JP7386471B2 - ポリマー薄膜付き基材及びその製造方法 - Google Patents

ポリマー薄膜付き基材及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、所定方向に配向したポリマー分子を含むポリマー薄膜付き基材及びその製造方法に関する。
特定の材料に圧力を印加して歪みを生じさせると電圧を発生する圧電性を有する材料は、圧電性材料として知られている。圧電性材料としては、例えば、水晶等の絶縁体単結晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、チタン酸バリウム、又はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電セラミックス等が知られ、広く用いられている。これらの材料は、作製プロセスが高温であり、また剛性が高く種々の形状に成形するのが困難であるため、製造上において若干制限がある。圧電現象は、上記のような無機材料のみならず、有機材料たるポリマー材料でも発現する。そして、ポリマー材料は、無機材料にはない柔軟性、成形性等を有することから、従来の無機材料とは異なる用途への適用が可能である。しかも、ポリマーは無機材料と比較して低温での作製が可能である。
圧電性を有するポリマー材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ尿素等が知られている。このようなポリマー材料の圧電性は、例えばPZT等の無機材料には及ばない。そこで、圧電性に優れるポリマー材料の出現が期待される。圧電性を向上させるには、圧電性の指標である圧電定数を大きくすることが考えられる。そして、圧電定数は、電気的に活性な相の量によって決定されるため、そのような相の比率を高めれば圧電定数が高くなると考えられる。
ところで、原料モノマーを用いて基材上にポリマー膜を形成する手法として蒸着重合が知られている(特許文献1~3参照)。蒸着重合は、膜材料たるポリマーを用いて蒸着により直接的に膜形成をするのではなく、蒸着の際の加熱により基材上でモノマーを重合反応させることでポリマーの膜を形成する成膜法である。蒸着重合によるポリマー膜の成膜は、基材上にポリマーを直接的に成膜して得られるポリマー膜とは異なる構造を有するポリマー膜を形成することが可能とされる。
特開平9-2778805号公報 特開2003-300273号公報 特開2006-182847号公報
蒸着重合により基材上にポリマー薄膜を形成するに際し、双極子モーメントをもつ非対称性のモノマーを用い、一定の方向に配向させて薄膜を形成することができれば、当該薄膜は全体として大きな双極子モーメントをもつようになり、圧電性が発現することが期待される。しかし、特許文献1~3に記載の蒸着重合においては、モノマーを一定の方向に配向させることは考慮されておらず、上記のような圧電性が発現するポリマー薄膜を形成することは困難である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、圧電性に優れるポリマー薄膜を有するポリマー薄膜付き基材、及びその製造方法を提供することにある。
前記課題を解決する本発明の一態様は以下の通りである。
(1)基材上に、所定の方向に配向した多数の鎖状の芳香族ポリマー分子を含むポリマー薄膜が形成されたポリマー薄膜付き基材であって、
前記鎖状の芳香族ポリマー分子が、非対称な分子構造を有する非対称性芳香族モノマーが重合して鎖状をなす全芳香族ポリエステル及び/又は全芳香族ポリエステルアミドであり、下記条件1又は2を満たす、ポリマー薄膜付き基材。
(条件1)前記ポリマー薄膜に対して、透過法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(A)と、前記ポリマー薄膜を構成する芳香族ポリマー分子と同じ芳香族ポリマー分子を無配向状態で含む試料をKBr錠剤法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(B)との比の値(A/B)が0~0.67である。
(条件2)前記ポリマー薄膜に対して、高感度反射法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(A)と、前記ポリマー薄膜を構成する芳香族ポリマー分子と同じ芳香族ポリマー分子を無配向状態で含む試料をKBr錠剤法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(B)との比の値(A/B)が2以上である。
(2)前記非対称性芳香族モノマーが、下記構造式(I)~(IV)で表される構造単位のうちのいずれかの構造を有するモノマーである、前記(1)に記載のポリマー薄膜付き基材。
Figure 0007386471000001
(3)前記ポリマー薄膜の膜厚が30~700nm以上である、前記(1)又は(2)に記載のポリマー薄膜付き基材。
(4)水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のうちのいずれかと反応して結合を形成し得る官能基を有する表面処理剤を用い、前記官能基が露出するように基材の表面を前記表面処理剤により修飾する工程と、
前記表面処理剤の官能基と反応して結合を形成し得る、非対称な分子構造を有する非対称性芳香族モノマーを用い、気相重合により前記基材の表面にポリマー薄膜を形成する工程と、を含み、
前記気相重合中に、重合反応により生じる副生成物を反応系内から排出する工程を含む、ポリマー薄膜付き基材の製造方法。
(5)前記副生成物を反応系内から排出する工程を所定時間毎に実行する、前記(4)に記載のポリマー薄膜付き基材の製造方法。
(6)前記気相重合において、前記非対称性芳香族モノマーを、真空度1×10Paの環境下で、前記非対称性芳香族モノマーの沸点よりも150~50℃低い温度で蒸発させ、前記基材の温度を、前記非対称性芳香族モノマーの沸点よりも100~0℃低い温度に設定して気相重合を行う、前記(4)又は(5)に記載のポリマー薄膜付き基材の製造方法。
(7)前記非対称性芳香族モノマーが、下記構造式(I)~(IV)で表される構造単位のうちのいずれかの構造を有するモノマーである、前記(4)~(6)のいずれかに記載のポリマー薄膜付き基材の製造方法。
Figure 0007386471000002
(8)前記非対称性芳香族モノマーがアシル化されている、前記(7)に記載のポリマー薄膜付き基材の製造方法。
本発明によれば、圧電性に優れるポリマー薄膜を有するポリマー薄膜付き基材、及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態のポリマー薄膜付き基材を側方から見た状態を示す模式図である。 本実施形態において使用する蒸着重合装置を示す模式図である。
<ポリマー薄膜付き基材>
本実施形態のポリマー薄膜付き基材は、基材上に、所定の方向に配向した多数の鎖状の芳香族ポリマー分子(以下、単に「ポリマー分子」とも呼ぶ。)を含むポリマー薄膜が形成されたポリマー薄膜付き基材である。そして、鎖状の芳香族ポリマー分子が、非対称な分子構造を有する非対称性芳香族モノマーが重合して鎖状をなす全芳香族ポリエステル及び/又は全芳香族ポリエステルアミドである。また、下記条件1又は2を満たす。
(条件1)ポリマー薄膜に対して、透過法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(A)(以下、単に「吸収ピークの比(A)とも呼ぶ。」)と、ポリマー薄膜を構成する芳香族ポリマー分子と同じ芳香族ポリマー分子を無配向状態で含む試料をKBr錠剤法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(B)(以下、単に「吸収ピークの比(B)とも呼ぶ。」)との比の値(A/B)が0~0.67である。
(条件2)ポリマー薄膜に対して、高感度反射法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(A)と、ポリマー薄膜を構成する芳香族ポリマー分子と同じ芳香族ポリマー分子を無配向状態で含む試料をKBr錠剤法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(B)との比の値(A/B)が2以上である。
本実施形態のポリマー薄膜付き基材は、図1に示すように、基材12上に多数のポリマー分子14が基材12の垂直方向に配向してなり、多数のポリマー分子14がポリマー薄膜16を構成する。ポリマー分子14は非対称性芳香族モノマーが結合してなる鎖状をなしている。なお、図1は、ポリマー薄膜付き基材10の形態を模式的に示したものであり、実際の寸法比率とは対応していない。
本実施形態のポリマー薄膜付き基材において、ポリマー薄膜は、所定の方向に配向した多数の鎖状のポリマー分子を含む。そして、基材が赤外線透過性を有する場合は条件1を満たし、基材が赤外線非透過性の場合は条件2を満たす。条件1及び2はいずれも、ポリマー薄膜を構成するポリマー分子が基材に対して概ね垂直方向に配向していることを示している。ここで、「基材に対して概ね垂直方向」とは、完全に90°の方向のみならず90±45°の方向をも含むものとする。なお、基材が赤外線透過性であるか、赤外線非透過性であるかは厳密なものではなく、赤外線分析の測定法が、透過法が適しているか、高感度反射法が適しているかにより区別される。
条件1及び2における、吸収ピークの比(A)と吸収ピークの比(B)との比の値(A/B)について説明する。波数1600cm-1での吸収ピークは、ベンゼン環のC1-C4方向の骨格振動に対する吸収を示す。そして、ベンゼン環が基材に対して概ね垂直方向に配向していると、C1-C4方向における骨格振動は、上記吸収ピークの比(A)が、上記吸収ピークの比(B)よりも小さくなる。すなわち、上記吸収ピークの比(A)と上記吸収ピークの比(B)との比の値(A/B)が、条件1の場合は0~0.67であり、条件2の場合は2以上であるとポリマー分子鎖が基材に対して概ね垂直方向に配向していることを示している。
条件1及び2のそれぞれにおいて規定する比の値(A/B)の根拠について説明する。
透過法において、ポリマー分子鎖が基材の法線から角度θ傾いて配向している場合について空間的な積分によって詳細な解析を行う(藤森二郎 1992年 東京工業大学修士論文より)。ポリマー分子鎖が基材の法線から角度θ傾いて配向している場合の吸収ピークの比Aは、無配向状態の場合の吸収ピークの比Bの(2sin2θ)/(cos2θ+1)倍となる。この式が示す関数はθに対して単調増加であることから、θ=45°よりも小さい傾きで配向している場合に、上記比の値(A/B)の上限は2/3、すなわち約0.67となる。
同様に、高感度反射法の場合には、2cot2θ倍となり、この式が示す関数が単調減少であることから、θ=45°よりも小さい傾きで配向している場合に上記比の値(A/B)の下限は2となる。
なお、条件2において、ポリマー分子鎖が基材に対して垂直に配向している場合、すなわち、ポリマー分子鎖の基材の法線からの傾き角度θが0°の場合、ゼロ除算となるが、本実施形態においては、当該傾き角度θが0°の場合も含む。
本実施形態においては、上記の通り、ポリマー薄膜を構成する芳香族ポリマー分子と同じ芳香族ポリマー分子を無配向状態で含む試料を用いる。そして、その試料をKBr錠剤法による赤外線分析で測定して得られる、特定の波数における吸収スペクトルの比を判断の基準とする。ポリマー薄膜を構成するポリマー分子が4-ヒドロキシ安息香酸のホモポリマーの場合、4-ヒドロキシ安息香酸のホモポリマーを無配向状態で含む試料は、例えば、以下のようにして得られる。
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、脂肪酸金属塩触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始する。
(原料)
4-ヒドロキシ安息香酸;172.5g(100mol%)
アシル化剤(無水酢酸);87g
重合容器に原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で1時間反応させる。その後、更に325℃まで3.5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、及びその他の低沸分を留出させながら溶融重合を行う。流出量が121mlとなった時点で、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマー(4-ヒドロキシ安息香酸のホモポリマー)を排出する。
本実施形態において、ポリマー薄膜を構成するポリマー分子は、非対称性芳香族モノマーが重合して鎖状をなす全芳香族ポリエステル及び/又は全芳香族ポリエステルアミドである。そして、非対称性芳香族モノマーは、双極子モーメントをもち、それが多数結合して鎖状をなすと、ポリマー分子鎖に沿って大きな双極子モーメントをもつこととなる。その結果、ポリマー薄膜は、圧電性、焦電性及び強誘電性に優れる。また、熱伝導性にも優れることから、熱伝導性材料としても有用である。
[ポリマー薄膜]
ポリマー薄膜は、上記の通り、非対称な分子構造を有する非対称性芳香族モノマーが重合してなる鎖状のポリマー分子を多数含む。つまり、当該ポリマー分子は、基材に対して垂直方向に配向しており、上記の通り、ポリマー分子の分子鎖に沿って大きな双極子モーメントをもつ。ポリマー分子が大きな双極子モーメントをもつには、ポリマー分子内における結合の方向(エステル結合であれば、「-COO-」の向き)が一定であることが好ましい。
ポリマー分子の由来となる非対称性芳香族モノマーは、芳香族基を有し、互いに反応して結合を生じ得る一対の官能基を有し、それぞれの官能基は180°反対方向を向いているため結合により鎖状となる。当該一対の官能基の組合せとしては、水酸基とカルボキシル基との組合せ、アミノ基とカルボキシル基との組合せが挙げられる。前者の組合せは芳香族ポリエステルとなり、後者の組合せは芳香族ポリアミドとなる。
非対称性芳香族モノマーは、下記構造式(I)~(IV)で表される構造単位のうちのいずれかの構造を有するモノマーであることが好ましい。
Figure 0007386471000003
構造式(I)で表される構造単位を有するモノマーとしては、4-ヒドロキシ安息香酸(以下、「HBA」ともいう。)が挙げられる。
構造式(II)で表される構造単位を有するモノマーとしては、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(以下、「HNA」とも呼ぶ。)が挙げられる。
構造式(III)で表される構造単位を有するモノマーとしては、4-ヒドロキシ-4’-ビフェニルカルボン酸(以下、「HBCA」とも呼ぶ。)が挙げられる。
構造式(IV)で表される構造単位を有するモノマーとしては、N-アセチル-アミノ安息香酸が挙げられる。
なお、いずれも重合後に構造式(I)~(IV)で表される構造単位となればよく、上記のように例示したモノマーに限定されることはない。例えば、上記例示のモノマーの水酸基又はアミノ基をアシル化したものを用いてもよい。
本実施形態において、ポリマー薄膜の膜厚としては、30~700nmが好ましく、 100~500nmがより好ましい。
[基材]
本実施形態において使用される基材としては、プロセス温度である200~300℃に対して耐久性を有するものであれば制限はない。例えば、シリコン基板、アルミニウム基板、セラミック薄膜、ガラス基板等が挙げられる。基材の厚みとしては、特に限定されることなく適宜設定することができる。また、基材の形状としては、板状、シート状、箔状、等が挙げられ、立体的形状を有していてもよい。
以上の本実施形態のポリマー薄膜付き基材は、圧電性、焦電性及び強誘電性、並びに熱伝導性に優れるため、圧電材料、焦電材料及び強誘電材料として好適に使用することができる。
また、本実施形態のポリマー薄膜付き基材は、高熱伝導材料、耐熱性電子・光素子(高分子トランジスタ、光伝導、有機EL、電気光効果、非線形光学効果等)のように使用することができる。
<ポリマー薄膜付き基材の製造方法>
以上のポリマー薄膜は、本実施形態のポリマー薄膜の製造方法により製造することができる。本実施形態のポリマー薄膜付き基材の製造方法は、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のうちのいずれかと反応して結合を形成し得る官能基を有する表面処理剤を用い、上記官能基が露出するように基材の表面を表面処理剤により修飾する工程(以下、「工程A」とも呼ぶ。)と、表面処理剤の官能基と反応して結合を形成し得る、非対称な分子構造を有する非対称性芳香族モノマーを用い、気相重合により基材の表面にポリマー薄膜を形成する工程(以下、「工程B」とも呼ぶ。)と、を含み、気相重合中に、重合反応により生じる副生成物を反応系内から排出する工程を含むことを特徴としている。
本実施形態のポリマー薄膜付き基材の製造方法においては、工程Aにおいて表面処理剤により基材の表面を修飾して、水酸基等と反応して結合を形成し得る官能基を露出させる。そして、工程Bにおいて、露出した官能基を起点とし、気相重合により非対称性芳香族モノマーを重合させる。そのため、表面処理剤の官能基から基材に対して垂直方向に多数の非対称芳香族モノマーが結合して鎖状のポリマー分子となり、当該鎖状のポリマー分子を多数含むポリマー薄膜が形成される。しかも、表面処理剤の官能基を起点として重合反応(重縮合反応)が進行するため、ポリマー分子内における結合の方向(エステル結合であれば、「-COO-」の向き)が一定となる。そして、いずれのポリマー分子も、表面処理剤の官能基を起点として重合反応が一律に進行するため、ポリマー薄膜におけるいずれのポリマー分子においても結合の方向が一定となる。その結果、双極子モーメントをもつ非対称性芳香族モノマーが、基材と垂直方向に多数結合して鎖状のポリマー分子となるため、基材と垂直方向において大きな双極子モーメントが生じる。ひいては、本実施形態のポリマー薄膜付き基材は圧電性、焦電性及び強誘電性に富み、圧電材料、焦電材料又は強誘電材料として有用である。
以下、各工程について説明する。
[工程A]
工程Aは、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のうちのいずれかと反応して結合を形成し得る官能基を有する表面処理剤を用い、官能基が外部に露出するように基材の表面を修飾する工程である。本工程において、まず、上記官能基を有する表面処理剤を準備する。そして、当該表面処理剤を、当該官能基が露出するように基材の表面に付与し、基材の表面を表面処理剤により修飾する。この状態では、基材の表面に上記官能基が露出した状態となり、工程Bにおいて、表面処理剤の官能基と反応して結合を形成し得る、非対称な分子構造を有する非対称性芳香族モノマーが結合可能な状態となる。
本実施形態において使用し得る基材は、上述した基材と同様である。当該基材の例示及び好ましい例は上述の内容と同様であるため、ここではその説明を省略する。
本実施形態において使用し得る表面処理剤としては、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のうちのいずれかと反応して結合を形成し得る官能基を有するものであり、当該官能基としては、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、ビニル基、スチリル基、メタクリル基アクリル基、ウレイド基、メルカプト基等が挙げられる。表面処理剤としては、具体的には、シランカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、3-(2-アミノエチルアミン)プロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
工程Aにおいて、表面処理剤により基材の表面を修飾する手法としては特に制限はなく、例えば、表面処理剤を含む溶液に基材を浸漬することにより行ってもよいし、基材の表面に表面処理剤を含む溶液を塗布することによって行ってもよい。浸漬又は塗布の時間、及びそのときの温度条件等は適宜設定することができる。なお、基材の表面に表面処理剤を含む溶液を塗布の場合、塗布後にリンスすることが好ましい。
また、使用する表面処理剤は、基材上において単位面積当たりの量が1×10-6~1×10-3g/cmとなるように使用することが好ましい。
基材を表面処理剤により修飾処理する前に、超音波洗浄、UVオゾン洗浄等により基材の表面を洗浄することが好ましい。
[工程B]
工程Bは、表面処理剤の官能基と反応して結合を形成し得る、非対称な分子構造を有する非対称性芳香族モノマーを用い、気相重合により基材の表面にポリマー薄膜を形成する工程である。本工程において、非対称性芳香族モノマーは、互いに反応することができる一対の官能基を有するとともに、そのうちのいずれかの官能基は表面処理剤の水酸基等と反応して結合し得る官能基である。そして、気相重合により、まず非対称性芳香族モノマーは表面処理剤の官能基と反応して結合し、当該官能基と結合した非対称性芳香族モノマーは、その後、別の非対称性芳香族モノマーと結合し、このような結合を繰り返すことにより、つまり重合することにより、多数の非対称性芳香族モノマーが結合して鎖状となる。また、表面処理剤の官能基は基材と垂直方向に配向することで、表面処理剤の官能基と結合する非対称性芳香族モノマーも基材と垂直方向に配向することとなる。つまり、蒸着重合により形成される鎖状のポリマー分子は基材と垂直方向に配向する。しかも、上記の通り、ポリマー薄膜におけるいずれのポリマー分子においても結合の方向が一定となる。
工程Bで用いる非対称性芳香族モノマーは、上述の通り、芳香族基を含み、非対称な分子構造を有する。また、互いに反応し得る一対の官能基を有し、そのうちの1つは表面処理剤の官能基と反応して結合を形成し得る。さらに、互いに反応し得る一対の官能基は、180°反対方向を向いている。その他、当該非対称性芳香族モノマーの例示及び好ましい例は上述の内容と同様であるため、ここではその説明を省略する。
なお、構造式(I)~(IV)で表される構造単位を有するモノマーとしては、反応が穏やかになることから、アシル化したものを用いることが好ましい。
ここで、気相重合に用いる装置の一例として蒸着重合装置について図2を参照して説明する。図2に示す蒸着重合装置20は、真空チャンバー22と、真空装置に接続される不図示の配管と、外部に連通する配管24とを備える。配管24にはバルブ26を備え、バルブ26の開閉により真空チャンバー22内が開空間と閉空間とに切り換え可能となっている。真空チャンバー22内には、原料モノマーを収容する原料モノマー容器28と、ポリマー薄膜を形成するターゲットとなる基材30とが設けられる。原料モノマー容器28及び基材30にはヒーターが設けられており、それぞれ別々に加熱される。
以上の構成の蒸着重合装置20において、気相重合(蒸着重合)するに際し、まず真空装置を稼働させ、真空チャンバー22内を真空に保つ。次いで、原料モノマーが収容された原料モノマー容器28を、原料モノマーの沸点以上の温度となるように加熱して原料モノマーを蒸発(又は昇華)させる。併せて、基材を、原料モノマーが重合反応を起こす温度以上の温度に加熱する。そのような状態において、蒸発した原料モノマーは、基材表面において、表面処理剤の官能基を起点として重合反応が進行し鎖状のポリマー分子が形成される。
本実施形態において、気相重合における真空チャンバー内の圧力は、10-0.1~10-3Paとすることが好ましい。
また、温度条件としては、原料モノマーが基材に到達するまでに損失するエネルギーを最小限とするため、系全体を高温とし、かつ、原料モノマーの重合反応の活性化エネルギーを下回らないように基材を高温とすることが好ましい。このような非対称性芳香族モノマーの蒸発温度及び基材の加熱温度については後述する。
本実施形態においては、気相重合中に、重合反応により生じる副生成物を反応系内から排出する工程を含む。非対称性芳香族モノマーが、例えば、HBAをアシル化(アセチル化)したものである場合、蒸着重合の進行に伴い、副生成物として酢酸が生じる。酢酸の比率が多くなると生成物が加水分解するなど重合反応に影響が及ぶ。さらに、反応系において副生成物濃度が増大するため平衡状態となり重合反応が停止する。そのため、重合容器を排気しつつ、副生成物を排出する必要がある。そこで、本実施形態においては、重合反応によって生じる副生成物を反応系から排出する工程を設けている。その結果、副生成物の重合反応への影響が低減し、重合反応が進行しポリマー分子の分子鎖が長くなる。なお、図2に示す蒸着重合装置においては、バルブ26を開状態とすることにより副生成物の排出をすることができる。
鎖状のポリマー分子をより長く成長させるには、排出工程を所定時間毎に実行することが好ましい。例えば、真空中で0.1~3時間重合反応を実行した後、1~60分間排出工程を設けることが好ましい。そして、そのような重合反応及び排出工程のサイクルを1~100回繰り返すことが好ましい。
気相重合において、非対称性芳香族モノマーを、真空度1×10Paの環境下で、非対称性芳香族モノマーの沸点よりも150~50℃低い温度で蒸発させ、基材の温度を、非対称性芳香族モノマーの沸点よりも100~0℃低い温度に設定することが好ましい。非対称性芳香族モノマーの蒸発温度と、基材の温度とをこのように設定することで、非対称性芳香族モノマーが基材に向けて飛散し、基材表面に到達するとその瞬間に重合反応が起きるようになる。ひいては、重合反応が好適に進行し、ポリマー膜を効率良く形成することができる。
以下に、実施例により本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、基材としてアルミニウム蒸着ガラス基板(厚み:1.5mm)を用い、アセトン、エタノールの順に浸漬しそれぞれ超音波洗浄を各10分間行った。さらに、UVオゾン洗浄を10分間行った。次いで、表面処理剤として3質量%の3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランを加えたエタノールに1日浸漬して、基材の表面を表面処理剤により修飾した。
蒸着重合装置の原料モノマー容器に、非対称性芳香族モノマーとして4-アセトキシ安息香酸を投入した。併せて、上記のように表面処理剤による修飾を施した基材を所定位置に載置した。この状態で、原料モノマー容器の温度が180℃、基材の温度が240℃となるようにそれぞれ加熱しつつ、1.2×10Paの真空とすることにより蒸着重合を行った。また、1時間経過後、3分間排気を行い、副生成物を系内から除去した。このような1時間毎の排気3回繰り返した。
以上のようにして、基材に対して80nmのポリマー薄膜を形成し、ポリマー薄膜付き基材を得た。
得られたポリマー薄膜付き基材に対して、高感度反射法による赤外線分析を行った。赤外線分光装置には、日本分光(株)製、FT-IR spectrometer FTIR-6100を使用し、積算回数128回、分解能4.0cm-1にて測定した。そして、高感度反射法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(A)を求めた。
また、ポリマー薄膜を構成する芳香族ポリマー分子と同じ芳香族ポリマー分子を無配向状態で含む試料としては、4-ヒドロキシ安息香酸のホモポリマーを無配向状態で含む試料を用いた。そして、その試料に対して、KBr錠剤法による赤外線分析を行い、波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(B)を求めた。
得られた各吸収ピークの比より、比の値(A/B)を求めたところ3.2であった。本実施例では高感度反射法による赤外線分析を行っており、条件2を満たすことから、形成されたポリマー分子は、基材に対して垂直に配向していることを示している。
[実施例2]
蒸着重合において、1時間毎の排気を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、基材に対して5nmのポリマー薄膜が形成されたポリマー薄膜付き基材を得た。また、得られたポリマー薄膜付き基材に対して高感度反射法による赤外線分析を行い、実施例1と同様にして比の値(A/B)を求めたところ3.2であった。すなわち、実施例1と同様に条件2を満たすことから、形成されたポリマー分子が、基材に対して垂直に配向していることを示している。
[実施例3]
非対称性芳香族モノマーを4-ヒドロキシ安息香酸に代えたこと、及び基材としてシリコン基板(厚み:1mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、基材に対して45nmのポリマー薄膜が形成されたポリマー薄膜付き基材を得た。また、得られたポリマー薄膜付き基材に対して透過法による赤外線分析を行い、実施例1と同様にして比の値(A/B)を求めたところ0.5であった。本実施例では透過法による赤外線分析を行っており、条件1を満たすことから、形成されたポリマー分子が、基材に対して垂直に配向していることを示している。
[比較例1]
非対称性芳香族モノマーを4-ヒドロキシ安息香酸に代えたこと、及び表面処理剤による修飾をしていない基材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、基材に対して100nmのポリマー薄膜が形成されたポリマー薄膜付き基材を得た。また、得られたポリマー薄膜付き基材に対して高感度反射法による赤外線分析を行い、実施例1と同様にして比の値(A/B)を求めたところ1.0であった。すなわち、条件2を満たさないことから、ポリマー分子は垂直に配向しなかったと考えられる。
以上の実施例1~3及び比較例1について、下記表1にまとめて示す。表1において、1時間毎に3分間の排気を行った場合を「あり」として示した。また、ポリマー分子が基材に対して垂直に配向した場合を「○」とし、垂直に配向しなかった場合を「×」として示した。
Figure 0007386471000004
表1より、実施例1~3においては、ポリマー分子が垂直に配向したポリマー薄膜が得られたことが分かる。これに対して、表面処理剤による修飾をしていない基材を用いた比較例1は、ポリマー分子が垂直に配向しなかった。なお、実施例2は、垂直配向はしているものの、排気を行っていないため十分な長さの鎖状のポリマー分子が形成されず、ポリマー薄膜が他の実施例と比較して薄かった。
10 ポリマー薄膜付き基材
12 基材
14 ポリマー分子
16 ポリマー薄膜
20 蒸着重合装置
22 真空チャンバー
28 原料モノマー容器
30 基材

Claims (2)

  1. 基材上に、所定の方向に配向した多数の鎖状の芳香族ポリマー分子を含むポリマー薄膜が形成されたポリマー薄膜付き基材であって、
    前記鎖状の芳香族ポリマー分子が、非対称な分子構造を有する非対称性芳香族モノマーが重合して鎖状をなす全芳香族ポリエステル及び/又は全芳香族ポリエステルアミドであり、下記条件1又は2を満たし、
    前記ポリマー薄膜の膜厚が30~700nmである、ポリマー薄膜付き基材。
    (条件1)前記ポリマー薄膜に対して、透過法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(A)と、前記ポリマー薄膜を構成する芳香族ポリマー分子と同じ芳香族ポリマー分子を無配向状態で含む試料をKBr錠剤法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(B)との比の値(A/B)が0~0.67である。
    (条件2)前記ポリマー薄膜に対して、高感度反射法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(A)と、前記ポリマー薄膜を構成する芳香族ポリマー分子と同じ芳香族ポリマー分子を無配向状態で含む試料をKBr錠剤法による赤外線分析で測定される波数1740cm-1での吸収ピークに対する波数1600cm-1における吸収ピークの比(B)との比の値(A/B)が2以上である。
  2. 前記非対称性芳香族モノマーが、下記構造式(I)~(IV)で表される構造単位のうちのいずれかの構造を有するモノマーである、請求項1に記載のポリマー薄膜付き基材。
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