JP7377456B2 - 設備の検証装置及び検証方法 - Google Patents
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Description
このような検査設備は、制御機器の機能及び性能に基づく要求データ(入力条件)と、正常な制御機器が検査設備からの要求データに対して行う動作結果とを予めデータテーブルに保有している。
検査設備40は、電子コントロールユニットから受信した応答データ(動作結果)をデータテーブルと照合し、適否を表示部40aに表示する。オペレータは、表示部40aに表示された照合結果(OK表示,NG表示)を確認して車両Vに搭載された制御機器の動作適否を判定する。
検査設備の作動を検証する際、複数の完成車両を準備して制御機器の動作を実際に確認することは、非効率的である。そこで、近年、実際の完成車両を用いることなく、コンピュータや制御機器の機能を模倣可能なエミュレータ(Emulator)を用いて検証している。
エミュレータは、検査設備から要求データを受信し、この要求データに対応した応答データを完成車両に代わって検査設備に送信している。
しかし、特許文献1の技術では、データテーブルを作成するための専用の制御プログラムが必要になるため、設備全体が大掛かりになり、設備の制御が複雑化する虞がある。
即ち、検査設備の仕様変更等の際、オペレータは、データテーブル作成用プログラムの作成に加えて、OK判定となる制御フローを全て作成してOK表示を確認すると共にNG判定となる制御フローを全て作成してNG表示を確認しなければならない。
特に、要求データ及び応答データの項目数が多い場合や、他の処理よりも先行する処理にサブループ処理が含まれた検証を行う場合、処理手順が大規模になり、オペレータが検査設備の処理手順を漏れなく全て網羅する制御フローを作成することは容易ではない。
前記データ記憶部は、前記複数の処理の実行順序が規定されると共に単一の要求データに対して前記複数の応答データが割付けられたデータテーブルを有するため、設備が行うべき全検証作業を実行順序が規定された処理毎に分類することができ、設備の単一の処理を一単位とした動作バリエーションを容易に抽出することができる。
前記検証部は、前記設備の最終処理における動作検証が完了してから前記最終処理から順々に実行順序を遡るように動作検証を行うため、設備が行うべき全検証作業を処理毎に短時間で漏れなく実行することができる。
この構成によれば、設備が行うべき全検証作業を処理毎に対応した並列概念として分類することができ、データテーブルを容易に作成することができる。
この構成によれば、全検証作業を時系列で管理することができ、検証作業の未完了をリスト形式で容易に判定することができる。
この構成によれば、検査設備が行うべき全検証作業を処理毎に短時間で漏れなく実行することができる。
前記設備が行う複数の処理に夫々対応した応答データを前記データ記憶部に記憶させると共に、前記複数の処理の実行順序を規定し且つ単一の要求データに対して前記複数の応答データを割付けるデータ割付工程を有するため、設備が行うべき全検証作業を実行順序が規定された処理毎に分類することができ、設備の単一の処理を一単位とした動作バリエーションを容易に抽出ることができる。前記送信部から送信された応答データに基づき前記設備の最終処理における動作検証が完了してから前記最終処理から順々に実行順序を遡るように動作検証を行う動作検証工程を有するため、設備が行うべき全検証作業を処理毎に短時間で漏れなく実行することができる。
この構成によれば、設備が行うべき全検証作業を処理毎に対応した並列概念として分類することができ、データテーブルを容易に作成することができる。
この構成によれば、全検証作業を時系列で管理することができ、検証作業の未完了をリスト形式で容易に判定することができる。
この構成によれば、検査設備が行うべき全検証作業を処理毎に短時間で漏れなく実行することができる。
本実施例1に係る検証装置は、実機に対して要求データ(入力条件)を送信すると共に実機からの要求データに対する応答データ(動作結果)を受信する検査設備の処理動作を、実機の機能を信号的に模倣可能なエミュレータ(Emulator)を用いることで実機が存在していない仮想環境において検証する装置である。
コンベア1により搬送される車両が何れかの検査ステーションSt1~St3に搬送された際、該当する検査ステーションSt1~St3に配置された検査設備3~5のデータレコーダ(図示略)から延びるケーブルが車両の電子コントロールユニットから延びる制御ケーブルに接続され、車両に搭載された制御機器(例えば、シート制御装置等)の動作が順次確認される。検査設備3~5は、要求データを送信すると共に、電子コントロールユニットから受信する応答データを各々が保有するデータテーブルと照合することで制御機器の動作適否を確認し、OK又はNG表示を行う。
例えば、検査設備4は、要求データを送信可能な送信部(図示略)と、応答データを受信可能な受信部(図示略)と、工場のホストコンピュータ(図示略)に接続されると共に受信した応答データと設計仕様に適合したデータ(正確な動作結果)が記載されたデータテーブルとを照合する制御部(図示略)と、照合結果をOK又はNG表示を行う表示部4a(モニタ)と、伝送ケーブル4b等を備えている。検査設備3,5は、検査対象である制御機器の検査項目を除き、検査設備4と同様の構成である。
(処理1)車両番号の要求(「車両番号は適正か」)
(処理2)仕向地の要求(「仕向地は適正か」)
(処理3)制御機器の動作適否の要求(「動作は適正か」)
検査設備4から要求データを受信した車両は、要求データに対応した応答データを検査設備4に対して送信する。
図2に示すように、検査設備4は、処理1の段階で、車両から受信した応答データ(車両番号)が正確ではない場合(S1 No)、表示部4aにNGが表示され(S5)、処理2,3は実行されない。また、検査設備4は、処理1がOKであっても(S1 Yes)、処理2がNG(仕向地が不適合)の場合(S2 No)、処理3を実行することなく、NGを表示する(S5)。つまり、処理1~3が全てOK判定されたときのみ(S1 Yes,S2 Yes,S3 Yes)、OK表示される(S4)。
オペレータは、表示部4aに表示された検査結果を確認して完成車両の適否を判定する。
エミュレータ2は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)により構成され、車両に搭載された制御機器の正常状態及び異常状態の応答データ(送信信号)を、信号種別、出力値、出力時間及び出力先アドレス等全て模擬可能に形成されている。
これにより、検査設備4を車両が存在しない仮想環境で動作させて、検査設備4の動作の適否を検証している。尚、以下の検証装置の説明は、設備の検証方法の説明を含むものである。
尚、「~の動作を行いなさい」という要求データに対して、OKである「~の動作をしました」というデータ内容と共に、「~の動作をできません」、「異なる動作の実施」、或いは「回答なし」という4通りのNGデータ内容でデータテーブルTを構成しても良い。また、処理2のように、OKであるデータ内容が複数存在しても良い。
更に、データテーブルTの項目は、少なくとも、処理、データパターン番号、及びデータ内容が存在すれば良く、その他の項目は、省略可能である。
具体的には、処理1,2をOKと模擬的に見做した後、データテーブルT中、処理3に規定された全てのデータ内容についてOK又はNG表示を行い、この判定結果をオペレータが確認する。これにより、処理1,2にて発生する可能性がある重複した検証フローを回避することができ、全検証作業を短時間で漏れなく実行することができる。
処理3の検証後、処理2の検証を行い、処理2の検証後、処理1の検証が行われる。
図5に示すように、検証部23は、エミュレータ2が、現在実行中の処理の全応答データを検査設備4に返信した場合、処理毎に返信した日時をデータテーブルTの処理時刻欄に記録している。
図7に示すように、検証部23は、処理1のデータ内容のうち何れかのデータ内容が送信されていない場合、例えば、検査設備4の不具合に起因して処理1の全応答データの返信が完了しない場合、検査設備4にて、データテーブルTの読み出し操作が行われても、処理1の処理時刻欄がブランク(空白)のデータテーブルTBが表示される。
尚、図中、Si(i=11,12,…)は、各ステップを示す。また、検査設備4は、エミュレータ2の制御処理が終了するまで図2に示す制御処理を無制限に繰り返す。
次に、現在実行中の処理の番号(以下、実行処理番号と略す。)、及び現在取得されているデータパターン番号(以下、取得済データパターン番号と略す。)を一旦初期化して(S12)、S13に移行する。
ここで、基点とは、図2に示す処理1~3の検証を実行する上で、必ず通る地点である。
本実施形態では、例として「スタート」(開始点)を基点として設定する。
尚、処理1~3に先行して必ず通る処理が別に存在する場合には、この上流側処理を「スタート」に代えて基点に設定することが可能である。
最終処理とは、検査設備4の検証を行う全ての処理のうち最後に検証を行う処理である。具体的には、検査設備4が行う処理1~3を全てYesにしたとき、基点直前の判断を伴う処理(処理3)に相当している。
エミュレータ2は、決定された最終処理から検証を開始するため、検査設備4の検証を開始する場合、最終処理である処理3を実行処理番号として特定する。
次に、実行処理における最初のデータパターン番号を取得する(S16)。
例えば、今回初めて処理3を検証する場合、データテーブルTに基づきデータパターン番号(インプット3-1)を取得する。
S17の判定の結果、取得済データパターンのデータ内容が検査設備4に未返信の場合、S18に移行して、現在の取得済データパターン番号を特定し、S19に移行する。
S19では、特定した実行処理番号及び取得済データパターン番号を記憶する。
次に、データテーブルTに基づき特定した実行処理番号における取得済データパターンのデータ内容を検査設備4に返信し(S20)、S21に移行する。
S21の判定の結果、実行処理が基点の場合、基点の直前処理の検証が完了しているため、基点の直前処理の全取得済データパターンに実施した処理時刻を記録する(S22)。S21の判定の結果、実行処理が基点ではない場合、実行処理の検証が完了したか否か判定する(S26)。
S24では、基点の処理が完了したか否か判定する。S24の判定の結果、基点の処理が完了した場合、検査設備4の検証が全て完了したため、実施時刻記録リスト(データテーブルTA)を印字(出力)して終了する。S24の判定の結果、基点の処理が完了していない場合、新たに設定された実行処理の番号を特定するため、S15に移行する。
S27の判定の結果、取得済データパターンがこの実行処理で検証する最後のデータパターンではない場合、この実行処理で未だ検証されていないデータパターンが存在しているため、検証されていない次のデータパターンを取得済データパターンに設定し(S30)、S17に移行する。
本実施形態によれば、検査設備4から送信された要求データを受信する受信部24と、検査設備4が行う複数の処理1~3に夫々対応したデータ内容(応答データ)が記載されたデータテーブルTを記憶する記憶部22と、要求データ受信時、記憶部22に記憶されたデータ内容を送信する送信部25とを有するため、実機である対象物を準備することなくデータ内容を送信することができ、仮想環境で検査設備4の動作を検証することができる。記憶部22は、複数の処理1~3の実行順序が規定されると共に単一の要求データに対して複数のデータ内容が割付けられたデータテーブルTを有するため、検査設備4が行うべき全検証作業を実行順序が規定された処理毎に分類することができ、検査設備4の単一の処理を一単位とした動作バリエーションを容易に抽出することができる。
検証部23は、検査設備4の最終処理3における動作検証が完了してから最終処理3から順々に実行順序を遡るように動作検証を行うため、検査設備4が行うべき全検証作業を処理毎に短時間で漏れなく実行することができる。
1〕前記実施形態においては、車両の検査設備4の検証装置及び検証方法の例を説明したが、特に検査設備に限られず、加工設備等種々の設備に適用可能である。また、対象物が車両の検査設備の例を説明したが、車両に限られるものではない。
4 検査設備
21 データ生成部
22 記憶部
23 検証部
24 受信部
25 送信部
T,TA データテーブル
Claims (8)
- 対象物に対して要求データを送信可能で且つ前記対象物から応答データを受信可能な設備から送信された要求データを受信する受信部と、前記設備が行う複数の処理に夫々対応した応答データを記憶するデータ記憶部と、前記要求データ受信時、前記データ記憶部に記憶され且つ前記要求データに対応する応答データを前記設備に送信する送信部と、前記要求データに対応する応答データに基づき前記設備の動作検証を行う検証部とを備えた設備の検証装置において、
前記データ記憶部は、前記複数の処理の実行順序が規定されると共に単一の要求データに対して前記複数の応答データが割付けられたデータテーブルを有し、
前記検証部は、前記設備の最終処理における動作検証が完了してから前記最終処理から順々に実行順序を遡るように動作検証を行うことを特徴とする設備の検証装置。 - 前記複数の処理の実行される順序と、前記単一の要求データに対応し且つ並列関係にある複数の応答データとにより前記データテーブルを生成するデータ生成部を有することを特徴とする請求項1に記載の設備の検証装置。
- 前記検証部は、複数の処理と、前記複数の処理に割付けられた複数の応答データと、前記複数の応答データが送信された時刻とを有する検証結果を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の設備の検証装置。
- 前記設備が検査設備であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の設備の検証装置。
- 対象物に対して要求データを送信可能で且つ前記対象物から応答データを受信可能な設備の検証方法において、
前記設備から送信された要求データを受信する受信部と、前記設備が行う複数の処理に夫々対応した応答データを記憶するデータ記憶部と、前記要求データ受信時、前記データ記憶部に記憶され且つ前記要求データに対応する応答データを前記設備に送信する送信部とを予め準備する準備工程と、
前記設備が行う複数の処理に夫々対応した応答データを前記データ記憶部に記憶させると共に、前記複数の処理の実行順序を規定し且つ単一の要求データに対して前記複数の応答データを割付けるデータ割付工程と、
前記要求データに対応する応答データに基づき前記設備の最終処理における動作検証が完了してから前記最終処理から順々に実行順序を遡るように動作検証を行う動作検証工程と、
を有することを特徴とする設備の検証方法。 - 前記複数の処理の実行される順序と、前記単一の要求データに対応し且つ並列関係にある複数の応答データとを含むデータテーブルを生成するデータ生成工程を有することを特徴とする請求項5に記載の設備の検証方法。
- 前記動作検証工程は、複数の処理と、前記複数の処理に割付けられた複数の応答データと、前記複数の応答データが送信された時刻とを有する検証結果を生成することを特徴とする請求項5又は6に記載の設備の検証方法。
- 前記設備が検査設備であることを特徴とする請求項5~7の何れか1項に記載の設備の検証方法。
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