JP7379680B2 - テルフェニル化合物の新規な塩 - Google Patents

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Description

本開示は4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの塩に関する。
化合物 4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル (ここでは化合物Aと称する)は効力のあるLSD1阻害活性として知られ、抗腫瘍剤や、癌の予防及び/又は治療剤として用いられている(特許文献1)。
そのようなLSD1阻害活性は、医薬製剤に用いられる際に安定性を示すことが望まれている。
また、取り扱いが容易なLSD1阻害活性の開発も望まれている。生物学的に活性な化合物の吸湿性は、それが潜在的な医薬組成物へ組み込まれる間に、その化合物のハンドリングに影響を与えることが知られている。吸湿性化合物には、その吸湿性が原因で、周囲の環境に存在する水量に依存して質量変化を引き起こし、このため、化合物の生物学的な効果を正確に評価したり、化合物を含んでいる医薬組成物の均一性を保証したりすることが困難になるという問題がある。そのため、吸湿性の低い活性化合物が望まれている。
WO2017/090756
本願の目的は、改善された安定性を有し、吸湿性がないか若しくは少ない、及び/又は水分を放散する性質がないか若しくは少ない、4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルを提供することにある。
化合物Aの製剤開発を目的に、化合物Aの物理化学的性質を研究していたところ、化合物Aは吸湿性を有し、また化合物Aのフリー体を高湿度の雰囲気に曝露した場合には空気中の水分を吸収し、また低湿度の雰囲気に曝露した場合には水分を放出する性質を有することが見出された。加えて、化合物Aの保存後は、類縁物質が生成した。
医薬品の工業的生産においては、原薬の成分の安定性が求められる。しかしながら、それは個々の化合物の属性に依存する。したがって、医薬品の原薬の成分として適切な性質を備える塩を予測することは困難である。かかる観点から発明者は、化合物Aの各種の塩を合成し、その特性及び安定性について検討したところ、これらの塩類とフリー体の中で、L-酒石酸塩及びそのフリー体は、吸湿性の特性を有していた。また、コハク酸塩とそのフリー体は、固体安定性に乏しかった。安息香酸塩及びソルビン酸塩だけが、水分の吸着及び/又は脱着を減少させることができ、安定であることが分かった。
例えば、本開示は以下の主題を包含する。
いくつかの態様では、4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの安息香酸塩が提供される。
また、別のいくつかの態様では、4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルのソルビン酸塩が提供される。
本開示の4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの安息香酸塩は、フリー体の化合物A及びコハク酸塩と比較して、薬剤製品に用いる薬成分として優れた固体安定性を保持している。また、フリー体の化合物A、コハク酸塩及びL-酒石酸塩と比較して、吸湿性を無くすか又は減少させることができる。
また、本開示の4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルのソルビン酸塩は、フリー体の化合物A及びコハク酸塩と比較して、薬剤製品に用いる薬成分として優れた固体安定性を有しており、フリー体の化合物A及びL-酒石酸塩と比較して、吸湿性を減少させることができる。
図1は、化合物Aの安息香酸塩の粉末X線回折スペクトルである。縦軸は強度(counts)を表し、横軸は回折角(2θ)を表す。 図2は、化合物Aの安息香酸塩の示差走査熱量(DSC)曲線である。縦軸は示差走査熱量(W/g)を表し、横軸は温度(℃)を表す。 図3は、化合物Aの安息香酸塩の水分吸着/脱着等温曲線である。縦軸は重量変化比率(%)を表し、横軸は相対湿度(% RH)を表す。 図4は、化合物Aのフリー体であるC型結晶の粉末X線回折スペクトルである。縦軸は強度(counts)を表し、横軸は回折角(2θ)を表す。 図5は、化合物Aのフリー体であるC型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線である。縦軸は示差走査熱量(W/g)を表し、横軸は温度(℃)を表す。 図6は、化合物Aのフリー体であるC型結晶Cの水分吸着/脱着等温曲線である。縦軸は重量変化比率(%)を表し、横軸は相対湿度(% RH)を表す。 図7は、化合物Aのコハク酸塩の粉末X線回折スペクトルである。縦軸は強度(counts)を表し、横軸は回折角(2θ)を表す。 図8は、化合物Aのコハク酸塩の示差走査熱量(DSC)曲線である。縦軸は示差走査熱量(W/g)を表し、横軸は温度(℃)を表す。 図9は、化合物Aのコハク酸塩の水分吸着/脱着等温曲線である。縦軸は重量変化比率(%)を表し、横軸は相対湿度(% RH)を表す。 図10は、化合物AのL-酒石酸塩の粉末X線回折スペクトルである。縦軸は強度(counts)を表し、横軸は回折角(2θ)を表す。 図11は、化合物AのL-酒石酸塩の示差走査熱量(DSC)曲線である。縦軸は示差走査熱量(W/g)を表し、横軸は温度(℃)を表す。 図12は、化合物AのL-酒石酸塩の水分吸着/脱着等温曲線である。縦軸は重量変化比率(%)を表し、横軸は相対湿度(% RH)を表す。 図13は、化合物Aのソルビン酸塩の粉末X線回折スペクトルである。縦軸は強度(counts)を表し、横軸は回折角(2θ)を表す。 図14は、化合物Aのソルビン酸塩の示差走査熱量(DSC)曲線である。縦軸は示差走査熱量(W/g)を表し、横軸は温度(℃)を表す。 図15は、化合物Aのソルビン酸塩の水分吸着/脱着等温曲線である。縦軸は重量変化比率(%)を表し、横軸は相対湿度(% RH)を表す。
本開示で「化合物A」と記載した場合は、フリー体としての4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルを意味する。4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルは以下の構造を有する。
化合物Aは、国際公開番号WO2017/090756において実施例化合物37として記載されている。また、当該文献の開示はその全体を本明細書に援用する。
本開示において、「安息香酸塩」と「ベンゾエート」は互換的に使用されることがある。
本開示において、「ソルビン酸塩」と「ソルベート」は互換的に使用されることがある。
粉末X線回折スペクトルにおいて、データの性質上、結晶の同一性を認定する際は、回折角や全体的なパターンが重要となりうる。粉末X線回帰スペクトルの相対強度は結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって多少変動し得るものであるから、厳密に解されるべきではない。
本開示において、粉末X線回折スペクトルにおける「回折角(2θ±0.2°)」の語は、別途明記されていない限り、その値の±0.2°の範囲にあればよいことを意味する。各種パターンから得られる数値は、結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって多少の誤差が生じる場合がある。
本開示において、示差走査熱量(DSC)曲線における吸熱ピークのピーク温度に用いられる「付近」の語は、おおよそその温度の値であることを意味し、好ましくはその数値の±5°C範囲内にあればよいことを意味する。さらに好ましくは、その値の±2°Cの範囲にあればよいことを意味する。
本開示における塩及び/又は結晶形態とその中間体は、再結晶化、結晶化、蒸留抽出、及びカラムクロマトグラフィーといった、よく知られた分離精製手段によって単離及び精製することができる。
本開示の塩及び/又は結晶形態に光学異性体、立体異性体、互変異性体、若しくは回転異性体が存在し得るが、明示的に記載されていない時、塩及び/又は結晶形態は、それらの異性体を別個に、若しくはそれらの混合物として包含することを意図している。例えば、別途明記されていない限り、本開示の塩及び/又は結晶形態がラセミ体と分かる場合、ラセミ体から分割できるエナンチオマー及び/又はジアステレオマーもまた本開示に含有されるものとみなす。一般的にエナンチオマー及び/又はジアステレオマーは、周知の合成方法で得られることができる。
本明細書において、別途明記されていない限り、用語「結晶」とその関連用語は、化合物、物質、改変体、材料、成分、若しくは生成物を説明するために使用される場合には、そのような化合物、物質、改変体、材料、成分、若しくは生成物がX線回折によって決定される時に実質的に結晶構造であることを意味する。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott, Williams and Wilkins社、ボルチモア、メリーランド州(2005年)や、The United States Pharmacopeia、第23版1843-1844(1995年)を参照のこと。
本明細書において、別途明記されていない限り、用語「結晶形態」とその関連用語は、結晶である固体形態を意味する。結晶形態としては、単一成分の結晶形態及び複合成分の結晶形態が挙げられ、任意選択で共結晶、塩(医薬として許容し得る塩を含む)、多形形態、溶媒和物、水和物、及び/又は他の分子複合体を含んでもよいが、それらに限定されない。特定の実施形態では、物質の結晶形態は、非晶質形態及び/又は他の結晶形態を実質的に含まない。特定の実施形態では、物質の結晶形態は、質量基準で約0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、又は50%未満の1つ又は複数の非晶質形態及び/又は別の結晶形態を含む。
特定実施形態では、結晶形態は無水形態である。また特定の実施形態では、結晶形態は水和物である。
本明細書において、別途明記されていない限り、用語「多形体」、「多形形態」とその関連用語は、同じ一つの分子、同じ複数の分子及び/又は同じ複数のイオンから本質的に成る2つ以上の結晶形態を指す。異なる結晶形態と同様、結晶格子中の分子及び/又はイオンの配列又は配置の結果として、異なる多形体は、例えば融解温度、融解熱、溶解度、溶解特性及び/又は振動スペクトルといった異なる物性を有し得る。物性の違いは、貯蔵安定性、圧縮性及び密度(製剤化及び工業生産において重要になる)、及び溶解速度(生物学的利用能において重要な要因である)などの薬学的パラメータに影響する場合がある。安定性の違いは、化学反応性における変化(例えば別の多形体で構成された時より、ある多形体で構成された時のほうが、剤形がより急速に変色するような酸化の差)、機械的変化(例えば、動力学上好ましい多形形態が熱力学的により安定した多形形態に変形する時に、保存中に錠剤が崩壊する)、又はその両方(例えば、1つの多形形態の錠剤は高湿度下においてより分解しやすい)により生じる場合がある。溶解度/溶解の差の結果、極端な場合、一部の固体物性を有する変異は効力が不足する結果となり、さらに極端な場合、毒性を有する結果となり得る。さらに、物性は、加工において重要となり得る(例えば、ある多形体は、溶媒和物を形成しやすい可能性があり、又は不純物を濾過及び洗浄して除去することが難しい可能性があり得る。また、粒子の形状と粒度分布は多形体間で異なり得る)。
本明細書において、別途明記されていない限り、用語「非晶質」「非晶質形態」とその関連用語は、当該物質、成分又は生成物が、X線回折により決定される場合に実質的に結晶ではないことを意味する。特に、用語「非晶質形態」は無秩序な固体形態、すなわち長距離にわたる結晶秩序を欠く固体形態のことを示す。
結晶形態及び非晶質形態を特性決定するための技術は、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、X線粉末回折(XRPD)、単結晶X線回析、振動スペクトル法(例えば赤外(IR)及びラマン分光法)、固体及び溶液核磁気共鳴(NMR)分光法、光学顕微鏡検査法、ホットステージ顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法(SEM)、電子線結晶構造解析及び定量分析、粒径分析(PSA)、表面積分析、溶解度測定、溶解測定、元素分析及びカール・フィッシャー分析を含むが、それらに限定されない。特徴的な単位格子パラメータは、単結晶回折及び粉末回折を含むX線回折及び中性子回折などの、1つ又は複数の解析方法を用いて決定されてもよいが、それらに限定されない。粉末回折データを分析するために有用な技術としては、リートベルト精密化などのプロファイル精密化が挙げられ、これは、例えば2種以上の固相を含むサンプル中の単一相に関連する回折ピークを分析するために用いられる。粉末回折データを分析するのに役立つ他の方法としては、単位格子インデックス化が挙げられ、この方法は、当業者が結晶粉末を含有するサンプルから単位格子パラメータを決定することを可能にする。
本開示のいくつかの態様は、4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの安息香酸塩又はベンゾエートを含む。
化合物Aの安息香酸塩は、化合物Aの安息香酸との塩形態、例えばモノベンゾエート(1安息香酸塩)、ヘミベンゾエート(1/2安息香酸塩)、ジベンゾエート(2安息香酸塩)などのうちの任意の一つであり得る。その用語は、化合物Aの安息香酸の結晶形態及び化合物Aの安息香酸の非晶質形態の両方を含む意味で使用される。好ましい実施形態では、化合物Aの安息香酸塩は化合物Aのモノベンゾエートである。別の好ましい実施例では、化合物Aの安息香酸塩は結晶である。また別の好ましい実施例では、化合物Aの安息香酸塩は化合物Aのモノベンゾエートの結晶である。
多形形態があればそれらを含む単一の結晶形及び非晶質形態が、化合物Aの安息香酸塩の範囲内に包含される。
そのような結晶は、当該技術分野において公知の結晶化により製造することができる。化合物Aの安息香酸塩は溶媒和物(例えば水和物)であってもよいし、又は非溶媒和物であってもよい。そのようないずれの形式も本開示の塩の範囲に含まれる。
化合物Aの安息香酸塩は、化合物Aの安息香酸塩のラベル体、すなわち化合物Aの安息香酸塩の1つ以上の原子を放射性同位元素又は非放射性同位元素と置き換えた化合物であってもよい。
化合物Aの安息香酸塩の結晶は、非晶質状態の化合物Aの安息香酸塩の結晶化や、化合物Aの安息香酸塩を合成した後の反応生成物からの結晶化又は再結晶により製造することができる。
化合物Aの安息香酸塩は、化合物Aを安息香酸と反応させることにより製造することができる。化合物Aは、その開示全体が本明細書に組み込まれるWO2017/090756 PCT国際公開公報に記載された方法を含むがこれに限定されない当該技術分野における任意の公知の方法によって製造することができる。化合物Aの安息香酸との反応は溶媒中で行なわれてもよい。溶媒の例としては、単一溶媒として、n-ヘプタン及びn-ヘキサンなどの炭化水素;酢酸エチル、n-酢酸プロピル、及び酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン及びメチルイソブチルケトンなどのケトン;メタノール、エタノール、1-プロパノール及び2-プロパノールなどのアルコール;アセトニトリル;テトラヒドロフラン及び2-メチルテトラヒドロフランなどのテトラヒドロフラン;及び混合溶媒として、上記溶媒のうちのいずれかと水との混合溶媒が挙げられる。
化合物Aの安息香酸塩の結晶化に使用される好ましい溶媒の例としては、n-ヘプタン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、n-ヘプタンとメチルエチルケトンの混合溶媒、エタノール、エタノールと水の混合物、ケトン、酢酸エチル、2-メチルテトラヒドロフランが挙げられるがこれらに限定されない。
溶媒の量(v/w)は、好ましくは化合物Aの安息香酸塩の量の5倍以上かつ40倍以下であり、より好ましくは化合物Aの安息香酸塩の量の5倍以上かつ20倍以下であり、さらに好ましくは化合物Aの安息香酸塩の量の7倍以上かつ15倍以下である。溶解温度及び結晶化温度は、好ましくは0℃以上、かつ100℃以下である。
析出した結晶は、例えば、ろ過、有機溶媒による洗浄、減圧乾燥等の公知の分離精製手段によって、結晶が溶解している溶液や混合溶液から単離精製することができる。洗浄に使用される有機溶媒としては、例えばアルコール、ケトン、アセトニトリル等が挙げられる。
いくつかの実施形態では、化合物Aの安息香酸塩の結晶は15.3°、16.2°、17.8°、21.4°及び25.5°から成る群より選択された回折角(2θ±0.2°)の2以上、3以上、4以上又は5つのピークを有する粉末X線回折スペクトルを有する。粉末X線回折スペクトルは、実施例の試験条件に従って測定することができる。
いくつかの実施形態では、化合物Aの安息香酸塩の結晶は図1の粉末X線回折スペクトルを有する。
いくつかの実施形態では、化合物Aの安息香酸塩の結晶は、約188℃、約189℃、約190℃、約191℃、約192℃、約193℃又は約194℃から、約192℃、約193℃、約194℃、約195℃、約196℃、約197℃又は約198℃までの範囲の示差走査熱量(DSC)曲線におけるピーク温度を有する。いくつかの実施形態では、化合物Aの安息香酸塩の結晶は、188℃から198℃までの範囲、191℃から195℃までの範囲、190℃から194℃までの範囲、又は192℃から196℃までの範囲のDSC曲線におけるピーク温度を有する。いくつかの実施形態では、化合物Aの安息香酸塩の結晶は193℃付近にDSC曲線におけるピーク温度を有する。
いくつかの実施形態では、化合物Aの安息香酸塩の結晶は、図2のピーク温度を有する。
いくつかの実施形態では、化合物Aの安息香酸塩の結晶は、15.3°、16.2°、17.8°、21.4°及び25.5°から成る群より選択された回折角(2θ±0.2°)の2以上、3以上、4以上又は5つのピークを有する粉末X線回折スペクトルを有し、かつ約188℃、約189℃、約190℃、約191℃、約192℃、約193℃又は約194℃から約192℃、約193℃、約194℃、約195℃、約196℃、約197℃又は約198℃までの範囲のDSC曲線におけるピーク温度を有する。
いくつかの実施形態では、化合物Aの安息香酸塩の結晶は、15.3°、16.2°、17.8°、21.4°及び25.5°から成る群より選択された回折角(2θ±0.2°)の2以上、3以上、4以上又は5つのピークを有する粉末X線回折スペクトルを有し、かつ188℃から198℃までの範囲、191℃から195℃までの範囲、190℃から194℃までの範囲、192℃から196℃までの範囲、又は193℃付近のDSCにおけるピーク温度を有する。
別のいくつかの実施形態では、化合物Aの安息香酸塩の結晶は、図1の粉末X線回折スペクトルと、図2の示差走査熱量(DSC)曲線におけるピーク温度を有する。
特定のいくつかの実施形態では、本明細書に示された化合物Aの安息香酸塩の結晶性形態は、物理的及び/又は化学的に純粋であってよい。特定のいくつかの実施形態では、本明細書に示された化合物Aの安息香酸塩の結晶性形態は、少なくとも約100%、約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約89%、約88%、約87%、約86%、約85%、約84%、約83%、約82%、約81%又は約80%物理的及び/又は化学的に純粋であってよい。いくつかの実施形態では、本明細書に示された化合物Aの安息香酸塩の結晶性形態は、本質的に純粋である。
本明細書で使用され、かつ別途明記されていない限り、「本質的に純粋」な特定の結晶形態又は非晶質形態を含む試料、例えば、他の固体形態及び/又は他の化合物を本質的に含まない試料は、特定のいくつかの実施形態において、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.75%未満、約0.5%未満、約0.25%未満又は約0.1%未満の重量パーセントの1又は複数の他の固体形態及び/又は他の化合物を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に示された化合物Aの安息香酸塩の結晶性形態は、約1週以上、約2週以上、約3週以上、約4週以上、約5週以上、約6週以上、約7週以上、約8週以上、約12週以上、約16週以上、約24週以上、約36週以上、約48週以上、約60週以上、約72週以上、約84週以上、約96週以上、約108週以上、約120週以上、約132週以上、約144週以上、又は約156週以上、かつ約160週以下、約156週以下、約150週以下、約138週以下、約126週以下、約114週以下、約102週以下、約90週以下、約78週以下、約66週以下、約54週以下、約42週以下、約30週以下、約24週以下、約18週以下又は約6週以下の間、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃又は80℃の温度と約65%、約70%、約75%、約80%又は約85%の相対湿度との条件に曝露されても安定である。この条件は閉鎖条件であってもよいし、開放条件であってもよい。本明細書で使用する場合、「閉鎖」条件は、試料を収容している瓶の蓋が安定性実験の最中に閉鎖しているか又は密閉されることを意味し得る。また、「開放」条件は、蓋が開いていることを意味し得る。追加のいくつかの実施形態では、本明細書に示された化合物Aの安息香酸塩の結晶性形態は、約1週以上、約2週以上、約3週以上、約4週以上、約5週以上、約6週以上、約7週以上、約8週以上、約9週以上、約10週以上、約11週以上、約12週以上、約13週以上、約14週以上、約15週以上、約16週以上、約17週以上、約18週以上、約19週以上、約20週以上、約21週以上又は約22週以上の間、約40℃の温度及び約75%の相対湿度の条件に曝露されても安定である。いくつかの実施形態では、条件は閉鎖条件である。さらなる実施形態では、本明細書に示された化合物Aの安息香酸塩の結晶性形態は、約4週間、約40℃の温度及び約75%の相対湿度の条件に曝露されても安定である。いくつかの実施形態では、条件は閉鎖状態である。したがって、本明細書に示された化合物Aの安息香酸塩の結晶性形態は、長期間にわたり優れた貯蔵安定性を示す。本明細書において、「安定である」とは、(i)光学純度の変化が初期の光学純度と比較して約1.0以下、約0.5以下、約0.3以下、約0.1以下、約0.05以下、又は約0.01%以下であるか、(ii)不純物の増加が初期の不純物の量と比較して約1.0%以下、約0.5%以下、約0.3%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下であるか、及び/又は(iii)X線回折パターンが、初期の(2θ±0.2°)のピークの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、又90%以上を維持していることを意味する。
本開示のいくつかの態様に使用されている化合物Aの安息香酸塩は、化合物Aのフリー体及び調べた化合物Aの他の塩類よりも吸湿性が低い。フリー体及び調べた化合物Aの塩類のうち、化合物Aの安息香酸塩は水分吸着及び/又は脱着の減少の点で優れている。
本開示のいくつかの態様に使用されている化合物Aの安息香酸塩は、化合物Aの安息香酸塩を加速試験で4週間保存した後で、本質的に類縁物質が生成せず、化合物Aの安息香酸塩の純度が化合物Aのフリー体、コハク酸塩及びソルビン酸塩よりも高く維持される点で、化合物Aのフリー体、化合物Aのコハク酸塩、化合物Aのソルビン酸塩よりも固体安定性に優れている。したがって、化合物Aの安息香酸塩は医薬品又は医薬品用の薬の成分に必要な優れた特性を有する。
本開示の別のいくつかの態様は、4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルのソルビン酸塩又はソルベートを含む。
化合物Aのソルビン酸塩は、化合物Aのソルビン酸との塩形態、モノソルベート、ヘミソルベート、ジソルベートなどのうちの任意の一つであり得る。その用語は、化合物Aのソルビン酸の結晶形態及び化合物Aのソルビン酸の非晶質形態の両方を含む意味で使用される。
好ましい実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩は化合物Aのモノソルベートである。
別の好ましい実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩は結晶である。また別の好ましい実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩は化合物Aのモノソルベートの結晶である。
多形形態があればそれらを含む単一の結晶形及び非晶質形態が、化合物Aのソルビン酸塩の範囲に包含される。
そのような結晶は、当該技術分野において公知の結晶化により製造することができる。化合物Aのソルビン酸塩は溶媒和物(例えば水和物)であってもよいし、又は非溶媒和物であってもよい。そのようないずれの形式も本開示の塩の範囲に含まれる。
化合物Aのソルビン酸塩は、化合物Aのソルビン酸塩のラベル体、すなわち化合物Aのソルビン酸塩の1つ以上の原子を放射性同位元素又は非放射性同位元素と置き換えた化合物であってもよい。
化合物Aのソルビン酸塩の結晶は、非晶質状態の化合物Aのソルビン酸塩の結晶化や、化合物Aのソルビン酸塩を合成した後の反応生成物からの結晶化又は再結晶により製造することができる。
化合物Aのソルビン酸塩は、化合物Aをソルビン酸と反応させることにより製造することができる。好ましいいくつかの実施形態では、化合物Aのソルビン酸との反応は溶媒中で行なわれてもよい。溶媒の例としては、単一溶媒として、n-ヘプタン及びn-ヘキサンなどの炭化水素;酢酸エチル、n-酢酸プロピル、及び酢酸ブチルなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン及びメチルイソブチルケトンなどのケトン;メタノール、エタノール、1-プロパノール及び2-プロパノールなどのアルコール;アセトニトリル;テトラヒドロフラン及び2-メチルテトラヒドロフランなどのテトラヒドロフラン;及び混合溶媒として、上記溶媒のうちのいずれかと水との混合溶媒が挙げられる。化合物Aのソルビン酸塩の結晶化に使用される好ましい溶媒の例としては、n-ヘプタン、n-ヘプタンとアルコール(例、1-プロパノール、2-プロパノール)の混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
溶媒の量(v/w)は、好ましくは化合物Aのソルビン酸塩の量の5倍以上かつ40倍以下であり、より好ましくは化合物Aのソルビン酸塩の量の5倍以上かつ20倍以下であり、さらに好ましくは化合物Aのソルビン酸塩の量の7倍以上かつ15倍以下である。溶解温度及び結晶化温度は、好ましくは0℃以上、かつ100℃以下である。
析出した結晶は、例えば、ろ過、有機溶媒による洗浄、減圧乾燥等の公知の分離精製手段によって、結晶が溶解している溶液や混合溶液から単離精製することができる。洗浄に使用される有機溶媒としては、例えばアルコール、ケトン、アセトニトリル等が挙げられる。
本開示のいくつかの態様において使用される化合物Aのソルビン酸塩は、化合物Aのフリー体、コハク酸塩、及びL-酒石酸塩よりも吸湿性が低い。
いくつかの実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩の結晶は5.5°、10.9°、16.2°、17.2°、20.3°及び24.4°から成る群より選択された回折角(2θ±0.2°)の2以上、3以上、4以上、5以上又は6つのピークを有する粉末X線回折スペクトルを有する。粉末X線回折スペクトルは、実施例の試験条件に従って測定することができる。
いくつかの実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩の結晶は図13の粉末X線回折スペクトルを有する。
いくつかの実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩の結晶は、約142℃、約143℃、約144℃、約145℃、約146℃、約147℃又は約148℃から、約147℃、約148℃、約149℃、約150℃、約151℃、約152℃又は約153℃までの範囲の示差走査熱量(DSC)曲線におけるピーク温度を有する。いくつかの実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩の結晶は、142℃から152℃までの範囲、145℃から149℃までの範囲、144℃から148℃までの範囲、又は146℃から149℃まで範囲のDSC曲線におけるピーク温度を有する。いくつかの実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩の結晶は147℃付近にDSC曲線におけるピーク温度を有する。
いくつかの実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩の結晶は、示差走査熱量(DSC)曲線において図14のピーク温度を有する。
いくつかの実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩の結晶は、5.5°、10.9°、16.2°、17.2°、20.3°及び24.4°から成る群より選択された回折角(2θ±0.2°)の2以上、3以上、4以上、5以上又は6つのピークを有する粉末X線回折スペクトルを有し、かつ約142℃、約143℃、約144℃、約145℃、約146℃、約147℃又は約148℃から約147℃、約148℃、約149℃、約150℃、約151℃、約152℃又は約153℃までの範囲のDSC曲線におけるピーク温度を有する。
いくつかの実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩の結晶は、5.5°、10.9°、16.2°、17.2°、20.3°及び24.4°から成る群より選択された回折角(2θ±0.2°)の2以上、3以上、4以上、5以上又は6つのピークを有する粉末X線回折スペクトルを有し、かつ142℃から152℃までの範囲、145℃から149℃までの範囲、144℃から148℃までの範囲、146℃から149℃までの範囲、又は147℃付近におけるDSC曲線におけるピーク温度を有する。
別のいくつかの実施形態では、化合物Aのソルビン酸塩の結晶は、図13の粉末X線回折スペクトルと、図14の示差走査熱量(DSC)曲線におけるピーク温度を有する。
特定のいくつかの実施形態では、本明細書に示された化合物Aのソルビン酸塩の結晶性物理的及び/又は化学的に純粋であってよい。特定のいくつかの実施形態では、本明細書に示された化合物Aのソルビン酸塩の結晶性形態は、少なくとも約100%、約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約89%、約88%、約87%、約86%、約85%、約84%、約83%、約82%、約81%又は約80%物理的及び/又は化学的に純粋であってよい。いくつかの実施形態では、本明細書に示された化合物Aのソルビン酸塩の結晶性形態は、本質的に純粋である。本命最初で使用され、かつ別途明記されていない限り、「本質的に純粋な」特定の結晶性形態又は非晶質形態を含む試料、例えば、他の固体形態及び/又は他の化合物を本質的に含まない試料は、特定のいくつかの実施形態において、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.75%未満、約0.5%未満、約0.25%未満又は約0.1%未満の重量パーセントの1又は複数の他の固体形態及び/又は他の化合物を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に示された化合物Aのソルビン酸塩の結晶性形態は、約1週以上、約2週以上、約3週以上、約4週以上、約5週以上、約6週以上、約7週以上、約8週以上、約12週以上、約16週以上、約24週以上、約36週以上、約48週以上、約60週以上、約72週以上、約84週以上、約96週以上、約108週以上、約120週以上、約132週以上、約144週以上、又は約156週以上、かつ約160週以下、約156週以下、約150週以下、約138週以下、約126週以下、約114週以下、約102週以下、約90週以下、約78週以下、約66週以下、約54週以下、約42週以下、約30週以下、約24週以下、約18週以下又は約6週以下の間、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃又は80℃の温度と約65%、約70%、約75%、約80%又は約85%の相対湿度との条件に曝露されても安定である。この条件は閉鎖条件であってもよいし、開放条件であってもよい。本明細書で使用する場合、「閉鎖」条件は、試料を収容している瓶の蓋が安定性実験の最中に閉鎖しているか又は密閉されることを意味し得る。また、「開放」条件は、蓋が開いていることを意味し得る。追加のいくつかの実施形態では、本明細書に示された化合物Aのソルビン酸塩の結晶性形態は、約1週以上、約2週以上、約3週以上、約4週以上、約5週以上、約6週以上、約7週以上、約8週以上、約9週以上、約10週以上、約11週以上、約12週以上、約13週以上、約14週以上、約15週以上、約16週以上、約17週以上、約18週以上、約19週以上、約20週以上、約21週以上又は約22週以上の間、約40℃の温度及び約75%の相対湿度の条件に曝露されても安定である。いくつかの実施形態では、条件は閉鎖条件である。さらなる実施形態では、本明細書に示された化合物Aのソルビン酸塩の結晶性形態は、約4週間、約40℃の温度及び約75%の相対湿度の条件に曝露されても安定である。いくつかの実施形態では、条件は閉鎖状態である。したがって、本明細書に示された化合物Aのソルビン酸塩の結晶性形態は、長期間にわたり優れた貯蔵安定性を示す。本明細書において、「安定である」とは、(i)光学純度の変化が初期の光学純度と比較して約1.0以下、約0.5以下、約0.3以下、約0.1以下、約0.05以下、又は約0.01%以下であるか、(ii)不純物の増加が初期の不純物の量と比較して約1.0%以下、約0.5%以下、約0.3%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、又は約0.01%以下であるか、及び/又は(iii)X線回折パターンが、初期の(2θ±0.2°)のピークの10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、又90%以上を維持していることを意味する。
本開示のいくつかの態様に使用されている化合物Aのソルビン酸塩は、化合物Aのソルビン酸塩を加速試験で4週間保存した後で、少量の類縁物質しか生成せず、化合物Aのソルビン酸塩の純度が化合物Aのフリー体及びコハク酸塩よりも高く維持される点で、化合物Aのフリー体及び化合物Aのコハク酸塩よりも固体安定性に優れている。医薬品として開発される候補化合物が固体安定性を備えることは、工業上の操作においても、また、品質を保つ上でも、重要である。したがって、化合物Aのソルビン酸塩は医薬品又は医薬品用の薬の成分に必要な優れた特性を有する。
化合物Aの安息香酸塩及びソルビン酸塩は、優れた保存安定性及び耐吸湿性を有する。このため、これらの塩類は医薬組成物の医薬品原料として有用である。
化合物Aの安息香酸塩及びソルビン酸塩は、優れたSLD1阻害活性を有するため、これらの化合物はLSD1関連の疾患を予防及び治療するための医薬製剤として有用である。
用語「LSD1関連の疾患又は障害」には、LSD1の機能を欠失、抑制及び/又は阻害することによって、発症率の低下、症状の寛解、緩和、及び/又は完治する疾患が挙げられる。このような疾患として、例えば、悪性腫瘍等が挙げられるがこれに限定されない。化合物A又はその塩によって治療される悪性腫瘍の種類は特に制限はされない。そのような悪性腫瘍の例としては、頭頚部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、胆道癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨肉腫、軟部組織肉腫、白血病、骨髄異形性症候群、慢性骨髄増殖性疾患、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、皮膚癌、脳腫瘍、中皮腫等が挙げられる。好ましい例としては、肺癌(非小細胞肺癌、小細胞肺癌等)、白血病、骨髄異形性症候群が挙げられる。より好ましくは、例は肺癌(非小細胞肺癌、小細胞肺癌など)及び白血病を含む。
化合物Aの化合物A及びソルビン酸塩の安息香酸塩の各々は、粉砕するかまたは粉砕することなく、種々の形態の医薬組成物、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、ドライシロップ剤等の経口剤、坐剤、吸入剤、点鼻剤、軟膏剤、硬膏剤、エアゾール剤等の外用剤、注射剤に加工することができるが、これらのうち、経口剤が望ましい。
化合物Aの安息香酸塩又は化合物Aのソルビン酸塩を医薬製剤として使用するにあたっては、必要に応じて薬学的担体を配合し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能である。該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等のいずれでもよい。これらのうち、経口用製剤は望ましい。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
薬学的担体としては、製剤素材として慣用の各種有機或いは無機担体物質が用いられ得る。例えば、そのような材料は、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤等、液状製剤における溶媒、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、pH調節剤・緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、矯味・矯臭剤、安定化剤等の製剤添加物を用いることもできる。
経口固形製剤は以下のように準備される。化合物Aの安息香酸塩又は化合物Aのソルビン酸塩に賦形剤と、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。
賦形剤としては、乳糖、ショ糖、D-マンニトール、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、無水ケイ酸等が挙げられる。結合剤としては、水、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、α-デンプン液、ゼラチン液、D-マンニトール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。矯味・矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
経口用液体製剤を調製する場合は、化合物Aの安息香酸塩又は化合物Aのソルビン酸塩に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えてもよく、得られた混合物は常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等に処方することができる。
この場合、矯味・矯臭剤としては、前記に挙げられたものでよく、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。必要により、腸溶性コーティング又は、効果の持続を目的として、経口製剤に公知の方法により、コーティングを施すこともできる。このようなコーティング剤にはヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、Tween80(登録商標)等が挙げられる。
注射剤を調製する場合は、化合物Aの安息香酸塩又は化合物Aのソルビン酸塩にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加してもよい。得られた混合物は、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤に処方することができる。
使用可能なpH調節剤及び緩衝剤の例としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。使用可能な安定化剤の例としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。使用可能な局所麻酔剤の例としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。使用可能な等張化剤の例としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖、D-マンニトール、グリセリン等が挙げられる。
上記の各投与単位形態中に配合されるべき化合物Aの安息香酸塩及び化合物Aのソルビン酸塩の各々の量は、これを適用すべき患者の症状により、或いはその剤形等により一定ではないが、一般に、経口剤、注射剤、及び坐薬の場合には、本開示化合物の量は、投与単位形態あたり、0.05~1000mg、注射剤では0.01~500mg、坐剤では1~1000mgとするのが望ましい。
また、上記投与形態を有する薬剤の1日当たりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、成人(体重50kg)の化合物Aの安息香酸塩又は化合物Aのソルビン酸塩の1日当たりの投与量は、通常0.05~5000mg、好ましくは0.1~1000mgとすればよく、これを1日1回又は2~3回程度に分けて投与するのが好ましい。
添付の請求項にかかわらず、本開示の態様及び典型的な実施形態が次の条項により記載される。
項1.4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの安息香酸塩。
項2.結晶を含む項1に記載の安息香酸塩。
項3.前記結晶が無水物である項2に記載の安息香酸塩。
項4.前記結晶が水和物である項2に記載の安息香酸塩。
項5.前記結晶が15.3°、16.2°、17.8°、21.4°及び25.5°から成る群より選択された回折角(2θ±0.2°)の少なくとも2つのピークを有する粉末X線回折スペクトルを有する項2に記載の安息香酸塩。
項6.前記結晶が15.3°、16.2°、17.8°、21.4°及び25.5°の回折角(2θ±0.2°)のピークを有する粉末X線回折スペクトルを有する項2に記載の安息香酸塩。
項7.前記結晶が示差走査熱量(DSC)曲線において193℃付近の吸熱ピークのピーク温度を有する項2~6のいずれか1項に記載の安息香酸塩。
項8.前記結晶が示差走査熱量(DSC)曲線において188℃から198℃までの範囲の吸熱ピークのピーク温度を有する項2~6のいずれか1に記載の安息香酸塩。
項9.化合物Aの安息香酸塩の結晶性形態の光学純度が、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上又は99.8%以上である項2~8のいずれか1項に記載の安息香酸塩。
項10.前記結晶が図1の粉末X線回折スペクトルを有する項2~9のいずれか1項に記載の安息香酸塩。
項11.4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルのソルビン酸塩。
項12.結晶を含む項11に記載のソルビン酸塩。
項13.前記結晶が無水物である項12に記載のソルビン酸塩。
項14.前記結晶が水和物である項12に記載のソルビン酸塩。
項15.前記結晶が5.5°、10.9°、16.2°、17.2°、20.3°及び24.4°から成る群より選択された回折角(2θ±0.2°)の少なくとも2つのピークを有する粉末X線回折スペクトルを有する項12に記載のソルビン酸塩。
項16.前記結晶が15.3°、16.2°、17.8°、21.4°及び25.5°の回折角(2θ±0.2°)のピークを有する粉末X線回折スペクトルを有する項12に記載のソルビン酸塩。
項17.前記結晶が示差走査熱量(DSC)曲線において147℃付近の吸熱ピークのピーク温度を有する項12~16のいずれか1項に記載のソルビン酸塩。
項18.前記結晶が示差走査熱量(DSC)曲線において142℃から152℃までの範囲の吸熱ピークのピーク温度を有する項12~16のいずれか1項に記載のソルビン酸塩。
項19.化合物Aのソルビン酸塩の結晶性形態の光学純度が、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上又は99.8%以上である項12~18のいずれか1項に記載のソルビン酸塩。
項20.前記結晶が図13の粉末X線回折スペクトルを有する項12~19のいずれか1項に記載のソルビン酸塩。
項21.項1~20のいずれか1項に記載の塩を有効成分として含有するLSD1阻害剤。
項22.項1~20のいずれか1項に記載の塩を含有する医薬組成物。
項23.組成がLSD1関連疾患又は障害を予防するか治療するための医薬組成物である項22による医薬組成物。
項24.経口で投与された組成である項22又は23による医薬組成物。
項25.項1~20のいずれか1項に記載の塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
項26.有効な量の請求項1~20のいずれか一項に記載の塩を患者に投与することを含む、治療を必要とする患者におけるLSD1関連疾患又は障害を治療する方法。
項27.LSD1関連疾患又は障害の予防及び/又は治療に使用される項1~20のいずれか1項に記載の塩化合物。
項28.抗腫瘍剤の製造における項1~20のいずれか1項に記載の塩の使用。
項29.4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルを安息香酸と反応させることを含む、4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの安息香酸塩の製造方法。
項30.4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルを溶媒中で安息香酸と混合すること、及び
得られた4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの安息香酸塩を結晶形態で分離すること
を含む(4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの安息香酸塩の結晶の製造方法。
項31.溶媒は炭化水素、エステル、ケトン、アルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、前記溶媒のうちのいずれかの混合物、又は1又は2以上の前記溶媒と水との混合物を含む項30に記載の製造方法。
項32.4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルをソルビン酸と反応させることを含む、4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルのソルビン酸塩の製造方法。
項33.4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルを溶媒中でソルビン酸と混合すること、及び
得られた(4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルのソルビン酸塩の結晶を結晶形態で分離すること
を含む4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルのソルビン酸塩の結晶の製造方法。
項34.前記溶媒は炭化水素、エステル、ケトン、アルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、前記溶媒のうちのいずれかの混合物、又は1又は2以上の前記溶媒と水との混合物を含む項33に記載の製造方法。
以下に、本開示を、特定の実施例を参照しながら説明するが、本開示はそのような特定の実施例により限定されるものではない。
1. 粉末X線回折測定
粉末X線回折は、試験物質を必要に応じてメノウ製乳鉢で軽く粉砕した後、次の試験条件に従い測定した。
装置:EMPYREAN (Malvern PANalytical)
反射法(集約法)
ターゲット:Cu
X線管電流:40mA
X線管電圧:45kV
走査範囲:2θ=5.0~40.0°
ステップサイズ:2θ=0.0131°
走査速度:0.0015/秒
発散スリット:1°
散乱スリット:2.0mm
受光スリット:8.0mm
データ処理を含む装置の取り扱いは、各装置で指示された方法及び手順にしたがった。
なお、各種スペクトルから得られる数値は、その結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件等によって多少変動する場合がある。したがって、それらの数値は厳密に解されるべきではない。
2.熱分析測定(示差走査熱量測定(DSC測定))
DSC測定は次の試験条件に従って測定した。
装置:DSC1 STARシステム、SETTLER TOLEDO)
試料:約1mg(L-酒石酸塩のみ、例外で0.5mg)
試料容器:アルミニウム製
昇温範囲:25℃から300℃まで
昇温速度:10℃/分
雰囲気ガス:窒素
窒素ガス流量:30 mL/分
データ処理を含む装置の取り扱いは、各装置で指示された方法及び手順にしたがった。
製造例1:4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル(化合物A)の調製
化合物Aは、PCT WO2017/090756号公報に記載された実施例化合物37の合成方法により調製した。
製造例2:化合物Aの安息香酸塩の結晶の合成
260mgの安息香酸を26mLのメチルイソブチルケトンに溶解し、混合物を製造例1の方法によって得られた1000mgの化合物Aに加えた。懸濁液を室温で約16.5時間撹拌し、濾過し、固形物を集めて乾燥させ、845.2mgの標題の結晶を得た(収率:67%)。
得られた結晶に対し、粉末X線回折、示差走査熱量 (DSC)測定、及び水分吸脱着試験を行った。
図1は、化合物Aの安息香酸塩の結晶の粉末X線回折スペクトルである。図13は、化合物Aの安息香酸塩の結晶の示差走査熱量 (DSC)曲線である。
図1において、化合物Aの安息香酸塩の結晶は粉末X線回折スペクトルにおいて15.3°、16.2°、17.8°、21.4°及び25.5°の回折角(2θ±0.2°)に特徴的ピークを有していた。化合物Aの安息香酸に対するモル比は1:1であった。
図2において、結晶は、示差走査熱量(DSC)曲線において193℃付近の吸熱ピークのピーク温度を有している。
製造例3:化合物Aのフリー体(フリー塩基)の結晶の合成
4mLのジイソプロピルエーテルを400mgの製造例1の方法により得られた化合物Aに加えた。懸濁液を50℃で一晩撹拌し、固形物を集めて乾燥させ、310mgの標題の結晶を得た(収率:78%)。
得られた結晶に対し、粉末X線回折、示差走査熱量 (DSC)測定、及び水分吸脱着試験を行った。
図4は、化合物Aのフリー体であるC型結晶の結晶の粉末X線回折スペクトルである。C型結晶の結晶は、化合物Aのフリー体の結晶の中でも最も熱力学的に安定した結晶形態である。図5は、化合物Aのフリー体であるC型結晶の結晶の示差走査熱量(DSC)曲線である。
図4において、化合物Aのフリー体の結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて5.9°、7.5°、10.4°、14.8°、19.7°及び22.0°の回折角(2θ±0.2°)に特徴的なピークを有していた。
図5において、結晶は、示差走査熱量(DSC)曲線において138℃付近の吸熱ピークのピーク温度を有している。
製造例4:化合物Aのコハク酸塩の結晶の合成
240mgのコハク酸及び15mLのアセトニトリルを、600mgの製造例3の方法により得られた化合物Aのフリー体であるフリー体 (つまりフリー塩基)の結晶に加えた。懸濁液を50℃で2時間撹拌し、ろ過紙、固形物を集めて乾燥し、634mgの標題の結晶を得た(収率:85%)。
得られた結晶に対し、粉末X線回折、示差走査熱量 (DSC)測定、及び水分吸脱着試験を行った。
図7は、化合物Aのコハク酸塩の結晶の粉末X線回折スペクトルである。図8は、化合物Aのコハク酸塩の結晶の示唆走査熱量(DSC)曲線である。
図7において、化合物Aのコハク酸塩の結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて6.3°、12.4°、18.0°、21.1°、22.2°及び24.8の回折角(2θ±0.2°)に特徴的なピークを有していた。
図8において、結晶は、示差走査熱量(DSC)曲線において164℃付近の吸熱ピークのピーク温度を有している。
製造例5:化合物AのL-酒石酸塩の結晶の合成
165mgのL-酒石酸と25mLのメタノールを、500mgの製造例1の方法により得られた化合物Aに加えた。懸濁液を50℃で約100分、40℃で約100分、及び25℃で約19時間半、この順で撹拌し、濾過し、固形物を集めて乾燥させ、166mgの標題の結晶を得た(収率:25%)。
得られた結晶に対し、粉末X線回折、示差走査熱量 (DSC)測定、及び水分吸脱着試験を行った。
図10は、化合物AのL-酒石酸塩の結晶の粉末X線回折スペクトルである。図11は、化合物AのL-酒石酸塩の結晶の示差走査熱量(DSC)曲線である。
図10において、化合物Aのコハク酸塩の結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて6.3°、11.8°、12.6°、18.8°、及び19.6°の回折角(2θ±0.2°)に特徴的なピークを有していた。
図11において、結晶は、示差走査熱量(DSC)曲線において215℃付近の吸熱ピークのピーク温度を有している。
製造例6:化合物Aのソルビン酸塩の結晶の合成
70.5mgのソルビン酸と7.5mLの酢酸エチルを、300mgの製造例1の方法により得られた化合物Aに加えた。懸濁液を50℃で約90分間撹拌し、ろ過し、固形物を集めて乾燥させ、167mgの標題の結晶を得た(収率:45%)。
得られた結晶に対し、粉末X線回折、示差走査熱量 (DSC)測定、及び水分吸脱着試験を行った。
図13は、化合物Aのソルビン酸塩の結晶の粉末X線回折スペクトルである。図14は、化合物Aのソルビン酸塩の結晶の示差走査熱量(DSC)曲線である。
図13において、化合物Aのソルビン酸塩の結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて5.5°、10.9°、16.2°、17.2°、20.3°及び24.4°の回折角(2θ±0.2°)に特徴的なピークを有していた。
図14において、結晶は、示差走査熱量(DSC)曲線において147℃付近の吸熱ピークのピーク温度を有している。
試験例1
水分吸脱着試験
水分吸脱着試験は、次の試験条件に従って測定した。約10mgの試料を専用の石英製ホルダーに充填し、以下の条件下で試料の各湿度における重量を連続的に測定し記録した。なお、データ処理を含む装置の取扱いは、各装置で指示された方法及び手順にしたがった。
装置:VTI SA+(ティー・エイ・インスツルメント社製)
乾燥温度:60℃
昇温速度:1℃/分
乾燥の平衡:300分を超えない範囲で、5分間で0.01wt%減少しないことを確認
測定温度:25℃
加湿の平衡:120分を超えない範囲で、5分間で0.01wt%増加しないことを確認
相対湿度プログラム:5~95%RHまで5%RHずつ上げ、95%RH~5%RHまで5%RHずつ下げる
図3、図6、図9、図12及び図15はそれぞれ、製造例2で製造した化合物Aの安息香酸塩の結晶、製造例3で製造した化合物Aのフリー体、製造例4で製造した化合物Aのコハク酸塩、製造例5で製造した化合物AのL-酒石酸塩、及び製造例6で製造したソルビン酸塩の水分吸脱着等温曲線である。
図6に見られるように、化合物Aのフリー体を測定条件の範囲内にある5~95%の相対湿度で湿らせた場合、その重量変化は最大で約+5.6%w/wであった。湿度を95%の相対湿度から下げると、合物Aはほぼ初期状態に戻った。すなわち、化合物Aのフリー体は湿度に応じて水分を吸脱着するチャネルハイドレートの性質を有していることが分かった。
対照的に、化合物Aの安息香酸塩の重量変化は最高でも+0.7%w/wであり、化合物Aのソルビン酸塩の重量変化は最高でも+1.9%w/wであった。いずれも湿度を下げると、初期状態に戻った。従って、化合物Aの安息香酸塩と化合物Aのソルビン酸塩は、水分の吸着性及び/又は脱着性がより低く、チャネルハイドレートの性質が減じられていることが確認された。
化合物AのL-酒石酸塩の重量変化は、+7.8%w/wであった。
試験例2
固体安定性試験(加速試験)
製造例2-4及び6で得られた化合物Aの安息香酸塩、化合物Aのフリー体、化合物Aのコハク酸塩、及び化合物Aのソルビン酸塩を、60℃/周囲湿度(密封条件)で4週間保存したときの固体安定性を、次の条件で測定した。
保存量:約25~50mg
保存容器:褐色ガラス容器
試料溶液の調製方法:試料の濃度が0.5mg/mLとなるように試料を50%アセトニトリルに溶解させた。
試料溶液中の類縁物質量をHPLC分析にて測定した。なお、データ処理を含む装置の取扱いは、各装置で指示された方法及び手順にしたがった(装置 島津製作所 Prominence-i)。類縁物質とは、各試料溶液中の出発物質(化合物A又はその塩)以外に検出される1又は複数の物質を指す。
カラム:Zorbax Eclipse Plus C18(4.6×150mm、3.5μm、アジレント・テクノロジー)
UV検出:220nm
カラム温度:40℃
カラム流速:1.0mL/分
インジェクション量:5μL
サンプルクーラー:5℃
試料の濃度:0.5mg/mL
移動相A:10mmol/Lリン酸塩緩衝液(pH6.5):アセトニトリル混合溶液(9:1)
移動相B:アセトニトリル
グラジエント:移動相A及び移動相Bの混合比を表1におけるように調節した。
表2は、保存前と、密封状態での60℃での保存4週間後の類縁物質の測定された質量に関する評価結果を示す。
化合物Aの安息香酸塩は、他の試料と比べて、純度が高く維持され、驚くべきことに、類縁物質が殆ど生じなかった。化合物Aの安息香酸塩は特に優れた固体安定性を示すことが確認された。
試験例3
ラットにおける薬物動態(PK)試験で、3つの薬、すなわち化合物Aのフリー体、化合物Aの安息香酸塩、及び化合物Aのソルビン酸塩の各々のAUC、Cmax(μM)、及びTmax(hr)を計算した。各薬は32mg/5mL/kgの用量で動物に投与した。化合物Aのフリー体、化合物Aの安息香酸塩、及び化合物Aのソルビン酸塩類のAUCは、それぞれ16.04のμM hr、16.13μM hr及び11.64μM hrであった。3つの化合物のCmaxは、2.56μM、2.68μM、及び2.03μMであった。3つの化合物のTmaxは、4.0時間、2.7時間及び2.3時間であった。塩の形態でさえ優れた薬の吸収が達成されることが明らかとなった。

Claims (21)

  1. 4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの安息香酸塩。
  2. 結晶である請求項1に記載の塩
  3. 前記結晶が15.3°、16.2°、17.8°、21.4°及び25.5°から成る群より選択された回折角(2θ±0.2°)の少なくとも2つのピークを有する粉末X線回折スペクトルを有する請求項2に記載の塩
  4. 前記結晶が示差走査熱量(DSC)曲線において193℃付近の吸熱ピークのピーク温度を有する請求項2又は3に記載の塩
  5. 前記結晶が示差走査熱量(DSC)曲線において188℃から198℃までの範囲の吸熱ピークのピーク温度を有する請求項2又は3に記載の塩
  6. 前記結晶が下の図の粉末X線回折スペクトルを有する請求項2~5のいずれか1項に記載の塩
  7. 4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルのソルビン酸塩。
  8. 結晶である請求項7に記載の塩
  9. 前記結晶が5.5°、10.9°、16.2°、17.2°、20.3°及び24.4°から成る群より選択された回折角(2θ±0.2°)の少なくとも2つのピークを有する粉末X線回折スペクトルを有する請求項8に記載の塩
  10. 前記結晶が示差走査熱量(DSC)曲線において147℃付近の吸熱ピークのピーク温度を有する請求項8又は9に記載の塩
  11. 前記結晶が示差走査熱量(DSC)曲線において142℃から152℃までの範囲の吸熱ピークのピーク温度を有する請求項8又は9に記載の塩
  12. 前記結晶が下の図の粉末X線回折スペクトルを有する請求項8~11のいずれか1項に記載の塩
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の塩を有効成分として含有するLSD1阻害剤。
  14. 請求項1~12のいずれか1項に記載の塩を含む医薬組成物。
  15. LSD1関連疾患又は障害を予防又は治療するための医薬組成物である請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 経口投与用組成物である請求項14又は15に記載の医薬組成物。
  17. 請求項1~12のいずれか1項に記載の塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
  18. SD1関連疾患又は障害の予防及び/又は治療に使用される請求項1~12のいずれか1項に記載の
  19. 抗腫瘍剤の製造における請求項1~12のいずれか1項に記載の塩の使用。
  20. 4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルを安息香酸と反応させることを含む、4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの安息香酸塩の製造方法。
  21. 4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルをソルビン酸と反応させることを含む、4-[5-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-カルボニル]-2-[2-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)フェニル]フェニル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルのソルビン酸塩の製造方法。
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