JP7381035B2 - Smtp一群又はsmtp-7の製造中間体及びその化学的製造方法 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 平成30年2月1日に日本薬学会 第138年会の発表要旨にて公開
本発明は、SMTP一群又はSMTP-7の製造中間体及びその化学的製造方法に関する。
抗生物質の発見以来、微生物の二次代謝は多様な化合物の宝箱と認識され、膨大な数の化合物がそこから単離されてきた。しかし、一部の化合物質に関しては、微生物から単離するより、むしろ化学的に合成された方が効率的である。
Stachybotrys Microspora Triprenyl Phenol(SMTP)は、真菌S. microsporaにより生産される一群の新規トリプレニルフェノールの総称で、クロマンラクタム構造、イソプレン側鎖とN-結合側鎖から構成される。現在までに,N-結合側鎖の構造の異なる50種以上の同族体と、イソプレン側鎖の構造の異なる8種の同族体を同定されている(例えば、非特許文献1参照)。その同族体の一つであるSMTP-7は、血栓や塞栓が原因となる脳梗塞モデルにおいて有効であることが広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
SMTP-7は、トリプレニルフェノール骨格を有する化合物の一例である。SMTP-7以外にも、溶解作用のみならず抗酸化作用や抗炎症作用を併せ持つトリプレニルフェノール骨格を有する化合物が報告されている(例えば、特許文献2参照)。例えば、特許文献3には、培養開始直後などの糸状菌の培養初期に、置換基に応じたアミノ酸やアミノアルコールなどを添加する培養方法によってトリプレニルフェノール骨格を有する化合物の短時間での選択的生産方法が開示されている。
また、特許文献4には、低分子量で高い血栓溶解促進作用を発揮することができるトリプレニルフェノール骨格を有する化合物及びその製造方法が開示されている。特許文献4が開示した3種類の一般式(I)~(III)の製造方法は、全て、糸状菌を培養し、単離する製造方法であり、一般式(I)~(III)に基づいて得られる高活性トリプレニルフェノール骨格を有する化合物である。
しかし、特許文献1~4及び従来の製造方法では、SMTP一群の前駆体であるPre-SMTPについての、効率的な製造方法が報告されていない。Pre-SMTPは、o-フタルアルデヒド部分構造を有し、アミン化合物と反応してSMTPに存在するようなフタルイミジン構造を与えることができる。
さらに、従来の方法で、SMTP同族体の微生物生産は、細胞摂取の問題のために、特定のアミンに適合させることは困難である。例えば、N-結合側鎖としてL-グルタミンおよびL-グルタミン酸を有する同族体は、前駆体アミン供給法によって製造されていない。しかし、前駆体Pre-SMTPとこれらのアミンとの間の非酵素的反応は、予想される側鎖を有する同族体、それぞれSMTP-54およびSMT-P55を与えることができる。即ち、Pre-SMTPから多くの高活性なトリプレニルフェノール骨格を有する化合物を得ることが可能である。
このように、トリプレニルフェノール骨格を有する化合物は、その立体構造や置換基によって多様な活性を発揮するため、その利用する価値が高く、安価且安定な製造方法が要求されている。従来、これらのトリプレニルフェノール骨格を有する化合物は、糸状菌により、数多くの類似体と共に生産されるため、比較的収量が悪く、かつ精製に多くのクロマトグラフィー操作を要し、大量の標品を得ることが困難である。そのため、効率よく大量に各々のトリプレニルフェノール骨格を有する化合物を単離するために種々の工夫がなされているが、糸状菌による製造方法しか報告されていない。特許文献1において、単離量は以前より改善されたが、依然として、スタキボトリス属の糸状菌又はスタキボトリス・ミクロスポラIFO30018株などの生産菌を培養することにより生産され、収率が少ない。また、特許文献3においては、選択的に得られるのは一般式(I)~(III)の三種類のトリプレニルフェノール骨格を有する化合物に限定される。従来の技術では、Pre-SMTPは、真菌S. microsporaから分離されることが知られている(例えば、非特許文献2参照)。従って、化学合成による製造方法は未だ報告されていない。
WO2010/110026A1 国際公開98/56940号パンフレット 特許第4257026 WO2007/111203A1
蓮見惠司:血栓溶解を促進する化合物 日本農芸化学会 化学と生物 56,190-196(2018) Y. Nishimura, E. Suzuki, K. Hasegawa, N. Nishimura, Y.Kitano & K. Hasumi: J. Antibiot., 65, 483 (2012) 森 美彩、永田 和弘、野田 あおい、金光 卓也、宮崎 倫子、伊藤 喬:ジヒドロピラン骨格を有する抗酸化物質の合成研究 日本薬学会第136年会(横浜)
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、Pre-SMTP, SMTP一群を化学的に製造する際に、特に、SMTP-7を化学的に製造する際に有用な中間体になりうるジヒドロピラン構造を有する化合物、ジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法、Pre-SMTPの製造方法、SMTP一群の製造方法、及び医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術に鑑み、SMTP一群又はSMTP-7の化学的製造方法を開発することを課題に、鋭意検討した結果、市販の3,5-ジメトキシ安息香酸メチルを出発物質として、化学的製造方法でSMTP一群又はSMTP-7の製造を可能とする中間体の合成に成功した。
本発明者らは、後述するSMTP-7の化学的分解反応を考え、特に、Pre-SMTPの化学的な手法で分解するとジヒドロピラン構造を有する化合物に変換されることが考えられることから、検討を重ねた結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は、次の(a)~(p)に示す通りである。
(a)下記式(1)で表されるジヒドロピラン構造を有する化合物である。

式(1)中、Y1及びY2は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、メチル、メトキシメチル、t-ブチル、アリル、ベンジルから選択される保護基であり、
Xは、COOH、CHO、-CH=C(CH 3 )-(CH 2 ) 2 -CH=C(CH 3 ) 2 、及びCOOCH のいずれかである。
(b)下記式(1A)、(1B)、(1C)及び(1D)で表されるジヒドロピラン構造を有する化合物である。
(c)ジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法であって、以下の第8工程~第10工程を含む製造工程Iからなり、
前記製造工程I:

(1)第8工程は、式(4a)で表される化合物を、四酸化オスミウム (OsO 4 )、冷アルカリ性過マンガン酸カリウム(KMnO 4 )、過ギ酸(HCO 2 OH)、群からなる酸化剤より選択される酸化反応により、式(3)で表される化合物を得る工程であり、
(2)第9工程は、式(3)で表される化合物を、保護基で置換する反応によって、式(2)で表される化合物を得る工程であり、
(3)第10工程は、COOH、CHO、-CH=C(CH 3 )-(CH 2 ) 2 -CH=C(CH 3 ) 2 、及びCOOCH 群のいずれかからなる官能基Xを構築する工程である。
(d)式(4)で表される化合物を出発物質とし、前記第10工程が、前記式(2)の化合物を、CH3OHに溶かし、氷冷下CH3ONaを加え撹拌し、中和した後、抽出し、有機層をbrine で洗浄後MgSO4 で乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて分離精製する工程であり、前記製造工程Iが、下記製造工程IAからなり、
製造工程IA:

前記Y1は、TESであり、前記Y2は、メチル基であることを特徴とするジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法。
(e)

前記式(2)で表される化合物を無水条件により厳密に行うことにより式(1B)で表される化合物を得る反応、及び、得られた式(1B)で表される化合物を還元剤で還元して式(1C)で表される化合物を得ること特徴とするジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法。
(f)前記第10工程は、下記式(1A)で表される化合物を脱水剤の存在下にMeOHと反応させ、その後還元剤を用いて還元する下記第11工程が含まれ、

ここで、前記脱水剤は、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、などのカルボジイミド基を含む群からなる脱水縮合剤であり、前記還元剤は、水素化ジイソブチルアルミニウム或は水素化アルミニウムリチウムであることを特徴とするジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法。
(g)前記第10工程は、オレフィンを合成する下記第12工程が含まれ、

ここで、前記第12工程は、高井・ロンバード反応、武田オレフィン合成、ジュリア・リスゴー オレフィン合成を含むオレフィン合成方法のいずれかから選択することを特徴とするジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法。
(h)前記式(4)で表される化合物は、3,5-ジメトキシ安息香酸メチルを出発物質とする、下記第1工程~第7工程を含む製造工程IIにより製造され、
製造工程II:

前記第1工程~第7工程は、
(1)第1工程は、3,5-ジメトキシ安息香酸メチルをCH2Cl2に溶解し、滴下ロートを用いてTiCl4を滴下し、反応溶液を冷却し、dichloromethyl methyl etherを加え、室温にて撹拌し、HClを加え撹拌後、有機層を分離した後、有機層を洗浄後、乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、式(10)で表される化合物を得る工程であり、
(2)第2工程は、得られた式(10)で表される化合物をCH2Cl2に溶解し、冷却下BCl3を加え、室温にて撹拌した後、冷やしたHCl中に反応液を注いた後、有機層を分離し、洗浄後、乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、式(9)で表される化合物を得る工程であり、
(3)第3工程は、得られた式(9)で表される化合物 をアセトンに溶解し、K2CO3とアリルブロミドを加えた後、加熱還流後、室温に戻し、析出固体が溶解するまでH2O を加えた後、HClで中和し、アセトンを留去後、酢酸エチルを加え、有機層をH2O,塩水で洗浄、脱水後、溶媒を減圧留去することにより、式(8)で表される化合物を得る工程であり、
(4)第4工程は、得られた式(8)で表される化合物をMeOH に溶解し、低温にてNaBH4を加えた後、室温にて30 min 撹拌し、その後HClで中和し、析出固体を吸引ろ過することにより式(7)で表される化合物を得る工程であり、
(5)第5工程は、得られた式(7)で表される化合をN,N-diethylanilineと混合し、不活性雰囲気下で加熱した後、室温に戻し、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて分離することにより、式(6)で表される化合物を得る工程であり、
(6)第6工程は、得られた式(6)で表される化合物をDCMに溶解し, N,N-Diisopropylethyl amineを加えた後, 氷冷下trifluoromethanesulfonic anhydrideを滴下し、氷冷下で撹拌後、aq.NaHCO3を加えて弱塩基性とし有機層を分離し、水層を更にCH2Cl2で抽出し、有機層を集めてH2O,塩水で洗浄後、脱水し、溶媒を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて分離精製することにより、式(5)で表される化合物を得る工程であり、
(7)第7工程は、得られた式(5)で表される化合物をEt2Oに溶解し、ethyl 4-methyl-4-pentenoate, Hoveyda-Grubbs 2ndcat.を加えて加熱還流し、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて分離精製することにより、式()で表される化合物を得る工程であることを特徴とする上記(c)~(f)のいずれかに記載のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法である。
(i)式(1)の化合物を出発物質とする、下記第13工程が含まれ、

但し、式(1)中、Y 1 及びY 2 は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、メチル、メトキシメチル、t-ブチル、アリル、ベンジルから選択される保護基であり、
Xは、COOH、CHO、-CH=C(CH 3 )-(CH 2 ) 2 -CH=C(CH 3 ) 2 、及びCOOCH のいずれかであり、
ここで、前記第13工程は、還元剤で還元する反応、ジアルデヒド化反応、脱メチル化反応、脱TES保護基反応が含まれ、
前記還元剤は、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、ボラン還元、等の群から選択され、
前記ジアルデヒド化反応は、スワーン酸化,フィッツナー・モファット酸化,アルブライト・ゴールドマン酸化,パリック・デーリング酸化,などの酸化反応から選択され、前記脱メチル化反応は、三臭化ホウ素による脱メチル化反応であり、脱TES保護基反応は、酸加溶媒分解反応であることを特徴とするPre-SMTPの製造方法。
(j)
前記第13工程が下記製造工程IIIからなり、
製造工程III:

ここで、前記式(1D)で表される化合物をLiAlH4 で還元して、ジオール体である式(1E)で表される化合物を得て、続いて得られた式(1E)で表される化合物をスワーン 酸化後、ジアルデヒド体である式(1F)で表される化合物に変換し、次いで、得られた式(1F)で表される化合物をBBr3でメトキシ基の脱メチル化し、式(1G)で表される化合物を得て、最後に、得られた式(1G)で表される化合物を酸性下で加水分解によるTES基の脱保護反応を行い、Pre-SMTPを得ることを特徴とするPre-SMTPの製造方法。
(k)下記式(1A),(1B),(1C)及び(1D)で表されるジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法と前記第13工程を含むことを特徴とするPre-SMTPの製造方法である。
(l)少なくとも、前記ジヒドロピラン構造を有する化合物を製造する第8工程から第10工程の全ての工程含むPre-SMTPの製造方法で得られたPre-SMTPの溶液に、若しくは、第8工程から第1工程のいずれかの工程含むPre-SMTPの製造方法で得られたPre-SMTPの溶液に、アミノフェノール、アミノ安息香酸、アデニン、アデノシン、アミノジヒドロフタラジンジオン、オルニチン、アミノナフトールスルホン酸、スルファニル酸及びそれらの誘導体からなる群より選択されたアミン化合物を添加することを特徴とするSMTP一群の製造方法。
(m)前記Pre-SMTPの溶液にアミノフェノール、アミノ安息香酸、アデニン、アデノシン、アミノジヒドロフタラジンジオン、オルニチン、アミノナフトールスルホン酸、スルファニル酸及びそれらの誘導体からなる群より選択されたアミン化合物を添加することを特徴とするSMTP一群の製造方法。
(n)少なくとも、上記式(1A),(1B),(1C)及び(1D)で表されるジヒドロピラン構造を有する化合物を出発物質とすることを特徴とするSMTP一群の製造方法。
(o)少なくとも本願発明のPre-SMTPの溶液にオルニチンを添加し、SMTP-7を製造することを特徴とするSMTP一群の製造方法。
(p)少なくとも、上記式(1A),(1B),(1C)及び(1D)で表されるジヒドロピラン構造を有する化合物を有効成分として含む、血栓症、塞栓症及びそれらに関連する疾患の予防又は治療用医薬組成物。
本発明によれば、Pre-SMTP, SMTP一群の化学的製造工程に、特に、SMTP-7の化学的製造工程に有用な中間体になりうるジヒドロピラン構造を有する微生物産生抗酸化物質を提供すること、及びこれらを含む、若しくは、その製造工程が含まれることによって、化学的製造方法で高活性なトリプレニルフェノール骨格を有する化合物を製造可能な製造方法を提供することができる。
本願発明の特徴となるジヒドロピラン構造を有する化合物の一例とする式(1A)で表されるジヒドロピラン構造を有する化合物の1H-NMRシグナルを示す図。
以下、本発明に係る実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本実施形態に係るジヒドロピラン構造を有する化合物は、下記式(1)で表される。

但し、式(1)中、Y1及びY2は、保護基であり、
Xは、COOH、CHO、-CH=C(CH 3 )-(CH 2 ) 2 -CH=C(CH 3 ) 2 、及びCOOCH のいずれかである。
以下、上記式(1)で表されるジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法の一例を説明するが、上記式(1)で表されるジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法が、以下の製造方法に限定されるものではない。
この実施形態では、化合物のH-NMRは、Varian MercuryAMX300型の機器で測定される。MSは、VG ZAB-HS又はVG-7070型の機器で測定され、注記がない限りいずれもEI源(70ev)である。すべての溶媒は使用する前に新しく蒸留され、使用される無水溶媒はいずれも、標準的な方法に従って乾燥処理で取得される。説明がない限り、すべての反応はいずれも窒素の保護下で行われ、TLCで追跡され、後処理時に飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄され且つ無水硫酸ナトリウムで乾燥される。製品の精製は、説明がない限り、いずれもシリカゲル(200~300メッシュ)カラムクロマトグラフィーを使用する。
本実施形態において、OHに対する適切な前記保護基は当業者によく知られている。OHの保護基についての一般的な反応方法は、グリーンの保護基(Greene's Protective Groups in Organic Synthesis)第5版,ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons Inc)においてウッツ(Wuts),PGM、及び、保護基(Protecting Groups),第3版,ゲオルグシームフェアラーグ(Georg Thieme Verlag)においてコシエンスキー(Kocienski)PJにより提供される参考文献を参考に実施する。これらの参考文献は、全て、その全体が参照として組み込まれる。
上記保護OHには、シリルエーテル、エーテル、エステル、スルホネート、スルフェネート及びスルフィネート、カーボネート、並びにカルバメートが挙げられる。シリルエーテルの場合では、OHの保護基は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルヘキシルシリル、2-ノルボルニルジメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリ-p-キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、ジ-t-ブチルメチルシリル、ビス(t-ブチル)-1-ピレニルメトキシシリル、トリス(トリメチルシリル)シリル、(2-ヒドロキシスチリル)ジメチルシリル、(2-ヒドロキシスチリル)ジイソプロピルシリル、t-ブチルメトキシフェニルシリル、t-ブトキシジフェニルシリル、1,1,3,3-テトライソプロピル-3-〔2-(トリフェニルメトキシ)エトキシ〕ジシロキサン-1-イル及びフルオラスシリルから選択することができる。エーテルの場合では、OHの保護基は、メチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、p-メトキシベンジルオキシメチル、〔(3,4-ジメトキシベンジル)オキシ〕メチル、p-ニトロベンジルオキシメチル、o-ニトロベンジルオキシメチル、〔(R)-1-(2-ニトロフェニル)エトキシ〕メチル、(4-メトキシフェノキシ)メチル、シロキシメチル、2-メトキシエトキシメチル、2-シアノエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、メントキシメチル、o-ビス(2-アセトキシエトキシ)メチル、グアイアコールメチル、〔(p-フェニルフェニル)オキシ〕メチル、t-ブトキシメチル、4-ペンテニルオキシメチル、テトラヒドロピラニル、フルオラステトラヒドロピラニル、3-ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-メトキシシクロヘキシル、4-メトキシテトラヒドロピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S-ジオキシド、1-〔(2-クロロ-4-メチル)フェニル〕-4-メトキシピペリジン-4-イル、1-(2-フルオロフェニル)-4-メトキシピペリジン-4-イル、1-(4-クロロフェニル)-4-メトキシピペリジン-4-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロ-7,8,8-トリメチル-4,7-メタノベンゾフラン-2-イル、1-エトキシエチル、1-(2-クロロエトキシ)エチル、2-ヒドロキシエチル、2-ブロモエチル、1-〔2-(トリメチルシリル)エトキシ〕エチル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシ-2-フルオロエチル、1-メチル-1-フェノキシエチル、2,2,2-トリクロロエチル、1,1-ジアニシル-2,2,2-トリクロロエチル、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-フェニルイソプロピル、1-(2-シアノエトキシ)エチル、2-トリメチルシリルエチル、2-(ベンジルチオ)エチル、2-(フェニルセレニル)エチル、t-ブチル、シクロヘキシル、1-メチル-1′-シクロプロピルメチル、アリル、プレニル、シンナミル、2-フェンアリル、プロパルギル、p-クロロフェニル、p-メトキシフェニル、p-ニトロフェニル、2,4-ジニトロフェニル、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル、ベンジル、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2,6-ジメトキシベンジル、o-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、ペンタジエニルニトロベンジル、ペンタジエニルニトロピペロニル、ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、2,4-ジクロロベンジル、2,6-ジフルオロベンジル、p-シアノベンジル、フルオラスベンジル、4-フルオラスアルコキシベンジル、トリメチルシリルキシリル、p-フェニルベンジル、2-フェニル-2-プロピル、p-アシルアミノベンジル、p-アジドベンジル、4-アジド-3-クロロベンジル、2-トリフルオロメチルベンジル、4-トリフルオロメチルベンジル、p-(メチルスルフィニル)ベンジル、p-シレタニルベンジル、4-アセトキシベンジル、4-(2-トリメチルシリル)エトキシメトキシベンジル、2-ナフチルメチル、2-ピコリル、4-ピコリル、3-メチル-2-ピコリルN-オキシド、2-キノリニルメチル、6-メトキシ-2-(4-メチルフェニル-4-キノリンメチル)、1-ピレニルメチル、ジフェニルメチル、4-メトキシジフェニルメチル、4-フェニルジフェニルメチル、p,p′-ジニトロベンズヒドリル、5-ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、トリス(4-t-ブチルフェニル)メチル、α-ナフチルジフェニルメチル、p-メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p-メトキシフェニル)メチル、4-(4′-ブロモフェナシルオキシ)フェニルジフェニルメチル、4,4′,4″-トリス(4,5-ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4′,4″-トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4′,4″-トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、4,4′-ジメトキシ-3″-〔(イミダゾリルメチル)〕トリチル、4,4′-ジメトキシ-3″-〔N-(イミダゾリルエチル)カルバモイル〕トリチル、ビス(4-メトキシフェニル)-1′-ピレニルメチル、4-(17-テトラベンゾ〔a,c,g,i〕フルオレニルメチル)-4,4″-ジメトキシトリチル、9-アントリル、9-(9-フェニル)キサンテニル、9-フェニルチオキサンチル、9-(9-フェニル-10-オキソ)アントリル、1,3-ベンゾジチオラン-2-イル及び4,5-ビス(エトキシカルボニル)-〔1,3〕-ジオキソラン-2-イル、ベンズイソチアゾリルS,S-ジオキシドから選択することができる。エステルの場合では、OHの保護基は、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリクロロアセトアミデート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p-クロロフェノキシアセテート、フェニルアセテート、ジフェニルアセテート、3-フェニルプロピオネート、ビスフルオラス鎖型プロパノイル、4-ペンテノエート、4-オキソペンタノエート、4,4-(エチレンジチオ)ペンタノエート、5〔3-ビス(4-メトキシフェニル)ヒドロキシメチルフェノキシ〕レブリネート、ピバロエート、1-アダマントエート、クロトネート、4-メトキシクロトネート、ベンゾエート、p-フェニルベンゾエート、2,4,6-トリメチルベンゾエート、4-ブロモベンゾエート、2,5-ジフルオロベンゾエート、p-ニトロベンゾエート、ピコリネート、ニコチネート、2-(アジドメチル)ベンゾエート、4-アジドブチレート、(2-アジドメチル)フェニルアセテート、2-{〔(トリチルチオ)オキシ〕メチル}ベンゾエート、2-{〔(4-メトキシトリチルチオ)オキシ〕メチル}ベンゾエート、2-{〔メチル(トリチルチオ)アミノ〕メチル}ベンゾエート、2-{{〔(4-メトキシトリチル)チオ〕メチルアミノ}-メチル}ベンゾエート、2-(アリルオキシ)フェニルアセテート、2-(プレニルオキシメチル)ベンゾエート、6-(レブリニルオキシメチル)-3-メトキシ-2-ニトロベンゾエート、6-(レブリニルオキシメチル)-3-メトキシ-4-ニトロベンゾエート、4-ベンジルオキシブチレート、4-トリアルキルシリルオキシブチレート、4-アセトキシ-2,2-ジメチルブチレート、2,2-ジメチル-4-ペンテノエート、2-ヨードベンゾエート、4-ニトロ-4-メチルペンタノエート、o-(ジブロモメチル)ベンゾエート、2-ホルミルベンゼンスルホネート、4-(メチルチオメトキシ)ブチレート、2-(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2-(クロロアセトキシメチル)ベンゾエート、2-〔(2-クロロアセトキシ)エチル〕ベンゾエート、2-〔2-(ベンジルオキシ)エチル〕ベンゾエート、2-〔2-(4-メトキシベンジルオキシ)エチル〕ベンゾエート、2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシアセテート、2,6-ジクロロ-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)-2-メチル-2-ブテノエート、o-(メトキシカルボニル)ベンゾエート、α-ナフトエート、ニトレート、アルキルN,N,N′,N′-テトラメチルホスホロジアミデート及び2-クロロベンゾエートから選択することができる。スルホネート、スルフェネート及びスルフィネートの場合では、OHの保護基は、スルフェート、アリルスルホネート、メタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トシレート、2-〔(4-ニトロフェニル)エチル〕スルホネート、2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4-モノメトキシトリチルスルフェネート、アルキル2,4-ジニトロフェニルスルフェネート、2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-3-オン(one)-1-スルフィネート、ボレート及びジメチルホスフィノチオリルから選択することができる。カーボネートの場合では、OHの保護基は、メチルカーボネート、メトキシメチルカーボネート、9-フルオレニルメチルカーボネート、エチルカーボネート、ブロモエチルカーボネート、2-(メチルチオメトキシ)エチルカーボネート、2,2,2-トリクロロエチルカーボネート、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカーボネート、2-(トリメチルシリル)エチルカーボネート、2-〔ジメチル(2-ナフチルメチル)シリル〕エチルカーボネート、2-(フェニルスルホニル)エチルカーボネート、2-(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート、シス-〔4-〔〔(メトキシトリチル)スルフェニル〕オキシ〕テトラヒドロフラン-3-イル〕オキシカーボネート、イソブチルカーボネート、t-ブチルカーボネート、ビニルカーボネート、アリルカーボネート、シンナミルカーボネート、プロパルギルカーボネート、p-クロロフェニルカーボネート、p-ニトロフェニルカーボネート、4-エトキシ-1-ナフチルカーボネート、6-ブロモ-7-ヒドロキシクマリン-4-イルメチルカーボネート、ベンジルカーボネート、o-ニトロベンジルカーボネート、p-ニトロベンジルカーボネート、p-メトキシベンジルカーボネート、3,4-ジメトキシベンジルカーボネート、アントラキノン-2-イルメチルカーボネート、2-ダンシルエチルカーボネート、2-(4-ニトロフェニル)エチルカーボネート、2-(2,4-ジニトロフェニル)エチルカーボネート、2-(2-ニトロフェニル)プロピルカーボネート、アルキル2-(3,4-メチレンジオキシ-6-ニトロフェニル)プロピルカーボネート、2-シアノ-1-フェニルエチルカーボネート、2-(2-ピリジル)アミノ-1-フェニルエチルカーボネート、2-〔N-メチル-N-(2-ピリジル)〕アミノ-1-フェニルエチルカーボネート、フェナシルカーボネート、3′,5′-ジメトキシベンゾインカーボネート、メチルジチオカーボネート及びS-ベンジルチオカーボネートから選択することができる。そして、カルバメートの場合では、OHの保護基は、ジメチルチオカルバメート、N-フェニルカルバメート、N-メチル-N-(o-ニトロフェニル)カルバメートから選択することができる。これらの基の記述は、これらがOHの保護基の単なる例示として記述されているに過ぎないので、本発明の範囲の制限として解釈されるべきではなく、前
記機能を有する更なる基が当業者によって知られている場合があり、それらは本発明に包含されると理解されるべきである。
本実施形態のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法(第1工程~第12工程)の一例を反応式(I)に示し、以下、各工程のある態様を、第1工程~第12工程の順に具体的に説明する。
反応式(I)
(1)第1工程は、文献Hassall, C. H., Morgan, B. A. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1. 1973, 2853-2861に記載の合成方法に従って行った。
3,5-ジメトキシ安息香酸メチル(2.90 g,14.8 mmol)をCH2Cl2(60 mL)に溶解し、滴下ロートを用いてTiCl4 (2.80 mL,25.5 mmol)を滴下した。反応溶液を0oCに冷却下、ジクロロメチルメチルエーテル(1.80 mL, 20.0 mmol)を加え、室温にて25 min 撹拌した。その後、1.0 M aq.HCl(150 mL)を加え撹拌した後、有機層を分離した。有機層をH2O (30 mLx3), brine (5 mL) で洗浄後、MgSO4 で乾燥した(脱水)。溶媒を減圧留去することにより、式(10)で表される化合物 (3.21g) が得られ、精製操作をせずに次の反応に使用する。
(2)第2工程は、文献Broadhust, M. J., Hassall, C. H., Thomas, G. J. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1. 1977, 2502-2512.に記載の合成方法に従って行った。
前記式(10)で表される化合物をCH2Cl2(30 mL)に溶解し、-78oCに冷却下BCl3(1.0 M in CH2Cl2, 21.5 mmol)を加えた。室温にて2 h撹拌した後、氷浴で冷やした1.0 M aq. HCl(80 mL)中に反応液を注いだ。有機層を分離し、H2O (30 mLx3), brine (20 mL) で洗浄後、MgSO4 で乾燥した。溶媒を減圧留去することにより、前記式(9)で表される化合物(2.95g) が得られ、そのまま次の反応に使用した。1H-NMR(CDCl3): δ 3.87 (3H, s), 3.92 (3H, s), 4.64 (2H, d, J=5.2 Hz), 5.35 (1H, dd, J= 1.6, 10.4 Hz), 5.45 (1H, dd, J= 1.6, 17.2 Hz), 6.05 (1H, m), 6.51 (1H, d, J= 2.4 Hz), 6.57 (1H, d, J= 2.0 Hz), 10.34 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) : δ 52.9, 55.9, 69.6, 100.7, 105.4, 116.8, 118.4, 131.9, 136.6, 162.3, 164.9, 169.6, 187.6。
(3)第3工程は、得られた式(9)で表される化合物(2.95 g) をアセトン 90 mLに溶解し、K2CO3(2.88 g, 21.1 mmol)とallyl bromide (1.80 ml, 21.1 mmol)を加えた後、3 h 加熱還流した。室温に戻し、析出固体が溶解するまでH2O を加えた後、1 M aq.HClで中和した。アセトンを留去後、酢酸エチル(80 mL)を加え、有機層をH2O (20 mLx3),brine (10 mL)で洗浄、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧留去することにより、式(8)で表される化合物(3.31g )が得られ、精製操作をせずに次の反応に使用した。
(4)第4工程は、得られた式(8)で表される化合物(3.27 g)をMeOH (70 mL) に溶解し、0oCにてNaBH4 (743 mg, 19.6 mmol)を加えた後、室温にて30 min 撹拌した。1 M aq.HClで中和後、析出固体を吸引ろ過することにより式(7)で表される化合物(1.91 g, 8.69 mmol) が得られた。また、ろ液を濃縮後、酢酸エチル(30 mLx3)で抽出し、有機層をH2O (10 mL), brine (5 mL) で洗浄、MgSO4 で乾燥し、溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/2 )にて分離することにより、式(7)で表される化合物を更に0.594 g(2.70 mmol)得た。1H-NMR(CDCl3): δ 3.86 (3H, s), 4.60 (2H, dt, J=5.2, 1.6 Hz), 5.23 (2H, s), 5.34 (1H, dd, J=10.4, 1.2 Hz), 5.42 (1H, dd, J=17.2, 1.6Hz), 6.03 (1H, m), 6.67 (1H, d, J=2.0 Hz), 6.94 (1H, d, J=2.0 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) : δ 55.9, 68.0, 69.2, 98.8, 105.8, 118.4, 128.0, 128.4, 132.1, 153.8, 162.3, 171.2。MS (FAB) m/z ; 221 [M+H]+

第5工程は、式(7)で表される化合物(1.23 g, 5.59 mmol)をN,N-diethylaniline (0.1 ml)と混合し、Ar雰囲気下220oCで1h 加熱した。室温に戻した後、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/2)にて分離することにより、式(8)で表される化合物を1.06 g (4.82 mmol, y.86%)得た。1H-NMR(CDCl3): δ 3.57 (2H, d, J=6.0 Hz), 3.88 (3H, s), 5.20-5.24 (2H, m), 5.24 (2H, s), 5.62 (1H, s), 5.97 (1H, m), 7.00 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) : δ 27.8, 56.2, 68.2, 98.8, 116.9, 119.9, 125.4, 127.1, 134.9, 149.9, 159.4, 171.9。MS (FAB) m/z ; 221 [M+H]+

第6工程は、得られた式(6)で表される化合物をDCMに溶解し, N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.5 mL, 14.7 mmol)を加えた後, 氷冷下トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.2 mL, 7.32 mmol)を滴下した。氷冷下1 h 撹拌後、aq.NaHCO3を加えて弱塩基性とし有機層を分離した。水層を更にCH2Cl2 (50 mL)で抽出し、有機層を集めてH2O (20 mL),brine(10 mL)で洗浄後MgSO4 乾燥した。溶媒を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/2)にて分離精製することにより、式(5)で表される化合物を1.58 g (y.93%)得た。1H-NMR(CDCl3): δ 3.58 (2H, d, J=6.0 Hz), 3.96 (3H, s), 5.00-5.08 (2H, m), 5.36 (2H, s), 5.86 (1H, m), 7.40 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) : δ 28.8, 56.7, 67.6, 106.3, 116.8, 118.4 (q, J=318 Hz), 127.1, 130.2, 131.0, 132.9, 140.7, 160.3, 169.4。MS (FAB) m/z ; 353 [M+H]+

第7工程は、得られた式(5)で表される化合物(164 mg, 0.466 mmol) をEt2O(3mL)に溶解し、ethyl 4-methyl-4-pentenoate (0.73 mL, 4.58 mmol), Hoveyda-Grubbs 2nd cat.(28.8 mg, 0.046 mmol)を加えて32 h 加熱還流した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/3)にて分離精製することにより、式(4)で表される化合物を88.5 mg (y.41%, E:Z=3:1)得た。1H NMR(400 MHz) δ 1.19 (3H, t, J=7.2 Hz), 1.76 (3H, s), 2.25~2.40 (4H, m), 3.53 (2H, d, J=6.8 Hz), 3.95 (3H, s), 4.06 (2H, q, J=7.2 Hz), 5.10 (1H, t, J=6.8 Hz), 5.35 (2H, s), 7.38 (1H, s)。13C NMR (100 MHz) δ 14.1, 16.1, 24.1, 33.1, 34.6, 56.6, 60.2, 67.6, 106.3, 118.5 (q, J= 320 Hz), 119.8, 126.7, 131.1, 131.7, 136.3, 140.5, 160.3, 169.5, 173.1。MS (DART) m/z ; 467 [M+H]+

第8工程は、式(4)で表される化合物(107 mg, 0.230 mmol)をアセトン0.4 mL, H2O 0.05 mL の混合溶媒に溶解し、N-methylmorpholine N-oxide (54.0 mg, 0.462 mmol)に続いて4% OsO4 水溶液 (70 μL, 0.011 mmol) を加え、雰囲気下に室温で18 h反応させた。Na2S2O4(10 mg)とFlorisil (10 mg) を加え、アセトン 10 mL で希釈した後、希塩酸で中和した。セライト濾過を行い、濾液を6N HCl sol. でpH 1 とした。酢酸エチル(10mL x 2)で抽出した後、有機層をbrine (2 mL) で洗浄し、MgSO4 乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1)にて分離精製することにより、式(3)で表される化合物を77 mg(y.74%, dr=3:1) 得た。1H NMR(400 MHz) δ 1.50 (3H, s), 2.01 (1H, m), 2.43 (1H, m), 2.69 (2H, t, J=8.0 Hz), 3.09 (2H, m), 3.83 (1H, dd, J=8.8, 4.4 Hz), 3.99 (3H, s), 5.37 (2H, s), 7.44 (1H, s)。13C NMR (100 MHz) δ 21.6, 26.9, 29.1, 30.4, 57.0, 67.6, 75.6, 88.0, 106.4, 118.5 (q, J=319Hz), 127.5, 128.9, 131.3, 141.4, 160.3, 169.2, 176.5。MS (DART) m/z ; 455 [M+H]+
第9工程は、得られた式(3)で表される化合物(30 mg, 0.066 mmol)をCH2Cl2 (1.3 mL)に溶解し、氷冷下に2,6-lutidine (23 μl, 0.197 mmol), triethylsilyl trifluoromethanesulfonate(22 μl, 0.097 mmol) を加え、4h反応させた。CH2Cl2(15 mL)を加えた後、H20 (3mLx 4),brine (1 mL)で洗浄し、MgSO4乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2)にて分離精製することにより、式(2)で表される化合物を34 mg(y. 91% ) 得た。1H NMR (400 MHz) δ 0.22-0.38 (6H, m), 0.75 (9H, t, J=8.0 Hz), 1.43 (3H, s), 2.02 (1H, m), 2.21 (1H, m), 2.59 (1H, ddd, J=18.0, 9.6, 3.6 Hz), 2.71 (1H, m), 2.92 (2H, m), 3.98 (3H, s), 4.04 (1H, dd, J=7.2, 6.0 Hz), 5.29 (1H, d, J=15.6 Hz), 5.42 (1H, d, J=15.2 Hz), 7.42 (1H, s)。13C NMR (100 MHz) δ 4.6, 6.5, 19.7, 28.4, 29.0, 30.3, 56.8, 67.6, 76.2, 88.5, 106.2, 118.4 (q, J=318 Hz), 127.2, 129.2, 131.4, 141.6, 160.2, 169.3, 175.9。MS (DART) m/z ; 569 [M+H]+
第10工程は、少なくとも以下の反応が含まれる。即ち、得られた式(2)で表される化合物(24 mg, 0.042 mmol)をMeOH 1.0 mLに溶解し、氷冷下CH3ONa (28% in CH3OH, 8.6 mg, 0.075 mmol)を加え2 h 撹拌した。1N HCl sol. で中和した後、酢酸エチル(10 mL x 2)で抽出し、有機層をbrine (2 mL)で洗浄後、MgSO4 乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1)にて分離精製することにより、式(1A)で表される化合物を17 mg(y.93% ) 得た。1H NMR(400 MHz) δ 0.59 (6H, q, J= 7.6 Hz), 0.81 (9H, t, J= 7.6 Hz), 1.40 (3H, s), 2.09 (1H, m), 2.17 (1H, m), 2.61 (1H, ddd, J=18.0, 6.0, 3.6 Hz), 2.67-2.79 (2H, m), 3.02 (1H, dd, J=10.4, 2.4 Hz), 3.88 (3H, s), 3.91 (1H, dd, J=10.0, 2.4 Hz), 5.23 (1H, d, J=15.2 Hz), 5.28 (1H, d, J=15.2 Hz), 6.99 (1H, s)。13C NMR (100 MHz) δ 4.5, 6.4, 19.1, 27.3, 28.9, 31.2, 56.3, 68.1, 80.0, 88.1, 98.6, 119.7, 126.1, 127.9, 151.0, 159.1, 171.5, 175. 5.。MS (DART) m/z ; 465 [M+H]+
上記式(1A)で表される化合物の1H NMRの詳細を図1に示した。図1は、式(1A)で表される化合物の特徴となるシグナル1~8を明示したものである。これは、本願発明のジヒドロピラン構造を有する化合物の特徴となる各プロトンの核磁気共鳴スペクトルを示した例である。
本実施形態の第8工程~第10工程は、上述した第1実施形態の第8工程~第10工程に限るものではない。上述した第1実施形態の第8工程~第10工程は以下の製造工程Iによって構成されるものであってもよい。
製造工程I:

例えば、前記第8工程は、式(4a)で表される化合物を、四酸化オスミウム (OsO4)、冷アルカリ性過マンガン酸カリウム(KMnO4)、過ギ酸(HCO2OH)、群からなる酸化剤より選択される酸化反応により、式(3)で表される化合物を得る工程であってもよい。
さらに、例えば、前記第9工程は、上述する式(3)で表される化合物を、保護基で置換する反応よって、式(2)で表される化合物を得る工程であってもよい。
さらに、例えば、前記第10工程は、上述する式(2)で表される化合物がCOOH、CHO、-CH=C(CH 3 )-(CH 2 ) 2 -CH=C(CH 3 ) 2 、若しくはCOOCH 群からなる官能基Xを有する式(1)で表される化合物に置換する工程であってもよい。
さらに、前記第10工程は、式(2)で表される化合物から式(1B)で表される化合物を合成する過程と式(1C)で表される化合物を合成する工程から構成されるものであってもよい。

例えば、式(2)で表される化合物から式(1A)で表される化合物が得られた反応において、無水条件をより厳密に行い、加水分解を防ぐことにより式(1B)で表される化合物に導くことができる。具体的には、式(2)で表される化合物をMeOHに溶解し、氷冷下CH3ONaを加え数時間撹拌し、適切なHCl溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水(brine)で洗浄後、MgSO4で脱水し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(脱水酢酸エチル/脱水ヘキサン=1)にて分離精製することにより、式(1B)で表される化合物が得られる。
続いて、得られた式(1B)で表される化合物を、diisobutylaluminum hydride (DIBAL)を用いて還元し、アルデヒド体である式(1C)で表される化合物を得る。
さらに、前記第10工程には、複数の置換反応が含まれる反応工程であってもよい。

例えば、前記第10工程には、式(1A)で表される化合物から(1C)で表される化合物を合成する第11工程が含まれる反応工程が含まれていてもよい。
前記第12工程は、前記式(1A)で表される化合物を1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、などのカルボジイミド基を含む群からなる脱水剤の存在下にMeOHと反応させ、その後還元剤である水素化ジイソブチルアルミニウム或は水素化アルミニウムリチウムを用いて還元することで、式(1C)で表される化合物が得られる反応工程である。
さらに、前記第11工程は、式(1B)で表される化合物を合成する工程と、(1C)で表される化合物を合成する工程と、の二つの反応工程であってもよい。

例えば、式(1A)で表される化合物を脱水剤のN-(3-dimethylaminopropyl)-N’-ethyl carbodiimide hydrochloride (EDC)存在下にMeOH と反応させ、メチルエステル体である式(1B)で表される化合物に変換する。
続いて、得られた式(1B)で表される化合物を、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL) を用いて還元し、アルデヒド体である式(1C)で表される化合物を得る。

さらに、前記第10工程には、第12工程が含まれるものであってもよい。
前記第12工程は、高井・ロンバード反応、武田オレフィン合成、ジュリア・リスゴー オレフィン合成、などのオレフィン合成方法である。
以上説明した本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造法は、上述した実施形態に限定されない。公知の反応方法を用いて精製する工程も含まれる。
例えば、式(1B)で表される化合物の合成において、式(1A)で表される化合物にルテニウム錯体RuCl(PPh及びアルカリ金属塩LiBPhの存在下に水素化する反応工程であってもよい。この場合、ルテニウム錯体はRuCl(PPhに限定するものではない。一般式RumXnYpZqで示し、式中、Xは同じか又は異なり、それぞれハロゲン原子、RCOO-(Rは置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいアリール基)で示される基、又はβ-ジケトネート;Yは、リン原子を1個以上含む配位子;ZはX及びY以外の配位子;mは1以上の整数;nは1以上の整数;pは0~6の整数;qは0~2の整数;ルテニウム原子に配位するリン原子の数は、ルテニウム原子の2~10倍である一群から選択される。また、アルカリ金属塩は、LiBPhに限定するものでなく、例えば、LiB(3,5-(CFPh)、NaBPh、NaB(3,5-(CFPh)、KBPh、KB(3,5-(CFPh)、CsBPh、CsB(3,5-(CFPh)、LiOTs、NaOTs、KOTs、CsOTs、LiNTf、NaNTf、KNTf、CsNTf、LiOTf、NaOTf、KOTf、CsOTf、LiH、NaH、KH、CsH、Li(acac)(acacはアセチルアセトナト;以下同様)、Na(acac)、K(acac)、Cs(acac)、LiOAc、NaOAc、KOAc、CsOAc、LiOH、NaOH、KOH、CsOH、Li(Ot-Bu)(t-Buはtert-ブチル基;以下同様)、Na(Ot-Bu)、K(Ot-Bu)、Cs(Ot-Bu)等が挙げられる。また、還元剤として、上記ルテニウム錯体の一群に限定されない。その他の有効な遷移錯体、水素化アルミニウムリチウム、ボラン、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、金属ナトリウム/エタノール、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムからなる群より選択することもできる。
さらに、式(1C)で表される化合物の合成において、式(1B)で表される化合物に酸化剤として塩化クロム酸ピリジウムを作用させる反応工程であってもよい。ここで、酸化剤は塩化クロム酸ピリジウムに限定するものではなく、例えば、クロロクロム酸ピリジニウム、ニクロム酸ピリジニウム、デス・マーチン酸化からなる群よりも選択される。
以下、本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物である基本構造式(1)で表される化合物を中間体として、Pre-SMTP及びSMTP一群の化学的な製造方法の応用例について説明する。
即ち、主に、式(1),式(1B),式(1C)及び式(1D)で表される化合物を中間体とする応用例について説明する。
以下説明する化学的製造方法において、式(1),式(1B),式(1C)及び式(1D)で表される化合物を出発物質とする製造工程のほとんどが本技術分野の公知の常用手段を組合わせて実施したものであるため、その詳細な説明については省略する。
勿論、本発明の式(1A),式(1B),式(1C)及び式(1D)で表される化合物の製造方法は、本発明の発明者の長年の鋭意な研究の結果であることは、言うまでもない。即ち、本発明の式(1A),式(1B),式(1C)及び式(1D)で表される化合物の製造方法は、公知の製造方法で簡単に得られるのもではない。
(第2実施形態)
第2実施形態のPre-SMTPの製造方法について説明する。まず、第13工程を説明する。

第13工程は、主に、還元剤で還元する反応,ジアルデヒド化反応,脱メチル化反応,脱TES保護基反応から構成される製造工程である。
ここで、上述した第13工程における、還元剤で還元する反応,ジアルデヒド化反応,脱メチル化反応,脱TES保護基反応について、具体例を示す。即ち、第13工程を構成する各反応工程の一例を示す。

還元剤で還元する反応工程として、例えば、前記式(1D)で表される化合物をLiAlH4 で還元して、ジオール体である式(1E)で表される化合物が得られる。
続いて、ジアルデヒド化反応として、例えば、得られた式(1E)で表される化合物をスワーン 酸化で、ジアルデヒド体である式(1F)で表される化合物が得られる。
次いで、脱メチル化反応として、例えば、得られた式(1F)で表される化合物をBBr3でメトキシ基の脱メチル化し、式(1G)で表される化合物が得られる。
最後に、脱TES保護基反応として、例えば、得られた式(1G)で表される化合物を酸性下で加水分解によるTES基の脱保護反応によって、Pre-SMTPが得られる。
上記還元する反応,ジアルデヒド化反応,脱メチル化反応,脱TES保護基反応は、主に、公知の反応である。例えば、前記還元剤は、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、ボラン還元、等の群から選択されるものであってもよい。前記ジアルデヒド化反応は、スワーン酸化,フィッツナー・モファット酸化,アルブライト・ゴールドマン酸化,パリック・デーリング酸化,などの酸化反応から選択されるものであってもよい。前記脱メチル化反応及び脱TES保護は、公知の脱保護反応であってもよい。
(実3実施形態)
以下、上述した本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物である中間体を出発物質とするPre-SMTPの化学的な製造工程、或は、本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造工程が含まれるPre-SMTPの化学的な製造工程、が含まれる第3実施形態のSMTP一群の化学的な製造工程について説明する。
すなわち、本実施形態では、前記第13工程で得られたPre-SMTPに、アミノフェノール、アミノ安息香酸、アデニン、アデノシン、アミノジヒドロフタラジンジオン、アミノナフトールスルホン酸、スルファニル酸及びそれらの誘導体からなる群より選択されたアミン化合物を添加することで要望のSMTP一群を得ることが可能な製造方法である。
(第3実施形態-1)
第3実施形態-1は、SMTP-0の製造方法であり、前記第13工程で得られた化合物Pre-SMTPに対して、酢酸の存在下または非存在下で緩衝液(リン酸カリウム)または水性アセトン中アミンの不存在下で、酢酸アンモニウムを添加することで、Pre-SMTPが減少し、同時にSMTP-0が形成される。
(第3実施形態-2)
第3実施形態-2は、SMTP-4の製造方法であり、第3実施形態-1と同様な条件で(つまり、酢酸の存在下または非存在下で緩衝液(リン酸カリウム)または50%水性アセトン中アミンの不存在下で)、前記第14工程で得られた式(1E)の化合物Pre-SMTPとL-フェニルアラニンの反応により、SMTP-4が得られる。
(第3実施形態-3)
第3実施形態-3は、SMTP-6の製造方法であり、第3実施形態-1と同様な条件で、前記第13工程で得られたPre-SMTPとL-トリプトファンとの反応により、SMTP-6が得られる。
(第3実施形態-4)
第3実施形態-4は、SMTP-54の製造方法であり、第3実施形態-1と同様な条件で、前記第13工程で得られたPre-SMTPとL-グルタミンとの反応により、SMTP-54が得られる。
(第3実施形態-5)
応用例2-5は、SMTP-55の製造方法であり、第3実施形態-1と同様な条件で、前記第13工程で得られたPre-SMTPとL-グルタミン酸との反応により、SMTP-55が得られる。
(第3実施形態-6)
第3実施形態-6は、SMTP-7の製造方法であり、第3実施形態-1と同様な条件で、前記第13工程で得られたPre-SMTPとオルニチンとの反応により、SMTP-7が得られる。
本発明のSMTP一群の製造方法は、上述した第3実施形態-1から第3実施形態-6に限定されるものではない。本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物を中間体とするSMTP一群の化学的な製造方法、又は、本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造工程が含まれるSMTP一群の化学的な製造方法であれば、本発明の応用例に含まれる。
本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物或はその製造工程が、Pre-SMTP及びSMTP一群の化学的な製造方法において、重要な中間体であることを説明するために、SMTP-7の逆合成解析を用いて説明する。
(SMTP-7の逆合成解析)
本発明者らは、SMTP一群の化学的製造方法を検討するうえ、その逆反応解析がきっかけになったことはすでに述べた。そこで、その一例として、SMTP-7の逆合成を解析し、理論的に合成経路(製造工程)を検討する。本発明者らが、公知の知識に基づき、SMTP-7の逆合成(I)の経路が、上記の逆工程(1)~逆工程(12)であることを推定した。その中で、逆工程(4)~逆工程(12)までは、本発明の第1工程~第10工程までの反応の逆反応工程に相当することがわかる。さらに、逆工程(4)~逆工程(12)の中で、逆工程(5)と逆工程(6)は、当分野の公知の知識によって得られることは非常に難しいことが分かる。それ以外の逆工程は、当分野の公知の知識に基づいて、化学量論的に得られることは推定できる。
以下、上記SMTP-7の逆合成における逆工程(1)~逆工程(3)までの反応について説明する。
逆合成(I)
(逆工程(1))

逆工程(1)は、既に知られているSMTP-7が、分解すると前駆体である化合物(Pre-SMTP)とオルニチンとが反応することによって得られるので、その逆工程を示したものである。
(逆工程(2))

逆工程(2)は、一般的に考えると三つのステップが含まれることが考えられる。
即ち、逆工程(2)は、Pre-SMTPを選択的に式(1E)で表される化合物に変換するために、複数の官能基のうち、反応に必要でない官能基を保護するステップ(1)及びステップ(2)と、変換に必要な官能基(Pre-SMTPのCHO部位)を選択的に反応させるステップ(3)と、から構成される。
(ステップ(1))
例えば、ステップ(1)は、Pre-SMTPをCH2Cl2に溶解させ、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリル(TES保護基)を加え、反応させ、溶媒で洗浄し、MgSO4で脱水させ、溶媒を除去し、シリカゲルクロマトグラフィーにて分離精製することにより、式(1G)で表される化合物を得ることができる。
(ステップ(2))

例えば、ステップ2は、式(1G)で表される化合物をDMFに溶解し、等量の炭酸リチウムを加えた後、等量のヨードメタンを加え、反応することによって、式(1F)で表される化合物が得られる。
ここで、本発明の不必要な官能基を保護する反応に用いる保護基は、上述するものには限らない。例えば、保護基は、TES保護基以外のシリル系の保護基、トリメチルシリル (TMS)、トリエチルシリル (TES)、tert-ブチルジメチルシリル(TBSまたはTBDMS)、トリイソプロピルシリル (TIPS)、tert-ブチルジフェニルシリル (TBDPS) などが用いられるが、さらに、アシル系の保護基、又は、メトキシメチル基(MOM)、2-テトラヒドロピラニル基 (THP)、エトキシエチル基 (EE)などのアセタール系の保護基であってもよい。即ち、反応に不必要な官能基を保護するものであればよい。
(ステップ(3))


ステップ(3)は、例えば、前記式(1F)で表される化合物をLiAlH4 で還元することによって、式(1E)で表される化合物が得られる。
ここで、還元剤として、LiAlH4に限定するものではない。例えば、ボラン、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、金属ナトリウム/エタノール、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウムからなる群より選択するものであってもよい。
(逆工程(3))

逆工程(3)には、多くの反応経路が考えられる。例えば、ジオール類を脱水することによって環状エーテルを合成し、その後、酸化することで式(1D)で表される化合物が得られることは当業者にとって簡単に示唆できる。
また、本発明の反応において、使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類が挙げられる。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
上述したSMTP-7の逆合成の中で、最も難しい逆合成経路は、逆工程5及び逆合成6であることが当業者であれば、予測できる。そのため、逆工程5及び逆合成6は、SMTP-7又はPre-SMTPの化学的製造方法の構築において、鍵となる製造工程に相当する。
本発明は、上述の一連の逆工程の中の、可逆合成経路に相当する第1工程~第13工程の化学的な合成経路を構築した。その中で、本発明の反応式(I)の第8工程~第10工程における合成方法が、SMTP-7 及びPre-SMTPの化学的な製造方法において、一番難しいと考えられる反応経路に相当し、基本式(1)で表される化合物がSMTP-7 及びPre-SMTPの化学的製造方法において、一番重要な中間体に相当することがわかる。即ち、本願発明の反応式(I)の第8工程~第10工程における合成経路、又は、基本式(1)で表される化合物を構築することができれば、SMTP-7 及びPre-SMTPの化学的製造方法を構築することができる。即ち、初めて、SMTP-7 及びPre-SMTPの化学的な製造方法を実現した例になる。
本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物は、Pre-SMTP及びSMTP一群の化学的な製造方法に適応する中間体のみではありません。本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物を出発物質とする生物的な培養方法によるPre-SMTP及びSMTP一群の製造方法にも適応することも可能である。さらに、本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物の各製造工程を用いたPre-SMTP及びSMTP一群の各種の製造方法(例えば、化学的な製造方法及び生物的な培養方法を組合わせたPre-SMTP及びSMTP一群の製造方法)にも適用してもよい。
本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物は、血栓溶解促進剤として機能することも期待される。この場合、上記ジヒドロピラン構造を有する化合物の少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴と血栓溶解促進剤である。
上述したジヒドロピラン構造を有する化合物は、低分子量で効果的な血栓溶解促進作用を有することが期待される。上記ジヒドロピラン構造を有する化合物は、血栓溶解剤中では、遊離形態、薬学的に許容可能な塩又はエステルなど、医薬として通常適用可能な形態で本血栓溶解剤に含有されることができる。
本発明のジヒドロピラン構造を有する化合物が含まれる血栓溶解剤は、各種投与形態に応じて適宜剤型を変更することができる。経口投与形態としては、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤又はシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与形態としては、注射剤、点滴剤、座剤、吸入剤、貼付剤等を挙げることができる。
これらの形態を維持するために、これらの用途に使用可能な周知の溶媒、賦形剤等の添
加剤を含むことができる。
用語「薬学的に許容される塩、誘導体、プロドラッグ」は、患者に投与されると、本明細書に記載されている化合物を(直接的に又は間接的に)提供することができる任意の薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、水和物又は任意のその他の化合物を意味する。しかし、薬学的に許容される塩ではないものも、薬学的に許容される塩の調製に有用でありうるので、本発明の範囲内であることが理解される。塩、プロドラッグ及び誘導体の調製は、当業界において既知の方法により実施することができる。

Claims (14)

  1. 下記式(1)で表されるジヒドロピラン構造を有する化合物。
    但し、式(1)中、Y1はトリエチルシリル(TES)であり、Y2はメチルであり、
    Xは、COOH、CHO、-CH=C(CH3)-(CH2)2-CH=C(CH3)2、及びCOOCHのいずれかである。
  2. 請求項1に記載のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法であり、
    以下の第8工程~第10工程を含む製造工程Iからなることを特徴とする、前記式(1)で表されるジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法。
    前記製造工程I:
    但し、式(2)、(3)及び(4a)中、Y 1 はトリエチルシリル(TES)であり、Y 2 はメチルである。
    (1)第8工程:式(4a)で表される化合物を、四酸化オスミウム(OsO4)、冷アルカリ性過マンガン酸カリウム(KMnO4)、及び過ギ酸(HCO2OH)からなる群より択される酸化剤を使用した酸化反応により、式(3)で表される化合物を得る工程。
    (2)第9工程:式(3)で表される化合物を保護基で置換する反応によって、式(2)で表される化合物を得る工程。
    (3)第10工程:COOH、CHO、-CH=C(CH3)-(CH2)2-CH=C(CH3)2、及びCOOCH群のいずれかからなる官能基Xを構築する工程。
  3. 下記式(4)で表される化合物を出発物質とし、前記第10工程が、前記式(2)で表される化合物を、CH3OHに溶かし、氷冷下CH3ONaを加え撹拌し、中和した後、抽出し、有機層をbrineで洗浄後MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて分離精製する工程であり、前記製造工程Iが、下記製造工程IAからなることを特徴とする請求項2記載のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法。
    前記製造工程IA:
  4. 前記第10工程は、下記式(2)で表される化合物をCH3OHに溶かし、氷冷下CH3ONaを加え撹拌し、中和した後、抽出し、有機層をbrineで洗浄後MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣を脱水酢酸エチル/脱水ヘキサンを溶媒とするシリカゲルクロマトグラフィーにて分離精製することにより、式(1B)で表される化合物を得る工程、及び、得られた式(1B)で表される化合物をdiisobutylaluminum hydride(DIBAL)を用いて還元して式(1C)で表される化合物を得る工程からなることを特徴とする請求項2記載のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法。
  5. 前記第10工程には、下記式(1A)で表される化合物を脱水剤の存在下にMeOHと反応させ、その後還元剤を用いて還元する下記第11工程が含まれることを特徴とする請求項2記載のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法。
    ここで、前記脱水剤は、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、のいずれかからなる脱水縮合剤であり、前記還元剤は、水素化ジイソブチルアルミニウム或は水素化アルミニウムリチウムである。
  6. 前記第10工程には、オレフィンを合成する下記第12工程が含まれることを特徴とする請求項2に記載のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法。
    ここで、前記第12工程は、高井・ロンバード反応、武田オレフィン合成、ジュリア・リスゴーオレフィン合成、のいずれかから選択する。
  7. 前記式(4)で表される化合物は、3,5-ジメトキシ安息香酸メチルを出発物質とする、下記第1工程~第7工程を含む製造工程IIにより製造されることを特徴とする請求項3に記載のジヒドロピラン構造を有する化合物の製造方法。
    製造工程II:
    前記第1工程~第7工程:
    (1)第1工程は、3,5-ジメトキシ安息香酸メチルをCH2Cl2に溶解し、滴下ロートを用いてTiCl4を滴下し、反応溶液を冷却し、dichloromethyl methyl etherを加え、室温にて撹拌し、HClを加え撹拌後、有機層を分離した後、有機層を洗浄後、乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、式(10)で表される化合物を得る工程。
    (2)第2工程:得られた式(10)で表される化合物をCH2Cl2に溶解し、冷却下BCl3を加え、室温にて撹拌した後、冷やしたHCl中に反応液を注いた後、有機層を分離し、洗浄後、乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、式(9)で表される化合物を得る工程。
    (3)第3工程:得られた式(9)で表される化合物をアセトンに溶解し、K2CO3とアリルブロミドを加えた後、加熱還流後、室温に戻し、析出固体が溶解するまでH2Oを加えた後、HClで中和し、アセトンを留去後、酢酸エチルを加え、有機層をH2O,塩水で洗浄、脱水後、溶媒を減圧留去することにより、式(8)で表される化合物を得る工程。
    (4)第4工程:得られた式(8)で表される化合物をMeOHに溶解し、低温にてNaBH4を加えた後、室温にて30 min撹拌し、その後HClで中和し、析出固体を吸引ろ過することにより式(7)で表される化合物を得る工程。
    (5)第5工程:得られた式(7)で表される化合をN,N-diethylanilineと混合し、不活性雰囲気下で加熱した後、室温に戻し、混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて分離することにより、式(6)で表される化合物を得る工程。
    (6)第6工程:得られた式(6)で表される化合物をDCMに溶解し, N,N-Diisopropylethyl amineを加えた後、氷冷下trifluoromethanesulfonic anhydrideを滴下し、氷冷下で撹拌後、aq.NaHCO3を加えて弱塩基性とし有機層を分離し、水層を更にCH2Cl2で抽出し、有機層を集めてH2O,塩水で洗浄後、脱水し、溶媒を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて分離精製することにより、式(5)で表される化合物を得る工程。
    (7)第7工程:得られた式(5)で表される化合物をEt2Oに溶解し、ethyl 4-methyl-4-pentenoate, Hoveyda-Grubbs 2ndcat.を加えて加熱還流し、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて分離精製することにより、式(4)で表される化合物を得る工程。
  8. 下記式(1)の化合物を出発物質とする、下記第13工程を含むことを特徴とするPre-SMTPの製造方法。
    但し、前記式(1)中、Y1はトリエチルシリルであり、Y2はメチルであり、
    Xは、COOH、CHO、-CH=C(CH3)-(CH2)2-CH=C(CH3)2、及びCOOCHのいずれかである。
    ここで、前記第13工程は、還元剤で還元する反応、ジアルデヒド化反応、脱メチル化反応、及び脱TES保護基反応を含み
    前記還元剤は、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、ボラン還元、から選択され、
    前記ジアルデヒド化反応は、スワーン酸化,フィッツナー・モファット酸化、アルブライト・ゴールドマン酸化、パリック・デーリング酸化、から選択される酸化反応であり、
    前記脱メチル化反応は、三臭化ホウ素による脱メチル化反応であり、
    前記脱TES保護基反応は、酸加溶媒分解反応である。
  9. 前記第13工程が下記製造工程IIIからなることを特徴とする請求項8に記載のPre-SMTPの製造方法。
    製造工程III:
    ここで、前記式(1D)で表される化合物をLiAlH4で還元して、ジオール体である式(1E)で表される化合物を得て、続いて得られた式(1E)で表される化合物をスワーン酸化後、ジアルデヒド体である式(1F)で表される化合物に変換し、次いで、得られた式(1F)で表される化合物をBBr3でメトキシ基の脱メチル化し、式(1G)で表される化合物を得て、最後に、得られた式(1G)で表される化合物を酸性下で加水分解によるTESの脱保護反応を行い、Pre-SMTPを得る。
  10. 下記式(1A),(1B),(1C)及び(1D)のいずれかで表されるジヒドロピラン構造を有する化合物の製造工程と、前記第13工程と、を含むことを特徴とする請求項8に記載のPre-SMTPの製造方法。
  11. 少なくとも、下記第8工程から下記第10工程の全ての工程及び下記第13工程で得られたPre-SMTPの溶液に
    ミノフェノール、アミノ安息香酸、アデニン、アデノシン、アミノジヒドロフタラジンジオン、オルニチン、アミノナフトールスルホン酸、スルファニル酸及びそれらの誘導体からなる群より選択されたアミン化合物を添加する工程を含むことを特徴とするStachybotrys Microspora Triprenyl Phenol(SMTPの製造方法。
    但し、式(1)中、Y1はトリエチルシリル、Y2はメチルであり、
    Xは、COOH、CHO、-CH=C(CH3)-(CH2)2-CH=C(CH3)2、及びCOOCHのいずれかである。
  12. 前記第10工程には、以下の第11工程及び第12工程が含まれることを特徴とする請求項11に記載のSMTPの製造方法。
  13. 前記第13工程において、前記式(1)が、下記式(1A),(1B),(1C)及び(1D)のいずれかで表されるジヒドロピラン構造を有する化合物であることを特徴とする請求項11に記載のSMTPの製造方法。
  14. 前記Pre-SMTPの溶液にオルニチンを添加し、下記に示すSMTP-7を製造することを特徴とする請求項11請求項13の何れか一項に記載のSMTPの製造方法。
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