JP7384589B2 - 防災監視システム用受信機 - Google Patents
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Description
第三者が立ち入ることがある場所に設置されている火災受信機にあっては、第三者がカバーや子扉を開けていたずらをしたり不正に操作したりすることで、誤った報知がなされたり必要なときに正常動作しない事が発生したりするおそれがある。そこで、受信機の操作部に設けられているカバーや子扉に鍵を付加することも考えられるが、そのようにすると、火災発生の知らせを受けて消防士が駆け付けた際や取り扱いを許可されたビル管理者等の関係者が鍵を忘れたような場合には、カバーや子扉を開けて内側のスイッチ類を操作することができない事態が生じることが想定される。
特許文献1に記載されている技術は、火災受信機の表示操作部とリッドの一部を覆う被覆板と被覆板を支持するガイドレールを表示操作部とリッドにそれぞれ設けることで、表示操作部の操作とリッドの開操作を禁止する構成としたものである。この技術を適用した場合、いたずら防止には効果があるが、被覆板をネジで固定する構造であるので、工具を使用しないと被覆板を外すことができない。
本発明の他の目的は、いたずら防止対策品と対策をしていない通常品と作り分けることが容易であり、作り分けに伴うコストの上昇を抑えることができる防災監視システム用受信機を提供することにある。
監視対象区域内に設置されている端末機器からの信号に応じてイベントの発生を検知可能な制御基板を内蔵し一面が開口した箱状本体と、検知されたイベントの発生およびイベントに対応した情報を表示可能であるとともに入力操作可能な操作表示部を有し前記箱状本体の開口を閉鎖するように取り付けられる前面パネルと、からなる筐体を備えた防災監視システム用受信機において、
前記前面パネルには、開口部および該開口部の縁に沿った枠体が設けられ、
前記開口部の一部を閉塞可能なカバーが、前記前面パネルに一辺を支点として回動可能に装着され、
前記前面パネルの前記カバーで覆われている部位にはスイッチ類が配置され、
前記前面パネルの前記枠体の互いに対向する一対の壁部には、前記カバーの開放側に対応する位置にそれぞれガイド穴が形成され、
一対の前記ガイド穴には、長尺部材の両端部がそれぞれ挿通され、
前記前面パネルが前記箱状本体の開口を閉鎖した状態において、前記長尺部材が前記カバーの回動を阻止するように構成したものである。
また、前面パネルを開放して長尺部材を抜き取るとカバーを回動させることができ、カバーを開けて内側のスイッチ類を操作することができるので、ビル管理者や点検作業者にとっては必要な操作や作業を行う上で何ら障害とならない。
また、長尺部材を設けない受信機は、長尺部材を挿通するためのガイド穴にグロメット等を挿入しておくことで、防塵や防水を行うことができるとともに、ガイド穴を目立ちにくくすることができるため美観を損なうこともない。
かかる構成によれば、長尺部材を軸方向へ大きく移動させることができないため、前面パネルを閉じた状態のままで長尺部材を抜き取ることができなくなり、第三者がカバーを開けて内側のスイッチ類をいたずらしたり不正操作したりするのを防止することができる。
かかる構成によれば、前面パネルを閉じた状態のままでは長尺部材を軸方向いずれの方向へも移動させることができないので、第三者がカバーを開けて内側のスイッチ類をいたずらしたり不正操作したりするのを防止することができる。また、前面パネルを開いて第2移動阻止手段を回動させると長尺部材を抜き取ることができるようになるため、ビル管理者や点検作業者にとっては必要な操作や作業を行う上で何ら障害とならない。
前記前面パネルの前記カバーで覆われている部位には、電源投入中常時有効にされるスイッチを含む第2スイッチ群が配置されているようにする。
これらのスイッチは、むやみに操作されるとシステムが誤った報知や表示をするおそれがあるが、カバーで覆われている部位に配設されているため、第三者により操作されるのを防止することができ、装置の信頼性が向上する。
前記錠前は、キーを不要としコインもしくは工具で開錠することが可能な錠前により構成する。
かかる構成によれば、第三者によるいたずらを防止しつつ、火災発生の知らせを受けて駆け付けた消防士やキーを忘れた関係者がコインや工具を使用してカバーを開けることで、内側のスイッチを操作できるため、消防士やビル管理者等の関係者が必要な操作を行うことができなくなるような事態が発生するのを回避することができる。
本実施形態の火災受信機は、建物の一角に設置され、建物内に設けられた感知器や発信機からの火災信号を受信し、地区音響装置を鳴動させて火災の発生を音響で知らせるとともに、当該火災受信機の前面パネルに設けられているランプ等の表示により火災の発生を報知する機能を有する。
図1に示されているように、本実施例の火災受信機の前面パネル10は中央に開口部10aが形成され、この開口部10aに各種の表示と入力操作を行うための操作表示パネル10Aが設けられている。
上記表示操作部17には、順送り用のシフトボタン17A、逆送り用のシフトボタン17B、操作を1つ前の段階に戻すための戻りボタン17C、処理を確定させるための決定ボタン17Dが設けられている。
また、図示しないが、上記操作部(11、17、18)からの指令入力を受けて各表示部(11、16、18)やスピーカ14を駆動する制御基板が、火災受信機の筐体(10、20)の内部に設置されている。さらに、商用交流電源の停電時に上記制御基板等へ電源を供給する予備電源装置が火災受信機の筐体内部に設けられている。
一方、子扉22の内側には、主として制御基板によっていつでも操作が受け付けられる点検作業や試験時に操作されるスイッチボタンおよび受信機の動作モード設定のために操作されるスイッチボタンが配設されている。つまり、本実施形態の受信機においては、いたずらや不正により操作されても支障のないスイッチボタンは、子扉22の上方において前面パネル10の表面に露出した状態で配設され、いたずらや不正操作されると支障のあるスイッチボタンは子扉22の内側に配設されている。さらに、以下に説明するように、子扉22は、前面パネル10を開けないと開閉できないように構成されている。
図9に示すように、前面パネル10の背面側には、開口部10aに対応した矩形状の枠体23が設けられており、図4(B)に示すように、この枠体23の両側壁23A,23Bの上記子扉22の上辺に対応する高さ位置にはガイド穴24A,24Bがそれぞれ形成され、このガイド穴24A,24Bに、1本のストッパロッド24の両端部が挿入され、水平状態に保持可能にされている。そして、前面パネル10を閉じた状態にすると、図4(A)に示すように、ストッパロッド24が子扉22の上部に接触もしくは僅かな隙間をおいて対向するように構成されている。
また、前面パネル10の開口側の側部には、シリンダーキーのような錠前25が設けられており、この錠前25に鍵を差し込んで開錠すると、図4(B)に示すように、前面パネル10を回動させて本体20の前面を解放できるように構成されている。
上記のように本実施例においては、ストッパロッド24を設けたいたずら防止対策品とストッパロッド24を持たない通常品を作り分けるに当たっては、ガイド穴24A,24Bにストッパロッド24を挿入するかグロメット26を挿入するかを選択するだけで良いので、作り分けが容易であるとともに大幅なコストアップを回避することができる。
図5および図6は、ストッパロッド24の抜け止め防止構造を構成する部品を拡大して示すものである。
なお、図5に示すように、ハンドル29の上方には、錠前25とこの錠前25によって回動されるロックプレート25Aが設けられており、錠前25に鍵(コイン等)を差し込んで回し、ロックプレート25Aを縦の姿勢にすると前面パネル10は開閉可能となり、図6のようにロックプレート25Aを横すなわち水平の姿勢にするとロックプレート25Aの先端が本体20の縁部に係合して前面パネル10は開放不能なロック状態になる。
ストッパロッド24を前面パネル10へ装着するには、前面パネル10を開けて子扉22を閉める。そして、図7に示すように、ハンドル29を上げた状態にして、ストッパロッド24の一方の端部を、前面パネル10裏面の枠体23の側壁23B(ハンドル29側)に形成されているガイド穴24Bに差し込んで、ハンドル29の下方を通過させる。
また、錠前25を開錠して前面パネル10を開いてから、前面パネル10の裏面のハンドル29を上げてストッパロッド24を移動させて抜くと子扉22を開くことができるようになるため、子扉22を開いて内部のスイッチ類を操作することができる。従って、錠前25を開錠するキーを保有するビル管理者等の関係者によるスイッチ操作を可能にしつつ関係者以外の第三者によるスイッチ操作を防止することができる。
また、防災センターや管理室等の特殊な部屋に設置される火災受信機にはキーが不要なコイン錠を設けた前面パネル(ストッパロッドなし)を設け、第三者が立ち入ることがある箇所に設置される火災受信機にはキーを必要とする錠前およびストッパロッドを設けた前面パネルを設けることにより、製品を作り分けるようにしても良い。
また、以上の説明では、本発明をP型火災受信機に適用した場合を例にとって説明したが、本発明はP型火災受信機に限定されず、R型火災受信機その他監視システムを構成可能な受信機に適用することが可能である。
11 主操作部
12 火報回線用の地区表示窓
13 防排煙回線用の地区表示窓
14 スピーカ
15 音響操作部
16 情報表示部(表示装置)
17 表示操作部
18 情報操作部
19 内部操作部
20 本体(筐体)
21 子扉(カバー)
23 枠体
24 ストッパロッド(長尺部材)
25 錠前
26 グロメット
27 ヒンジベース
29 ハンドル(第1移動阻止手段)
32 エンドプレート(第2移動阻止手段)
Claims (6)
- 監視対象区域内に設置されている端末機器からの信号に応じてイベントの発生を検知可能な制御基板を内蔵し一面が開口した箱状本体と、検知されたイベントの発生およびイベントに対応した情報を表示可能であるとともに入力操作可能な操作表示部を有し前記箱状本体の開口を閉鎖するように取り付けられる前面パネルと、からなる筐体を備えた防災監視システム用受信機であって、
前記前面パネルには、開口部および該開口部の縁に沿った枠体が設けられ、
前記開口部の一部を閉塞可能なカバーが、前記前面パネルに一辺を支点として回動可能に装着され、
前記前面パネルの前記カバーで覆われている部位にはスイッチ類が配置され、
前記前面パネルの前記枠体の互いに対向する一対の壁部には、前記カバーの開放側に対応する位置にそれぞれガイド穴が形成され、
一対の前記ガイド穴には、長尺部材の両端部がそれぞれ挿通され、
前記前面パネルが前記箱状本体の開口を閉鎖した状態において、前記長尺部材が前記カバーの回動を阻止するように構成されていることを特徴とする防災監視システム用受信機。 - 前記前面パネルの裏面には、一方の前記ガイド穴に対応して当該ガイド穴に挿通された前記長尺部材の軸方向外側への移動を阻止する第1移動阻止手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防災監視システム用受信機。
- 前記前面パネルの裏面には、他方の前記ガイド穴に対応して、回動可能に取り付けられて当該ガイド穴に挿通された前記長尺部材の上記と反対方向への移動を阻止する第2移動阻止手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の防災監視システム用受信機。
- 前記前面パネルの前記カバーで覆われていない部位には、前記制御基板がイベントの発生を検知した際に有効にされる第1スイッチ群が配置され、
前記前面パネルの前記カバーで覆われている部位には、電源投入中常時有効にされるスイッチを含む第2スイッチ群が配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の防災監視システム用受信機。 - 前記電源投入中常時有効にされるスイッチは、当該受信機の試験時もしくは点検時に操作されるスイッチと、イベントの発生時に防災監視システムの所定の設備を作動させるために操作されるスイッチと、動作モードを設定するスイッチであることを特徴とする請求項4に記載の防災監視システム用受信機。
- 前記前面パネルには、当該前面パネルの閉状態を維持するための錠前が設けられ、
前記錠前は、キーを不要としコインもしくは工具で開錠することが可能な錠前により構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の防災監視システム用受信機。
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