JP7377299B2 - 封止構造の取付方法 - Google Patents
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Description
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、基板に実装される部品を封止するための封止構造、及び火災検出装置に関するものである。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、実施の形態に係る火災検出装置の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る火災検出装置の取付状況を示す側面図である。図2は、後述の取付ベースを取り外した状態の火災検出装置を示す図であり(一部図示省略)、(a)平面図、(b)は底面図である。図3は、後述の外カバーを取り外した状態の図2のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。以下の説明では、図1のX方向を火災検出装置の左右方向(+X方向を火災検出装置の左方向、-X方向を火災検出装置の右方向)、図2のY方向を火災検出装置の前後方向(+Y方向を火災検出装置の前方向、-Y方向を火災検出装置の後方向)、図1のZ方向を火災検出装置の上下方向(+Z方向を火災検出装置の上方向、-Z方向を火災検出装置の下方向)と称する。
取付ベース10は、設置面2に対して、外カバー20を取り付けるための取付手段である。この取付ベース10は、例えば公知の火災検出装置用の取付ベース(一例として、樹脂製である略板状の取付ベース)等を用いて構成されており、設置面2に対して固定具等によって固定されている。
外カバー20は、検出部カバー、防虫網40、検出部本体50、端子盤60、及び基板70を覆うカバーである。外カバー20は、例えば公知の火災検出装置用の外カバー(一例として、遮光性を有する樹脂材にて形成された略中空椀状の外カバー)等を用いて構成されており、外カバー20の上端部が取付ベース10の下面と当接するように配置され、取付ベース10に対して嵌合構造(又は固定具)等によって固定されている。また、図1、図2に示すように、この外カバー20の下方部分には、被検出物質を含む気体を後述の検出空間に流入出させるための流入出開口21が複数設けられている。
検出部カバーは、検出空間(図示省略)を区画するための区画手段であると共に、検出空間に外乱光が入射することを抑制するための入射抑制手段である。ここで、「検出空間」とは、被検出物質(図示省略)を検出するための空間である。この検出部カバーは、例えば公知の火災検出装置用の検出部カバー(一例として、遮光性を有する樹脂材にて形成された検出部カバー)等を用いて構成されており、ベース部及びラビリンス部を備えている(いずれも図示省略)。このうち、ベース部は、外カバー20の外径よりも小さな外径を有する円盤状体にて形成されており、検出空間の下面を覆うように設けられている。また、ラビリンス部は、複数の側片を組み合わせて構成されており、ベース部の上面に対して立設され、且つ検出空間の外周を囲繞するように設けられており(より具体的には、隣接する側片間に隙間を隔てて設けられている)、ベース部に対して接続されている。
防虫網40は、外カバー20の外部の虫が検出空間に侵入するのを防止するための網である。この防虫網40は、例えば公知の火災検出装置用の防虫網(一例として、円環状の防虫網)等を用いて構成されており、検出部カバー(具体的には、ラビリンス部)の外周を囲繞するように設けられており、検出部カバーに対して嵌合構造等によって固定されている。
検出部本体50は、検出部カバーを取り付けるための取付手段であると共に、検出空間に外乱光が入射することを抑制するための入射抑制手段である。この検出部本体50は、例えば公知の火災検出装置用の検出部本体(一例として、上面が開放された略中空円柱状の検出部本体であり、遮光性を有する樹脂材にて形成された検出部本体)等を用いて構成されており、具体的には、検出部本体50の外径が検出部カバーの外径よりも大きく設定されている。また、図3に示すように、この検出部本体50は、検出空間の上面を覆うように設けられており、検出部カバーに対して嵌合構造等によって接続されている。
図2に戻り、端子盤60は、検出部本体50及び基板70を収容するための収容手段である。この端子盤60は、例えば公知の火災検出装置用の端子盤(一例として、下面が開放された略中空円柱状の端子盤であり、樹脂材にて形成された端子盤)等を用いて構成されており、具体的には、端子盤60の外径が検出部本体50の外径及び基板70の外径よりも大きく設定されている。また、図2、図3に示すように、この端子盤60は、検出部本体50及び基板70を上方から覆うように設けられている。具体的には、検出部本体50に対して取付部材61に形成された第1取付孔61aを介して固定具等によって接続され、外カバー20に対して嵌合構造等にて接続され、且つ取付ベース10に対して取付部材に形成された第2取付孔61bを介して固定具等によって接続されている。なお、端子盤60の上面には、機銘板62が取り付けられている。
図4は、基板70の上面側を示す図であり、(a)斜視図であり、(b)は分解斜視図である。図5は、図4(a)の後述する固定部94の近傍領域の拡大図である。基板70は、各種の部品80が実装される実装手段である。
図3に戻り、次に、火災検出装置1の封止構造について説明する。火災検出装置1の防爆性を向上させるための封止構造の特徴については、実施の形態では、以下に示す通りとなる。
まず、封止構造の第1の特徴については、図3、図4に示すように、基板70の上面には、封止部91、ホルダ部92、及びシールドケース部93が設けられている。
封止部91は、対象空間部90に当該封止部91が充填されることにより、当該部品80を封止するための封止手段であり、図3、図4(b)に示すように、基板70の上面のうち対象空間部90に対応する部分に配置されている。ここで、「対象空間部90」とは、基板70の近傍に設けられた空間であって部品80が収容可能な空間を意味する。また、この対象空間部90は、実施の形態では、図4(b)に示すように、基板70の上面の一部のみに対応するように設けられた空間であって、少なくとも複数の第1部品81のすべてが収容可能な空間として説明する。なお、実施の形態では、対象空間部90内に第2部品82が収容されてもよく、又は第2部品82が収容されなくてもよい。その理由は、上述したように、第2部品82の端子間距離が所定距離以上であるので、火災検出装置1の内部に流入した可燃性ガスと第2部品82とが接触したとしても、火災が発生する可能性が非常に低いと考えられるためである。
ホルダ部92は、封止部91が対象空間部90に充填される際に封止部91を対象空間部90の外部に流出しないようにせき止めるためのせき止め手段であると共に、当該ホルダ部92の外部からのノイズを遮断するための遮断手段である。ここで、「ノイズ」とは、部品80に対して誤作動又は故障を引き起こす可能性がある電磁波信号や電気信号を意味する。
シールドケース部93は、当該シールドケース部93の外部からのノイズを遮断するための遮断手段である。このシールドケース部93は、図4に示すように、下面が開放された略中空状体にて形成されている。具体的には、シールドケース部93の内周の平面形状及びその大きさついては、ホルダ部92の外周の平面形状と若干異なる形状であり、ホルダ部92の外周よりも大きく設定している。また、シールドケース部93の外周の平面形状及びその大きさついては、シールドケース部93の内周の平面形状と略同一であるが、シールドケース部93の内周よりも大きく設定している。また、シールドケース部93の上下方向の長さについては、ホルダ部92の上下方向の長さよりも若干長く設定している(あるいは、ホルダ部92の上下方向の長さと略同一の長さであってもよい)。
次に、封止構造の第2の特徴については、図4、図5に示すように、基板70の上面には、固定部94が設けられている。固定部94は、シールドケース部93を基板70に対して固定するための固定手段である。この固定部94は、例えば、公知の基板用の固定部材(一例として、クリップ式の固定部材)を用いて構成されており、図5に示すように、基板70の上面のうちシールドケース部93の外周と対応する部分に少なくとも1つ以上配置し、基板70に対して嵌合構造等によって固定されている。
図3に戻り、次いで、封止構造の第3の特徴については、図3に示すように、基板70に実装された発光部82a及び受光部が、基板70の側面のうち封止部91が設けられている側の側面とは反対側の側面(すなわち、基板70の下面)に設けられている。
次に、このように構成された封止構造の作用について説明する。
続いて、封止構造の取付方法について説明する。
このように実施の形態によれば、絶縁材料にて形成された封止部91であり、対象空間部90に当該封止部91が充填されることにより、基板70に実装される部品80を封止するための封止部91と、封止部91によって封止された対象空間部90の少なくとも一部を覆うように配置されたホルダ部92及びシールドケース部93であって、当該ホルダ部92又はシールドケース部93の外部からのノイズを遮断するためのホルダ部92及びシールドケース部93と、を備えたので、封止部91によって基板70に実装されている部品80を封止でき、火災検出装置1の防爆性を向上できる。また、ホルダ部92及びシールドケース部93によって対象空間部90の少なくとも一部が略覆われているので、ホルダ部92又はシールドケース部93の外部からのノイズを遮断でき、部品80がノイズによる影響を受けることを抑制できる。以上のことから、当該封止構造が適用される装置の安全性及び使用性を向上させることが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
上記実施の形態では、封止構造は、火災検出装置1に適用されると説明したが、これに限らない。例えば、火災検出装置1以外の装置に適用されてもよく、一例として、制御装置、通信装置、照明装置等に適用されてもよい。
上記実施の形態では、対象空間部90が基板70の上面に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、基板70の下面に設けられてもよい。また、上記実施の形態では、対象空間部90が基板70の上面の一部のみに対応するように設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、基板70の上面全体にわたって設けられてもよい。
上記実施の形態では、封止構造が、固定部94を備えている説明したが、これに限らず、例えば、固定部94を省略してもよい。
上記実施の形態では、封止部91が紫外線硬化樹脂を用いて構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、紫外線硬化樹脂以外の絶縁材料を用いて構成されてもよく、一例として、シリコン、ウレタン樹脂等を用いて構成されてもよい。
上記実施の形態では、遮断手段(シールドケース部93及びホルダ部92)が、対象空間部90の側面のうち基板70側の側面以外の他の側面全体を覆うと説明したが、これに限らない。例えば、封止部91によって封止されている部品80のうち、ノイズの影響を受けにくい部品80が含まれている場合には、上記他の側面のうち、遮断手段によって当該ノイズの影響を受けにくい部品80を除いた部分のみ(すなわち、上記他の側面の一部のみ)が覆われてもよい。あるいは、封止部91によって封止されている部品80に加えて、封止部91によって封止されていない部品80(具体的には、第2部品82)に対するノイズの影響を低減した場合には、上記他の側面全体に、封止部91によって封止されていない部品80を加えた範囲が覆われてもよい。
上記実施の形態では、ホルダ部92が遮断機能を有すると説明したが、これに限らない。例えば、ホルダ部92が遮断機能を有しなくてもよい。この場合には、封止部91の外周全体を覆うことが可能な遮断部材(遮断手段)を別途設けてもよく、あるいは、シールドケース部93によって封止部91の外周全体が覆われるように、シールドケース部93を形成してもよい。
付記1の封止構造は、基板に実装される部品を封止するための封止構造であって、絶縁材料にて形成された封止手段であり、前記基板の近傍に設けられた対象空間部であって前記部品が収容可能な対象空間部に当該封止手段が充填されることにより、当該部品を封止するための封止手段と、前記封止手段によって封止された前記対象空間部の少なくとも一部を覆うように配置された遮断手段であって、当該遮断手段の外部からのノイズを遮断するための遮断手段と、を備えた。
付記1に記載の封止構造、及び付記6に記載の火災検出装置によれば、絶縁材料にて形成された封止手段であり、対象空間部に当該封止手段が充填されることにより、基板に実装される部品を封止するための封止手段と、封止手段によって封止された対象空間部の少なくとも一部を覆うように配置された遮断手段であって、当該遮断手段の外部からのノイズを遮断するための遮断手段と、を備えたので、封止手段によって基板に実装されている部品を封止でき、火災検出装置の防爆性を向上できる。また、遮断手段によって対象空間部の少なくとも一部が略覆われているので、遮断手段の外部からのノイズを遮断でき、部品がノイズによる影響を受けることを抑制できる。以上のことから、当該封止構造が適用される装置の安全性及び使用性を向上させることが可能となる。
2 設置面
10 取付ベース
20 外カバー
21 流入出開口
40 防虫網
50 検出部本体
51 第1固定部
53 第1光路孔
60 端子盤
61 取付部材
61a 第1取付孔
61b 第2取付孔
62 機銘板
70 基板
80 部品
81 第1部品
82 第2部品
82a 発光部
82d ライトガイド
90 対象空間部
91 封止部
92 ホルダ部
93 シールドケース部
94 固定部
Claims (1)
- 基板に実装される部品を封止するための封止構造の取付方法であって、
前記部品のうち封止対象となる対象部品が実装された前記基板の面領域である対象面領域の上部空間であって、前記対象部品が収容される空間である対象空間部に対応する位置に設置され、且つ前記対象部品に対して外部からのノイズを遮断するための遮断手段の一部として形成されるせき止め手段であり、前記対象部品を封止するための封止手段が形成される際に前記封止手段を前記対象空間部の外部に流出しないようにせき止めるためのせき止め手段を、前記対象面領域の外周側において前記対象空間部の外周面を略囲むようにして設置する第1の工程と、
前記第1の工程の後に、前記対象空間部を略囲む前記せき止め手段の内側であって前記対象空間部の内部に液状の紫外線硬化樹脂を充填して硬化させることにより、前記封止手段を前記対象空間部に形成する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記遮断手段の他の一部として形成されるシールドケース部を、前記封止手段によって封止された前記対象空間部の前記基板側とは反対側の面及び前記せき止め手段を覆うように設置する第3の工程と、
を含む封止構造の取付方法。
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