JP7382008B2 - バルブユニット、及び、それを備えた水洗大便器 - Google Patents
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しかしながら、このようなバルブユニットの小型化が進む程、主弁や電磁弁により開閉される通常時の給水経路と、停電時に電磁弁が作動しなくなっても給水を可能にする停電時の給水経路とが互いに近接し、バルブユニットの内部流路が複雑化することになる。
これにより、例えば、金型成形等によりバルブユニットの流路を一体成形した際には、流路の一部において型抜き用の穴が形成されるため、このような型抜き用の穴を別体の蓋部材で覆わなければならない場合がある。
また、このような型抜き用の穴は、製造後のバルブユニットの流路に対して直結しているため、蓋部材がバルブユニットに対して完全に固定されずに外れてしまった場合には、そこから流路内の水が漏れてしまうおそれがあるという問題がある。
さらに、別体の蓋部材をバルブユニットに対してねじで固定することも想定されるが、バルブユニット及び蓋部材に設けられる互いの固定部分により、バルブユニット全体が大型化するおそれがあるという問題がある。
このように構成された本発明においては、停電用流路の屈曲部に形成されて外部と連通する連通穴について、閉塞部材が閉塞可能に設けられ、この閉塞部材の取り外し方向には、外れ防止部材が閉塞部材とは別体に設けられているため、閉塞部材が外れることを確実に抑制することができる。
これにより、停電用流路の屈曲部の連通穴から停電用流路内の水が漏れてしまうことを抑制することができる。
また、閉塞部材が取り外し方向に移動しようとした際には、閉塞部材とは別体の外れ防止部材が閉塞部材の移動を取り外し方向から確実に規制することができるため、停電用流路の屈曲部の連通穴と閉塞部材との互いの固定部分の大型化を抑制することができる。
したがって、バルブユニット全体の小型化が可能となる。
このように構成された本発明においては、電磁弁ユニットが外れ防止部材として閉塞部材の取り外し方向の外端部に対して隣接して設けられているため、バルブユニットの一部である電磁弁ユニットについて、給水系機能部の一部として機能させると共に、閉塞部材の外れを防止する外れ防止部材として機能させることにより、2つの機能を兼用させることができる。
したがって、電磁弁ユニットを含むバルブユニット全体においても小型化が可能となる。
このように構成された本発明においては、電磁弁ユニットのパイロット弁体の駆動部の外側を覆うカバー部材を外れ防止部材として閉塞部材の取り外し方向の外端部に対して隣接して設けたことにより、閉塞部材が停電用流路の屈曲部の連通穴から外れることを確実に抑制することができる。
また、パイロット穴の全長が連通穴の全長よりも短くすることができるため、バルブユニット全体を小型化することができる。
このように構成された本発明においては、停電用上流側流路が平面視において屈曲部の上流側に形成されて二次側給水路の流路軸線方向と平行に延びており、停電用下流側流路が平面視において屈曲部の下流側に形成されて二次側給水路の流路軸線方向と直交する方向に延びており、連通穴が屈曲部から停電用上流側流路の延長上に形成されているため、バルブユニット内の限られた流路スペース内に停電用流路を確保しつつバルブユニット全体を小型化することができる。
このように構成された本発明においては、電磁弁ユニットのパイロット穴について、その全長が連通穴の全長よりも短く且つ連通穴と平行に延びるように形成され、停電用下流側流路に対して直交した状態で連通しているため、電磁弁ユニットのパイロット穴の全長を連通穴の全長よりも長くした場合に比べて、電磁弁ユニットと停電用流路との相対距離を短く設定することができる。
したがって、バルブユニット全体を小型化することができる。
このように構成された本発明においては、停電用流路の屈曲部の連通穴を閉塞する閉塞部材が外れることによる漏水を抑制することができると共に、装置全体の小型化が可能となるバルブユニットを備えた水洗大便器を提供することができる。
まず、図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器の全体構成図である。また、図2は、本発明の一実施形態による水洗大便器の側面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器1は、陶器製の便器本体2と、その後方側に設けられたタンク装置4と、を備えている。
また、便器本体2は、汚物を受けるボウル部2aと、このボウル部2aの底部から延びてボウル部2a内の汚物を排出する排水トラップ部(排水トラップ管2b)と、ボウル部2aの上縁に形成されるリム部2cと、を備えている。
さらに、タンク装置4の各構成要素については、詳細は後述するように、便器本体2に洗浄水を供給する給水ユニットU1の一部として機能するようになっている。
給水管6の上流側は、水道等の外部の給水源(図示せず)に接続されている。
一方、給水管6の下流側は、タンク装置4の貯水タンク10に接続されている。これらにより、給水管6から貯水タンク10に洗浄水が供給されるようになっている。
また、給水管6には、上流側から下流側に向かって、止水栓12、バルブユニット14がそれぞれ設けられている。
さらに、バルブユニット14の上流側及び下流側のそれぞれには、一次側給水路6a及び二次側給水路6bがそれぞれ設けられている。
バルブユニット14において、給水管6内の洗浄水が定流量弁16により流量が一定に調整されるようになっている。
その後、電磁弁ユニット18が電磁的に開弁し、主弁体17により二次側給水路6bの流入口6cが開放されると、給水管6の一次側給水路6aから二次側給水路6bに供給された洗浄水が連結ユニット20を経てタンクユニット22に給水されるようになっている。
また、ハウジング24は、その下方開口部24aがタンクユニット22の貯水タンク10の上方開口部10aに着脱可能に接続されている。
吐水管8は、その上流側がタンク装置4のポンプ30に接続された接続管(洗浄水供給管)であり、その下流側が便器本体2のリム部2cの内部のリム導水路2dに接続されている。
さらに、逆止弁28は、オーバーフロー口24bに設けられており、ハウジング24内の洗浄水がオーバーフロー口24bからオーバーフロー管26に流入することを可能にする一方、オーバーフロー管26内の洗浄水がハウジング24内へ逆流することを妨げることができるようになっている。
すなわち、これらのオーバーフロー口24b、オーバーフロー管26、及び、逆止弁28のそれぞれは、貯水タンク10からハウジング24内にオーバーフローした後、ハウジング24内の水位が所定水位以上(オーバーフロー口24bの下縁以上の水位)であるときに、ハウジング24のオーバーフロー口24bからオーバーフローした洗浄水をポンプ30の下流側の給水路(吐水管8)へバイパスさせるオーバーフロー流路部として機能するようになっている。
ポンプ30は、吐水管8の上流側に接続されている通水管36の一部(途中)に設けられている。この通水管36の上流端36aは、貯水タンク10内に設けられた吸引管38の下流端38aに接続されている。
これにより、貯水タンク10からポンプ30により吐水管8に供給された洗浄水のうちのすべてがリム導水路2dの入口2eからリム導水路2d内に供給されるようになっている。
そして、リム導水路2d内の洗浄水はリム導水路2dの下流端のリム吐水口2fからボウル部2a内に吐水され、便器洗浄(いわゆる、リム吐水100%による便器洗浄)が行われるようになっている。
すなわち、これらの通水管36及び吐水管8のそれぞれは、貯水タンク10からポンプ30によって圧送された洗浄水を便器本体2に供給する洗浄水供給管として機能するようになっている。
また、ポンプ30の作動についても、フロートスイッチ32が検知した貯水タンク10内の水位に基づいてコントローラCにより制御されるようになっている。
例えば、フロートスイッチ32が検知した貯水タンク10内の水位が所定以下である場合には、電磁弁ユニット18が開弁して給水管6が開放され、ポンプ30が作動されるようになっている。
そして、貯水タンク10内の水位が所定水位まで到達すると、電磁弁ユニット18が閉弁して給水管6が閉鎖され、ポンプ30が停止されるようになっている。
まず、図3は、図2に示す本発明の一実施形態による水洗大便器のバルブユニットのIII-III線に沿った断面図である。
図2及び図3に示すように、バルブユニット14は、便器本体2のボウル部2aよりも後方の領域(以下「便器本体2の後方領域R1」に設けられたタンク装置4の貯水タンク10の下端に設けられている。
すなわち、バルブユニット14は、便器本体2の後方領域R1におけるタンク装置4の貯水タンク10よりも下方且つ側方(便器本体2及びタンク装置4を前方側から見て左側)に設けられている。
また、バルブユニット14は、便器本体2の後方領域R1に対して左右一方側の側方(器本体2及びタンク装置4を前方側から見て左側)に取り外し可能に設けられた一枚のカバー部材(外装パネルP)により覆われている。
なお、図2に示す水洗大便器1においては、外装パネルPについては、省略し、想像線のみで示している
まず、図1~図4に示すように、バルブユニット14の電磁弁ユニット18は、パイロット穴(電磁弁側パイロット穴18a)と、この電磁弁側パイロット穴18aを開閉するパイロット弁体(電磁弁側パイロット弁体18b)と、この電磁弁側パイロット弁体18bを収容する電磁弁側パイロット弁室18cと、電磁弁側パイロット弁体18bを駆動させる駆動部であるソレノイド18dと、このソレノイド18dの外側を覆うカバー部材18eと、を備えている。
つぎに、図1~図4に示すように、バルブユニット14は、上述した定流量弁16、ダイヤフラム式の主弁体17及び電磁弁ユニット18以外に加えて、停電時においても便器洗浄を可能にする停電時手動給水操作装置40(詳細は後述する)を備えている。
また、停電時手動給水操作装置40は、後述する停電時手動排水操作装置42と共に、停電時においても便器洗浄を可能にする停電対策用の手動操作部として機能するようになっている。
さらに、図1~図4に示すように、バルブユニット14の停電時手動給水操作装置40は、バルブユニット14の側方(便器本体2及びタンク装置4を前方側から見て左側)に回転可能に設けられたハンドル部44を備えている。
また、停電時手動給水操作装置40は、ハンドル部44に外側端部が固定された操作軸部(スピンドル46)を備えている。このスピンドル46は、ハンドル部44をその回転中心軸線(操作軸線A0)回りに回転させると、この操作軸線A0の軸線方向に移動(摺動)することができるようになっている。
なお、スピンドル46は、停電時において手動操作により主弁側圧力室50を開閉して主弁体17を開閉可能にする手動操作弁として機能するようにもなっている。
また、図4に示すように、バルブユニット14の本体部48の内部には、主弁側圧力室50と電磁弁側パイロット弁室18cとを互いに連通させる圧力逃がし通路52が設けられている。
さらに、バルブユニット14の本体部48の内部の二次側給水路6bは、図4の平面視において、流入口6cから水平左右方向(バルブユニット14の横方向)に延びる流路軸線A2の内側に向かって形成される上流側横流路6dと、この上流側横流路6dの下流端部(上流側横流路6dの内側且つ前端部)から水平前後方向(バルブユニット14の長手方向)に延びる流路軸線A3の前側に向かって形成される下流側長手流路6eとを備えている。
そして、二次側給水路6bの上流側横流路6dの流路軸線A2と二次側給水路6bの下流側長手流路6eの流路軸線A3とは、互いに直交する方向に延びている。また、二次側給水路6bの下流側長手流路6eは、その流路軸線A3が、図4の平面視において、一次側給水路6aの水平前後方向に延びる流路軸線A1とほぼ平行となるように形成されている。
さらに、バルブユニット14の本体部48の内部には、主弁側圧力室50から二次側給水路6bの流入口6cをバイパスするように延びて二次側給水路6bの途中の下流側長手流路6eに連通する停電用流路(連通路56)が設けられている。
また、停電用流路(連通路56)は、この上流側連通路56aの前端の屈曲部Bから二次側給水路6bに向かって内側に延びる停電用下流側流路(下流側連通路56b)を備えている。この下流側連通路56bは、電磁弁ユニット18の電磁弁側パイロット穴18aとも直交した状態で常時連通している。
一方、停電用下流側流路(下流側連通路56b)は、屈曲部Bから下流端部まで二次側給水路6bの下流側長手流路6eの流路軸線A3と直交する方向に(二次側給水路6bの上流側横流路6dの流路軸線A2と平行に)延びるように形成されている。
ここで、電磁弁ユニット18の電磁弁側パイロット穴18aは、その全長が連通穴56dの全長よりも短く且つ連通穴56dと平行に延びるように形成されている。
また、閉塞部材57は、外部連通穴56dに対してほぼ隙間なく挿入可能な蓋部材57aと、この蓋部材57aの挿入部分の外周面に水密に設けられたOリング等のシール部材57bとを備えている。
さらに、外部連通穴56dに取り付けられた状態の閉塞部材57の蓋部材57aの外端面(前端面57c)に対しては、電磁弁ユニット18のカバー部材18eの後端面18fが隣接するように配置されている。
また、図4に示すように、電磁弁ユニット18及びそのカバー部材18eは、電磁弁側パイロット穴18aの全長L1が連通穴56dの全長L2よりも短くなる(L1<L2)ように、閉塞部材57の外端面(前端面57c)に対して隣接して配置されている。
通常時において、コントローラCから送信された指令信号(開弁操作信号)により電磁弁ユニット18が作動し、図4に示す閉弁状態の電磁弁側パイロット弁体18bが、図5に示す開弁状態になると、主弁側圧力室50が、圧力逃がし通路52から電磁弁側パイロット弁室18c及び電磁弁側パイロット穴18aを経て連通路56と連通する。
これにより、主弁体17を押圧する主弁側圧力室50内の空気の圧力が一次側給水路6aの給水圧よりも低下すると、主弁体17が開弁する方向に移動し、一次側給水路6aと二次側給水路6bとを連通させる連通口(二次側給水路6bの流入口6c)が開放されるようになっている。
この結果、定流量弁16を通過した一次側給水路6aの洗浄水が二次側給水路6bの流入口6cから二次側給水路6bに流入するようになっている。
このとき、二次側給水路6bの流入口6cを形成する主弁座58の周囲の一次側給水路6aの洗浄水の一部は、主弁体17のブリード穴60を通過して主弁側圧力室50内に流入するため、主弁側圧力室50内の圧力が高められるため、主弁体17が主弁側圧力室50内の圧力により主弁座58に向かって押圧されるようになっている。これにより、二次側給水路6bの流入口6cが主弁体17により閉止された状態(止水状態)となっている。
ここで、スピンドル46の先端部46aの近傍の外周面には、Oリング62が設けられている。これにより、通常時の主弁体17の閉弁状態においては、主弁側圧力室50と連通路56とが連通しないように、スピンドル46のOリング62によりシールされた状態となっている。
図6に示すように、停電時手動給水操作装置40のハンドル部44は、バルブユニット14の本体部48の一部に螺合されている共に、スピンドル46の一端部に対して留め具64よって固定されている。
停電時においては、電磁弁ユニット18が作動しないため、停電時手動給水操作装置40のハンドル部44を操作軸線A0回りに一方向に回転操作することにより、スピンドル46が操作軸線A0の軸線方向外側(主弁側パイロット穴54に対して遠位側)に移動するようになっている。
そして、スピンドル46及びOリング62が、主弁側圧力室50と連通路56とが互いに連通する状態になるまで移動した状態になると、主弁側圧力室50内の空気が圧力逃がし通路52を通過した後、電磁弁側パイロット穴18aから連通路56に流出可能となっている。
これにより、主弁側圧力室50内の圧力が一次側給水路6aの給水圧よりも低下すると、主弁体17が開弁する方向に移動し、二次側給水路6bの流入口6cが開放されるようになっている。
この結果、定流量弁16を通過した一次側給水路6aの洗浄水が二次側給水路6bの流入口6cから二次側給水路6bに流入するようになっている。
これにより、主弁側圧力室50内の空気が圧力逃がし通路52及び連通路56に圧抜きすることができなくなる一方、主弁座58の周囲の一次側給水路6aの洗浄水が主弁体17のブリード穴60を通過して主弁側圧力室50内に流入するようになっている。
これにより、主弁側圧力室50内の圧力が高められ、ダイヤフラム式の主弁体17が主弁側圧力室50内の圧力により主弁座58に向かって押圧されるようになっている。
この結果、二次側給水路6bの流入口6cは、主弁体17により開放された通水状態(図6参照)から、主弁体17により閉止された止水状態(図4参照)となるようになっている。
したがって、停電時においては、図4及び図6に示すように、ハンドル部44の手動操作により、給水管6内の洗浄水が連結ユニット20を経てタンクユニット22へ給止水される操作(給止水操作)が可能となっている。
特に、図6に示すように、停電時において主弁体17が開弁した状態では、ハンドル部44及びスピンドル46のそれぞれが、図4に示す主弁体17が閉弁した状態よりも、軸方向の外側に移動した位置にある。
これにより、図6に示すように、停電時において主弁体17が開弁した状態では、スピンドル46の軸方向の外側端面46bが外装パネルPの内側面に接触した状態となっており、外装パネルPと干渉する接触部となっている。
すなわち、停電時において主弁体17が開弁した状態では、スピンドル46の軸方向の外側端面46b(接触部)が、外装パネルPの取付位置P0よりも左右方向の外側に突出している。
また、停電時手動排水操作装置42は、排水ソケット68の開閉弁70に対して開閉操作可能に連結された操作ワイヤ72と、この操作ワイヤ72を摺動可能に保持し且つ便器本体2に対して固定する固定ユニット74と、を備えている。
また、操作ワイヤ72における、便器本体側(使用者側)の端部には、把持用のリング部材76が設けられており、使用者が把持可能となっている。
そして、停電時には、使用者がリング部材76を把持し、操作ワイヤ72を固定ユニット74に対して前後方向に摺動させることにより、排水ソケット68の開閉弁70の開閉操作が可能となっている。
つぎに、停電時手動排水操作装置42の把持用のリング部材76を手動で操作し、排水ソケット68の開閉弁70を閉鎖する。
そして、貯水タンク10内の水位が所定水位以上になり、貯水タンク10の上方のハウジング24内まで上昇すると、ハウジング24内の洗浄水は、オーバーフロー流路部(オーバーフロー管26)からポンプ30の下流側の給水路(吐水管8)に洗浄水がバイパスされた後、便器本体2に供給される。
これにより、排水ソケット68の開閉弁70よりも上流側の排水ソケット68内の流路や便器本体2の排水トラップ管2b内において封水が可能となり、便器本体2のボウル部2a内において溜水が可能となる。
つぎに、再び、停電時手動排水操作装置42を操作して排水ソケット68の開閉弁70を開放すると、便器本体2のボウル部2a内の洗浄水を排水トラップ管2bから排水ソケット68を経て外部へ確実に排出することができる。
その後、停電時手動給水操作装置40のハンドル部44を手動で回転操作してバルブユニット14の開閉弁(主弁体17)を閉弁すると、停電時における便器本体2に対する一連の給排水が完了する。
本発明の一実施形態によるバルブユニット14、及び、それを備えた水洗大便器1によれば、停電用流路(連通路56)の屈曲部Bに形成されて外部と連通する外部連通穴56dについて、閉塞部材57(蓋部材57a及びシール部材57b)が閉塞可能に設けられている。
そして、この閉塞部材57(蓋部材57a及びシール部材57b)の取り外し方向Dには、外れ防止部材として電磁弁ユニット18が、閉塞部材57とは別体に設けられているため、閉塞部材57(蓋部材57aやシール部材57b)が外れることを確実に抑制することができる。
これにより、停電用流路(連通路56)の屈曲部Bの外部連通穴56dから停電用流路内の水が漏れてしまうことを抑制することができる。
また、閉塞部材57の蓋部材57aが取り外し方向Dに移動しようとした際には、閉塞部材57とは別体の外れ防止部材である電磁弁ユニット18が閉塞部材57の蓋部材57aの移動を取り外し方向Dから確実に規制することができる。
よって、停電用流路(連通路56)の屈曲部Bの外部連通穴56dと閉塞部材57との互いの固定部分の大型化を抑制することができるため、バルブユニット14全体の小型化が可能となる。
これにより、バルブユニット14の一部である電磁弁ユニット18について、給水系機能部の一部として機能させると共に、閉塞部材57の外れを防止する外れ防止部材として機能させることにより、2つの機能を兼用させることができる。
したがって、電磁弁ユニット18を含むバルブユニット14の全体においても小型化が可能となる。
また、電磁弁側パイロット弁体18bの全長L1が外部連通穴56dの全長L2よりも短くすることができるため、バルブユニット14の全体を小型化することができる。
また、停電用流路(連通路56)の下流側連通路56bが、図4の平面視において、屈曲部Bから下流端部まで二次側給水路6bの下流側長手流路6eの流路軸線A3と直交する方向に(二次側給水路6bの上流側横流路6dの流路軸線A2と平行に)延びており、外部連通穴56dが屈曲部Bから上流側連通路56aの延長上に形成されている。
これらにより、バルブユニット14の本体部48の内部の限られた流路スペース内に停電用流路を確保しつつバルブユニット14の全体を小型化することができる。
これにより、電磁弁ユニット18の電磁弁側パイロット穴18aの全長L1を外部連通穴56dの全長L2よりも長くした場合(L1>L2)に比べて、電磁弁ユニット18と停電用流路(連通路56)との相対距離を短く設定することができる。
したがって、バルブユニット14の全体を小型化することができる。
2 便器本体
2a ボウル部
2b 排水トラップ管
2c リム部
2d リム導水路
2e リム導水路の入口
2f リム吐水口
2g 排水トラップ管の出口部
2h 便器本体の底壁部
2i 取付穴
2j 便器本体の底壁部の上面
4 タンク装置
6 給水管
6a 一次側給水路
6b 二次側給水路
6c 二次側給水路の流入口
6d 二次側給水路の上流側横流路
6e 二次側給水路の下流側長手流路
8 吐水管(給水ユニット)
8a 吐水管の出口部
10 貯水タンク
10a 上方開口部
12 止水栓
14 バルブユニット
16 定流量弁
17 ダイヤフラム式の主弁体(主弁体)
18 電磁弁ユニット(外れ防止部材)
18a 電磁弁側パイロット穴(パイロット穴)
18b 電磁弁側パイロット弁体(パイロット弁体)
18c 電磁弁側パイロット弁室
18d ソレノイド(電磁弁ユニットの駆動部)
18e カバー部材(外れ防止部材)
18f カバー部材の後端面
20 連結ユニット
22 タンクユニット
24 ハウジング
24a 下方開口部
24b オーバーフロー口
26 オーバーフロー管
28 逆止弁
30 ポンプ
32 フロートスイッチ
34 水抜き栓
36 通水管
36a 通水管の上流端
38 吸引管
38a 吸引管の下流端
40 停電時手動給水操作装置
42 停電時手動排水操作装置
44 ハンドル部
44a ハンドル部の軸方向の外側端面
46 スピンドル(手動操作弁)
46a スピンドルの先端部
46b スピンドルの軸方向の外側端面
48 バルブユニットの本体部
50 主弁側圧力室(圧力室)
52 圧力逃がし通路
54 主弁側パイロット穴
56 連通路(停電用流路)
56a 上流側連通路
56b 下流側連通路
56c 上流側連通路のスピンドル近傍の開口部
56d 外部連通穴
57 閉塞部材
57a 蓋部材
57b シール部材
57c 蓋部材の外端面(前端面)
58 主弁座
60 ブリード穴
62 Oリング
64 留め具
68 排水ソケット
70 開閉弁
72 操作ワイヤ
74 固定ユニット
76 把持用のリング部材
A0 ハンドル部の操作軸線
A1 一次側給水路の流路軸線
A2 二次側給水路の上流側横流路の流路軸線
A3 二次側給水路の下流側長手流路の流路軸線
B 連通路の屈曲部(停電用流路の屈曲部)
C コントローラ
D 取り外し方向
P 外装パネル(カバー部材)
P0 外装パネルの取付位置
R1 便器本体の後方領域
U1 給水ユニット
Claims (6)
- 水洗大便器に洗浄水を給水する給水路に設けられるバルブユニットであって、
上流側及び下流側にそれぞれ設けられる一次側給水路及び二次側給水路と、
この二次側給水路の上流端の流入口に設けられた主弁座と、
この主弁座に対して開閉可能に設けられて上記一次側給水路と上記二次側給水路とを連通可能にする主弁体と、
この主弁体を圧力により開閉させる圧力室と、
通常時において上記圧力室を開閉することにより上記主弁体を開閉可能にする電磁弁ユニットと、
停電時において手動操作により上記圧力室を開閉して上記主弁体を開閉可能にする手動操作弁と、
上記圧力室から上記二次側給水路の流入口をバイパスするように延びて上記二次側給水路の途中に連通する停電用流路であって、停電時の上記手動操作弁の開弁操作により上記圧力室と上記二次側給水路とを連通可能にする上記停電用流路と、を有し、
上記停電用流路は、上記二次側給水路の流路軸線方向と平行に延びた後、上記二次側給水路の流路軸線方向と直交する方向に屈曲する屈曲部を備えており、
この屈曲部には、外部と連通する連通穴が形成され、この連通穴には、閉塞部材が設けられており、
上記閉塞部材の取り外し方向には、上記閉塞部材が外れることを防止する外れ防止部材が上記閉塞部材とは別体に設けられていることを特徴とするバルブユニット。 - 上記電磁弁ユニットは、上記外れ防止部材として上記閉塞部材の取り外し方向の外端部に対して隣接して設けられている請求項1記載のバルブユニット。
- 上記電磁弁ユニットは、上記停電用流路と連通するパイロット穴と、このパイロット穴を開閉するパイロット弁体と、このパイロット弁体を駆動させる駆動部と、この駆動部の外側を覆うカバー部材と、を備えており、
上記カバー部材は、上記パイロット穴の全長が上記連通穴の全長よりも短くなるように、上記外れ防止部材として上記閉塞部材の取り外し方向の外端部に対して隣接して設けられている請求項1又は2に記載のバルブユニット。 - 上記停電用流路は、平面視において、上記屈曲部の上流側に形成されて上記二次側給水路の流路軸線方向と平行に延びる停電用上流側流路と、上記屈曲部の下流側に形成されて上記二次側給水路の流路軸線方向と直交する方向に延びる停電用下流側流路と、を備えており、
上記連通穴は、上記屈曲部から上記停電用上流側流路の延長上に形成されている請求項2又は3に記載のバルブユニット。 - 上記電磁弁ユニットのパイロット穴は、その全長が上記連通穴の全長よりも短く且つ上記連通穴と平行に延びるように形成され、上記停電用下流側流路に対して直交した状態で連通している請求項4記載のバルブユニット。
- 上記請求項1乃至5の何れか1項に記載のバルブユニットを備えた水洗大便器。
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JP2020023964A JP7382008B2 (ja) | 2020-02-17 | 2020-02-17 | バルブユニット、及び、それを備えた水洗大便器 |
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JP2005290851A (ja) | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Toto Ltd | 便器洗浄水供給装置 |
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