JP2018156340A - 診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム - Google Patents

診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2018156340A
JP2018156340A JP2017051990A JP2017051990A JP2018156340A JP 2018156340 A JP2018156340 A JP 2018156340A JP 2017051990 A JP2017051990 A JP 2017051990A JP 2017051990 A JP2017051990 A JP 2017051990A JP 2018156340 A JP2018156340 A JP 2018156340A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
unit
learning data
label
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017051990A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6822242B2 (ja
Inventor
陽介 村本
Yosuke Muramoto
陽介 村本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2017051990A priority Critical patent/JP6822242B2/ja
Publication of JP2018156340A publication Critical patent/JP2018156340A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6822242B2 publication Critical patent/JP6822242B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】予め用意しておくべき学習データに対して、対応するラベルを容易に付加することができる診断装置、診断システム、診断方法およびプログラムを提供する。【解決手段】現在の動作に対応する所定の情報を、対象装置から取得する第1取得部と、部材に関する物理量を検知する検知部から出力される学習データを取得する第2取得部と、学習データの特徴を示す第1特徴情報を抽出する抽出部と、部材について使用開始から使用不可となるまでの継続時間を、所定の複数の区間に分け、各区間に対応する学習データに対して、状態を示すラベル情報をそれぞれ付加する第1付加部と、各区間に対応する学習データにそれぞれ付加されたラベル情報と、第1特徴情報とに基づいて、ラベル情報が未知の第2検知情報が、どのラベル情報に対応するのかを判定するためのモデルを、学習データに対応する所定の情報をモデル特定情報として対応付けて生成する生成部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、診断装置、診断システム、診断方法およびプログラムに関する。
画像形成装置および工作機械等の機械において、音または振動等の物理量を検知した検知情報と、予め用意しておいた検知情報とを利用して、機械の異常等を判定する技術が既に知られている。
このような物理量を検知して機械の異常等を判定する技術として、集音手段によって集音された動作音データと、予め用意しておいた正常音データとを利用して、機械の異常を検出する技術が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、予め用意しておくべきデータに対して、例えば、正常または異常等のラベルを付ける作業を、人の手によって行う必要があり、大量のデータに対して手動でラベルを付けることは時間的に現実的ではないという問題点があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、予め用意しておくべき学習データに対して、対応するラベルを容易に付加することができる診断装置、診断システム、診断方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、対象装置の現在の動作に対応する所定の情報を、前記対象装置から取得する第1取得部と、前記対象装置の部材に関する物理量を検知する検知部から出力される第1検知情報を学習データとして取得する第2取得部と、前記第2取得部により取得された前記学習データの特徴を示す第1特徴情報を抽出する抽出部と、前記動作が実行されることにより、前記部材について新品状態における使用開始から使用不可となるまでの継続時間を、所定の複数の区間に分け、前記各区間に対応する前記学習データに対して、該部材の状態を示すラベル情報をそれぞれ付加する第1付加部と、前記各区間に対応する前記学習データにそれぞれ付加された前記ラベル情報と、前記第1特徴情報とに基づいて、前記第2取得部により取得された前記ラベル情報が未知である第2検知情報が、どの前記ラベル情報に対応するのかを判定するためのモデルを、前記学習データに対応する前記所定の情報をモデル特定情報として対応付けて生成する生成部と、を備える。
本発明によれば、予め用意しておくべき学習データに対して、対応するラベルを容易に付加することができる。
図1は、第1の実施形態に係る診断システムの全体構成の一例を示す図である。 図2は、第1の実施形態の加工機のハードウェア構成の一例を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係る診断装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る診断システムの機能ブロックの構成の一例を示す図である。 図5は、学習データに対して時間的に等間隔な区間ごとにラベル情報を付加することを説明する図である。 図6は、第1の実施形態におけるモデル生成処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、第1の実施形態における状態判定処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、第1の実施形態におけるモデル生成処理および状態判定処理の具体例を説明する図である。 図9は、共通のモデルを他の加工工程で使用する例を説明する図である。 図10は、第2の実施形態に係る診断システムの機能ブロックの構成の一例を示す図である。 図11は、工具の使用時間と劣化度との関係からラベル情報を付加することを説明する図である。 図12は、第2の実施形態におけるモデル生成処理の一例を示すフローチャートである。 図13は、第3の実施形態に係る診断システムの機能ブロックの構成の一例を示す図である。 図14は、複数の工具の使用時間と劣化度との関係の一例を示すグラフである。 図15は、工具の使用時間と劣化度との関係からラベル情報を付加することを説明する図である。 図16は、第3の実施形態におけるモデル生成処理の一例を示すフローチャートである。
以下に、図1〜図16を参照しながら、本発明に係る診断装置、診断システム、診断方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
[第1の実施形態]
(診断システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る診断システムの全体構成の一例を示す図である。図1を参照しながら、本実施形態に係る診断システム1の全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る診断システム1は、加工機200に設置されたセンサ57と、診断装置100と、を含む。加工機200は、診断装置100に対して通信可能となるように接続されている。なお、図1には1台の加工機200が診断装置100に接続されている例が示されているが、これに限定されるものではなく、複数台の加工機200が診断装置100に対して、それぞれ通信可能となるように接続されているものとしてもよい。
加工機200は、工具を用いて、加工対象に対して切削、研削または研磨等の加工を行う工作機械である。加工機200は、診断装置100による診断の対象となる対象装置の一例である。なお、対象装置として加工機200に限定されるものではなく、診断の対象となり得る機械であればよく、例えば、組立機、測定機、検査機、または洗浄機等の機械が対象装置であってもよい。以下では、加工機200を対象装置の一例として説明する。
診断装置100は、加工機200に対して通信可能となるように接続され、加工機200の動作について診断を行う装置である。
センサ57は、加工機200に設置されたドリル、エンドミル、バイトチップもしくは砥石等の工具と加工対象とが加工動作中に接触することにより発する振動もしくは音等、または、工具もしくは加工機200自体が発する振動もしくは音等の物理量を検知し、検知した物理量の情報を検知情報(センサデータ)として診断装置100へ出力するセンサである。センサ57は、例えば、マイク、振動センサ、加速度センサ、またはAEセンサ等で構成され、例えば、振動または音等が検出できる工具の近傍に設置される。
なお、加工機200と診断装置100とは、どのような接続形態で接続されてもよい。例えば、加工機200と診断装置100とは、専用の接続線、有線LAN(Local Area Network)等の有線ネットワーク、または、無線ネットワーク等により接続されるものとすればよい。
また、センサ57の個数は任意であってよい。また、同一の物理量を検知する複数のセンサ57を備えてもよいし、相互に異なる物理量を検知する複数のセンサ57を備えてもよい。
また、センサ57は、加工機200に予め備えられているものとしてもよく、または、完成機械である加工機200に対して後から取り付けられるものとしてもよい。
(加工機のハードウェア構成)
図2は、第1の実施形態の加工機のハードウェア構成の一例を示す図である。図2を参照しながら、本実施形態の加工機200のハードウェア構成について説明する。
図2に示すように、加工機200は、CPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、通信I/F(インターフェース)54と、駆動制御回路55と、がバス58で通信可能に接続された構成となっている。センサ57は、診断装置100に通信可能に接続されている。
CPU51は、加工機200の全体を制御する演算装置である。CPU51は、例えば、RAM53をワークエリア(作業領域)としてROM52等に格納されたプログラムを実行することで、加工機200全体の動作を制御し、加工機能を実現する。
通信I/F54は、診断装置100等の外部装置と通信するためのインターフェースである。駆動制御回路55は、モータ56の駆動を制御する回路である。モータ56は、ドリル、エンドミル、バイトチップまたは砥石等、および、加工対象が載置され加工に合わせて移動されるテーブル等の加工に用いる工具を駆動するモータである。センサ57は、上述の通りである。
(診断装置のハードウェア構成)
図3は、第1の実施形態に係る診断装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図3を参照しながら、本実施形態に係る診断装置100のハードウェア構成について説明する。
図3に示すように、診断装置100は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、通信I/F64と、センサI/F65と、補助記憶装置66と、入力装置67と、ディスプレイ68と、がバス69で通信可能に接続された構成となっている。
CPU61は、診断装置100の全体を制御する演算装置である。CPU61は、例えば、RAM63をワークエリア(作業領域)としてROM62等に格納されたプログラムを実行することで、診断装置100全体の動作を制御し、診断機能を実現する。
通信I/F64は、加工機200等の外部装置と通信するためのインターフェースである。通信I/F64は、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)に対応したNIC(Network Interface Card)等である。
センサI/F65は、加工機200に設置されたセンサ57から検知情報を受信するためのインターフェースである。
補助記憶装置66は、診断装置100の設定情報、加工機200から受信された検知情報およびコンテキスト情報、後述する診断装置100により生成されたモデル、OS(Operating System)、およびアプリケーションプログラム等の各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)等の不揮発性の記憶装置である。なお、補助記憶装置66は、診断装置100が備えるものとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、診断装置100の外部に設置された記憶装置であってもよく、または、診断装置100とデータ通信可能なサーバ装置が備えた記憶装置であってもよい。
入力装置67は、文字および数字等の入力、各種指示の選択、ならびにカーソルの移動等の操作を行うためのマウスまたはキーボード等の入力装置である。
ディスプレイ68は、文字、数字、および各種画面および操作用アイコン等を表示するCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。
なお、図3に示したハードウェア構成は一例であり、すべての構成機器を備えている必要はなく、また、他の構成機器を備えているものとしてもよい。例えば、診断装置100が加工機200の診断動作に特化し、診断結果を外部のサーバ装置等に送信する場合、入力装置67およびディスプレイ68は備えられていない構成としてもよい。
(診断システムの機能ブロックの構成および動作)
図4は、第1の実施形態に係る診断システムの機能ブロックの構成の一例を示す図である。図5は、学習データに対して時間的に等間隔な区間ごとにラベル情報を付加することを説明する図である。図4および図5を参照しながら、本実施形態に係る診断システム1および加工機200の機能ブロックの構成および動作について説明する。
図4に示すように、加工機200は、数値制御部201と、通信制御部202と、駆動制御部203と、駆動部204と、検知部211と、を有する。
数値制御部201は、駆動部204による加工を数値制御(NC:Numerical Control)により実行する機能部である。例えば、数値制御部201は、駆動部204の動作を制御するための数値制御データを生成して出力する。また、数値制御部201は、コンテキスト情報を通信制御部202に出力する。ここで、コンテキスト情報とは、加工機200の動作の種類ごとに複数定められる情報である。コンテキスト情報は、例えば、工作機械(加工機200)の識別情報、駆動部204の識別情報(例えば、工具の識別情報等)、駆動部204に駆動される工具の径、および工具の材質等のコンフィギュレーション情報、ならびに、駆動部204に駆動される工具の動作状態、駆動部204の使用開始からの累積使用時間、駆動部204に係る負荷、駆動部204の回転数、駆動部204の加工速度等の加工条件の情報等を示す情報である。
数値制御部201は、例えば、現在の加工機200の動作に対応するコンテキスト情報を、逐次、通信制御部202を介して診断装置100に送信する。数値制御部201は、加工対象を加工する際、加工の工程に応じて、駆動する駆動部204の種類、または駆動部204の駆動状態(回転数、回転速度等)を変更する。数値制御部201は、動作の種類を変更するごとに、変更した動作の種類に対応するコンテキスト情報を、通信制御部202を介して診断装置100に逐次送信する。数値制御部201は、例えば、図2に示すCPU51で動作するプログラムによって実現される。
通信制御部202は、診断装置100等の外部装置との間の通信を制御する機能部である。例えば、通信制御部202は、現在の動作に対応するコンテキスト情報を診断装置100に送信する。通信制御部202は、例えば、図2に示す通信I/F54、およびCPU51で動作するプログラムによって実現される。
駆動制御部203は、数値制御部201により求められた数値制御データに基づいて、駆動部204を駆動制御する機能部である。駆動制御部203は、例えば、図2に示す駆動制御回路55によって実現される。
駆動部204は、駆動制御部203による駆動制御の対象となる機能部である。駆動部204は、駆動制御部203による制御によって工具を駆動する。駆動部204は、駆動制御部203によって駆動制御されるアクチュエータであり、例えば、図2に示すモータ56等によって実現される。なお、駆動部204は、加工に用いられ、数値制御の対象となるものであればどのようなアクチュエータであってもよい。また、駆動部204は、2以上備えられていてもよい。
検知部211は、加工機200に設置されたドリル、エンドミル、バイトチップもしくは砥石等の工具と加工対象とが加工動作中に接触することにより発する振動もしくは音等、または、工具もしくは加工機200自体が発する振動もしくは音等の物理量を検知し、検知した物理量の情報を検知情報(センサデータ)として診断装置100へ出力する機能部である。検知部211は、例えば、図2に示すセンサ57によって実現される。なお、検知部211の個数は任意である。例えば、同一の物理量を検知する複数の検知部211を備えてもよいし、相互に異なる物理量を検知する複数の検知部211を備えてもよい。例えば、加工に用いる工具である刃の折れ、および、刃のチッピング等が発生すると、加工時の音が変化する。このため、検知部211(マイク)で音響データを検知し、正常音を判断するためのモデル等を用いて判断することにより、加工機200の動作の異常を検知可能となる。
なお、図4に示す数値制御部201および通信制御部202は、図2に示すCPU51にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよく、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよく、または、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
図4に示すように、診断システム1の診断装置100は、通信制御部101と、検知情報受信部102(第2取得部)と、加工情報取得部103(第1取得部)と、受付部104と、特徴抽出部105と、ラベル付加部106(第1付加部)と、生成部107と、判定部108と、記憶部109と、入力部110と、表示制御部111と、表示部112と、を有する。
通信制御部101は、加工機200との間の通信を制御する機能部である。例えば、通信制御部101は、加工機200の数値制御部201から、通信制御部202を介して、コンテキスト情報を受信する。通信制御部101は、例えば、図3に示す通信I/F64、およびCPU61で動作するプログラムによって実現される。
検知情報受信部102は、加工機200に設置された検知部211から検知情報を受信する機能部である。検知情報受信部102は、例えば、図3に示すセンサI/F65、およびCPU61で動作するプログラムによって実現される。
ここで、図5に、検知情報受信部102により受信された、後述するモデルを生成するための学習データとして使用される検知情報の波形の一例を示す。図5では、新しく交換された新品状態の工具を使用し始めたタイミングから、繰り返される加工処理に伴う工具の摩耗等の劣化によって折損したタイミングまでの検知情報が示されている。図5に示す検知情報は、例えば、工具によって加工対象の加工処理が実行されている加工区間での波形データと、工具が加工対象に当たっていない非加工区間の波形データとを含む。
加工情報取得部103は、加工機200から、通信制御部101により受信されたコンテキスト情報(加工情報)を取得する機能部である。加工情報取得部103は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
受付部104は、通信制御部101が加工機200から受信するコンテキスト情報とは異なるコンテキスト情報の入力を受け付ける機能部である。例えば、累積使用時間は加工機200から取得するように構成できる。この場合、加工機200は、例えば、工具を交換したときに累積使用時間をリセット(初期化)する機能を備えていてもよい。
累積使用時間を加工機200から取得せず、受付部104が受け付けるように構成することもできる。受付部104は、例えば、キーボードおよびタッチパネル等により実現される入力部110から入力されたコンテキスト情報を受け付ける。受付部104で受け付けるコンテキスト情報は、累積使用時間に限らず、例えば、使用する工具の仕様の情報(工具の直径、刃数、材質、工具にコーティングが施されているか否か等)、加工対象の情報(材質等)の情報でもよい。また、受付部104は、外部装置からコンテキスト情報を受信するように構成してもよい。受付部104は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。なお、加工機200以外からコンテキスト情報を受け付ける必要がない場合は、受付部104は備えなくてもよい。
特徴抽出部105は、生成部107によるモデルの生成、および、判定部108による判定処理等で用いる特徴情報を、検知情報から抽出する機能部である。特徴情報は、検知情報の特徴を示す情報であればどのような情報であってもよい。例えば、特徴抽出部105は、検知情報から、エネルギー、周波数スペクトル、および、MFCC(メル周波数ケプストラム係数)等を特徴情報として抽出してもよい。特徴抽出部105は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
ラベル付加部106は、検知情報受信部102により受信された学習データとしての検知情報(第1検知情報)に対して、所定のラベル情報を付加する(対応付ける)機能部である。具体的には、上述した図5に示す学習データでは、例えば、ラベル付加部106は、新しく交換された新品状態の工具を使用し始めたタイミングから、繰り返される加工処理に伴う工具の摩耗等の劣化によって折損したタイミングまでの時間(以下、「継続時間」と称する場合がある)を、5つの区間に等分し、時間が古い区間に対応する学習データから、順に、「劣化度1」、「劣化度2」、「劣化度3」、「劣化度4」、「劣化度5」というラベル情報を付加する。すなわち、図5に示すラベル情報は、継続時間の各段階において、使用されている工具の劣化度が5段階の劣化度のうちどの段階の劣化度にあるのかを示す情報であり、「劣化度1」から「劣化度5」へ向かうにつれて、工具の劣化度が強くなる。このように、ラベル付加部106は、学習データの継続時間を用いて、ラベル情報を付加している。ラベル付加部106は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
なお、継続時間は、工具が折損したタイミングまでとしたが、工具の折損の状態に限定するものではなく、工具の変形、欠損、折損または治具からの欠落等により工具が使用不可となる状態になるタイミングまでとしてもよい。
また、ラベル付加部106は、継続時間を5つの区間に等分した例を示したが、これに限定されるものではなく、区分する区間の数は任意でよいのは言うまでもない。
また、ラベル付加部106により学習データに付加されるラベル情報としては劣化度に限定されるものではない。例えば、工具の長さの摩耗についてのラベル(例えば「工具長さ」、「摩耗度」)等のように、状態の判定対象となる工具または機器等の部材の状態が時間経過に伴って変化する場合、その部材の状態の変化を捉えた検知情報に対して、当該状態を示すラベルをラベル情報として付加するものとしてもよい。
生成部107は、ラベル付加部106により学習データに対して付加されたラベル情報と、特徴抽出部105により学習データから抽出された特徴情報とを用いて、工具の劣化度を判定するためのモデルを生成する機能部である。この場合、学習データについては上述の継続時間における区間ごとにラベル情報が付加されているので、その学習データから抽出された特徴情報(第1特徴情報)についても、各区間に対応する特徴情報にはラベル情報が対応付けられていることになる。また、生成部107は、検知情報受信部102が学習データを受信する際に、加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報に対応付けてモデルを生成する。
生成部107によるモデルの生成は、機械学習のうちいわゆる教師あり学習に基づいて実行される。教師あり学習によるモデルの生成のアルゴリズムとしては、例えば、SVM(Support Vector Machine)またはGMM(Gaussian Mixture Model)等を用いればよい。例えば、SVMでは、学習データから抽出された特徴情報を訓練データ(教師データ)とし、各ラベル情報に対応する特徴情報をクラスに分け、各クラスに含まれる特徴情報の距離が最大値(最大マージン)となるようにクラスを分ける超平面を示す識別関数を規定するパラメータを求める。このようなパラメータを求めることが、モデルの生成に相当する。すなわち、どのラベル情報に対応するのか不明な特徴情報と、SVMにより求められたモデルとを用いることによって、当該特徴情報がどのクラスに対応するのか、すなわち、どのラベル情報(上述の例では「劣化度1」〜「劣化度5」)に対応するのかが明らかになる。具体的には、どのラベル情報に対応するのか未知の特徴情報と、生成部107により生成されたモデルとから、どのラベル情報に対応するのかを示すような出力値を得ることにより、当該特徴情報がどのラベル情報に対応するのかが明らかになる。
生成部107は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
判定部108は、特徴抽出部105により検知情報(第2検知情報)から抽出された特徴情報(第2特徴情報)と、加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報に対応するモデルと、を用いて、当該特徴情報がどの劣化度(ラベル情報)に対応するかを判定する機能部である。具体的には、上述のように、判定部108は、例えば、特徴情報とモデルとから、当該特徴情報がどのラベル情報に対応するかを示すような出力値を求め、その出力値がどの劣化度(ラベル情報)に対応するかを判定する。これによって、加工機200で使用されている工具が、判定部108により判定された劣化度の状態であることが判断できる。判定部108は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
記憶部109は、生成部107により生成されたモデルをコンテキスト情報と関連付けて記憶する機能部である。また、記憶部109は、検知情報受信部102により受信された検知情報を、加工情報取得部103により受信されたコンテキスト情報と関連付けて記憶するものとしてもよい。記憶部109は、例えば、図3のRAM63および補助記憶装置66等によって実現される。
入力部110は、文字および数字等の入力、各種指示の選択、ならびにカーソルの移動等の操作を行うための機能部である。入力部110は、図3に示す入力装置67によって実現される。
表示制御部111は、表示部112の表示動作を制御する機能部である。具体的には、表示制御部111は、例えば、判定部108による工具の劣化度についての判定結果等を、表示部112に表示させる。表示制御部111は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
表示部112は、表示制御部111による制御に従って各種情報を表示する機能部である。表示部112は、例えば、図3に示すディスプレイ68によって実現される。
なお、図4に示した診断装置100の各機能部(通信制御部101、検知情報受信部102、加工情報取得部103、受付部104、特徴抽出部105、ラベル付加部106、生成部107、判定部108および表示制御部111)は、図3のCPU61にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよく、IC等のハードウェアにより実現してもよく、または、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
また、図4に示した診断装置100および加工機200それぞれの各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図4で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図4の1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
(診断装置によるモデル生成処理)
図6は、第1の実施形態におけるモデル生成処理の一例を示すフローチャートである。図6を参照しながら、本実施形態に係る診断システム1の診断装置100のモデル生成処理の流れについて説明する。なお、モデル生成処理は、例えば、状態判定処理の前に事前に実行されるものとする。以下のモデル生成処理を実行する前に、加工機200には新品状態の工具が取り付けられた状態とする。
<ステップS101>
診断装置100の通信制御部101は、加工機200から送信されたコンテキスト情報を受信する。そして、診断装置100の加工情報取得部103は、通信制御部101により受信されたコンテキスト情報を取得する。そして、ステップS102へ移行する。
<ステップS102>
診断装置100の検知情報受信部102は、加工機200から送信された学習データとしての検知情報(センサデータ)を受信する。検知情報受信部102による学習データの受信動作は、新しく交換された新品状態の工具を使用し始めたタイミングから、繰り返される加工処理に伴う工具の摩耗等の劣化によって折損するタイミングまで継続する。
このように受信されたコンテキスト情報および検知情報(学習データ)が、モデルの生成に利用される。モデルは、コンテキスト情報ごとに生成されるため、検知情報は、対応するコンテキスト情報に関連付けられる必要がある。このため、例えば、検知情報受信部102は、受信した検知情報を、同じタイミングで通信制御部101により受信されたコンテキスト情報と対応付けて記憶部109等に記憶させるものとしてもよい。この場合、コンテキスト情報は、生成されたモデルを特定するためのモデル特定情報として用いられる。
検知情報受信部102によって継続時間分の学習データが受信された場合、ステップS103へ移行する。
<ステップS103>
診断装置100の特徴抽出部105は、検知情報受信部102により受信された継続時間分の学習データから、特徴情報を抽出する。そして、ステップS104へ移行する。
<ステップS104>
診断装置100のラベル付加部106は、検知情報受信部102により受信された学習データに対して、所定のラベル情報を付加する(対応付ける)。具体的には、上述した図5に示す学習データのように、例えば、ラベル付加部106は、継続時間を5つの区間に等分し、時間が古い区間に対応する学習データから、順に、「劣化度1」、「劣化度2」、「劣化度3」、「劣化度4」、「劣化度5」というラベル情報を付加する。この場合、学習データについて継続時間における区間ごとにラベル情報が付加されているので、その学習データから抽出された特徴情報についても、各区間に対応する特徴情報にはラベル情報が対応付けられていることになる。そして、ステップS105へ移行する。
<ステップS105>
診断装置100の生成部107は、ラベル付加部106により学習データに対して付加されたラベル情報と、特徴抽出部105により学習データから抽出された特徴情報とを用いて、工具の劣化度を判定するためのモデルを生成する。この場合、生成部107は、検知情報受信部102が学習データを受信するときに加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報に対応付けてモデルを生成する。このモデルの生成のアルゴリズムとしては、例えば、教師あり学習のSVMまたはGMM等を用いる。このように生成されたモデルを用いることによって、どのラベル情報に対応するのか不明な特徴情報が、どのクラスに対応するのか、すなわち、どのラベル情報(上述の例では「劣化度1」〜「劣化度5」)に対応するのかが明らかになる。そして、ステップS106へ移行する。
<ステップS106>
生成部107は、生成したモデルを、加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報(モデル特定情報)に関連付けて、記憶部109に記憶させる。
以上のステップS101〜S106によって、モデル生成処理が実行される。
(診断装置による状態判定処理)
図7は、第1の実施形態における状態判定処理の一例を示すフローチャートである。図7を参照しながら、本実施形態に係る診断システム1の診断装置100の状態判定処理の流れについて説明する。
<ステップS201>
加工機200の数値制御部201は、加工機200から送信されたコンテキスト情報を、逐次、診断装置100に送信する。診断装置100の通信制御部101は、このようにして加工機200から送信されたコンテキスト情報を受信する。そして、診断装置100の加工情報取得部103は、通信制御部101により受信されたコンテキスト情報を取得する。そして、ステップS202へ移行する。
<ステップS202>
また、加工機200の検知部211は、検知情報を、逐次、出力する。診断装置100の検知情報受信部102は、このようにして加工機200から送信された検知情報(センサデータ)を受信する。そして、ステップS203へ移行する。
<ステップS203>
診断装置100の特徴抽出部105は、検知情報受信部102により受信された検知情報から特徴情報を抽出する。そして、ステップS204へ移行する。
<ステップS204>
診断装置100の判定部108は、加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報(モデル特定情報)に対応するモデルを記憶部109から取得する。そして、ステップS205へ移行する。
<ステップS205>
判定部108は、特徴抽出部105により検知情報から抽出された特徴情報と、加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報(モデル特定情報)に対応するモデルと、を用いて、当該特徴情報がどの劣化度(ラベル情報)に対応するかを判定する。具体的には、判定部108は、例えば、特徴情報とモデルとから、当該特徴情報がどのラベル情報に対応するかを示すような出力値を求め、その出力値がどの劣化度(ラベル情報)に対応するかを判定する。これによって、加工機200で使用されている工具が、判定部108により判定された劣化度の状態であることが判断できる。そして、ステップS206へ移行する。
<ステップS206>
判定部108は、判定結果を出力する。判定結果の出力方法はどのような方法であってもよい。判定部108は、例えば、診断装置100の表示制御部111に対して、判定結果を表示部112に表示させるものとしてもよい。または、判定部108が、サーバ装置およびPC(Personal Computer)等の外部装置に判定結果を出力するものとしてもよい。
以上のステップS201〜S206によって、状態判定処理が実行される。
(モデル生成処理および診断処理の具体例)
次に、本実施形態によるモデル生成処理および状態処理の具体例について説明する。図8は、第1の実施形態におけるモデル生成処理および状態判定処理の具体例を説明する図である。
図8は、例えば、ある加工対象を加工する工程の一部についての検知情報に基づいて工具の劣化度を判定するためのモデル生成処理、および、状態判定処理を示す。モデル生成処理では、コンテキスト情報701と共に受信された、当該コンテキスト情報701に対応する工具の継続時間分の学習データ(図8では検知情報711)が利用される。
コンテキスト情報701は、モータBを駆動する動作を示している。検知情報711は、加工機200から常時、モータBを駆動する動作を示すコンテキスト情報が出力されている状態において受信されたものである必要はなく、いくつかの加工工程(例えば、4つのモータ(モータA、モータB、モータC、モータD)をそれぞれ駆動する工程)のうちモータBの駆動を示すコンテキスト情報である場合に、受信された検知情報をつなぎ合わせたものとすればよい。すなわち、図8に示すコンテキスト情報701については、モータBを駆動する動作を示す情報として常時出力されていることを示すものではない。
特徴抽出部105は、検知情報受信部102により受信された継続時間分の学習データである検知情報から特徴情報を抽出する。生成部107は、コンテキスト情報(図8では「モータB」の駆動を示す情報)に対応して、ラベル付加部106により学習データに対して付加されたラベル情報と、検知情報から抽出された特徴情報とを用いてモデルを生成する。生成されたモデルは、対応するコンテキスト情報と対応付けられて記憶部109等に記憶される。図8では、モータBが駆動される場合のコンテキスト情報に対して生成されたモデル(「モータB」)が記憶部109に記憶された例が示されている。記憶されたモデルは、その後の状態判定処理で参照される。
状態判定処理では、コンテキスト情報702と共に、検知情報721が受信される。図8に示すように、コンテキスト情報702は、加工工程が切り替わるたびにその内容が変更されて加工機200から出力される。コンテキスト情報702が「モータBが駆動されていること」を示す場合、判定部108は、例えば、「モータBが駆動されていること」を示すコンテキスト情報702が受信された期間に受信された検知情報と、記憶部109に記憶されているモデル「モータB」とを用いて、加工機200の工具(モータBにより駆動される工具)の劣化度を判定する。
他の動作を示すコンテキスト情報が受信される場合も同様に、対応する検知情報と、対応するモデルとを用いて、判定部108による状態判定処理が実行される。
また、相互に異なる加工工程であっても、例えば、同一のモータ等を使用する場合は、対応するモデルを共通に利用して状態判定処理を実行してもよい。図9は、共通のモデルを他の加工工程で使用する例を説明する図である。
図9のコンテキスト情報901は、加工工程が、4つのモータ(モータX、モータY、モータZ、モータB)を駆動する動作を含むことを示している。モータBを使用する点は、例えば、図8に示す加工工程と共通する。このため、図9の加工工程でも、判定部108は、記憶部109に記憶されている同一のモデル「モータB」と、検知情報921とを用いて状態判定処理を実行できる。
以上のように、本実施形態に係る診断システム1では、工具が新品状態から使用不可となる状態までの時間(継続時間)をいくつかの区間に分けて、各区間に対応する学習データに対して特定の状態を示すラベル情報を付加するものとしている。すなわち、継続時間を用いることによってラベル情報を付加している。そして、このように付加されたラベル情報と、学習データから抽出された特徴情報とを用いて、工具の状態を判定するためのモデルを生成するものとしている。これによって、人の手で工具の状態を判断してラベル情報を付加する必要がなく、対応する状態を示すラベル情報を容易に付加することができる。そして、このように生成されたモデルの精度が向上し、状態が未知の検知情報に対して、当該モデルを用いることによって、どのような状態(ラベル情報)であるのかを判定する状態判定処理の精度も向上させることができる。
なお、上述のように、付加されたラベル情報と、学習データの特徴情報とから、モデルを生成するものであり、未知の特徴情報が、複数種類のラベル情報のいずれかに対応するかを判定するための1つのモデルとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上述の「劣化度1」〜「劣化度5」の5つのラベル情報を、分割した区間に付加し、それぞれの区間に対応する学習データの特徴情報から、当該区間に付加されたラベル情報に対応するモデルをそれぞれ生成するものとしてもよい。すなわち、上述の例では、「劣化度1」に対応するモデル、「劣化度2」に対応するモデル、・・・、「劣化度5」に対応するモデルの5つのモデルを生成するものとしてもよい。この場合、例えば、未知の特徴情報と、「劣化度1」に対応するモデルとを用いて、出力値として「劣化度1」に対する尤度が算出されるものとし、未知の特徴情報と、各ラベル情報に対応するモデルとから算出されるそれぞれの尤度のうち、最も高い尤度に対応するラベル情報が、当該特徴情報に対応するラベル情報(劣化度)であると判定するものとしてもよい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る診断システムについて、第1の実施形態に係る診断システム1と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、継続時間内において、一定時間ごとに実際の劣化度を人の手によって測定し、使用時間と劣化度との関係を特定した上で、ラベル情報の付加を行う動作について説明する。なお、本実施形態に係る診断システムの全体構成、ならびに、診断装置および加工機200のハードウェア構成は、それぞれ第1の実施形態で説明した構成と同様である。また、本実施形態に係る診断システムの状態判定処理は、第1の実施形態で説明した状態判定処理と同様である。
(診断システムの機能ブロックの構成および動作)
図10は、第2の実施形態に係る診断システムの機能ブロックの構成の一例を示す図である。図11は、工具の使用時間と劣化度との関係からラベル情報を付加することを説明する図である。図10および図11を参照しながら、本実施形態に係る診断システム1aの機能ブロックの構成および動作について説明する。なお、加工機200の機能ブロックの構成は、上述の第1の実施形態で説明した構成と同様である。
図10に示すように、診断システム1aの診断装置100aは、通信制御部101と、検知情報受信部102(第2取得部)と、加工情報取得部103(第1取得部)と、受付部104と、特徴抽出部105と、劣化度特定部113(特定部)と、ラベル付加部106a(第1付加部)と、生成部107と、判定部108と、記憶部109と、入力部110と、表示制御部111と、表示部112と、を有する。なお、診断装置100aが有する機能部のうち劣化度特定部113およびラベル付加部106a以外の機能部の動作は、上述の第1の実施形態で説明した動作と同様である。
図11に示すグラフは、工具が新品から徐々に劣化し最終的に折損するまでの使用時間と劣化度との関係を示すグラフである。例えば、加工機200のユーザは、工具を新品の状態から使用を始めて、一定間隔ごとに、工具を顕微鏡写真等で撮影する等して、当該ユーザの判断により劣化度を測定する。例えば、劣化度としては、工具の刃先が削れた長さをそのまま劣化度として扱ってもよい。図11におけるグラフに示される「×」印が、ユーザによって一定間隔ごとに測定された劣化度を示している。このように、使用時間と劣化度とは必ずしも比例した関係ではない場合がある。
劣化度特定部113は、工具が新品の状態から使用が開始され、上述のように、使用時間の各タイミングで実際に測定された劣化度から、劣化度が測定されていない区間の劣化度を補間(例えば、線形補間または多項式補間等)することによって、使用時間に対する劣化度の関係を特定する機能部である。劣化度特定部113は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
ラベル付加部106aは、劣化度が測定されたタイミング間の区間に対応する学習データごとにラベル情報を付加する(対応付ける)機能部である。図11に示す例では、第1の実施形態と同様に、分けた区間に対応する学習データごとに、劣化度が小さい方から「劣化度1」、「劣化度2」、・・・(図11の例では「劣化度1」〜「劣化度7」の7つのラベル情報)、というようにラベル情報を付加している。これによって、例えば、「劣化度5」に対応する区間の両端のタイミングに測定された劣化度がそれぞれ「0.5」および「0.7」である場合、ラベル情報が未知の検知情報について状態判定処理が行われて、対応するラベル情報が「劣化度5」と判定された場合、その工具の劣化度は「0.5」〜「0.7」の範囲にあると認識することができる。すなわち、第1の実施形態と比較して、本実施形態では、より厳密に劣化度を認識することができる。ラベル付加部106aは、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
なお、上述のように、ラベル付加部106aは、第1の実施形態と同様に、劣化度が小さい方から「劣化度1」、「劣化度2」、・・・、というようなラベル情報を付加しているが、このようなラベル情報に限定されるものではない。すなわち、分けた区間の両端のタイミングの実際の劣化度が測定されているので、例えば、その区間の後端のタイミングでの劣化度の測定値そのものを使用してラベル情報を付加するものとしてもよい。例えば、ある区間の後端のタイミングでの劣化度が「0.9」である場合、当該区間に対応するラベル情報として「劣化度0.9」のようなラベル情報を付加してもよい。これによって、ラベル情報が未知に検知情報について状態判定処理が行われて、対応するラベル情報が「劣化度0.9」と判定された場合、その工具は「劣化度が最大で0.9の状態」と認識することができる。
また、上述のように、ラベル付加部106aは、劣化度が測定されたタイミング間の区間に対応する学習データごとにラベル情報を付加するものとしたが、区間の分け方はこれに限定されるものではない。例えば、図11に示すグラフの劣化度を所定数に等分し、等分した劣化度の各範囲に対応する使用時間の区間ごとにラベル情報を付加するものとしてもよい。
また、図10に示した診断装置100aの各機能部(通信制御部101、検知情報受信部102、加工情報取得部103、受付部104、特徴抽出部105、劣化度特定部113、ラベル付加部106a、生成部107、判定部108および表示制御部111)は、図3のCPU61にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよく、IC等のハードウェアにより実現してもよく、または、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
また、図10に示した診断装置100aおよび加工機200それぞれの各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図10で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図10の1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
(診断装置によるモデル生成処理)
図12は、第2の実施形態におけるモデル生成処理の一例を示すフローチャートである。図12を参照しながら、本実施形態に係る診断システム1aの診断装置100aのモデル生成処理の流れについて説明する。なお、モデル生成処理は、例えば、状態判定処理の前に事前に実行されるものとする。以下のモデル生成処理を実行する前に、加工機200には新品状態の工具が取り付けられた状態とする。
<ステップS301>
診断装置100aの通信制御部101は、加工機200から送信されたコンテキスト情報を受信する。そして、診断装置100aの加工情報取得部103は、通信制御部101により受信されたコンテキスト情報を取得する。そして、ステップS302へ移行する。
<ステップS302>
診断装置100aの検知情報受信部102は、加工機200から送信された学習データとしての検知情報(センサデータ)の受信を開始する。検知情報受信部102による学習データの受信動作は、新しく交換された新品状態の工具を使用し始めたタイミングから、最終的には、繰り返される加工処理に伴う工具の摩耗等の劣化によって折損するタイミングまで継続する。学習データの受信を開始した場合、ステップS303へ移行する。
<ステップS303>
現在、加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報に対応し、加工機200で駆動している工具について、使用時間と劣化度との関係が定義されている場合(ステップS303:Yes)、ステップS306へ移行し、定義されていない場合(ステップS303:No)、ステップS304へ移行する。
<ステップS304>
加工機200のユーザは、工具を新品の状態から使用を始めて、所定の使用時間のタイミング(例えば、所定時間ごと)で、劣化度を測定する。このユーザによる劣化度の測定は、工具が折損するまで継続する。そして、ステップS305へ移行する。
<ステップS305>
診断装置100aの劣化度特定部113は、工具が新品の状態から使用が開始され、使用時間の各タイミングで実際に測定された劣化度から、劣化度が測定されていない区間の劣化度を補間することによって、使用時間に対する劣化度の関係を特定する。そして、ステップS306へ移行する。
<ステップS306>
診断装置100aの特徴抽出部105は、検知情報受信部102により受信された継続時間分の学習データから、特徴情報を抽出する。そして、ステップS307へ移行する。
<ステップS307>
診断装置100aのラベル付加部106aは、劣化度が測定されたタイミング間の区間に対応する学習データごとにラベル情報を付加する(対応付ける)。具合的には、上述した図11に示す使用時間と劣化度との関係を示すグラフにおいて、例えば、ラベル付加部106aは、分けた区間に対応する学習データごとに、劣化度が小さい方から「劣化度1」、「劣化度2」、・・・、「劣化度7」というようにラベル情報を付加する。この場合、学習データについて継続時間における区間ごとにラベル情報が付加されているので、その学習データから抽出された特徴情報についても、各区間に対応する特徴情報にはラベル情報が対応付けられていることになる。そして、ステップS308へ移行する。
<ステップS308>
診断装置100aの生成部107は、ラベル付加部106aにより学習データに対して付加されたラベル情報と、特徴抽出部105により学習データから抽出された特徴情報とを用いて、工具の劣化度を判定するためのモデルを生成する。この場合、生成部107は、検知情報受信部102が学習データを受信するときに加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報に対応付けてモデルを生成する。このモデルの生成のアルゴリズムとしては、例えば、教師あり学習のSVMまたはGMM等を用いる。このように生成されたモデルを用いることによって、どのラベル情報に対応するのか不明な特徴情報が、どのクラスに対応するのか、すなわち、どのラベル情報(上述の例では「劣化度1」〜「劣化度7」)に対応するのかが明らかになる。そして、ステップS309へ移行する。
<ステップS309>
生成部107は、生成したモデルを、加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報に関連付けて、記憶部109に記憶させる。
以上のステップS301〜S309によって、モデル生成処理が実行される。
以上のように、本実施形態に係る診断システム1aでは、工具について使用時間と劣化度との関係が定義されていない場合、継続時間のうち所定の使用時間のタイミング(例えば、一定時間ごと)でユーザ等により測定された劣化度に基づいて、補間等を行って使用時間に対する実際の劣化度との関係を特定するものとしている。さらに、ラベル付加部106aによって、継続時間を複数の区間(例えば、劣化度が測定されたタイミング間の区間)に分け、各区間に対応する学習データごとにラベル情報を付加するものとしている。そして、このように付加されたラベル情報と、学習データから抽出された特徴情報とを用いて、工具の状態を判定するためのモデルを生成するものとしている。これによって、モデルが生成される前の最初の工具については、継続時間のうち所定のタイミングでユーザによって劣化度を測定することが必要となるものの、使用時間と劣化度との関係を特定した上で、ラベル情報を付加しているので、状態(劣化度)が未知の検知情報に対して、モデルによって判定したラベル情報は、具体的な劣化度を示すので、より厳密に劣化度を認識することができる。そして、このように生成されたモデルの精度が向上し、状態が未知の検知情報に対して、当該モデルを用いることによって、どのような状態(ラベル情報)であるのかを判定する状態判定処理の精度も向上させることができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る診断システムについて、第1の実施形態に係る診断システム1と相違する点を中心に説明する。本実施形態では、1本目(n=1)の工具については、継続時間内において、人の手によって所定のタイミングで劣化度を測定することによって、使用時間と劣化度との関係を特定し、2本目以降(n≧2)の工具については、1本目の工具の使用時間と劣化度との関係を示すグラフと相似形になるものとして、ラベル情報の付加を行う動作について説明する。なお、本実施形態に係る診断システムの全体構成、ならびに、診断装置および加工機200のハードウェア構成は、それぞれ第1の実施形態で説明した構成と同様である。また、本実施形態に係る診断システムの状態判定処理は、第1の実施形態で説明した状態判定処理と同様である。
(診断システムの機能ブロックの構成および動作)
図13は、第3の実施形態に係る診断システムの機能ブロックの構成の一例を示す図である。図14は、複数の工具の使用時間と劣化度との関係の一例を示すグラフである。図15は、工具の使用時間と劣化度との関係からラベル情報を付加することを説明する図である。図13〜図15を参照しながら、本実施形態に係る診断システム1bの機能ブロックの構成および動作について説明する。なお、加工機200の機能ブロックの構成は、上述の第1の実施形態で説明した構成と同様である。
図13に示す、診断システム1bの診断装置100bは、通信制御部101と、検知情報受信部102(第2取得部)と、加工情報取得部103(第1取得部)と、受付部104と、特徴抽出部105と、劣化度特定部113b(特定部)と、第1ラベル付加部114(第1付加部)と、測定部115と、第2ラベル付加部116(第2付加部)と、生成部107と、判定部108と、記憶部109と、入力部110と、表示制御部111と、表示部112と、を有する。なお、診断装置100bが有する機能部のうち劣化度特定部113b、第1ラベル付加部114、測定部115および第2ラベル付加部116以外の機能部の動作は、上述の第1の実施形態で説明した動作と同様である。
n=1の工具(1本目の工具)(第1部材の一例)の使用時間と劣化度との関係に対して、n≧2の工具(2本目以降の工具)(第2部材の一例)の使用時間と劣化度との関係は相対的に変わらないということを前提とする。すなわち、工具の種類が同じであれば、個体差によって寿命(継続時間)のばらつきはあるものの、劣化度の進み具合(グラフの相対的な形状)は同じであるものとする。この場合、図14に示すように、n=1の使用時間と劣化度との関係を示すグラフの形状と、n≧2の使用時間と劣化度との関係を示すグラフ(図14の例では、n=2およびn=3のグラフを示している)の形状とは互いに相似の形状となる。この点を踏まえて、後述するような方法で、第1ラベル付加部114および第2ラベル付加部116により学習データに対するラベル情報が付加される。
図15に示すグラフは、モデルを生成するための1本目(n=1)の工具が新品から徐々に劣化し最終的に折損するまでの使用時間と劣化度との関係を示すグラフである。第2の実施形態の図11で上述したように、例えば、加工機200のユーザは、工具を新品の状態から使用を始めて、一定間隔ごとに、工具を顕微鏡写真等で撮影する等して、当該ユーザの判断により劣化度を測定する。例えば、劣化度としては、工具の刃先が削れた長さをそのまま劣化度として扱ってもよい。図15におけるグラフに示される「×」印が、ユーザによって一定間隔ごとに測定された劣化度を示している。
劣化度特定部113bは、n=1の工具が新品の状態から使用が開始され、上述のように、使用時間の各タイミングで実際に測定された劣化度から、劣化度が測定されていない区間の劣化度を補間(例えば、線形補間または多項式補間等)することによって、使用時間に対する劣化度の関係を特定する機能部である。劣化度特定部113bは、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
第1ラベル付加部114は、n=1の工具についての図15に示すグラフ(劣化度特定部113bにより特定されたn=1の工具についての使用時間に対する劣化度の関係を示すグラフ)の劣化度を所定数に等分し、等分した劣化度の各範囲に対応する使用時間の区間に対応する学習データごとにラベル情報を付加する(対応付ける)機能部である。図15に示す例では、等分した劣化度の各範囲に対応する使用時間の区間に対応する学習データごとに、劣化度が小さい方から「劣化度1」、「劣化度2」、・・・、「劣化度5」というように5つのラベル情報を付加している。また、図15に示すように、「劣化度1」に対応する区間を区間A、「劣化度2」に対応する区間を区間B、「劣化度3」に対応する区間を区間C、「劣化度4」に対応する区間を区間D、そして、「劣化度5」に対応する区間を区間Eとしている。これによって、例えば、「劣化度3」に対応する区間の両端のタイミングに測定された劣化度がそれぞれ「0.3」および「0.5」とした場合、ラベル情報が未知の検知情報について状態判定処理が行われて、対応するラベル情報が「劣化度3」と判定された場合、その工具の劣化度は「0.3」〜「0.5」の範囲にあると認識することができる。第1ラベル付加部114は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
なお、上述のように、第1ラベル付加部114は、劣化度を所定数に等分し、等分した劣化度の各範囲に対応する使用時間の区間に対応する学習データごとにラベル情報を付加するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、劣化度が測定されたタイミング間の区間に対応する学習データごとにラベル情報を付加するものとしてもよい。
測定部115は、n=1の工具を用いてモデルが生成された後、別の工具(2本目以降の工具)を用いてモデルを生成するために、当該工具についての継続時間を測定する機能部である。このとき、上述のように、n=1の使用時間と劣化度との関係を示すグラフの形状と、n≧2の使用時間と劣化度との関係を示すグラフの形状とは互いに相似の形状であるものとすることから、劣化度特定部113bは、n=1の工具の継続時間に対する、測定部115により測定されたn≧2の工具の継続時間の割合から、n≧2の工具についての使用時間に対する劣化度の関係を特定する。測定部115は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
第2ラベル付加部116は、測定部115により測定されたn≧2の工具の継続時間と、n=1の工具の継続時間に対する、第1ラベル付加部114により付加された各ラベル情報に対応する各区間の割合と、から求まるn≧2の工具の継続時間に対する各区間に対応する学習データに対して、第1ラベル付加部114により付加されたラベル情報と同一のラベル情報を付加する機能部である。例えば、図15に示すように、n=1の工具の継続時間を仮に「1」とした場合、例えば、「劣化度1」と「劣化度2」との境界の使用時間は「0.3」であり、「劣化度2」と「劣化度3」との境界の使用時間は「0.6」である。このとき、n≧2の工具の継続時間が「10」である場合、使用時間が「3」(=10×0.3)〜「6」(=10×0.6)の区間に対応する学習データに対して、「劣化度2」というラベル情報が付加されることになる。第2ラベル付加部116は、例えば、図3に示すCPU61で動作するプログラムによって実現される。
なお、図13に示した診断装置100bの各機能部(通信制御部101、検知情報受信部102、加工情報取得部103、受付部104、特徴抽出部105、劣化度特定部113b、第1ラベル付加部114、測定部115、第2ラベル付加部116、生成部107、判定部108および表示制御部111)は、図3のCPU61にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよく、IC等のハードウェアにより実現してもよく、または、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
また、図13に示した診断装置100bおよび加工機200それぞれの各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図13で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図13の1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
(診断装置によるモデル生成処理)
図16は、第3の実施形態におけるモデル生成処理の一例を示すフローチャートである。図16を参照しながら、本実施形態に係る診断システム1bの診断装置100bのモデル生成処理の流れについて説明する。なお、モデル生成処理は、例えば、状態判定処理の前に事前に実行されるものとする。以下のモデル生成処理を実行する前に、加工機200には新品状態の工具が取り付けられた状態とする。
<ステップS401>
診断装置100bの通信制御部101は、加工機200から送信されたコンテキスト情報を受信する。そして、診断装置100bの加工情報取得部103は、通信制御部101により受信されたコンテキスト情報を取得する。そして、ステップS402へ移行する。
<ステップS402>
診断装置100bの検知情報受信部102は、加工機200から送信された学習データとしての検知情報(センサデータ)の受信を開始する。検知情報受信部102による学習データの受信動作は、新しく交換された新品状態の工具を使用し始めたタイミングから、最終的には、繰り返される加工処理に伴う工具の摩耗等の劣化によって折損するタイミングまで継続する。学習データの受信を開始した場合、ステップS403へ移行する。
<ステップS403>
現在、加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報に対応し、加工機200で駆動している工具がn=1の工具である場合(ステップS403:Yes(n=1))、ステップS404へ移行し、n≧2の工具である場合(ステップS403:No(n≧2))、ステップS406へ移行する。
<ステップS404>
加工機200のユーザは、n=1の工具を新品の状態から使用を始めて、所定の使用時間のタイミング(例えば、所定時間ごと)で、劣化度を測定する。このユーザによる劣化度の測定は、工具が折損するまで継続する。そして、ステップS405へ移行する。
<ステップS405>
診断装置100bの劣化度特定部113bは、n=1の工具が新品の状態から使用が開始され、使用時間の各タイミングで実際に測定された劣化度から、劣化度が測定されていない区間の劣化度を補間することによって、使用時間に対する劣化度の関係を特定する。そして、ステップS408へ移行する。
<ステップS406>
診断装置100bの測定部115は、n≧2の工具(2本目以降の工具)を用いてモデルを生成するために、当該工具についての継続時間(新品状態から折損するまでの時間)を測定する。そして、ステップS407へ移行する。
<ステップS407>
劣化度特定部113bは、n=1の使用時間と劣化度との関係を示すグラフの形状と、n≧2の使用時間と劣化度との関係を示すグラフの形状とは互いに相似の形状であるものとして、n=1の工具の継続時間に対する、測定部115により測定されたn≧2の工具の継続時間の割合から、n≧2の工具についての使用時間に対する劣化度の関係を特定する。そして、ステップS408へ移行する。
<ステップS408>
診断装置100bの特徴抽出部105は、検知情報受信部102により受信された継続時間分の学習データから、特徴情報を抽出する。そして、ステップS409へ移行する。
<ステップS409>
n=1の工具の場合、診断装置100bの第1ラベル付加部114は、劣化度特定部113bにより特定されたn=1の工具についての使用時間に対する劣化度の関係を示すグラフの劣化度を所定数に等分し、等分した劣化度の各範囲に対応する使用時間の区間に対応する学習データごとにラベル情報を付加する(対応付ける)。n≧2の工具の場合、第2ラベル付加部116は、測定部115により測定されたn≧2の工具の継続時間と、n=1の工具の継続時間に対する、第1ラベル付加部114により付加された各ラベル情報に対応する各区間の割合と、から求まるn≧2の工具の継続時間に対する各区間に対応する学習データに対して、第1ラベル付加部114により付加されたラベル情報と同一のラベル情報を付加する(対応付ける)。そして、ステップS410へ移行する。
<ステップS410>
診断装置100bの生成部107は、第1ラベル付加部114または第2ラベル付加部116により学習データに対して付加されたラベル情報と、特徴抽出部105により学習データから抽出された特徴情報とを用いて、工具の劣化度を判定するためのモデルを生成する。この場合、生成部107は、検知情報受信部102が学習データを受信するときに加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報に対応付けてモデルを生成する。このモデルの生成のアルゴリズムとしては、例えば、教師あり学習のSVMまたはGMM等を用いる。このように生成されたモデルを用いることによって、どのラベル情報に対応するのか不明な特徴情報が、どのクラスに対応するのか、すなわち、どのラベル情報(上述の例では「劣化度1」〜「劣化度7」)に対応するのかが明らかになる。そして、ステップS411へ移行する。
<ステップS411>
生成部107は、生成したモデルを、加工情報取得部103により取得されたコンテキスト情報に関連付けて、記憶部109に記憶させる。
以上のステップS401〜S411によって、モデル生成処理が実行される。
以上のように、本実施形態に係る診断システム1bでは、モデルの生成のための最初の1本目(n=1)の工具について使用時間と劣化度との関係が定義されていない場合、継続時間のうち所定の使用時間のタイミング(例えば、一定時間ごと)でユーザ等により測定された劣化度に基づいて、補間等を行って使用時間に対する実際の劣化度との関係を特定するものとしている。さらに、第1ラベル付加部114によって、n=1の工具についての使用時間に対する劣化度の関係を示すグラフについて継続時間について所定の方法により複数の区間に分け、各区間に対応する学習データごとにラベル情報が付加される。また、2本目以降(n≧2)の工具についてモデルを生成するために、測定部115により、当該工具についての継続時間(新品状態から折損するまでの時間)が測定される。そして、第2ラベル付加部116は、測定部115により測定されたn≧2の工具の継続時間と、n=1の工具の継続時間に対する、第1ラベル付加部114により付加された各ラベル情報に対応する各区間の割合と、から求まるn≧2の工具の継続時間に対する各区間に対応する学習データに対して、第1ラベル付加部114により付加されたラベル情報と同一のラベル情報を付加するものとしている。これによって、モデルが生成される前の最初の1本目の工具については、継続時間のうち所定のタイミングでユーザによって劣化度を測定することが必要となるものの、使用時間と劣化度との関係を特定した上で、ラベル情報を付加しているので、状態(劣化度)が未知の検知情報に対して、モデルによって判定したラベル情報は、具体的な劣化度を示すので、より厳密に劣化度を認識することができる。また、n≧2の工具を用いて新たにモデルを生成する場合、n=1の使用時間と劣化度との関係を示すグラフの形状と、n≧2の使用時間と劣化度との関係を示すグラフの形状とは互いに相似の形状であるものとして扱い、n≧2について劣化度を測定することなく、n≧2の学習データに対してラベル情報を付加するものとしている。これによって、n≧2の工具の学習データについては、人の判断を介さずに、工具の状態を示すラベル情報を容易に付加することが可能となる。そして、このように生成されたモデルの精度が向上し、状態が未知の検知情報に対して、当該モデルを用いることによって、どのような状態(ラベル情報)であるのかを判定する状態判定処理の精度も向上させることができる。
なお、上述の各実施形態の診断システムで実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供するように構成してもよい。
また、上述の各実施形態の診断システムで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disk−Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供するように構成してもよい。
また、上述の各実施形態の診断システムで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の各実施形態の診断システムで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また、上述の各実施形態の診断システムで実行されるプログラムは、上述した各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)がROMからプログラムを読み出して実行することにより上述の各機能部が主記憶装置上にロードされ、各機能部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
1、1a、1b 診断システム
51 CPU
52 ROM
53 RAM
54 通信I/F
55 駆動制御回路
56 モータ
57 センサ
58 バス
61 CPU
62 ROM
63 RAM
64 通信I/F
65 センサI/F
66 補助記憶装置
67 入力装置
68 ディスプレイ
69 バス
100、100a、100b 診断装置
101 通信制御部
102 検知情報受信部
103 加工情報取得部
104 受付部
105 特徴抽出部
106、106a ラベル付加部
107 生成部
108 判定部
109 記憶部
110 入力部
111 表示制御部
112 表示部
113、113b 劣化度特定部
114 第1ラベル付加部
115 測定部
116 第2ラベル付加部
200 加工機
201 数値制御部
202 通信制御部
203 駆動制御部
204 駆動部
211 検知部
701、702 コンテキスト情報
711、721 検知情報
901 コンテキスト情報
921 検知情報
特開2010−054558号公報

Claims (11)

  1. 対象装置の現在の動作に対応する所定の情報を、前記対象装置から取得する第1取得部と、
    前記対象装置の部材に関する物理量を検知する検知部から出力される第1検知情報を学習データとして取得する第2取得部と、
    前記第2取得部により取得された前記学習データの特徴を示す第1特徴情報を抽出する抽出部と、
    前記動作が実行されることにより、前記部材について新品状態における使用開始から使用不可となるまでの継続時間を、所定の複数の区間に分け、前記各区間に対応する前記学習データに対して、該部材の状態を示すラベル情報をそれぞれ付加する第1付加部と、
    前記各区間に対応する前記学習データにそれぞれ付加された前記ラベル情報と、前記第1特徴情報とに基づいて、前記第2取得部により取得された前記ラベル情報が未知である第2検知情報が、どの前記ラベル情報に対応するのかを判定するためのモデルを、前記学習データに対応する前記所定の情報をモデル特定情報として対応付けて生成する生成部と、
    を備えた診断装置。
  2. 前記抽出部は、前記第2検知情報の特徴を示す第2特徴情報を抽出し、
    前記第1取得部により取得された前記モデル特定情報に対応するモデルと、該モデル特定情報に対応する前記第2特徴情報と、を用いて、該第2特徴情報がどの状態を示す前記ラベル情報に対応するかを判定する判定部を、さらに備えた請求項1に記載の診断装置。
  3. 前記第1付加部は、前記継続時間を所定数の区間に等分し、等分した前記各区間に対応する前記学習データに対して、前記部材の状態を示すラベル情報を付加する請求項1または2に記載の診断装置。
  4. 前記部材について新品状態における使用開始から、使用時間の所定のタイミングで測定された該部材の状態に基づいて、前記使用時間に対する該部材の状態の関係を特定する特定部を、さらに備え、
    前記第1付加部は、前記継続時間を、前記使用時間に対する前記部材の状態の関係により前記状態の変化が特定される複数の区間に分け、前記各区間に対応する前記学習データに対して、前記ラベル情報をそれぞれ付加する請求項1または2に記載の診断装置。
  5. 前記部材としての第1部材について新品状態における使用開始から、使用時間の所定のタイミングで測定された前記第1部材の状態に基づいて、前記使用時間に対する該第1部材の状態の関係を特定する特定部を、さらに備え、
    前記第1付加部は、前記継続時間を、前記使用時間に対する前記第1部材の状態の関係により前記状態の変化が特定される複数の区間に分け、前記各区間に対応する前記学習データに対して、前記ラベル情報をそれぞれ付加し、
    前記第1部材の使用後、該第1部材とは異なる第2部材についての前記継続時間を測定する測定部を、さらに備え、
    前記特定部は、前記第1部材の前記継続時間に対する、前記第2部材の前記継続時間の割合から、前記使用時間に対する該第2部材の状態の関係を特定し、
    前記第2部材の前記継続時間と、前記第1部材の前記継続時間に対する、前記第1付加部により付加された前記各ラベル情報に対応する各区間の割合と、から求まる前記第2部材の前記継続時間に対する各区間に対応する前記学習データに対して、前記第1付加部によりそれぞれ付加された前記ラベル情報と同一の前記ラベル情報を付加する第2付加部を、さらに備えた請求項1または2に記載の診断装置。
  6. 前記第1付加部は、前記継続時間を、前記状態が測定されたタイミング間の区間に分け、前記各区間に対応する前記学習データに対して、前記ラベル情報をそれぞれ付加する請求項4または5に記載の診断装置。
  7. 前記第1付加部は、前記部材の状態を所定数に等分し、前記使用時間に対する前記部材の状態の関係に基づいて、等分した前記状態の各範囲に対応する前記使用時間の区間に対応する前記学習データに対して、前記ラベル情報をそれぞれ付加する請求項4または5に記載の診断装置。
  8. 前記対象装置の前記部材は、加工対象を加工するための工具であり、
    前記ラベル情報が示す前記部材の状態は、前記工具の劣化度である請求項1〜7のいずれか一項に記載の診断装置。
  9. 前記検知部と、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の診断装置と、
    を有する診断システム。
  10. 対象装置の現在の動作に対応する所定の情報を、前記対象装置から取得する第1取得ステップと、
    前記対象装置の部材に関する物理量を検知する検知部から出力される第1検知情報を学習データとして取得する第2取得ステップと、
    取得した前記学習データの特徴を示す特徴情報を抽出する抽出ステップと、
    前記動作が実行されることにより、前記部材について新品状態における使用開始から使用不可となるまでの継続時間を、所定の複数の区間に分け、前記各区間に対応する前記学習データに対して、該部材の状態を示すラベル情報をそれぞれ付加する付加ステップと、
    前記各区間に対応する前記学習データにそれぞれ付加した前記ラベル情報と、前記特徴情報とに基づいて、取得した前記ラベル情報が未知である第2検知情報が、どの前記ラベル情報に対応するのかを判定するためのモデルを、前記学習データに対応する前記所定の情報をモデル特定情報として対応付けて生成する生成ステップと、
    を有する診断方法。
  11. コンピュータに、
    対象装置の現在の動作に対応する所定の情報を、前記対象装置から取得する第1取得ステップと、
    前記対象装置の部材に関する物理量を検知する検知部から出力される第1検知情報を学習データとして取得する第2取得ステップと、
    取得した前記学習データの特徴を示す特徴情報を抽出する抽出ステップと、
    前記動作が実行されることにより、前記部材について新品状態における使用開始から使用不可となるまでの継続時間を、所定の複数の区間に分け、前記各区間に対応する前記学習データに対して、該部材の状態を示すラベル情報をそれぞれ付加する付加ステップと、
    前記各区間に対応する前記学習データにそれぞれ付加した前記ラベル情報と、前記特徴情報とに基づいて、取得した前記ラベル情報が未知である第2検知情報が、どの前記ラベル情報に対応するのかを判定するためのモデルを、前記学習データに対応する前記所定の情報をモデル特定情報として対応付けて生成する生成ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
JP2017051990A 2017-03-16 2017-03-16 診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム Active JP6822242B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017051990A JP6822242B2 (ja) 2017-03-16 2017-03-16 診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017051990A JP6822242B2 (ja) 2017-03-16 2017-03-16 診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018156340A true JP2018156340A (ja) 2018-10-04
JP6822242B2 JP6822242B2 (ja) 2021-01-27

Family

ID=63717275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017051990A Active JP6822242B2 (ja) 2017-03-16 2017-03-16 診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6822242B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022064769A1 (ja) * 2020-09-24 2022-03-31 国立大学法人大阪大学 劣化状況予測システム、および劣化状況予測方法
US11712801B2 (en) 2019-06-21 2023-08-01 Fanuc Corporation Machine learning apparatus, robot system, and machine learning method of learning state of tool
CN117396305A (zh) * 2021-08-30 2024-01-12 三菱电机株式会社 加工尺寸预测装置、加工尺寸预测系统、加工尺寸预测方法及程序

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015172945A (ja) * 2009-08-28 2015-10-01 株式会社日立製作所 設備状態監視方法およびその装置
JP2017016509A (ja) * 2015-07-03 2017-01-19 横河電機株式会社 設備保全管理システムおよび設備保全管理方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015172945A (ja) * 2009-08-28 2015-10-01 株式会社日立製作所 設備状態監視方法およびその装置
JP2017016509A (ja) * 2015-07-03 2017-01-19 横河電機株式会社 設備保全管理システムおよび設備保全管理方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11712801B2 (en) 2019-06-21 2023-08-01 Fanuc Corporation Machine learning apparatus, robot system, and machine learning method of learning state of tool
WO2022064769A1 (ja) * 2020-09-24 2022-03-31 国立大学法人大阪大学 劣化状況予測システム、および劣化状況予測方法
CN117396305A (zh) * 2021-08-30 2024-01-12 三菱电机株式会社 加工尺寸预测装置、加工尺寸预测系统、加工尺寸预测方法及程序

Also Published As

Publication number Publication date
JP6822242B2 (ja) 2021-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11221608B2 (en) Diagnosis device, diagnosis system, diagnosis method, and computer-readable medium
JP6156566B2 (ja) 診断装置、診断方法、プログラムおよび診断システム
JP7338743B2 (ja) 診断装置、診断方法、プログラムおよび診断システム
JP6822245B2 (ja) 診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム
JP7127304B2 (ja) 診断装置、診断方法およびプログラム
JP7151108B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
JP2018025945A (ja) 診断装置、学習装置および診断システム
WO2018169069A1 (en) Diagnosis device, diagnosis system, diagnosis method, and program
JP6673002B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、および情報処理システム
US20180017960A1 (en) Diagnostic apparatus, diagnostic system, diagnostic method, and recording medium
JP6822242B2 (ja) 診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム
JP2019160250A (ja) 情報処理装置、情報処理方法、プログラム、および機械装置
JP6705315B2 (ja) 診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム
US20170199164A1 (en) Malfunction diagnosing apparatus, malfunction diagnosing method, and recording medium
JP2019159759A (ja) 処理区間判定装置、処理区間判定方法、プログラム、および診断装置
JP7225984B2 (ja) システム、演算装置、及びプログラム
JP6939053B2 (ja) 診断装置、プログラムおよび診断システム
JP6790520B2 (ja) 診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム
US20230091235A1 (en) Information processing apparatus and information processing method
JP2021015445A (ja) 異常検知装置、情報処理方法およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201221

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6822242

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151