である。各溝40は、長さ方向の中央部44から両端部45,46に向かうにしたがって(すなわち、燃料噴射孔24に近接する領域から離間するにしたがって)、溝40の深さが大きくなるように形成されている。
このような溝40を有する燃焼室構造10では、燃焼室11内で燃焼ガスが圧縮されて燃焼室11の壁面に衝突した際に、溝40によって、インジェクタ20付近に燃焼ガスの流れを発生させることができる。
具体的には、燃焼室11の壁面に衝突した燃焼ガスは、表面が凸となる領域から凹となる領域へ流れていくので、燃焼室11にさらされたインジェクタ20の先端部表面22に衝突した燃焼ガスは、インジェクタ20の先端部を囲む周辺壁面領域14aに形成された凹状の溝40の内部へ入り込み、溝40の伸長方向に沿って流れていく。このように、インジェクタ20の先端部の近傍に形成された溝40によって、燃焼ガスの流れを形成することにより、溝40よりも表面が高くなっているインジェクタ20の先端部表面22(すなわち、燃料噴射孔24の形成領域)に、燃焼ガスが滞留してデポジットが付着することを抑制することができる。
なお、溝40は、周辺壁面領域14aに少なくとも1つ形成されていればよいが、燃料噴射孔24を間に挟む態様で、少なくとも2つの溝40を形成することで、より効果的に、燃料噴射孔24側から、その両側の溝40-1及び40-2内へと流れ込むガスの流れを形成することができ、デポジットの付着抑制効果を向上することができる。なお、溝40の数は2つ以上であってもよい。
また、各溝40は、図9に示すように、燃料噴射孔24に近接する領域(すなわち、溝40の長さ方向中央部44)から、離間するにしたがって溝40の深さが大きくなっているため、溝40内に入り込んだ燃焼ガスは、溝40の底面42がより低くなる方向(すなわち、溝40の端部45,46側)へと流れていく。これにより、燃焼ガスを溝40に沿って、燃料噴射孔24から離間する方向へと流すことができ、燃料噴射孔24の近傍に燃焼ガスが滞留することをより適切に防止することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態や変形例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、インジェクタ20や点火プラグ52の位置は、図1に示す位置に限られず、適宜変更することが可能である。一例として、インジェクタ20を燃焼室11のルーフの中央部に配置し、点火プラグ52をルーフの頂部から離れた位置に配置してもよい。インジェクタ20に設けられた溝30は、設置状態で鉛直方向に伸びるように形成されるが、気筒が鉛直方向に伸びる燃焼室11において、インジェクタ20をルーフ頂部に配置した場合、溝30の伸長方向は自由に設定することができる。
また、インジェクタ20の周辺領域26に溝30を形成し、さらに、その周囲の周辺壁面領域14aに溝40を形成する構成であってもよい。
10 直噴エンジンの燃焼室構造
11 燃焼室
12 シリンダブロック
13 シリンダライナ
14 シリンダヘッド
14a 周辺壁面領域
20 インジェクタ
22 インジェクタの先端部表面
24 燃料噴射孔
25 噴射領域
26 周辺領域
30,40 溝
32,42 溝の底面

Claims (7)

  1. エンジンの燃焼室に取付けられ、前記燃焼室の壁面に配置される燃料噴射孔から前記燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタにおいて、
    前記燃料噴射孔の周辺領域に、一方向に伸びる少なくとも1つの溝を有し、
    前記溝は、前記燃料噴射孔と重ならないように配置されており、該溝の長さ方向の中央部が前記燃料噴射孔と近接し、該中央部から前記長さ方向の両端部に向かって前記燃料噴射孔から離間するように形成されており、
    前記溝の深さは、前記中央部から前記両端部に向かって大きくなることを特徴とするインジェクタ。
  2. 前記溝は、前記燃料噴射孔を間に挟む態様で、少なくとも2つ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインジェクタ。
  3. 前記溝は、前記長さ方向に直線状に伸びることを特徴とする請求項1又は2に記載のインジェクタ。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のインジェクタを備えた直噴エンジンの燃焼室構造において、
    前記インジェクタの前記溝の前記両端部における底面と、該底面と隣接して前記インジェクタの先端部を囲む燃焼室壁面とは、面一に形成、または、前記底面の方が前記燃焼室壁面よりも凸に形成されていることを特徴とする直噴エンジンの燃焼室構造。
  5. エンジンの燃焼室の壁面に配置される燃料噴射孔から前記燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタを備えた直噴エンジンの燃焼室構造において、
    前記燃焼室は、前記インジェクタの先端部を囲み、且つ前記燃焼室の壁面を形成する周辺壁面領域に、一方向に伸びる少なくとも1つの溝を有し、
    前記溝は、前記燃料噴射孔と重ならないように配置されており、該溝の長さ方向の中央部が前記燃料噴射孔と近接し、該中央部から前記長さ方向の両端部に向かって前記燃料噴射孔から離間するように形成されており、
    前記溝の深さは、前記中央部から前記両端部に向かって大きくなることを特徴とする直噴エンジンの燃焼室構造。
  6. 前記溝は、前記インジェクタの先端部を間に挟む態様で、少なくとも2つ形成されていることを特徴とする請求項に記載の直噴エンジンの燃焼室構造。
  7. 前記溝は、前記長さ方向に直線状に伸びることを特徴とする請求項5又は6に記載の直噴エンジンの燃焼室構造。
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