JP7385818B2 - 静菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静菌方法に関し、特に紫外線を利用した静菌方法に関する。
従来、紫外線を利用した殺菌方法として、下記特許文献1に記載されている技術が知られている。下記特許文献1によれば、0.008~0.17mW/cm2(8~170μW/cm2)の紫外線を照射することにより、大腸菌やカビを殺菌できることが記載されている。
特開2014-136113号公報
ところで、DNAは、波長260nm付近に最も高い吸収特性を示すことが知られている。そして、低圧水銀ランプは、波長254nm付近に高い発光スペクトルを示す。よって、紫外線を用いた殺菌処理を行う際には、光源として低圧水銀ランプが一般的に用いられる。
上記特許文献1には、波長について厳密な意味において記載がされていないが、殺菌技術に関するものであること、特段の説明がなく単に「紫外線ランプ」という名称で規定されていること、及び実験結果の内容に鑑みると、低圧水銀ランプが光源として用いられているものと考えられる。
しかしながら、波長254nm近傍の光は、人体に照射されると悪影響を及ぼすおそれがある。つまり、特許文献1に記載の殺菌方法は、殺菌対象となる領域内に人間が確実に存在しない場合に限ってしか利用することができない。このため、万一の事故を防止するためには、専門の知識を有する人間が存在する特定の環境下での利用に限定されてしまう。
本発明は、上記の課題に鑑み、人体への影響を抑制しながらも、菌の増殖を抑制する静菌方法を提供することを目的とする。
浴室、トイレ、洗面所、台所などの水回りや、エアコンのフィルタなど、カビなどの菌が増殖しやすい箇所においては、菌の増殖を抑制したいという需要がある。また、病院などでも、院内感染の予防力を高める観点から菌の増殖を抑制したいという需要がある。
ここで、菌の増殖を抑制する際に、存在する菌を完全に消滅させる、すなわち殺菌することができれば好ましいのは確かである。しかし、仮に「殺菌」状態が実現できていなくても、菌の増殖が抑制されている、いわゆる「静菌」状態が実現できれば、掃除が楽になったり、清掃の頻度を下げることができるなど、そのメリットは大きい。
本発明は、対象領域内の菌の増殖を抑制する静菌方法であって、
主ピーク波長が200nm以上、230nm以下の紫外線を、下記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下の平均照度で、前記対象領域に対して照射する工程(a)を含むことを特徴とする。
Max = 9391.1 × exp(-0.043λ)・・・(1)
ただし、(1)式においてλは前記主ピーク波長(nm)である。
主ピーク波長が200nm以上、230nm以下に属する波長帯の紫外線は、仮に人体の皮膚に対して照射されても、皮膚の角質層で吸収され、それよりも内側(基底層側)には進行しない。角質層に含まれる角質細胞は細胞としては死んだ状態であるため、例えば、波長254nmの紫外線が照射される場合のように、有棘層、顆粒層、真皮など、生きた細胞に吸収されてDNAが破壊されるというリスクがほとんど存在しない。
上記方法によれば、低圧水銀ランプから出射される紫外線の波長帯と比較して人体への影響が低い波長の紫外線を、従来の殺菌方法で照射される照度よりも極めて小さい照度で照射することで、静菌作用が奏される。これにより、人体への影響を極力抑制した状態で、対象領域内における菌の増殖が抑制される。かかる点については、「発明を実施するための形態」の項で後述される。
なお、本明細書において、「菌」とは、細菌とカビ(真菌)とを包含する概念である。
この紫外線の光源としては、Kr及びClを含む発光ガスが封入されたエキシマランプが利用可能である。かかる場合、エキシマランプからの紫外線の主ピーク波長は222nm近傍を示す。
前記工程(a)は、前記紫外線を1μW/cm2以下の照度で前記対象領域に対して照射する工程であるものとしても構わない。
前記菌が、黄色ブドウ球菌であり、
前記工程(a)は、0.4μW/cm2以上の照度で前記紫外線を前記対象領域に対して照射する工程であるものとしても構わない。
前記菌が、カビであり、
前記工程(a)は、0.29μW/cm2以上の照度で前記紫外線を前記対象物に対して照射する工程であるものとしても構わない。
前記工程(a)は、2時間以下の時間間隔で間欠的に実行されるものとしても構わない。
「発明を実施するための形態」の項で後述されるように、直前に紫外線を照射する工程(a)を実行後、2時間以上が経過すると、静菌の効果が低下することが確認された。上記の方法によれば、常時紫外線を照射することなく、対象領域に対して高い静菌効果を実現することができる。
前記静菌方法は、
人感センサによって前記対象領域内に人間が存在するか否かを検知する工程(b)と、
前記紫外線を、前記対象領域に対して前記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)より高い平均照度で照射する工程(c)とを有し、
前記工程(b)によって前記対象領域内に人間が存在することが検知されると、前記工程(c)から前記工程(a)に移行するものとしても構わない。
かかる方法によれば、人間が対象領域内に存在しない場合には、人体に対して影響が及ぶ可能性のある、DMax(μW/cm2)より高い照度で紫外線を照射しつつ、人間が対象領域内に存在する場合には、紫外線の照度がDMax(μW/cm2)以下に低下される。これにより、人体への影響を抑制しつつ、対象領域内における菌の増殖を抑制する効果が更に高められる。
本発明によれば、人体への影響を抑制しながらも、菌の増殖を抑制することが可能となる。
本発明に係る静菌方法の実施の状態を模式的に示す図面である。 紫外線照射装置の外観の一例を模式的に示す斜視図である。 図2から、紫外線照射装置のランプハウスの本体ケーシング部と蓋部とを分解した斜視図である。 エキシマランプと電極ブロックとの位置関係を模式的に示す平面図である。 発光ガスにKrClが含まれるエキシマランプから出射される紫外線のスペクトルを示す図面である。 下記(1)式で規定される閾値照度DMax(μW/cm2)を説明するためのグラフである。 本発明に係る静菌方法の実施の状態を模式的に示す別の図面である。 検証1における比較例1の結果を示す写真である。 検証1における比較例2の結果を示す写真である。 検証1における実施例1の結果を示す写真である。 検証2における比較例3(クラドスポリウムの胞子液)の結果を示す写真である。 検証2における比較例3(クラドスポリウムの菌株)の結果を示す写真である。 検証2における実施例2(クラドスポリウムの胞子液)の結果を示す写真である。 検証2における実施例2(クラドスポリウムの菌株)の結果を示す写真である。 検証2における比較例4(クラドスポリウムの胞子液)の結果を示す写真である。 検証2における比較例4(クラドスポリウムの菌株)の結果を示す写真である。 検証2における実施例3(クラドスポリウムの胞子液)の結果を示す写真である。 検証2における実施例3(クラドスポリウムの菌株)の結果を示す写真である。 汚染状態(#2)のクラドスポリウムの胞子液の、実施例4、実施例6、及び実施例7の結果を示す写真である。 汚染状態(#2)のクラドスポリウムの菌株の、実施例4、実施例6、及び実施例7の結果を示す写真である。
本発明に係る静菌方法の実施形態につき、適宜図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る静菌方法の実施の状態を模式的に示す図面である。本発明に係る静菌方法は、対象領域40に対して、紫外線照射装置1から紫外線L1を照射することで、対象領域40内における菌の増殖を抑制する方法に関する。図1では、紫外線照射装置1が筐体50に搭載されており、紫外線照射装置1の光取り出し面10から、対象領域40に対して紫外線L1が照射される様子が模式的に図示されている。
図2は、紫外線照射装置1の外観を模式的に示す斜視図である。図3は、図2から、紫外線照射装置1のランプハウス2の本体ケーシング部2aと蓋部2bとを分解した斜視図である。ただし、以下において説明される紫外線照射装置1の構造は、あくまで一例であり、本発明に係る静菌方法で利用される光源の構造は、限定されない。
以下の各図では、紫外線L1の取り出し方向をX方向とし、X方向に直交する平面をYZ平面とした、X-Y-Z座標系を参照して説明される。より詳細には、図3以下の図面を参照して後述されるように、エキシマランプ3の管軸方向をY方向とし、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。
図2及び図3に示すように、紫外線照射装置1は、一方の面に光取り出し面10が形成されたランプハウス2を備える。ランプハウス2は、本体ケーシング部2aと蓋部2bとを備え、本体ケーシング部2a内には、エキシマランプ3と、電極ブロック(11,12)とが収容されている。図3では、一例として、ランプハウス2内に4本のエキシマランプ3が収容されている場合が図示されている。電極ブロック(11,12)は、給電線8と電気的に接続されており、各エキシマランプ3に対して給電するための電極を構成する。図4は、エキシマランプ3と、電極ブロック(11,12)との位置関係を模式的に示す平面図である。
図2~図4に示すように、本実施形態の紫外線照射装置1は、それぞれのエキシマランプ3の発光管の外表面に接触するように、2つの電極ブロック(11,12)が配置されている。電極ブロック(11,12)は、Y方向に離間した位置に配置されている。電極ブロック(11,12)は、導電性の材料からなり、好ましくは、エキシマランプ3から出射される紫外線に対する反射性を示す材料からなる。一例として、電極ブロック(11,12)は、共に、Al、Al合金、ステンレスなどで構成される。電極ブロック(11,12)は、いずれも各エキシマランプ3の発光管の外表面に接触しつつ、Z方向に関して各エキシマランプ3に跨るように配置されている。
エキシマランプ3はY方向を管軸方向とした発光管を有し、Y方向に離間した位置において、エキシマランプ3の発光管の外表面が各電極ブロック(11,12)に対して接触している。エキシマランプ3の発光管には、発光ガス3Gが封入されている。各電極ブロック(11,12)の間に、給電線8(図2参照)を通じて、例えば10kHz~5MHz程度の高周波の交流電圧が印加されると、エキシマランプ3の発光管を介して発光ガス3Gに対して前記電圧が印加される。このとき、発光ガス3Gが封入されている放電空間内で放電プラズマが生じ、発光ガス3Gの原子が励起されてエキシマ状態となり、この原子が基底状態に移行する際にエキシマ発光を生じる。
発光ガス3Gは、エキシマ発光時に、主たる発光波長が200nm以上、230nm以下の紫外線L1を出射する材料からなる。一例として、発光ガス3Gとしては、KrCl、KrBrが含まれる。なお、前記のガス種に加えて、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)などの不活性ガスが混合されていても構わない。
例えば、発光ガス3GにKrClが含まれる場合には、エキシマランプ3から主たるピーク波長が222nm近傍の紫外線L1が出射される。発光ガス3GにKrBrが含まれる場合には、エキシマランプ3からは、主たるピーク波長が207nm近傍の紫外線L1が出射される。図5は、発光ガス3GにKrClが含まれるエキシマランプ3から出射される紫外線L1のスペクトルを示す図面である。
本発明に係る静菌方法を実施する場合には、紫外線照射装置1から、下記(1)式で規定される閾値照度DMax(μW/cm2)以下の平均照度で対象領域40に対して紫外線L1が照射される(工程(a))。ただし、(1)式においてλは紫外線L1の主ピーク波長(nm)である。すなわち、紫外線照射装置1に搭載されている光源が、発光ガス3GにKrClが含まれるエキシマランプ3である場合には、λ=222nmとなる。
Max = 9391.1 × exp(-0.043λ)・・・(1)
なお、exp(x)とは、exと同義である。
紫外線照射装置1は、図示しない制御部を備えており、この制御部が給電線8を通じて各電極ブロック(11,12)に対する通電制御を行うものとして構わない。そして、この制御部は、対象領域40に対する紫外線L1の平均照度がDMax(μW/cm2)以下となるように、各電極ブロック(11,12)に対して供給する電力を制御する。
なお、対象領域40に対して紫外線照射装置1から紫外線L1が連続的に照射される場合には、照度がDMax(μW/cm2)以下となるように設定されるものとして構わない。一方、後述されるように、紫外線照射装置1が間欠的に点灯される場合には、対象領域40における平均照度がDMax(μW/cm2)以下となるように設定される。
「発明が解決しようとする課題」の項で上述したように、DNAにおいて高い吸収特性を示す260nm近傍の紫外線は、人体に対して高い影響を及ぼすことが知られている。このため、紫外線の取扱に際しては、規制が課せられており、現在、ACGIH(American Conference of Governmental Industrial Hygienists:アメリカ合衆国産業衛生専門官会議)で定められている規制値以内にすることが推奨されている。下記表1は、ACGIHにおいて定められている、TLV(Threshold Limit Values:閾限界値)である。TLVは、産業労働者が一般的に1日8時間労働に従事していることに鑑み、かかる時間内における被爆が許容される上限値を示すものである。
Figure 0007385818000001
表1に示す値は、8時間分の被爆照射線量が規定されている。これを単位時間(秒)あたりに換算してグラフ化したものが、図6において(a)が示すプロット線に対応する。なお、表1に示すように、ACGIHでは、被爆照射線量が波長ごとに離散的に規定されている。このため、図6(a)のグラフは、各波長ごとの値を単位時間(秒)あたりの値に換算した上、直線補間することで図示されている。
図6において、(b)のグラフは、(a)に示すACGIH-TLV値に対して、安全率0.9を乗じた値に基づいて作成されたものである。一方、(c)のグラフは、上記(1)式によって規定される曲線である。図6に示すように、(c)のグラフは、200nm~270nmの範囲内において、ACGIH-TLV値に対して安全率0.9を乗じた値に基づく(b)のグラフの値を超えないことが分かる。
つまり、紫外線照射装置1から、上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下の平均照度で対象領域40に対して紫外線L1が照射されることで、仮に、対象領域40内に人間が存在している場合であっても、人体への影響を抑制することが可能である。特に、対象領域40が、8時間を超えて同一人間が留まる可能性が低い場所である場合には、対象領域40内に人間が存在している場合であっても、当該人間の人体への影響は極めて低いものとなる。
例えば、対象領域40が浴室、トイレ、洗面所、台所などの水回り、エアコンのフィルタなどの場所であれば、かかる箇所に同一の人間が8時間を超えて留まることはおよそ想定されない。また、本発明の方法が、病院内の院内感染予防の観点からの静菌処理に利用される場合であっても、8時間を超えて同一人間が留まる可能性が低い領域に対しては、DMax(μW/cm2)以下の照度で紫外線L1を照射することで、人体への影響を抑制しつつ、静菌効果を確保できる。
主ピーク波長が200nm以上、230nm以下の紫外線L1であれば、上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下といった極めて低い照度であっても対象領域40内における菌の増殖を抑制する効果が得られることは、本発明者の鋭意研究により新たに発見された知見である。この値は、例えば主ピーク波長が222nmの紫外線L1の場合、図6によれば1μW/cm2を下回る。このような極めて微弱な紫外線L1によって、菌の増殖を抑制する効果があることは、これまで知られておらず、実に驚くべき効果である。この点については、実施例を参照して後述される。
また、主ピーク波長が200nm以上、230nm以下の紫外線L1は、酸素にほとんど吸収されないため、オゾンが発生することがなく、かかる点からも人体への影響は極めて低いといえる。
なお、図7に示すように、筐体50は、紫外線照射装置1に加えて、対象領域40内に人間が存在するか否かを検知することのできる人感センサ30を備えるものとしても構わない。人感センサ30は、対象領域40内に人間が存在していることを検知すると(工程(b))、紫外線照射装置1が備える制御部に対してその旨の信号を出力し、制御部は、紫外線照射装置1から照射される紫外線L1の照度を低下させる制御を行う(工程(c))。
つまり、図7の態様は、対象領域40内に対して人間が存在しない場合には、紫外線照射装置1から、上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)を超える照度で対象領域40に対して紫外線L1が照射される。これにより、対象領域40内の強い静菌効果、並びに殺菌効果を実現する。一方、人感センサ30によって対象領域40内に対して人間が存在すること(存在し得ること)が確認されると、紫外線照射装置1からの紫外線L1の対象領域40における照度を、上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下に低下させる。これにより、対象領域40内に人間が存在している場合であっても、対象領域40内の静菌効果が確保される。
菌は、完全に死滅していない限りにおいて、時間の経過と共に増殖する性質を示す。また、一度殺菌処理を行ったとしても、そのまま放置しておくと、時間の経過と共に外部から菌が付着する可能性は充分にある。そして、菌がひとたび増殖してコロニーを形成すると、菌を除去する作業には大きな労力が課せられる。しかし、上記の方法のように、人体への影響がほとんどないレベルの照度で対象領域40内に紫外線L1を照射しておくことで、菌を完全には死滅できないとしても、菌の増殖が抑制されるため、菌を除去する作業の労力を大幅に低下できる。特に、殺菌処理を行った後に上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下の照度で紫外線L1を照射し続けておくことで、人体への影響を抑制しながらも、対象領域40内に菌が増殖することを防止できる。
より高い安全性を担保する観点から、人感センサ30によって、対象領域40内に人間が存在しないことが確認されている場合にのみ紫外線L1を照射する制御を行うものとしても構わない。すなわち、紫外線照射装置1は、対象領域40内に人間が存在しない場合に限って、上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下の照度で対象領域40に対して紫外線L1を照射する一方、人感センサ30によって対象領域40内に人間が存在することが確認されると紫外線L1の照射を停止するものとしても構わない。
[検証]
以下、対象領域40に対する紫外線L1の照度が、上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下という極めて低い値であっても、対象領域40内における菌の増殖が抑制できる点につき、実施例を参照して説明する。
(検証1:黄色ブドウ球菌)
黄色ブドウ球菌を対象として実験を行った。菌の生息環境を模擬するため、無負荷状態(理想状態)、清浄状態、汚染状態の3パターンで実験を行った。殺細菌活性を評価する基本的な試験法であるEN試験法では、対象領域に想定される異なる汚染度を示す状態として、清浄状態及び汚染状態が規定されている。これらはいずれも、汚染状態を模擬するために負荷物質を加えた状態に対応する。本検証では、これらの2つの状態に加えて、負荷物質を全く加えていない無負荷状態(理想状態)についても検証を行った。
無負荷状態、清浄状態、及び汚染状態の各サンプルとしては、いずれも、モデル汚れとして、タンパク質(BSA:Bovine serum albumin、ウシ血清アルブミン)を黄色ブドウ球菌液に添加し、シャーレ内の標準寒天培地に塗抹したものが用いられた。下記表2は、これらのサンプルの作製に利用された黄色ブドウ球菌及びBSAの量を示すものである。
Figure 0007385818000002
なお、表2において、CFUはコロニー形成単位(Colony forming unit)を意味する。
上記表2における、各状態のサンプルに対して、(比較例1)紫外線を照射しない場合、(比較例2)波長254nmの紫外線を照射した場合、(実施例1)波長222nmの紫外線を照射した場合の、それぞれのサンプルの様子を確認した。
比較例1では、サンプルに対してそのまま何もせずに放置された。比較例2では、上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下である0.22μW/cm2の照度で、低圧水銀ランプから波長254nmの紫外線が72時間にわたって照射された。実施例1では、上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下である、0.43μW/cm2の照度で72時間にわたって、KrClエキシマランプからの波長222nmの紫外線が照射された。比較例2及び実施例1では、照射処理後、1晩放置した後にサンプルを確認した。それぞれの結果を、図8A~図8C及び表3に示す。
なお、表3における評価は、目視によりコロニーが形成されていることが確認できなかったもの(静菌効果が極めて高いもの)を「A」、コロニーが微量に形成されていることが確認されたもの(静菌効果が認められるもの)を「B」、コロニーが多数形成されていることが確認されたもの(菌の増殖が抑制できていないもの)を「C」としている。
Figure 0007385818000003
実施例1によれば、汚染状態にかかわらず、0.43μW/cm2という、極めて低い照度の紫外線であっても、継続的に照射されることで黄色ブドウ球菌の増殖が抑制できていることが確認された。一方、比較例1及び比較例2では、いずれもコロニーが形成されていることが確認された。比較例2では、汚染度が低い「清浄状態」である場合には、コロニーの増殖が多少抑制できていたが、汚染度が高い「汚染状態」である場合には、コロニーの増殖を抑制することはできなかった。比較例2のように、殺菌灯として一般的に用いられる低圧水銀ランプからの紫外線の主ピーク波長に対応する、254nmの紫外線の場合には、上記(1)式で規定されるDMaxの値が222nmよりも小さくなるため、継続的に紫外線を照射しても静菌効果が充分に得られていないものと考えられる。
(検証2:カビ)
黒カビの一つである、クラドスポリウム(Cladosporium cladosporioides (NBRC.6368))、ペニシリウム(Penicillium citrinum (NBRC 6352))、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger (NBRC 105649))を対象として実験を行った。検証1と同様、菌の生息環境を模擬するため、無負荷状態(理想状態)、清浄状態、汚染状態の3パターンで実験を行った。
更に、本検証2では、未成長のカビが存在している状態と、カビが既に成長している状態の両者を模擬するため、カビの胞子液を培地に導入したサンプルと、生理食塩水に菌株そのものを打ち込んだものを培地に導入したサンプルの2種類を準備した。前者は、カビの存在は目に見えないがカビが実在している場合を模擬したものであり、後者はカビが視認できる程度に成長している場合を模擬したものである。
胞子液は、JIS Z 2911のカビ抵抗性試験に則り、104/mL~106/mLになるように調整された。培地としては、市販のポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)が用いられ、シャーレ内に導入された。また、清浄状態及び汚染状態の各サンプルについては、モデル汚れとして寒天培地にBSAを塗抹したものが用いられた。下記表4は、本検証2で準備されたサンプルの作製条件をまとめたものである。
Figure 0007385818000004
上記表4における、各状態のサンプル#1~#6に対して、(比較例3~比較例4)紫外線を照射しない場合、(実施例2~実施例8)波長222nmの紫外線を照射した場合の、それぞれのサンプルの様子を確認した。なお、比較例3及び実施例2の検証が行われた時季と、比較例4及び実施例3~実施例8の検証が行われた時季が相互に異なっており、このため検証時における雰囲気の温度及び湿度の条件が異なっている。具体的には、比較例3及び実施例2の検証時における雰囲気温度は15~18℃、湿度は30%RH程度であった。また、比較例4、実施例3~実施例8の検証時における雰囲気温度は22~26℃、湿度は40%RH程度であった。
以下、実施例2~実施例8の照射条件について説明する。実施例2~実施例3は、連続照射に対応し、実施例4~実施例8は間欠照射に対応する。
[連続照射]
(実施例2) 上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下である、0.76μW/cm2の照度で72時間にわたって、KrClエキシマランプからの波長222nmの紫外線がサンプルに対して照射された。
(実施例3) 照度を0.29μW/cm2とした点以外は、実施例2と共通の条件で紫外線がサンプルに対して照射された。
[間欠照射]
(実施例4) 0.76μW/cm2の照度で45分間にわたってサンプルに対して照射した後、15分間にわたって照射を停止するという処理を72時間にわたって繰り返した点を除けば、実施例2と共通の条件で実施された。この場合、72時間における平均照度は0.57μW/cm2に対応する。
(実施例5) 照射時間の周期を実施例4と異ならせた。具体的には、30分間にわたって照射した後に、30分間にわたって照射を停止するという処理を繰り返した点を除けば、実施例4と共通の条件で実施された。この場合、72時間における平均照度は0.38μW/cm2に対応する。
(実施例6) 照射時間の周期を実施例4と異ならせた。具体的には、2時間にわたって照射した後に、2時間にわたって照射を停止するという処理を繰り返した点を除けば、実施例4と共通の条件で実施された。この場合、72時間における平均照度は0.38μW/cm2に対応する。
(実施例7) 照射時間の周期を実施例4と異ならせた。具体的には、3時間にわたって照射した後に、3時間にわたって照射を停止するという処理を繰り返した点を除けば、実施例4と共通の条件で実施された。この場合、72時間における平均照度は0.38μW/cm2に対応する。
(実施例8) 照射時間の周期を実施例4と異ならせた。具体的には、4時間にわたって照射した後に、4時間にわたって照射を停止するという処理を繰り返した点を除けば、実施例4と共通の条件で実施された。この場合、72時間における平均照度は0.38μW/cm2に対応する。
それぞれの結果を、表5~表6、図9A~図9Hに示す。なお、表5において、実施例3~実施例8における無負荷状態(#6)の検証は省略されているが、比較例3及び実施例2の結果に鑑みると、少なくとも清浄状態(#1)と同等以上の結果が得られることが予想されるため、検証が割愛されたものである。
各図の写真は、それぞれ以下の状態に対応する。なお、表5及び表6において結果が表記されている箇所の写真を全て掲載するのは極めて膨大になることから、図面上ではクラドスポリウムについての代表的な写真のみが抜粋して示されている。
図9Aは、比較例3(クラドスポリウムの胞子液)の結果を示す写真である。
図9Bは、比較例3(クラドスポリウムの菌株)の結果を示す写真である。
図9Cは、実施例2(クラドスポリウムの胞子液)の結果を示す写真である。
図9Dは、実施例2(クラドスポリウムの菌株)の結果を示す写真である。
図9Eは、比較例4(クラドスポリウムの胞子液)の結果を示す写真である。
図9Fは、比較例4(クラドスポリウムの菌株)の結果を示す写真である。
図9Gは、実施例3(クラドスポリウムの胞子液)の結果を示す写真である。
図9Hは、実施例3(クラドスポリウムの菌株)の結果を示す写真である。
図9Iは、汚染状態(#2)のクラドスポリウムの胞子液の、実施例4、実施例6、及び実施例7の結果を示す写真である。
図9Jは、汚染状態(#2)のクラドスポリウムの菌株の、実施例4、実施例6、及び実施例7の結果を示す写真である。
なお、図9I及び図9Jにおける「45分/15分」という記載は、45分間紫外線を照射した後、15分間照射しないというサイクルを繰り返す、という意味である。「2時間/2時間」、「3時間/3時間」という記載も同様である。
Figure 0007385818000005
Figure 0007385818000006
なお、本検証2では、間欠照射による効果の相違を確認する目的で、検証1で用いた評価Bを、評価B1~評価B3の3段階に更に分けた。すなわち、静菌効果が認められるもの(評価B)のうち、コロニー数が30未満である場合を評価B1、コロニー数が30以上300未満である場合を評価B2、コロニー数は300以上であるが菌糸が確認されなかった場合を評価B3とした。また、評価Cとしては、コロニー数が多数形成された上で菌糸が確認できたものとした。
なお、コロニー数が30未満という数値は、微生物学上における検出限界以下である場合に対応する。また、コロニー数が300以上という数値は、カウント限界である場合に対応する。
実施例2によれば、胞子液の場合と菌株の場合の双方共に、0.76μW/cm2という、極めて低い照度の紫外線であっても、黒カビの増殖が抑制できていることが確認された。一方、比較例3では、胞子液の場合と菌株の場合の双方共に、いずれもコロニーが形成されていることが確認された。特に、実施例2によれば、サンプル#3~#5によって模擬されているように、カビが既に成長している場合であっても、波長222nmの紫外線が照射されることで、カビの増殖が抑制できることが確認された。
実施例3によれば、実施例2よりも更に低い値である0.29μW/cm2という照度の紫外線であっても、黒カビの増殖が抑制できていることが確認された。ただし、実施例2と比べると、黒カビの増殖抑制の作用は少し低下している。
実施例4~実施例8は、間欠的に紫外線を照射した場合に対応する。直前に照射してからの未照射時間が3時間以上である実施例7及び実施例8の場合、未照射時間が2時間以下である実施例4~実施例6と比べると、黒カビの増殖抑制の作用が低下することが確認された。つまり、サンプルに対して照射される紫外線の平均照度を同じDMax以下として、同じ時間(72時間)にわたって紫外線を照射した場合であっても、未照射時間が長くなると、この時間内に黒カビが増殖する傾向を示すものと推察される。言い換えれば、菌の増殖を抑制すべく、間欠的に紫外線を照射する場合には、照射間隔を2時間以内に設定するのが好ましいことが分かる。
なお、雰囲気温度及び湿度の条件を共通とした、図9Fに示す比較例4の汚染状態(#4)の写真と、図9Jの実施例7の写真を比較すると、写真画像では分かりにくいが、比較例4の写真では、菌糸が確認できているのに対し、実施例7の写真では菌糸は確認できなかった。このことから、紫外線を3時間サイクルで紫外線を照射した実施例7の場合であっても、紫外線を照射しない比較例3よりは、菌の増殖が抑制できていることが分かる。ただし、図9Jに示す、実施例4や実施例6と比べると、実施例7ではコロニー数が多くなっていることから、紫外線を間欠照射する場合には、静菌効果をより高める観点からは未照射時間を2時間以内とするのが好ましい。
なお、実施例1では、照度0.43μW/cm2の紫外線によって、実施例2では、照度0.76μW/cm2の紫外線によって、実施例3では照度0.29μW/cm2の紫外線によって、それぞれ検証が行われた。また、間欠的に照射された実施例4~実施例8のうち、実施例4では平均照度が0.57μW/cm2とされ、実施例5~実施例8では平均照度が0.38μW/cm2とされた。しかし、照度が高いほど静菌効果を高めることができることは言うまでもない。つまり、上記(1)式で規定される、DMax(μW/cm2)以下の範囲内において、平均照度を高めることで、人体への影響を抑制しつつ高い静菌効果を発現することができる。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉上記実施形態では、光源としてエキシマランプ3を搭載した紫外線照射装置1を用いる場合について説明したが、主たる発光波長が200nm以上、230nm以下の紫外線L1を出射する光源であれば、光源の構造には限定されない。例えば、LEDや半導体レーザ素子などの固体光源であっても構わない。
また、紫外線照射装置1が、光取り出し面10に230nm以上の光を遮断するフィルタを備える場合には、200nm~230nmの波長帯の一部に光出力を示している限りにおいて、230nmを超える波長帯にも光出力を示す光源を利用することも可能である。この場合、フィルタを介して光取り出し面10から取り出される紫外線L1の主ピーク波長が200nm以上、230nm以下を示す。
〈2〉紫外線照射装置1から照射される紫外線L1の照度を検知する目的で、紫外線L1が照射される領域(図1における対象領域40に相当)に、照度計を設置するものとしても構わない。このような照度計の一例として分光放射照度計が利用でき、具体的にはウシオ電機社製のUSR-45Dを用いることができる。
そして、この照度計による検知結果が紫外線照射装置1に対して送信されるものとしても構わない。紫外線照射装置1が制御部を備えており、この制御部において、対象となる波長帯域(200nm~230nm)の照度の積分処理を行うことで、照度の平均値を算出するものとしても構わない。また、照度計側に演算処理機能が搭載されており、平均照度に関する情報が紫外線照射装置1に対して送信されるものとしても構わない。
紫外線照射装置1の制御部は、算定された平均照度Aiが上記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下の範囲内であるかどうかを確認するものとしても構わない。この場合において、Ai<DMaxである場合には、引き続き制御部が紫外線照射装置1に搭載された光源に対して紫外線L1の照射をそのまま継続させるように制御する一方、AiがDMaxの値に対して接近しており近々Ai>DMaxを示す可能性がある場合には、例えば光源の出力低下又は消灯の制御を行うことで、Ai<DMaxを継続して満たすように制御を行うものとしても構わない。
〈3〉上記実施形態において、「平均照度」の算定基準となる時間は任意であるが、典型的な一例としては、ACGIHの基準に鑑みて直前の8時間とすることができる。つまり、現時点を基準として過去の8時間にわたる照度の積分値を8時間で除した値をもって平均照度としても構わない。
1 :紫外線照射装置
2 :ランプハウス
2a :本体ケーシング部
2b :蓋部
3 :エキシマランプ
3G :発光ガス
8 :給電線
10 :光取り出し面
30 :人感センサ
40 :対象領域
50 :筐体
Max :閾値照度
L1 :紫外線

Claims (6)

  1. 対象領域内の菌の増殖を抑制する静菌方法であって、
    主ピーク波長が222nmの紫外線を、下記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)以下の平均照度で、前記対象領域に対して照射する工程(a)を含むことを特徴とする、静菌方法。
    Max = 9391.1 × exp(-0.043λ)・・・(1)
    ただし、(1)式においてλは前記主ピーク波長(nm)である。
  2. 前記工程(a)は、前記紫外線を1μW/cm2以下の照度で前記対象領域に対して照射する工程であることを特徴とする、請求項1に記載の静菌方法。
  3. 前記菌が、黄色ブドウ球菌であり、
    前記工程(a)は、0.4μW/cm2以上の照度で前記紫外線を前記対象領域に対して照射する工程であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の静菌方法。
  4. 前記菌が、カビであり、
    前記工程(a)は、0.29μW/cm2以上の照度で前記紫外線を前記対象領域に対して照射する工程であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の静菌方法。
  5. 人感センサによって前記対象領域内に人間が存在するか否かを検知する工程(b)と、
    前記紫外線を、前記対象領域に対して前記(1)式で規定されるDMax(μW/cm2)より高い平均照度で照射する工程(c)とを有し、
    前記工程(b)によって前記対象領域内に人間が存在することが検知されると、前記工程(c)から前記工程(a)に移行することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の静菌方法。
  6. 前記工程(a)は、Kr及びClを含む発光ガスが封入されたエキシマランプから前記紫外線を照射する工程であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の静菌方法。
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