JP7384321B1 - 処理装置、処理方法、システムおよびコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
転削加工により得られたセンサの出力値を解析することにより、切刃の刃先にかかる切削の負荷(即ち切削抵抗)を算出し、加工状態を評価できる。評価方法としては、複数の切刃を有する転削工具に関して、各刃にかかる負荷の状況を任意の加工区間(即ちに、加工期間全体における任意の期間)において確認する方法、または、各刃にかかる負荷状況の傾向を加工全体に対して確認する方法がある。
本開示によれば、センサが搭載された転削工具の状態を容易に把握できる処理装置、処理方法、システムおよびコンピュータプログラムを提供できる。
本開示の実施形態の内容を列記して説明する。以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組合せてもよい。
以下の実施形態においては、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム100は、処理装置102、通信装置104、操作装置106、表示装置108およびセンサモジュール112を含む。処理装置102は、例えばコンピュータにより実現される。通信装置104は、無線機能を有し、転削工具110に搭載されたセンサモジュール112から送信されるデータを受信する。通信装置104は、処理装置102にとって受信部として機能する。転削工具110は切削装置114に搭載され、加工対象物の転削加工に利用される。転削工具110による加工状態はセンサモジュール112による測定値(即ち、センサの出力値)に反映される。通信装置104は、受信したセンサの出力値を処理装置102に出力する。操作装置106は、処理装置102に対する指示を入力するための装置である。操作装置106は、例えば、コンピュータ用のキーボード、マウスおよびタッチパネル等を含む。表示装置108は、液晶表示装置等の画像表示装置である。表示装置108は、処理装置102にとって表示部として機能する。処理装置102は、後述するように、通信装置104から入力される出力値を記憶して解析し、操作装置106からの指示に従って、出力値から算出された物理量およびその分布画像を表示装置108に表示する。
図2を参照して、転削工具110は、端部に切削部120を有する転削工具である。切削部120には、切削対象物に当接され、切削対象物を切削する切刃122が配置されている。図2においては、切刃122を1つ示しているが、複数(例えば4つ)配置されていてもよい。切刃122は、切削部120に着脱可能に固定されていてもよい。転削工具110は、転削工具110の側面にセンサモジュール112A、センサモジュール112B、センサモジュール112Cおよびセンサモジュール112Dが配置されている。センサモジュール112A、センサモジュール112B、センサモジュール112Cおよびセンサモジュール112Dの回転方向に隣接するモジュールの間隔は、転削工具110の回転軸を中心として90度である。センサモジュール112A、センサモジュール112B、センサモジュール112Cおよびセンサモジュール112Dは同じ種類のセンサを含み、同じ構成であるとする。したがって、それらを区別しない場合にはセンサモジュール112と表記する。図2には、転削工具110に対して設定される、直交する右手系のXYZ軸を表示している。転削工具110の回転軸をZ軸とし、X軸は回転軸からセンサモジュール112A(具体的にはセンサ)を通り転削工具110の外部に向かう方向に設定されている。また、Y軸は回転軸からセンサモジュール112B(具体的にはセンサ)を通り転削工具110の外部に向かう方向に設定されている。なお、センサモジュール112A、センサモジュール112B、センサモジュール112Cおよびセンサモジュール112Dの各々に含まれるセンサが、転削工具110の側面に配置されていればよく、各センサモジュールのセンサを除く部分は、転削工具110の周囲に配置された円柱状のハウジング(図示せず)に収容されていてもよい。
図4を参照して、処理装置102は、制御部160、IF部162、メモリ164およびバス166を含む。制御部160は、CPUを含んで構成されている。メモリ164は、例えば、書換可能な不揮発性の半導体メモリであり、制御部160が実行するプログラムを記憶している。メモリ164は、HDD(Hard Disk Drive)であってもよい。メモリ164は、制御部160が実行するプログラムのワーク領域を提供する。
図5を参照して、表示画面200は、領域202、領域204、領域206、領域208および領域210を含む。領域202は、画面を表示するプログラムを表すタイトル212と、右端に表示された、表示画面200全体に対する操作ボタンとを含む。領域202の右端部分には、表示画面200の表示形態(即ち、アイコン表示、ウィンドウ表示および全画面表示)を変更するボタンおよび表示画面200を閉じるためのボタン(即ち終了ボタン)が表示されている。
以下に、自動的に再生スピードを設定する方法に関して説明する。転削加工における適切な加工条件を求める場合、同じ対象物(例えば、複数の同じ製品)に対して異なる加工条件により転削加工を行って、その結果を比較することが行われる。即ち、異なる加工条件による転削加工により取得されたセンサの出力値から算出される物理量を比較することにより、転削加工の状態を比較する。
転削工具の送り速度が異なる場合(その他の条件は同じ)、図5に示したように、物理量の分布画像をアニメーション表示しても、送り速度の違いにより、転削工程における同じタイミング(例えば、同じ距離を切削したタイミング)において比較することが難しい。例えば、2つ加工条件の送り速度を第1送り速度および第2送り速度とし、第2送り速度が第1送り速度よりも大きい(即ち、第2送り速度>第1送り速度)であるとする。その場合、送り速度の違いによるタイミングの違いを調整するには、例えば、第1送り速度により転削加工を行って得られたセンサの出力値から算出された物理量の分布画像のアニメーションの再生速度を増大させる。また、第2送り速度により転削加工を行って得られたセンサの出力値から算出された物理量の分布画像のアニメーションの再生速度を減少させることによっても、送り速度の違いによるタイミングの違いを調整できる。これにより、送り速度が異なる加工条件により同じ製品を加工した際に、同じタイミング(例えば、同じ距離を切削したタイミング)において、加工状態(即ち転削工具の状態)を容易に比較できる。なお、アニメーションの再生速度は、上記したように1/T0(fps)により算出できるので、T0、即ちStep幅が調整される。
2つの加工条件のうち、回転数が異なる場合(その他の条件は同じ)、図5に示したように、物理量の時間変化を表すグラフと物理量の分布画像とを同時に表示し、分布画像をアニメーション表示する際に、回転数の影響を受けるアニメーションの再生速度を調整する必要がある。また、分布画像のアニメーションの再生速度は、サンプリング周波数の影響を受けるので、サンプリング周波数が異なる場合にも、再生速度を調整する必要がある。
転削工具の回転数をS(rpm)とし、サンプリング周波数をfs(Hz)とし、回転する転削工具の位置が回転開始時点の位置(以下、初期位置という)に戻る回転数毎に、アニメーション画像の1フレームを切り出せる(即ち、生成できる)ように区間幅T(sec)を設定する。具体的には、T=(60/S)×N により区間幅Tを決定する。Nは、Zを正の整数として、Z=fs×(60/S)×N を満たす自然数である。60/Sは、転削工具が1回転する時間を表す。よって、fs×(60/S)は、転削工具が1回転する間のサンプリング数(即ちデータ数)、即ち、転削工具が1回転する間に得られるセンサの出力値の数を表す。したがって、転削工具が初期位置からN回転する間に得られるサンプリング数Zが整数値であれば、転削工具の位置が初期位置に戻ったタイミングにおいてサンプリングが実行される。上記のように区間幅Tを決定すれば、このタイミング毎にアニメーション画像の1フレームが生成される。但し、上記の条件だけでは、Nの候補は複数存在するので、下記の制約条件により、適切なTを決定する。
図6を参照して、処理装置102の動作に関して説明する。図6に示した処理は、操作装置106が操作されて指示が処理装置102に入力されたことを受けて、制御部160(図4参照)が所定のプログラムをメモリ164から読出して実行することにより実現される。なお、切削装置114による転削工具110を用いた転削加工により得られたセンサの出力値から、制御部160により転削工具110の物理量が算出され、時系列データとしてメモリ164に記憶されているとする。
即ち、コンピュータ読取り可能な非一時的な記録媒体は、
コンピュータに、
転削工具から、当該転削工具に搭載されたセンサの出力値を受信する受信機能と、
前記受信機能により受信された前記出力値から前記転削工具に関する物理量を算出する処理機能と、
前記物理量の時系列データを表すグラフと前記物理量の分布を表す分布画像とを含む画像を表示する表示機能とを実現させる、コンピュータプログラムを記憶している。
102 処理装置
104 通信装置
106 操作装置
108 表示装置
110 転削工具
112、112A、112B、112C、112D センサモジュール
114 切削装置
120 切削部
122 切刃
130 センサ
132 AD変換部
134、164 メモリ
136、160 制御部
138 通信部
140、166 バス
142 電源部
162 IF部
200、270 表示画面
202、204、206、208、210 領域
212 タイトル
220、222、224、226、228 セル
230 モード選択ボタン
232 参照ボタン
234 表示ボタン
236 表示中グラフ保存ボタン
250、252、254 Window
260 再生ボタン
262 再生カーソル
300、302、304、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324 ステップ
X、Y、Z 軸
Claims (12)
- 転削工具から、当該転削工具に搭載されたセンサの出力値を受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記出力値から前記転削工具に関する物理量を算出する処理部と、
前記物理量の時系列データを表すグラフと前記物理量の分布を表す分布画像とを含む画像を表示する表示部とを含み、
前記表示部は、前記グラフに重畳させて所定時間に対応する幅を有する図形を表示し、
前記表示部に対する指示を入力するための操作部をさらに含み、
前記表示部は、前記図形が重畳している前記物理量の分布を表す前記分布画像を生成して表示し、
前記操作部により再生の指示が入力されたことを受けて、前記表示部は、前記図形を前記グラフの時間軸に沿って移動させつつ、移動後の前記図形が重畳している前記物理量により前記分布画像を更新する、処理装置。 - 前記センサは、ひずみセンサであり、
前記出力値は、前記転削工具による転削加工時における前記センサの出力値であり、
前記処理部は、前記出力値から切削抵抗を算出し、
前記表示部は、前記所定時間内における前記出力値から算出される前記切削抵抗の2つの成分を平面にプロットすることにより前記分布画像を生成し、
前記2つの成分は、前記切削抵抗の、前記転削工具の回転軸に垂直な平面内において交差する2つの軸方向の成分である、請求項1に記載の処理装置。 - 前記操作部が操作されることにより、前記図形の1回の移動量が指定される、請求項1に記載の処理装置。
- 前記操作部が操作されることにより、前記分布画像が更新される速度が指定される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記処理部は、前記転削工具の送り速度、または、前記転削工具の単位時間当たりの回転数および前記出力値のサンプリング周波数に基づいて、前記分布画像の更新速度を調整する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の処理装置。
- 前記受信部は、
前記送り速度が第1速度である第1転削加工における前記出力値と、
前記送り速度が前記第1速度よりも大きい第2速度である第2転削加工における前記出力値を受信し、
前記処理部は、前記第1転削加工における前記出力値および前記第2転削加工における前記出力値から前記物理量を算出し、
前記処理部は、
前記第1転削加工における前記出力値から生成された前記分布画像の前記更新速度を増大させる、または、
前記第2転削加工における前記出力値から生成された前記分布画像の前記更新速度を減少させる、請求項5に記載の処理装置。 - 前記受信部は、
前記回転数が第1回転数であり、前記出力値のサンプリング周波数が第1周波数である第1転削加工における前記出力値と、
前記回転数が第2回転数であり、前記出力値のサンプリング周波数が第2周波数である第2転削加工における前記出力値とを受信し、
前記処理部は、
前記第1転削加工における前記出力値から、前記所定時間として第1時間を決定し、
前記第2転削加工における前記出力値から、前記所定時間として第2時間を決定し、
前記第1時間が前記第2時間よりも大きければ、前記第1転削加工における前記出力値から生成された前記分布画像の前記更新速度を減少させる、または、前記第2転削加工における前記出力値から生成された前記分布画像の前記更新速度を増大させる、請求項5に記載の処理装置。 - 前記第1回転数をS1とし、前記第1周波数をfs1とし、前記第1時間をT1とし、Z1を正の整数として、Z1=fs1×(60/S1)×N1を満たす自然数であるN1を用いて、前記第1時間T1は、T1=(60/S1)×N1により算出され、
前記第2回転数をS2とし、前記第2周波数をfs2とし、前記第2時間をT2とし、Z2を正の整数として、Z2=fs2×(60/S2)×N2を満たす自然数であるN2を用いて、前記第2時間T2は、T2=(60/S2)×N2により算出される、請求項7に記載の処理装置。 - T1=(60/S1)×N1により算出された前記第1時間T1は、
所定の上限値Tl1よりも大きい場合、前記上限値Tl1に変更され、
所定の下限値Ts1よりも小さい場合、前記下限値Ts1に変更され、
T2=(60/S2)×N2により算出された前記第2時間T2は、
所定の上限値Tl2よりも大きい場合、前記上限値Tl2に変更され、
所定の下限値Ts2よりも小さい場合、前記下限値Ts2に変更される、請求項8に記載の処理装置。 - 通信装置が、転削工具から、当該転削工具に搭載されたセンサの出力値を受信する受信ステップと、
処理装置が、前記通信装置により受信された前記出力値から前記転削工具に関する物理量を算出する処理ステップと、
表示装置が、前記物理量の時系列データを表すグラフと前記物理量の分布を表す分布画像とを含む画像を表示する表示ステップと、
前記表示装置が、前記グラフに重畳させて所定時間に対応する幅を有する図形を表示するステップと、
前記表示装置が、前記図形が重畳している前記物理量の分布を表す前記分布画像を生成して表示するステップと、
前記表示装置に対する指示を入力するための操作装置により再生の指示が入力されたことを受けて、前記表示装置が、前記図形を前記グラフの時間軸に沿って移動させつつ、移動後の前記図形が重畳している前記物理量により前記分布画像を更新するステップとを含む、処理方法。 - コンピュータに、
転削工具から、当該転削工具に搭載されたセンサの出力値を受信する受信機能と、
前記受信機能により受信された前記出力値から前記転削工具に関する物理量を算出する処理機能と、
前記物理量の時系列データを表すグラフと前記物理量の分布を表す分布画像とを含む画像を表示する表示機能と、
前記グラフに重畳させて所定時間に対応する幅を有する図形を表示する機能と、
前記図形が重畳している前記物理量の分布を表す前記分布画像を生成して表示する機能と、
前記コンピュータに対する指示を入力するための操作装置により再生の指示が入力されたことを受けて、前記図形を前記グラフの時間軸に沿って移動させつつ、移動後の前記図形が重畳している前記物理量により前記分布画像を更新する機能とを実現させる、コンピュータプログラム。 - 転削工具に搭載されたセンサと、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の処理装置とを含み、
前記転削工具は、前記センサの出力値を前記処理装置に送信する通信部を含む、システム。
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