JP6604339B2 - 紫外線殺菌装置 - Google Patents
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Description
エキシマランプの或る種のものとしては、図10に示すように、円筒状の外側管52と、この外側管52内においてその管軸に沿って配置された、当該外側管52の内径より小さい外径を有する円筒状の内側管53とを有する合成石英ガラス製の二重管構造の発光管51を備えている。この発光管51においては、外側管52および内側管53の各々の両端部が封止壁部材54A,54Bによって接合され、外側管52と内側管53との間に円環状の内部空間S1が形成されている。この内部空間S1には、放電用ガスが封入されている。また、発光管51には、外側管52の外周面に網状の外側電極55が設けられ、内側管53の内周面に膜状の内側電極56が設けられており、外側電極55および内側電極56は、それぞれ高周波電源59に接続されている。
このエキシマランプ50においては、高周波電源59によって外側電極55と内側電極56との間に高周波高電圧が印加されることにより、内部空間S1においてエキシマ放電が発生し、エキシマ光が放射される。
而して、エキシマランプは、放電用ガスの種類によって放射される光の波長特性(波長範囲)を調整できるものであることから、放電用ガスとして適宜のガスを用いることにより、波長200nm付近に中心波長を有する放射光(紫外線)を得ることができる。具体的に、波長200nm付近に中心波長を有する放射光を得るための放電用ガス(以下、「特定放電用ガス」ともいう。)としては、例えば、フッ化アルゴン(ArF)ガス(得られる放射光の中心波長193nm)、臭化クリプトン(KrBr)ガス(得られる放射光の中心波長207nm)、塩化クリプトン(KrCl)ガス(得られる放射光の中心波長222nm)、フッ化クリプトン(KrF)ガス(得られる放射光の中心波長248nm)、ヨウ化キセノン(XeI)ガス(得られる放射光の中心波長253nm)、および塩素(Cl2 )ガス(得られる放射光の中心波長259nm)などが挙げられる。
而して、波長域230〜300nmの光は人体に悪影響を及ぼすものであることから、例えば皮膚の殺菌処理や治療の用途にエキシマランプを用いる場合には、これらの人体に有害な波長域230〜300nmの紫外線(以下、「有害光」ともいう。)を遮断する必要がある。
しかしながら、バンドパスフィルタの特性上、入射角が大きい光における有害光は、遮断することが困難である。
図11は、222nm付近の波長域の光を透過させるよう設計されたバンドパスフィルタにおける、光の透過率の入射角依存性を示すグラフである。
光の入射角が0°である場合、すなわち入射面に対して垂直に入射する場合(図11において実線で示す。)は、220nm付近の波長域の光は透過し、有害光(波長域230〜300nmの紫外線)は遮断される。
一方、光の入射角が40°である場合(図11において一点鎖線で示す。)は、約210nm以上の波長域の光が遮断され、280nm以上の波長域の光は透過されてしまう。つまり、必要とされる波長域200〜230nmの紫外線(以下、「有効光」ともいう。)は通さず、有害光は透過されてしまう。
さらに、光の入射角が60°である場合(図11において破線で示す。)は、約200nm以上の波長域の光が遮断され、260nm以上の波長域の光は透過される。
以上のように、バンドパスフィルタの光の透過率には角度依存性があり、入射角が大きくなるに従って透過する光の波長域が短波長側に移行(シフト)し、必要とされる有効光は透過せずに有害光を透過することになってしまう。
当該紫外線光源を収納するランプ収納室と、
前記紫外線光源からの光を導光する導光部とを有する紫外線殺菌装置であって、
前記導光部と前記ランプ収納室との間、または、前記導光部の光出射側の先端部の少なくとも一方に、人体に有害な波長域230〜300nmの紫外線を低減させるバンドパスフィルタを設けると共に、
前記導光部の内表面が人体に有害な波長域230〜300nmの紫外線を吸収する紫外線吸収部材よりなることを特徴とする。
式(1):光の強度比[%]={(前記人体に有害な波長域230〜300nmの紫外線の強度)/(200〜230nmの波長域の有効光の強度)}×100
図1は、本発明の第1の実施の形態の紫外線殺菌装置の構成の一例を示す説明用断面図である。図2は、図1の紫外線殺菌装置におけるA−A線断面図である。図3は、図1の紫外線殺菌装置の底面図である。
本発明の第1の実施の形態の紫外線殺菌装置10は、紫外線を放射する例えばエキシマランプ20よりなる紫外線光源を備える紫外線光源ユニット11と、当該紫外線光源ユニット11を収納するランプ収納室12と、エキシマランプ20からの光を導光する導光部13とを有するものである。
紫外線光源ユニット11は、直管状のエキシマランプ20よりなる紫外線光源と、このエキシマランプ20のランプ中心軸に沿って伸びるように配設された反射部材28とを備える。
反射部材28は、エキシマランプ20の全長よりも長尺な全長を有し、エキシマランプ20の周方向に沿って半円形状に湾曲した矩形曲板状のアルミニウム製の凹平面鏡よりなるものである。そして、反射部材28は、当該反射部材28の反射面(内周面)がエキシマランプ20と対向するように配置されている。ここに、反射部材28は、エキシマランプ20の外周面(具体的には、後述する外側管22の外周面)に設けられたアルミニウムの蒸着膜よりなるものであってもよい。そして、エキシマランプ20の外側管22の外周面における反射部材28と対向していない領域によって紫外線出射領域が形成されている。
この図の例において、外側電極25および内側電極26は、各々、リード線(図示省略)を介して高周波電源(図示省略)に接続されている。また、漏電防止のため、外側電極25を接地電極(低電圧側電極)とし、内側電極26を高電圧供給電極としている。
エキシマランプ20に用いられる放電用ガスの具体例としては、例えば、フッ化アルゴン(ArF)ガス(得られる放射光の中心波長193nm)、臭化クリプトン(KrBr)ガス(得られる放射光の中心波長207nm)、塩化クリプトン(KrCl)ガス(得られる放射光の中心波長222nm)、フッ化クリプトン(KrF)ガス(得られる放射光の中心波長248nm)、ヨウ化キセノン(XeI)ガス(得られる放射光の中心波長253nm)、および塩素(Cl2 )ガス(得られる放射光の中心波長259nm)などが挙げられる。これらのうちでは、フッ化アルゴンガス、臭化クリプトンガスおよび塩化クリプトンガスが好ましく、更に好ましくは臭化クリプトンガスおよび塩化クリプトンガスであり、特に好ましくは塩化クリプトンガスである。
また、エキシマランプ20としては、波長200〜250nmの波長範囲にピーク波長を有する紫外線発光蛍光体を、発光管21の内周面に塗布した構成の紫外線エキシマ蛍光ランプを用いることができる。ここに、紫外線発光蛍光体からの蛍光は、エキシマランプの放射光と同様に、ある程度のスペクトル線幅を有する。そのため、波長200〜250nmの波長範囲にピーク波長を有する紫外線発光蛍光体が塗布されてなる紫外線エキシマ蛍光ランプから放射される光には、人体の殺菌処理や治療に用いられる有効光(波長域200〜230nmの紫外線)が含まれると共に、人体に有害な有害光(波長域230〜300nmの紫外線)が含まれる。
具体的には、ベース部材32A,32Bは、各々、略円環筒状体よりなる。略円環筒状体の筒軸と垂直な断面は、エキシマランプ20の内側管23の内径よりも僅かに小径の内径を有し、反射部材28の外径よりも僅かに大径の外径を有する円環体の一部が欠けた、外形が欠円形状のものとなる。ベース部材32A,32Bが略円環筒状のものであることにより、後述する給気ファン12Bからランプ収納室12内に取り込まれた冷却風によってエキシマランプ20を高い効率で冷却することができる。
ベース部材32A,32Bの内方面(エキシマランプ20を臨む面)からは、各々、エキシマランプ20の内側管23の内径よりも僅かに小径の外径を有する円環筒状の係合部33A,33Bが、その環内部がベース部材32A,32Bの環内部と連通する状態で突出するよう設けられている。また、ベース部材32A,32Bの外方面からは、各々、円環筒状の係合部34A,34Bが、その環内部がベース部材32A,32Bの環内部と連通する状態で突出するよう設けられている。
ベース部材32A,32Bにおいては、内方に突出した係合部33A,33Bがエキシマランプ20の内側管23の内部に挿入されることにより、当該ベース部材32A,32Bにエキシマランプ20が保持されている。
紫外線光源ユニット11が収納されるランプ収納室12は、略四角筒状体よりなる周壁部12Aと、当該周壁部12Aの両端に設けられた、ランプ収納室12内にエキシマランプ20を冷却するための冷却風を循環させる給気ファン12Bおよび排気ファン12Cとよりなる。
このランプ収納室12内には、周壁部12Aの筒軸とエキシマランプ20の管軸とが同軸状に伸びるよう紫外線光源ユニット11が配置されている。具体的には、ランプ収納室12の周壁部12Aの内部に、当該周壁部12Aの軸方向と垂直な断面における内周形状と同じ外周形状の2つの紫外線光源ユニット支持部14A,14Bが互いに離間して設けられており、この紫外線光源ユニット支持部14A,14Bに設けられた係合孔14H,14Hに、紫外線光源ユニット11のベース部材32A,32Bの係合部34A,34Bがそれぞれ係合されることにより、ランプ収納室12内に紫外線光源ユニット11が支持固定されて収納されている。
周壁部12Aは、遮光性を有する材料、例えば黒アルマイト加工されたアルミニウムよりなる。また、周壁部12Aの内表面におけるエキシマランプ20の発光部と対向する領域には、反射層が設けられていることが好ましい。
本発明の紫外線殺菌装置10においては、周壁部12Aにおけるエキシマランプ20の紫外線出射領域(具体的にはエキシマランプ20の外側管22の外周面における反射部材28と反対側の外周面)を臨む領域には、四角形状の開口12Dが形成されている。
この図の例の紫外線殺菌装置10においては、オゾンフィルタ16が、紫外線光源ユニット11と排気ファン12Cとの間に設けられている。
オゾンフィルタ16は、オゾンを吸着・分解するものである。
給気ファン12Bおよび/または排気ファン12Cによる排気路にオゾンフィルタ16が設けられていることにより、ランプ収納室12内において発生し、装置外部に排出されるオゾンを低減させることができる。
そして、本発明の第1の実施の形態の紫外線殺菌装置10においては、導光部13とランプ収納室12との間に、有害光を低減させるバンドパスフィルタ18が設けられている。具体的には、ランプ収納室12の周壁部12Aの開口12Dに、当該開口12Dの内周形状と同じ外周形状を有する、例えば外形が四角形のバンドパスフィルタ18が嵌合して固定されている。一方、当該バンドパスフィルタ18の外周形状と略同一の断面形状を有する四角筒状体よりなる導光部13が、ランプ収納室12の開口12Dに設けられたバンドパスフィルタ18から突出するよう配置される。詳細には、導光部13がエキシマランプ20の管軸と略垂直な方向に伸びる状態に、導光部13の基端部13Aが、バンドパスフィルタ18の表面(図1において下面)に固定されている。
また、このバンドパスフィルタ18は、当該バンドパスフィルタ18を透過した後の光について、下記式(1)で表される光の強度比が10%以下とされるものであることが好ましい。バンドパスフィルタ18を透過する前の光の強度比は、例えば13%程度である。
式(1):光の強度比[%]={有害光(波長域230〜300nmの紫外線)の強度/有効光(波長域200〜230nmの紫外線)の強度}×100
バンドパスフィルタ18を透過した後の光の強度比は、具体的には、以下のように測定されるものである。すなわち、まず、バンドパスフィルタ18の裏面(光を出射させる面)に、基端部に均等拡散板(例えばオーシャンオプティクス社製「CC−3−UV−S」)が接続された光ファイバを、当該光ファイバの均等拡散板の基端部がバンドフィルタ18と5mm離間する状態で、バンドパスフィルタ18に対して垂直に伸びるよう設置する。さらに、光ファイバの先端部に、分光器(例えばオーシャンオプティクス社製「QEpro」)を接続する。そして、エキシマランプ20からバンドパスフィルタ18の表面に光を照射し、分光器においてバンドパスフィルタ18を透過した光のスペクトルを測定する。バンドパスフィルタ18を透過した後の光の強度比は、スペクトルにおける波長域230〜300nmの積算光量を有害光の強度とし、波長域200〜230nmの積算光量を有効光の強度として算出される。
エキシマランプ20からの光を導光する導光部13の先端部13Bは、紫外線透過性を有する照射窓17によって閉塞されている。
そして、本発明の紫外線殺菌装置10においては、導光部13の内表面が有害光を吸収する紫外線吸収部材からなり、この第1の実施の形態の紫外線殺菌装置10においては、導光部13(四角筒状体)が、有害光を吸収する紫外線吸収部材から構成されている。
紫外線吸収部材は、バンドパスフィルタ18に係る高角度成分光を吸収または透過させる部材であればよく、特に、200〜230nmの波長域の有効光を反射するものであることが好ましい。
紫外線吸収部材としては、例えば石英ガラスなどのガラスを用いることができる。
ガラスは、フレネル反射の性質を示すので、高角度でガラスに入射された光を反射し、低角度でガラスに入射された光を吸収または透過する。ここで、バンドパスフィルタ18に係る高角度成分光は紫外線吸収部材に低角度で入射されることになり、当該高角度成分光は紫外線吸収部材によって吸収または透過される。一方、バンドパスフィルタ18に係る低角度成分光は、紫外線吸収部材によって吸収または透過されずに当該紫外線吸収部材によって照射窓17に向かって反射される。
紫外線吸収部材としてソーダライムガラスやホウケイ酸ガラスを用いた場合は、有害な紫外線がほとんど透過しないので、装置外部に有害な紫外線が漏れることを確実に抑制することができる。また、ソーダライムガラスやホウケイ酸ガラスを用いた導光部13を有する紫外線殺菌装置10によれば、外部からエキシマランプ20の可視光を使用者が観測することができて高い利便性が得られる。
具体的な導光部13の長さとしては、ランプ収納室12の開口12Dの大きさが縦(図1における紙面と垂直な方向の長さ)および横(図1における左右方向の長さ)が例えば50mm×50mmである場合に、導光部13の長さ(図1における上下方向の長さ)が例えば50mmとされる。
導光部13の長さが過小である場合には、バンドパスフィルタ18から出射された光のうちのバンドパスフィルタ18に係る高角度成分光の一部が、導光部13の内表面に入射されずに直接、照射窓17に入射して、当該照射窓17から出射されてしまうおそれがある。
一方、導光部13の長さが過大である場合には、有効光であるバンドパスフィルタ18に係る低角度成分光について、紫外線吸収部材に入射する量が増えるため、当該紫外線吸収部材における光吸収による光の損失が増え、照射窓17に到達する光が減少してしまうおそれがある。
従って、低角度成分光L1aに含まれる有害光がバンドパスフィルタ18によって遮断され、有効光が確実に照射窓17から出射されると共に、バンドパスフィルタ18によって遮断しきれない有害光を含む高角度成分光L2aが導光部13を構成する紫外線吸収部材に吸収または透過されて、有害光を含む高角度成分光L2aが照射窓17から出射することを抑制することができる。
以上のように、紫外線殺菌装置10の照射窓17から、有害光の発光強度が低下され、有効光の発光強度が高い紫外線が出射される。
図6は、本発明の第2の実施の形態の紫外線殺菌装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
本発明の第2の実施の形態の紫外線殺菌装置10Xは、第1の実施の形態の紫外線殺菌装置10において、バンドパスフィルタ18が設けられておらず、照射窓17の代わりにバンドパスフィルタ18Xが設けられていて、これが照射窓としても機能することの他は、同様の構成を有するものである。図6において、図1の第1の実施の形態の紫外線殺菌装置10と同じ構成部材には同じ符号を付してある。
具体的には、第2の実施の形態の紫外線殺菌装置10Xにおいては、導光部13Xの光出射側の先端部13Bに有害光を低減させるバンドパスフィルタ18Xが設けられている。
導光部13Xの長さが過小である場合には、エキシマランプ20から直接、バンドパスフィルタ18Xへ向かう放射光に、バンドパスフィルタ18Xへの入射角が40°を超える高角度成分光が含まれることとなり、当該高角度成分光に含まれる有害光がバンドパスフィルタ18Xで吸収されて除去されずに、当該バンドパスフィルタ18X(照射窓)から出射されてしまうおそれがある。
一方、導光部13Xの長さが過大である場合には、バンドパスフィルタ18Xへの入射角が40°以下の低角度成分光もが導光部13Xの内表面に入射して、当該導光部13Xを構成する紫外線吸収部材に吸収または透過され、エキシマランプ20からの放射光における有効光の利用効率が低くなってしまうおそれがある。
従って、低角度成分光L3aに含まれる有害光がバンドパスフィルタ18Xによって遮断され、低角度成分光L3aに含まれる有効光が確実にバンドパスフィルタ18X(照射窓)から出射されると共に、ランプ収納室12の開口12Dに高角度で入射される高角度成分光L4は、導光部13Xを構成する紫外線吸収部材に吸収または透過されて、有害光を含む高角度成分光L4がバンドパスフィルタ18Xに高角度で入射されることが抑制される。したがって、バンドパスフィルタ18X(照射窓)から有害光が出射することを抑制することができる。
以上のように、紫外線殺菌装置10Xのバンドパスフィルタ18X(照射窓)から、有害光の発光強度が低下され、波長200nm付近の有効光の発光強度が高い紫外線が出射される。
例えば、導光部の内表面が有害光を吸収する紫外線吸収部材から構成されればよく、導光部が、図8に示されるように、四角筒状の外殻13Dの内面上に、紫外線吸収部材層13Cが形成された導光部13Zよりなるものであってもよい。紫外線吸収部材層13Cは、上述のガラスよりなるものであってもよく、黒アルマイトや黒色の塗料による黒色層よりなるものであってもよい。図8において、図1の紫外線殺菌装置と同じ構成部材には同じ符号を付してある。
また例えば、導光部の形状は、四角筒状のものに限定されず、図9に示されるように、円筒状の導光部13Yであってもよい。図9において、図1の紫外線殺菌装置と同じ構成部材には同じ符号を付してある。
また例えば、紫外線光源は、エキシマランプが外套管の内部に配設された構成のものであってもよい。
また例えば、紫外線光源としては、上述の構成の二重管タイプの発光管を備えたエキシマランプに限定されず、扁平管のような一重管タイプの発光管を備えたエキシマランプを用いることもできる。
図1に示される構成の紫外線殺菌装置(以下、「紫外線殺菌装置〔1〕」ともいう。)を作製した。
作製した紫外線殺菌装置〔1〕は、下記の仕様を有するものである。
外側管:材質;合成石英ガラス,外径;40mm,内径;36mm
内側管:材質;合成石英ガラス,外径;26mm,内径;24mm
放電用ガス:種類(封入ガス種類);クリプトン(封入圧;20kPa(150Torr)と塩素133Pa(1Torr)との混合ガス(全封入圧;20.1kPa(151Torr))
放射される紫外線:発光波長222nmを中心とする光
ランプ全長:100mm
放電空間の距離:5mm
(ランプ収納室)
周壁部:材質;アルミニウム,幅(図1において紙面と垂直な方向の長さ);50mm,高さ(図1において上下方向の長さ);50mm,全長;130mm,開口の寸法;50mm×50mm
(バンドパスフィルタ)
角度特性;図11のスペクトルに示すフィルタ透過率の角度依存性を有するもの
(導光部)
材質;石英ガラス,縦(図1において紙面と垂直な方向の長さ);50mm,横(図1において左右方向の長さ);50mm,長さ(図1における上下方向の長さ);50mm
(照射窓)
材質;石英ガラス,縦(図1において紙面と垂直な方向の長さ);50mm,横(図1において左右方向の長さ);50mm,厚み;2mm
ここで、有害光の強度比とは、スペクトルにおける230〜300nmの波長域の光強度の積分値と、200〜230nmの波長域の光強度の積分値の比である。有害光の強度比が大きい程、230〜300nmの波長域の光強度、すなわち有害光が多いことになる。
実施例1に係る紫外線殺菌装置〔1〕において、導光部として、四角筒状の外殻の内面に黒色の塗料による層が形成されたものを用いたこと以外は同様の紫外線殺菌装置〔2〕を作製した。
この紫外線殺菌装置〔2〕について、実施例1と同様の手法により、エキシマランプの作動時におけるスペクトルを測定し、波長200〜230nmの紫外線の照度および有害光の強度比を算出した。結果を下記の表1に示す。
実施例1に係る紫外線殺菌装置〔1〕において、導光部として、四角筒状の外殻の内面にアルミニウムによる反射層が形成されたものを用いたこと以外は同様の紫外線殺菌装置〔3〕を作製した。
この紫外線殺菌装置〔3〕について、実施例1と同様の手法により、エキシマランプの作動時におけるスペクトルを測定し、波長200〜230nmの紫外線の照度および有害光の強度比を算出した。結果を下記の表1に示す。
また、本発明の実施例2に係る紫外線殺菌装置〔2〕においては、有効光の発光強度が実施例1に比較して抑制されるものの、確実に有害光を除去することができることが確認された。これは、石英ガラスよりなる導光部である場合には反射される有効光が、黒色の塗料による層に吸収されたためと考えられる。
また、比較例1に係る紫外線殺菌装置〔3〕においては、有効光について大きな発光強度が得られるが、有害光を除去することが難しいことが判明した。これは、導光部のアルミニウムによる反射層によってバンドパスフィルタに係る高角度成分光に含まれる有害光が当該バンドパスフィルタを透過して導光部の内表面においてそのまま反射され、照射窓から有効光と共に出射されてしまったためと考えられる。
11 紫外線光源ユニット
12 ランプ収納室
12A 周壁部
12B 給気ファン
12C 排気ファン
12D 開口
13,13X,13Y,13Z 導光部
13A 基端部
13B 先端部
13C 紫外線吸収部材層
13D 外殻
14A,14B 紫外線光源ユニット支持部
14H 係合孔
16 オゾンフィルタ
17 照射窓
18,18X バンドパスフィルタ
20 エキシマランプ
21 発光管
22 外側管
23 内側管
24A,24B 封止壁部材
25 外側電極
26 内側電極
28 反射部材
32A,32B ベース部材
33A,33B 係合部
34A,34B 係合部
50 エキシマランプ
51 発光管
52 外側管
53 内側管
54A,54B 封止壁部材
55 外側電極
56 内側電極
59 高周波電源
S1 内部空間
Claims (3)
- 紫外線光源と、
当該紫外線光源を収納するランプ収納室と、
前記紫外線光源からの光を導光する導光部とを有する紫外線殺菌装置であって、
前記導光部と前記ランプ収納室との間、または、前記導光部の光出射側の先端部の少なくとも一方に、人体に有害な波長域230〜300nmの紫外線を低減させるバンドパスフィルタを設けると共に、
前記導光部の内表面が人体に有害な波長域230〜300nmの紫外線を吸収する紫外線吸収部材よりなることを特徴とする紫外線殺菌装置。 - 前記バンドパスフィルタが下記式(1)で表される光の強度比を10%以下とするものであることを特徴とする請求項1に記載の紫外線殺菌装置。
式(1):光の強度比[%]={(前記人体に有害な波長域230〜300nmの紫外線の強度)/(200〜230nmの波長域の有効光の強度)}×100 - 前記バンドパスフィルタを透過した200〜230nmの波長域の有効光が、前記紫外線吸収部材によって反射されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紫外線殺菌装置。
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