JP7386520B2 - コンディション評価装置、コンディション評価方法、及びプログラム - Google Patents

コンディション評価装置、コンディション評価方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、身体の状態を評価するコンディション評価装置、コンディション評価方法、及びプログラムに関する。
一般的に、身体の一部が炎症などを起した場合には、その部分の体水分量が増加するので、その部分の生体インピーダンスが低下する。このような現象を利用した装置として、利用者の生体インピーダンスを測定し、その測定した値を用いて利用者の患部の状態を判定する判定装置が提案されている(JP4422997B参照)。
しかしながら、利用者の生体インピーダンスは、1日の中で変動するだけでなく、日によっても変動する。このため、上述のような装置においては、炎症などの発生に起因する生体インピーダンスの変化が、生体インピーダンスの日内及び日間変動によって相殺されてしまい、利用者の身体部位の状態が正常であると判定されるおそれがある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、利用者の身体部位の状態を精度よく評価するコンディション評価装置、コンディション評価方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、コンディション評価装置は、利用者の体重を取得する体重取得手段と、前記利用者の特定の部位の生体インピーダンスを取得するインピーダンス取得手段と、前記利用者の体重と前記部位の生体インピーダンスとに基づいて、前記部位のコンディションを評価する評価手段と、を含む。
この態様によれば、利用者の身体部位のコンディションを評価するにあたり、利用者の生体インピーダンスだけでなく、利用者の生体インピーダンスの日内及び日間変動に対して相関性を有する利用者の体重についても考慮される。
利用者の体重についても考慮することで、利用者の生体インピーダンスの取得値のうち、日内及び日間変動に起因する変動成分を特定しやすくなるので、利用者の身体部位のコンディションの変化に起因する生体インピーダンスの変動成分を的確に抽出することが可能となる。それゆえ、利用者の身体部位の状態を精度よく評価することができる。
図1は、本発明の第1実施形態における生体測定装置の外観を例示する図である。 図2は、生体測定装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 図3は、身体の細胞に関する等価回路の構成例を示す回路図である。 図4は、利用者に印加する交流電流の周波数の変化に伴うリアクタンス成分とレジスタンス成分との関係を示す図である。 図5は、細胞外液の電気抵抗の変化とリアクタンス成分の最小点の変化との関係を示す図である。 図6は、生体インピーダンスのレジスタンス成分と体重との関係を示す図である。 図7は、本実施形態におけるコンディション評価方法の処理手順例を示すフローチャートである。 図8は、コンディション評価処理の処理手順例を示すフローチャートである。 図9は、第2実施形態における炎症度を補正する手法の一例を示す図である。 図10Aは、正常判定時における利用者のレジスタンス成分と体重との関係を示す図である。 図10Bは、第3実施形態における正常判定時の診断手法の一例を示す図である。 図11Aは、正常判定時における利用者のレジスタンス成分と体重との関係を示す図である。 図11Bは、第4実施形態における正常判定時の診断手法の一例を示す図である。 図12は、第5実施形態における利用者の体水分量の過剰な減少を検出する手法の一例を示す図である。 図13は、本実施形態における状態判定処理の処理手順例を示すフローチャートである。 図14は、第6実施形態における長期的な脱水症状を検出する手法の一例を示す図である。 図15は、本実施形態におけるコンディション評価方法の処理手順例を示すフローチャートである。 図16Aは、第7実施形態における測定部位の筋肉が発達した状態を検出する手法の一例を示す図である。 図16Bは、本実施形態における測定部位の筋肉が萎縮した状態を検出する手法の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における生体測定装置10の外観を例示する概略図である。
生体測定装置10は、利用者の状態を評価するコンディション評価装置を構成する。生体測定装置10は、生体測定装置10に電力を供給するための電源スイッチ1と、利用者の体重を測定するための体重計2と、利用者の両脚の生体インピーダンスを測定するための電極部3及び電極部4とを備える。さらに生体測定装置10は、利用者の両腕の生体インピーダンスを測定するための電極部5及び電極部6と、表示操作装置7と、通信装置8と、印刷装置9とを備える。
体重計2には、利用者の両足を載せる載台面において、電極部3が利用者の右足と接触するように配置されるとともに電極部4が利用者の左足と接触するように配置されている。
電極部3は、利用者の右足に電流を流すための電極3aと、電極3aから右足に電流が印加されることで右足に生じる電圧を検出するための電極3bとを有する。電極部4は、利用者の左足に電流を流すための電極4aと、電極4aから左足に電流が印加されることで左足に生じる電圧を検出するための電極4bとを有する。
電極部5は、利用者の右手に電流を流すための第1電極と、この第1電極から右手に電流が印加されることで右手に生じる電圧を検出するための第2電極とを有する。電極部6は、利用者の左手に電流を流すための第1電極と、この第1電極から左手に電流が印加されることで左手に生じる電圧を検出するための第2電極とを有する。
表示操作装置7は、利用者の入力操作によって設定される基礎生体情報を受け付けるとともに、利用者に対して身体の全部又は一部のコンディションの評価結果を表示する。基礎生体情報としては、例えば、利用者の身長、年齢及び性別などが挙げられる。表示操作装置7は、例えば、タッチパネル式又は押しボタン式の液晶表示装置などにより実現される。
通信装置8は、不図示の外部端末と通信を行う。例えば、通信装置8は、近距離無線通信又は携帯電話網などを介して外部端末と通信を行う。本実施形態の通信装置8は、生体測定装置10により得られた生体情報を外部端末に送信したり、外部端末から利用者に関する過去の測定値などを含む生体データを受信したりする。
このように、本実施形態の生体測定装置10は、利用者の体重を測定するとともに利用者の生体インピーダンスを測定する。利用者の生体インピーダンスを測定するにあたり、利用者は、右手で電極部5を握るとともに左手で電極部6を握り、右足で電極部3を踏むとともに左足で電極部4を踏む。この状態において生体測定装置10は、利用者の右脚、左脚、右腕及び左腕の各部位の生体インピーダンスを測定する。
なお、生体測定装置10としては、電極部3乃至6に代えて又は加えて、両手及び両足に巻き付けるバンドタイプの電極部が付属された生体測定装置が用いられてもよい。バンドタイプの電極部を用いることで、利用者は測定部位を任意に選択することが可能になる。なお、必ずしもバンドタイプの電極部である必要はなく、測定部位を任意に選択可能な電極部であればよく、例えばクリップタイプの電極部などであってもよい。
図2は、本実施形態における生体測定装置10の主要な機能構成を示すブロック図である。
生体測定装置10は、操作部101と、体重測定部102と、電気抵抗測定部103と、相関データ保持部104と、コンディション評価部105と、表示部106と、通信部107と、記憶部108と、制御部109とを備える。
操作部101は、図1に示した電源スイッチ1をON又はOFFに切り替える際の操作を受け付ける。また、操作部101は、利用者の操作により利用者の基礎生体情報を受け付ける。操作部101には、例えば、タッチセンサ、ボタン又はダイヤルなどにより設定された情報が入力される。
体重測定部102は、利用者の体重を取得する体重取得手段を構成する。体重取得手段は、例えば、利用者の体重を計測する体重計2などの計測器、その計測器によって利用者の体重が計測された値に基づき利用者の体重を測定する測定装置、又は、外部の測定装置又は外部端末から利用者の体重を示す体重データを受信して取得する装置によって構成される。
本実施形態の体重測定部102は、図1に示した体重計2を用いて利用者の体重を測定する。例えば、体重測定部102は、上述の基礎生体情報に基づき衣服の重量を推定し、その推定した重量を体重計2の計測値から減じた値を利用者の体重として算出するようにしてもよい。
電気抵抗測定部103は、利用者の特定の部位に関する生体インピーダンスを取得するインピーダンス取得手段を構成する。特定の部位としては、測定器具によって測定できる部位であればよく、例えば、身体の右脚、左脚、右腕、及び左腕などの部位が挙げられる。
上述のインピーダンス取得手段は、例えば、利用者の特定の部位のインピーダンスを計測する電気抵抗計測器、又は、その電気抵抗計測器によって利用者の特定の部位のインピーダンスが計測された値に基づいて利用者の特定の部位のインピーダンスを測定する測定装置により構成される。または、インピーダンス取得手段は、外部の測定装置又は外部端末から利用者の特定の部位の生体インピーダンスを示す電気抵抗データを受信して取得するものであってもよい。
本実施形態の電気抵抗測定部103は、図1に示した電極部3乃至6の各々を用いて利用者の各部位に特定の周波数の交流電流を印加し、交流電流を印加した状態で各部位の交流電圧を検出する。そして電気抵抗測定部103は、利用者の各部位の印加電流値及び検出電圧値を用いて利用者の全身及び各部位の生体インピーダンスを測定する。
例えば、電気抵抗測定部103は、生体インピーダンスのレジスタンス成分及びインダクタンス成分の少なくとも一方の成分を測定部位ごとに演算するようにしてもよい。このような電気抵抗測定部103は、生体インピーダンスのリアクタンス成分及びレジスタンス成分の各値を演算する成分演算手段を構成する。
さらに、電気抵抗測定部103は、操作部101において利用者により設定された身長、年齢及び性別などの基礎生体情報を所定の回帰式に適用して他の生体指標を演算してもよい。他の生体指標としては、例えば、全身及び各部位ごとの脂肪率、脂肪量、除脂肪量、筋肉量、内臓脂肪量、内臓脂肪レベル、内臓脂肪面積、皮下脂肪量、基礎代謝量、骨量、体水分率、体水分量、BMI(Body Mass Index)、細胞内液量、及び細胞外液量などが挙げられる。
相関データ保持部104は、利用者の生体インピーダンスの日内変動及び日間変動を特定するために、身体の各部位ごとに人の生体インピーダンスと体重との相関関係を示す相関データを保持する。相関データ保持部104の相関データは、例えば、電源スイッチ1がONに設定された際に制御部109の指示により記憶部108から取得される。
上述の相関データとしては、例えば、利用者の身体全体の体重と利用者の特定の身体部位の生体インピーダンスとの関係を示す所定の回帰線を表わす関数の係数、或いは、その回帰線を求めるための利用者の個人データ又は集団データなどが挙げられる。個人データは、利用者が健康な状態のときに測定した生体インピーダンス及び体重の各測定値の時系列データであり、集団データは、複数人についての生体インピーダンス及び体重の各測定値が多数集められた測定データである。なお、回帰線は、二次関数で表わされる直線でもよく、多項式で表わされる曲線であってもよい。
このように、相関データ保持部104は、人の体重及び身体部位の生体インピーダンスの相関関係を示す所定の回帰線を取得する回帰線取得手段を構成する。本実施形態の相関データ保持部104には、特定の身体部位ごとに、利用者の体重と測定部位の生体インピーダンスとの相関関係を示す回帰直線の係数が保持されている。相関データ保持部104は、例えば、揮発性メモリ(RAM;Random Access Memory)により構成される。
コンディション評価部105は、利用者の体重及び利用者の特定の身体部位の生体インピーダンスに基づいて特定の身体部位のコンディションを評価する評価手段を構成し、この評価手段には相関データ保持部104が含まれる。コンディション評価部105が評価する特定の身体部位のコンディションには、当該身体部位に異常が発生することによって、この身体部位における体水分量の変化を伴うコンディションが含まれる。
身体部位における体水分量の変化を伴うコンディションの一例としては、浮腫が挙げられる。以下、コンディション評価装置の一実施形態として、利用者の特定の身体部位に炎症が起きているかの評価を行うコンディション評価装置について説明する。本実施形態のコンディション評価装置は、特定の身体部位に炎症が発生することによって身体部位の体水分量が増加した状態、すなわち浮腫が発生したことを評価する。
例えば、コンディション評価部105は、利用者の体重の測定値に基づいて、電気抵抗測定部103により測定される測定部位についての生体インピーダンスの標準値を算出する。ここにいう標準値は、体水分量の日内変動及び日間変動に起因する生体インピーダンスの変動を考慮した値である。
具体的には、コンディション評価部105は、相関データ保持部104を参照し、利用者の測定部位ごとに相関データを用いて回帰直線を算出する。そしてコンディション評価部105は、その回帰直線において利用者の体重の測定値に対応する各測定部位の生体インピーダンスの値を標準値として算出する。
そして、コンディション評価部105は、測定部位ごとに、生体インピーダンスの測定値と上述の標準値とを比較する。コンディション評価部105は、生体インピーダンスの測定値が標準値を下回る場合には、測定部位の体水分量が増え過ぎているといえるため、測定部位が炎症を起していると判定する。
これに加えて、コンディション評価部105は、測定部位の生体インピーダンスの測定値と標準値との差分量を求め、その差分量に応じて測定部位の炎症の程度を示す炎症度を演算する。本実施形態では、コンディション評価部105は、利用者の体重の取得値と測定部位の生体インピーダンスの取得値とによって特定される測定点と、あらかじめ定められた回帰線と、の間の距離を求め、その距離の長さに応じて測定部位の炎症度を演算する。ここにいう測定点は、身体の体重を一方の軸とし測定部位の生体インピーダンスを他方の軸とする座標上にプロットされる座標点である。なお、炎症度は、測定部位における体水分量の変化の程度を示す体水分量変化度の一例である。
例えば、コンディション評価部105は、利用者の測定部位が炎症を起していると判定した場合に、上述のように炎症度を演算する。一般的に、測定部位の炎症が強くなるほど、生体インピーダンスの標準値に対する測定値の低下量は増加する。このため、本実施形態では、測定値の低下量が大きくなるほど、演算される測定部位の炎症度は大きくなる。
このように、コンディション評価部105は、相関データによって得られる所定の回帰線と、利用者の生体インピーダンス及び体重の双方の測定値とを用いて、測定部位の炎症度を演算する演算手段を構成する。
コンディション評価部105は、利用者の測定部位の各々について、測定部位の炎症の有無を示す判定結果と、測定部位の炎症度を示す評価データと、を相関データ保持部104に記録する。
表示部106は、図1に示した表示操作装置7を構成する。表示部106は、相関データ保持部104に記憶された評価データ又は判定結果を表示する。さらに表示部106は、電気抵抗測定部103によって演算される生体情報を表示してもよい。
通信部107は、図1に示した通信装置8を構成する。通信部107は、例えば、外部端末に対して利用者の健康状態を通知するために、利用者の体重の測定値、利用者の各部位の生体インピーダンスの測定値、炎症の有無を示す判定結果、及び炎症度などを外部端末に送信する。
なお、通信部107は、相関データ保持部104に記録される相関データを外部端末から受信してもよい。あるいは、通信部107は、相関データを生成するために利用者の体重及び各部位の生体インピーダンスの測定値を示す時系列データを外部端末から受信してもよい。
記憶部108は、不揮発性メモリ(ROM;Read Only Memory)及び揮発性メモリ(RAM;Random Access Memory)などにより構成される。記憶部108には、生体測定装置10の動作を制御する制御プログラムが格納されている。すなわち、記憶部108は、本実施形態の機能を実現するプログラムを格納する記録媒体である。さらに記憶部108には相関データが格納される。
制御部109は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)、入力インターフェース、及びこれらを相互に接続するバスにより構成される。制御部109は、記憶部108に格納されている制御プログラムを読み出して中央演算処理装置に実行させることにより、入力インターフェースを介して生体測定装置10の各部を制御する。
制御部109は、上述のように、操作部101、体重測定部102、電気抵抗測定部103、相関データ保持部104、コンディション評価部105、表示部106、通信部107及び記憶部108の各々を制御する。
なお、制御部109を構成する中央演算処理装置が、操作部101、体重測定部102、電気抵抗測定部103、相関データ保持部104、コンディション評価部105、表示部106、通信部107及び記憶部108などの各部の機能を実行してもよい。
次に、本実施形態における測定部位の炎症の程度を評価する手法について図3乃至図6を参照して説明する。
図3は、身体の細胞の構成を等価的に電気素子で表わした等価回路100の構成例を示す回路図である。
生体組織の電気特性は、等価回路100のように表わされる。等価回路100のうち、抵抗成分Re[Ω]が細胞外液の電気抵抗に対応し、抵抗成分Ri[Ω]が細胞内液の電気抵抗に対応し、容量成分Cm[μF]が細胞膜の電気容量に対応する。
細胞外液の電気抵抗Reは、身体の体水分の増減による影響が大きく現れるため、短期的に変化しやすい抵抗成分である。これに対し、細胞内液の電気抵抗Riは、身体の筋細胞の発達状態による影響が大きく表れるため、長期的に変化しやすい抵抗成分である。
等価回路100において、直列に接続された細胞膜の電気容量Cm及び細胞内液の電気抵抗Riに対し、細胞外液の電気抵抗Reが並列に接続される。等価回路100のインピーダンスZは生体インピーダンスに対応し、次式(1)のように表わされる。
Figure 0007386520000001
なお、jは、虚数を表わす(j2=-1)。
式(1)に示したように生体インピーダンスZは、複素インピーダンスであり、生体インピーダンスZの実数部であるレジスタンス成分R、及び、虚数部であるリアクタンス成分Xは、次式(2)のように表わされる。
Figure 0007386520000002
レジスタンス成分Rは、等価回路100の電気抵抗に当たる成分であり、リアクタンス成分Xは、等価回路100のキャパシタンス及びインダクタンスに当たる成分である。リアクタンス成分Xがプラスの値をとるときには、リアクタンス成分Xは、等価回路100のインダクタンスに当たる成分を示し、リアクタンス成分Xがマイナスの値をとるときには、リアクタンス成分Xは、等価回路100のキャパシタンスに当たる成分を示す。
図3に示した等価回路100を用いて利用者の身体部位のコンディションを評価するにあたり、短期的な体水分量の変化を検出するために細胞外液の電気抵抗Reの変化を捉える方法と、長期的な体水分量の変化を検出するために細胞内液の電気抵抗Riの変化を捉える方法とが存在する。これらの方法のうち、測定部位の内部状態として炎症の程度を評価するには、細胞外液の電気抵抗Reの変化を捉える方法を使用することが好ましい。
次に、細胞外液の電気抵抗Reの変化を捉える方法について図4を参照して簡単に説明する。
図4は、利用者に印加する交流電流の周波数変化に伴うリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの変化を説明する図である。図4には、交流インピーダンス方法によって作成されたCole-Coleプロットの一例が示されている。
Cole-Coleプロットとは、各測定周波数での複素インピーダンスの実数部を横軸とし、マイナスが上方となるよう虚数部を縦軸としたグラフのことであり、電気化学の分野で一般的に使われる表現方法である。
この例では、交流電流の周波数を20[kHz]から125[kHz]までの範囲で変化させている。その際において、上述の式(1)に基づき算出されたリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの演算結果が実線により表わされている。そして星印の点PZ50は、周波数50[kHz]の交流電流を用いて生体インピーダンスZに関するレジスタンス成分R50及びリアクタンス成分X50を測定したときの測定点である。
図4に示すように、人体に交流電流を印加して生体インピーダンスを測定する方法においては、一般的に、交流電流の測定周波数が50[kHz]又はその近傍で、生体インピーダンスZのリアクタンス成分Xが小さくなる変曲点(極点)が存在する。
すなわち、人体の生体インピーダンスZを測定する場面では、測定周波数が50[kHz]又はその近傍においてリアクタンス成分Xが最小となる。この最小点は、次の図5に示すように細胞外液の電気抵抗Reに応じて変化する。
図5は、細胞外液の電気抵抗Reの変化とリアクタンス成分Xの最小点の変化との関係性を示す図である。
図5には、細胞外液の電気抵抗Reが標準値であるときのCole-Coleプロットが点線により示されている。さらに細胞外液の電気抵抗Reが標準値に対して小さい値及び大きい値であるときのCole-Coleプロットがそれぞれ実線及び破線で示されている。これらのCole-Coleプロットの半円上には星印の点P50が示されており、その星印の点P50は、周波数50[kHz]の交流電流を用いて生体インピーダンスZを測定したときの測定点である。
一般的に生体においては、脱水症状が重くなるほど、細胞外液の水分量が減少するため、細胞外液の電気抵抗Reが大きくなる一方で、炎症が強くなるほど、細胞外液の水分量が増加するため、細胞外液の電気抵抗Reが小さくなる。このように、測定部位の脱水症状及び炎症に起因する水分量の変化は、細胞外液の電気抵抗Reの変化として現れる。
したがって、測定部位に炎症が発生した場合には、図5に示すように、測定部位の炎症が強くなるほど、細胞外液の電気抵抗Reが小さくなるため、測定部位のレジスタンス成分Rは低下するとともにリアクタンス成分Xは上昇する。
このように、細胞外液の水分量に相関性を有する電気抵抗Reが変化することに伴い、リアクタンス成分Xの最小点が変化するとともに、その最小点でのレジスタンス成分Rも変化する。したがって、測定部位の炎症に起因して細胞外液の水分量が変化すると、リアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの双方が変化する。当然ながら、細胞外液の水分量の変化に伴って、リアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rを有する生体インピーダンス自体も変化する。
以上のように、生体インピーダンスZ、リアクタンス成分X、及びレジスタンス成分Rの少なくとも一つの電気抵抗値の変化を捉えることで、細胞外液の電気抵抗Reの変化を捉えることができる。その結果、測定部位の状態を表すひとつの症状として測定部位の炎症の程度を評価することが可能となる。すなわち、本実施形態では、細胞外液の電気抵抗Reに相関性を有する測定部位の生体インピーダンスZに応じて、測定部位の炎症の程度を推定することが可能になる。
一方、細胞外液の水分量に相関性を有する電気抵抗Reは、測定部位の炎症によって変化するだけでなく、日常生活によっても変化する。例えば、入浴前と入浴後では、細胞外液の水分量が大きく変化するため、細胞外液の電気抵抗Reも大きく変化する。
このような日常生活に起因する細胞外液の電気抵抗Reの変動が原因となり、測定部位の炎症に起因する細胞外液の電気抵抗Reの変化が相殺されてしまうことがある。以下では日常生活に起因する細胞外液の電気抵抗Reの変動のことを生体インピーダンスZの日内変動及び日間変動と称する。
上述の日内変動及び日間変動は、筋細胞の発達状態が変わることなく維持された状態で細胞外液の水分量が変化する現象のことを指す。短期的な体水分量の変化は、日内変動及び日間変動に起因するものであり、概ね3ヶ月以内であれば、筋細胞の発達状態は殆ど変化しないため、体水分量の変化は細胞外液の移動によるものと考えられる。
それゆえ、短期的な体重の変化は、筋細胞の変化による影響は小さく、体水分量の変化によるところが大きいといえるので、生体インピーダンスZの日内変動及び日間変動は、体重の変化に対して高い相関性を有する。このため、本実施形態では、測定部位の炎症の程度を評価するにあたり、生体インピーダンスZに関する電気抵抗値に加えて体重の測定値を考慮することにより、測定部位のコンディションの評価精度を高めている。
図6は、測定部位の生体インピーダンスZのレジスタンス成分Rと利用者の身体全体の重さを示す体重Wとの関係を示す図である。
図6には、利用者の体重W及び測定部位のレジスタンス成分Rの各測定値によって特定される複数の座標点である測定点P0、Pt1及びPt2と、体重W及び身体部位のレジスタンス成分Rの相関関係を示す回帰直線L1と、が示されている。測定点の各々は、1ヶ月程度の短期間に測定されたものであり、例えば、スポーツ選手が短期的に自身の体重Wを目標とする値まで減らすような場面が想定される。
測定部位が正常な状態であるときの測定点P0が丸印により示され、測定部位に弱い炎症が起っているときの測定点Pt1が四角印により示され、測定部位に強い炎症が起っているときの測定点Pt2が三角印により示されている。
回帰直線L1は、丸印の測定点P0ごとに、回帰直線L1と測定点P0との距離が小さくなるよう最小二乗法などの近似法を用いて求められる。なお、回帰直線L1を求めるための測定点P0は、利用者の過去の測定値でもよく、特定の人の測定値が集められた集団データであってもよい。
回帰直線L1を示す二次関数は、次式(3)のように表わされる。この二次関数の変数yは、利用者の体重Wに対応し、変数xは、測定部位のレジスタンス成分Rに対応する。回帰直線L1を示す二次関数の係数a1及びb1は、例えば、最小二乗法などの近似法又は統計データなどにより求められる。
Figure 0007386520000003
回帰直線L1が示すように、短期的な体重Wの変化と測定部位のレジスタンス成分Rの変化との間には高い相関関係がある。そして日常生活におけるレジスタンス成分Rの変化は、細胞外液の移動が支配的であるため、利用者の体重Wの変化として現れやすいといえる。
例えば、日常生活において細胞外液の水分量が正常に変化している状況では、レジスタンス成分Rの日内変動及び日間変動に応じて利用者の体重Wが変化するため、回帰直線L1に沿って測定点が変化する。
このため、仮にレジスタンス成分Rが前回の測定値からある程度変化したとしても、回帰直線L1の近傍に測定点があるような状況では、そのレジスタンス成分Rの変化は、日常生活における利用者の正常な日内変動及び日間変動であると判定することができる。
一方、筋挫傷又は捻挫などのような炎症が測定部位に生じた場合には、利用者の体重W及びレジスタンス成分Rの各測定値で特定される測定点は、四角印及び三角印の測定点Pt1及びPt2のように回帰直線L1から大きく逸脱する。
このように測定点が回帰直線L1から逸脱する理由は、測定部位に炎症が生じると、体水分量の日内変動及び日間変動とは無関係に、その測定部位に体液が集中するので、測定部位の細胞外液が増加するからである。その結果、利用者の体重Wが減少したにも関わらず、測定部位での炎症によって体液が増加して細胞外液の電気抵抗Reが大きくならずに、レジスタンス成分Rがほとんど変化しないことが起こり得る。
また、測定部位に炎症が生じた場合には、測定部位の炎症が強くなるほど、測定部位に体液が増加するので、利用者の測定点と回帰直線L1との距離は大きくなる。このため、図6に示すように、三角印の測定点Pt2と回帰直線L1との距離D2は、回帰直線L1と四角印の測定点Pt1との距離D1に比べて長くなる。測定点Pt1及びPt2の変化に関しては、利用者の減量中において、例えば太腿などの部位に炎症を起し、その後に炎症がさらに強くなった場面を想定している。
このように、利用者の体重W及びレジスタンス成分Rの相関を示す回帰直線L1と利用者の測定点との間の距離を求めることにより、測定部位の炎症の程度を精度よく評価することができる。なお、この例では細胞外液の変化を捉えるためにレジスタンス成分Rを使用したが、レジスタンス成分Rに代えて、生体インピーダンスZ又はリアクタンス成分Xを使用してもよい。このような場合であっても測定部位の炎症の程度を精度よく評価することができる。
したがって、本実施形態では、コンディション評価部105が、利用者の体重W及び測定部位の生体インピーダンスZの各測定値で特定される測定点と、生体インピーダンスZの日内変動及び日間変動を特定する回帰直線L1との距離を演算する。そしてコンディション評価部105は、演算した距離の長さに応じて測定部位の炎症の程度を評価する。
なお、利用者の測定点と回帰直線L1との距離としては、レジスタンス軸方向の距離、体重軸方向の距離、又は、回帰直線L1に対する垂線方向の距離などが挙げられる。レジスタンス軸方向の距離とは、体重Wの測定値に対応する回帰直線L1上のレジスタンス値である標準値からレジスタンス成分Rの測定値までの低下量のことである。体重軸方向の距離とは、レジスタンス成分Rの測定値における回帰直線L1上の体重値である標準値から体重Wの測定値までの低下量のことであり、垂線方向の距離とは、測定点から右斜め上に向かって回帰直線L1まで延びる垂線の距離のことである。
また、利用者の測定点と回帰直線L1との距離については、測定部位の炎症に伴う水分量の増加によってレジスタンス軸方向の距離が最も大きく変化する傾向にある。このため、本実施形態のコンディション評価部105は、利用者の測定点と回帰直線L1との距離として、レジスタンス軸方向の距離Dを求める。これにより、測定部位の炎症を精度よく評価することが可能になる。
図7は、本実施形態における生体測定装置10のコンディション評価方法の処理手順例を示すフローチャートである。
ステップS1において体重測定部102は、生体インピーダンスZの日内変動及び日間変動を特定するために、利用者の体重Wを測定する。
ステップS2において電気抵抗測定部103は、利用者の各部位の生体インピーダンスZを測定する。本実施形態の電気抵抗測定部103は、測定部位ごとに、上述の式(1)に基づいて生体インピーダンスZのレジスタンス成分Rを演算する。
ステップS3においてコンディション評価部105は、利用者の体重Wと利用者の測定部位の生体インピーダンスZとに基づいて測定部位のコンディションを評価するコンディション評価処理を実行する。なお、コンディション評価処理については図8を参照して後述する。
ステップS4において表示部106は、コンディション評価処理の結果を表示する。例えば、表示部106は、測定部位ごとに、炎症を起している旨又は測定部位が正常である旨を表示する。
そしてステップS4の処理が終了すると、制御部109は、コンディション評価方法の一連の処理を終了する。
図8は、ステップS3により実行されるコンディション評価処理に関する処理手順例を示すフローチャートである。このコンディション評価処理は、利用者の測定部位ごとに実行される。
ステップS31において相関データ保持部104は、例えば通信部107又は記憶部108から、炎症を起していない健康な特定の人についての体重W及び測定部位のレジスタンス成分Rの関係を示す回帰直線L1を取得する。本実施形態の相関データ保持部104は、回帰直線L1を示す二次関数の係数a1及びb1を取得して相関データとして保持する。
そしてコンディション評価部105は、相関データ保持部104から係数a1及びb1を取得し、その係数a1及びb1に基づいて回帰直線L1を算出する。すなわち、相関データ保持部104は、特定の人の生体インピーダンスZ及び体重Wの関係を示す所定の回帰線を取得している。
ステップS32においてコンディション評価部105は、利用者の体重W及び測定部位のレジスタンス成分Rの両者の測定値で特定される測定点Pmと、回帰直線L1との距離Dを求める。
本実施形態のコンディション評価部105は、利用者の体重Wの測定値を回帰直線L1の変数yに入力することにより、変数xの出力値をレジスタンス成分Rの標準値として算出する。そしてコンディション評価部105は、レジスタンス成分Rの標準値と測定値との間の差分量を、測定点Pmと回帰直線L1との距離Dとして算出する。
ステップS33においてコンディション評価部105は、回帰直線L1と利用者の測定点Pmとの距離Dに応じて測定部位の炎症の程度を示す炎症度Iを演算する。例えば、距離Dがゼロ(0)を示す場合には、測定部位の炎症度Iはゼロを示す。コンディション評価部105は、回帰直線L1と利用者の測定点Pmとの距離Dが大きくなるほど、炎症度Iを大きくする。
本実施形態では、レジスタンス成分Rについての標準値及び測定値間の差分量と測定部位の炎症度Iとの関係を示す炎症テーブルが相関データ保持部104又は記憶部108にあらかじめ記憶されている。そしてコンディション評価部105が、レジスタンス成分Rについての標準値と測定値間の差分量を算出すると、炎症テーブルを参照し、算出した差分量に関係付けられた炎症度Iを演算する。
このように、コンディション評価部105は、利用者の体重W及び測定部位の生体インピーダンスZと、これら二つのパラメータの相関を示す回帰線としての回帰直線L1とを用いて、測定部位の炎症度Iを演算する。
ステップS34においてコンディション評価部105は、炎症度Iの大きさに応じて測定部位の状態を判定する状態判定処理を実行する。本実施形態のコンディション評価部105は、炎症度Iに基づいて測定部位の状態を判定し、判定した結果を表示部106に出力する。
例えば、コンディション評価部105は、炎症度Iがゼロを示す場合には、測定部位は正常である旨の判定結果を生成する。
そしてステップS34の処理が終了すると、制御部109は、コンディション評価処理のサブルーチンが終了し、図7に示したコンディション評価方法のメインルーチンに戻る。
次に、第1実施形態の作用効果について以下に説明する。
第1実施形態によれば、コンディション評価装置を構成する生体測定装置10は、利用者の体重Wを測定する体重測定部102と、利用者の特定の部位の生体インピーダンスZを測定する電気抵抗測定部103とを含む。そして生体測定装置10は、利用者の体重Wと生体インピーダンスZとに基づいて、電気抵抗測定部103により測定される特定の部位のコンディションを評価するコンディション評価部105を含む。
一般的に、利用者の体重Wの変動は、体水分量の変動によるところが大きく、生体インピーダンスZの日内変動及び日間変動に対して相関性を有する。このため、本実施形態では、測定部位のコンディションを評価するにあたり、利用者の生体インピーダンスZだけでなく利用者の体重Wについても併せて考慮される。
このように利用者の体重Wも考慮することで、利用者の生体インピーダンスZの測定値の中から、日内変動及び日間変動に起因する変動成分を特定しやすくなるので、身体部位の状態異常に起因する生体インピーダンスZの変動成分を的確に抽出することが可能になる。したがって、利用者の測定部位の状態を精度よく評価することができる。
また、本実施形態によれば、生体測定装置10は、人の体重W及び身体部位の生体インピーダンスZの相関関係を示す所定の回帰線として、図6に示したような回帰直線L1を取得する相関データ保持部104をさらに含む。そしてコンディション評価部105は、利用者の生体インピーダンスZ及び体重Wと所定の回帰直線L1とを用いて利用者の測定部位のコンディションを判定する。
これにより、回帰直線L1に利用者の体重Wを適用することで生体インピーダンスZの日内及び日間変動が特定されるので、生体インピーダンスZの測定値から日内変動及び日間変動を排除することができる。したがって、利用者の測定部位における状態の良否を的確に判定することができる。
また、本実施形態によれば、コンディション評価部105が判定する測定部位のコンディションは、体水分量の変化を伴うコンディションを含み、コンディション評価部105は、測定部位の体水分量の変化の程度を示す体水分量変化度を演算する。体水分量変化度は、例えば、炎症、浮腫、及び筋肉の萎縮などの状態異常が原因で変化する。
このように、利用者の日内変動及び日間変動を排除した体水分量の変化を検出することにより、体水分量の変化に伴う測定部位の状態異常を特定することが可能となる。
また、本実施形態によれば、図6に示したように、コンディション評価部105は、利用者の測定部位の生体インピーダンスZ及び体重Wで特定される測定点Pmと回帰直線L1との距離Dを求め、その距離Dの長さに応じて測定部位の炎症の程度を示す炎症度Iを上述の体水分量変化度として演算する。測定点Pmは、体重Wと測定部位の生体インピーダンスZとの座標系において両者の取得値によりプロットされる座標点である。
測定部位の炎症の程度と測定部位の生体インピーダンスZの変化との間には相関関係があるため、回帰直線L1から測定点Pmまでの距離Dを求めることにより、測定部位の生体インピーダンスZの日内及び日間変動を除いた変化量を推定することができる。したがって、利用者の生体インピーダンスZに関する日内及び日間変動の影響が軽減されるので、コンディション評価部105は、誤差の小さな炎症度Iを算出することができる。
また、本実施形態によれば、コンディション評価部105は、回帰直線L1における利用者の体重Wに対応する生体インピーダンスZの標準値に対しての測定値の低下量が大きくなるほど、測定部位の炎症度Iを大きくする。これにより、コンディション評価部105は、測定部位の炎症が強くなるほど、測定部位の炎症度Iを大きくすることができる。
また、本実施形態によれば、コンディション評価部105は、利用者の体重Wの測定値において、利用者の生体インピーダンスZの測定値が回帰直線L1の標準値を下回る場合には、測定部位が炎症を起していると判定する。
このように、回帰直線L1を基準に炎症の判定を行うことで、生体インピーダンスZの日内及び日間変動が考慮されるので、測定部位の炎症の有無を的確に判定することができる。
また、図5で述べたように、測定部位の体水分量は、生体インピーダンスZのリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rのいずれの電気抵抗値に対しても相関性を有する。このため、本実施形態によれば、測定部位の炎症の程度を評価するにあたり、生体インピーダンスZに代えて、リアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rのうち少なくとも一方の電気抵抗値が用いられてもよい。この場合であっても、測定部位における炎症の程度、すなわち体水分量の変化の程度を精度よく評価することができる。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態における炎症度Iを補正する手法の一例を示す図である。
図9には、回帰直線L1と、左腕における前回測定点PL1及び今回測定点PL2と、右腕における前回測定点PR1及び今回測定点PR2と、が示されている。さらに、左腕における前回測定点PL1から今回測定点PL2までの左腕ベクトルVLと、右腕における前回測定点PR1から今回測定点PR2までの右腕ベクトルVRと、が示されている。
通常、左腕と右腕とは対称性を有しているため、左腕の筋と右腕の筋とは殆ど同じ発達状態である。しかしながら、左腕と右腕の筋肉の発達状態が異なる人もいる。
例えば、右腕の筋よりも左腕の筋が萎縮した利用者の測定部位を評価するような場面では、仮に利用者の左腕に炎症が生じたとしても、図9に示すように、右腕の今回測定点PR2だけでなく左腕の今回測定点PL2も回帰直線L1の近傍に位置することになる。
その結果、左腕の今回測定点PL2と右腕の今回測定点PR2とは共に回帰直線L1の近傍に位置するため、コンディション評価部105は、利用者の左腕及び右腕は共に正常であり、炎症を起していないと判定してしまう。このように、実際には利用者の左腕が炎症傾向にあるにもかかわらず、右腕及び左腕の両者が正常であるとの誤った判定結果が示されることも起り得る。
これに対して、第2実施形態のコンディション評価部105は、左腕ベクトルVL及び右腕ベクトルVRに基づいて、左腕及び右腕の少なくとも一方の炎症度Iを補正する。
具体的には、コンディション評価部105は、左腕の今回測定点PL2と回帰直線L1との距離Dに応じて左腕の炎症度Iを演算するとともに、右腕の今回測定点PR2と回帰直線L1との距離Dに応じて右腕の炎症度Iを演算する。
これに加えて、コンディション評価部105は、左腕ベクトルVL及び右腕ベクトルVRのうち回帰直線L1の傾きに近い一方のベクトルを選択する。この例では、右腕ベクトルVRが一方のベクトルとして選択される。
そして、コンディション評価部105は、選択された一方のベクトルから他方のベクトルを引いた差分ベクトルVdを求め、その差分ベクトルVdを用いて他方の炎症度Iを補正する。具体的には、コンディション評価部105は、差分ベクトルVdの方向及び大きさの数値に応じて他方の炎症度Iを変更する。
ここで、選択された一方のベクトルから他方のベクトルを引いた差分ベクトルVdの大きさが大きいほど、他方のベクトルに対応する部位における炎症に関する変化が大きいことを表す。また、差分ベクトルVdの方向が横軸正方向であれば、他方のベクトルに対応する部位における炎症が進行傾向にあること(又は炎症が発生したこと)を表す一方で、差分ベクトルVdの方向が横軸負方向であれば、他方のベクトルに対応する部位における炎症が改善傾向にあることを表す。
すなわち、コンディション評価部105は、差分ベクトルVdの方向が横軸正方向であれば、差分ベクトルVdの大きさが大きくなるほど、炎症度Iが大きくなるように補正する。同様に、コンディション評価部105は、差分ベクトルVdの方向が横軸負方向であれば、差分ベクトルVdの大きさが大きくなるほど、炎症度Iが小さくなるように補正する。
このように、左腕ベクトルVL及び右腕ベクトルVRを用いることにより、左右の筋肉の発達状態が異なる利用者であっても、左右の測定部位の炎症度Iをより正確に評価することができる。
なお、本実施形態では左側部位及び右側部位のうち一方の炎症度Iを補正したが、回帰直線L1に対しての左腕ベクトルVL及び右腕ベクトルVRの成す角をそれぞれ算出し、測定部位ごとに算出した成す角に応じて炎症度Iを補正してもよい。これにより、左右の測定部位について炎症度Iの精度を向上させることができる。
次に、第2実施形態の作用効果について以下に説明する。
第2実施形態によれば、電気抵抗測定部103は、利用者の生体インピーダンスZとして、左側部位の生体インピーダンスZL及び右側部位の生体インピーダンスZRを測定する。例えば、左側部位及び右側部位としては、左腕及び右腕、並びに、左脚及び右脚が挙げられる。
そして、コンディション評価部105は、例えば図9に示したように、第1測定データとして左腕の前回測定点PL1及び今回測定点PL2を取得し、第2測定データとして右腕の前回測定点PR1及び今回測定点PR2を取得する。
上述の第1測定データは、利用者の体重W及び左側部位の生体インピーダンスZで特定される左測定点PLを時系列に示す測定データである。そして第2測定データは、利用者の体重W及び右側部位の生体インピーダンスZで特定される右測定点PRを時系列に示す測定データである。
例えば、第1測定データには、測定時刻とともに利用者の体重Wと左側部位の生体インピーダンスZの測定値が時系列に示されている。第1測定データ及び第2測定データは、例えば、相関データ保持部104又は記憶部108に記憶されている。
第1測定データ及び第2測定データを取得した後、コンディション評価部105は、第1測定データに基づいて左測定点PLのベクトルVLを求めるとともに、第2測定データに基づいて右測定点PRのベクトルVRを求める。そしてコンディション評価部105は、左測定点PLのベクトルVLと右測定点PRのベクトルVRとに基づいて左側部位及び右側部位の少なくとも一方の炎症度Iを補正する。
例えば、コンディション評価部105は、図9に示したように、左腕の前回測定点PL1及び今回測定点PL2に基づき左腕ベクトルVLを求めるとともに、右腕の前回測定点PR1及び今回測定点PR2に基づき右腕ベクトルVRを求める。そしてコンディション評価部105は、その左腕ベクトルVL及び右腕ベクトルVRに基づいて、回帰直線L1の傾きに対し乖離が大きい方の測定部位の炎症度Iを補正する。
これにより、右側部位及び左側部位における筋肉の状態が異なる利用者であっても、各部位の状態の推移が考慮されるので、測定部位の炎症状態を精度よく評価することができる。
(第3実施形態)
上述の実施形態では利用者の測定点Pm1が回帰直線L1の近傍又は線上に位置するような場合には、コンディション評価部105が利用者の測定部位が正常であると判定する。しかしながら、利用者の測定部位が炎症を起している場合において利用者の食べ過ぎが原因で体重が増加しているような状況では、測定部位の炎症に伴う水分量の増加に対し、食べ過ぎに起因する体重の増加によって利用者の測定点Pm1が回帰直線L1に近づいてしまう。
すなわち、上述の実施形態では、利用者の測定部位に生じた炎症に伴う水分量の増加が、利用者の食べ過ぎに起因する体重増加の影響によって日内及び日間変動に起因する水分量が増加したとみなされてしまい、炎症の程度が正しく判定されない場合がある。
そこで、第3実施形態のコンディション評価部105は、利用者の測定部位が正常であると判定された場合であっても、利用者の食べ過ぎに起因する体重増加の影響を考慮して測定部位の炎症度Iを補正する。以下では、測定部位の炎症度Iを補正する方法について図10A及び図10Bを参照して説明する。
図10Aは、利用者の測定点Pm1と回帰直線L1との位置関係の一例を示す図である。
図10Aに示すように、利用者の測定点Pm1が回帰直線L1の近傍又は線上に位置する。このような場合には、コンディション評価部105は、利用者の測定部位が正常であると判定する。
しかしながら、利用者の測定点Pm1には、利用者の測定部位の炎症に伴うレジスタンス成分Rの低下量と、食べ過ぎによる体重Wの増加量とが加味されている。利用者の測定点Pm1について以下に説明する。
まず、回帰直線L1の線上に破線の丸印で示された正常点PNは、利用者が食べ過ぎではなく、且つ、測定部位に炎症が発生していな状態での利用者の理想的な測定点である。
ここで、利用者の測定部位に炎症が発生すると、測定部位の水分量の増加に伴ってレジスタンス成分Rが小さくなるため、利用者の測定点は、正常点PNから左方向(横軸減少方向)に存在する炎症点PIにシフトする。この状態において、さらに利用者が食べ物を食べ過ぎると、体水分量は変化することなく利用者の体重Wが一時的に増加するため、この利用者の測定点は、炎症点PIから上方向(縦軸増加方向)に存在する測定点Pm1にシフトする。
このように、測定部位に炎症が生じて測定部位の水分量が増加したとしても、食べ過ぎによる体重の増加によって、利用者の測定点Pm1が回帰直線L1の付近又は線上にシフトすることがある。その結果、測定部位が炎症を起しているにもかかわらず、測定部位が正常であるとの判定結果が示されてしまう。
これに対し、本実施形態のコンディション評価部105は、測定部位が正常であると判定した場合であっても、測定部位の生体インピーダンスZに関するレジスタンス成分R及びリアクタンス成分Xの相関関係を利用して測定部位の判定結果を診断する。
図10Bは、利用者の測定点Pm2と回帰直線L2との位置関係の一例を示す図である。
図10Bにおいては、横軸がレジスタンス成分Rを示し、縦軸がリアクタンス成分Xを示す。測定点Pm2は、測定部位のリアクタンス成分Xの測定値Xm及びレジスタンス成分Rの測定値Rmの双方の値により特定される複素平面上の座標点である。丸印の測定点PZ0は、測定部位が正常な状態で生体インピーダンスZが測定されたときの測定点である。
回帰直線L2は、測定部位の生体インピーダンスZのリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの関係を示す所定の成分回帰線である。図5で述べたように、細胞外液の電気抵抗Reが変化することに伴い、リアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの両者は一定の方向に変化する。このため、測定部位のリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rは、互いに回帰直線L2で示すような相関性を有する。
回帰直線L2は、回帰直線L1のように、回帰直線L2と測定点PZ0との距離が小さくなるように最小二乗法などの近似法を用いて求められる。測定点PZ0は、利用者の個人データでもよく、炎症を起していない健康な複数人の測定値が多数集められた集団データであってもよい。回帰直線L2を示す二次関数の係数、又は回帰直線L2を求めるための測定点PZ0は、例えば、相関データ保持部104又は記憶部108に成分相関データとして記憶されている。
例えば、利用者の測定部位が正常である場合には、利用者の測定点が回帰直線L2の近傍又は線上にプロットされる。一方、測定部位に炎症が生じたときには、細胞膜が破壊され、細胞外に細胞内液が流出するため、測定部位において、細胞外液の液量が増加する。これに伴って細胞内液の液量が減少し、図3に示したように、細胞膜の電気容量Cmに接続された細胞内液の電気抵抗Riが大きくなるので、リアクタンス成分Xが増加する。したがって、測定部位に炎症が生じたときには、図10Bの回帰直線L2よりも上側に測定点Pm2がプロットされる。
図10Bに示すように、レジスタンス成分Rの測定値Rmにおいてリアクタンス成分Xの測定値Xmが回帰直線L2の標準値に比べて大きくなるほど、測定部位の体水分の増加量が大きくなる。このため、測定部位の炎症の程度が強くなるほど、リアクタンス成分Xの測定値と回帰直線L2の標準値との差分は大きくなる。
次に、本実施形態におけるコンディション評価部105の動作について説明する。
本実施形態のコンディション評価部105は、図10Aに示したように利用者の体重W及び測定部位のレジスタンス成分Rに基づき測定部位が正常であると判定した場合には、利用者の測定点Pm2と回帰直線L2との距離を求める。すなわち、コンディション評価部105は、リアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの双方の測定値で特定される測定点Pm2と回帰直線L2との距離に応じた乖離度を演算する乖離演算手段を構成する。ここにいう乖離度については、例えば、測定点Pm2と回帰直線L2との距離が長くなるほど、乖離度の値が大きくなる。
ここで、利用者の測定点Pm2と回帰直線L2との距離としては、例えば、レジスタンス軸方向の距離、リアクタンス軸方向の距離、又は、回帰直線L2に対する垂線方向の距離などが挙げられる。ここにいうレジスタンス軸方向の距離とは、リアクタンス成分Xの測定値Xmに対応する回帰直線L2上のレジスタンス値である標準値から測定値Rmまでの上昇量のことである。リアクタンス軸方向の距離とは、レジスタンス成分Rの測定値Rmに対応する回帰直線L2上のリアクタンス値である標準値からリアクタンス成分Xの測定値Xmまでの上昇量のことである。垂線方向の距離とは、測定点Pm2から左斜め下に向かって回帰直線L2まで延びる垂線の距離のことである。
図10Bに示されたグラフは、測定部位の炎症の発生を特定するために、図10Aに表われるレジスタンス成分Rの影響だけでなく、リアクタンス成分Xの影響についても考慮するためのものである。それゆえ、利用者の測定点Pm2と回帰直線L2との距離については、リアクタンス成分Xの影響を表わすリアクタンス軸方向の距離を用いることが好ましい。このため、本実施形態のコンディション評価部105は、利用者の測定点Pm2と回帰直線L2との距離として、リアクタンス軸方向の距離DL2を求める。これにより、測定部位の炎症を精度よく評価することが可能になる。
そして、コンディション評価部105は、利用者の測定点Pm2と回帰直線L2との距離DL2に応じて、ほぼゼロを示す炎症度Iを補正する。例えば、コンディション評価部105は、回帰直線L2に対する測定点Pm2の上昇量が大きくなるほど、ほぼゼロを示す値が大きくなるように炎症度Iを補正する。
このように、本実施形態のコンディション評価部105は、利用者の体重W及び測定部位の生体インピーダンスZの相関関係を利用した炎症評価に加えて、測定部位のリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの相関関係を利用した炎症評価を行う。
測定部位のリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの相関関係を利用した炎症評価を行うことにより、利用者の食べ過ぎに起因する体重Wの増加の影響を排除することができる。したがって、利用者が食べ過ぎた直後に特定の部位の生体インピーダンスZを測定したような状況であっても、コンディション評価部105は、測定部位の炎症を正しく判定することができる。すなわち、本実施形態のコンディション評価部105は、第1実施形態に比べて測定部位の状態を精度よく評価することができる。
なお、本実施形態ではリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの相関関係を示す回帰線として回帰直線L2が用いられたが、多項式で表わされる回帰曲線が用いられてもよい。
次に、第3実施形態の作用効果について以下に説明する。
第3実施形態によれば、相関データ保持部104は、測定部位のリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの関係を示す所定の回帰直線L2を取得して保持する。さらに電気抵抗測定部103は、利用者の生体インピーダンスZに関するリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rを演算する。
そして、コンディション評価部105は、利用者の体重W及び測定部位の生体インピーダンスZに基づき測定部位が正常であると判定した場合には、リアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの測定点Pm2と回帰直線L2との距離DL2を示す乖離度を演算する。そしてコンディション評価部105は、その乖離度に応じて測定部位の炎症度Iを補正する。測定点Pm2は、リアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの複素平面において両者の取得値によりプロットされる座標点である。
これにより、利用者の体重W及び測定部位の生体インピーダンスZに基づいて測定部位が正常であると判定された場合であっても、測定部位の炎症を精度よく評価するこができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態におけるコンディション評価部105が測定部位の状態を評価する手法について図11A及び図11Bを参照して説明する。
図11Aは、図10Aに示した内容と同一であり、図11Bは、利用者の測定点Pm3と回帰直線L3との位置関係の一例を示す図である。図11Bにおける横軸が高周波数インピーダンスZhighであり、横軸が低周波数インピーダンスZlowである。
低周波数インピーダンスZlowは、Cole-Coleプロットにおいてリアクタンス成分Xが最小値となる基準周波数よりも低い第1周波数を用いて測定したときの生体インピーダンスZである。ここにいう第1周波数の範囲は、例えば、20[kHz]から50[kHz]までの範囲である。低周波数インピーダンスZlowは、電気抵抗測定部103により測定される。
高周波数インピーダンスZhighは、上述の基準周波数よりも高い第2周波数を用いて測定したときの生体インピーダンスZである。ここにいう第2周波数の範囲は、例えば、50[kHz]から250[kHz]までの範囲である。高周波数インピーダンスZhighは、電気抵抗測定部103により測定される。
測定点Pm3は、高周波数インピーダンスZhigh及び低周波数インピーダンスZlowの座標において両者の測定値により特定される座標点である。
回帰直線L3は、低周波数インピーダンスZlowと高周波数インピーダンスZhighとの相関関係を示す回帰線である。低周波数インピーダンスZlowは、レジスタンス成分Rに対して相関性を有する。これは、図3に示したように、細胞膜の電気容量Cmによって細胞内液の電気抵抗Riの影響が小さくなり、細胞外液の電気抵抗Reの影響が支配的になるからである。
高周波数インピーダンスZhighは、リアクタンス成分Xに対して相関性を有する。これは、低周波数インピーダンスZlowに比べて、細胞膜の電気容量Cmによって細胞内液の電気抵抗Riの影響が大きくなり、細胞内液の電気抵抗Riの影響が支配的になるからである。このため、低周波数インピーダンスZlowと高周波数インピーダンスZhighとは、レジスタンス成分Rとリアクタンス成分Xとの関係に対して同じような相関性を有する。
回帰直線L3は、回帰直線L1のように、回帰直線L3と丸印の測定点PLHとの距離Dが小さくなるよう最小二乗法などの近似法を用いて求められる。測定点PLHは、利用者の個人データでもよく、複数人の個人データが多数集められた集団データであってもよい。回帰直線L3を示す二次関数の係数、又は、回帰直線L3を求めるための測定点PLHは、例えば、相関データ保持部104又は記憶部108に成分相関データとして記憶されている。
このように、本実施形態のコンディション評価部105は、低周波数インピーダンスZlowと高周波数インピーダンスZhighとの相関関係を示す回帰直線L3を取得し、回帰直線L3と測定点Pm3との距離Dを求める。
ここで、回帰直線L3と利用者の測定点Pm3との距離としては、例えば、低周波数インピーダンス軸方向の距離、高周波数インピーダンス軸方向の距離、又は、回帰直線L3に対する垂線方向の距離などが挙げられる。ここにいう低周波数インピーダンス軸方向の距離とは、高周波数インピーダンスZhighの測定値における回帰直線L3上の低周波数インピーダンス値から測定値Zmまでの低下量のことである。高周波数インピーダンス軸方向の距離とは、低周波数インピーダンスZlowの測定値Zmに対応する回帰直線L3上の高周波数インピーダンス値である標準値から高周波数インピーダンスZhighの測定値Xmまでの上昇量のことである。垂線方向の距離とは、測定点Pm3から右斜め上に向かって回帰直線L3まで延びる垂線の距離のことである。
図11Bに示されたグラフは、測定部位の炎症の発生を特定するために、図10Aに表われるレジスタンス成分Rの影響だけでなく、リアクタンス成分Xの影響についても考慮するためのものである。それゆえ、測定点Pm3と回帰直線L3との距離については、リアクタンス成分Xに対して相関性の高い高周波数インピーダンス軸方向の距離を用いることが好ましい。このため、本実施形態のコンディション評価部105は、利用者の測定点Pm3と回帰直線L3との距離として高周波数インピーダンス軸方向の距離DL3を求める。これにより、測定部位の炎症を精度よく評価することが可能になる。
そしてコンディション評価部105は、利用者の体重W及び測定部位の生体インピーダンスZに基づき測定部位が正常であると判定した場合には、測定点Pm3と回帰直線L3との距離DL3に応じて測定部位の炎症度Iを補正する。
次に、第4実施形態の作用効果について以下に説明する。
第4実施形態によれば、電気抵抗測定部103は、生体インピーダンスZのレジスタンス成分Rとして、第1周波数を用いて測定された利用者の低周波数インピーダンスZlowを取得する。これと共に電気抵抗測定部103は、リアクタンス成分Xとして、第1周波数よりも高い第2周波数を用いて測定された利用者の高周波数インピーダンスZhighを取得する。
一般的に、生体インピーダンスZに関するリアクタンス成分Xは、電極部3乃至6の各々の測定ケーブルへのノイズの混入の影響を受けやすい。これに対して本実施形態では、レジスタンス成分R及びリアクタンス成分Xを、それぞれ低周波数インピーダンスZlow及び高周波数インピーダンスZhighに置き換える。
これにより、生体測定装置10において測定精度が担保された生体インピーダンスZのみで炎症度Iを評価できるため、測定ケーブルへのノイズの混入の影響を抑制することができる。すなわち、炎症度Iを補正する補正値の誤差を低減することができる。
また、本実施形態では、測定周波数を第1周波数と第2周波数との間で切り替えて生体インピーダンスZを測定するだけで図11Bに示したように測定部位の体水分量の変化を検出できるため、リアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rを演算する必要がない。したがって、第3実施形態に比べて電気抵抗測定部103の演算負荷を軽減することができるとともに、リアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rの演算誤差による測定ケーブルへのノイズの混入の影響を抑制するこができる。
なお、低周波数インピーダンスZlowと高周波数インピーダンスZhighとの比率(Zhig h/Zlow)は、基準周波数でのレジスタンス成分Rに対して相関性を有する。このため、図11Aの横軸であるレジスタンス成分Rを比率(Zhigh/Zlow)に置き換えてもよい。この場合であっても、仮に測定ケーブルにノイズが混入したとしても、精度よく炎症度Iを評価することができる。
(第5実施形態)
一般的に、利用者が体重を減らしている状況において利用者の体水分量を過剰に減少させると、利用者の健康を害するおそれがある。そこで、第5実施形態では、利用者が減量している状況において利用者の体水分量の過剰な減少を検出する手法について、図12を参照して説明する。
図12は、第5実施形態における利用者の体水分量の過剰な減少を検出する手法の一例を示す図である。すなわち、本実施形態のコンディション評価部105は、利用者の減量中に利用者の身体全体に短期的な脱水症状が発生しているか否かを判定する機能を有する。
図12には、回帰直線L1と、測定部位の前回測定点PN1及び今回測定点PN2と、前回測定点PN1及び今回測定点PN2の距離DNと、減量閾値Tdとが示されている。
図12に示すように、今回測定点PN2は回帰直線L1の近傍にあるため、コンディション評価部105は、利用者の測定部位は正常であると判定する。しかしながら、測定部位は炎症を起していないものの、利用者の体水分量が過剰に減少していることも想定される。体水分量の過度の減少は、例えば、利用者が過度の減量を行っている場合、又は、利用者が長時間サウナに入っていた場合などに起り得る。
これに対し、本実施形態のコンディション評価部105は、前回測定点PN1における体重値よりも今回測定点PN2における体重値が下回り、かつ、前回測定点PN1と今回測定点PN2との距離DNが減量閾値Tdを上回るか否かを判断する。そしてコンディション評価部105は、今回測定点PN2での体重値が前回測定点PN1での体重値を下回り、かつ、上記の距離DNが減量閾値Tdを上回る場合には、利用者の体水分量が過剰に減少していると判定する。ここにいう減量閾値Tdは、体水分量が過剰に減少しているか否かを判定するための閾値であり、実験データ又は統計データなどを用いてあらかじめ定められる。
本実施形態では、相関データ保持部104に、前回測定点PN1を示す測定データが記憶されている。前回測定点PN1を示す測定データには、前回の測定時刻、利用者の体重Wの測定値、及び利用者の測定部位のレジスタンス成分Rの測定値が互いに対応付けられて格納されている。
そして、コンディション評価部105は、相関データ保持部104を参照して前回測定点PN1を取得し、前回測定点PN1と今回測定点PN2との距離DNを算出する。さらにコンディション評価部105は、前回測定点PN1の測定時刻と今回測定点PN2の測定時刻との測定間隔を求め、その測定間隔の長さに応じて減量閾値Tdを変更する。例えば、コンディション評価部105は、測定間隔が長くなるほど、減量閾値Tdを大きくする。
さらに、コンディション評価部105は、前回測定点PN1と今回測定点PN2との距離DNが減量閾値Tdを上回るか否かを判断する。そして距離DNが減量閾値Tdを上回る場合には、コンディション評価部105は、利用者の体水分量が過剰に減少していると判定する。一方、コンディション評価部105は、距離DNが減量閾値Td以下である場合には、利用者は正常な状態であると判定する。
次に、第5実施形態の作用効果について以下に説明する。
第5実施形態によれば、コンディション評価部105は、今回測定点PN2に基づき測定部位が正常であると判定した場合には、前回測定点PN1と今回測定点PN2との距離DNに基づいて利用者の体水分量が過剰に減少しているか否かを判定する。
これにより、利用者の体重W及び測定部位の生体インピーダンスZに基づき測定部位が正常であると判定された場合であっても、利用者の体水分量が過剰に減少している異常な状態であると評価することができる。したがって、利用者の無理な減量を抑制することができる。
また、生体測定装置10は、第3実施形態から第5実施形態までの実施形態のうちいずれか1つのみ備えるものであってもよく、第3実施形態から第5実施形態までのすべての実施形態を備えるものであってもよい。図13には、第3実施形態から第5実施形態までのすべてを備える生体測定装置10の動作の一例を示すフローチャートが示されている。
図13は、本実施形態における状態判定処理の処理手順例を示すフローチャートである。本実施形態の状態判定処理は、例えば、図8のステップS34において実行される。
ステップ341においてコンディション評価部105は、図8のステップS33で述べたように、評価対象の測定部位における測定点Pmと回帰直線L1との距離Dに応じて求められた炎症度Iが正常範囲Rnにあるか否かを判断する。
上述の正常範囲Rnは、例えばゼロ、又はゼロに対して炎症度Iの演算誤差範囲を加えたものである。コンディション評価部105は、測定部位の炎症度Iが正常範囲Rnにない場合には、ステップS355の処理に進む。
ステップS342においてコンディション評価部105は、測定部位の炎症度Iが正常範囲Rnにある場合には、図10Bに示したように、相関データ保持部104から、生体インピーダンスZに関するレジスタンス成分R及びリアクタンス成分Xの相関を示す回帰直線L2を取得する。
ステップS343においてコンディション評価部105は、利用者のレジスタンス成分R及びリアクタンス成分Xの測定値により特定される測定点Pm2と回帰直線L2との距離DL2を算出する。
ステップS344においてコンディション評価部105は、測定点Pm2と回帰直線L2との距離DL2に応じて測定部位の炎症度Iを補正する。
ステップS345においてコンディション評価部105は、図9で述べたように、前回測定点PRW1から今回測定点PRW2までの測定ベクトルVmを求める。
ステップS346においてコンディション評価部105は、測定ベクトルVmの向きが回帰直線L1の傾きに対して一致範囲内にあるか否かを判断する。ここにいう一致範囲は、演算誤差などを考慮して定められる値である。測定ベクトルVmの向きが回帰直線L1の傾きに対して一致範囲内にある場合には、ステップS349の処理に進む。
ステップS347においてコンディション評価部105は、測定ベクトルVmの向きが回帰直線L1の傾きに対して一致範囲内にない場合には、図9に示したように、左右の測定ベクトルVmの差分ベクトルVdを求める。具体的には、コンディション評価部105は、測定ベクトルVmの向きが一致範囲内にある評価対象の測定部位に対して反対側の測定部位の測定ベクトルVmを求め、両者の測定部位の測定ベクトルVmとの差分ベクトルVdを求める。
ステップS348においてコンディション評価部105は、図9で述べたように、差分ベクトルVdに応じて測定部位の炎症度Iを補正する。
ステップS349においてコンディション評価部105は、少なくともステップS344で炎症度Iが補正された後の炎症度Icが上述の正常範囲Rnにあるか否かを判断する。そしてコンディション評価部105は、補正後の炎症度Icが正常範囲Rnにない場合には、ステップS355の処理に進む。
ステップS350においてコンディション評価部105は、補正後の炎症度Icが正常範囲Rnにある場合には、前回測定点PRW1に示された体重Wの前回値に対して、今回測定点PRW2に示された体重Wの今回値が減少しているか否かを判断する。具体的には、コンディション評価部105は、体重Wの今回値が前回値を下回っているか否かを判断する。
ステップS351においてコンディション評価部105は、利用者の体重Wの今回値が前回値から減少している場合には、評価対象の測定ベクトルVmの大きさを示す距離DNが減量閾値Tdを上回るか否かを判断する。
ステップS352においてコンディション評価部105は、距離DNが減量閾値Td以下である場合には、測定部位に炎症はなく、且つ、適切な減量であると判定する。
ステップS353においてコンディション評価部105は、距離DNが減量閾値Tdを上回る場合には、図12で述べたように、測定部位に炎症はなく、且つ、過度な減量であると判定する。
ステップS354においてコンディション評価部105は、利用者の体重Wの今回値が前回値から減少していない場合には、測定部位に炎症はないと判定する。
ステップS355においてコンディション評価部105は、ステップS341又はS349で炎症度I又はIcが正常範囲Rnを上回る場合には、測定部位が炎症を起していると判定する。
ステップS352乃至S355の処理のうちいずれか一つの処理が終了すると、コンディション評価部105は、判定結果を表示部106に出力して図8のサブルーチンに戻る。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態における利用者の身体全体に長期的な脱水症状が発生しているか否かを判定する手法について図14及び図15を参照して説明する。
生体において細胞内液の電気抵抗Riが減少する状況としては、筋細胞が萎縮したことが原因で身体全体が長期的な脱水を起していると考えられる。そのため、本実施形態では特に、細胞内液の電気抵抗Riの変化を捉える手法について説明する。
図14は、細胞外液の変化が小さい場合における、細胞内液の変化に伴う生体インピーダンスZのCole-Coleプロットの変化を説明する図である。
図14には、細胞外液の電気抵抗Reの変化が小さいことを前提として、細胞外液の電気抵抗Riが標準値であるときのCole-Coleプロットが点線により示され、細胞外液の電気抵抗Riが標準値に対して大きな値及び小さな値であるときのCole-Coleプロットがそれぞれ破線及び実線により示されている。
生体インピーダンスZのCole-Coleプロットの各々には星印の点P50及び三角印の点P25が示されている。星印の点P50は、周波数50[kHz]の交流電流を利用者に印加して生体インピーダンスZを測定したときの測定点であり、三角印の点P25は、周波数25[kHz]の交流電流を利用者に印加して生体インピーダンスZを測定したときの測定点である。
図14に示すように、細胞内液の電気抵抗Riが小さくなるほど、Cole-Coleプロットの極点のリアクタンス成分Xが上昇するとともに、その極点のレジスタンス成分Rも上昇する。一方、細胞内液の電気抵抗Riが大きくなるほど、極点のリアクタンス成分Xが低下するとともに、その極点のレジスタンス成分Rも低下する。
同様に、細胞内液の電気抵抗Riが小さくなるほど、点P25及び点P50のリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rが共に増加し、細胞内液の電気抵抗Riが大きくなるほど、星印のリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rが共に減少する。
ただし、細胞外液の電気抵抗Reの変化が小さい場合には、測定周波数範囲のうち低周波側の周波数を用いて測定されるリアクタンス成分Xの値については、高周波側の周波数を用いて測定されるリアクタンス成分Xの値と比較して、細胞内液の電気抵抗Riが変化したときの変化量が小さくなる。同様に、低周波側の周波数を用いて測定されるレジスタンス成分Rの値についても、細胞内液の電気抵抗Riが変化したときの変化量が小さくなる。
このため、細胞外液の電気抵抗Reの変化が小さい場合においては、2点の周波数を用いて測定したリアクタンス成分X間の差分絶対値Adが大きくなるほど、細胞内液の電気抵抗Riが大きくなるといえる。同様に、差分絶対値Adが小さくなるほど、細胞内液の電気抵抗Riが小さくなるといえる。
したがって、本実施形態のコンディション評価部105は、まず、2点の測定周波数のうち、細胞内液の電気抵抗Riの変化の影響を受けにくい低周波側の測定周波数を用いたリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rのうち少なくとも一方の成分を選択する。そしてコンディション評価部105は、選択した少なくとも一方の成分についての前回値と今回値との時系列変化量を算出し、その時系列変化量が所定の閾値以下のときに、細胞外液の電気抵抗Reの変化が小さいと判断する。
これに加えて、コンディション評価部105は、細胞外液の電気抵抗Reの変化が小さいと判断した場合には、互いに異なる2点の周波数を用いて測定したリアクタンス成分Xの差分絶対値Adについて今回値が前回値よりも大きくなったか否かを判断する。そして、コンディション評価部105は、今回値が前回値よりも大きくなったと判断した場合には、細胞内液の電気抵抗Riが大きくなったと考えられるため、利用者の身体全体が長期的な脱水症状であると判定する。
このように、Cole-Coleプロットにおけるリアクタンス成分Xの最小値の変化を捉えることにより、細胞内液の電気抵抗Riの増加を検出できるので、利用者の身体全体における長期的な脱水症状を検出することができる。
図15は、本実施形態におけるコンディション評価処理の処理手順例を示すフローチャートである。本実施形態のコンディション評価処理は、図7のステップS3において実行される。
ステップS21において電気抵抗測定部103は、第1測定周波数として例えば基準周波数である50[kHz]の周波数を用いて測定部位のリアクタンス成分Xn1を測定し、測定した今回値を相関データ保持部104に記録する。
ステップS22において電気抵抗測定部103は、第2測定周波数として例えば25[kHz]又は100[kHz]の周波数を用いて測定部位のリアクタンス成分Xn2を測定し、測定した今回値を相関データ保持部104に記録する。本実施形態では、第1周波数よりも低い周波数が第2測定周波数として用いられる。
このように電気抵抗測定部103は、互いに異なる複数の周波数を用いて各周波数の生体インピーダンスZのリアクタンス成分Xを測定部位ごとに測定する。
ステップS23においてコンディション評価部105は、相関データ保持部104から、第1及び第2測定周波数のリアクタンス成分Xの今回値Xn1及びXn2をそれぞれ取得し、各測定周波数の今回値同士の差分の絶対値を示す今回差分絶対値Ad1を算出する。今回差分絶対値Ad1は、2点の周波数のリアクタンス成分Xの今回値Xn1及びXn2間の差分の絶対値である。
ステップS24においてコンディション評価部105は、相関データ保持部104から、第1及び第2測定周波数のリアクタンス成分Xの前回値Xp1及びXp2をそれぞれ取得し、各測定周波数の前回値同士の差分の絶対値を示す前回差分絶対値Ad2を算出する。前回差分絶対値Ad2は、2点の周波数のリアクタンス成分Xの前回値Xp1及びXp2間の差分の絶対値である。
ステップS25においてコンディション評価部105は、互いに異なる2点の周波数を用いて測定された低周波側のリアクタンス成分X及びレジスタンス成分Rについての時系列変化量の少なくとも一方が所定の閾値Th以下であるか否かを判断する。閾値Thは、細胞外液の電気抵抗Reの変化が小さいことを判定するために、実験データ又はシミュレーション結果によりあらかじめ定められた値である。
本実施形態では、コンディション評価部105が、第1周波数よりも低い第2周波数を用いて測定された低周波側のリアクタンス成分Xについての時系列変化量として前回値Xp2と今回値Xn2との差分の絶対値が閾値Th以下であるか否かを判断する。そして低周波側のリアクタンス成分Xについての時系列変化量が閾値Thを上回る場合には、コンディション評価部105は、利用者の身体全体が長期的な脱水状態ではないと判定し、ステップS31の処理に進む。
ステップS26においてコンディション評価部105は、低周波側のリアクタンス成分Xについての時系列変化量が閾値Th以下である場合には、今回差分絶対値Ad1と前回差分絶対値Ad2との差分が変化検出閾値α以下であるか否かを判断する。変化検出閾値αは、細胞内液の減少を特定するための閾値であり、生体インピーダンスZのCole-Coleプロットにおいて極点の低下が検出されるようにあらかじめ定められる。
ステップS27においてコンディション評価部105は、今回差分絶対値Ad1と前回差分絶対値Ad2との差分が変化検出閾値αを上回る場合には、筋細胞が萎縮していると考えられるため、利用者の身体全体は長期的な脱水症状であると判定する。
ステップS27の処理が終了した場合、ステップS26で差分(Ad1-Ad2)が変化検出閾値α以下である場合、又は、ステップS25で時系列変化量(|Xn2-Xp2|)が閾値Thを上回る場合には、制御部109は、ステップS31の処理に進む。
なお、図15では、ステップS21及びS22において電気抵抗測定部103がリアクタンス成分Xだけを測定する例について説明したが、電気抵抗測定部103は、リアクタンス成分Xに加えてレジスタンス成分Rについても測定してよい。
このような場合は、ステップS24でコンディション評価部105は、低周波側のリアクタンス成分Xについての時系列変化量に代えて又は加えて、低周波側のレジスタンス成分Rについての時系列変化量が所定の閾値以下であるか否かを判断してもよい。例えば、コンディション評価部105は、低周波側のリアクタンス成分Xについての時系列変化量が閾値Th以下であり、且つ、低周波側のレジスタンス成分Rについての時系列変化量が閾値以下である場合に、細胞外液の電気抵抗Reの変化が小さいと判定する。
次に、第6実施形態の作用効果について以下に説明する。
第6実施形態によれば、電気抵抗測定部103は、互いに異なる複数の周波数を用いて利用者の生体インピーダンスZに関するリアクタンス成分Xを周波数ごとに測定する。そしてコンディション評価部105は、細胞外液の変化が小さい場合には、今回における各周波数のリアクタンス成分Xの最小値と、前回における各周波数のリアクタンス成分Xの最小値とに基づいて身体全体に長期的な脱水症状が発生しているか否かを判定する。
このように、細胞外液の変化が小さい場合には、今回のリアクタンス成分Xの最小値と前回におけるリアクタンス成分Xの最小値との変化を検出することにより、図14に示したように細胞内液の電気抵抗Riの変化を捉えることができる。したがって、筋細胞の状態を特定することが可能になるので、身体全体に長期的な脱水症状が発生しているか否かを判定することができる。
また、本実施形態によれば、電気抵抗測定部103は、2点の周波数として上述の第1測定周波数及び第2測定周波数を用いて測定された測定部位のリアクタンス成分Xを周波数ごとに取得する。そしてコンディション評価部105は、各周波数のリアクタンス成分Xの最小値として今回差分絶対値Ad1及び前回差分絶対値Ad2を演算する。
図14に示したように、2点の周波数でのリアクタンス成分Xの差分絶対値Adが大きくなるほど、各周波数のリアクタンス成分Xの最小値は小さくなる。このため、測定周波数の点数を2点に減らしても、身体全体に長期的な脱水症状が発生しているか否かを判定することができる。すなわち、コンディション評価部105の演算負荷を低減しつつ、測定部位の状態をきめ細かく評価することができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態における測定部位の筋細胞の状態を評価する手法について図16A及び図16Bを参照して説明する。
図16Aは、筋肉が発達した状態における筋細胞の様子の一例を示す図である。図16Aに示すように、筋肉が発達した状態では、筋細胞が肥大して細胞内液が多くなる。
図16Bは、筋肉が萎縮した状態における筋細胞の様子の一例を示す図である。図16Bに示すように、筋肉が萎縮した状態では、筋細胞が萎縮して細胞内液が少なくなる。
このように、筋細胞の肥大及び萎縮により細胞内液の水分量が変化する。このため、細胞内液の電気抵抗Riの変化を捉えることにより、利用者の筋細胞の発達状態を評価することができる。
本実施形態のコンディション評価部105は、第6実施形態のように生体インピーダンスZのCole-Coleプロットにおける極点の変化を検出することにより、細胞内液の電気抵抗Riの変化を捉える。
例えば、コンディション評価部105は、図15のステップS24のように、今回差分絶対値Ad1が前回差分絶対値Ad2を上回るか否かを判断する。そしてコンディション評価部105は、今回差分絶対値Ad1が前回差分絶対値Ad2を上回る場合には、利用者の測定部位の筋肉は萎縮していると判定し、今回差分絶対値Ad1が前回差分絶対値Ad2を下回る場合には、利用者の測定部位の筋肉は発達していると判定する。
なお、前回差分絶対値Ad2に代えて、一般的な人の筋肉の状態を基準に定められた差分絶対値Adを用いてもよい。これにより、一般的な人と比較した評価を行うことができる。
このように、第7実施形態によれば、細胞内液の電気抵抗Riの変化を捉えることにより、利用者の測定部位の筋肉の発達状態を評価することができる。
なお、第6実施形態と第7実施形態とは同様の判定手法であるため、生体測定装置10を利用する人の用途に応じて表示内容を切り替えればよい。例えば、利用者のタイプを操作部101に入力できるようにしておき、「アスリート」、「高齢者」又は「幼児」などを選択した場合には、筋肉の発達状態を表示するようにし、「一般人」を選択した場合には、身体全体が長期的な脱水状態であるか否かを表示するようにする。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述の実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
本願は、2017年12月28日に日本国特許庁に出願された特願2017-254712に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
10 生体測定装置(コンディション評価装置)
102 体重測定部(体重取得手段)
103 電気抵抗測定部(インピーダンス取得手段)
104 相関データ保持部(回帰線取得手段、線分回帰線取得手段)
105 コンディション評価部(評価手段、演算手段)
108 記憶部(プログラム)

Claims (14)

  1. 利用者の体重を取得する体重取得手段と、
    前記利用者の特定の部位の生体インピーダンスを取得するインピーダンス取得手段と、
    人の体重と人の身体部位の生体インピーダンスとの相関関係、前記利用者の体重、及び前記利用者の前記部位の生体インピーダンスに基づいて、前記部位のコンディションを評価する評価手段と、
    を含むコンディション評価装置。
  2. 利用者の体重を取得する体重取得手段と、
    前記利用者の特定の部位の生体インピーダンスを取得するインピーダンス取得手段と、
    前記利用者の体重と前記部位の生体インピーダンスとに基づいて、前記部位のコンディションを評価する評価手段と、を含み、
    前記評価手段は、
    体重及び身体部位の生体インピーダンスの相関関係を示す所定の回帰線を取得する回帰線取得手段を含み、
    前記利用者の体重及び前記部位の生体インピーダンスと前記回帰線とを用いて前記部位のコンディションを判定する、
    コンディション評価装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のコンディション評価装置であって、
    前記評価手段が判定する前記部位のコンディションは、前記部位における体水分量の変化を伴うコンディションを含み、
    前記評価手段は、
    前記部位における前記体水分量の変化の程度を示す体水分量変化度を演算する演算手段をさらに含む、
    コンディション評価装置。
  4. 請求項3に記載のコンディション評価装置であって、
    前記演算手段は、前記利用者の体重及び前記部位の生体インピーダンスにより特定される座標点と前記相関関係を示す所定の回帰線との距離を求め、当該距離に応じて前記体水分量変化度を演算する、
    コンディション評価装置。
  5. 請求項4に記載のコンディション評価装置であって、
    前記利用者の前記部位の生体インピーダンスは、当該利用者の左側部位の生体インピーダンス及び右側部位の生体インピーダンスを含み、
    前記演算手段は、
    前記利用者の体重及び前記左側部位の生体インピーダンスにより特定される左座標点を時系列に示す第1取得データに基づいて当該左座標点のベクトルを求め、
    前記利用者の体重及び前記右側部位の生体インピーダンスにより特定される右座標点を時系列に示す第2取得データに基づいて当該右座標点のベクトルを求め、
    前記左座標点のベクトルと前記右座標点のベクトルとに基づいて、前記体水分量変化度を補正する、
    コンディション評価装置。
  6. 請求項5に記載のコンディション評価装置であって、
    前記演算手段は、前記左座標点のベクトルと前記右座標点のベクトルとの差分ベクトルに応じて前記体水分量変化度を補正する、
    コンディション評価装置。
  7. 請求項3から請求項6までのいずれか一項に記載のコンディション評価装置であって、
    前記評価手段は、前記利用者の体重において当該利用者の生体インピーダンスが前記相関関係を示す所定の回帰線の値を下回る場合には、前記部位が前記体水分量の変化を伴うコンディションが発生していると判定する、
    コンディション評価装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のコンディション評価装置であって、
    前記部位の生体インピーダンスは、当該生体インピーダンスのリアクタンス成分及びレジスタンス成分のうち少なくとも一方の値を含む、
    コンディション評価装置。
  9. 請求項7に記載のコンディション評価装置であって、
    前記部位の生体インピーダンスに関するリアクタンス成分及びレジスタンス成分の関係を示す所定の成分回帰線を取得する成分回帰線取得手段と、
    前記インピーダンス取得手段により取得される前記部位の生体インピーダンスに関するリアクタンス成分及びレジスタンス成分の各値を演算する成分演算手段と、
    前記各値により特定される座標点と前記成分回帰線との乖離度を演算する乖離演算手段と、を含み、
    前記評価手段は、前記体水分量変化度に基づいて前記部位が正常であると判定した場合には、前記乖離度に応じて前記体水分量変化度を補正する、
    コンディション評価装置。
  10. 請求項9に記載のコンディション評価装置であって、
    前記インピーダンス取得手段は、
    前記リアクタンス成分として、第1周波数を用いた前記利用者の生体インピーダンスを取得し、
    前記レジスタンス成分として、前記第1周波数よりも高い第2周波数を用いた前記利用者の生体インピーダンスを取得する、
    コンディション評価装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のコンディション評価装置であって、
    前記インピーダンス取得手段は、互いに異なる複数の周波数を用いた前記利用者の全身又は前記部位の生体インピーダンスのリアクタンス成分を取得し、
    前記評価手段は、今回における各周波数のリアクタンス成分のうちの最小値と、前回における前記各周波数のリアクタンス成分のうちの最小値とに基づいて、前記利用者の身体全体が長期的な脱水状態であるか否かを判定する、
    コンディション評価装置。
  12. 請求項11に記載のコンディション評価装置であって、
    前記インピーダンス取得手段は、2点の周波数を用いた前記リアクタンス成分を取得し、
    前記評価手段は、前記各周波数のリアクタンス成分のうちの最小値として、前記2点のリアクタンス成分の差分絶対値を演算する、
    コンディション評価装置。
  13. 装置により実行されるコンディション評価方法であって、
    利用者の体重を取得する体重取得ステップと、
    前記利用者の特定の部位の生体インピーダンスを取得するインピーダンス取得ステップと、
    人の体重と人の身体部位の生体インピーダンスとの相関関係、前記利用者の体重、及び前記利用者の前記部位の生体インピーダンスに基づいて、前記部位のコンディションを評価する評価ステップと、
    を含むコンディション評価方法。
  14. コンピュータに、
    利用者の体重を取得する体重取得ステップと、
    前記利用者の特定の部位の生体インピーダンスを取得するインピーダンス取得ステップと、
    人の体重と人の身体部位の生体インピーダンスとの相関関係、前記利用者の体重、及び前記利用者の前記部位の生体インピーダンスに基づいて、前記部位のコンディションを評価する評価ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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