JP7387163B2 - 内視鏡用粘膜下注入材 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡用粘膜下注入材に関する。
内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection:EMR)、及び、内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection:ESD)は、食道、胃、及び、大腸における早期がんの病変に対して、内視鏡下で消化管の内腔から粘膜層を含めた粘膜下層までを切除、又は、剥離し、病変を一括切除する治療法として知られている。
EMR、及び、ESDにおいては、粘膜層に生じた病変を切除するために、粘膜下層に粘膜注入材を注射し、病変部を膨隆(浮かせた)状態とし、その病変部を粘膜下層ごと剥ぎ取る方法が用いられる。
このような粘膜注入材として、特許文献1には、「シュードプラスティック粘性を示す多糖類を含有する粘膜下膨隆剤。」が記載されている。
国際公開2013/77357号
本発明者らの検討によれば、上記粘膜下膨隆剤は、例えば病変部を粘膜下層ごと剥ぎ取った際、残った消化管の表面への接着性が不十分で、結果として、別途、止血処置、穿孔防止処置、及び/又は、癒着防止処置が必要であるという問題があった。
そこで、本発明は、膨隆効果と優れた組織接着性を有する内視鏡用粘膜下注入材を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 親水性基、及び、炭素数が5~15個のアルキル基を有する高分子化合物と、シクロデキストリンと、を含有し、上記高分子化合物の少なくとも一部が上記シクロデキストリンで包接されてなる、内視鏡用粘膜下注入材。
[2] 上記アルキル基が炭素数5~12個の直鎖状のアルキル基である、[1]に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[3] 上記炭素数が、7~12個である、[1]又は[2]に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[4] α-シクロデキストリン又はその誘導体を含有し、上記アルキル基の少なくとも一部が上記α-シクロデキストリンに包接されてなる、[1]~[3]のいずれかに記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[5] 上記高分子化合物が、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、ポリビニルアルコール、セルロース、デンプン、アルギン酸、キサンタンガム、カラギナン、ジェランガム、グアーガム、ローカストビーンガム、及び、サクランからなる群より選択される少なくとも1種の前駆体に上記アルキル基が導入された化合物である、[1]~[4]のいずれかに記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[6] β-シクロデキストリン又はその誘導体、及び、γ-シクロデキストリン又はその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種と、α-シクロデキストリン又はその誘導体と、を含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[7] 上記高分子化合物がポリビニルアルコール誘導体である、[1]~[5]のいずれかに記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[8] 上記ポリビニルアルコール誘導体が、後述する式1で表される繰り返し単位を有する、[7]に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[9] 上記ポリビニルアルコール誘導体における上記アルキル基の導入量が5.0モル%未満である、[7]又は[8]に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[10] 上記Rのアルキル基が、炭素数5~12個の直鎖状のアルキル基である、[8]に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[11] 上記Rのアルキル基の炭素数が7~12個である、[6]又は[8]に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[12] 上記Rのアルキル基が、上記シクロデキストリンに包接されてなる、[8]に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[13] 更に溶媒を含有する、[1]~[12]のいずれかに記載の内視鏡用粘膜下注入材。
[14] チキソトロピー性を有する[1]~[13]のいずれかに記載の内視鏡用粘膜下注入材。
本発明によれば、優れた組織接着性を有する内視鏡用粘膜下注入材が提供できる。
レオメーターで評価した注入材2の構造回復の結果である。 レオメーターで評価した注入材1の構造回復の結果である。 レオメーターで評価した注入材3の構造回復の結果である。 注入材1(実施例1)、注入材4(実施例4)、及び、注入材C(比較例)の注射効率である。 注入材1(実施例1)、注入材4(実施例4)、及び、注入材C(比較例)の注射応力である。 注入材1(実施例1)、注入材4(実施例4)、注入材C(比較例)、生理食塩水(参考例1)、ムコアップ(登録商標)(参考例2)、及び、リフタル(登録商標)K(参考例3)膨隆性の測定結果である。 注入材1(実施例1)、注入材4(実施例4)、注入材C(比較例)、生理食塩水(参考例1)、ムコアップ(登録商標)(参考例2)、及び、リフタル(登録商標)K(参考例3)膨隆性評価の際のサンプルの断面画像である。 注入材1(実施例1)の応力-距離カーブである。 注入材4(実施例4)の応力-距離カーブである。 生理食塩水(参考例1)の応力-距離カーブである。 ムコアップ(登録商標)(参考例2)の応力-距離カーブである。 リフタル(登録商標)K(参考例3)の応力-距離カーブである。 注入材C(比較例)の応力-距離カーブである。 実施例1、4、比較例、及び、参考例1~3の注入材の接着強度である。 実施例1、4、比較例、及び、参考例1~3の注入材の接着エネルギーである。 水中安定性試験の結果である。 水中安定性試験の結果である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[内視鏡用粘膜下注入材(注入材)]
本発明に係る内視鏡用粘膜下注入材(以下、「本注入材」ともいう。)は、シクロデキストリンと、炭素数が5~15個のアルキル基(以下、「特定アルキル基」ともいう。)及び親水性基を有する高分子化合物と、を含有し、上記高分子化合物の少なくとも一部が上記シクロデキストリンで包接されてなる。
なお、高分子化合物の少なくとも一部がシクロデキストリンで包接されている状態とは、注入材中に複数ある高分子化合物の分子の少なくとも一部がシクロデキストリンに包接されている状態を意味する。
包接とは、シクロデキストリンの分子の内側に形成された疎水性空隙(内腔)に他の分子が会合された状態を意味する。
具体的には、高分子化合物の構造のうち少なくとも一部(例えば、高分子化合物が有する一部の基等)がシクロデキストリンの内腔に会合されている状態を意味する。
また、シクロデキストリンがα-シクロデキストリン又はその誘導体を含有する場合、後述するとおり、その内腔の大きさが、高分子化合物が有するアルキル基を包接するのに適しているため、高分子化合物の特定アルキル基の少なくとも一部がα-シクロデキストリンに包接されると考えられる。
このとき、包接の形態としては、例えば特定アルキル基を構成する炭素原子の全部がα-シクロデキストリンの内腔に配置される形態であってもよいし、特定アルキル基を構成する炭素原子の一部がα-シクロデキストリンの外部に配置される形態、すなわち、特定アルキル基がα-シクロデキストリンを串刺し状に貫通する形態であってもよい。
本注入材により本発明の効果が得られる機序は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のとおり推測している。なお、以下の機序は推測であり、以下の機序以外の機序により本発明の効果が得られる場合であっても本発明の範囲に含まれるものとする。
本注入材は、高分子化合物の少なくとも一部、典型的には、高分子化合物の特定アルキル基の少なくとも一部がシクロデキストリンで包接されてなるため、注入時における高分子化合物の分子内、及び/又は、分子間の特定アルキル基等に起因する相互作用を抑制することにより、注入時の応力が大きくなりにくい。
更に、高分子化合物により形成されるゲルは、その特定アルキル基の作用によって組織への優れた組織接着性(以下、単に「接着性」ともいう。)を有する。また、一旦注入された後は、シクロデキストリンで包接されていない、又は、包接されてはいるものの、その一部しか包接されていない特定アルキル基の疎水性相互作用やシクロデキストリンの水素結合等によって、強固なゲルが形成され、結果として優れた膨隆性が発揮される。
なお、本明細書において、組織接着性が高いとは、後述する実施例で示す評価方法により得られる接着エネルギーが大きいこを意味する。
以下では、本注入材の成分等について詳述する。
〔親水性ポリマー〕
本注入材は、親水性基、及び、炭素数が5~15個のアルキル基を有する高分子化合物を含有する。
本注入材における高分子化合物の含有量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するが得られる点で、一般に本注入材の全質量に対して、0.1~99.9質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましい。
なお、本注入材は、高分子化合物の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。本注入材が、2種以上の高分子化合物を含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
高分子化合物が有する親水性基としては特に制限されないが、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、アルコキシ基、及び、(ポリ)オキシアルキレン基等が挙げられ、ヒドロキシ基が好ましい。
高分子化合物としては、例えば、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、及び、コンドロイチン硫酸等)、プロテオグリカン、ポリビニルアルコール、セルロース、デンプン、アルギン酸、キサンタンガム、カラギナン、ジェランガム、グアーガム、ローカストビーンガム、及び、サクランからなる群より選択される少なくとも1種の前駆体にアルキル基が導入された化合物(その塩であってもよい)が挙げられる。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する注入材が得られる点で、ゼラチン、グリコサミノグリカン、及び、ポリビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種の前駆体に特定アルキル基が導入された化合物が好ましく、ポリビニルアルコールに特定アルキル基が導入された化合物(以下「PVA誘導体」ともいう。)がより好ましい。
PVA誘導体としては、例えば、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、完全鹸化ポリビニルアルコール、及び、ポリ酢酸ビニルを部分鹸化したポリビニルアルコール等が挙げられる。
また、PVA誘導体としては、以下の式1で表される繰り返し単位(以下、「単位1」ともいう。)を有することが好ましい。以下、式1で表される繰り返し単位を有するPVA誘導体を、「特定PVA誘導体」ともいう。
上記式中、Rは炭素数5~15個のアルキル基を表し、特定アルキル基に該当する。上記Rの炭素数としては特に制限されないが、5~12個が好ましく、7~12個がより好ましく、8~12個が更に好ましい。
また、上記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、及び、環状のいずれであってもよいが、より優れた本発明の効果を有する注入材が得られる点で、直鎖状であることが好ましく、炭素数が5~12個の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数が7~12個の直鎖状のアルキル基であることがより好ましく、炭素数が8~12個の直鎖状のアルキル基であることが更に好ましい。
注入材がシクロデキストリンとしてα-シクロデキストリンを含有する場合、特定アルキル基の炭素数が7個以上であると、α-シクロデキストリンに串刺し状に包接されたアルキル基の一部が、α-シクロデキストリンを「貫通する」形態となりやすく、結果としてより優れた本発明の効果を有する注入材が得られる点で好ましい。
また、特定アルキル基の炭素数が12個以下であると、組織(細胞)に対するより優れた接着性が得られ、結果としてより優れた本発明の効果を有する注入材が得られる点で好ましい。
特定PVA誘導体は、式1で表される以外の繰り返し単位を有していてもよい。このような繰り返し単位としては、例えば、以下の式2、及び、式3で表される繰り返し単位(以下、それぞれ「単位2」、及び、「単位3」ともいう。)が挙げられる。
特定PVA誘導体中における単位1の含有量としては特に制限されないが、特定PVA誘導体中における全繰り返し単位を100モル%としたとき、単位1の含有量が10モル%以下であることが好ましく、10モル%未満であることがより好ましく、5.0モル%以下であることが更に好ましい。
高分子化合物の分子量としては特に制限されないが、一般に、10,000~200,000が好ましく、50,000~100,000がより好ましい。
特定PVA誘導体の製造方法としては特に制限されず、公知の製造方法が適用可能である。典型的には、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られたポリビニルアルコールを酸触媒下でアルデヒドと縮合させることによって得ることができる。得られる特定PVA誘導体におけるアルキル基は、上記アルデヒドに由来し、用いるアルデヒドの種類を適宜変更することによって所望のアルキル基を有する特定PVA誘導体が得られる。
特定PVA誘導体をポリビニルアルコールとアルデヒドとの縮合により得る場合、アルキル基の導入量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する注入材が得られる点で、10モル%以下が好ましく、5.0モル%以下がより好ましく、5.0モル%未満が更に好ましい。なお、下限は特に制限されないが、0モル%超である。
なお、アルキル鎖の導入量の計算方法は実施例に示したとおりである。
〔シクロデキストリン〕
本注入材はシクロデキストリンを含有する。
シクロデキストリンは、D-グルコース単位がα-1,4-グルコシド結合で環状に結合した環状化合物であり、澱粉及び/又は澱粉の加水分解物にシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ等の酵素を作用させて製造することができる。
シクロデキストリンとしては、構成するグルコースの数が6個(α型)、7個(β型)、及び、8個(γ型)等のシクロデキストリンを用いることができ、更にその誘導体も使用することができる。
なかでも、α-シクロデキストリン又はその誘導体は、その内腔の大きさから、高分子化合物が有するアルキル基がより包接されやすく、結果としてより優れた本発明の効果を有する注入材が得られる点で好ましい。
α-シクロデキストリン誘導体としては特に制限されないが、メチルα-シクロデキストリン、ブチルα-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピルα-シクロデキストリン、アセチルα-シクロデキストリン、スクシニルα-シクロデキストリン、グルコシルα-シクロデキストリン、マルトシルα-シクロデキストリン、α-シクロデキストリンカルボキシメチルエーテル、リン酸エステルα-シクロデキストリン、及び、カルボキシメチルα-シクロデキストリン等が挙げられる。
β-シクロデキストリン誘導体としては、例えば、メチル-β-シクロデキストリン(MBCD)、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(HPBCD)、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-エチル-β-シクロデキストリン、ジエチル-β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシブテニル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、ランダム メチル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、2-セレニウム架橋-β-シクロデキストリン、及び、2-テルリウム架橋-β-シクロデキストリン等が挙げられる。
γ-シクロデキストリン誘導体としては、例えば、2-ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ブチル-γ-シクロデキストリン、3A-アミノ-3A-デオキシ-(2AS,3AS)-γ-シクロデキストリン、モノ-2-O-(p-トルエンスルホニル)-γ-シクロデキストリン、モノ-6-O-(p-トルエンスルホニル)-γ-シクロデキストリン、モノ-6-O-メシチレンスルホニル-γ-シクロデキストリン、オクタキス(2,3,6-トリ-O-メチル)-γ-シクロデキストリン、オクタキス(2,6-ジ-O-フェニル)-γ-シクロデキストリン、オクタキス(6-O-t-ブチルジメチルシリル)-γ-シクロデキストリン、及び、オクタキス(2,3,6-トリ-O-アセチル)-γ-シクロデキストリン等が挙げられる。
高分子化合物がゼラチンに特定アルキル基が導入された、ゼラチン誘導体を含有する場合、シクロデキストリンが、β-シクロデキストリン、及び/又は、γ-シクロデキストリンを含有すると、ゼラチン誘導体が有するプロリン、及び、ヒドロキシプロリンに由来する構造をより包接しやすく、注射応力をより低下させやすい点で好ましい。
本注入材におけるシクロデキストリンの含有量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する注入材が得られる点で、一般に本注入材の全質量に対して、0.1~99.9質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましく、0.1~5質量%が更に好ましい。
なお、本注入材は、シクロデキストリンの1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。本注入材が、2種以上のシクロデキストリンを含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
より優れた本発明の効果を有する注入材が得られる点で、注入材がα-シクロデキストリンを含有する場合、高分子化合物の特定アルキル基の含有量(モル基準)に対するα-シクロデキストリン等の含有量(モル基準)の含有モル比(以下、「α-CD/アルキル基」ともいう。)としては、0.1~5.0が好ましく、0.5~1.5がより好ましく、0.5を超え、1.5未満であることが好ましい。
α-CD/アルキル基が0.5を超えると、得られる注入材はより優れたチキソトロピー性を有する。
また、α-CD/アルキル基が1.5未満だと、得られる注入材はより優れたチキソトロピー性を有する。
〔その他の成分〕
本注入材は、本発明の効果を奏する範囲内で別の成分を含有してもよい。このような成分としては例えば、溶媒、及び、添加剤等が挙げられる。
(溶媒)
溶媒としては特に制限されないが、典型的にはより優れた本発明の効果を有する注入材が得られる点で、水が挙げられる。注入材中における水の含有量としては特に制限されないが、一般に注入材がより優れた強度、及び、より優れた注射性を有する点で、注入材の固形分が、0.01~99質量%に調整されることが好ましく、0.1~20質量%に調整されることがより好ましい。
(添加剤)
添加剤としては特に制限されず、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び、炭酸水素ナトリウム等の電解質、ブドウ糖、果糖、クエン酸、リンゴ酸、及び、酒石酸等が挙げられる。
上記添加剤は溶媒とともに注入材に添加されてもよい。例えば、溶媒として水を、添加剤として塩化ナトリウム等を含有する注入材を調製する場合、生理食塩水を添加する形態であってもよい。
本注入材の製造方法としては特に制限されないが、上記の各成分を混合、攪拌して混合物を調製し、シクロデキストリン(ホスト分子)に、高分子化合物(ゲスト分子)を包接させる方法が挙げられる。
このような方法としては、例えば、特開昭58-15280号公報に記載されているような、溶媒を含有する混合物を攪拌しながら加熱し、その後静置する方法;特開平11-279139号公報に記載されているような、溶媒を含有する混合物を攪拌し、その後、乾燥させる方法;及び、特開2001-089503号公報に記載されているような溶媒を含有する混合物を加圧、及び、加熱する方法等が挙げられる。
シクロデキストリンに高分子化合物を包接させる方法は、高分子化合物の耐熱性等に応じて適宜選択すればよい。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
(合成例1:ポリビニルアルコール誘導体「2.5C9-PVA」の合成)
まず、以下の手順に従い、ポリビニルアルコール誘導体を合成した。具体的には、アルデヒドと、PVA(ポリビニルアルコール)のヒドロキシ基とを酸触媒下で脱水縮合させて合成した。
まず、80℃でPVA(10g、けん化率98.5mol%以上、重合度約2000)を48mLのHOに溶解させた。次に、150mLのジメチルスルホキシド(DMSO)と2mLの1N HClを添加して、5mass/volume%PVAと1volume/volume%1N HClの200mL溶液を得た。
なお、以下ではmass/volume、すなわち、質量/体積を「mass/vol」と、volume/volume、すなわち、体積/体積を「vol/vol」ということがある。
次に、アルデヒド(nonanal、C18O)を上記溶液に加え、得られた混合液を50℃で1時間攪拌させた。すべてのプロセスで還流冷却器を使用した。
反応後、得られたポリビニルアルコール誘導体(HO/DMSO=25/75(vol/vol))溶液を600mL(約3倍)の冷エタノールに攪拌しながら加え、ポリビニルアルコール誘導体を沈殿させた。
次に、沈殿したポリビニルアルコール誘導体を200mLのエタノールで3回洗浄して、未反応のアルデヒドとDMSO(ジメチルスルホキシド)を除去し、更に、溶媒を真空下で乾燥させ、白色の結晶を得た。得られた結晶は粉砕機(Wonder crusher WC-3、Osaka Chemical、Osaka、Japan)を使用して細かく粉砕した。
H-NMRの測定結果から、得られたポリビニルアルコール誘導体におけるアルキル基の導入量(モル%)を以下の式により計算した。
(式){アルキル基の含有量(モル基準)/2}/主鎖のエチレン基の含有量(モル基準)
その結果、アルキル基の導入量は2.5モル%であり、得られたポリビニルアルコール誘導体を「2.5C9-PVA」とした。
(合成例2:ポリビニルアルコール誘導体「5C9-PVA」の合成)
ノナナールの仕込み量を合成例1の2倍の量としたことを除いては、合成例1と同様にして、ポリビニルアルコール誘導体を合成した。
得られたポリビニルアルコール誘導体におけるアルキル基の導入量は5.0モル%であり、これを「5C9-PVA」とした。
[実施例1:注入材1の合成]
次に、「2.5C9-PVA」の粉体(200mg)をスクリュー管瓶に加え、2mLのHOを加えて10mass/vol%「2.5C9-PVA」懸濁液を調製した。次に、上記懸濁液に103mgのα-CDを加え、オートクレーブ(LSX-500、TOMY、東京、日本)を用いて、1atm、95℃で10分間加熱し、溶液を得た。次に、上記溶液を25℃で一晩攪拌(500rpm)し、注入材1を得た。
[実施例2~4:注入材2~4の合成]
α-CDの添加量を表1に記載したとおりにした以外は実施例1と同様にして、注入材2及び3を合成した。
また、2.5C9-PVAに代えて5C9-PVAを用い、α-CDの添加量を表1に記載したとおりにした以外は実施例1と同様にして、注入材4を合成した。
[比較例:注入材Cの合成]
5C9-PVAに代えて、原料PVAをそのまま用いたことを除いては、実施例1と同様にして、注入材Cを合成した。
表1には、各注入材の合成に使用したPVA誘導体の種類と量、α-CDの量、及び、注入材中におけるPVA誘導体が有するアルキル鎖のモル基準の含有量に対する、α-CDのモル基準の含有量の含有モル比を示した。
(粘性)
10mass/vol%の2.5C9-PVAの水溶液に、α-CDを加え、α-CDとPVA誘導体のアルキル鎖とのモル比が表2に記載したとおりになるよう組成物を調製し、実施例1と同様の方法により注入材を作成して、評価用の試料とした。
上記試料について、レオメーターを用いてせん断粘度を評価した。
なお、測定は、治具PP25(直径25mm)を使用して、298Kで0.1s-1(1/sec)のせん断速度で測定した。測定は、各サンプルにつき5回行った。結果を表2に示した。
表2に示した結果から、α-CD/アルキル基が1.0以上であると、せん断粘度がより低くなりやすく、1.0を超えるとせん断粘度が更に低くなりやすいことがわかった。
(構造回復)
注入材1~3について、構造回復をレオメーターで評価した。
測定は298K下、3ステップで行った。第1ステップの条件はひずみγ=1%;角周波数ω=10rad/s、測定点間隔12sとした。第2ステップの条件はひずみγ=1000%;角周波数ω=10rad/s、測定点間隔12sとした。第3ステップの条件はひずみγ=1%;角周波数ω=10rad/s、測定点間隔12sとした。各ステップは15点測定した。
結果を図1(注入材2)、図2(注入材1)、及び、図3(注入材3)に示した。
(注射効率、及び、注射応力)
注入材1、注入材4、及び、注入材Cを2.5mLのシリンジ(テルモ株式会社、東京、日本)に充填した。このシリンジ(20G、及び、25Gの針をシリンジにセット)を穴のある金型にセットし、試験機(EZ-LX、島津製作所、京都、日本)で注射性試験を行った。試験中押し出し応力が250Nに達した場合にはプロセスを停止することとした。注射応力は平衡応力に達した数値を試験機から記録した。また、注射効率は、次の式によって計算した。
注射効率(%)=100×(Wt-Wr)/Wt
ここで、WtとWrはそれぞれ、試験前(Wt)と、試験後(Wr)のシリンジ内の注入材の質量である。注射効率を図4に、注射応力を図5に示した。
図4及び図5に示した結果から、注入材1及び注入材4はいずれも注射効率が略100%であり、注射応力もいずれも250Nには到達せず、実用的な応力で注射可能であった。
なかでも、式1で表される単位の導入量が5.0モル%未満である注入材1は、注入材4と比較して、より小さな押し出し力で注射できることがわかった。
(膨隆性)
まず、ブタの胃を洗浄し、ダンベルカッターを用いて、直径35mmの円形に切り取った。次に、注入材1、注入材4、及び、注入材Cを2.5mLのシリンジに充填し、25Gの針で0.5mL分を胃の粘膜下層に注入した。
注入後、25℃で30分静置させた。その後、冷凍庫(-20℃)でサンプルを凍らせた。凍結した胃のサンプルを隆起部位からメスで剪断して、隆起した高さを定量した。試験は各サンプル6回行った。
また、参考例として、生理食塩水(参考例1)、ムコアップ(登録商標)(0.8mass%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液、ボストンサイエンティフィック社製、参考例2)、リフタル(登録商標)K(1.2mass%アルギン酸ナトリウム水溶液、カイゲンファーマ社製、参考例3)についても上記と同様に試験を実施し、結果を図6に、メスで剪断したサンプルの断面画像を図7にまとめて示した。
図6、及び、図7に示した結果から、注入材1、及び、注入材4は、注入材C、及び、参考例1~3の注入材と比較して優れた膨隆性を有していることがわかった。
(接着性)
ASTM F2258-05に準拠して注入材の接着性を評価した。
まず、粘膜下層を剥離したブタの胃の組織を正方形(25mm×25mm)にカットし、シアノアクリレート系接着剤(商品名「アロンアルファ」)を用い、37℃でヒーターの表面に貼り付けた。上記組織の表面の余分な水分を除去するために、メッシュを使用して、上記組織の表面を軽く拭いた。次に、注入材(0.2mL)を上記組織(ブタの胃)に塗布し、注入材を塗布した層を形成した。次に、注入材を塗布した層に、上記組織と同様の組織を粘膜下層剥離組織側が注入材を塗布した層に接触するようにして貼り合わせ(反対側の表面は、上記シアノアクリレート系接着剤で治具に貼り合わせ)、2Nの応力で3分間圧着した。その後、トラッキング速度10mm/minで治具を引き上げ、注入材の接着強度を測定した。
また、このときの接着エネルギーはImage Jソフトを利用して応力-距離のカーブから計算した。試験は各サンプル5回行った。
応力-距離カーブを図8~13に、接着強度を図14に、接着エネルギーを図15に示した。
なお、図8は注入材1の応力-距離カーブであり、図9は注入材4の応力-距離カーブであり、図10は注入材1に代えて生理食塩水を使用した場合(参考例1)の応力-距離カーブであり、図11は、注入材1に代えて商品名「ムコアップ(登録商標)」を使用した場合(参考例2)の応力-距離カーブであり、図12は、注入材1に代えて商品名「リフタル(登録商標)K」を使用した場合(参考例3)の応力-距離カーブであり、図13は、注入材1に代えて注入材Cを使用した場合(比較例)の応力-距離カーブである。図14及び図15における試料名は、上記に対応している。
図8~15に示した結果から、注入材1及び注入材4は、注入材C及び参考例1~3の注入材と比較して、組織への優れた接着性を有していて、引き剥がしにくい、言い換えれば、より大きな接着エネルギーを有していることがわかった。
また、式1で表される単位の含有量が5.0モル%未満である注入材1は、注入材4と比較して、組織へのより優れた接着強度を有していることがわかった。
(水中安定性)
粘膜層を剥離したブタの胃を正方形(25mm×25mm)にカットし、0.5mLの注入材1(後述する図16中「α-CD/2.5C9-PVA」と記載した)を均一に表面に塗布し、試料とした。次に、上記試料を50mLの生理食塩水(0.2mg/mLのアジ化ナトリウム添加)に浸し、37℃でインキュベーションし、1日、3日、7日経過後の試料を10%中性緩衝ホルマリンリン液で固定した。更に、HE(ヘマトキシリン・エオジン)染色により、組織表面に残存するゲル(内視鏡用粘膜下注入材の層)の状態を確認した。
また、注入材1に代えて、注入材4(図16中「α-CD/5C9-PVA」と記載した。)、注入材C(図16中「α-CD/PVA」と記載した。)、生理食塩水、ムコアップ(登録商標)、及び、リフタル(登録商標)Kを用いて同様の試験を行った。結果を図16、及び、図17に示した。
図16は、注入材1を用いた試料の、浸漬後1日経過後(図16上)、及び、浸漬後7日間経過後(図16下)の断面をヘマトキシリンエオジン染色した切片の位相差顕微鏡画像である。なお図中、Gは注入材の層(ゲル)、Tはブタ胃組織を表している。
図16に示した結果から、注入材1は水中においても優れた安定性を有することがわかった。
図17は、浸漬後7日間経過後のヘマトキシリンエオジン染色した切片の位相差顕微鏡画像である。A、B、及び、Cの各行は同一試料の倍率の異なる画像(A~Cの順に拡大)である。つまり、「生理食塩水」の列のA、B、及び、C行のそれぞれの画像は「生理食塩水」の同一試料の画像を示している。
また、図中、「G」とあるのは、注入材の層を表し、「S」とあるのは、粘膜下層を表し、「M」は固有筋層を表す。
図17に示した結果から、生理食塩水、ムコアップ、リフタルK、及び、注入材Cを用いた場合、粘膜下層が大幅に膨潤している(画像上、色が薄く、粗になっている)ことがわかった。
一方、注入材1及び注入材4は上記と比較して粘膜下層の膨潤が抑制されていた。
また、式1で表される単位の含有量が5.0モル%未満である注入材1は、注入材4の内視鏡用粘膜下注入材と比較して、ゲル(内視鏡用粘膜下注入材の層)がより多く残存しており、より優れた水中安定性を有していることがわかった。

Claims (14)

  1. 親水性基、及び、炭素数が5~15個のアルキル基を有する高分子化合物と、
    シクロデキストリンと、
    を含有し、
    前記高分子化合物の少なくとも一部が前記シクロデキストリンで包接されてなる、内視鏡用粘膜下注入材。
  2. 前記アルキル基が炭素数5~12個の直鎖状のアルキル基である、請求項1に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  3. 前記炭素数が、7~12個である、請求項1又は2に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  4. α-シクロデキストリン又はその誘導体を含有し、
    前記アルキル基の少なくとも一部が前記α-シクロデキストリンに包接されてなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  5. 前記高分子化合物が、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、ポリビニルアルコール、セルロース、デンプン、アルギン酸、キサンタンガム、カラギナン、ジェランガム、グアーガム、ローカストビーンガム、及び、サクランからなる群より選択される少なくとも1種の前駆体に前記アルキル基が導入された化合物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  6. β-シクロデキストリン又はその誘導体、及び、γ-シクロデキストリン又はその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種と、
    α-シクロデキストリン又はその誘導体と、を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  7. 前記高分子化合物がポリビニルアルコール誘導体である、請求項1~5のいずれか1項に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  8. 前記ポリビニルアルコール誘導体が、以下の式1で表される繰り返し単位を有する、請求項7に記載の内視鏡用粘膜下注入材。

    (式1中、Rは炭素数5~15個のアルキル基を表す。)
  9. 前記ポリビニルアルコール誘導体における前記アルキル基の導入量が5.0モル%未満である、請求項7又は8に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  10. 前記Rのアルキル基が、炭素数5~12個の直鎖状のアルキル基である、請求項8に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  11. 前記Rのアルキル基の炭素数が7~12個である、請求項8に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  12. 前記Rのアルキル基が、前記シクロデキストリンに包接されてなる、請求項8に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  13. 更に溶媒を含有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の内視鏡用粘膜下注入材。
  14. チキソトロピー性を有する請求項1~13のいずれか1項に記載の内視鏡用粘膜下注入材。

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