JP7384545B2 - レーザーブランキング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザーブランキング装置に関し、更に詳しくは、板材をレーザー光で切断して所望の形状のブランク材とすることができるレーザーブランキング装置に関する。
プレス加工においては、一般に、コイル状に巻かれた長尺状の板材を、順次巻き出し、一定のサイズに切断したブランク材が原材料として用いられる。
かかる板材の切断を、レーザー光を用いたレーザーブランキング装置を用いて行う方法が開発されている。レーザーブランキング装置によれば、レーザー光を用いるため、その動きをプログラム制御することにより、精密に板材を所望の形状に切断することができ、且つバリが発生しにくいという利点がある。
このようなレーザーブランキング装置としては、例えば、レーザーノズルと、板材を送るためのエンドレスコンベアと、レーザーノズルの下方に設けられた一対の上流側支持ローラ及び下流側支持ローラと、上流側支持ローラ及び下流側支持ローラの下方に設けられた引込ローラと、を備え、上流側支持ローラ、下流側支持ローラ及び引込ローラがエンドレスコンベアを案内するものであり、それぞれ独立に位置変更可能となっているレーザーブランキング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、前側の第1無端ベルト及び後側の第2無端ベルトと、これらを案内する第1前上内側案内ローラ、第1前下内側案内ローラ、第1後上内側案内ローラ、第1後中内側案内ローラ、第1後下内側案内ローラ、第1案内部、第2前上内側案内ローラ、第2前中内側案内ローラ、第2前下内側案内ローラ、第2後上内側案内ローラ、第2後下内側案内ローラ及び第2案内部と、第1無端ベルト及び第2無端ベルトの間の空間部の上方に配設されたレーザーノズルと、を備え、第1後上内側案内ローラ、第1後中内側案内ローラ、第2前上内側案内ローラ及び第2前中内側案内ローラが一体となったシフト部が、レーザーノズルの真下に位置するように、レーザーノズルの前後方向への移動に追従してスライドし、第1後下内側案内ローラ及び第2前下内側案内ローラが一体となった従動シフト部が、第1無端ベルト及び第2無端ベルトの両側に設けられた前後方向に延びるY軸従動シフトレールに沿ってスライド可能であり、且つ、シフト部のスライドに従動して、シフト部の移動と反対方向に移動するレーザーブランキング装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第5916170号公報 特許第6792728号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のレーザーブランキング装置においては、1機のエンドレスコンベア(無端ベルト)からなっているので、例えば、長尺状の板材を搬送せずに、レーザー切断したブランク材のみを搬送したい場合、板材とエンドレスベルトとが擦れて、板材に傷が付く恐れがある。
一方、上記特許文献2記載のレーザーブランキング装置においては、第1無端ベルトと第2無端ベルトとを備えているので、それぞれを独立に駆動させることにより、板材と第1無端ベルトとが擦れることを防止できる。
ところが、上記特許文献2記載のレーザーブランキング装置においては、必要な場合に、搬送部分を並設できないという欠点がある。なお、搬送部分を並設することにより、板材の搬送及び加工を高速化することが可能となる。すなわち、上記特許文献2記載のレーザーブランキング装置においては、シフト部の下方に従動シフト部が設けられており、Y軸従動シフトレールを、第1無端ベルト及び第2無端ベルトの両側の側面に設ける必要があるため、Y軸従動シフトレールが邪魔になり、レーザーブランキング装置の搬送部分を並設できない。
また、上記特許文献2記載のレーザーブランキング装置においては、従動シフト部の追従性が不十分であると、無端ベルトが蛇行する恐れがある。
なお、本発明は、上記特許文献2記載のレーザーブランキング装置を更に改良した改良発明に相当する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、搬送部を幅方向に並設することが可能であり、板材に傷が付くことを抑制しつつ、板材をレーザー切断によりブランク材とすることができるレーザーブランキング装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、従動シフト部を設けず、第2内側案内ローラ、第3内側案内ローラ、第5内側案内ローラ、第6内側案内ローラ、第9内側案内ローラ、第10内側案内ローラ及びシフトフレームを一体としたシフト部を、レーザーノズルの前後方向へのスライドに追従してレール部に沿ってスライドするものとし、当該レール部を、第1無端ベルト及び第2無端ベルトの外側下方に配置することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のレーザーブランキング装置は、長尺状の板材を搬送させながら、レーザーノズルから照射されるレーザー光で該板材を切断し、ブランク材とするレーザーブランキング装置において、板材を前方から後方に搬送するために連設された前方の第1無端ベルト及び後方の第2無端ベルトと、第1無端ベルトの内側面に接するように配置され、第1無端ベルトの前側を上側に案内するための第1内側案内ローラ、第1無端ベルトの上側を後側に案内するための第2内側案内ローラ、第1無端ベルトの後側を下側に案内するための第3内側案内ローラ、第1無端ベルトの下側を前側に案内するための第4内側案内ローラ、及び、第3内側案内ローラと第4内側案内ローラとの間に位置する第5内側案内ローラと、第1無端ベルトの外側面に接するように配置され、第4内側案内ローラ及び第5内側案内ローラの間の第1無端ベルトを第4内側案内ローラ及び第5内側案内ローラよりも上方に案内する、前方の第1外側案内ローラ及び後方の第2外側案内ローラと、第2無端ベルトの内側面に接するように配置され、第2無端ベルトの前側を上側に案内するための第6内側案内ローラ、第2無端ベルトの上側を後側に案内するための第7内側案内ローラ、第2無端ベルトの後側を下側に案内するための第8内側案内ローラ、第2無端ベルトの下側を前側に案内するための第9内側案内ローラ、及び、第8内側案内ローラと第9内側案内ローラとの間に位置する第10内側案内ローラと、第2無端ベルトの外側面に接するように配置され、第8内側案内ローラ及び第10内側案内ローラの間の第2無端ベルトを第8内側案内ローラ及び第10内側案内ローラよりも上方に案内する、前方の第3外側案内ローラ及び後方の第4外側案内ローラと、第2内側案内ローラ、第3内側案内ローラ、第5内側案内ローラ、第6内側案内ローラ、第9内側案内ローラ及び第10内側案内ローラを同時に支持するため両側にそれぞれ設けられたシフトフレームと、第2内側案内ローラ、第3内側案内ローラ、第5内側案内ローラ、第6内側案内ローラ、第9内側案内ローラ、第10内側案内ローラ及びシフトフレームが一体となったシフト部を板材の搬送方向にスライドさせるためのレール部と、を有する搬送部、並びに、第1無端ベルト及び第2無端ベルトの間の空間部の上方に配設されたレーザーノズルを有するレーザー部、を備え、第5内側案内ローラが、前後方向において、第1外側案内ローラと第2外側案内ローラとの間に位置しており、第10内側案内ローラが、前後方向において、第3外側案内ローラと第4外側案内ローラとの間に位置しており、レール部が、シフト部を下から支持するために、第1無端ベルト及び第2無端ベルトの外側下方に配置され、シフト部が、レーザーノズルの前後方向へのスライドに追従してレール部に沿ってスライドするものである。
本発明のレーザーブランキング装置においては、シフトフレームが、側面視逆T字状となっていることが好ましい。
本発明のレーザーブランキング装置においては、第4内側案内ローラが、第1無端ベルトを駆動させ、第8内側案内ローラが、第2無端ベルトを駆動させるものであり、第1無端ベルトの駆動と、第2無端ベルトの駆動とが互いに独立していることが好ましい。
本発明のレーザーブランキング装置においては、第2外側案内ローラ及び第3外側案内ローラが、それぞれ独立に、前後方向に移動可能となっており、第2外側案内ローラの移動により、第1無端ベルトの張力が調整され、第3外側案内ローラの移動により、第2無端ベルトの張力を調整されるものであることが好ましい。
本発明のレーザーブランキング装置は、空間部に配設された幅方向に延びるスパッタ受け箱を更に備え、スパッタ受け箱が、シフトフレームに支持されていることが好ましい。
本発明のレーザーブランキング装置においては、第1外側案内ローラ、第2外側案内ローラ、第3外側案内ローラ及び第4外側案内ローラが前後方向に直線状に配列されていることが好ましい。
本発明のレーザーブランキング装置においては、第3内側案内ローラ、第5内側案内ローラ、第9内側案内ローラ及び第10内側案内ローラが前後方向に直線状に配列されていることが好ましい。
本発明のレーザーブランキング装置は、搬送部が幅方向に並設されており、レーザー部が、両方の搬送部の全幅にわたって延びるX軸レールと、該X軸レールの両側に設けられた前後方向に延びる一対のY軸レールと、を更に有し、レーザーノズルが、X軸レールに案内されて摺動可能となっており、X軸レールが、Y軸レールに案内されて摺動可能となっていることが好ましい。
本発明のレーザーブランキング装置は、第1無端ベルトと第2無端ベルトとを備えているので、それぞれを独立に駆動させることにより、板材と第1無端ベルトとが擦れ、板材に傷が付くことを抑制することができる。例えば、レーザー切断する板材の搬送を停止し、レーザー切断されたブランク材のみを搬送することが可能となる。
具体的には、第1無端ベルトを駆動させる駆動ローラと第2無端ベルトを駆動させる駆動ローラとを互いに独立させればよい。
ここで、第4内側案内ローラが、第1無端ベルトを駆動させ、第8内側案内ローラが、第2無端ベルトを駆動させるものであることが好ましい。
第4内側案内ローラは、搬送部の前下側に位置し、第8内側案内ローラは、搬送部の後下側に位置するため、駆動源を設置する十分なスペースを確保することができる。
また、第4内側案内ローラ及び第8内側案内ローラは、シフト部に含まれないため、駆動源等をシフト部としてスライドさせることを要さない。すなわち、スライドさせるシフト部に重量負荷が付与されることを防止することができる。
本発明のレーザーブランキング装置においては、レール部を、第1無端ベルト及び第2無端ベルトの両側の側面ではなく、外側下方に配置することにより、装置自体をコンパクトとすることができると共に、搬送部を幅方向に並設することが可能となる。
これにより、必要に応じて、板材の搬送及び加工を高速化することが可能となる。
本発明のレーザーブランキング装置においては、第2内側案内ローラ、第3内側案内ローラ、5内側案内ローラ、第6内側案内ローラ、第9内側案内ローラ、第10内側案内ローラ及びシフトフレームを一体としたシフト部を、レーザーノズルの前後方向へのスライドに追従してレール部に沿ってスライドするものとすることにより、従来の従動シフト部を設けなくても、板材をレーザー切断によりブランク材とすることができる。
また、レーザーブランキング装置においては、従動シフト部を有しないので、第1無端ベルト又は第2無端ベルトに蛇行が生じた場合、比較的容易に修正することができる。ちなみに、連動するシフト部と従動シフト部とを有する場合、シフト部での修正だけでなく、従動シフト部での修正も必要となる。
また、レーザーブランキング装置においては、従動シフト部を有しないので、搬送の高速化が可能となる。なお、連動するシフト部と従動シフト部とを有する場合、高速化は困難である。
本発明のレーザーブランキング装置においては、両側のシフトフレームを、何れも側面視逆T字状とすることにより、他の案内ローラ等に干渉することを防止し、且つ、シフト部の重心が下がることから、安定したスライドが可能となる。
本発明のレーザーブランキング装置においては、第1無端ベルトの張力の調整に、第2外側案内ローラを利用し、第2無端ベルトの張力の調整に、第3外側案内ローラを利用することにより、ローラの配置を複雑化することなく、これらのベルトの張力調整を容易に行うことが可能となる。
本発明のレーザーブランキング装置においては、空間部に配設された幅方向に延びるスパッタ受け箱を更に備えることにより、レーザー切断により発生するスパッタや細塵を回収することができる。
また、当該スパッタ受け箱が、シフトフレームに支持されていることにより、シフト部として、レーザーノズルの前後方向へのスライドに追従するので、上述した、スパッタや細塵を確実に回収することができる。
本発明のレーザーブランキング装置においては、第1外側案内ローラ、第2外側案内ローラ、第3外側案内ローラ及び第4外側案内ローラを、前後方向に直線状に配列することにより、装置自体をよりコンパクトにすることができる。
また、第3内側案内ローラ、第5内側案内ローラ、第9内側案内ローラ及び第10内側案内ローラを、前後方向に直線状に配列することにより、シフトフレームに付与される前後における重量負荷がバランスに優れるものとなる。その結果、シフト部のスライドが安定し、よりスムーズとなる。
本発明のレーザーブランキング装置においては、搬送部を幅方向に並設することにより、上述したように、板材の搬送及び加工を高速化することができる。すなわち、板材に対して、2つの搬送部で対応することになるので、各ローラの長さを短くすることができる。そうすると、ローラ自体の撓みも小さくなるので、搬送を高速化することが可能となる。ちなみに、ローラが撓んだ状態で高速化すると無端ベルトの蛇行が生じる恐れがある。
また、搬送部の重量も半分となるので、駆動源への負荷も小さくすることができる。
本発明のレーザーブランキング装置においては、レーザーノズルがX軸レールに案内されて摺動可能となっており、X軸レールがY軸レールに案内されて摺動可能となっている場合、これらを組合せて駆使することにより、レーザーノズルを、前後方向、左右方向、斜め方向、曲線方向等、あらゆる方向に移動させることが可能となる。これにより、搬送される板材に対し、複雑な形状にレーザー加工を行うこともできる。
図1は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置を示す斜視説明図である。 図2は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置の搬送部を模式的に示す側面図である。 図3は、図2に示す搬送部にフレームを加えた外観側面図である。 図4(a)は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置の搬送部において、シフト部が前方にスライドした状態を説明するための側面図である。 図4(b)は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置の搬送部において、シフト部が後方にスライドした状態を説明するための側面図である。 図5(a)は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置を用いて板材をレーザー加工した一例を示す概略平面図である。 図5(b)は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置を用いて板材をレーザー加工した他の例を示す概略平面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態に係るレーザーブランキング装置は、長尺状の板材を前方から後方に搬送させながら、レーザーノズルから照射されるレーザー光で切断して所望の形状のブランク材とすると共に、当該ブランク材を前方から後方に搬送する装置である。
上記レーザーブランキング装置は、板材を搬送させながら、連続的にレーザー加工を行うので、切断効率が高く、生産性に優れるものである。
ここで、長尺状の板材の全体の形態は、特に限定されないが、一般的には、コイル状に巻かれた状態となっている。
また、板材の材質としては、レーザー光で切断可能なものであれば、特に限定されず、鉄、アルミニウム、チタン等の金属、鋼(ハイテン材、超ハイテン材を含む)等の合金、アクリル等の樹脂、木材、これらの複合材等が挙げられる。
また、板材が金属又は合金である場合、板材の厚さは、高精度で、確実にレーザー光で切断する観点から、20mm以下のものが好ましく用いられ、0.1~5mmのものがより好ましく用いられる。
また、レーザー切断された後のブランク材の形状は、特に限定されない。
なお、本明細書において、「前方」とは、板材の搬送における上流側(図2でいう紙面左側)の方を意味し、「後方」とは、板材の搬送における下流側(図2でいう紙面右側)の方を意味し、「前後方向」とは、板材の搬送方向及びその逆方向を意味し、「左右方向」とは、板材の幅方向を意味する。
また、「上方」は、鉛直方向における上方を意味し、「下方」は、鉛直方向における下方を意味する。
図1は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置を示す斜視説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係るレーザーブランキング装置100は、左右方向に並設された搬送部100aと、両方の搬送部100aを跨ぐようにして、両方の搬送部100aの上方に取り付けられたレーザー部100bとを備える。
レーザーブランキング装置100においては、搬送部100aの両側に、後述する案内ローラを支持するためのフレームFが設置されている。このとき、隣り合う搬送部100a同士の間のフレームF1(F)は、共通するフレームとなっている。
また、フレームFの上端には、後述するレーザー用フレームF4を補強するための補強フレームF3(F)が架設されている。
レーザーブランキング装置100においては、搬送部100aが並設されているので、板材の搬送及び加工を高速化することができる。
なお、並設された搬送部100aは、互いに同じ構成となっているので、一方の搬送部100aについて説明する。
図2は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置の搬送部を模式的に示す側面図であり、図3は、図2に示す搬送部にフレームを加えた外観側面図である。
なお、図2及び図3においては、レーザー部のレーザーノズルN、並びに、板材X及びブランク材X1も記載している。また、補強フレームF3の記載については省略している。
図2に示すように、本実施形態に係るレーザーブランキング装置100の搬送部100aは、第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2と、第1無端ベルト1又は第2無端ベルト2を案内するための複数の案内ローラと、所定の案内ローラを支持するためのシフトフレーム3aと、空間部Sに配設されたスパッタ受け箱4と、所定の案内ローラ、シフトフレーム3a及びスパッタ受け箱4が一体となったシフト部をスライドさせるためのレール部3bと、を有する。
なお、レーザー部100bのレーザーノズルNは、第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2の間の空間部Sの上方に配設される。
搬送部100aにおいては、第1無端ベルト1により搬送される板材Xに、レーザーノズルNにより、レーザー加工が施される。
このとき、レーザーノズルNの前後方向のスライドに、シフト部が追従してスライドするようになっている。なお、シフト部の詳細については後述する。
そして、切断されたブランク材X1は第2無端ベルト2により後方に搬送される。
レーザーブランキング装置100によれば、搬送される板材Xを、連続的に、レーザー切断によりブランク材X1とすることができる。
第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2は、上述したように、板材X及びブランク材X1を前方から後方に搬送するために、前後方向に直列に連設されている。なお、本明細書においては、前方を第1無端ベルト1、後方を第2無端ベルト2としている。
また、第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2は、一定距離離れて配置されており、その離れた領域、すなわち、第1無端ベルト1の後端と、第2無端ベルト2の前端との間の領域が、空間部Sとなっている。
第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2は、後述する駆動ロールにより、それぞれ独立して、駆動される。これにより、第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2を同じ速度で駆動させるだけでなく、例えば、1枚のみカットしたい場合等に、カット後、第1無端ベルト1を停止させ、第2無端ベルト2のみを駆動させることが可能となる。
その結果、板材Xと第1無端ベルト1とが擦れ、板材Xに傷が付くことを抑制することができる。
第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2は、複数の案内ロールにより、側面視で略矩形状に案内される。すなわち、無端ベルトの前側は、上側、後側、下側の順で案内される。
また、案内ロールは、無端ベルトの内側面に接するように配置された案内ローラ(以下「内側案内ローラ」という。)と、無端ベルトの外側面に接するように配置された案内ローラ(以下「外側案内ローラ」という。)とからなる。
具体的には、搬送部100aは、第1無端ベルト1を案内する内側案内ローラとして、第1無端ベルト1の前側を上側に案内するための第1内側案内ローラ11と、第1無端ベルト1の上側を後側に案内するための第2内側案内ローラ12と、第1無端ベルト1の後側を下側に案内するための第3内側案内ローラ13と、第1無端ベルト1の下側を前側に案内するための第4内側案内ローラ14と、第3内側案内ローラ13及び第4内側案内ローラ14の間に位置する第5内側案内ローラ15とを有する。
また、第1無端ベルト1を案内する外側案内ローラとして、第4内側案内ローラ14及び第5内側案内ローラ15の間の第1無端ベルト1を第4内側案内ローラ14及び第5内側案内ローラ15よりも上方に案内する、前方の第1外側案内ローラ21及び後方の第2外側案内ローラ22を有する。
なお、必要に応じて、更に案内ローラを有していてもよい。
同様に、搬送部100aは、第2無端ベルト2を案内する内側案内ローラとして、第2無端ベルト2の前側を上側に案内するための第6内側案内ローラ16と、第2無端ベルト2の上側を後側に案内するための第7内側案内ローラ17と、第2無端ベルト2の後側を下側に案内するための第8内側案内ローラ18と、第2無端ベルト2の下側を前側に案内するための第9内側案内ローラ19と、第8内側案内ローラ18及び第9内側案内ローラ19の間に位置する第10内側案内ローラ20とを有する。
また、第2無端ベルト2を案内する外側案内ローラとして、第9内側案内ローラ19及び第10内側案内ローラ20の間の第2無端ベルト2を第9内側案内ローラ19及び第10内側案内ローラ20よりも上方に案内する、前方の第3外側案内ローラ23及び後方の第4外側案内ローラ24を有する。
ここで、第5内側案内ローラ15は、上下方向において、第1外側案内ローラ21及び第2外側案内ローラ22よりも下方に位置し、前後方向において、第1外側案内ローラ21及び第2外側案内ローラ22の間に位置している。すなわち、第1無端ベルト1は、第1無端ベルト1の下側の部分において、第3内側案内ローラ13、第5内側案内ローラ15、第2外側案内ローラ22、第1外側案内ローラ21、第4内側案内ローラ14の順に、側面視でS字状に案内される。
また、第10内側案内ローラ20は、上下方向において、第3外側案内ローラ23及び第4外側案内ローラ24よりも下方に位置し、前後方向において、第3外側案内ローラ23及び第4外側案内ローラ24の間に位置している。すなわち、第2無端ベルト2は、第2無端ベルト2の下側の部分において、第8内側案内ローラ18、第4外側案内ローラ24、第3外側案内ローラ23、第10内側案内ローラ20、第9内側案内ローラ19の順に、側面視でS字状に案内される。
また、第1外側案内ローラ21、第2外側案内ローラ22、第3外側案内ローラ23及び第4外側案内ローラ24が前後方向に直線状に配列されている。これにより、第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2の上側と下側との間の距離を極力小さくすることができるので、装置自体をよりコンパクトにすることが可能となる。また、第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2の下方に、レール部3bを配置するためのスペースを十分に確保することが可能となる。
搬送部100aにおいては、第4内側案内ローラ14が、第1無端ベルト1を駆動させるための駆動源を備える駆動ローラとなっており、第8内側案内ローラ18が、第2無端ベルト2を駆動させるための駆動源を備える駆動ローラとなっている。
第4内側案内ローラ14は、第1無端ベルト1の前下に位置しており、第8内側案内ローラ18は、第2無端ベルト2の後下に位置しているため、両者とも駆動源を設置するのが比較的容易であり、また、設置のためのスペースを十分に確保できるという利点がある。
第4内側案内ローラ14及び第8内側案内ローラ18は、それぞれ独立に駆動するので、上述したように、第1無端ベルト1と第2無端ベルト2とを、それぞれ独立して駆動されることが可能となっている。
なお、駆動ローラである第4内側案内ローラ14及び第8内側案内ローラ18以外の案内ローラは、自由回転するローラとなっている。
駆動ローラを駆動させる駆動源としては、特に限定されないが、サーボモータ、DCモータ、ACインバータモータ、油圧モータ等が用いられる。
これらの中でも、駆動源としては、サーボモータが好適に用いられる。
なお、駆動源には、減速機や変速機が取り付けられていてもよい。
搬送部100aにおいては、第2外側案内ローラ22が、第1無端ベルト1の張力を調整するための張力調整ローラとなっており、第3外側案内ローラ23が、第2無端ベルト2の張力を調整するための張力調整ローラとなっている。
第2外側案内ローラ22及び第3外側案内ローラ23は、それぞれ独立に、前後方向に移動可能となっており、これにより無端ベルトの張力が調整される。例えば、第2外側案内ローラ22を後方に移動させることで第1無端ベルト1の張力を向上させることができ、第3外側案内ローラ23を前方に移動させることで第2無端ベルト2の張力を向上させることができる。
このため、搬送部100aにおいては、ローラの配置を複雑化することなく、これらのベルトの張力調整を容易に行うことが可能となる。
図3に示すように、第2外側案内ローラ22及び第3外側案内ローラ23は、フレームFに支持される。
このとき、フレームFには、第2外側案内ローラ22及び第3外側案内ローラ23に対応する位置に、それぞれ窓部Faが設けられている。
搬送部100aにおいては、当該窓部Faから、張力調整のため、第2外側案内ローラ22及び第3外側案内ローラ23を移動させることができると共に、窓部Faの前後端により、第2外側案内ローラ22及び第3外側案内ローラ23の移動を制限している。
図2に戻り、搬送部100aにおいては、第2内側案内ローラ12、第3内側案内ローラ13、第5内側案内ローラ15、第6内側案内ローラ16、第9内側案内ローラ19及び第10内側案内ローラ20(以下これらを総じて「シフト案内ローラ群」ともいう。)の両側に、これらを支持するためのシフトフレーム3aが設けられている。
すなわち、シフト案内ローラ群は、両側のシフトフレーム3aにより、同時に、支持されている。
なお、シフト案内ローラ群以外の案内ローラは通常のフレームF(図3参照)に支持されている。
シフトフレーム3aは、側面視逆T字状となっている。これにより、シフトフレーム3aは、極力軽量化できると共に、シフト案内ローラ群以外の案内ローラに干渉することを防止しつつ、シフト案内ローラ群を確実に支持することができる。
また、シフトフレーム3aは、側面視矩形状である場合と比較して、その重心が下がるので、シフト部としての前後方向へのスライドがより安定したものとなる。
このとき、シフトフレーム3aに支持されるシフト案内ローラ群のうち、第3内側案内ローラ13、第5内側案内ローラ15、第9内側案内ローラ19及び第10内側案内ローラ20は、前後方向に直線状に配列される。これにより、シフトフレーム3aに付与される前後における重量負荷がバランスに優れるものとなる。その結果、シフトフレーム3aは、シフト部としての前後方向へのスライドがより安定してスムーズとなる。
このとき、第3内側案内ローラ13及び第5内側案内ローラ15の間で案内される第1無端ベルト1と、第9内側案内ローラ19及び第10内側案内ローラ20の間で案内される第2無端ベルト2とは、同一面になっていることが好ましい。
空間部Sは、上述したように、第1無端ベルト1と第2無端ベルト2との間に設けられている。
空間部Sは、前後間の距離が下方に行くほど大きくなっている。
すなわち、第2内側案内ローラ12から第3内側案内ローラ13に案内される第1無端ベルト1の後側は、鉛直方向に案内されるのではなく、斜め前方に案内される。また、第9内側案内ローラ19から第6内側案内ローラ16に案内される第2無端ベルト2の前側は、鉛直方向に案内されるのではなく、斜め前方に案内される。
これにより、レーザー切断により飛散するスパッタや細塵を十分に回収できると共に、後述するバキューム装置を設置するスペースを十分に確保できる。
なお、空間部Sの前後間の最短距離Dは、25~40mmであることが好ましい。ちなみに、空間部Sの上端が最短距離Dとなる。
搬送部100aにおいて、空間部Sには左右方向に延びるスパッタ受け箱4が配設されている。
スパッタ受け箱4は、上方に開口部を有する箱状であり、少なくとも、開口部が左右方向に広がった構造となっている。
また、スパッタ受け箱4は、その側壁に、吸引用開口部(図示しない)が設けられており、当該吸引用開口部に、スパッタ受け箱4内を吸引するためのバキューム装置(図示しない)が取り付けられている。このため、レーザー切断により発生するスパッタや細塵は、積極的にスパッタ受け箱4内に収容される。
また、スパッタ受け箱4は、図示しない固定具により、上述したシフトフレーム3aに支持固定されている。そのため、スパッタ受け箱4は、シフト案内ローラ群と同様に、シフトフレーム3aと一体となって、シフト部として前後方向にスライドすることになる。すなわち、スパッタ受け箱4は、レーザーノズルNの前後方向へのスライドに追従することになる。
したがって、搬送部100aにおいては、レーザー切断により発生するスパッタや細塵を、レーザーノズルNに追従して、スパッタ受け箱4内に回収することが可能となっている。その結果、スパッタや細塵が無端ベルトに付着することを抑制することができる。
搬送部100aにおいて、レール部3bは、後述するシフト部をスライドさせるためのものである。直接的には、レール部3bは、シフトフレーム3aを、その下部に取り付け固定された基部31を介してスライドさせる。
なお、レール部3bの前後方向の長さは、少なくとも、レーザーノズルNの前後方向の可動領域に対して、シフト部が十分に追従可能となるように設計される。
レール部3bは、第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2の外側下方に配設される。これにより、レーザーブランキング装置100においては、レール部3bが装置の横に突出しないので、装置自体をコンパクトとすることができる。
また、レーザーブランキング装置100同士を幅方向に並設し、幅の大きい板材を、両機を用いて同時に加工することも可能となる。
また、レール部3bは、シフト部を下から支持する。これにより、スライド時のエネルギー消費を少なくすることができる。また、シフト部のスライドを安定化させることができる。
シフト部は、少なくとも、第2内側案内ローラ12、第3内側案内ローラ13、第5内側案内ローラ15、第6内側案内ローラ16、第9内側案内ローラ19及び第10内側案内ローラ20からなるシフト案内ロール群、スパッタ受け箱4並びにこれらを支持する一対のシフトフレーム3aが一体となったものである。
したがって、シフト部をスライドさせるとは、これらを全て同時にスライドさせることを意味する。
シフト部は、上述したように、レーザーノズルNの前後方向へのスライドに追従して、前後方向にレール部3bに沿ってスライドする。
これにより、レーザーノズルN自体を前後に大きく摺動させてレーザー加工を行うことが可能となる。
すなわち、レーザー加工が可能な領域を大きく広げることができ、これにより板材Xの搬送速度を向上させることも可能となる。
また、レーザー切断時に、第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2がレーザー光により損傷することを抑制することができる。すなわち、板材Xの直下の逃がし用の空間部Sもシフト部としてスライドするので、無端ベルトが、レーザー光の通過領域を外れ、レーザー光によって損傷することを抑制することができる。
また、上述したように、空間部Sに配設されるスパッタ受け箱4もシフト部として、レーザーノズルNの前後方向へのスライドに追従するので、レーザー加工により生じるスパッタや細塵も確実に回収することができる。なお、上述したように、スパッタ受け箱4は、左右方向に延びているので、レーザーノズルNの左右方向のみへのスライドに対してはシフト部が追従しなくても、スパッタや細塵を回収することができる。
図4(a)は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置の搬送部において、シフト部が前方にスライドした状態を説明するための側面図であり、図4(b)は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置の搬送部において、シフト部が後方にスライドした状態を説明するための側面図である。
図4(a)に示すように、シフト部が前方にスライドした場合は、第5内側案内ローラ15が第1外側案内ローラ21に接近し、且つ、第10内側案内ローラ20が第3外側案内ローラ23に接近する位置まで、前進する。なお、第10内側案内ローラ20は、前後方向において、第3外側案内ローラ23よりも前方に行くことはない。
一方、図4(a)に示すように、シフト部が後方にスライドした場合は、第5内側案内ローラ15が第2外側案内ローラ22に接近し、且つ、第10内側案内ローラ20が第4外側案内ローラ24に接近する位置まで、後進する。なお、第5内側案内ローラ15は、前後方向において、第2外側案内ローラ22よりも後方に行くことはない。
これらのことから、搬送部100aにおいては、シフト部のスライドに際し、シフト部を構成する第5内側案内ローラ15が、前後方向において、第1外側案内ローラ21と第2外側案内ローラ22との間をスライドするようになっており、シフト部を構成する第10内側案内ローラ20が、前後方向において、第3外側案内ローラ23と第4外側案内ローラ24との間をスライドするようになっている。
したがって、搬送部100aにおいては、第1外側案内ローラ21と第2外側案内ローラ22との間の距離、及び、第3外側案内ローラ23と第4外側案内ローラ24との間の距離、がレーザーノズルNの前後方向のスライド可動距離と同一かそれよりも大きくなっている。
図1に戻り、レーザー部100bは、第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2の間の空間部Sの上方に配設されたレーザーノズルNと、両方の搬送部の全幅にわたって延びるX軸レール52と、該X軸レール52の両側に設けられた前後方向に延びる一対のY軸レール51とを有する。
レーザーノズルNは、上述したように、第1無端ベルト1と第2無端ベルト2との間の空間部Sの上方に配設されている。
レーザーノズルNは、下方にレーザー光を照射することが可能となっている。そして、板材Xは、レーザー光が照射されることにより切断される。
ここで、レーザー光の種類としては、特に限定されないが、例えば、固体レーザー、液体レーザー、ガスレーザー、半導体レーザー、自由電子レーザー、金属蒸気レーザー、化学レーザー等を用いることができる。
X軸レール52及びY軸レール51は、第1無端ベルト1及び第2無端ベルト2の上方に設けられている。
Y軸レール51は、前後方向に延びており、並設された搬送部100aの両側のレーザー用フレームF4に設けられる。すなわち、レーザー用フレームF4は、一方の搬送部100aの両側のうち、他方の搬送部100a側とは反対側と、他方の搬送部100aの両側のうち、一方の搬送部100a側とは反対側とに設けられる。なお、レーザー用フレームF4は、上述したフレームF2(F)より外側に設置される。
また、一対のY軸レール51は、レーザー用フレームF4にそれぞれ固定されている。
一方、X軸レール52は、左右方向に延びており、並設された搬送部100aを跨いで、その両端がY軸レール51に取り付けられている。
レーザーブランキング装置100において、レーザーノズルNは、X軸レール52に案内されて左右方向に摺動可能となっており、X軸レール52が、Y軸レール51に案内されて前後方向に摺動可能となっている。
したがって、レーザー部100bにおいては、レーザーノズルNの前後方向のスライド可動距離はY軸レール51の長さに依存し、レーザーノズルNの左右方向のスライド可動距離はX軸レール52の長さに依存する。
レーザー部100bにおいては、レーザーノズルNのX軸レール52におけるスライドと、X軸レール52のY軸レール51におけるスライドとを組合せてプログラム制御することにより、レーザーノズルNを、搬送される板材Xに対して、前後方向、左右方向、斜め方向、曲線方向等、あらゆる方向に摺動させることができる。これにより、搬送される板材に対し、複雑な形状にレーザー加工を行うことも可能となる。
次に、レーザーブランキング装置100を用いた加工方法について例をあげて説明する。
図5(a)は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置を用いて板材をレーザー加工した一例を示す概略平面図である。なお、この例の場合、X軸レール52は、Y軸レール51に沿って摺動しないので、シフト部もレール部3bに沿って摺動しない。
まず、図5(a)に示すように、レーザーブランキング装置100においては、コイル等から巻き出された平板状の板材Xが、第1無端ベルト1によって連続搬送される。
そして、レーザー光を照射しながら、レーザーノズルNがX軸レール52に案内されて矢印A1の方向に摺動する。そうすると、板材Xが斜め方向に切断される。
次に、連続してレーザー光を照射しながら、レーザーノズルNがX軸レール52に沿って、逆の矢印A2の方向に摺動する。そうすると、板材Xがくの字に切断される。なお、空間部Sは移動しない。
これにより、板材Xが斜め方向及び逆斜め方向に切断された三角状のブランク材が得られ、これが第2無端ベルト2によって搬送される。
図5(b)は、本実施形態に係るレーザーブランキング装置を用いて板材をレーザー加工した他の例を示す概略平面図である。なお、この例の意場合、X軸レール52は、Y軸レール51に沿って摺動するので、シフト部は、これに追従して、レール部3bに沿って摺動する。
まず、図6(b)に示すように、レーザーブランキング装置100においては、コイル等から巻き出された平板状の板材Xが、第1無端ベルト1によって連続搬送される。
そして、レーザー光を照射しながら、レーザーノズルNがX軸レール52に案内されて矢印A1の方向に摺動すると共に、X軸レール52がY軸レール51に案内されて、矢印B1の方向に摺動する。このとき、X軸レール52が第1無端ベルト1と同じ速度で摺動したとする。そうすると、板材Xが鉛直方向に切断される。
次に、レーザー光の照射を停止させ、レーザーノズルNがX軸レール52に案内されて逆の矢印A2の方向に摺動すると共に、X軸レール52がY軸レール51に案内されて逆の矢印B2の方向に摺動する。そうすると、レーザーノズルN及びX軸レール52が元の位置に戻る。
これにより、板材Xが鉛直方向に切断された矩形状のブランク材が得られ、これが第2無端ベルト2によって次に搬送される。
本実施形態に係るレーザーブランキング装置100を用いた加工方法においては、レーザーノズルNを摺動させながら板材Xにレーザー光を照射するので、板材Xを搬送させながら、位置ズレを起こさずに、板材Xを所望の形状にレーザー加工を行うことができる。
また、レーザーノズルNの摺動に追従するようにシフト部を摺動させることにより、第1無端ベルト1又は第2無端ベルト2がレーザー光によって損傷することを防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るレーザーブランキング装置100においては、2基の搬送部100aが並設されているが、搬送部100aは1基であってもよく、3基以上を並設してもよい。
本実施形態に係るレーザーブランキング装置100の搬送部100aにおいては、第1外側案内ローラ21、第2外側案内ローラ22、第3外側案内ローラ23及び第4外側案内ローラ24が前後方向に直線状に配列されているが、必須ではない。
また、シフトフレーム3aに支持されるシフト案内ローラ群のうち、第3内側案内ローラ13、第5内側案内ローラ15、第9内側案内ローラ19及び第10内側案内ローラ20は、前後方向に直線状に配列されているが、必須ではない。
本実施形態に係るレーザーブランキング装置100の搬送部100aにおいては、第4内側案内ローラ14が、第1無端ベルト1を駆動させるための駆動源を備える駆動ローラとなっているが、これに限定されず、第1内側案内ローラ11、第1外側案内ローラ21又は第2外側案内ローラ22が駆動ローラであってもよい。これらの案内ロールは、シフト部に含まれないため、少なくとも、シフト部の重量が大きくなることを回避することができる。
また、第8内側案内ローラ18が、第2無端ベルト2を駆動させるための駆動源を備える駆動ローラとなっているが、これに限定されず、第7内側案内ローラ17、第3外側案内ローラ23又は第4外側案内ローラ24が駆動ローラであってもよい。これらの案内ロールは、シフト部に含まれないため、少なくとも、シフト部の重量が大きくなることを回避することができる。
本実施形態に係るレーザーブランキング装置100の搬送部100aにおいては、第2外側案内ローラ22が、第1無端ベルト1の張力を調整するための張力調整ローラとなっており、第3外側案内ローラ23が、第2無端ベルト2の張力を調整するための張力調整ローラとなっているが、張力を調整する方法はこれに限定されない。
例えば、無端ベルトの任意の位置で外側ローラを接触させ、当該外側ローラが無端ベルトを押す程度を調整することにより、張力を調整してもよい。
本実施形態に係るレーザーブランキング装置100の搬送部100aにおいては、空間部Sが、前後間の距離が下方に行くほど大きくなっているが必須ではない。
また、第2内側案内ローラ12から第3内側案内ローラ13に案内される第1無端ベルト1の後側が、鉛直方向に案内されるのではなく、斜め前方に案内され、また、第9内側案内ローラ19から第6内側案内ローラ16に案内される第2無端ベルト2の前側は、鉛直方向に案内されるのではなく、斜め前方に案内されているが、これらも必須ではない。
本実施形態に係るレーザーブランキング装置100の搬送部100aにおいて、スパッタ受け箱4は、その側壁に、吸引用開口部が設けられており、当該吸引用開口部に、スパッタ受け箱4内を吸引するためのバキューム装置が取り付けられているが必須ではない。
本発明は、板材を所望の形状にレーザー切断し、ブランク材とするレーザーブランキング装置として用いられる。本発明のレーザーブランキング装置によれば、搬送部を幅方向に並設することが可能であり、板材に傷が付くことを抑制しつつ、板材をレーザー切断によりブランク材とすることができる。
1・・・第1無端ベルト
100・・・レーザーブランキング装置
100a・・・搬送部
100b・・・レーザー部
11・・・第1内側案内ローラ
12・・・第2内側案内ローラ
13・・・第3内側案内ローラ
14・・・第4内側案内ローラ
15・・・第5内側案内ローラ
16・・・第6内側案内ローラ
17・・・第7内側案内ローラ
18・・・第8内側案内ローラ
19・・・第9内側案内ローラ
2・・・第2無端ベルト
20・・・第10内側案内ローラ
21・・・第1外側案内ローラ
22・・・第2外側案内ローラ
23・・・第3外側案内ローラ
24・・・第4外側案内ローラ
31・・・基部
3a・・・シフトフレーム
3b・・・レール部
4・・・スパッタ受け箱
51・・・Y軸レール
52・・・X軸レール
F,F1,F2・・・フレーム
F3・・・補強フレーム
F4・・・レーザー用フレーム
Fa・・・窓部
N・・・レーザーノズル
S・・・空間部
X・・・板材
X1・・・ブランク材

Claims (8)

  1. 長尺状の板材を搬送させながら、レーザーノズルから照射されるレーザー光で該板材を切断し、ブランク材とするレーザーブランキング装置において、
    前記板材を前方から後方に搬送するために連設された前方の第1無端ベルト及び後方の第2無端ベルトと、
    前記第1無端ベルトの内側面に接するように配置され、前記第1無端ベルトの前側を上側に案内するための第1内側案内ローラ、前記第1無端ベルトの上側を後側に案内するための第2内側案内ローラ、前記第1無端ベルトの後側を下側に案内するための第3内側案内ローラ、前記第1無端ベルトの下側を前側に案内するための第4内側案内ローラ、及び、第3内側案内ローラと第4内側案内ローラとの間に位置する第5内側案内ローラと、
    前記第1無端ベルトの外側面に接するように配置され、前記第4内側案内ローラ及び前記第5内側案内ローラの間の前記第1無端ベルトを前記第4内側案内ローラ及び前記第5内側案内ローラよりも上方に案内する、前方の第1外側案内ローラ及び後方の第2外側案内ローラと、
    前記第2無端ベルトの内側面に接するように配置され、前記第2無端ベルトの前側を上側に案内するための第6内側案内ローラ、前記第2無端ベルトの上側を後側に案内するための第7内側案内ローラ、前記第2無端ベルトの後側を下側に案内するための第8内側案内ローラ、前記第2無端ベルトの下側を前側に案内するための第9内側案内ローラ、及び、第8内側案内ローラと第9内側案内ローラとの間に位置する第10内側案内ローラと、
    前記第2無端ベルトの外側面に接するように配置され、前記第8内側案内ローラ及び前記第10内側案内ローラの間の前記第2無端ベルトを前記第8内側案内ローラ及び前記第10内側案内ローラよりも上方に案内する、前方の第3外側案内ローラ及び後方の第4外側案内ローラと、
    前記第2内側案内ローラ、前記第3内側案内ローラ、前記第5内側案内ローラ、前記第6内側案内ローラ、前記第9内側案内ローラ及び前記第10内側案内ローラを同時に支持するため両側にそれぞれ設けられたシフトフレームと、
    前記第2内側案内ローラ、前記第3内側案内ローラ、前記第5内側案内ローラ、前記第6内側案内ローラ、前記第9内側案内ローラ、前記第10内側案内ローラ及び前記シフトフレームが一体となったシフト部を前記板材の搬送方向にスライドさせるためのレール部と、を有する搬送部、並びに、
    前記第1無端ベルト及び前記第2無端ベルトの間の空間部の上方に配設された前記レーザーノズルを有するレーザー部、
    を備え、
    前記第5内側案内ローラが、前後方向において、前記第1外側案内ローラと前記第2外側案内ローラとの間に位置しており、
    前記第10内側案内ローラが、前後方向において、前記第3外側案内ローラと前記第4外側案内ローラとの間に位置しており、
    前記レール部が、前記シフト部を下から支持するために、前記第1無端ベルト及び前記第2無端ベルトの外側下方に配置され、
    前記シフト部が、前記レーザーノズルの前後方向へのスライドに追従して前記レール部に沿ってスライドするものであるレーザーブランキング装置。
  2. 前記シフトフレームが、側面視逆T字状となっている請求項1記載のレーザーブランキング装置。
  3. 前記第4内側案内ローラが、前記第1無端ベルトを駆動させ、前記第8内側案内ローラが、前記第2無端ベルトを駆動させるものであり、
    前記第1無端ベルトの駆動と、前記第2無端ベルトの駆動とが互いに独立している請求項1又は2に記載のレーザーブランキング装置。
  4. 前記第2外側案内ローラ及び前記第3外側案内ローラが、それぞれ独立に、前後方向に移動可能となっており、
    前記第2外側案内ローラの移動により、前記第1無端ベルトの張力が調整され、
    前記第3外側案内ローラの移動により、前記第2無端ベルトの張力を調整される請求項1~3のいずれか1項に記載のレーザーブランキング装置。
  5. 前記空間部に配設された幅方向に延びるスパッタ受け箱を更に備え、
    前記スパッタ受け箱が、前記シフトフレームに支持されている請求項1~4のいずれか1項に記載のレーザーブランキング装置。
  6. 前記第1外側案内ローラ、前記第2外側案内ローラ、前記第3外側案内ローラ及び前記第4外側案内ローラが前後方向に直線状に配列されている請求項1~5のいずれか1項に記載のレーザーブランキング装置。
  7. 前記第3内側案内ローラ、前記第5内側案内ローラ、前記第9内側案内ローラ及び第10内側案内ローラが前後方向に直線状に配列されている請求項1~6のいずれか1項に記載のレーザーブランキング装置。
  8. 前記搬送部が幅方向に並設されており、
    前記レーザー部が、両方の搬送部の全幅にわたって延びるX軸レールと、該X軸レールの両側に設けられた前後方向に延びる一対のY軸レールと、を更に有し、
    前記レーザーノズルが、前記X軸レールに案内されて摺動可能となっており、
    前記X軸レールが、前記Y軸レールに案内されて摺動可能となっている請求項1~7のいずれか1項に記載のレーザーブランキング装置。
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