JP7385450B2 - ハニカム構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。更に詳しくは、排ガス中に含まれる粒子状物質を捕集するためのフィルタや触媒を担持して排ガスを浄化するための触媒担体等に使用されるハニカム構造体に関する。
ディーゼル車やトラックから排出される排ガス中には、粒子状物質が含まれている。以下、粒子状物質を、「PM」ということがある。PMは、「Particulate Matter」の略である。このPMは、主にスート(煤)等のカーボン微粒子からなるもので、大気中に放出されるのを防止する必要があり、厳しい排出規制が課せられている。
このような厳しい排出規制に対応すべく、PM排出量を低減するための多くの研究が行われているが、PM排出量を燃焼技術の改善によって低減するには限界があり、排気系にフィルタを設置することが、有効なPM排出量の低減手段となっている。
PMを捕集するためのフィルタとしては、圧力損失を許容範囲に抑えつつ、高いPM捕集効率を得られることから、ハニカム構造体を用いたウォールフロー型のものが、広く使用されている。ウォールフロー型フィルタに使用されるハニカム構造体は、排ガスの入口側となる流入端面から排ガスの出口側となる流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有している。このハニカム構造体に、所定のセルの流出端面側の開口端部及び残余のセルの流入端面側の開口端部を目封止する目封止部を設けることにより、高いPM捕集効率を持ったフィルタが得られる。
PMを捕集するためのフィルタに用いられるハニカム構造体は、近年、PMの捕集量を増大するため、高熱容量が見込まれる材料によって作製されることがある。但し、このような高熱容量が見込まれる材料は、概して熱膨張が高い特性であるが故に、高温の排ガスによる熱衝撃によって高い熱応力が発生し、ハニカム構造体が破損することがある。このようなことから、近年、フィルタを1つのハニカム構造体として製造するのではなく、複数個のハニカム形状のセグメント(ハニカムセグメント)を接合してハニカム構造体とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。以下、このようなハニカム構造体を「セグメント構造のハニカム構造体」ということがある。セグメント構造のハニカム構造体は、1つのハニカム構造体が、複数個のハニカムセグメントによって分割された構造を有しているため、ハニカム構造体に生じる熱応力を分散させることができる。また、セグメント構造のハニカム構造体では、複数個のハニカムセグメントを接合する接合層が、熱応力を緩和する緩衝部材の役割を果すこともある。
特開2015-187044号公報
セグメント構造のハニカム構造体は、ハニカムセグメント同士を接合層によって接合しているが、使用中において、ハニカムセグメント内の応力緩和のため、また、過大な熱応力が負荷されるなどの理由により、接合層自体にクラックが発生することがある。このような接合層のクラックが広範囲に及ぶと、クラックが流路方向全域まで貫通してしまい、ハニカムセグメント同士を保持できず、一部のハニカムセグメントが分離してしまうことがある。そして、分離したハニカムセグメントは、排ガスの風圧などによって下流側に押し出されて、ハニカム構造体から抜け落ちてしまうこともある。このような事象が発生すると、ハニカム構造体よりも下流側に設けられた排ガス浄化装置の後処理システムを物理的に損傷するなどの問題が発生する懸念がある。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明は、接合層にクラックが発生して一部のハニカムセグメントが分離したとしても、分離したハニカムセグメントが下流側に抜け落ちてしまうことを防止することが可能なハニカム構造体を提供する。
本発明によれば、以下に示す、ハニカム構造体が提供される。
[1] 複数個の角柱状のハニカムセグメントと、複数個の前記ハニカムセグメントの側面同士を互いに接合する接合層と、を有するハニカムセグメント接合体を備え、
前記ハニカムセグメントは、流体の入口側となる第一端面から流体の出口側となる第二端面まで延びる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁と、前記ハニカムセグメントの側面を構成するセグメント外壁と、を有し、
前記ハニカムセグメント接合体において、第一のハニカムセグメントの一の側面と、第二のハニカムセグメントの一の側面とが対向配置された状態で前記接合層を介して相互に接合され、
前記第一のハニカムセグメントは、当該第一のハニカムセグメントの前記一の側面に、当該一の側面から外側に向かって突出する第一突起及び第二突起を有し、
前記第二のハニカムセグメントは、当該第二のハニカムセグメントの前記一の側面に、当該一の側面から外側に向かって突出する第三突起を有し、
前記第一のハニカムセグメントの前記第二突起は、前記一の側面における前記第一端面から前記第二端面に向かう軸方向において、前記第一突起よりも前記第二端面寄りに配設され、
前記第二のハニカムセグメントの前記第三突起は、前記一の側面における前記第一端面から前記第二端面に向かう軸方向において、対向配置された第一のハニカムセグメントの前記第一突起と前記第二突起との間に位置し、且つ、
前記第一のハニカムセグメントと前記第二のハニカムセグメントとは、前記ハニカムセグメント接合体の軸方向の投影視において、前記第三突起の少なくとも一部が、前記第一突起及び前記第二突起と重なるように配設されている、ハニカム構造体であって、
前記第一突起の突起高さH1と前記第三突起の突起高さH3とを足し合わせた値(H1+H3)が、前記接合層の厚さH4よりも大であり、且つ、
前記第二突起の突起高さH2と前記第三突起の突起高さH3とを足し合わせた値(H2+H3)が、前記接合層の厚さH4よりも大であり、
前記第一突起及び前記第二突起の、前記第一端面から前記第二端面に向かう軸方向及び突起高さ方向のそれぞれに直交する横幅方向の長さW1,W2が、前記第一のハニカムセグメントの前記一の側面の横幅方向の長さW01の20~70%であり、
前記第三突起の、前記第一端面から前記第二端面に向かう軸方向及び突起高さ方向のそれぞれに直交する横幅方向の長さW3が、前記第二のハニカムセグメントの前記一の側面の横幅方向の長さW02の20~70%であり、
前記第一端面から前記第二端面に向かう軸方向において、前記第一突起と前記第三突起との相互間距離が1~15mmであり、前記第二突起と前記第三突起との相互間距離が1~15mmである、ハニカム構造体
[2] 前記第一突起と前記第二突起とは、それぞれ独立した突起部材によって構成されている、前記[1]に記載のハニカム構造体。
[3] 前記第一突起と前記第二突起とは、2つの突起を有する1つの突起部材によって構成されている、前記[1]に記載のハニカム構造体。
[7] 前記第一のハニカムセグメントの前記一の側面において、前記第一突起及び前記第二突起が、前記第一のハニカムセグメントの前記第二端面から当該第一のハニカムセグメントの軸方向長さL01の50%の位置までの範囲に存在する、前記[1]~[6]のいずれかに記載のハニカム構造体。
本発明のハニカム構造体は、接合層にクラックが発生して一部のハニカムセグメントが分離したとしても、分離したハニカムセグメントが下流側に抜け落ちてしまうことを防止することができる。また、本発明のハニカム構造体は、従来のセグメント構造のハニカム構造体に比して、接合層に発生したクラックが、ハニカム構造体の流路方向全域に貫通し難くもなるため、ハニカムセグメントの分離についても有効に抑制することができる。
本発明のハニカム構造体の第一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図1に示すハニカム構造体の第一端面側を示す平面図である。 図2のA-A’断面を模式的に示す断面図である。 図3のPで示す範囲を拡大した拡大断面図である。 本発明のハニカム構造体の第一実施形態に用いられる第一のハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体の第一実施形態に用いられる第二のハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体の第二実施形態に用いられる第一のハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体の第二実施形態に用いられる第二のハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体の第三実施形態に用いられるハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体の第四実施形態に用いられる第一のハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
(1)ハニカム構造体:
本発明のハニカム構造体の第一実施形態は、図1~図4に示すようなハニカム構造体100である。ここで、図1は、本発明のハニカム構造体の第一実施形態を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示すハニカム構造体の第一端面側を示す平面図である。図3は、図2のA-A’断面を模式的に示す断面図である。図4は、図3のPで示す範囲を拡大した拡大断面図である。
ハニカム構造体100は、ハニカムセグメント接合体10、及びハニカムセグメント接合体10の外周を囲繞するように配置された外周壁13を備えた、セグメント構造のハニカム構造体100である。
ハニカムセグメント接合体10は、複数個の柱状のハニカムセグメント4と、複数個のハニカムセグメント4の側面同士を格子状に接合する接合層14と、を有している。ハニカムセグメント4は、流体の入口側となる第一端面11から流体の出口側となる第二端面12まで延びる複数のセル2を取り囲むように配置された多孔質の隔壁1と、ハニカムセグメント4の側面を構成するセグメント外壁3と、を有している。ハニカムセグメント4は、第一端面11及び第二端面12が四角形の四角柱状のものである。
ハニカムセグメント接合体10において、第一のハニカムセグメント4aの一の側面と、第二のハニカムセグメント4bの一の側面とが対向配置された状態で接合層14を介して相互に接合されている。第一のハニカムセグメント4aは、図5に示すように構成されたものであり、第二のハニカムセグメント4bは、図6に示すように構成されたものである。ここで、図5は、本発明のハニカム構造体の第一実施形態に用いられる第一のハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。図6は、本発明のハニカム構造体の第一実施形態に用いられる第二のハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。
図5に示すように、第一のハニカムセグメント4aは、その一の側面に、当該一の側面から外側に向かって突出する第一突起7及び第二突起8を有している。第一のハニカムセグメント4aの一の側面とは、四角柱状の第一のハニカムセグメント4aにおいて、その側面を構成するセグメント外壁3の一つの表面を意味する。
図6に示すように、第二のハニカムセグメント4bは、その一の側面に、当該一の側面から外側に向かって突出する第三突起9を有している。第二のハニカムセグメント4bの一の側面とは、四角柱状の第二のハニカムセグメント4bにおいて、その側面を構成するセグメント外壁3の一つの表面を意味する。
図1~図4に示すハニカム構造体100は、上述したような第一のハニカムセグメント4a及び第二のハニカムセグメント4bの構成について特に主要な特徴を有している。以下、第一のハニカムセグメント4a及び第二のハニカムセグメント4bの構成についてより詳細に説明する。
第一のハニカムセグメント4aの第二突起8は、一の側面における第一端面11から第二端面12に向かう軸方向において、第一突起7よりも第二端面12寄りに配設されている。以下、本明細書において、特に断りのない限り、「軸方向」とは、ハニカムセグメント4の第一端面11から第二端面12に向かう方向を意味する。
第二のハニカムセグメント4bの第三突起9は、一の側面における第一端面11から第二端面12に向かう軸方向において、対向配置された第一のハニカムセグメント4aの第一突起7と第二突起8との間に位置している。そして、第一のハニカムセグメント4aと第二のハニカムセグメント4bとは、ハニカムセグメント接合体10の軸方向の投影視において、第三突起9の少なくとも一部が、第一突起7及び第二突起8と重なるように配設されている。即ち、ハニカムセグメント接合体10の状態において、第一突起7と第三突起9とは、軸方向に互いの一部が重なるように配置されており、また、第二突起8と第三突起9とも、軸方向に互いの一部が重なるように配置されている。
ハニカム構造体100は、接合層14にクラックが発生して一部のハニカムセグメント4が分離したとしても、分離したハニカムセグメント4が下流側に抜け落ちてしまうことを防止することができる。即ち、例えば、第一のハニカムセグメント4aと第二のハニカムセグメント4bとを接合する接合層14の接合が解除されたとしても、第一突起7、第二突起8、及び第三突起9が相互に係わり合って止まることにより、脱落防止の機能を奏する。このため、第一のハニカムセグメント4a又は第二のハニカムセグメント4bがハニカムセグメント接合体10から部分的に分離してしまった場合であっても、これらの下流側への抜け落ちを有効に防止することができる。また、ハニカム構造体100は、従来のセグメント構造のハニカム構造体に比して、接合層14に発生したクラックが、ハニカム構造体100の流路方向(別言すれば、軸方向)全域に貫通し難くもなるため、ハニカムセグメント4の分離についても有効に抑制することができる。
第一突起7の突起高さH1と第三突起9の突起高さH3とを足し合わせた値(H1+H3)が、接合層14の厚さH4よりも大である。また、第二突起8の突起高さH2と第三突起9の突起高さH3とを足し合わせた値(H2+H3)が、接合層14の厚さH4よりも大である。このように構成することによって、第三突起9が、第一突起7及び第二突起8の双方に引っ掛かり易くなり、第一のハニカムセグメント4a及び第二のハニカムセグメント4bの脱落を有効に防止することができる。
第一突起7の突起高さH1と第三突起9の突起高さH3とを足し合わせた値(H1+H3)は、接合層14の厚さH4の1.1~2.0倍であることが好ましく、1.1~1.5倍であることが更に好ましい。同様に、第二突起8の突起高さH2と第三突起9の突起高さH3とを足し合わせた値(H2+H3)は、接合層14の厚さH4の1.1~2.0倍であることが好ましく、1.1~1.5倍であることが更に好ましい。
第一突起7の突起高さH1は、例えば、0.3~3.0mmであることが好ましく、0.3~1.5mmであることが更に好ましい。第二突起8の突起高さH2は、例えば、0.3~3.0mmであることが好ましく、0.3~1.5mmであることが更に好ましい。第三突起9の突起高さH3は、例えば、0.3~3.0mmであることが好ましく、0.3~1.5mmであることが更に好ましい。接合層14の厚さH4は、例えば、0.5~3.0mmであることが好ましく、0.5~1.5mmであることが更に好ましい。本明細書において、第一突起7、第二突起8及び第三突起9のそれぞれの「突起高さH1,H2,H3」は、ハニカムセグメントの側面から各突起の頂点までの距離とする。なお、「ハニカムセグメントの側面から各突起の頂点までの距離」とは、突起の頂点からハニカムセグメントの側面に下した垂線の長さのことである。また、第一突起7、第二突起8及び第三突起9のいずれかにおいて、突起の頂点を2つ以上有する場合は、その高さが高い方の突起の頂点までの距離を、当該突起の高さとする。
第一突起7及び第二突起8の横幅方向の長さW1,W2が、第一のハニカムセグメント4aの一の側面の横幅方向の長さW01の20~70%であ、20~50%であることが好ましい。ここで、第一突起7及び第二突起8の「横幅方向」とは、第一端面11から第二端面12に向かう軸方向及び第一突起7及び第二突起8の突起高さ方向のそれぞれに直交する方向のことを意味する。また、「突起高さ方向」とは、第一突起7の頂部又は第二突起8の頂部から第一のハニカムセグメント4aの一の側面に下した垂線の延びる方向のことを意味する。
第三突起9の軸方向及び突起高さ方向のそれぞれに直交する横幅方向の長さW3が、第二のハニカムセグメント4bの一の側面の横幅方向の長さW02の20~70%であ、20~50%であることが好ましい。第三突起9の「横幅方向」とは、第一端面11から第二端面12に向かう軸方向及び第三突起9の突起高さ方向のそれぞれに直交する方向のことを意味する。
第一端面11から第二端面12に向かう軸方向において、第一突起7と第三突起9との相互間距離が1~15mmであり、第二突起8と第三突起9との相互間距離が1~15mmである。第一突起7と第三突起9との相互間距離が1mm未満であると、ハニカムセグメント4間の接合層14が不足し強度確保の観点で好ましくない。第一突起7と第三突起9との相互間距離が15mmを超えると、接合層14に発生したクラック進展を防止しづらくなるという点で好ましくない。また、第二突起8と第三突起9との相互間距離が1mm未満であると、前述と同様に強度確保の観点で好ましくない。第二突起8と第三突起9との相互間距離が15mmを超えると、前述と同様にクラック進展防止の観点で好ましくない。第一突起7と第三突起9との相互間距離は5~14mmであることが更に好ましく、第一突起7と第三突起9との相互間距離は5~10mmであることが更に好ましい。なお、図5において、L1は、第一突起7の第二端面12からの軸方向の距離を示し、L2は、第二突起8の第二端面12からの軸方向の距離を示す。また、図6において、L3は、第三突起9の第二端面12からの軸方向の距離を示す。
第一のハニカムセグメント4aの一の側面において、第一突起7及び第二突起8が、第一のハニカムセグメント4aの第二端面12から当該第一のハニカムセグメント4aの軸方向長さL01の50%の位置までの範囲に存在することが好ましい。ハニカムセグメント4の分離の起点となるクラックは、第二端面12から軸方向長さL01の50%の位置までの範囲に発生しやすい。このため、上記のような構成については、発生したクラックがハニカムセグメント4同士を接合する接合面の全面に進展することを、第一突起7及び第二突起8によって防ぐことができるため、ハニカムセグメント4が分離しにくいという点で利点がある。上記のような構成の場合、第二のハニカムセグメント4bの一の側面において、第三突起9も、第二端面12から第二のハニカムセグメント4bの軸方向長さL02の50%の位置までの範囲に存在する。
ハニカムセグメント4に形成されているセル2の形状については特に制限はない。例えば、セル2の延びる方向に直交する断面における、セル2の形状としては、多角形、円形、楕円形等を挙げることができる。多角形としては、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等を挙げることができる。なお、セル2の形状は、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形であることが好ましい。また、セル2の形状については、全てのセル2の形状が同一形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。例えば、図示は省略するが、四角形のセルと、八角形のセルと混在したものであってもよい。また、セル2の大きさについては、全てのセル2の大きさが同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、図示は省略するが、複数のセルのうち、一部のセルの大きさを大きくし、他のセルの大きさを相対的に小さくしてもよい。
隔壁1によって区画されるセル2のセル密度が、15~62個/cmであることが好ましく、31~54個/cmであることが更に好ましい。このように構成することによって、本実施形態のハニカム構造体100を、自動車のエンジンから排出される排ガスを浄化するための浄化部材(例えば、フィルタや触媒担体)として好適に利用することができる。
隔壁1の気孔率が、30~75%であることが好ましく、35~70%であることが更に好ましく、40~65%であることが特に好ましい。隔壁1の気孔率は、水銀圧入法によって測定された値である。隔壁1の気孔率の測定は、例えば、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行うことができる。気孔率の測定は、各ハニカムセグメント4の隔壁1の一部を切り出して試験片とし、その試験片を用いて行うことができる。隔壁1の気孔率が、30%未満であると、ハニカム構造体100自体の圧力損失が増大することや、触媒の担持後における圧力損失のばらつきが大きくなることがある。隔壁1の気孔率が、75%を超えると、ハニカム構造体100の強度が低下してしまうことがある。
ハニカムセグメント4を構成する材料に特に制限はないが、強度、耐熱性、耐久性等の観点から、下記材料群から選択される少なくとも1種の材質が好ましい。材料群とは、炭化珪素、珪素-炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素-コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、及びFe-Cr-Al系金属の材料群である。これらの中でも、炭化珪素、又は珪素-炭化珪素系複合材料が更に好ましい。珪素-炭化珪素系複合材料は、炭化珪素(SiC)を骨材とし、且つ珪素(Si)を結合材とする複合材料である。
ハニカムセグメント4の形状については、特に制限はない。なお、ハニカムセグメント4のうち、最外周に配置されたハニカムセグメント4は、ハニカム構造体100の全体形状に応じて、その一部が研削等により加工されていることが好ましい。また、最外周に配置されたハニカムセグメント4以外のハニカムセグメント4は、例えば、軸方向に直交する断面形状が四角形の角柱状であることが好ましい。
第一突起7、第二突起8及び第三突起9を構成する材料に特に制限はないが、上述したハニカムセグメント4を構成する材料と同様のものであることが好ましい。特に、第一突起7、第二突起8及び第三突起9を構成する材料としては、炭化珪素、又は珪素-炭化珪素系複合材料が更に好ましい。
第一突起7、第二突起8及び第三突起9は、ハニカムセグメント4と同材質の原料を用いて、例えば、成形によって作製することができる。第一突起7、第二突起8及び第三突起9は、上記方法によって個々に作製したものを、例えば、焼成前のハニカムセグメント4の側面を構成するセグメント外壁3に対して、下地材などを介して配置し、焼成することにより形成されていることが好ましい。
図5に示す第一のハニカムセグメント4aは、第一のハニカムセグメント4aの軸方向及び第一突起7の突起高さ方向のそれぞれに平行な面における、第一突起7及び第二突起8の形状が三角形である。第一突起7及び第二突起8の上述した形状については、三角形に限定されることはなく、例えば、長方形、正方形、台形等の四角形、半円形、半楕円形などであってもよい。
図6に示す第二のハニカムセグメント4bにおいても、第二のハニカムセグメント4bの軸方向及び第三突起9の突起高さ方向のそれぞれに平行な面における、第三突起9の形状が三角形である。第三突起9の上述した形状については、三角形に限定されることはなく、例えば、長方形、正方形、台形等の四角形、半円形、半楕円形などであってもよい。
接合層14の材料については、特に制限はなく、従来公知のセグメント構造のハニカム構造体における接合層の材料を用いることができる。接合層14の厚さH4については特に制限はないが、例えば、0.5~3.0mmであることが好ましく、0.5~2.0mmであることが更に好ましく、0.5~1.5mmであることが特に好ましい。
ハニカム構造体100の全体形状については、特に制限はない。例えば、図1に示すハニカム構造体100の全体形状は、第一端面11及び第二端面12が円形の円柱状である。その他、図示は省略するが、ハニカム構造体の全体形状としては、第一端面及び第二端面が、楕円形やレーストラック(Racetrack)形や長円形等の略円形の柱状であってもよい。また、ハニカム構造体の全体形状としては、第一端面及び第二端面が、四角形や六角形等の多角形の角柱状であってもよい。
ハニカム構造体100の大きさ、例えば、第一端面から第二端面までの長さや、ハニカム構造体100のセル2の延びる方向に直交する断面の大きさについては、特に制限はない。ハニカム構造体100を、排ガス浄化用のフィルタとして用いた際に、最適な浄化性能を得るように、各大きさを適宜選択すればよい。例えば、ハニカム構造体100の第一端面から第二端面までの長さは、100~300mmであることが好ましく、100~200mmであることが特に好ましい。また、ハニカム構造体100のセル2の延びる方向に直交する断面の面積は、15000~90000mmであることが好ましく、20000~70000mmであることが特に好ましい。
ハニカム構造体100は、それぞれのハニカムセグメント4におけるセル2の第一端面11側又は第二端面12側のいずれか一方の端部が、目封止部5によって目封止されていてもよい。このように構成することによって、ハニカム構造体100を、排ガス中に含まれる粒子状物質を捕集除去するためにフィルタとして良好に利用することができる。目封止部5の材料については特に制限はない。目封止部5の材料は、例えば、ハニカムセグメント4を構成する材料として例示した材料と同様な材料が好ましい。
次に、本発明のハニカム構造体の第二実施形態について、図7及び図8を参照しつつ説明する。図7は、本発明のハニカム構造体の第二実施形態に用いられる第一のハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。図8は、本発明のハニカム構造体の第二実施形態に用いられる第二のハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。図7及び図8において、図5及び図6に示すハニカムセグメント4と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
第二実施形態のハニカム構造体(図示せず)においては、図7及び図8に示される2種類のハニカムセグメント24によってハニカムセグメント接合体(図示せず)が形成されている。第二実施形態のハニカム構造体(図示せず)は、図7及び図8に示されるハニカムセグメント24が用いられること以外は、これまでに説明した第一実施形態のハニカム構造体100(図1~図4参照)と同様に構成されていることが好ましい。
図7に示すハニカムセグメント24は、四角柱状の各側面を構成するセグメント外壁23に、第一突起27及び第二突起28を有する。したがって、図7に示すハニカムセグメント24は、第二実施形態のハニカム構造体(図示せず)において第一のハニカムセグメント24aとなる。第一突起27及び第二突起28の横幅方向の長さは、第一のハニカムセグメント24aの一の側面の横幅方向の長さと同じものとなっている。
図8に示すハニカムセグメント24は、四角柱状の各側面を構成するセグメント外壁23に、第三突起29を有する。したがって、図8に示すハニカムセグメント24は、第二実施形態のハニカム構造体(図示せず)において第二のハニカムセグメント24bとなる。第三突起29の横幅方向の長さは、第二のハニカムセグメント24bの一の側面の横幅方向の長さと同じものとなっている。
第一のハニカムセグメント24aの第二突起28は、一の側面における第一端面31から第二端面32に向かう軸方向において、第一突起27よりも第二端面32寄りに配設されている。
第二のハニカムセグメント24bの第三突起29は、一の側面における第一端面31から第二端面32に向かう軸方向において、対向配置された第一のハニカムセグメント24aの第一突起27と第二突起28との間に位置している。
第二実施形態のハニカム構造体は、図7に示す第一のハニカムセグメント24aと、図8に示す第二のハニカムセグメント24bとが、互いの側面同士が対向するように隣り合って配置されることによってハニカムセグメント接合体(図示せず)が形成されている。そして、第一のハニカムセグメント24aと第二のハニカムセグメント24bとは、ハニカムセグメント接合体(図示せず)の軸方向の投影視において、第三突起29の少なくとも一部が、第一突起27及び第二突起28と重なるように配設されている。このように構成されたハニカム構造体も、これまでに説明した第一実施形態のハニカム構造体100(図1~図5参照)と同様の効果を奏するものとなる。
図7に示す第一のハニカムセグメント24aは、第一突起27及び第二突起28の横幅方向の長さ以外については、図5に示す第一のハニカムセグメント4aと同様に構成されていることが好ましい。図8に示す第二のハニカムセグメント24bは、第三突起29の横幅方向の長さ以外については、図6に示す第二のハニカムセグメント4bと同様に構成されていることが好ましい。
第二実施形態のハニカム構造体は、上述したような図7及び図8に示される2種類のハニカムセグメント24によってハニカムセグメント接合体(図示せず)が形成されたものである。但し、ハニカムセグメント接合体(図示せず)に用いられる2種類のハニカムセグメント24は、図7及び図8に示される2種類のハニカムセグメント24に限定されることはない。例えば、図7に示す第一のハニカムセグメント24aと、図6に示す第二のハニカムセグメント4bとによって、ハニカムセグメント接合体(図示せず)が形成されていてもよい。この場合は、ハニカムセグメント接合体(図示せず)の軸方向の投影視において、第三突起9(図6参照)の少なくとも一部が、第一突起27(図7参照)及び第二突起28(図7参照)と重なるように配設される。また、図5に示す第一のハニカムセグメント4aと、図8に示す第二のハニカムセグメント24bとによって、ハニカムセグメント接合体(図示せず)が形成されていてもよい。この場合は、ハニカムセグメント接合体(図示せず)の軸方向の投影視において、第三突起29(図8参照)の少なくとも一部が、第一突起7(図5参照)及び第二突起8(図5参照)と重なるように配設される。
次に、第三実施形態のハニカム構造体(図示せず)について説明する。第三実施形態のハニカム構造体(図示せず)は、図9に示されるハニカムセグメント44によってハニカムセグメント接合体(図示せず)が形成されている。図9は、本発明のハニカム構造体の第三実施形態に用いられるハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。第三実施形態のハニカム構造体(図示せず)は、図9に示されるハニカムセグメント44が用いられること以外は、これまでに説明した第一実施形態のハニカム構造体100(図1~図4参照)と同様に構成されていることが好ましい。
図9に示すハニカムセグメント44は、セグメント外壁43によって構成される一の側面に、第一突起47及び第二突起48を有し、更に別の側面に、第三突起49を有している。したがって、図9に示すハニカムセグメント44は、第一突起47及び第二突起48を有する一の側面に着目した場合には、第一のハニカムセグメント44aと見做すことができる。また、図9に示すハニカムセグメント44は、第三突起49を有する別の側面に着目した場合には、第二のハニカムセグメント44bと見做すことができる。第三実施形態のハニカム構造体(図示せず)は、実質的に1種類のハニカムセグメント44を、適宜、第一のハニカムセグメント44a又は第二のハニカムセグメント44bと見做すことによりハニカムセグメント接合体(図示せず)が形成されている。このように構成されたハニカム構造体も、これまでに説明した第一実施形態のハニカム構造体100(図1~図5参照)と同様の効果を奏するものとなる。
次に、第四実施形態のハニカム構造体(図示せず)について説明する。第四実施形態のハニカム構造体(図示せず)は、第一のハニカムセグメントとして、図10に示されるハニカムセグメント64が用いられている。図10は、本発明のハニカム構造体の第四実施形態に用いられる第一のハニカムセグメントを模式的に示す斜視図である。ハニカムセグメント接合体(図示せず)の形成に用いられる第二のハニカムセグメントは、これまでに説明した第二のハニカムセグメント、例えば、図6に示す第二のハニカムセグメント4b等を適宜用いることができる。
図10に示すハニカムセグメント64(第一のハニカムセグメント64a)は、第一突起67と第二突起68とが、2つの突起を有する1つの突起部材70によって構成されている。このように構成することによって、突起部材70の配置作業の効率化やハニカムセグメント64の側面との設置面積増による強度増加といった点に利点がある。なお、図5に示す第一のハニカムセグメント4aは、第一突起7と第二突起8とが、それぞれ独立した突起部材によって構成されている。このような図5に示す第一のハニカムセグメント4aは、配置位置の自由度が高まることで、ハニカムセグメント64の分離に対して広範囲に抑制効果を及ぼすことができ、後段への抜け落ちを有効に防ぐことができる点に利点がある。
(2)ハニカム構造体の製造方法:
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。ハニカム構造体の製造方法としては、「ハニカムセグメント作製工程」と、「組立体作製工程」と、「接合体作製工程」と、を備えた方法を挙げることができる。
ハニカムセグメント作製工程は、図6及び図7に示すような、複数のセル2を取り囲むように配置された多孔質の隔壁1、及び隔壁1を囲繞するように配置されたセグメント外壁3を有する角柱状のハニカムセグメント4を複数個作製する工程である。ハニカムセグメント作製工程は、従来公知のセグメント構造のハニカム構造体を製造する際における、ハニカムセグメントの作製方法に準じて行うことができる。
次に、第一突起、第二突起及び第三突起を、以下の方法で作製する。まず、ハニカムセグメントと同様に、原材料と水などを有する坏土を調製する。そして、所定の金型へ坏土を押出し、押出した坏土を成形することにより、所望の形状を有する突起部材(例えば、第一突起、第二突起及び第三突起)を作製する。
次に、作製した第一突起、第二突起及び第三突起を、ハニカムセグメントの各側面の所定の位置に配設する。第一突起、第二突起及び第三突起を配設する際には、成型後のハニカムセグメントの側面の所望の位置に各突起部材を配置する。配置する前には下地材などを側面に塗布し、突起部材との接着性を向上させてもよい。接着後、焼成することにより各突起を有するハニカムセグメントを得ることができる。
組立体作製工程は、複数個のハニカムセグメントを格子状に組み合わせて、ハニカムセグメントの組立体を作製する工程である。より具体的には、組立体作製工程では、まず、ハニカムセグメントの側面(別言すれば、「セグメント外壁」)に接合用ペーストを塗工する。次に、複数個のハニカムセグメントを、互いの側面相互間に接合用ペーストを介在させた状態で格子状に組み合わせて、ハニカムセグメントの組立体を作製する。この際、第一のハニカムセグメントの第一突起と第二突起の間に、第二のハニカムセグメントの第三突起が接合層を介して嵌り合うように、複数個のハニカムセグメントを格子状に組み合わせる。
接合体作製工程は、ハニカムセグメントの組立体を乾燥させて、複数個のハニカムセグメントの側面同士を接合用ペーストによって接合して、ハニカムセグメントの接合体を作製する工程である。接合体作製工程は、主に、ハニカムセグメントの側面同士を接合する接合用ペーストを乾燥・固化させるための工程であり、乾燥・固化した接合用ペーストは、ハニカム構造体における接合層となり、この乾燥・固化により、接合層に所望の接合力が発現する。
乾燥の方法は特に制限はなく、例えば、マイクロ波加熱乾燥、高周波誘電加熱乾燥等の電磁波加熱方式と、熱風乾燥、過熱水蒸気乾燥等の外部加熱方式とを挙げることができる。これらの中でも、成形体全体を迅速かつ均一に、クラックが生じないように乾燥することができる点で、電磁波加熱方式で一定量の水分を乾燥させた後、残りの水分を外部加熱方式により乾燥させることが好ましい。
接合体作製工程によって、ハニカムセグメントの接合体を作製した後、得られた接合体の外周部分を所望の形状となるように研削加工してもよい。例えば、このような研削加工を行うことにより、図1~図4に示すような、円柱状のハニカムセグメント接合体10を作製することができる。また、接合体の外周部分を研削加工した後、その外周面に外周コート層を配設して、ハニカム構造体100(図1参照)の外周壁13(図1参照)を作製してもよい。このような接合体作製工程以降の各製造工程については、例えば、従来公知のセグメント構造のハニカム構造体を製造する方法に準じて行うことができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
まず、ハニカムセグメントを作製するための坏土を調製するための原料粉末として、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを混合した混合原料を準備した。そして、準備した混合原料に、バインダ、造孔材、及び水を適量加えて、可塑性の坏土を調製した。
次に、得られた坏土を、押出成形機を用いて成形し、四角柱状のハニカム成形体を45個作製した。そして、以下の方法で、ハニカム成形体の13個について、ハニカム成形体の各側面に第一突起及び第二突起を形成し、ハニカム成形体の20個について、ハニカム成形体の各側面に第三突起を形成した。第一突起及び第二突起の形成は、以下の方法で行った。まず、ハニカムセグメントと同材料を用いて、突起専用の金型からの押出成形により成形して、ハニカム成形体と別体で、第一突起及び第二突起の成形体を作製した。次に、ハニカム成形体の側面の所定の位置に下地材を塗布した後、作製した第一突起及び第二突起の成形体を取り付けた。その後、後述するように、ハニカム成形体とともに第一突起及び第二突起の成形体を焼成して、第一突起及び第二突起を形成した。第三突起の形成は、第一突起と同様の方法により行った。
次に、得られたハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて更に乾燥した。次に、乾燥後のハニカムセグメント成形体のセルの端部に、セルの開口部が第一端面側と第二端面側とで交互に目封止されるように目封止部を配設した。
次に、各ハニカムセグメント成形体を、脱脂し、焼成して、ハニカムセグメントを作製した。各ハニカムセグメントの端面の大きさは、1辺が39mmの正方形であった。ハニカムセグメントの端面の大きさは、ハニカムセグメントの横幅方向の長さに対応する。また、各ハニカムセグメントの第一端面から第二端面までの軸方向の長さは、304.8mmであった。ハニカムセグメントのセグメント外壁の厚さは0.5mmであった。表1に、ハニカムセグメントの構成を示す。
ハニカムセグメントのうち、第一突起及び第二突起を有する第一のハニカムセグメントは、以下のように構成されたものであった。第一突起は、第一のハニカムセグメントの第二端面からの軸方向の位置が80mmであり、突出高さH1が0.6mmであり、横幅方向の長さW1が20mmであった。第二突起は、第一のハニカムセグメントの第二端面からの軸方向の位置が70mmであり、突出高さH2が0.6mmであり、横幅方向の長さW2が20mmであった。結果を表2に示す。
ハニカムセグメントのうち、第三突起を有する第二のハニカムセグメントは、以下のように構成されたものであった。第三突起は、第二のハニカムセグメントの第二端面からの軸方向の位置が75mmであり、突出高さH3が0.6mmであり、横幅方向の長さW3が20mmであった。結果を表3に示す。
第一突起の、軸方向及び突起高さ方向のそれぞれに平行な面における形状は、底辺が1.2mmとなる三角形であった。第二突起の、軸方向及び突起高さ方向のそれぞれに平行な面における形状は、底辺が1.2mmとなる三角形であった。第三突起の、軸方向及び突起高さ方向のそれぞれに平行な面における形状は、底辺が1.2mmとなる三角形であった。第一突起、第二突起及び第三突起の形状を表2に示す。
次に、ハニカムセグメントの側面に、SiC系モルタル接着材である接合用ペーストを塗工した。そして、第一のハニカムセグメントと第二のハニカムセグメントとが交互に配置されるように接合用ペーストを介して格子状に組み合わせて、ハニカムセグメントの組立体を作製した。ハニカムセグメントの組立体を作製する際のハニカムセグメントの配置及び個数を、表1の「ハニカムセグメント」における「配置」及び「総数(個)」の欄に示す。なお、「配置」の欄には、例えば、上述したように、縦方向及び横方向にそれぞれ7個ずつハニカムセグメントが配置される場合には、「7×7」と示す。
次に、ハニカムセグメントの組立体を、100℃の大気雰囲気で、1時間乾燥して、ハニカムセグメントの接合体を作製した。次に、作製したハニカムセグメントの接合体の外周を円柱状に研削加工し、その外周面に外周コート層を配設して、ハニカム構造体を製造した。実施例1のハニカム構造体において、ハニカムセグメントの互いの側面相互間の接合層の厚さH4は1.0mmであった。結果を表1に示す。
第一突起の突出高さH1と第三突起の突出高さH3との合計値を、表4の「H1+H3(mm)」の欄に示す。第二突起の突出高さH2と第三突起の突出高さH3との合計値を、表4の「H2+H3(mm)」の欄に示す。
Figure 0007385450000001
Figure 0007385450000002
Figure 0007385450000003
Figure 0007385450000004
実施例1にて製造したハニカム構造体について、以下の方法で、「ハニカムセグメントの抜け落ち評価」を行った。結果を表4に示す。
[ハニカムセグメントの抜け落ち評価]
ハニカム構造体に150℃~850℃の冷熱ガスを繰り返し負荷した。加えて同時に振動負荷装置により物理的な振動を付与し、試験後にセグメント抜け落ち有無及び接合層のクラック貫通有無を確認し、耐久性の検証を行った。振動負荷装置による振動条件は、加速度30G、振動数100Hzとした。ハニカムセグメントの抜け落ち評価の評価基準は以下の通りである。
評価「優」:接合層のクラックが、ハニカムセグメントの両端面まで貫通していない。
評価「良」:接合層のクラックが、ハニカムセグメントの両端面まで貫通はしているものの、ハニカムセグメントの抜け落ちは発生していない。
評価「不可」:ハニカムセグメントの抜け落ちが発生している。
(実施例2~9)
実施例2~9については、ハニカムセグメントの構成及び配置を表1のようなものとし、且つ、第一のハニカムセグメントと第二のハニカムセグメントの構成を表2~表4のようなものとして、ハニカム構造体を作製した。表1~表4に示す以外の構成については、実施例1と同様のものとした。実施例2~9のハニカム構造体についても、実施例1と同様の方法で、ハニカムセグメントの抜け落ち評価を行った。結果を表4に示す。以下、実施例5,7,8の記載を、参考例5,7,8と読み替える。
(比較例1~3)
比較例1~3については、ハニカムセグメントの構成及び配置を表1のようなものとしてハニカム構造体を作製した。比較例1~3においては、ハニカムセグメントの側面に第一突起、第二突起、及び第三突起を設けずに、四角柱状の各側面が平坦なハニカムセグメントを作製した。比較例1~3において作製したハニカムセグメントの個数は、表1の「総数(個)」の欄に示す通りである。そして、作製したハニカムセグメントを、接合用ペーストを介して格子状に組み合わせてハニカムセグメントの組立体を作製し、それ以降は、実施例1と同様の方法でハニカム構造体を作製した。比較例1~3のハニカム構造体についても、実施例1と同様の方法で、ハニカムセグメントの抜け落ち評価を行った。結果を表4に示す。
(結果)
実施例1~9のハニカム構造体は、ハニカムセグメントの抜け落ち評価において、全て良好な評価のものであった。特に、実施例1~4,6,9のハニカム構造体は、接合層のクラックがハニカムセグメントの両端面まで貫通しておらず、ハニカムセグメントの抜け落ちに対して極めて良好なものであった。一方、比較例1~3のハニカム構造体は、ハニカムセグメントの抜け落ちが発生してしまった。なお、実施例5及び7のハニカム構造体は、第一突起と第三突起及び第一突起と第二突起の距離が長く、実施例1~4,6,9のハニカム構造体よりもクラックの貫通抑制効果が若干低い傾向があった。また、実施例8のハニカム構造体は、第一突起の横幅方向の長さW1及び第二突起の横幅方向の長さW2が相対的に小さく、実施例1~4,6,9のハニカム構造体よりもクラックの貫通抑制効果が若干低い傾向があった。
本発明のハニカム構造体は、排気ガスを浄化するための浄化部材として利用することができる。
1:隔壁、2:セル、3,23,43,63:セグメント外壁、4,24,44,64:ハニカムセグメント、4a,24a,44a,64a:第一のハニカムセグメント、4b,24b,44b:第二のハニカムセグメント、5:目封止部、7,27,47,67:第一突起、8,28,48,68:第二突起、9,29,49:第三突起、10:ハニカムセグメント接合体、11,31,51,71:第一端面、12,32,52,72:第二端面、13:外周壁、14:接合層、70:突起部材、100:ハニカム構造体、H1:第一突起の突起高さ、H2:第二突起の突起高さ、H3:第三突起の突起高さ、H4:接合層の厚さ、L01:第一のハニカムセグメントの軸方向長さ、L02:第二のハニカムセグメントの軸方向長さ、L1:第一突起の第二端面からの軸方向の距離、L2:第二突起の第二端面からの軸方向の距離、L3:第三突起の第二端面からの軸方向の距離、W01:第一のハニカムセグメントの横幅方向の長さ、W02:第二のハニカムセグメントの横幅方向の長さ、W1:第一突起の横幅方向の長さ、W2:第二突起の横幅方向の長さ、W3:第三突起の横幅方向の長さ。

Claims (4)

  1. 複数個の角柱状のハニカムセグメントと、複数個の前記ハニカムセグメントの側面同士を互いに接合する接合層と、を有するハニカムセグメント接合体を備え、
    前記ハニカムセグメントは、流体の入口側となる第一端面から流体の出口側となる第二端面まで延びる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁と、前記ハニカムセグメントの側面を構成するセグメント外壁と、を有し、
    前記ハニカムセグメント接合体において、第一のハニカムセグメントの一の側面と、第二のハニカムセグメントの一の側面とが対向配置された状態で前記接合層を介して相互に接合され、
    前記第一のハニカムセグメントは、当該第一のハニカムセグメントの前記一の側面に、当該一の側面から外側に向かって突出する第一突起及び第二突起を有し、
    前記第二のハニカムセグメントは、当該第二のハニカムセグメントの前記一の側面に、当該一の側面から外側に向かって突出する第三突起を有し、
    前記第一のハニカムセグメントの前記第二突起は、前記一の側面における前記第一端面から前記第二端面に向かう軸方向において、前記第一突起よりも前記第二端面寄りに配設され、
    前記第二のハニカムセグメントの前記第三突起は、前記一の側面における前記第一端面から前記第二端面に向かう軸方向において、対向配置された第一のハニカムセグメントの前記第一突起と前記第二突起との間に位置し、且つ、
    前記第一のハニカムセグメントと前記第二のハニカムセグメントとは、前記ハニカムセグメント接合体の軸方向の投影視において、前記第三突起の少なくとも一部が、前記第一突起及び前記第二突起と重なるように配設されている、ハニカム構造体であって、
    前記第一突起の突起高さH1と前記第三突起の突起高さH3とを足し合わせた値(H1+H3)が、前記接合層の厚さH4よりも大であり、且つ、
    前記第二突起の突起高さH2と前記第三突起の突起高さH3とを足し合わせた値(H2+H3)が、前記接合層の厚さH4よりも大であり、
    前記第一突起及び前記第二突起の、前記第一端面から前記第二端面に向かう軸方向及び突起高さ方向のそれぞれに直交する横幅方向の長さW1,W2が、前記第一のハニカムセグメントの前記一の側面の横幅方向の長さW01の20~70%であり、
    前記第三突起の、前記第一端面から前記第二端面に向かう軸方向及び突起高さ方向のそれぞれに直交する横幅方向の長さW3が、前記第二のハニカムセグメントの前記一の側面の横幅方向の長さW02の20~70%であり、
    前記第一端面から前記第二端面に向かう軸方向において、前記第一突起と前記第三突起との相互間距離が1~15mmであり、前記第二突起と前記第三突起との相互間距離が1~15mmである、ハニカム構造体
  2. 前記第一突起と前記第二突起とは、それぞれ独立した突起部材によって構成されている、請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記第一突起と前記第二突起とは、2つの突起を有する1つの突起部材によって構成されている、請求項1に記載のハニカム構造体。
  4. 前記第一のハニカムセグメントの前記一の側面において、前記第一突起及び前記第二突起が、前記第一のハニカムセグメントの前記第二端面から当該第一のハニカムセグメントの軸方向長さL01の50%の位置までの範囲に存在する、請求項1~のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
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