JP7380822B2 - 焼結体、焼結体の製造方法、焼結体の原料粉末、及び、仮焼体 - Google Patents

焼結体、焼結体の製造方法、焼結体の原料粉末、及び、仮焼体 Download PDF

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Description

本開示は、高い耐衝撃性を有し、ジルコニアを主相とする焼結体、焼結体の製造方法、焼結体の原料粉末、及び、仮焼体に関する。
ジルコニアをマトリックスとする焼結体は、従来の粉砕媒体や構造材料などの用途に加え、時計、携帯電子機器、自動車、家電等の装飾部品などの装飾用途への適用が検討されている。装飾用途へ適用される焼結体は、外的な衝撃による破壊を防ぐため、高強度・高靭性であることが求められる。これまで、信頼性の高い材料として、高強度及び高靭性を備える種々の焼結体が報告されている。
また近年、これら高強度及び高靭性といった特徴に加えてより実用に近い衝撃が与えられた際の破壊抵抗を向上させた焼結体も報告されている。
ところで、ジルコニアセラミックスなどの焼結体は、材料の破壊抵抗を超える動的な荷重が印加された場合、脆性破壊が生じやすい。一方、荷重の印加に伴い塑性変形を起こす焼結体においては、脆性破壊の発生に先立ち、塑性変形により衝撃が吸収されるため、亀裂の発生や進展を抑えることができ、高い耐衝撃性を示す。
特許文献1では、3.4~5.0mol%のセリア、0.7~1.2mol%のイットリア含有するジルコニア粉末とアルミナ粉末と、を混合した粉末を焼結することで得られたジルコニア-アルミナ複合焼結体が報告されている。当該焼結体は、落球試験(重量:300g、高さ:350mm、サンプル形状:縦40mm×横30mm×厚み2mmの板状)において衝撃痕を形成し、落球強度は1.2J以上と優れた耐衝撃性を示すことが記載されている。
特開2021-91601号公報
特許文献1における焼結体は、セリアを使用している。セリアは特有の発色があり、これらの元素を用いると焼結体が黄色味を帯びた色調となってしまっていた。そのため、セリア由来の色調を呈色しないジルコニア本来の色調を呈する焼結体を得ることは困難であった。
本開示では、セリアに由来する呈色がなく、かつ、動的な衝撃に対して塑性変形による衝撃吸収により高い耐衝撃性を示すことを特徴とするジルコニアの焼結体、焼結体の製造方法、焼結体の原料粉末、及び、仮焼体の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は特許請求の範囲のとおりであり、また、本開示の要旨は以下のとおりである。
[1]安定化元素を含有するジルコニア、及び、酸化ゲルマニウムを含み、該ジルコニア中の安定化元素量をXmol%、酸化ゲルマニウム量をYmol%としたとき、Y/Xが0.35以上かつX+Yが4.0以下である焼結体。
[2]荷重が印加された際に塑性変形する[1]に記載の焼結体。
[3]酸化ゲルマニウムの含有量が0.1mol%以上4.0mol%以下である[1]又は[2]のいずれかに記載の焼結体。
[4]安定化元素がイットリウム、カルシウム、マグネシウム、イッテルビウム、及び、ガドリニウムの群より選ばれる少なくともいずれかを含む、[1]乃至[3]のいずれかに記載の焼結体。
[5]安定化元素の含有量が0.1mol%以上4.0mol%以下である、[1]乃至[4]のいずれかに記載の焼結体。
[6]JIS R1607で規定されたSEPB法に準じた方法で測定される破壊靭性値が6.0MPa・m0.5以上である[1]乃至[5]のいずれかに記載の焼結体。
[7]アルミナを含む[1]乃至[6]のいずれかに記載の焼結体。
[8]安定化元素を含有するジルコニア、及び、酸化ゲルマニウムを含み、該ジルコニアは、ジルコニア中の安定化元素量をXmol%、酸化ゲルマニウム量をYmol%としたとき、Y/Xが0.35以上かつX+Yが4.0以下である粉末。
[9]安定化元素を含有するジルコニア、及び、酸化ゲルマニウムを含み、該ジルコニアは、ジルコニア中の安定化元素量をXmol%、酸化ゲルマニウム量をYmol%としたとき、Y/Xが0.35以上かつX+Yが4.0以下である仮焼体。
[10][8]に記載の粉末を1100℃以上1500℃以下で、0.3時間以上20時間以下焼結することを特徴とする、[1]乃至[7]のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
[11][1]乃至[7]のいずれかに記載の焼結体を含む部材。
本開示は、セリア由来の呈色がなく、かつ、焼結体の破壊抵抗を超える衝撃に対し、脆性破壊の発生に先立ち衝撃吸収を発生させることによって、高い耐衝撃性を示すジルコニアの焼結体、その原料粉末、仮焼体、及び焼結体の製造方法の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
デュポン式落球試験機を使用した落球試験の様子を示す模式図 落球試験後の撃芯部(凹部の形成)の一例を示す模式図。 従来の焼結体の落球試験後の撃芯部付近の一例を示す模式図 落球試験における測定試料の配置の一例を示す模式図 衝撃痕の深さの測定方法を示す模式図 落球試験により破壊の態様の一例を示す模式図 (a)破壊が生じた状態、(b)破壊が生じていない状態 落球試験後の実施例2の焼結体の外観(倍率:20倍、荷重:300g、落球高さ:50cm)
以下、本開示の焼結体について実施形態の一例を示して説明する。
本実施形態の粉末から得られる焼結体(以下、「本実施形態の焼結体」ともいう。)は、塑性変形する領域を有する。塑性変形する領域とは、例えば、衝撃力が印加された場合に衝撃痕が形成される領域が挙げられる。本実施形態において「塑性変形」とは、外力の印加により生じる焼結体の変形であって、なおかつ、該外力の除去後に焼結体に残るものをいう。そのため、塑性変形は、外力を取り去った後に変形が残らない変形(いわゆる、弾性変形)や、焼結体が変形しないまま、亀裂などの欠陥の発生及び進展による破壊(いわゆる、脆性破壊)とは異なる。さらに、本実施形態における塑性変形は、高温域(例えば、800℃以上の温度域)で一定のひずみ速度で変形させた場合において、結晶粒界すべりが連続的に発生することで延びる現象、いわゆる超塑性現象による変形とも異なる。本実施形態の焼結体の耐衝撃性が改善する理由、すなわち耐衝撃性が向上する理由のひとつとして、衝撃痕が形成される領域などの塑性変形する領域(以下、「塑性変形領域」ともいう。)が、印可された衝撃力によって、伝わるエネルギーを吸収及び分散する機能を示すことが考えられる。これにより、衝撃力が印加された場合に、少なくとも、脆性破壊の発生に先立ち塑性変形が生じ、その結果、脆性破壊の発生が抑制され、耐衝撃性が向上することが考えられる。
本実施形態の焼結体は、少なくとも焼結体の一部に塑性変形領域を有していればよい(すなわち、塑性変形領域を有する焼結体であればよい)が、主として塑性変形領域からなっていてもよく、塑性変形領域からなる焼結体であってもよい。
「衝撃力」とは、焼結体にエネルギーを伝える力であり、特に動的な外力、好ましくは焼結体の破壊抵抗を超える外力、より好ましくは焼結体の破壊抵抗を超える動的な外力、さらには弾性エネルギーを焼結体に及ぼす動的な外力である。
「衝撃力が印加される」とは、少なくとも焼結体の一部にエネルギーが加えられることであり、例えば、焼結体の落下による地面等への接触や、落下物の焼結体への接触など、焼結体が被接触物と接触することによって焼結体にエネルギーが動的に加えられること、が挙げられる。
「衝撃痕」とは、焼結体に衝撃力が印加された痕跡、好ましくは衝撃力の印加によって焼結体に形成された痕跡である。換言すると、衝撃痕は、焼結体に塑性変形が生じた痕跡であり、破壊に先立ち発生した塑性変形の痕跡である。具体的な衝撃痕の態様として、撃芯部(後述)における、凹部や凹凸部、更には凹部、また更には衝撃力の印加方向に沿った凹部が例示できる。
本実施形態において、焼結体が塑性変形領域を有するか否かは、任意の方法で焼結体に衝撃力(例えば、当該焼結体の破壊を進行させる動的な外力)を印加することで、これを確認することができる。例えば、焼結体に対して衝撃力を印加し、印加後の焼結体に、凹部や凹凸部など、塑性変形が生じた痕跡(特に、破壊に先立ち変形が生じた痕跡)としての衝撃痕の形成が確認できることによって、焼結体が塑性変形領域を有することを確認できる。本実施形態の焼結体において、衝撃痕は、塑性変形に由来して形成されるが、その後(衝撃痕の形成後)に発生する亀裂などの脆性破壊に基づく欠陥を含んでいてもよい。一方、衝撃力の印加後において、亀裂などの脆性破壊に基づく欠陥のみを有する場合(すなわち、塑性変形による衝撃痕の形成を伴わずに欠陥のみが確認される場合)や、ヘルツ破壊のように破壊に由来する変形のみを有する場合(すなわち、最初に発生した亀裂等の破壊の進展により形成された変形のみが確認される場合)は、塑性変形領域を有さないと判断することができる。
塑性変形領域の存在を確認する好ましい方法として、例えば、JIS K 5600 5-3に準拠したデュポン式落球試験機を使用し、室温下、落下重りを、規定の高さから落下させる落球試験(以下、単に「落球試験」ともいう。)、が挙げられる。
図1はデュポン式落球試験機を使用した落球試験を示す模式図である。図1に示すように、落球試験において、測定試料(101)は保護テープ(107)を裏面に貼付し、円筒状の落球試験機の試料台(106)に配置され、固定用テープ(105)をその側面に貼付されることで試料台に固定されている。落下重りは、重り(104)と打ち型(ポンチ:punch;102)からなり、打ち型(102)は測定試料(101)の表面に配置されている。落球試験は、該打ち型から落下高さに相当する高さ(図1中、両矢印部に相当する高さ;200mm)から重り(104)を投下させることで行えばよい。打ち型(102)は球状(半球状)の先端を備えた円柱形状を有している。重り(104)をデュポン式落球試験機のガイド(103a,103b)に沿って落とすことで、打ち型(102)を介して測定試料(101)に所望の衝撃力を印加することができる。
図2は落球試験後の本実施形態の焼結体の外観を示す模式図である。図2で示すように、本実施形態の焼結体は、落球試験によって落下重り(打ち型)による衝撃力が印可された領域(以下、「撃芯部」ともいう。)に衝撃痕が形成されたことが確認できる。図2における衝撃痕は、撃芯部付近に凹部が形成された状態を示しており、塑性変形領域を有することが目視で確認できる。なお、図示はしていないが凹部付近に、亀裂などの脆性破壊に基づく欠陥を有していてもよい。これに対し、図3は、落球試験後の従来の焼結体の外観を示す模式図である。図3で示すように、従来の焼結体は、撃芯部での衝撃痕の形成が確認できず、亀裂など脆性破壊に基づく欠陥のみが発生している。
塑性変形領域の存否は、目視及び光学顕微鏡による観察の少なくともいずれか、更には目視、により確認すればよい。光学顕微鏡による観察における観察倍率として、1~100倍、好ましくは10~50倍が例示できる。
なお、図示はしていないが、破壊靭性が高い従来の焼結体は、落球試験前後でその外観に変化はなく、衝撃痕を確認することができない。一方、塑性変形領域を有する焼結体においては、脆性破壊に先立ち塑性変形が生じる。そのため、衝撃痕を確認することができない場合、衝撃痕が確認できるまで落下高さを高くして繰り返し落球試験を行い、凹部の形成等の衝撃痕の形成を確認することで、塑性変形領域の存否を確認することもできる。
時計や携帯電子機器の外装材などの装飾部品として許容される耐衝撃性を備えた塑性変形領域の有無を評価するため、本実施形態において、300gの落下重りを、落下高さ200mmから落下する落球試験によって塑性変形領域の有無を確認することが好ましい。
本実施形態における落球試験は、JIS K 5600 5-3に準拠したデュポン式落球試験機を使用し、室温下(20~30℃)で行うことができる。落球試験の条件として、以下の条件が挙げられる。
落下重り : (形状)半径6.35mmの球状の先端を備えた円柱状の打ち型
(質量)300g
落球高さ : 200mm
測定試料 : 縦40mm×横30mm×厚み2mmの板状であり、両表面の表面粗さRaが0.02μm以下である焼結体
測定試料は、試料片の飛散防止のため、落球試験機の試料台と、測定試料の一方の表面(縦40mm×横30mmの面;主面)を両面テープで固定して、測定試料を配置する。配置後の測定試料を固定した面と対になる主面の縦方向に沿って固定用テープ(保護テープ)を貼付し、測定試料を固定する(図4)。固定後の測定試料に対して落球試験を実施すればよい。
落球試験により形成される衝撃痕の深さとして、例えば、焼結体の厚み[mm](図2:203)に対する衝撃痕の最深部の深さ[mm](図2:204)として、0%を超え3.5%以下、更には0.05%以上3%以下、更には0.1%以上3%以下であること、が挙げられる。なお、図2における衝撃痕(凹部)の深さ(204)は深さを強調して示している。
本実施形態において、衝撃痕の深さは、一般的なレーザー顕微鏡(例えば、VK-9500/VK-9510、キーエンス社製)もしくは接触式の表面形状測定機(例えば、Dektak XTL、ブルカー社製)を使用して測定することができる。レーザー顕微鏡での測定の場合、観察倍率としては10~50倍、更には20倍であること、及び、レーザー波長は408nmであることが例示できる。
図5に、衝撃痕の深さの測定方法の一例を示す模式図を示す。衝撃痕の深さの測定方法は、以下に示す方法に限定されるものではない。本実施形態における衝撃痕の深さの測定は、落球面の上面視で略円形状に形成される衝撃痕の最大径方向であるX軸方向(503A)、及び、X軸方向に直交し、かつ、落球面内に延びるY軸方向(503B)に、それぞれラインプロファイルを行い、X軸及びY軸と直交するZ軸方向に関して、落球面の高さと衝撃痕表面の高さの差、すなわち衝撃痕の深さ(504)を測定する。X軸方向に沿って測定した最大深さをL1、Y軸方向に沿って測定した最大深さをL2とし、最大深さを平均し(=(L1+L2)/2)、得られた長さをもって、試料の衝撃痕の深さとすればよい。最深部の長さの計測における計測条件は、0.5μm/ステップが例示できる。なお、測定に先立ち、パターン長さが既知である装置付属の標準試料(例えば、パターンが刻まれたSi基板等)を測定し、その解析精度を調整すればよい。
このようなラインプロファイル及びZ軸方向の最深部の計測などの解析は、レーザー顕微鏡に付属された解析ソフト等(例えば、ソフト名:VK-H1A9VK ANALYZER Version3.0.1.0)による画像解析で行うことができる。
本実施形態の焼結体は、安定化元素を含有するジルコニア及び酸化ゲルマニウムを含み、ジルコニア中の安定化元素量をXmol%、の酸化ゲルマニウム量をYmol%としたとき、Y/Xが0.35以上であり、なおかつ、X+Yは、4.0以下である。
本実施形態の焼結体は、安定化元素を含有するジルコニアを含む焼結体であり、安定化元素を含有するジルコニアを主相とする焼結体、いわゆるジルコニア焼結体、である。
安定化元素は、ジルコニアを安定化する機能を有するものであり、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、イッテルビウム(Yb)及びジスプロシウム(Dy)の群から選ばれる1種以上があげられ、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)及びイッテルビウム(Yb)の群から選ばれる1以上であることが好ましく、イットリウム(Y)及びガドリウム(Gd)の群から選ばれる1以上であることがより好ましい。
安定化元素の含有量(以下、「安定化元素量」ともいう。)は、ジルコニアが部分安定化される量であればよい。安定化元素量は、酸化物換算で0.1mol%以上、0.2mol%以上、0.25mol%以上又は0.5mol%以上であり、かつ、4.0mol%以下、3.5mol%以下、3.0mol%以下又は3.0mol%未満であることが好ましい。本実施形態において、安定化元素量は、ジルコニア、酸化物換算した安定化元素、及び、酸化ゲルマニウムの合計に対する、酸化物換算した安定化元素の合計の割合(mol%)である。
本実施形態の焼結体は、酸化ゲルマニウムを含む。酸化ゲルマニウム(GeO)はジルコニア中に固溶していなくてもよいし、少なくとも一部が固溶していてもよい。酸化ゲルマニウムの量は、酸化物(GeO)換算で0.1mol%、0.3mol%以上又は0.5mol%以上であり、かつ、4.0mol%以下、3.5mol%以下、3.0mol%以下又は3.0mol%未満であることが挙げられる。本実施形態において、酸化ゲルマニウムの量は、ジルコニア、酸化物換算した安定化元素、及び、酸化ゲルマニウムの合計に対する、酸化ゲルマニウムの合計の割合(mol%)である。
本実施形態の焼結体のY/Xは、0.35以上であり、0.45以上、更には、0.5以上であることが好ましい。Y/Xは、4.0以下、又は、3.0以下であることが挙げられる。これらの上限及び下限は、いずれの組み合わせであってもよい。
本実施形態の焼結体のX+Yは、4.0以下であり、3.5以下、更には、3.0以下であることが好ましい。X+Yは、0.5以上、又は、1.0以上であることが挙げられる。これらの上限及び下限は、いずれの組み合わせであってもよい。
本実施形態の焼結体は、アルミナ(Al)を含んでいてもよい。本実施形態の焼結体は、アルミナを含まなくてもよいため、アルミナ含有量は0質量%以上である。アルミナを含む場合、アルミナ含有量は0質量%を超え30質量%未満が挙げられ、好ましくは0質量%を超え25質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上20質量%以下である。また、アルミナ含有量は0質量%以上、0質量%超、0.005質量%以上、0.05質量%以上又は0.25質量%以上であり、なおかつ、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下であってもよい。これらの上限及び下限は、いずれの組み合わせであってもよい。本実施形態の焼結体が透光性を得やすい点で、アルミナを含まないことが好ましい。一方、比較的低温でも緻密な焼結体が得られやすい観点から、アルミナ含有量は0.05質量%以上が好ましく、本実施形態の焼結体の機械的特性、例えば静的強度のような機械的特性、が高くなりやすいことから、アルミナ含有量は30質量%以下であることが好ましい。アルミナ含有量は、ジルコニア、酸化物換算した安定化元素、酸化ゲルマニウム及びAl換算したアルミニウムの合計量に対する、Al換算したアルミニウムの質量割合である。
本実施形態の焼結体は、顔料成分を含んでいてもよい。焼結体に含まれる顔料成分とは、焼結体を着色する機能を有する成分をいう。これにより、焼結体がジルコニア本来の色調とは異なる任意の色調を呈することができる。本実施形態の焼結体に含まれる顔料成分は、ジルコニアを着色する機能を有する元素及びその化合物の少なくともいずれかであり、例えば、希土類元素や金属元素を含む化合物、更には遷移金属元素及びこれを含む化合物であることが好ましい。具体的な顔料成分として、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及び亜鉛(Zn)の群から選ばれる1種以上の元素、並びにこれらを1種以上含む化合物であることがより好ましく、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び亜鉛の群から選ばれる元素を1種以上含む酸化物であることがさらに好ましい。顔料成分としては、例えば、ジルコニア粉末に顔料の粉末を混合したものを焼結することで、顔料粉末由来の着色元素またはその着色元素を含む化合物が、ジルコニア焼結体中に顔料成分として含まれうる。
本実施形態の焼結体における顔料成分の形態は任意であり、顔料成分は粒子(第2相粒子)して含まれていてもよく、ジルコニア中に固溶していてもよい。
本実施形態の焼結体は、顔料成分の含有量が少ないほど、塑性変形が発現しやすい傾向がある。顔料成分の含有量は0質量%を超え、0.001質量%以上であることが好ましい。焼結体が塑性変形領域を有していれば、顔料成分の含有量は任意であるが、顔料成分の含有量は、例えば、10質量%以下、7.5質量%未満、5.0質量%以下、3.5質量%以下、3.0質量%以下であることが挙げられる。これらの上限及び下限は、いずれの組み合わせであってもよい。顔料成分の含有量は、本実施形態の焼結体の質量に対する、酸化物換算した顔料成分の合計質量の割合、として求めることができる。顔料成分の酸化物換算は、例えば、コバルトはCo、鉄はFe、マンガンはMn、ニッケルはNiOであればよい。また、顔料成分が複合酸化物を形成している場合の顔料成分の含有量は、本実施形態の焼結体の質量に対する、複合酸化物換算した顔料成分の合計質量の割合、として求めることができる。
例えば、本実施形態の焼結体が、顔料成分として、それぞれ、ABO又はABで表される複合酸化物、酸化ゲルマニウム、アルミナを含み、なおかつ、安定化元素としてイットリウム及びガドリニウムを含むジルコニアの焼結体である場合、各成分の含有量は以下のように求めればよい。
顔料成分量[質量%]={(ABO+AB)/(Y+Gd+ZrO
+Al+GeO+ABO+AB)}×100
アルミナ量[質量%]={Al/(Y+Gd+ZrO
+Al+GeO+ABO+AB)}×100
酸化ゲルマニウム[mol%]={GeO/(GeO+Y+Gd+ZrO
)}×100
安定化元素量[mol%]={(Y+Gd)/
(Y+Gd+ZrO)}×100
イットリウム量[mol%]={(Y)/
(Y+Gd+ZrO)}×100
ガドリニウム量[mol%]={(Gd)/
(Y+Gd+ZrO)}×100
本実施形態の焼結体は、不可避不純物以外は含まないことが好ましい。不可避不純物としてハフニア(HfO)が例示できる。なお、本実施形態における密度等の組成に関連する値の算出においては、ハフニアはジルコニア(ZrO)とみなせばよい。
本実施形態の焼結体の色調は、顔料成分を含まない場合、白色であることが好ましく、CIE1976(L)色空間における明度Lが70以上、75以上又は80以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましい。また彩度Cは以下の式より求めることができる。
={(a+(b0.5
本実施形態の焼結体の彩度Cは、顔料成分を含まない場合、10.0未満、9.0未満または8.0未満であることが好ましく、8.0未満であることがより好ましい。これらの上限及び下限は、いずれの組み合わせであってもよい。
本実施形態の焼結体の色調は、顔料成分を含む場合は、任意であるが、CIE1976(L)色空間におけるLが0以上95以下、aが-15以上15以下、かつ、bが-30以上40以下であることが好ましい。
明度Lおよび色度a、bは、JIS Z 8722に準じた方法で、一般的な分光測色計(例えば、CM-700d、コニカミノルタ社製)を使用して測定することができる。明度Lおよび色度a、bの測定条件として、以下の条件が挙げられる。測定は、背景として黒色板を使用した測定(いわゆる黒バックの測定)とすることが好ましい。
光源 : D-65光源
視野角 : 10°
測定方式 : SCI
測定試料として、直径20mm×厚さ1.8mmの円板形状の焼結体を使用し、評価する表面を鏡面研磨処理(Ra≦0.02μm)し、色調を評価すればよい。また、色調評価有効面積として直径10mmが挙げられる。
本実施形態の焼結体は、密度が高いことが好ましく、相対密度として98%以上、好ましくは99%以上100%以下に相当する密度であることがより好ましい。
本実施形態において、実測密度はアルキメデス法により求めることができ、アルキメデス法で求まる体積に対する、質量測定により求まる質量として求まる値である。また本実施形態において、相対密度は理論密度に対する実測密度の割合から求めることができる。
本実施形態の焼結体に含まれるジルコニアは、主として正方晶からなる。ここで、ジルコニアが主として正方晶からなる、とは、ジルコニアの結晶相の50体積%以上が正方晶であることをいい、本実施形態の焼結体は、ジルコニアの結晶相の50体積%以上が正方晶であり、60体積%以上が正方晶であることが好ましい。また、本実施形態の焼結体に含まれるジルコニアは、立方晶及び単斜晶の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
正方晶率は、ジルコニアの結晶相に占める正方晶ジルコニアの割合である。粉末X線回折パターンを使用し、正方晶率は以下の式から求めることができる。
=I(111)/[I(111)+I(11-1)+I(111)+I(111)]×100
上式において、fは正方晶率(%)、I(111)及びI(11-1)は、それぞれ、単斜晶ジルコニアの(111)面及び(11-1)面に相当するXRDピークの面積強度、I(111)は正方晶ジルコニアの(111)面に相当するXRDピークの面積強度、並びにI(111)は立方晶ジルコニアの(111)面に相当するXRDピークの面積強度である。
本実施形態において、焼結体の粉末X線回折パターンは、一般的な結晶性解析X線回折装置(例えば、装置名:X‘pert PRO MPD、スペクトリス社製)により測定することができる。
測定条件として、以下の条件が挙げられる。
線源 :CuKα線(λ=1.5418Å)
測定モード :連続スキャン
スキャンスピード:4°/分
ステップ幅 :0.02°
測定範囲 :2θ=26°~33°
管電圧 :40kV
管電流 :40mA
高速検出器 :X‘Celerator + Niフィルター
本実施形態の焼結体の形状は、例えば、球状、略球状、楕円状、円板状、円柱状、立方体状、直方体状、多面体状及び略多面体状の群から選ばれる少なくともいずれかが挙げられる。更に、各種用途等、所期の目的を達成するための任意の形状であればよい。
本実施形態の焼結体は、落球強度が0.5J以上、さらには0.6J以上であることが好ましい。落球強度は耐衝撃性を示す指標のひとつであり、この値が高いほど耐衝撃性が高くなる。焼結体の落球強度として、例えば、10J以下、7J以下又は5J以下が例示できる。これらの上限及び下限は、いずれの組み合わせであってもよい。
落球強度(J)= 落下重り質量(g)×落下高さ(mm)×重力加速度(m/s
重力加速度として、9.8m/sを使用すればよい。
落球強度は、落球高さを以下に示す任意の高さとすること以外は、上述の落球試験と同様な方法により測定することができる。
落球高さ : 50~500mm
破壊の判定は、測定試料が2以上に分割された状態をもって破壊が生じているとみなすことができる(図6(a))。一方、一端から他端まで達していない亀裂が生じた場合(図6(b))は、破壊が生じていないとみなせばよい。特定の落下高さにおける落球試験で破壊が生じなかった場合、破壊が生じるまで、落下高さを500mmまで一定の高さずつ(例えば、50mmずつ)高くして繰り返し落球試験を行い、同様に目視による観察を行えばよい。若しくは、落球高さの代わりに落下重りの重さを変更して繰り返し落球試験を行ってもよい。例えば、落球高さが500mmに達しても破壊が生じなかった場合、落下重りの質量を300gから500gに変更して、再度500mmの落下高さにて落球試験を行うことで、より高い落球強度まで測定が可能である。
本実施形態の焼結体の破壊抵抗の指標として、破壊靭性値が例示できる。JIS R 1607で規定されるSEPB法によって測定される本実施形態の焼結体の破壊靭性値(MPa・m0.5)は、5.0MPa・m0.5以上又は6.0MPa・m0.5以上であり、また、20.0MPa・m0.5以下又は18.0MPa・m0.5以下であることが例示できる。
本実施形態において、曲げ強度は、JIS R 1601に準じた3点曲げ試験によって測定することができる。本実施形態の焼結体の曲げ強度としては100MPa以上であることが好ましく、300MPa以上であることがより好ましい。また、本実施形態の焼結体の曲げ強度は1800MPa以下、又は、1600MPa以下であることが例示できる。
本実施形態の焼結体は、従来の焼結体、特に構造材料、光学材料、歯科用材料等のジルコニア焼結体の用途に適用できるが、装飾品、時計や筐体などのアクセサリーのカバー用途、携帯電話などの携帯電子機器の外装部材など、比較的高い耐衝撃性が要求される部材として使用することができる。
以下、本実施形態の焼結体の製造方法について説明する。
本実施形態の焼結体は、上記の性質を有する焼結体が得られればその製造方法は任意である。本実施形態の焼結体の製造方法の一例として、安定化元素源と、ジルコニアと、ゲルマニウム源と、を含む粉末(以下、「原料組成物」ともいう。)を焼結する工程、を有する製造方法が例示できる。粉末は、どのような形態で上記の工程(以下、「焼結工程」ともいう。)に供されてもよく、例えば成形体(圧粉体)としてから焼結に供することが挙げられる。
安定化元素源は、安定化元素の酸化物及びその前駆体となる安定化元素を含む化合物の少なくともいずれかであればよく、安定化元素の酸化物の前駆体となる酸化物、水酸化物、オキシ塩化物、塩化物、酢酸塩、硝酸塩及び硫酸塩の群から選ばれる1種以上が例示でき、塩化物及び硝酸塩の少なくともいずれかであることが好ましい。(以下、安定化元素がイットリウム、ガドリニウムである場合の安定化元素源を、それぞれ、「イットリウム源」、「ガトリニウム源」ともいう。)。原料組成物における安定化元素源の含有量は、目的とする焼結体の安定化元素量と同等であればよい。
イットリウム源は、イットリア(酸化イットリウム;Y)及びその前駆体となるイットリウム化合物の少なくともいずれかであればよく、塩化イットリウム、イットリア及び炭酸イットリウムの群から選ばれる1以上が挙げられ、塩化イットリウムであることが好ましい。
ガドリニウム源は、ガドリニア(酸化ガドリニウム)及びその前駆体となるガドリニウム化合物の少なくともいずれかであればよく、塩化ガドリニウム、ガドリニア及び炭酸ガドリニウムの群から選ばれる1以上が挙げられ、塩化ガドリニウムであることが好ましい。
ゲルマニウム源は、酸化ゲルマニウム及びその前駆体となる化合物の少なくともいずれかであればよく、酸化ゲルマニウムの前駆体となるゲルマニウムの水酸化物、塩化物、アルコキシド、硝酸塩及び硫酸塩の群から選ばれる1種以上が例示でき、酸化ゲルマニウム、その前駆体となるゲルマニウムの塩化物及びアルコキシド群から選ばれる1種以上であることが好ましい。原料組成物におけるゲルマニウム源の含有量は、目的とする焼結体の安定化元素量と同等であればよい。
原料組成物は、アルミナ源を含んでいてもよい。アルミナ源は、アルミナ(Al)及びその前駆体となるアルミニウム(Al)を含む化合物の少なくともいずれかであり、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナゾル及びアルミナの群から選ばれる1以上が挙げられ、アルミナであることが好ましい。原料組成物におけるアルミナ源の含有量は、目的とする焼結体のアルミナ含有量と同等であればよい。
ジルコニアは、酸化ジルコニウム(ZrO)を使用してもよいし、安定化元素を含有する、安定化元素含有ジルコニアを使用してもよい。安定化元素含有ジルコニアとしては、例えば、イットリウム安定化ジルコニアなどが挙げられる。安定化元素含有ジルコニアを使用する場合、ジルコニアに安定化元素を含有させる方法は任意である。例えば、水和ジルコニアゾルと、目的とする安定化元素含有量と同等の安定化元素源とを混合し、乾燥、仮焼及び水洗することが挙げられる。
更には、ジルコニアとして、酸化ゲルマニウム及び安定化元素を含有する酸化ゲルマニウム含有安定化ジルコニアを使用してもよい。酸化ゲルマニウム含有安定化ジルコニアとしては、例えば、酸化ゲルマニウム含有イットリウム安定化ジルコニアなどが挙げられる。酸化ゲルマニウム含有安定化ジルコニアを使用する場合、ジルコニアに酸化ゲルマニウムを含有させる方法は任意である。例えば、水和ジルコニアゾルと、安定化元素源と、ゲルマニウム源を混合し、乾燥、仮焼及び水洗する方法や、水和ジルコニアゾルと、安定化元素源を混合し、乾燥、仮焼したのち、ゲルマニウム源を混合して仮焼する方法が挙げられる。
混合方法は任意であり、好ましくは乾式混合及び湿式混合の少なくともいずれか、より好ましくは湿式混合、更に好ましくはボールミルを使用した湿式混合である。
本実施形態の焼結体の製造方法において、原料組成物を成形して成形体(圧粉体)とする工程(以下、「成形工程」ともいう。)を含んでいてもよい。
成形体の製造方法は任意であり、ジルコニア、安定化元素源、ゲルマニウム源、並びに、必要に応じてアルミナ源などの添加剤、を任意の方法で混合、成形することが挙げられる。
形状安定性の改善のため、成形体は結合剤を含んでいてもよい。結合剤は、セラミックスの成形に使用される有機バインダーであればよく、例えば、アクリル樹脂、ポリオレフン樹脂、ワックス及び可塑剤の群から選ばれる1以上が挙げられる。結合剤の含有量として、成形体の体積に占める結合剤の割合が室温で25容量%以上65容量%以下であることが例示できる。また、成形体100質量%中、結合剤が0質量%を超え10質量%以下であることが例示できる。
成形体の形状は、焼結による収縮を考慮し、目的に応じた任意の形状であればよく、例えば、球状、略球状、楕円状、円板状、円柱状、立方体状、直方体状、多面体状及び略多面体状の群から選ばれる少なくともいずれかが挙げられる。
成形方法は、混合粉末を圧粉体としうる公知の成形方法を使用してよく、好ましくは一軸加圧成形、等方加圧成形、射出成形、押出成形、転動造粒、スリップキャスト及び鋳込み成形の群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは一軸加圧成形及び等方加圧成形の少なくともいずれか、更に好ましくは冷間静水圧プレス処理及び一軸加圧成形(粉末プレス成形)の少なくいずれか、また更に好ましくは一軸加圧成形後に冷間静水圧プレス処理をすること、である。
焼結に先立ち、成形体を仮焼して仮焼体を得る工程(以下、「仮焼工程」ともいう。)を有していてもよい。成形体を仮焼することにより、成形体から結合剤を除去することができる。
仮焼工程の条件は本実施形態の焼結体が得られれば任意であるが、大気中400℃以上1100℃未満で熱処理することが例示できる。
焼結工程は、成形体を焼結して焼結体を得る。焼結方法は焼結が進行する方法であれば任意であり、常圧焼結、加圧焼結、真空焼結等、公知の焼結方法が例示できる。好ましい焼結方法として常圧焼結が挙げられ、簡便であるため、焼結方法は常圧焼結のみであることが好ましい。これにより、本実施形態の焼結体を、いわゆる常圧焼結体として得ることができる。常圧焼結とは、焼結時に成形体(又は仮焼体)に対して外的な力を加えず、単に加熱することによって焼結する方法である。なお、焼結過程で酸化ゲルマニウム含有安定化ジルコニアの組成は変化しない。すなわち、酸化ゲルマニウム含有安定化ジルコニアの粉末と、酸化ゲルマニウム含有安定化ジルコニアの仮焼体と、酸化ゲルマニウム含有安定化ジルコニアの焼結体の組成は同一とみなしてよい。
常圧焼結の条件は、焼結温度として、1050℃以上1600℃以下、好ましくは1100℃以上1550℃以下、1100℃以上1500℃以下、又は、1150℃以上1500℃以下、が例示できる。また、焼結雰囲気として、大気雰囲気及び酸素雰囲気の少なくともいずれかが挙げられ、大気雰囲気であることが好ましい。昇温速度は20℃/時間以上5000℃/時間以下が例示できる。また、焼結時間は焼結に供する被焼結物の量及び大きさ、並びに焼結炉の特徴に応じて適宜設定すればよいが、例えば、上記の焼結温度で、0.3時間以上20時間以下、0.5時間以上20時間以下、又は、0.5時間以上15時間以下、保持することが挙げられる。
本実施形態の焼結体の製造方法に使用するジルコニアの製造方法は任意である。ジルコニアの製造方法の一例として、主相が単斜晶ジルコニアである結晶性ジルコニアを含むジルコニアゾル、及び安定化元素源、を含む組成物を、600℃以上1250℃以下で熱処理して仮焼粉末とする工程、及び、該仮焼粉末を粉砕する工程、を含む製造方法、が挙げられる。
以下に、その製造方法について具体的に説明するが、本実施形態におけるジルコニアの製造方法はこれに限定されるものではない。
主相が単斜晶ジルコニアである結晶性ジルコニアを含むジルコニアゾルの製造方法は任意であり、水熱合成法及び加水分解法の少なくともいずれかが例示できる。水熱合成法では、溶媒存在下でジルコニウム塩とアルカリ等とを混合して得られる共沈物を100~200℃で熱処理することでジルコニアゾルが得られる。また、加水分解法では、溶媒存在下でジルコニウム塩を加熱することで該ジルコニウム塩が加水分解してジルコニアゾルが得られる。このように、ジルコニアゾルは水熱合成法又は加水分解法で得られるジルコニアゾルであることが例示でき、加水分解法で得られるジルコニアゾルであることが好ましい。ジルコニアゾルの製造方法で使用される前駆体としてジルコニウム塩が挙げられる。ジルコニウム塩は、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム及び硫酸ジルコニウムの群から選ばれる1種以上が例示でき、硝酸ジルコニウム及びオキシ塩化ジルコニウムの少なくともいずれかであることが好ましく、オキシ塩化ジルコニウムであることがより好ましい。
主相が単斜晶ジルコニアであるジルコニアを含むジルコニアゾル、及び安定化元素源、を含む組成物(ジルコニア原料組成物)を、600℃以上1250℃以下で熱処理して仮焼粉末とする工程(以下、「粉末仮焼工程」ともいう。)により、ジルコニアの粉末の前駆体である仮焼粉末が得られる。
粉末仮焼工程では、500℃以上1250℃以下、更には600℃以上1250℃以下で熱処理する。熱処理が600℃以上であることで、常圧焼結で緻密化しやすい粉末が得られる。一方、熱処理が1250℃以下であることで、粉砕によって分散しやすい粉末が得られやすくなる。熱処理の時間は熱処理温度、並びに、処理に供するジルコニア原料組成物の量及び熱処理炉の特性に応じ適宜変更すればよいが、例えば30分以上6時間以下が挙げられる。得られる仮焼粉末に対し、熱処理温度への昇温速度が与える影響はほとんどないが、該昇温速度として、例えば、50℃/時間以上1000℃/時間以下が挙げられる。
熱処理の雰囲気は任意であり、酸化雰囲気、還元雰囲気、不活性雰囲気及び真空雰囲気の群から選ばれるいずれかが例示でき、酸化雰囲気であることが好ましく、大気雰囲気であることがより好ましい。
粉末仮焼工程に供するジルコニア原料組成物は、上述のジルコニアゾル、及び安定化元素源を含んでいればよく、安定化元素源の全部又は一部がジルコニアゾルに固溶していてもよい。例えば、ジルコニウム塩と安定化元素源とを混合して加水分解すること、又は、ジルコニウム塩、安定化元素源及びアルカリ等とを混合して共沈物とすること、などの方法により、安定化元素源の少なくとも一部がジルコニアに固溶しやすくなる。
粉砕工程では、仮焼粉末を粉砕処理する。安定化元素含有量が低いジルコニアは、焼結時に割れや欠けなどが発生しやすい。これに対し、仮焼粉末を粉砕処理することで焼結時の歩留まりが高くなりやすい傾向がある。
粉砕方法は任意であり、湿式粉砕及び乾式粉砕の少なくともいずれかであればよく、湿式粉砕であることが好ましく、pH<7.0(すなわち、酸性の)の水系分散媒を用いた湿式粉砕であることが好ましく、pH<5.0の水系分散媒を用いた湿式粉砕であることがより好ましい。具体的な湿式粉砕として、ボールミル及び連続式媒体撹拌ミルの群から選ばれる1以上が例示でき、ボールミルであることが好ましい。
粉砕工程に供する粉末は、仮焼粉末、又は、仮焼粉末、ゲルマニウム源及びアルミナ源を含む混合粉末であってもよい。ゲルマニウム源は上述のゲルマニウム源が例示でき、アルミナ源は、上述のアルミナ源が例示できる。
ボールミルによる粉砕条件として、例えば、仮焼粉末及び溶媒(例えば、水及びアルコールの少なくともいずれか、更には水)を混合して、スラリー質量に対する仮焼粉末の質量割合が30質量%以上60質量%以下であるスラリーとし、該スラリーを直径0.5mm以上15mm以下のジルコニアボールを粉砕媒体として、粉砕することが挙げられる。粉砕時間は、処理に供する仮焼粉末の量に応じ適宜調整すればよく、例えば、8時間以上100時間以下が挙げられる。
湿式粉砕後、任意の方法で乾燥してジルコニア粉末が得られる。乾燥条件として、大気雰囲気、110℃~130℃が例示できる。
粉末の操作性を向上させるため、粉末の製造方法において、粉末を顆粒化する工程(以下、「顆粒化工程」ともいう。)を含んでいてもよい。顆粒化は任意の方法であればよく、粉末と溶媒とを混合したスラリーを噴霧造粒すること、が挙げられる。該溶媒は水及びアルコールの少なくともいずれか、好ましくは水である。顆粒化された粉末(以下、「粉末顆粒」ともいう。)は、平均顆粒径が30μm以上80μm以下、更には50μm以上60μm以下であること、及び、嵩密度が1.00g/cm以上1.50g/cm以下、更には1.10g/cm以上1.45g/cm以下であることが挙げられる。
以下、本実施形態について実施例を使用して説明する。しかしながら、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
(塑性変形領域の確認)
JIS K 5600 5-3に準拠したデュポン式落球試験機(装置名:H-50、東洋精機社製)を使用した落球試験により、焼結体試料の塑性変形領域の存否を確認した。試験条件を以下に示す。
落下重り : (形状)半径6.35mmの球状の先端を備えた円柱状の打ち型
(質量)300g、すなわちSUS製、横80mm×厚み20m
m×高さ30mmの直方体状の質量300gの重り
落球高さ : 200mm
測定試料 : 縦40mm×横30mm×厚み2mmの板状であり、両表面(
縦40mm×横30mmの面;主面)の表面粗さがRa≦0.02μmの焼結体
測定試料は、試料片の飛散防止のため、落球試験機の試料台と、測定試料の一方の表面(縦40mm×横30mmの面)を両面テープで固定して、測定試料を配置した。配置後の測定試料の固定した面と対になる面の縦方向に沿ってテープを貼付し、測定試料を固定した)。固定後の測定試料の中央付近に落下重りが落ちるように、打ち型を配置し、落球試験を実施した。
(落球強度の測定)
落球高さを変更したこと以外は、塑性変形領域の確認における落球試験と同様な方法で落球強度を測定した。すなわち、落下重り投下後の測定試料の状態を目視で確認し、測定試料に破壊が生じていた落球高さにおける落球強度を以下の式から求めた。
落球強度(J)= 落下重り質量(g)×落下高さ(mm)×重力加速度(9.8m/

破壊の判定は、測定試料が2以上に分断された状態をもって破壊が生じているとみなした。なお、チッピングのような極微小な破片が生じ、測定試料が板状形状を維持している状態は破壊とはみなさなかった。特定の落下高さにおける落球試験で破壊が生じなかった場合、破壊が生じるまで、落下高さを50mmから500mmまで50mmずつ高くして落球試験を繰り返した。落球高さが500mmに達しても破壊が生じなかった場合、落下重りの質量を300gから500g、500gから1kgに変更して、再度500mmの落下高さにて落球試験を行った。落下重りの質量が1kgで落下高さ500mmの落球試験において破壊が生じなかった測定試料については、便宜的に、落球強度を>5J(5J超)とした。
(密度)
焼結体試料の実測密度は質量測定で測定された質量に対する、アルキメデス法で測定される体積の割合(g/cm)として求めた。測定に先立ち、乾燥後の焼結体の質量を測定した後,焼結体を水中に配置し、これを1時間煮沸し、前処理とした。理論密度(g/cm)は、焼結体のジルコニアの結晶相が全て正方晶であるとみなし、かつ、該ジルコニアの単位格子体積(cm)に対する単位格子質量(g)から求めた。
(破壊靭性)
焼結体試料の破壊靭性値は、JIS R 1607に規定されるSEPB法に準じた方法で測定した。
(曲げ強度)
焼結体試料の曲げ強度は、JIS R 1601に準じた3点曲げ試験で測定した。
(色調の測定)
JIS Z 8722に準じた方法で、焼結体試料の色調を測定した。測定には、一般的な分光測色計(装置名:CM-700d、コニカミノルタ社製)を使用し、背面に黒色板を使用した黒バック測定とした。測定条件は以下のとおりである。
光源 : D-65光源
視野角 : 10°
測定方式 : SCI
焼結体試料は、直径20mm×厚さ1.8mmの円板形状のもの使用した。焼結体試料の一方の表面を鏡面研磨処理(Ra≦0.02μm)し、当該表面を評価面として色調を評価した。色調評価有効面積は直径10mmとした。
実施例1
オキシ塩化ジルコニウム水溶液を加水分解反応して水和ジルコニアゾルを得た。イットリウム濃度が1.0mol%となるように、塩化イットリウム6水和物を、水和ジルコニアゾルに添加及び混合した。混合後、大気雰囲気で乾燥し、大気雰囲気、1000℃で2時間仮焼して、イットリウム安定化ジルコニア仮焼粉末を得た。得られた仮焼粉末を純水で水洗後、酸化ゲルマニウム濃度が2.4mol%となるように酸化ゲルマニウム粉末を添加及び湿式混合して混合粉末を得た。混合粉末を、大気雰囲気で乾燥し、大気雰囲気、800℃で2時間仮焼して、酸化ゲルマニウム含有イットリウム安定化ジルコニアからなるジルコニア粉末を得た。
得られたジルコニア粉末にpH=2となるように塩酸を添加した純水を加えてスラリーとし、ジルコニア製ボールを粉砕媒体としたボールミルで、24時間、粉砕混合した。粉砕混合後のスラリーを大気雰囲気、110℃で乾燥後、篩分けにより凝集径180μmを超える粗大粒を取り除くことで、酸化ゲルマニウム含有量が2.4mol%及び酸化イットリウム含有量が1.0mol%であり酸化ゲルマニウム含有イットリウム安定化ジルコニアからなる粉末を得た。
本実施例の粉末を、圧力50MPaの一軸加圧成形、及び、圧力196MPaでの冷間静水圧プレス(CIP)処理により、成形体とした。得られた成形体を以下の条件で仮焼した。
仮焼方法 : 常圧仮焼
仮焼雰囲気 : 大気雰囲気
仮焼温度 : 700℃
仮焼時間 : 1時間
その後、さらに以下の条件で焼結することで、酸化ゲルマニウム含有量が2.4mol%及び酸化イットリウム含有量が1.0mol%であり酸化ゲルマニウム含有イットリウム安定化ジルコニアからなる本実施例の焼結体を得た。焼結条件を以下に示す。
焼結方法 : 常圧焼結
焼結雰囲気 : 大気雰囲気
焼結温度 : 1300℃
焼結時間 : 2時間
実施例2:
酸化ゲルマニウム添加量を2.0mol%としたこと、および粉砕混合時に10質量%のアルミナ粉末をスラリーに混合したこと以外は実施例1と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が2.0mol%及び酸化イットリウム含有量が1.0mol%であるジルコニアに対し、10質量%のアルミナを含有した、酸化ゲルマニウム含有イットリウム安定化ジルコニアを含む粉末を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1350℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で本実施例の焼結体を得た。
実施例3
酸化ゲルマニウム添加量を2.0mol%としたこと、および粉砕混合時に20質量%のアルミナ粉末をスラリーに混合したこと以外は実施例1と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が2.0mol%及び酸化イットリウム含有量が1.0mol%であるジルコニアに対し、20質量%のアルミナを含有した、酸化ゲルマニウム含有イットリウム安定化ジルコニアを含む粉末を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1400℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で本実施例の焼結体を得た。
実施例4
オキシ塩化ジルコニウム水溶液を加水分解反応して水和ジルコニアゾルを得た。イットリウム濃度が1.2mol%となるように、塩化イットリウム6水和物を、水和ジルコニアゾルに添加及び混合した。混合後、大気雰囲気で乾燥し、大気雰囲気、1000℃で2時間仮焼して、イットリウム安定化ジルコニア仮焼粉末を得た。
得られたジルコニア粉末に対して1.1mol%の酸化ゲルマニウム、全固形分に対して10質量%のアルミナ、pH=2となるように塩酸を添加した純水、とを加えてスラリーとし、ジルコニア製ボールを粉砕媒体としたボールミルで、24時間、粉砕混合した。粉砕混合後のスラリーを大気雰囲気、110℃で乾燥後、篩分けにより凝集径180μmを超える粗大粒を取り除くことで、酸化ゲルマニウム含有量が1.1mol%及び酸化イットリウム含有量が1.2mol%であるジルコニアに対し、10質量%のアルミナを含有した、酸化ゲルマニウム含有イットリウム安定化ジルコニアを含む粉末を得た。
当該粉末を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で本実施例の焼結体を得た。
実施例5
塩化イットリウムの代わりに塩化ガドリニウムを1.2mol%添加したこと、酸化ゲルマニウム添加量を1.8mol%としたこと、および粉砕混合時に10質量%のアルミナ粉末をスラリーに混合したこと以外は実施例1と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が1.8mol%及び酸化ガドリニウム含有量が1.2mol%であるジルコニアに対し、10質量%のアルミナを含有した、酸化ゲルマニウム含有ガドリニウム安定化ジルコニアを含む粉末を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1350℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で本実施例の焼結体を得た。
実施例6
塩化イットリウムの代わりに塩化ガドリニウムを1.2mol%添加したこと、酸化ゲルマニウム添加量を1.2mol%としたこと以外は実施例3と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が1.2mol%及び酸化ガドリニウム含有量が1.2mol%であるジルコニアに対し、10質量%のアルミナを含有した、酸化ゲルマニウム含有ガドリニウム安定化ジルコニアを含む粉末を得た。
当該粉末を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で本実施例の焼結体を得た。
実施例7
イットリウム濃度が1.5mol%となるように、塩化イットリウム6水和物を添加したこと、酸化ゲルマニウム添加量を0.7mol%としたこと及びアルミナ添加量を0.25質量%としたこと以外は実施例4と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が0.7mol%及びイットリウム含有量が1.5mol%であるジルコニアに対し、0.25w質量%のアルミナを含有した、酸化ゲルマニウム含有ガドリニウム安定化ジルコニアを含む粉末を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1250℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で本実施例の焼結体1を得た。また、焼結温度を1450℃としたこと以外は、前述と同様の方法で本実施例の焼結体2を得た。本実施例の粉末を使用して作製した2種類の焼結体1及び2については、後述の表2中、それぞれ実施例7-1及び実施例7-2とした。
比較例1
イットリウム濃度が2.0mol%となるように、塩化イットリウム6水和物を添加したこと、酸化ゲルマニウムを添加していないこと以外は実施例1と同様の方法で、酸化イットリウム含有量が2.0mol%のイットリウム安定化ジルコニアからなるジルコニア粉末を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1450℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で、本比較例の焼結体を得た。
比較例2
セリア濃度が4.0mol%となるように、塩化セリウム7水和物を添加したこと、酸化ゲルマニウムを添加していないこと以外は実施例1と同様の方法で、酸化イットリウム含有量が1.0mol%及び酸化セリウム含有量が4.0mol%からなるセリウム及びイットリウム安定化ジルコニアからなるジルコニア粉末を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1450℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で、本比較例の焼結体を得た。
比較例3
イットリウム濃度が3.0mol%となるように、塩化イットリウム6水和物を添加したこと、酸化ゲルマニウム添加量を0.3mol%としたこと、アルミナ添加量を0.25質量%としたこと以外は実施例4と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が0.3mol%及び酸化イットリウム含有量が3.0mol%であるジルコニアに対し、0.25質量%のアルミナを含有した、酸化ゲルマニウム含有イットリウム安定化ジルコニアを含む粉末を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1200℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で、本実施例の焼結体を得た。
これらの実施例および比較例の焼結体の組成を表1に、評価結果を表2に示す。

Figure 0007380822000002
上表より実施例1乃至7の粉末は酸化ゲルマニウムを含有しており、ジルコニア粉末の安定化元素含有量に対する酸化ゲルマニウムの含有量の割合(Y/X)が、0.35以上であることが確認できる。
上表において、落球試験後の状態において衝撃痕が確認できたものについて「衝撃痕の形成」欄を「〇」とし、衝撃痕が確認できなかったものを「×」として示した。図7に実施例2の落球試験後の焼結体の外観を示す。図7より、落球試験による落下重りが接触した領域が、亀裂等の破壊を伴わずに、衝撃痕(凹部)を形成していること、すなわち、塑性変形の痕跡としての衝撃痕(凹部)が目視により確認できる。
実施例1乃至6の焼結体はいずれも、正方晶率が60%を超えており、主として正方晶からなることが確認できる。また、目視により塑性変形の痕跡としての衝撃痕を確認することができ、落球破壊エネルギーは1.0J以上であった。これらの焼結体は、目視により、図7と同様な、塑性変形の痕跡としての衝撃痕を確認することができた。
安定化元素としてイットリウムのみを含有する比較例1の焼結体は、破壊靭性値、落球破壊エネルギー共に、実施例1乃至6と比較して、低い値であることが確認できた。
また、上表より実施例1乃至実施例6はL値が80以上かつa値およびb値の絶対値が5以下であり、白色を呈していた。安定化元素としてCeOを有する比較例2の焼結体は、目視により塑性変形の痕跡としての衝撃痕を確認することができ、高い落球破壊エネルギーを有していた。一方で、L値が80未満かつa値及びb値の絶対値が5.0より大きく、セリア由来の黄色の色調を呈していた。
以上より、上記実施例の焼結体はいずれも、高い耐衝撃性、破壊靭性を有し、セリア由来の呈色がないことが確認された。
実施例8
オキシ塩化ジルコニウム水溶液を加水分解反応して水和ジルコニアゾルを得た。イットリウム濃度が1.6mol%となるように、塩化イットリウム6水和物を、水和ジルコニアゾルに添加及び混合した。混合後、大気雰囲気で乾燥し、大気雰囲気、1000℃で2時間仮焼して、イットリウム安定化ジルコニア仮焼粉末を得た。得られた仮焼粉末を純水で水洗後、酸化ゲルマニウム濃度が1.0mol%、アルミナ量が0.25質量%、酸化コバルト量が1.0質量%となるように酸化ゲルマニウム、アルミナ及び酸化コバルトを添加し、純水を加えてスラリーとした後、ジルコニア製ボールを粉砕媒体としたボールミルで粉砕混合した。粉砕混合後のスラリーを大気雰囲気、110℃で乾燥後、篩分けにより凝集径180μmを超える粗大粒を取り除くことで、酸化ゲルマニウム含有量が1.0mol%及び酸化イットリウム含有量が1.6mol%であるジルコニア粉末に対して、アルミナを0.25質量%、及び酸化コバルトを1.0質量%含有した、酸化ゲルマニウム含有イットリウム安定化ジルコニアを含む本実施例の粉末を得た。
本実施例の粉末を圧力50MPaの一軸加圧成形、及び、圧力196MPaでの冷間静水圧プレス(CIP)処理により、成形体とした。得られた成形体を以下の条件で仮焼することにより、本実施例の仮焼体を得た。
仮焼方法 : 常圧仮焼
仮焼雰囲気 : 大気雰囲気
仮焼温度 : 700℃
仮焼時間 : 1時間
その後、さらに以下の条件で焼結することで、酸化ゲルマニウム含有量が1.0mol%及び酸化イットリウム含有量が1.6mol%であるジルコニアに対して、アルミナを0.25質量%及び酸化コバルトを1.0質量%含む本実施例の焼結体を得た。焼結条件を以下に示す。
焼結方法 : 常圧焼結
焼結雰囲気 : 大気雰囲気
焼結温度 : 1400℃
焼結時間 : 2時間
実施例9
酸化ゲルマニウムの添加量を0.6mol%としたこと及び顔料成分として酸化コバルト(Co)ではなく酸化鉄(Fe)を使用したこと以外は実施例8と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が0.6mol%及び酸化イットリウム含有量が1.6mol%であるジルコニアに対して、アルミナを0.25質量%及び酸化鉄を1.0質量%含む本実施例の粉末並びに仮焼体を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1350℃としたこと以外は実施例8と同様の方法で、本実施例の焼結体を得た。
実施例10
イットリウム濃度が1.2mol%となるように、塩化イットリウム6水和物を添加したこと、酸化ゲルマニウムの添加量を1.2mol%としたこと、アルミナを添加しなかったこと及び顔料成分として酸化コバルト(Co)ではなくCoAlを0.5質量%使用したこと以外は実施例7と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が1.2mol%及び酸化イットリウム含有量が1.2mol%であるジルコニアに対して、CoAlを0.5質量%含む本実施例の粉末及び仮焼体を得た。
当該粉末を使用したこと、および焼結温度を1250℃としたこと以外は実施例8と同様の方法で、本実施例の焼結体を得た。
実施例11
顔料成分としてCoAlに加えて酸化鉄(Fe)を0.03質量%添加したこと、アルミナを10質量%添加したこと及びCoAl添加量を0.01質量%とした以外は実施例10と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が1.2mol%及び酸化イットリウム含有量が1.2mol%であるジルコニア粉末に対して、アルミナを10質量%、酸化鉄を0.03質量%、及び、CoAlを0.01質量%含む本実施例の粉末、仮焼体並びに焼結体を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1250℃としたこと以外は実施例8と同様の方法で、本実施例の焼結体を得た。
実施例12
イットリウム濃度が1.0mol%となるように、塩化イットリウムを添加したこと、酸化ゲルマニウムの添加量を2.0mol%としたこと以外は実施例10と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が2.0mol%及び酸化イットリウム含有量が1.0mol%であるジルコニアに対して、アルミナを10質量%、酸化鉄を0.03質量%、及び、CoAlを0.01質量%含む本実施例の粉末並びに仮焼体を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1250℃としたこと以外は実施例8と同様の方法で、本実施例の焼結体を得た。
実施例13
ガドリニウム濃度が1.4mol%となるように、塩化イットリウムの代わりに塩化ガドリニウムを添加したこと、CoAlの代わりに酸化ニッケル(NiO)を1質量%添加したこと以外は実施例9と同様な方法で、酸化ゲルマニウム含有量が1.2mol%及び酸化ガドリニウム含有量が1.4mol%であるジルコニアに対してNiOを1.0質量%含む本実施例の粉末及び仮焼体を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1200℃としたこと以外は実施例8と同様の方法で、本実施例の焼結体を得た。
実施例14
イットリウム濃度が0.4mol%となるように、塩化ガドリニウムに加えて塩化イットリウムを添加したこと、酸化ゲルマニウムの添加量を0.7mol%としたこと及び酸化ニッケルの代わりに酸化マンガン(Mn)を1質量%添加したこと以外は実施例12と同様な方法で、酸化ゲルマニウム含有量が0.7mol%、酸化イットリウム含有量が0.4mol%及び酸化ガドリニウム含有量が1.4mol%であるジルコニアに対して酸化マンガンを1.0質量%含む本実施例の粉末及び仮焼体を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1200℃としたこと以外は実施例8と同様の方法で、本実施例の焼結体を得た。
実施例15
酸化ゲルマニウムの添加量を1.2mol%としたこと、および、酸化マンガンを1質量%に加えて、アルミナを10質量%、酸化鉄を0.3質量%、酸化コバルトを0.3質量%添加したこと以外は実施例14と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が1.2mol%、酸化イットリウム含有量が0.4mol%及び酸化ガドリニウム含有量が1.4mol%であるジルコニアに対してアルミナを10質量%、酸化鉄を0.3質量%、酸化マンガンを1.0質量%、及び、酸化コバルトを0.3質量%含む本実施例の粉末並びに仮焼体を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1350℃としたこと以外は実施例8と同様の方法で、本実施例の焼結体を得た。
実施例16
イットリウム濃度が1.6mol%となるように塩化イットリウムを添加したこと、塩化ガドリニウムを添加しなかったこと、および酸化ゲルマニウムの添加量を0.6mol%としたこと以外は実施例15と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が0.6mol%、酸化イットリウム含有量が1.6mol%であるジルコニアに対してアルミナを10質量%、酸化鉄を0.3質量%、酸化マンガンを1.0質量%、及び、酸化コバルトを0.3質量%含む本実施例の粉末並びに仮焼体を得た。
当該粉末を使用したこと以外は実施例8と同様の方法で、本実施例の焼結体を得た。
実施例17
イットリウム濃度が2.0mol%となるように塩化イットリウムを添加したこと、酸化ゲルマニウムの添加量を0.8mol%としたこと、酸化コバルトを1質量%添加する代わりに、酸化鉄を0.01質量%、酸化マンガンを0.5質量%、CoAlを0.6質量%添加したこと以外は実施例8と同様の方法で、酸化ゲルマニウム含有量が0.8mol%、酸化イットリウム含有量が2.0mol%であるジルコニアに対してアルミナを0.25質量%、酸化鉄を0.01質量%、酸化マンガンを0.5質量%、及び、CoAlを0.6質量%含む本実施例の粉末並びに仮焼体を得た。
当該粉末を使用したこと、および、焼結温度を1450℃としたこと以外は実施例8と同様の方法で、本実施例の焼結体を得た。
これらの実施例および比較例の焼結体の組成を表3に、評価結果を表4に示す。
上表より、実施例8乃至17の粉末についても表1の粉末と同様に、酸化ゲルマニウムを含有しており、ジルコニア粉末の安定化元素含有量に対する酸化ゲルマニウムの含有量の割合(Y/X)が、0.35以上であることが確認できる。
上表より、実施例8乃至実施例17の焼結体は、顔料成分の添加により白色とは異なる色調を示し、セリア由来の呈色の影響なく所望の色調を呈色可能であることが確認された。また、実施例8乃至実施例17の焼結体は目視により塑性変形の痕跡としての衝撃痕を確認することができ、落球破壊エネルギーは1.0J以上であった。
100: 落球試験の概要を示す外観図
101: 焼結体
102: 打ち型(ポンチ)
103a、103b: ガイド
104: 落下重り
105: 固定用テープ
106: 落球試験機の試料台
107: 保護テープ
200: 落下試験後の本実施形態の焼結体
201: 焼結体
202: 衝撃痕(凹部)
203: 衝撃痕(凹部)の深さ
300: 落下試験後の従来の焼結体
301: 焼結体
302: 欠陥(亀裂)
400: 落下試験機の試料台への焼結体の設置状態を示す図
401: 焼結体
402: 固定用テープ
403: 落球試験機の試料台
404: 両面テープ(保護テープ)
500: 衝撃痕深さの測定方法を示す図
501: 焼結体
502: 衝撃痕(凹部)
503A,B: ラインプロファイル
504: 衝撃痕の深さ
601: 分割された状態の焼結体
602: 欠陥(亀裂)
702: 衝撃痕(凹部)

Claims (10)

  1. 安定化元素を含有するジルコニアを含み、酸化ゲルマニウムを含み、該ジルコニア中の安定化元素量を酸化物換算でXmol%、酸化ゲルマニウム量をYmol%としたとき、Y/Xが0.35以上かつX+Yが4.0以下であり、安定化元素がイットリウム、及び、ガドリニウムの群より選ばれる少なくともいずれかを含む、焼結体。
  2. 荷重が印加された際に塑性変形する請求項1に記載の焼結体。
  3. 酸化ゲルマニウムの含有量が0.1mol%以上4.0mol%未満である請求項1又は2に記載の焼結体。
  4. 安定化元素の含有量が酸化物換算で0.1mol%以上4.0mol%以下である、請求項1又は2に記載の焼結体。
  5. JIS R1607で規定されたSEPB法に準じた方法で測定される破壊靭性値が6.0MPa・m0.5以上である請求項1又は2に記載の焼結体。
  6. アルミナを含む請求項1又は2に記載の焼結体。
  7. 安定化元素を含有するジルコニアを含み、酸化ゲルマニウムを含み、該ジルコニアは、ジルコニア中の安定化元素量を酸化物換算でXmol%、酸化ゲルマニウム量をYmol%としたとき、Y/Xが0.35以上かつX+Yが4.0以下であり、安定化元素がイットリウム、及び、ガドリニウムの群より選ばれる少なくともいずれかを含む、粉末。
  8. 安定化元素を含有するジルコニア、及び、酸化ゲルマニウムを含み、該ジルコニアは、ジルコニア中の安定化元素量を酸化物換算でXmol%、酸化ゲルマニウム量をYmol%としたとき、Y/Xが0.35以上かつX+Yが4.0以下であり、安定化元素がイットリウム、及び、ガドリニウムの群より選ばれる少なくともいずれかを含む、仮焼体。
  9. 請求項8に記載の粉末を1100℃以上1500℃以下で、0.3時間以上20時間以下焼結することを特徴とする、請求項1又は2に記載の焼結体の製造方法。
  10. 請求項1又は2に記載の焼結体を含む部材。
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