JP7376853B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前後方向に延びる左右1対のエプロンレインフォースメントの後端部に夫々連結された左右1対のヒンジピラーを備えた車両の前部車体構造に関する。
従来より、車体前後方向に延びる左右1対のエプロンレインフォースメント(以下、エプロンレインと略す)と、これら1対のエプロンレインの後端部に夫々連結された左右1対のヒンジピラーとを備えた車両の前部車体構造が知られている。
また、SORB(Small Overlap Rigid Barrier)試験に代表されるフロントサイドフレームよりも車幅方向外側部分(オーバラップ領域が25%以下)に障害物が衝突する、所謂スモールオーバーラップ衝突の際、エプロンレインを車幅方向内側に内折れ変形させることにより、衝撃エネルギーを吸収して乗員空間を安全に確保することも知られている。
例えば、特許文献1の車両の前部車体構造には、車体前後方向に延びると共に閉断面を構成する左右1対のエプロンメンバ(エプロンレイン)と、これら1対のエプロンメンバの後端部に夫々連結された左右1対のヒンジピラーと、閉断面内部の車幅方向外側に設けた前側レインと、閉断面外部で前側レインと側面視にてオーバラップする位置に設けられてエプロンメンバとヒンジピラーの結合部に連結された後側レインとを備え、前側レインと後側レインをエプロンメンバを介して接合している。
通常、エプロンレインは、断面略コ字状に形成され、車幅方向外側部分がヒンジピラーアウタ部材に溶接接合され、車幅方向内側部分がヒンジピラーインナ部材に溶接接合されている。ヒンジピラーインナ部材は、閉断面を形成する本体部と、エプロンレインの後部に接合される先端部とが一体形成された高張力鋼板等の高剛性パネル材である。
スモールオーバーラップ衝突時、エプロンレインの後部と先端部との接合部には、剪断方向に向かう剪断応力が主に作用し、最終的に、両者の接合は破断分離される。
それ故、スモールオーバーラップ衝突時の衝撃エネルギ吸収性能は、ヒンジピラーを用いることなく、エプロンレインの板厚増加や補強部材の追加等により確保している。
特開2018-135080号公報
スモールオーバーラップ衝突時、エプロンレインに入力した応力は、ヒンジピラーインナ部材への伝達前にエプロンレインとヒンジピラーインナ部材との接合を破断する。
つまり、エプロンレインに入力した衝突荷重がヒンジピラーインナ部材に伝達されないため、ヒンジピラーインナ部材の座屈強度を衝撃エネルギ吸収に寄与させることができない。エプロンレインに入力した応力をヒンジピラーインナ部材に伝達することにより、ヒンジピラーインナ部材の座屈強度を衝撃エネルギ吸収に利用することができ、結果的に車体重量の軽量化を図ることも可能であるが、具体的な提案は現時点なされていない。
本発明の目的は、軽量化と衝撃エネルギ吸収性能向上とを両立可能な車両の前部車体構造等を提供することである。
請求項1の車両の前部車体構造は、車体前後方向に延びる左右1対のエプロンレインフォースメントと、これら1対のエプロンレインフォースメントの後端部に夫々連結された左右1対のヒンジピラーとを備えた車両の前部車体構造において、前記ヒンジピラーが、車幅方向外側に配置されたヒンジピラーアウタ部材と、このヒンジピラーアウタ部材と協働して上下に延びる閉断面を形成するヒンジピラーインナ部材とを有し、前記ヒンジピラーインナ部材は、車幅方向に直交する面を備えた本体部と、前記エプロンレインフォースメントと略同じ高さ位置において前記本体部から前方に延びる先端部とを備え、前記先端部が、前記エプロンレインフォースメントの後部に接合された接合部と、前記本体部との連結部近傍位置に形成された脆弱部と、前記接合部と脆弱部との間に車幅方向内側に突出するように形成された突出部とを有し、前記脆弱部及び突出部の座屈強度が前記接合部の接合強度よりも低く設定されたことを特徴としている。
この車両の前部車体構造では、前記ヒンジピラーが、車幅方向外側に配置されたヒンジピラーアウタ部材と、このヒンジピラーアウタ部材と協働して上下に延びる閉断面を形成するヒンジピラーインナ部材とを有し、前記ヒンジピラーインナ部材は、車幅方向に直交する面を備えた本体部と、前記エプロンレインフォースメントと略同じ高さ位置において前記本体部から前方に延びる先端部とを備えるため、ヒンジピラーインナ部材を本体部とこの本体部に接合された先端部とにより形成することができる。
前記先端部が、前記エプロンレインフォースメントの後部に接合された接合部と、前記本体部との連結部近傍位置に形成された脆弱部と、前記接合部と脆弱部との間に車幅方向内側に突出するように形成された突出部とを有するため、脆弱部及び突出部の座屈により接合部の姿勢を変更することができる。前記脆弱部及び突出部の座屈強度が前記接合部の接合強度よりも低く設定されているため、エプロンレインフォースメントと接合部の破断よりも脆弱部及び突出部の座屈を早期に発生させることができる。しかも、脆弱部及び突出部の座屈を用いて接合部の姿勢を変更することにより、接合部に作用する応力を剪断応力から圧縮応力に変換し、エプロンレインフォースメントとヒンジピラーインナ部材との接合の破断を抑制してヒンジピラーインナ部材の座屈強度を衝撃エネルギ吸収に寄与させることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記脆弱部は、前記本体部の材料強度と前記先端部の材料強度との強度差によって構成されたことを特徴としている。
この構成によれば、本体部と先端部の材料強度差によって脆弱部を形成することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記脆弱部は、前記本体部の板厚よりも前記先端部の板厚を薄くしたことにより構成されたことを特徴としている。
この構成によれば、本体部の板厚と先端部の板厚によって脆弱部を形成することができる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記脆弱部は、前記先端部に形成されたビードにより構成されたことを特徴としている。この構成によれば、先端部に形成されたビードによって脆弱部を形成することができる。
請求項5の発明は、請求項1~4の何れか1項の発明において、前記突出部は、2つの稜線を有し且つ底辺が開放された三角形状ビードにより構成されたことを特徴としている。
この構成によれば、スモールオーバーラップ衝突時、突出部の変形を用いて脆弱部を車幅方向内側に折り曲げられるように誘導することができる。
本発明の車両の前部車体構造によれば、車体内側へ外面部の変形を誘導する変形促進部を設けることにより、スモールオーバーラップ衝突時、重量増加を招くことなくエプロンレインを内折れ変形させることができる。
実施例1に係る車両の前部車体構造の右側面図である。 図1に示す車体部分を車幅方向外側上方から視た斜視図である。 図1の要部拡大図である。 図3に示す車体部分を車幅方向外側上方から視た斜視図である。 図3に示す車体部分を車幅方向外側下方から視た斜視図である。 図3に示す車体部分からエプロンレインを省略した図である。 図3のVII-VII線断面図である。 図3のVIII-VIII線断面図である。 図3のIX-IX線断面図である。 図3のX-X線断面図である。 図3のXI-XI線断面図である。 ヒンジピラーインナの側面図である。 ヒンジピラーインナの斜視図である。 先端部材の側面図である。 先端部材の斜視図である。 先端部材の変形説明図である。 変形途中のヒンジピラーインナ及び先端部を示す図である。 レインアウタ部材の側面図である。 レインアウタ部材の斜視図である。 カウルサイドレインの側面図である。 カウルサイドレインの斜視図である。 変形途中のカウルサイドレインを示す図である。 変形例に係る先端部材の側面図である。 変形例に係る先端部材の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両の前部車体構造に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1~図22に基づいて説明する。
図1,図2に示すように、車両Vは、車室床面を構成するフロアパネル1と、前後に延びる左右1対のサイドシル2と、車体前部に形成されたエンジンルーム(図示略)と車室とを仕切るダッシュパネル3と、このダッシュパネル3から前方に延びる左右1対のフロントサイドフレーム4と、1対のサイドシル2の前端部から鉛直上方に夫々延びる左右1対のヒンジピラー20と、これら1対のヒンジピラー20の上端部から前方に延びる左右1対のエプロンレインフォースメント(以下、エプロンレインと略す)30等を備えている。
この車両Vには、SORB(Small Overlap Rigid Barrier)試験に代表されるフロントサイドフレームよりも車幅方向外側部分(オーバラップ領域が25%以下)に障害物が衝突する、所謂スモールオーバーラップ衝突時、エプロンレイン30に面外変形を伴う座屈を生じることなく、エプロンレイン30を車幅方向内側に内折れ変形させる内折れ変形機構が設けられている。この内折れ変形機構は、エプロンレイン30のインナ側からエプロンレイン30の変形を誘導するインナ内折れ誘導機能と、エプロンレイン30のアウタ側からエプロンレイン30の変形を誘導するアウタ内折れ誘導機能とを有している。
以下、車両Vが左右対称構造に構成されているため、右側部分について主に説明する。また、図において、矢印F方向を車体前後方向前方とし、矢印OUT方向を車幅方向外方とし、矢印U方向を車体上下方向上方としている。
まず、車両Vの概略構成について説明する。
サイドシル2は、フロアパネル1の車幅方向両端に沿って前後に延びるように設けられている。このサイドシル2は、車幅方向内側に開放された断面略ハット状のサイドシルアウタと、車幅方向外側に開放された断面略ハット状のサイドシルインナとを有し(何れも図示略)、両者のフランジ部が接合されて前後に延びる閉断面が形成されている。
図2に示すように、ダッシュパネル3は、1対のヒンジピラー20の間に亙って車幅方向に延びるように配設されている。このダッシュパネル3は、フロアパネル1の前端部から上方に向けて立ち上がるダッシュロアパネル(図示略)と、このダッシュロアパネルの上端部に接合されたダッシュアッパパネル3aとを備えている。
ダッシュアッパパネル3aの後端部には、車幅方向に延びるカウルインナパネルが接合され、このカウルインナパネルの前側に車幅方向に延びるカウルアウタパネルが接合されている(何れも図示略)。
1対のフロントサイドフレーム4は、平面視にて、1対のサイドシル2の間に配置されている。フロントサイドフレーム4とエプロンレイン30との間には、前輪用サスペンション(図示略)のダンパを支持するサスペンションタワー(以下、サスタワーと略す)5が形成されている。サスタワー5は、前輪及び前輪用サスペンションを収容するホイールハウス6を一体的に備えている。ホイールハウス6は、ダッシュパネル3の前側で且つエプロンレイン30の下側領域に形成されている。
ホイールハウス6は、後述するヒンジピラー20のピラーインナ部材22の外側に配置された部分椀状のホイールハウスアウタ(図示略)と、ピラーインナ部材22の内側に配置された部分椀状のホイールハウスインナ6aとを備えている。ホイールハウスインナ6aは、フロントサイドフレーム4とピラーインナ部材22に接合され、ホイールハウスアウタは、ピラーインナ部材22とエプロンレイン30の下側に接合されている。
次に、1対のヒンジピラー20について説明する。
図1~図7に示すように、ヒンジピラー20は、断面略ハット状のピラーアウタ部材21と、このピラーアウタ部材21と協働して上方に延びる略矩形閉断面を形成する板状のピラーインナ部材22とを有している。ピラーアウタ部材21及びピラーインナ部材22は、高張力鋼或いは超高張力鋼にて構成されている。
ピラーアウタ部材21は、断面略コ字状の本体部21aと、この本体部21aの前端部と後端部から前方と後方に夫々延びる前後1対のフランジ部21bから構成されている。
本体部21aの上段部及び下段部には、ドアヒンジを取り付けるため、車幅方向外側に膨出した上下1対のヒンジ取付部が夫々形成されている。
ピラーインナ部材22は、インナ内折れ誘導機能を有している。
図12,図13に示すように、ピラーインナ部材22は、本体部21aと協働して略直方体状の閉断面を形成する本体部22aと、この本体部22aの上端部から前方に延びる上側延長部22bと、本体部22aの下端部から後方に延びる下側延長部22cとを備えている。本体部22aの前部及び後部にはピラーアウタ部材21の前後1対のフランジ部21bがスポット溶接にて夫々接合されている。サイドシルアウタとサイドシルインナは、下側延長部22cを間に介在させた状態で接合されている。それ故、サイドシル2の閉断面は、下側延長部22cにて車幅方向内外に区分されている。
上側延長部22bは、側面視にて略三角形状に形成されている。上側延長部22bの前端部には、先端部材23(先端部)が取り付けられている。先端部材23は、例えば、ピラーインナ部材22と略同じ板厚に設定され、高張力鋼にて構成されている。
図14,図15に示すように、先端部材23は、側面視にて略台形状の本体部23aと、この本体部23aの上端部から車幅方向内側に屈曲された接合部23bとを有している。
接合部23bは、後述するエプロンレイン30の下壁部31cにスポット溶接にて接合される。接合部23bとエプロンレイン30の接合強度は、脆弱部23e及び突出部23dの座屈強度よりも高く設定されている。
本体部23aは、後部に上側延長部22bの前端部とスポット溶接にて接合される連結部23cと、前側下部に車幅方向内側に突出した突出部23dと、この突出部23dの後側で且つ連結部23cの前側位置に設定された脆弱部23eとを備えている。脆弱部23e及び突出部23dの座屈強度が接合部23bの接合強度よりも低く設定されている。
突出部23dは、底辺が開放され且つ2辺が稜線で規定された三角形状ビードで構成されている。具体的には、後側稜線は、前方下り傾斜状に形成された連結部23cと略平行になるように配置され、前側稜線は、水平状に形成された接合部23bと略平行になるように配置されている。
前側及び後側稜線の交点近傍領域、所謂接合部23bと連結部23cの接近領域に、軽量化及び剛性低下を狙いとした開口部23fが形成されている。この開口部23fは、単一でも良く、2以上であっても良い。先端部材23は、ピラーインナ部材22やレインアウタ部材31よりも引張強度が低くなるように構成されている。尚、レインアウタ部材31の引張強度は、ピラーインナ部材22の引張強度よりも低く設定されている。
図16に示すように、スモールオーバーラップ衝突時、エプロンレイン30(レインアウタ部材31)に後向きの衝突荷重が作用した場合、突出部23dの2つの辺に夫々対応した稜線が分断され、また、開口部23fが形成されているため、突出部23dの中央部分に伝達された応力が集中して車幅方向内側に折れる内側座屈が生じる。そして、ピラーインナ部材22が先端部材23よりも引張強度が強いため、突出部23dに生じる中央部分の内側座屈に同期して、脆弱部23eに対応した領域に車幅方向外側に折れる外側座屈が生じる。脆弱部23e及び突出部23dの座屈強度が接合部23bの接合強度よりも低く設定されているため、接合部23bの破断よりも脆弱部23e及び突出部23dの座屈を早期に発生させることができる。
脆弱部23e及び突出部23dの座屈により接合部23bの姿勢を変更している。
脆弱部23e及び突出部23dの座屈を用いて接合部23bの姿勢を変更することにより、接合部23bに作用する応力を剪断応力から圧縮応力に変換し、エプロンレイン30とピラーインナ部材22との接合の破断を一層抑制している。これにより、図17の矢印に示すように、先端部材23が、エプロンレイン30を後方に流れる応力の一部を車幅方向内側に向かう成分に変換し、上側延長部22bを車幅方向内側に押圧(内折れ誘導)している。
次に、エプロンレイン30について説明する。
図1~図3に示すように、エプロンレイン30は、ヒンジピラー20との連結部から前方に延びる直線部30aと、この直線部30aの前端部から車幅方向内側且つ下側に延びる湾曲部30bとを備えている。これにより、タイヤ幅が太くされたタイヤを収容可能なホイールハウス6をエプロンレイン30(直線部30a)の下方に形成している。
図7~図11に示すように、エプロンレイン30は、ヒンジピラー20の前端部から車両Vの前端部に亙って延びるエプロンレインアウタ部材(以下、レインアウタ部材と略す)31と、このレインアウタ部材31の途中部から車両Vの前端部に亙って延びるエプロンレインインナ部材(以下、レインインナ部材と略す)32とを有している。
断面略L字状のレインインナ部材32は、レインアウタ部材31の前半部に対応するように設けられ、レインアウタ部材31と協働して前後に延びる断面略矩形状の閉断面を形成している。具体的には、レインアウタ部材31の後半部が直線部30aを形成し、レインアウタ部材31の前半部とレインインナ部材32が閉断面を構成する湾曲部30bを形成している。
レインアウタ部材31は、アウタ内折れ誘導機能を有している。
図18,図19に示すように、レインアウタ部材31は、車幅方向に略直交する面からなる外面部31aと、この外面部31aの上端部から車幅方向外側に延びる上壁部31bと、外面部31aの下端部から車幅方向内側に延びる下壁部31cとを備えている。
外面部31aのうち直線部30aに対応した外面部31aには、横ビード部31sと、第1縦ビード部31tと、第2縦ビード部31uが設けられている。
車幅方向外側に突出する横ビード部31sは、外面部31aの上下方向中段部に、直線部30aの後端部から前端部近傍に亙って前後方向に延びるように形成されている。
図8~図10に示すように、横ビード部31sは断面略矩形状に形成されている。
横ビード部31sの上下寸法は、レインアウタ部材31の後端部の上下寸法の15%から30%までの範囲で設定している。本実施形態では、横ビード部31sの上下寸法をレインアウタ部材31の後端部の上下寸法の略20%に設定している。
図7~図10に示すように、横ビード部31sは前方程断面積(車幅方向外側突出量)が小さくなる、換言すれば、横ビード部31sの断面重心を結ぶ線Lが前方程車幅方向内側に移行するように構成されている。
以上により、横ビード部31sの断面積が前方程小さくされているため、レインアウタ部材31の前後方向剛性が前方程低く設定されることになり、スモールオーバーラップ衝突時、レインアウタ部材31とヒンジピラー20のピラーアウタ部材21との連結部に応力を集中させる変形促進部を構成している。また、横ビード部31sの断面重心を結ぶ線Lが前方程車幅方向内側に移行するように構成されるため、レインアウタ部材31を流れる応力を車幅方向内側に向かう応力に変換させている。
第1縦ビード部31tは、横ビード部31sの前側領域に上下方向に延びると共に車幅方向内側に凹入するように形成されている。第1縦ビード部31tの前後寸法は、第2縦ビード部31uの前後寸法よりも大きく且つ横ビード部31sの上下寸法よりも小さくなるように設定されている。これにより、正突時、第1縦ビード部31tを起点としてレインアウタ部材31の車幅方向内折れ変形を発生させ、衝撃エネルギーを吸収している。
第2縦ビード部31uは、横ビード部31sの前後方向中間部から上壁部31bに亙って上方に延びると共に車幅方向外側に突出するように形成されている。
図3に示すように、この第2縦ビード部31uは、側面視にて、先端部材23の上方位置に配置され、先端部材23の前後方向位置と略同じ前後方向位置に配置されている。
これにより、スモールオーバーラップ衝突時、レインアウタ部材31を後方に向かって流れる応力を第2縦ビード部31uに集中させ、先端部材23と協働してレインアウタ部材31に作用する車幅方向内側に向かう応力成分を増加することができる。
図2~図4に示すように、上壁部31bの上端部には、インナパネル11と、ヒンジレイン12と、ヒンジブラケット13とが接合されている。
インナパネル11は、ダッシュアッパパネル3aと上壁部31bの上端部を連結している。このインナパネル11は、上壁部31bの後端部から第2縦ビード部31uに対応した前後方向位置に亙って設けられている。本実施形態では、インナパネル11の外側前端部が、第2縦ビード部31uの後端部よりも前方で且つ第2縦ビード部31uの前端部よりも後方になるよう配設されている。
図8~図11に示すように、ヒンジレイン12は、ボンネットのヒンジ(図示略)を上側延長部22bと上壁部31bに固定するための部材である。このヒンジレイン12は、インナパネル11の下側に接合され、上壁部31bの後端部から横ビード部31sの前端近傍位置に対応した前後方向位置に亙って設けられている。
ヒンジブラケット13は、ボンネットのヒンジをヒンジレイン12の上部に取り付けるための部材である。このヒンジブラケット13の前端部は、第2縦ビード部31uの後端部よりも前方で且つインナパネル11の外側前端部よりも後方になるよう配設されている。これにより、スモールオーバーラップ衝突時、ヒンジブラケット13の前側領域に相当する上壁部31bに作用する下方に向かう応力を第2縦ビード部31uにて支持することができ、上壁部31bに生じる下向きの座屈を回避している。
図1~図6,図8に示すように、レインアウタ部材31は、ピラーアウタ部材21に対してカウルサイドレイン24(カウルサイドレインフォースメント)を介して連結されている。カウルサイドレイン24は、上側のヒンジ取付部の右端部と部分的に重畳するようにピラーアウタ部材21に対してスポット溶接にて接合されると共にフロントピラー7の上辺部分に対して接合されている。図20,図21に示すように、カウルサイドレイン24は、横ビード部24aと、縦ビード部24b(上下ビード部)とを有している。
車幅方向外側に突出する横ビード部24aは、カウルサイドレイン24の上下方向中段部に、後端部から前端部近傍に亙って前後方向に延びるように形成されている。
図8に示すように、横ビード部24aは断面略矩形状に形成されている。カウルサイドレイン24をレインアウタ部材31に接合する際、横ビード部24aは、車幅方向内側から横ビード部31sに部分的に重畳されている。
縦ビード部24bは、横ビード部24aの前側領域に横ビード部24aの下側から上端付近に亙って上下方向に延びると共に車幅方向内側に凹入するように形成されている。
スモールオーバーラップ衝突時、レインアウタ部材31(横ビード部31s)を後方に流れてきた応力がカウルサイドレイン24に伝達される際、応力は縦ビード部24bに沿って上下方向に分散される。これにより、図22の矢印に示すように、レインアウタ部材31を後方に向かって流れてきた応力を縦ビード部24bにより上下方向の広い範囲に亙って車幅方向内側に作用させることができ、レインアウタ部材31が後端部分で内折れ変形するように誘導することができる。
次に、本発明の実施形態による車両Vの前部車体構造の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、ヒンジピラー20が、車幅方向外側に配置されたピラーアウタ部材21と、このピラーアウタ部材21と協働して上下に延びる閉断面を形成するピラーインナ部材22とを有し、ピラーインナ部材22は、車幅方向に直交する面を備えた本体部22aと、レインアウタ部材31(エプロンレイン30)と略同じ高さ位置において本体部22aから前方に延びる先端部材23とを備えるため、ピラーインナ部材22を本体部22aとこの本体部22aに接合された先端部材23とにより形成することができる。先端部材23が、レインアウタ部材31の後部に接合された接合部23bと、本体部22aに連結する連結部23cの近傍位置に形成された脆弱部23eと、接合部23bと脆弱部23eとの間に車幅方向内側に突出するように形成された突出部23dとを有するため、脆弱部23e及び突出部23dの座屈により接合部23bの姿勢を変更することができる。脆弱部23e及び突出部23dの座屈強度が接合部23bの接合強度よりも低く設定されているため、レインアウタ部材31と接合部23bの破断よりも脆弱部23e及び突出部23dの座屈を早期に発生させることができる。しかも、脆弱部23e及び突出部23dの座屈を用いて接合部23bの姿勢を変更することにより、接合部23bに作用する応力を剪断応力から圧縮応力に変換し、レインアウタ部材31と先端部材23(ピラーインナ部材22)との接合の破断を抑制してピラーインナ部材22の座屈強度を衝撃エネルギ吸収に寄与させることができる。
脆弱部23eは、本体部22aの材料強度と先端部材23の材料強度との強度差によって構成されたため、本体部22aと先端部材23の材料強度差によって脆弱部23eを形成することができる。
突出部23dは、2つの稜線を有し且つ底辺が開放された三角形状ビードにより構成されているため、スモールオーバーラップ衝突時、突出部23dの変形を用いて脆弱部23eを車幅方向内側に折り曲げられるように誘導することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、脆弱部23eを本体部22aの材料強度と先端部材23の材料強度との強度差によって構成した例について説明したが、脆弱部23eを本体部22aの板厚よりも先端部材23の板厚を薄くして構成しても良い。これにより、本体部22aと先端部材23が同じ引張強度であっても、本体部22aの板厚と先端部材23の板厚によって脆弱部23eを形成することができる。また、脆弱部23eをエッチング加工やスリット加工等により成形しても良い。
また、図23,図24に示すように、脆弱部23gを先端部材23Aに形成されたビードにより構成しても良い。具体的には、車幅方向外側に突出するビードからなる脆弱部23gが、突出部23dの後側で且つ連結部23cの前側位置に形成されている。これにより、材料強度や板厚を用いることなく、簡単な構成で脆弱部を形成することができる。
2〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
20 ヒンジピラー
21 ピラーアウタ部材
22 ピラーインナ部材
23 先端部材(先端部)
23b 接合部
23d 突出部
23e,23g 脆弱部
30 エプロンレイン
31 レインアウタ部材
V 車両

Claims (5)

  1. 車体前後方向に延びる左右1対のエプロンレインフォースメントと、これら1対のエプロンレインフォースメントの後端部に夫々連結された左右1対のヒンジピラーとを備えた車両の前部車体構造において、
    前記ヒンジピラーが、車幅方向外側に配置されたヒンジピラーアウタ部材と、このヒンジピラーアウタ部材と協働して上下に延びる閉断面を形成するヒンジピラーインナ部材とを有し、
    前記ヒンジピラーインナ部材は、車幅方向に直交する面を備えた本体部と、前記エプロンレインフォースメントと略同じ高さ位置において前記本体部から前方に延びる先端部とを備え、
    前記先端部が、前記エプロンレインフォースメントの後部に接合された接合部と、前記本体部との連結部近傍位置に形成された脆弱部と、前記接合部と脆弱部との間に車幅方向内側に突出するように形成された突出部とを有し、
    前記脆弱部及び突出部の座屈強度が前記接合部の接合強度よりも低く設定されたことを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. 前記脆弱部は、前記本体部の材料強度と前記先端部の材料強度との強度差によって構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部車体構造。
  3. 前記脆弱部は、前記本体部の板厚よりも前記先端部の板厚を薄くしたことにより構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の前部車体構造。
  4. 前記脆弱部は、前記先端部に形成されたビードにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部車体構造。
  5. 前記突出部は、2つの稜線を有し且つ底辺が開放された三角形状ビードにより構成されたことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の車両の前部車体構造。
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