JP7383211B1 - 近接物検知装置、および、電子機器 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、「電界あるいは電磁の変化により、外部のタッチ物体を検出する非接触型タッチパネル」(段落0013)が開示されている。
特許文献1の「非接触型タッチパネルは、第1の透明基板と、複数のマイクロセンサー素子と、第2の透明基板と、検出素子とを含む。複数のマイクロセンサー素子は、平面状の(あるいは薄型化の)マイクロセンサー素子であり、マトリックス配列の方式或いはアレイ配列の方式で第1の透明基板の表面に配置され、第2の透明基板は、光学用透明粘着剤(OCA)により第1の透明基板の上に貼り合せて積み重ねるとともに、複数のマイクロセンサー素子を被覆する。また、検出素子は、複数のマイクロセンサー素子が出力する検出信号を受信できるように、複数のマイクロセンサー素子と電気的に接続する。」(段落0014)。
具体的には、複数のマイクロセンサー素子の間を接続するとともに、マイクロセンサー素子と検出素子とを電気的に接続する伝送線路を備えている。伝送線路は、基板平面(基板実装面)の対向する両辺のそれぞれを介して基板外部の検出素子に接続するように配線されている。複数のマイクロセンサー素子の間を接続した伝送線路がセンサアンテナとして機能し、電界或いは磁場の変化に応じた検出信号を検出素子へ出力する。
また、近接物検知技術とは異なる技術分野においてMHz帯以上の高い周波数を使用する技術の中には、例えばGHz帯を使用するミリ波レーダのように、センサアンテナにλ/4やλ/2の長さを持たせて共振させる構成により放射効率を向上させる技術が存在する。
すなわち、特許文献1に記載の構造では、検知感度をさらに向上させることが困難である、といった課題がある。
本開示は、上記課題を解決するもので、近接物検知技術において、検知感度を従来に比べて向上させることを目的とする。
金属筐体と、
一方の端部である一端部が前記金属筐体における第一の辺部に近接し、当該第一の辺部から離れる方向へ延びるように配置された複数の導体から構成される第一の導体群と、
前記金属筐体における前記第一の辺部と前記第一の導体群における導体の一端部とそれぞれ接する複数の給電点から構成される第一の給電点群と、
を備えた。
実施の形態1においては、本開示の基本的な構成について説明する。
図1は、本開示の実施の形態1に係る近接物検知装置100Aの構成の一例を示す図である。
近接物検知装置100Aは、検知対象が近づいたことを検知して、検知対象が近づいた距離および位置に応じた検知信号を出力する。
近接物検知装置100Aは、金属筐体110、第一の導体群120、および、第一の給電点群130、を含み構成されている。
金属筐体110は、近接物検知装置100Aの構成のうち一部を露出して格納する。
金属筐体110は、例えば、ディスプレイ装置といった電子機器の表示面を露出するように囲う枠体であってもよい。
金属筐体110は、例えば、情報端末装置といった電子機器の表示面を露出するように囲う枠体であってもよい。
金属筐体110は、例えば、電磁調理器といった電子機器の操作用の表示面を露出するように囲う筐体であってもよい。
近接物検知装置100Aとして組み付けられた状態において、金属筐体110は、第一の導体群120のそれぞれの導体120-m(mは、任意の整数であり、図1においては、m=1,2,3である。)と第一の給電点群130のそれぞれの給電点130-mを介して接するように配置されている。言い換えると、金属筐体110は、第一の導体群120のそれぞれの導体120-mと近接している。以下、金属筐体110と導体120-mとが給電点130-mを介して接することを「近接」と表現する場合がある。金属筐体110において、導体120-mが近接している辺部を「第一の辺部」と記載する。第一の辺部111は、金属筐体110において近接物検知装置100Aの構成のうち一部を露出して格納する格納領域側を向いている辺である。本開示において、辺部における「辺」は、直線に限定されず、直線であってもよく曲線であってもよい。
この金属筐体110は、本開示においてアンテナ(モノポールアンテナ)として機能する導体120-mに対して地導体として機能する構成である。
第一の導体群120における導体120-mは、図1においては、3個の導体から構成されており、具体的には、導体120-1、導体120-2、および、導体120-3、である。3個の導体は、3個のセンサ、または、3素子、と表現してもよい。
導体120-mは、これを全体的に見た場合の概形が、長手と短手とを有する矩形形状である。説明においては、短手方向に対向する両端が端部であることを特記していない場合、長手方向で対向する両端をそれぞれ端部として扱う。
導体120-mは、例えば、近接物検知装置100Aが電子機器の表示面に重畳されて配置されるものである場合、外部から表示面が見えるように構成するため、透明導電材料で構成される。
この場合、導体120-mを構成する透明導電材料は、例えば、ITO膜(酸化インジウム錫膜)、グラフェン、微細配線のメタルメッシュ、金属薄膜などである。
また、導体120-mを構成する透明導電材料は、上記の例に限定されず、上記の例以外の透明導電材料を用いて実現されていてもよい。
しかし、上述したように、近接物検知装置100Aにおいては、金属筐体110を地導体として活用して、導体120-mを用いて構成されるセンサをモノポールアンテナ方式にすることにより、低損失化することができる。
また、近接物検知装置100Aにおいては、給電線路を省略できるため、より低損失にできる。
一方、金属筐体110を地導体として活用しないダイポールアンテナ方式は、本開示に比べてより高損失になってしまう。
また、パッチアンテナ方式は、長い給電線路を有するため、さらに超高損失になる。
このように、導体120-mを透明導電材料で構成した場合においては、本開示の構成を採用することのメリットがさらに大きくなる。
給電点130-mは、第一の導体群120における複数の導体120-mそれぞれと一対一で対応している。
給電点130-mは、金属筐体110における第一の辺部111と第一の導体群120における導体120-mの一端部とそれぞれ接する。
給電点130-mは、金属筐体110における開口の下辺(第一の辺部111)の長さ方向であるY軸方向に一定の間隔を空けて、それぞれが第一の辺部111の異なる位置に配置されている。
このように、第一の給電点群130は、金属筐体110における第一の辺部111と第一の導体群120における導体120-mの一端部とそれぞれ接する複数の給電点130-mから構成される。
給電点130-mは、例えば、後述する図示しない検知部と電気的に接続されている。
図示しない検知部から給電点130-mを介して金属筐体110および第一の導体群120における導体120-mに交流の周波数の電流が供給されることで、金属筐体110は地導体として機能し、導体120-mはそれぞれ、近接検知対象を検知するセンサを構成するアンテナ(モノポールアンテナ)として機能する。
図示しない検知部は、給電点130-mと電気的に接続され、既に説明した構成によって検知対象物が近づいたことを検知する。図示しない検知部は、検知対象物の接近、検知対象物の移動、のいずれかまたは両方を含む、検知対象物の状態の変化に応じて変化する電気信号を受けて検知対象物が近づいたこと、または、近づいた位置を検知し、検知信号として出力する。
図示しない制御部は、近接物検知装置100Aにおける制御を行う。図示しない制御部は、例えば、近接物検知装置100Aを起動または停止させる。また、図示しない制御部は、例えば、図示しない検知部により出力された検知信号を近接物検知装置100Aの外部へ出力する。具体的には、図示しない制御部は、例えば、近接物検知装置100Aの外部装置である周辺装置へ宛てて送信する。
図示しない検知部、および、図示しない制御部、は、例えば、プロセッサおよび処理回路の少なくとも一方と、図示しない検知部および図示しない制御部による処理を実行するプログラム等を記憶するメモリと、から実現される。
図2は、本開示の実施の形態1に係る近接物検知装置100A´の構成の別の一例を示す図である。
近接物検知装置100A´の金属筐体110は、例えば、図2に示すように、導体120-mが配置されている面に近接した位置に配置されている第一の辺部111から底面の方向に向かって離れるように延びる形状であってもよい。
これは、実施の形態1以外の他の実施の形態においても同様である。
図3は、本開示の実施の形態1に係る近接物検知装置100Aを適用した電子機器10Aの構成の一例を示す図である。
図4は、図3におけるA-A線の断面の概略図である。
電子機器10Aは、例えば、ディスプレイ装置、情報端末装置、電磁調理器、などである。
電子機器10Aは、操作部を含み構成されている。操作部は、電子機器10Aに対する操作を受け付ける。
近接物検知装置100Aは、操作部における、電子機器10Aに対する操作を受け付けるユーザインタフェースとして適用される。
電子機器10Aは、金属筐体10(110)を備えている。
図3に示す金属筐体10(110)は、電子機器10Aの表示部における表示面を露出するように囲う枠体としての金属フレームである。
金属フレームは、表示面の領域に合わせた開口を有している。図3に示す金属筐体10(110)である金属フレームは、矩形形状の開口を有している。
電子機器10Aがディスプレイ装置である場合、近接物検知装置100Aは、ユーザによるタッチ操作を可能にするように、ディスプレイ装置の表示部における表示面または操作部の操作面の上に重畳されて配置され、組み付けられる。
電子機器10Aが情報端末装置である場合、近接物検知装置100Aは、ユーザによるタッチ操作を可能にするように、情報端末装置における表示部の表示面または操作部の操作面の上に重畳されて配置され、組み付けられる。
電子機器10Aが電磁調理器である場合、近接物検知装置100Aは、電磁調理器に対してユーザによるタッチ操作を可能にするように、表示部の表示面または操作部の操作面の上に重畳されて配置され、組み付けられる。
図4に示す電子機器10Aは、電子機器10Aの金属筐体10において、液晶層の上に、導体が形成された基板、が積み重ねられて構成されている。基板と液晶層との間には空気層が設けられており、液晶層と金属筐体10との間には空気層が設けられている。
図3に示す電子機器10Aの金属筐体10は、上述した近接物検知装置100Aの構成のうちの金属筐体110に相当する。
導体120-mは、一方の端部である一端部が金属筐体10における第一の辺部11に近接している。図3に示す導体120-mそれぞれは、一端部が金属筐体10における開口の下辺(第一の辺部11)のそれぞれ異なる位置に近接し、当該一端部に対向する他端部が開放されて配置されている。
導体120-mは、例えば、近接物検知装置100Aが電子機器10Aの表示面に重畳されて配置されるものである場合、外部から表示面が見えるように構成するため、透明導電材料で構成される。
この場合、導体120-mを構成する透明導電材料は、例えば、ITO膜(酸化インジウム錫膜)、グラフェン、微細配線のメタルメッシュ、金属薄膜などである。
また、導体120-mを構成する透明導電材料は、上記の例に限定されず、上記の例以外の透明導電材料を用いて実現されていてもよい。
ここで、透明導電材料は、ベタ膜の銅、アルミ板金などと比較して抵抗値が高いため、電子機器10Aにおける近接物検知機能のセンサとなる導体120-mの損失が増加し、近接物の検知感度が低下してしまうことが想定される。
しかし、上述したように、電子機器10Aにおいては、金属筐体10を地導体として活用して、導体120-mを用いて構成されるセンサをモノポールアンテナ方式にすることにより、低損失化することができる。
また、電子機器10Aにおいては、給電線路を省略できるため、より低損失にできる。
一方、金属筐体10を地導体として活用しないダイポールアンテナ方式は、本開示に比べてより高損失になってしまう。
また、パッチアンテナ方式は、長い給電線路を有するため、さらに超高損失になる。
このように、導体を透明導電材料で構成した場合には、本開示の構成を採用することのメリットがさらに大きくなる。
給電点130-mは、第一の導体群120における複数の導体120-mそれぞれと一対一で対応している。
給電点130-mは、金属筐体10における第一の辺部11と第一の導体群120における導体120-mの一端部とそれぞれ接する。
給電点130-mは、金属筐体10における開口の下辺(第一の辺部11)の長さ方向であるY軸方向に一定の間隔を空けて、それぞれが第一の辺部11の異なる位置に配置されている。
このように、第一の給電点群130は、金属筐体10における第一の辺部11と第一の導体群120における導体の一端部とそれぞれ接する複数の給電点130-mから構成される。
給電点130-mは、例えば、図示しない検知部と電気的に接続されている。
図示しない検知部から給電点130-mを介して第一の導体群120における導体120-mに電力が供給されることで、導体120-mはそれぞれ、近接物を検知するセンサを構成するアンテナ(モノポールアンテナ)として機能する。
図示しない検知部は、給電点130-mと電気的に接続され、既に説明した構成によって検知対象物が近づいたことを検知する。図示しない検知部は、検知対象物の接近、検知対象物の移動、のいずれかまたは両方を含む、検知対象物の状態の変化に応じて変化する電気信号を受けて検知対象物が近づいたこと、または、近づいた位置を検知し、検知信号として電子機器10Aの図示しない操作部等へ出力する。
図示しない制御部は、近接物検知に係る制御を行う。図示しない制御部は、例えば、近接物検知機能を起動または停止させる。また、図示しない制御部は、例えば、図示しない検知部により出力された検知信号を電子機器10Aの図示しない操作部等へ出力する。
図示しない検知部、および、図示しない制御部、は、例えば、プロセッサおよび処理回路の少なくとも一方と、図示しない検知部および図示しない制御部による処理を実行するプログラム等を記憶するメモリと、から実現される。
近接物検知装置100Aは、動作を開始すると、給電点130-mから、導体120-mおよび金属筐体110に、交流の高周波電流を供給する。
これにより、金属筐体110が地導体として機能しつつ、導体120-mがモノポールアンテナとして機能し、近接物検知装置100Aは、モノポールアンテナ方式のセンサとして動作する。
近接物検知装置100Aの図示しない検知部は、1次元方向(Y軸方向)に並んだ導体120-mに検知物が近接した時の複数の導体120-mの間のインピーダンスの差分から、1次元方向(Y軸方向)における検知対象物の位置を算出する。
これにより、近接物検知装置100Aは、導体の損失を低損失化することができる。
低損失化することで、近接物検知装置100Aは、第一の導体群120における導体120-mに検知物が近接した時の給電点130-mから見た導体のインピーダンスおよび反射係数の変化量が増加するため、検知感度を向上させることができる。
一方、他に代表的なアンテナ方式であるダイポールアンテナ方式を採用した場合は、金属筐体110が活用されないため、第一の導体群120における導体120-mが高損失となり、近接物の検知感度が低下してしまう。
また、パッチアンテナ方式を採用する場合、金属筐体110の開口中央付近に配置される素子には、金属フレームから伸びる長い給電線路が必要になり、高損失化を招き近接物の検知感度が低下してしまう。
「金属筐体と、
一方の端部である一端部が前記金属筐体における第一の辺部のそれぞれ異なる位置に近接し、当該第一の辺部から離れる方向へ延びるように配置された複数の導体から構成される第一の導体群と、
前記金属筐体における前記第一の辺部と前記第一の導体群における導体の一端部とそれぞれ接する複数の給電点から構成される第一の給電点群と、
を備えた、近接物検知装置。」
これにより、本開示は、近接検知対象に対する検知感度を従来に比べて向上させることができる、近接物検知装置を提供することができる、という効果を奏する。
「表示部と、
前記表示部の表示面を露出するように覆う金属筐体と、
一方の端部が前記金属筐体における第一の辺部のそれぞれ異なる位置に近接し、当該第一の辺部から離れる方向へ延びるように配置された複数の導体から構成される第一の導体群と、
前記金属筐体における前記第一の辺部と前記第一の導体群における導体それぞれの一端部と接する複数の給電点から構成される第一の給電点群と、
を備えた、電子機器。」
これにより、本開示は、近接検知対象に対する検知感度を従来に比べて向上させることができる、電子機器を提供することができる、という効果を奏する。
「前記導体は、透明導電材料で構成されている、
ことを特徴とする近接物検知装置。」
これにより、本開示は、例えば表示面の上において近接する検知対象物を、表示面の表示を阻害することなく検知する、近接物検知装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記電子機器に適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
実施の形態2は、2次元平面におけるX-Y座標といった位置を検知することが可能な形態を説明する。
実施の形態2の説明においては、実施の形態1において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
図5は、本開示の実施の形態2に係る近接物検知装置100Bの構成の一例を示す図である。
近接物検知装置100Bは、検知対象が近づいたことを検知して、検知対象が近づいた距離および位置に応じた検知信号を出力する。
近接物検知装置100Bは、金属筐体110、第一の導体群120、第一の給電点群130、第二の導体群140、および、第二の給電点群150、を含み構成されている。
また、近接物検知装置100Aとして組み付けられた状態において、金属筐体110は、第二の導体群140のそれぞれの導体140-n(nは、任意の整数であり、図5においては、n=1,2,3である。)と第二の給電点群150のそれぞれの給電点150-nを介して接するように配置されている。言い換えると、金属筐体110は、第二の導体群140のそれぞれの導体140-nと近接している。以下、金属筐体110と導体140-nとが給電点150-nを介して接することを「近接」と表現する場合がある。金属筐体110において、導体140-nが近接している辺部を「第二の辺部」と記載する。第二の辺部112は、金属筐体110において近接物検知装置100Bの構成のうち一部を露出して格納する格納領域側を向いている辺である。本開示において、辺部における「辺」は、直線に限定されず、直線であってもよく曲線であってもよい。
この金属筐体110は、本開示においてアンテナ(モノポールアンテナ)として機能する導体120-mに対して地導体として機能する。また、金属筐体110は、本開示においてアンテナ(モノポールアンテナ)として機能する導体140-nに対して地導体として機能する。
すなわち、第一の導体群120は、一方の端部である一端部が金属筐体110における第一の辺部111に近接し、第一の辺部111から離れる方向へ延びるように配置された複数の導体120-mから構成される。
導体120-mは、既に説明した導体120-mと同様に、金属導体、または、透明導電材料を用いて構成されている。
すなわち、第一の給電点群130は、金属筐体110における第一の辺部111と第一の導体群120における導体120-mの一端部とそれぞれ接する複数の給電点130-mから構成される。
第二の導体群140における導体140-nは、図5においては、3個の導体140-n(n=1,2,3)から構成されており、具体的には、導体140-1、導体140-2、および、導体140-3、である。3個の導体は、3個のセンサ、または、3素子、と表現してもよい。
導体140-nは、これを全体的に見た場合の概形が、長手と短手とを有する矩形形状である。説明においては、短手方向に対向する両端が端部であることを特記していない場合、長手方向で対向する両端をそれぞれ端部として扱う。
導体140-nは、例えば、近接物検知装置100Bが電子機器の表示面に重畳されて配置されるものである場合、外部から表示面が見えるように構成するため、透明導電材料で構成される。
この場合、導体140-nを構成する透明導電材料は、例えば、ITO膜(酸化インジウム錫膜)、グラフェン、微細配線のメタルメッシュ、金属薄膜などである。
また、導体140-nを構成する透明導電材料は、上記の例に限定されず、上記の例以外の透明導電材料を用いて実現されていてもよい。
導体140-nを透明導電材料で構成した場合、他の実施の形態において既に説明したメリットと同様に、本開示の構成を採用することのメリットがさらに大きくなる。
給電点150-nは、第二の導体群140における複数の導体140-nそれぞれと一対一で対応している。
給電点150-nは、金属筐体110における第二の辺部112と第二の導体群140における導体140-nの一端部とそれぞれ接する。
給電点150-nは、金属筐体110における開口の右辺(第二の辺部112)の長さ方向であるX軸方向に一定の間隔を空けて、それぞれが第二の辺部112の異なる位置に配置されている。
このように、第二の給電点群150は、金属筐体110における第二の辺部112と第二の導体群140における導体140-nそれぞれの第一の端部と接する複数の給電点150-nから構成される。
図示しない検知部から給電点150-nを介して、金属筐体110と第二の導体群140における導体140-nとに交流の周波数が供給されることで、金属筐体110は地導体として機能し、導体140-nはそれぞれ、近接物を検知するセンサを構成するアンテナ(モノポールアンテナ)として機能する。
また、図示しない検知部から給電点150-nを介して、金属筐体110と第二の導体群140における導体140-nとに交流の周波数の電流が供給されることで、金属筐体110は地導体として機能し、第二の導体群140における導体140-nはそれぞれ、近接検知対象物を検知するセンサを構成するアンテナ(モノポールアンテナ)として機能する。
すなわち、近接物検知装置100Bは、第一の導体群120の導体120-mと第二の導体群140の導体140-nとが非接触で交差する交差部160を有する。
図6は、本開示の実施の形態2に係る近接物検知装置100Bを適用した電子機器10Bの構成の一例を示す図である。
図7は、図6におけるB-B線の断面の概略図である。
電子機器10Bは、例えば、ディスプレイ装置、情報端末装置、電磁調理器、などである。
電子機器10Bは、操作部を含み構成されている。操作部は、電子機器10Bに対する操作を受け付ける。
近接物検知装置100Bは、操作部における、電子機器10Bに対する操作を受け付けるユーザインタフェースとして適用される。
電子機器10Bは、既に説明した電子機器10Aと同様に、金属筐体10(110)を備えている。
電子機器10Bにおいては、第一の導体群120の導体120-mと第二の導体群140の導体140-nとが非接触で交差する部分(立体交差する部分)を有する。この部分を本開示において「交差部」と称する。図6においては、第一の導体群120の導体120-mと第二の導体群140の導体140-nとは、交差部160において直交するように配置されている。図6において、交差部160は導体120-1と導体140-1とが交差している部分の1か所のみを指しているが、導体120-1、導体120-2、導体120-3、導体140-1、導体140-2、および、導体140-3、が互いに交差する部分それぞれが交差部160に相当する。
すなわち、電子機器10Bは、第一の導体群120の導体120-mと第二の導体群140の導体140-nとが非接触で交差する交差部160を有する。
このように、第一の導体群120の導体120-mと、第二の導体群140の導体140-nとは、異なる層に配置され、非接触で交差している。
導体120-mおよび導体140-nを透明導電材料で構成した場合には、他の実施の形態において既に説明したメリットと同様に、本開示の構成を採用することのメリットがさらに大きくなる。
近接物検知装置100Bは、動作を開始すると、給電点130-mから、導体120-mおよび金属筐体10に、交流の高周波電流を供給する。
これにより、金属筐体10が地導体として機能しつつ、導体120-mがモノポールアンテナとして機能し、近接物検知装置100Bは、モノポールアンテナ方式のセンサとして動作する。
また、近接物検知装置100Bは、動作を開始すると、給電点150-nから、導体140-nおよび金属筐体10に、交流の高周波電流を供給する。
これにより、金属筐体10が地導体として機能しつつ、導体140-nがモノポールアンテナとして機能し、近接物検知装置100Bは、モノポールアンテナ方式のセンサとして動作する。
近接物検知装置100Bの図示しない検知部は、Y軸方向に並んだ導体120-mに検知対象物が近接した時の複数の導体120-mの間のインピーダンスの差分、および、X軸方向に並んだ導体140-nに検知対象物が近接した時の複数の導体140-nの間のインピーダンスの差分、を用いて、2次元方向(X-Y平面)における検知対象物の位置を算出する。
これにより、近接物検知装置100Bは、導体の損失を低損失化することができる。
低損失化することで、近接物検知装置100Bは、第一の導体群120における導体120-mに検知物が近接した時の給電点から見た導体のインピーダンスおよび反射係数の変化量が増加するため、検知感度を向上させることができる。また、近接物検知装置100Bは、第二の導体群140における導体140-nに検知物が近接した時の給電点から見た導体のインピーダンスおよび反射係数の変化量が増加するため、検知感度を向上させることができる。
さらに、Y軸方向にセンサとして並べられた第一の導体群120、および、X軸方向にセンサとして並べられた第二の導体群140を用いることで、2次元平面内での近接物の位置算出が可能になる。
「両端のうちの一方の端部である一端部が前記金属筐体における第二の辺部のそれぞれ異なる位置に近接し、当該第二の辺部から離れる方向へ延びるように配置された複数の導体から構成される第二の導体群と、
前記金属筐体における前記第二の辺部と前記第二の導体群における導体それぞれの第一の端部と接する複数の給電点から構成される第二の給電点群と、
を備え、
前記第一の導体群の導体と前記第二の導体群の導体とが非接触で交差する交差部を有する、
ことを特徴とする、近接物検知装置。」
これにより、本開示は、2次元平面内における検知対象物の位置を詳細に検知することができる、近接物検知装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記電子機器に適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
実施の形態3においては、導体の形状を工夫して検知感度を向上させる形態を説明する。
実施の形態3の説明においては、実施の形態1および実施の形態2において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
図8は、本開示の実施の形態3に係る近接物検知装置100Cの構成の一例を示す図である。
近接物検知装置100Cは、金属筐体110、第一の導体群120C、第一の給電点群130、第二の導体群140C、および、第二の給電点群150、を含み構成されている。
金属筐体110、第一の導体群120C、第一の給電点群130、第二の導体群140C、および、第二の給電点群150、についての説明のうち、既に説明した内容と同様の内容については省略する。
図10は、図8に示す導体140C-nの形状を説明する図である。
導体120C-mは、第一形状部121と第二形状部122とが交互に接続された形状を有している。第一形状部121は、第二形状部122の幅よりも広い幅を有し、第二形状部122よりも広い面積を有する。第二形状部122は、第一形状部121の幅よりも狭い幅を有し、第一形状部121よりも狭い面積を有する。図9に示す導体120C-mは、第一形状部121と第二形状部122とがそれぞれ4個ずつ交互に接続されており、かつ、第一形状部121の四角形形状の辺部と第二形状部122の四角形形状の辺部とが接続されている。
導体140C-nは、第一形状部141と第二形状部142とが交互に接続された形状を有している。第一形状部141は、第二形状部142の幅よりも広い幅を有し、第二形状部142よりも広い面積を有する。第二形状部142は、第一形状部141の幅よりも狭い幅を有し、第一形状部141よりも狭い面積を有する。図10に示す導体140C-nは、第一形状部141と第二形状部142とがそれぞれ3個ずつ交互に接続されており、かつ、第一形状部141の四角形形状の辺部と第二形状部142の四角形形状の辺部とが接続されている。
近接物検知装置100Cは、既に説明した実施の形態2と同様に、第一の導体群120Cの導体120-mと第二の導体群140Cの導体140C-nが非接触で交差する交差部160Cを有している。
図8、図9、および、図10から明らかなことであるように、交差部160Cにおいては、第一の導体群120Cの導体120-mにおける第二形状部122と、第二の導体群140Cの導体140C-nにおける第二形状部142とが、非接触で交差するように配置されている。
導体120-mと導体140-nとが交差する交差部160Cにおいては、一方に供給された高周波電流が電磁結合により他方に漏洩してしまい、検知感度が低下してしまう場合がある。
近接物検知装置100Cは、交差部160Cにおいて、第一の導体群120Cの導体-mにおける第二形状部と、第二の導体群140Cの導体140C-nにおける第二形状部142とが、非接触で交差するように配置されていることにより、交差部160Cが非交差部より細くなり、電磁結合および検知感度の低下を抑制することができる。
「前記第一の導体群および前記第二の導体群を構成する導体それぞれは、第一形状部と、前記第一形状部の幅より狭い幅の第二形状部と、が交互に接続された形状を有し、
前記交差部において、前記第一の導体群の導体における前記第二形状部と、前記第二の導体群の導体における前記第二形状部とが、非接触で交差するように配置されている、
ことを特徴とする近接物検知装置。」
これにより、本開示は、交差部における電磁結合を抑制することができ、検知感度をさらに向上させることができる、近接物検知装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記電子機器に適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
実施の形態4においては、導体と給電点とのインピーダンスを整合させることで検知感度を向上させる形態を説明する。
実施の形態4の説明においては、実施の形態1、実施の形態2、および、実施の形態3、において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
図11は、本開示の実施の形態4に係る近接物検知装置100Dの構成の一例を示す図である。
近接物検知装置100Dは、金属筐体110、第一の導体群120D、第一の給電点群130、第二の導体群140D、第二の給電点群150、および、整合回路170、を含み構成されている。
近接物検知装置100Dは、既に説明した近接物検知装置100Bの構成または近接物検知装置100Cの構成に比べて、整合回路170を設けた点で異なる構成である。
図11においては、近接物検知装置100Cの構成に整合回路170を追加した構成を示している。
整合回路170は、導体120D-mのインピーダンスと給電点130-mのインピーダンスとを整合させる。
また、整合回路170は、導体140D-nのインピーダンスと給電点150-nのインピーダンスとを整合させる。
整合回路171-m(m=1,2,3,・・・,(mは任意の整数))はそれぞれ、導体120D-mと給電点130-mとの間に配置され、一端が導体120D-mと電気的に接続され、他端が給電点130-mと電気的に接続される。
整合回路172-n(n=1,2,3,・・・,(nは任意の整数))はそれぞれ、導体140D-nと給電点150-nとの間に配置され、一端が導体140D-nと電気的に接続され、他端が給電点150-nと電気的に接続される。
図11に示す近接物検知装置100Dにおいては、整合回路171-1は、第一の導体群120Dにおける導体120D-1と第一の給電点群130における給電点130-1との間に配置されており、整合回路171-2は、第一の導体群120Dにおける導体120D-2と第一の給電点群130における給電点130-2との間に配置されており、整合回路171-3は、第一の導体群120Dにおける導体120D-3と第一の給電点群130における給電点130-3との間に配置されており、整合回路172-1は、第二の導体群140Dにおける導体140D-1と第二の給電点群150における給電点150-1との間に配置されており、整合回路172-2は、第二の導体群140Dにおける導体140D-2と第二の給電点群150における給電点150-2との間に配置されており、整合回路172-3は、第二の導体群140Dにおける導体140D-3と第二の給電点群150における給電点150-3との間に配置されている。
整合回路170は、給電点130-m,150-nから供給される高周波電流の周波数で、給電点のインピーダンスと導体のインピーダンスを整合させる諸元に各々設定される。
整合回路170には、集中定数素子となるインダクタのチップ部品やキャパシタのチップ部品を使用できる。
整合回路170は、その他、分布定数素子の整合回路でもよい。
近接物検知装置100Dは、整合回路170によって、第一の導体群120Dにおける導体120D-mと第一の給電点群130における給電点130-mとのインピーダンス整合が得られ、第二の導体群140Dにおける導体140D-nと第二の給電点群150における給電点150-nのインピーダンス整合が得られるため、第一の導体群120Dにおける導体120D-mおよび第二の導体群140Dにおける導体140D-nに供給される電流を最大にすることが可能になる。
これに伴い、駆動センサ上の電磁界強度が大きくなるため、近接物の検知感度が向上する。
近接物検知装置100Dは、図示しない検知部により、給電点から見たセンサとしての導体のインピーダンスおよび反射係数の変化から検知物の位置を算出する。
このように実施の形態4では、第一の導体群120Dにおける導体120D-mおよび第二の導体群140Dにおける導体140D-nを整合させて共振状態で駆動させることで、センサとしての導体に供給される電流を最大化でき、駆動センサの検知感度を向上させることができる。
「前記導体のインピーダンスと前記給電点のインピーダンスとを整合させる整合回路、
をさらに備えた、
ことを特徴とする近接物検知装置。」
これにより、本開示は、整合回路により各導体を共振状態で動作させることができ、検知感度をさらに向上させることができる、近接物検知装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記電子機器に適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
実施の形態5においては、センサを構成するアンテナとして駆動させる導体と、駆動させない導体とを変化させて動作することで検知感度を向上させる形態を説明する。
実施の形態5の説明においては、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、および、実施の形態4、において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
図12は、本開示の実施の形態5に係る近接物検知装置100Eの構成の一例を示す図である。
近接物検知装置100Eは、金属筐体110、第一の導体群120E、第一の給電点群130、第二の導体群140E、第二の給電点群150、整合回路170、および、スイッチ部180、を含み構成されている。
実施の形態5に係る近接物検知装置100Eは、既に説明した近接物検知装置100Bの構成、近接物検知装置100Cの構成、または、近接物検知装置100Dの構成、に比べて、スイッチ部180を設けた点で異なる構成である。
図11においては、近接物検知装置100Dの構成にスイッチ部180を追加した構成を示している。
スイッチ部180は、導体と給電点との間の導通状態を変化させる。
スイッチ部180のうちスイッチ部181-m(m=1,2,3,・・・,(mは任意の整数))はそれぞれ、導体120E-mと給電点130-mとの間に配置され、一端が導体120E-mと電気的に接続され、他端が給電点130-mと電気的に接続される。
スイッチ部180のうちスイッチ部182-n(n=1,2,3,・・・,(nは任意の整数))はそれぞれ、導体140E-nと給電点150-nとの間に配置され、一端が導体140E-nと電気的に接続され、他端が給電点150-nと電気的に接続される。
スイッチ部180は、導通状態と非導通状態を切り替え可能なものであれば良い。
スイッチ部180は、例えば、SPST(Single Pole Single Throw)、または、SPDT(Single Pole Double Throw)により構成可能である。
スイッチ部180において、高周波電流を供給している給電点および駆動センサとしての導体に対応するスイッチ部180は導通状態にし、高周波電流を供給していない給電点および非駆動センサに対応するスイッチ部180は非導通状態する。
スイッチ部181-2は、整合回路171-2を介して第一の導体群120Eにおける導体120E-2と第一の給電点群130における給電点130-2との間に配置されている。
スイッチ部181-3は、整合回路171-3を介して第一の導体群120Eにおける導体120E-3と第一の給電点群130における給電点130-3との間に配置されている。
スイッチ部182-1は、整合回路172-1を介して第二の導体群140Eにおける導体140E-1と第二の給電点群150における給電点150-1との間に配置されている。
スイッチ部182-2は、整合回路172-2を介して第二の導体群140Eにおける導体140E-2と第二の給電点群150における給電点150-2との間に配置されている。
スイッチ部182-3は、整合回路172-3を介して第二の導体群140Eにおける導体140E-3と第二の給電点群150における給電点150-3との間に配置されている。
図示しない制御部は、例えば、複数のスイッチ部180のうち1つだけを順に導通させる。具体的には、図示しない制御部は、スイッチ部181-1、スイッチ部181-2、スイッチ部181-3、スイッチ部182-1、スイッチ部182-2、スイッチ部182-3、の順に1つのスイッチ部を導通状態にするとともに、他の5つのスイッチ部を非導通状態にする。
また、図示しない制御部は、例えば、複数のスイッチ部180のうちランダムに1つだけを順に導通させるようにしてもよい。
また、図示しない制御部は、例えば、複数のスイッチ部180のうち順に2つ以上ずつ導通状態にさせるようにしてもよい。
スイッチ部180がなく第一の導体群120Eにおける導体120E-mと第二の導体群140Eにおける導体140E-nが給電点130-m,150-nからの高周波電流の供給によらず導通状態になっている場合、センサ間(導体120-m,140-n間)の電磁結合により、駆動センサの給電点から非駆動センサの給電点に電流が漏洩し、非駆動センサの給電点の負荷抵抗で電力消費が生じる。
この結果、駆動センサ近傍の電磁界強度及び検知感度が低下する。
しかし、非駆動センサに対応するスイッチ部180を非導通状態にすることで、給電点に漏れ込んで消費される電力を抑圧できるため、駆動センサ近傍の電磁界強度及び検知感度を向上させることができる。
このように実施の形態5では、第一の導体群120Eにおける導体120E-mおよび第二の導体群140Eにおける導体140E-nそれぞれと給電点との間それぞれにスイッチ部180を設け、駆動センサに対応するスイッチ部180は導通状態、非駆動センサに対応するスイッチ部180は非導通状態にすることで、給電点間の結合を抑制でき、駆動センサの検知感度を向上させることができる。
「前記導体と前記給電点との間の導通状態を変化させるスイッチ部、
をさらに備えた、
ことを特徴とする近接物検知装置。」
これにより、本開示は、センサとして駆動させる導体と、センサとして駆動させない導体とを、変化させながら動作させることができるので、検知感度をさらに向上させることができる、近接物検知装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記電子機器に適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
実施の形態6においては、導体の形状を工夫することにより検知感度を向上させる形態を説明する。
実施の形態6の説明においては、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、および、実施の形態5、において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
図13は、本開示の実施の形態6に係る近接物検知装置100Fの構成の一例を示す図である。
近接物検知装置100Fは、金属筐体110、第一の導体群120F、第一の給電点群130、第二の導体群140F、第二の給電点群150、整合回路170、および、スイッチ部180、を含み構成されている。
実施の形態6に係る近接物検知装置100Fは、既に説明した近接物検知装置100Bの構成、近接物検知装置100Cの構成、近接物検知装置100Dの構成、または、近接物検知装置100Eの構成、に比べて、第一の導体群120Fおよび第二の導体群140Fにおける導体(導体120F、導体140F)の形状が異なる。近接物検知装置100Fにおける導体(導体120F、導体140F)の形状は、異なる形状を有する第一形状部と第二形状部とを組み合わせた形状であって、第一形状部における四角形形状の角部を第二形状部に接続したような形状である。
導体120F-mは、第一形状部126と第二形状部127とが交互に接続された形状を有している。第一形状部126は、第二形状部127の幅よりも広い幅を有し、第二形状部127よりも広い面積を有する。第二形状部127は、第一形状部126の幅よりも狭い幅を有し、第一形状部126よりも狭い面積を有する。図14に示す導体120F-mは、第一形状部126と第二形状部127とがそれぞれ4個ずつ交互に接続されており、かつ、第一形状部126の四角形形状の角部と第二形状部127の四角形形状の辺部とが接続されているような形状である。第一形状部126は、例えば菱形形状が好適であるが、厳密に菱形形状でなくてもよい。
導体140F-nは、第一形状部146と第二形状部147とが交互に接続された形状を有している。第一形状部146は、第二形状部147の幅よりも広い幅を有し、第二形状部147よりも広い面積を有する。第二形状部147は、第一形状部146の幅よりも狭い幅を有し、第一形状部146よりも狭い面積を有する。図14に示す導体140F-nは、第一形状部146と第二形状部147とがそれぞれ4個ずつ交互に接続されており、かつ、第一形状部146の四角形形状の角部と第二形状部147の四角形形状の辺部とが接続されているような形状である。第一形状部146は、例えば菱形形状が好適であるが、厳密に菱形形状でなくてもよい。
第一形状部126,146は、菱形形状であり、当該菱形形状の角部が第二形状部127,147に接続している。
近接物検知装置100Fは、既に説明した実施の形態と同様に、第一の導体群120Fの導体120F-mと第二の導体群140Fの導体140F-nとが非接触で交差する交差部160Fを有している。
図13、および、図14から明らかなことであるように、交差部160Fにおいて、第一の導体群120Fの導体120F-mにおける第二形状部127と、第二の導体群140Fの導体140F-nにおける第二形状部147とが、非接触で交差するように配置されている。
近接物検知装置100Fにおいては、第一の導体群120Fの導体120F-mと第二の導体群140Fの導体140F-nとにおける交差しない部分である非交差部の形状を菱形形状にすることで、液晶上面内に導体120F-mと導体140F-nとから成るセンサパターンを効率よく敷き詰めることができる。
センサパターンである第一の導体群120Fの導体120F-mと第二の導体群140Fの導体140F-nとの直上で近接物の検知感度は最も高くなることから、センサパターンを効率よく敷き詰めることで、高感度な検知範囲を広げることができる。
このように実施の形態6の近接物検知装置100Fは、第一の導体群120Fの導体120F-mと第二の導体群140Fの導体140F-nとにおける交差しない部分である非交差部の形状を菱形にすることで、センサパターンを平面内で効率よく敷き詰めることができ 、平面内で高感度な検知範囲を広げることができる。
「前記第一の導体群および前記第二の導体群を構成する導体それぞれは、第一形状部と、前記第一形状部の幅より狭い幅の第二形状部と、が交互に接続された形状を有し、
前記第一形状部は、菱形形状であり、当該菱形形状の角部が前記第二形状部に接続しており、
前記交差部において、前記第一の導体群の導体における前記第二形状部と、前記第二の導体群の導体における前記第二形状部とが、非接触で交差するように配置されている、
ことを特徴とする近接物検知装置。」
これにより、本開示は、導体を効率よく配置することができ、検知感度をさらに向上させることが可能な近接物検知装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記電子機器に適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
実施の形態7においては、センサを構成するアンテナとして機能する導体の長さを工夫した形態を説明する。
実施の形態7の説明においては、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、および、実施の形態6、において既に説明した内容と同様の内容について適宜省略する場合がある。
図15は、本開示の実施の形態7に係る近接物検知装置100Gの構成の一例を示す図である。
近接物検知装置100Gは、金属筐体110、第一の導体群120G、第一の給電点群130、第二の導体群140G、第二の給電点群150、整合回路170、および、スイッチ部180、を含み構成されている。
実施の形態7に係る近接物検知装置100Gは、既に説明した近接物検知装置100Bの構成、近接物検知装置100Cの構成、近接物検知装置100Dの構成、近接物検知装置100Eの構成、または、近接物検知装置100Fの構成、に比べて、第一の導体群120Gおよび第二の導体群140Gにおける導体の長さの範囲を定めた点が異なる。
これを、評価モデルのセンサ長の約50mmをfl,fhの波長で規格化すると、高感度になるセンサ長Lは、0.002λ≦L≦0.2λの範囲になる。
すなわち、近接物検知装置100Gにおいて、第一の導体群120Gおよび第二の導体群140Gにおける各導体120G-m,140G-nの長さは、給電点から供給される電流の周波数との波長比が0.002以上から0.2以下の範囲に相当する長さである。
導体の長さは、導体に接続された給電点から開放端部までの長さである。
図16は、本開示の実施の形態7に係る近接物検知装置100Gの構成による作用を説明するための第1の図である。
図17は、本開示の実施の形態7に係る近接物検知装置100Gの構成による作用を説明するための第2の図である。
図18は、本開示の実施の形態7に係る近接物検知装置100Gの構成による作用を説明するための第3の図である。
一例であるが、図16に示すように、第一の導体群120Gにおける導体120G-mは2素子(m=1,2)、第二の導体群140Gにおける導体140G-nは2素子(m=1,2)である。
金属筐体110の開口は50mm角である。
第一の導体群120Gにおける導体120G-mは下層、第二の導体群140Gにおける導体140G-nは上層にして2層構成にし、直交配置させた。
また、図17に示すように、金属筐体110の内部に液晶層が設けられており、液晶層12の上部にセンサが配置されている。
液晶層12の上部に第一の導体群120Gにおける導体120G-mと第二の導体群140Gにおける導体140G-nとが配置された場合、導体120G-mおよび導体140G-nの材料として非透明材料を用いると、液晶の表示が妨げられてしまうため、導体120G-mおよび導体140G-nは透明導電材料で構成されることを想定した。そこで、導体120G-mおよび導体140G-nのシート抵抗値は4Ω/sq.と仮定した。
最表面の第二の導体群140Gにおける導体140G-nから距離Z、離れた位置に検知対象1000を近接させ、給電点130-1から見た第一の導体群120Gにおける導体120G-mの反射係数を計算する。
駆動させる給電点130-1には一定の損失を有する集中定数素子から成る整合回路(不図示)を設けた。整合回路(不図示)は、検知対象1000がない状態において反射係数を整合させた。
4つの給電点のうち3つの給電点(130-2,150-1,150-2)は開放状態にする。これは、実質的にはスイッチ部180を装荷してスイッチ部180が非導通状態であることと等価である。
図18は計算結果を示している。
図18に示す計算結果は、給電点130-1で整合させる共振周波数を変えて、計7ポイントをプロットしたものである。
各プロットはプラスになるほど、基準値(-30dB)からの変化量が大きいことになるため、検知感度が高いことになる。
検知対象1000がないとき(検知対象1000が検知されない状態)の反射係数を基準(ΔS11=0dB)にして、各共振周波数で駆動させた場合の反射係数の変化量(ΔS11)を図18に示している。
本結果より、10MHzから1000MHzで共振させることで、変化量(ΔS11)が一定値α以上になって検知感度が高くなり、10MHz未満の周波数および1000MHzより高い周波数では検知感度が低下することが分かる。
計算モデルのセンサ長の約50mmを、10MHzの自由空間波長と1000MHzの自由空間波長で規格化すると、高感度になるセンサ長Lは0.002λ≦L≦0.2λの範囲になる。
このように実施の形態7に係る近接物検知装置100Gは、給電点から供給する高周波電流の周波数数の波長比が0.002以上、0.2以下の範囲になるようなセンサ長(導体120G-mの長さ、および、導体140G-nの長さ)にすることで、近接物の検知感度が向上する。
「前記導体の長さは、前記給電点から供給される電流の周波数との波長比が0.002以上から0.2以下の範囲に相当する長さである、
ことを特徴とする近接物検知装置。」
これにより、本開示は、さらに効率的に検知感度を向上させることが可能な近接物検知装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を上記電子機器に適用することにより、上記効果と同様の効果を奏する。
Claims (9)
- 金属筐体と、
一方の端部である一端部が前記金属筐体における第一の辺部のそれぞれ異なる位置に近接し、当該第一の辺部から離れる方向へ延びるように配置された複数の導体から構成される第一の導体群と、
前記金属筐体における前記第一の辺部と前記第一の導体群における導体の一端部とそれぞれ接する複数の給電点から構成される第一の給電点群と、
を備えた、近接物検知装置。 - 両端のうちの一方の端部である一端部が前記金属筐体における第二の辺部のそれぞれ異なる位置に近接し、当該第二の辺部から離れる方向へ延びるように配置された複数の導体から構成される第二の導体群と、
前記金属筐体における前記第二の辺部と前記第二の導体群における導体それぞれの第一の端部と接する複数の給電点から構成される第二の給電点群と、
を備え、
前記第一の導体群の導体と前記第二の導体群の導体とは、非接触で交差する交差部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の近接物検知装置。 - 前記第一の導体群および前記第二の導体群を構成する導体それぞれは、第一形状部と、前記第一形状部の幅より狭い幅の第二形状部と、が交互に接続された形状を有し、
前記交差部において、前記第一の導体群の導体における前記第二形状部と、前記第二の導体群の導体における前記第二形状部とが、非接触で交差するように配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の近接物検知装置。 - 前記第一の導体群および前記第二の導体群を構成する導体それぞれは、第一形状部と、前記第一形状部の幅より狭い幅の第二形状部と、が交互に接続された形状を有し、
前記第一形状部は、菱形形状であり、当該菱形形状の角部が前記第二形状部に接続しており、
前記交差部において、前記第一の導体群の導体における前記第二形状部と、前記第二の導体群の導体における前記第二形状部とが、非接触で交差するように配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の近接物検知装置。 - 前記導体のインピーダンスと前記給電点のインピーダンスとを整合させる整合回路、
をさらに備えた、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の近接物検知装置。 - 前記導体と前記給電点との間の導通状態を変化させるスイッチ部、
をさらに備えた、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の近接物検知装置。 - 前記導体の長さは、前記給電点から供給される電流の周波数との波長比が0.002以上から0.2以下の範囲に相当する長さである、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の近接物検知装置。 - 前記導体は、透明導電材料で構成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の近接物検知装置。 - 表示部と、
前記表示部の表示面を露出するように覆う金属筐体と、
一方の端部が前記金属筐体における第一の辺部のそれぞれ異なる位置に近接し、当該第一の辺部から離れる方向へ延びるように配置された複数の導体から構成される第一の導体群と、
前記金属筐体における前記第一の辺部と前記第一の導体群における導体それぞれの一端部と接する複数の給電点から構成される第一の給電点群と、
を備えた、電子機器。
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