以下に、本発明の実施形態に係る作業車両の制御システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、下記の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能なもの、あるいは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
まず、図1~図4を参照して作業車両の制御システム100の全体構成について説明する。図1は、実施形態に係る作業車両の制御システム100の概要を示す説明図である。図2は、実施形態に係る作業車両の制御システム100の機能を示すブロック図である。図3は、タブレット端末140の概要を示すブロック図である。図4は、作業制御装置160の機能を示すブロック図である。
図1に示すように、作業車両の制御システム100は、たとえば、作業車両の一例としてのトラクタ1と、トラクタ1の位置(すなわち自車位置)を示す測位点を測定する測位装置120と、トラクタ1による作業関連情報を生成可能な制御ユニットである作業制御装置160(図2参照)と、作業制御装置160と通信可能な情報処理装置130とを備える。なお、図1では、1台のトラクタ1を示しているが、実際には、作業車両の制御システム100では、複数のトラクタ1が制御される。
作業車両であるトラクタ1は、農業用トラクタであり、走行車体2と、作業機3とを備える。走行車体2は、圃場F(F-A,F-B,F-C)を走行可能なものである。作業機3は、たとえば、走行車体2の後部に装着され、圃場Fにおいて対地作業を行う。トラクタ1の作業機3としては、たとえば、ロータリ耕耘機などであるが、作業車両が苗移植機であれば苗植付装置などであり、作業車両が施肥機であれば施肥装置である。また、作業車両がコンバインであれば、刈取装置や脱穀装置などが作業機3である。なお、上記例は一例であり、圃場Fにおいて農作業を行うための作業機であればとくに限定されない。
また、圃場Fには、トラクタ1の進入口Finおよび退出口Foutが設けられている。なお、圃場Fには、1つの進入口Finおよび退出口Foutとして機能する1つの出入口が設けられてもよい。
走行車体2は、エンジンと、動力伝達装置とを備える。エンジンは、走行車体2の動力源であるとともに、作業機3の動力源でもある。エンジンは、ディーゼル機関やガソリン機関などの熱機関である。動力伝達装置は、エンジンおよび駆動輪を連結可能とするクラッチを有し、かかるクラッチが連結状態の場合に、エンジンの動力を駆動輪および作業機3に伝達する。また、動力伝達装置は、クラッチが中立状態の場合には、エンジンおよび駆動輪の連結状態が解除され、エンジンの動力が駆動輪に伝達されない。つまり、クラッチが中立状態の場合、作業車両であるトラクタ1は減速する。また、走行車体2は、農道Rや圃場F内を自由に走行することができる。すなわち、動力伝達装置におけるクラッチは、トラクタ1の前進、後進および中立を切り替える前後進クラッチの一例である。
測位装置120は、上記したように、トラクタ1の位置を測定する。具体的には、測位装置120は、たとえば、トラクタ1の位置を示す測位点を含む位置情報を取得するGNSS(Global Navigation Satellite System)制御装置(以下、GNSS制御装置120)である。測位装置であるGNSS制御装置120は、地球上を周回している航法衛星123からの電波を受信してトラクタ1の自車位置を測位可能であり、かつ計時することができる。すなわち、位置情報には、測位点である自車位置の情報と、測位点が測定された時刻の情報が含まれる。
作業制御装置160は、圃場Fにおけるトラクタ1の自動走行(自律走行)を制御する制御装置の一例であって、トラクタ1に搭載された後述するコントローラ150の他、トラクタ1に持ち込み可能な情報処理装置である携帯端末装置の一例であるタブレット端末140により構成される。なお、本実施形態に係る作業車両の制御システム100においては、作業制御装置160(制御装置)は、コントローラ150およびタブレット端末140を含んで構成される場合について説明するが、作業制御装置160は、コントローラ150およびタブレット端末140のうち、いずれか一方のみを含んで構成されてもよい。
図2に示すように、作業車両の制御システム100は、例えば、複数のトラクタ1が、通信ネットワーク110を介して少なくとも1つの情報処理装置130と互いに接続可能な状態で構築される。各トラクタ1には、それぞれ作業制御装置160が設けられる。すなわち、本実施形態に係る作業車両の制御システム100は、いわゆるクラウドコンピューティング(Cloud Computing)が可能なシステムである。
作業制御装置160は、少なくともトラクタ1が自動走行可能な走行可能エリア情報を含む作業関連情報を生成することができる。ここで、走行可能エリア情報とは、たとえば、図1に示すように、所定の圃場F(F-A~F-C)において、トラクタ1が自動走行により、各圃場F内における有効な耕地(後述の作業規定エリア)の最外側縁から逸脱することなく、安全に無人走行可能な走行経路(作業経路)300を含む情報である。
情報処理装置130は、制御部として機能するCPU(Central Processing Unit)などの処理装置や、記憶部として機能するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置、さらには、入出力装置が設けられたコンピュータなどである。なお、制御部は、算出部、走行制御部、補正部および通知部等の機能を実行する。また、記憶部は、後述する各種情報を記憶する。
ここでは、情報処理装置130として、たとえば、農作業支援サーバ130aやパーソナルコンピュータ130bが、通信ネットワーク110を介して作業制御装置160(コントローラ150およびタブレット端末140)と接続される。なお、本実施形態では、情報処理装置130としては、図1に示すように、農作業支援サーバ130aあるいはパーソナルコンピュータ130bからなる1つの情報処理装置130が、複数の圃場Fを管理する管理舎H内に設置される。
情報処理装置130は、複数の圃場Fについて、それぞれ圃場識別情報200a~200i(図3参照)に関連付けられた圃場地図情報を記憶している。また、情報処理装置130は、作業制御装置160により生成された作業関連情報を取得して、圃場Fごとに独立して記憶することができる。
作業制御装置160を構成するコントローラ150は、上記した情報処理装置130と同様にコンピュータにより構成される。コントローラ150は、エンジンや走行装置などの作業車両に搭載される各システムを制御する各種ECU(Electronic Control Unit)11(図4参照)と接続される。なお、コントローラ150の詳細については、図4を用いて後述する。
コントローラ150は、各種ECU11と協働することで、トラクタ1を自動走行させる自動走行モードと、作業者(運転者)が搭乗してマニュアル運転するマニュアル走行モードとに切り替えることができるとともに、作業機3の昇降動作、クラッチの連結状態を制御する動力伝達スイッチの開閉動作、走行駆動装置の動作などを制御することができる。
また、自動走行モードには、圃場F内を自動走行により作業する作業モードと、圃場間移動を自動走行により行う圃場間移動モード(第1モード)と、圃場Fの出口Foutで圃場間移動モードへの切り替えを待機する待機モード(第2モード)と、燃料が補給されるまで待機する燃料補給モードとが含まれ、情報処理装置130の指示に従ってこれらのモードを切り替える。なお、これらにモードにおけるトラクタ1の制御の詳細については後述する。
また、コントローラ150は、測位装置であるGNSS制御装置120からの位置情報に基づいて、トラクタ1を予め登録された走行経路300(図1参照)に沿って自動走行させる。コントローラ150は、圃場Fにおいてトラクタ1が自動走行可能な作業エリアを設定する作業エリア設定モードを設定するとともに、作業エリア設定モードを実行する。
タブレット端末140も構成的には上記したコンピュータの一種であり、図3に示すように、制御部143と、制御部143に接続される記憶部141と、各種情報を表示する表示部および各種入力操作を受け付ける操作部が一体となったタッチパネル142と、GNSSアンテナ121とを備える。
図3に示すように、記憶部141の圃場関連情報には、圃場識別情報200a~200iが個々に付与された圃場Fの場所を示す圃場地図情報と、圃場地図情報に関連付けられた作業関連情報が記憶される。すなわち、地区別に区分されたA地区の圃場F,B地区の圃場F,C地区の圃場Fのそれぞれに、区画された複数の区画圃場A0~A2,B0~B3,C0~C1に関する作業関連情報が必要情報としてデータベース化されて記憶部141に記憶される。なお、以下では、とくに区別する必要がない場合、各地区における区画圃場A0~A2,B0~B3,C0~C1についても圃場F-A,F-B,F-Cと記載する場合があり、圃場F-A,F-B,F-Cについても圃場Fと記載する場合がある。
かかる情報は、通信ネットワーク110を介して情報処理装置130の記憶部に記憶される。
上記構成を備える作業車両の制御システム100では、地図情報により視覚的に識別できる複数の圃場Fのそれぞれにおいて、トラクタ1によって取得された作業関連情報を、複数の圃場Fのそれぞれに関連付けて、たとえば、農作業支援サーバ130aなどで一元的に管理することができる。このため、今後の農作業計画の立案なども容易となり、利便性が向上する。
また、タブレット端末140を介して作業関連情報などを農作業支援サーバ130aに逐次アップロードすれば、農作業計画についてもクラウドコンピューティングを利用して当該農作業支援サーバ130aやパーソナルコンピュータ130bで作成することが可能となる。
また、自動走行による走行可能エリア情報までも情報処理装置130に記憶できるため、作業対象となる複数の圃場Fのうちのいずれの圃場Fにおいても自動走行による農作業が可能となる。
また、本実施形態に係る作業車両の制御システム100においては、トラクタ1を自動走行させるための走行経路300(図1参照)を含む走行可能エリア情報は、作業制御装置160によって生成される。トラクタ1を圃場F内で有人走行(マニュアル走行)させた場合に、作業制御装置160(コントローラ150およびタブレット端末140の少なくともいずれか一方)は、走行経路300(図1参照)を取得し、取得した走行経路300に基づいて走行可能エリア情報を生成する。
ここで、作業制御装置160は、実際に有人走行したトラクタ1が自動走行可能な第1の自動走行エリアと、有人走行したトラクタ1ではなく、有人走行を行っていない他のトラクタ1についても自動走行可能な範囲である第2の自動走行エリアとを生成する。すなわち、作業制御装置160には、圃場Fにおいて作業する、自車両および他の車両まで含めたトラクタ1(作業車両)に関し、ホイルベース、トレッド、タイヤ幅、その他各種諸元を含む車両情報が予め記憶される。
このように、1台のトラクタ1が有人走行した圃場Fにおいては、有人走行したトラクタ1はもとより、有人走行をしていない他のトラクタ1についても、自動走行による所定の作業を、所定の作業規定エリア202において行うことができる。この場合、有人走行をしていないトラクタ1、すなわち、自動走行するトラクタ1は、圃場F(図1参照)における作業規定エリアから逸脱することなく、安全に走行することができる。
ここで、作業制御装置160について説明する。作業車両の制御システム100におけるトラクタ1は、電子制御によって各部を制御することが可能である。図4に示すように、トラクタ1は、走行車体2(図1参照)にコントローラ150が設けられる。また、コントローラ150と共に作業制御装置160を構成するタブレット端末140は、走行車体2に持ち込み可能、あるいは着脱自在である。タブレット端末140およびコントローラ150は、たとえば、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信規格により接続可能である。なお、タブレット端末140とコントローラ150とは、有線により接続可能に構成されてもよい。
コントローラ150には、上記した情報処理装置130などと同様に、CPUなどを有する処理装置や、ROM、RAM、HDDなどの記憶装置、および入出力装置が設けられる。なお、各装置は、互いに接続されて互いに信号の受け渡しが可能である。
また、コントローラ150には、各種ECU11、運転モード選択スイッチ12、各種アクチュエータ170、カメラ171、各種センサ172、自動操舵装置180、GNSS制御装置120が接続される。また、コントローラ150には、タブレット端末140と通信を行うための通信部151が接続される。
運転モード選択スイッチ12は、トラクタ1を自動運転で走行(自動走行)させる自動運転モードと、作業者によるマニュアル運転で走行(マニュアル走行)させるマニュアル運転モードとに切り替えるためのスイッチであり、たとえば、走行車体2に設けられる。
また、各種アクチュエータ170としては、たとえば、作業機3を昇降させる昇降シリンダなどの様々なシリンダや、圃場F(図1参照)の水深を検出する水深センサなどを回動させるモータ、エンジンの吸気量を調節するスロットルモータなどの電動モータなど、様々なモータがある。
また、各種センサ172としては、上記した水深センサ、圃場Fの作土深を検出する作土深センサ、圃場Fの肥料濃度を検出する肥沃度センサ、収穫物である籾などの重さを検出したり苗の重量を検出したりするロードセルなどの重量センサ、後輪の回転数を検出する回転センサ、走行車体2の傾きを検出する傾きセンサ、あるいは作業クラッチセンサや温度センサなど、様々なセンサがある。
なお、カメラ171は、走行車体2の適宜箇所に複数設けられる。カメラ171による撮像データは、たとえば、図1に示す管理舎H内に設置された情報処理装置130などを介して確認することができる。また、作業制御装置160は、かかるカメラ171による撮像データから作物の生育状況や作業状況などを判定することもできる。
トラクタ1の自車位置を示す測位点を含む位置情報を取得するGNSS制御装置120は、走行車体2に設けられた受信アンテナ122と、タブレット端末140に設けられたGNSSアンテナ121とを備える測位装置として機能する。GNSS制御装置120は、GNSSアンテナ121や受信アンテナ122によって航法衛星123からの電波を受信し、所定時間ごとにGNSS座標を取得することにより、地球上での位置情報(測位点)を所定間隔で取得することができる。
コントローラ150は、GNSS制御装置120が取得する位置情報と位置ごとの作業関連情報とを、圃場F-A,F-B,F-C(図1参照)の場所を示す圃場地図情報とに互いに関連付けて記録した圃場関連情報(図3参照)を、各圃場F-A,F-B,F-Cごとの独立情報として生成する。生成された独立情報は、通信ネットワーク110(図2参照)を介して情報処理装置130に送られる。
自動操舵装置180は、運転モード選択スイッチ12を介して自動走行モードが選択された場合に、GNSS制御装置120が取得する位置情報に基づきコントローラ150により制御される。すなわち、コントローラ150により、走行車体2に設けられた操縦ハンドルが自動操作され、走行車体2が自動で運転される。図4に示すように、自動操舵装置180は、任意の回転力を付与して操縦ハンドルを回転させる操舵モータ181と、操縦ハンドルの回転角度を検知するハンドルポテンショメータ182とを備える。
なお、図示しないが、作業車両の制御システム100として、いわゆるドローンと呼ばれる無人飛行体を利用することも可能である。かかる無人飛行体には、たとえば、トラクタ1に設けたカメラ171と同じような撮像装置を搭載するとともに、GNSS制御装置120の一部を構築可能なアンテナを設けておくとよい。
この場合、無人飛行体とタブレット端末140とを通信可能に構成し、タッチパネル142により所定の操作を行うことにより、作業者が撮像装置の操作を含め、無人飛行体の全ての動作を遠隔操作することができる。かかるシステムであれば、圃場F(図1参照)に植付けた作物の生育状態などを上空から撮像し、撮像した位置をGNSS制御装置120により農作業情報と関連付けておけば、作物の生育に関する有益な圃場関連情報とすることができる。
コントローラ150と共に作業制御装置160を構成するタブレット端末140は、上記したように、制御部143と、記憶部141と、タッチパネル142と、GNSSアンテナ121とを備える。また、タブレット端末140は、走行車体2側の通信部151に対応する端末通信部144を備える。
制御部143は、各種情報を取得する。たとえば、制御部143は、トラクタ1が備える各種センサ172が検出した情報を逐次受信し、受信した情報を圃場自体に関する圃場情報なのか、あるいは作業自体に関するものなのかを判別し、判別結果に応じて、情報を圃場データベース1411、あるいは作業データベース1412に格納する。
また、制御部143は、GNSS制御装置120が取得した位置情報を取得する。具体的には、制御部143は、位置情報に含まれる測位点を圃場Fの形状を示し形状情報として取得する。
また、制御部143は、形状情報に基づいてトラクタ1が自動走行可能な作業規定エリアを設定し、設定した作業規定エリアに基づいてトラクタ1が自動走行により作業する走行経路(作業経路)300を生成する。
また、制御部143は、情報処理装置130からの指示に従って、トラクタ1の圃場作業や、圃場間移動における自動走行を制御する。具体的には、制御部143は、情報処理装置130の指示に従って、自動走行モードにおける作業モード、圃場間移動モード、待機モードおよび燃料待機モードを切り替える。
また、制御部143は、GNSS制御装置120を備えるトラクタ1のコントローラ150と協働して位置情報と圃場関連情報に含まれる作業関連情報とに基づき、トラクタ1が自動走行可能な走行経路情報、すなわち、走行可能エリア情報を自動生成することができる。生成された走行可能エリア情報は、経路データベース1413に、区画圃場A0~A2,B0~B3,C0~C1(図3参照)にそれぞれ1対1で対応して記憶される。
タブレット端末140の記憶部141は、制御部143による制御処理に必要な各種プログラムの他、各種情報が記憶される。すなわち、記憶部141は、圃場データベース1411、作業データベース1412、経路データベース1413、さらには、各種プログラムが格納されたプログラム部1414が生成される。
記憶部141には、個々に圃場識別情報200a~200iが付与された圃場F-A,F-B,F-C(図1参照)の場所を示す圃場地図情報に関連付けて、作業関連情報が、複数の圃場F-A,F-B,F-Cごとの独立情報である圃場関連情報として記憶される。すなわち、地区別に区分された圃場F-A,F-B,F-Cそれぞれに、区画された複数の区画圃場A0~A2,B0~B3,C0~C1に関する舵行関連情報などの必要情報が、データベース化されて記憶部141に記憶される。なお、作業関連情報としては、圃場F-A,F-B,F-Cに関する圃場関連情報などが含まれる。
例えば、圃場データベース1411は、圃場Fの位置情報、名称、所有者等の管理情報や、圃場Fの形状を示す形状情報等が含まれる。作業データベース1412は、圃場Fにおける作業工程に関する情報が含まれる。例えば、作業データベース1412には、過去に行った圃場作業や、未来に行う予定の圃場作業に関する情報が含まれる。経路データベース1413は、作業規定エリアおよび作業規定エリアに設定された走行経路300(作業経路)に関する情報が含まれる。
また、例えば、記憶部141には、圃場Fの形状と、作業規定エリアと、基準線とを対応付けて記憶しておいてもよい。これにより、次年度以降において、同じ圃場Fで同じ圃場作業を行う場合に、設定作業を行わなくて済むため、作業者の煩わしさを低減することができる。また、圃場Fの形状は、例えば、多角形の重心や中心をその圃場Fの代表点として記憶してもよい。
また、記憶部141に記憶された各データベースは、所定のソート方法に従ってソート可能である。例えば、過去の圃場Fを選択する場合には、現在位置に最も近い圃場F(例えば、代表点)から順にリスト表示する。あるいは、昨年圃場作業を実施した順に表示することも可能である。また、登録順に圃場Fを表示してもよい。
プログラム部1414には、たとえば、トラクタ1を自動走行させる場合の作業経路情報を生成する作業経路生成プログラムや、生成された作業経路情報にしたがってトラクタ1を自動走行させるための自動操舵プログラムなど、トラクタ1の動作全般を制御するコンピュータプログラムが格納される。なお、作業経路生成プログラムや自動操舵プログラムなどを含む各種コンピュータプログラムは、走行車体2に搭載されたコントローラ150の記憶部に格納されてもよい。
作業経路生成プログラムとしては、たとえば、測位装置であるGNSS制御装置120により測位した自車位置を示す情報を取得する自己位置取得工程と、取得した自己位置情報と、予め記憶した圃場地図情報とに基づいて、少なくとも自車両であるトラクタ1が自動走行可能な走行可能エリア情報を含む走行経路300(図1参照)を生成する走行経路生成工程とが含まれる。さらに、走行経路300に加えて各種の作業関連情報を生成し、生成した情報を情報処理装置へ送信する送信工程が含まれる。
また、記憶部141の圃場データベース1411には、図3に示す圃場関連情報が記憶される。圃場関連情報は、たとえば、圃場Fを特定する圃場識別情報200a~200iに、圃場Fの位置を地図上で示す画像データからなる圃場地図情報、作業関連情報などが紐づけされ、作業制御装置160により生成される。
次に、図5~図7を用いて、トラクタ1の圃場間移動時の処理内容について説明する。図5~図7は、トラクタ1の圃場間移動時の処理内容を示す図である。図5~図7では、複数の圃場F-A~F-Fにおいて、複数のトラクタ1a~1cが自動走行し作業していることとする。また、図5~図7では、圃場F-A~F-Fの入口Finおよび出口Foutが同じ位置であることとする。
例えば、図5では、待機モードのトラクタ1が圃場F-Fの出口Foutにおいて待機していることとする。また、図5に示すトラクタ1は、圃場間移動モードに切り替わった場合には、圃場F-Fから圃場F-Dまで予め定められた走行ルート(破線)を圃場間移動することが決まっていることとする。
なお、情報処理装置130は、各トラクタ1がどの圃場Fをどの順に作業するかを作業開始前に通知してもよく、各圃場Fの作業終了時に次に作業を行う圃場Fを決定しトラクタ1へ通知してもよい。
実施形態に係る情報処理装置130は、過去にトラクタ1が圃場間移動モードで圃場間を走行した際に実際に消費した実燃料消費量に基づいて、トラクタ1が走行予定の走行ルートにおいて消費される燃料の予測値である予測燃料消費量を算出する。
そして、実施形態に係る情報処理装置130は、トラクタ1の燃料残量が予測燃料消費量未満である場合、待機モードから燃料補給モードに切り替える。つまり、情報処理装置130は、トラクタ1の燃料残量が予測燃料消費量未満である場合、燃料が補給されるまで待機モードであるトラクタ1を停止する。
これにより、燃料不足によりトラクタ1が圃場間移動の途中で緊急停止してしまうか否かを、圃場間移動前に判定できるため、トラクタ1が圃場間移動の途中で緊急停止して他のトラクタ1が圃場間移動を行えなくなることを回避できる。従って、実施形態に係る情報処理装置130によれば、作業効率の低下を抑制することができる。
なお、情報処理装置130は、トラクタ1の燃料残量が予測燃料消費量以上である場合、待機モードから圃場間移動モードへ切り替えすることで、トラクタ1の圃場間移動を開始する。
ここで、予測燃料消費量の算出方法について説明する。例えば、圃場F-Fから圃場F-Dまでの予測燃料消費量を算出する場合、情報処理装置130は、例えば、過去にトラクタ1(他のトラクタ1でも良い)が圃場F-Fの出口Foutから圃場F-Dの入口(図5の場合、出口Fout)までに実際に消費した実燃料消費量を予測燃料消費量として算出する。
具体的には、情報処理装置130は、トラクタ1の圃場F-Fの出口Foutにおける燃料残量と、圃場F-Dの入口の到着時における燃料残量との差分値である実燃料消費量を予測燃料消費量として算出する。なお、予測燃料消費量は、圃場F-Fから圃場F-Dへの過去の走行に限らず、逆向きである圃場F-Dから圃場F-Fへの過去の走行時における実燃料消費量に基づいて算出されてもよい。つまり、情報処理装置130は、これから走行予定の走行ルートについて、過去に圃場間移動モードにおいて、当該走行ルートの圃場間移動の開始時および終了時それぞれの燃料残量を取得することで実燃料消費量を算出する。
また、情報処理装置130は、上記の差分値により予測燃料消費量を算出する場合に限らず、例えば、トラクタ1の過去の平均燃費と、圃場F-Fの出口Foutから圃場F-Dの入口までの距離とに基づいて予測燃料消費量を算出してもよい。
また、情報処理装置130は、走行ルートの状態や、トラクタ1の状態に応じて、算出した予測燃料消費量を補正してもよい。例えば、情報処理装置130は、走行ルートの状態として、走行ルートの上りまたは下り傾斜の情報である傾斜情報に基づいて予測燃料消費量を補正することができる。
例えば、情報処理装置130は、走行ルートに上り傾斜が含まれる場合、傾斜角度や傾斜の距離に応じて予測燃料消費量を高くする補正を行う。一方、情報処理装置130は、走行ルートに下り傾斜が含まれる場合、傾斜角度や傾斜の距離に応じて予測燃料消費量を低くする補正を行う。そして、情報処理装置130は、補正された予測燃料消費量未満である場合、燃料が補給されるまで待機モードであるトラクタ1を停止する。
なお、傾斜情報は、例えば、ジャイロセンサを備えるトラクタ1が過去に走行ルートを走行した際のジャイロセンサの検出値を積算した値の情報として取得することができる。
このように、情報処理装置130は、傾斜情報に応じて予測燃料消費量を補正することで、より正確な予測燃料消費量を算出することができる。
また、情報処理装置130は、走行ルートの状態として、土の硬さや、水たまりの有無等に基づいて予測燃料消費量を補正してもよい。また、情報処理装置130は、トラクタ1の状態として、作業機Wの重量や、積荷重量等に基づいて予測燃料消費量を補正してもよい。
このように、情報処理装置130は、走行ルートの状態や、トラクタ1の状態に応じて予測燃料消費量を補正することで、より正確な予測燃料消費量を算出することができる。
また、情報処理装置130は、実燃料消費量の算出に関し、過去に圃場間移動モードにおいて、圃場間を移動中に一時停止した場合には、実燃料消費量の算出を禁止する。これにより、不正確な実燃料消費量が算出されることで、予測燃料消費量の算出結果の精度が低下することを回避することができる。
次に、図6では、圃場間移動モードのトラクタ1aが圃場F-Aから圃場F-Dまで予め定められた走行ルートを走行していることとする。また、待機モードのトラクタ1bが圃場F-Bの出口Foutにおいて待機しており、同様に、待機モードのトラクタ1cが圃場F-Cの出口Foutにおいて待機していることとする。また、トラクタ1bは、圃場間移動モードに切り替わった場合には、圃場F-Bから圃場F-Fへ圃場間移動を行い、トラクタ1cは、圃場間移動モードに切り替わった場合には、圃場F-Cから圃場F-Eへ圃場間移動を行うことが決まっていることとする。
実施形態に係る情報処理装置130は、待機モードであるトラクタ1b,1cが複数存在する場合、圃場間移動モードに切り替わった場合に走行予定の走行ルートの所要時間が短いトラクタ1から圃場間移動モードに切り替える。
図6に示す例では、情報処理装置130は、まず、所要時間が短いトラクタ1cから圃場間移動モードに切り替える。そして、情報処理装置130は、トラクタ1cの圃場間移動が完了後、待機モードのトラクタ1bを圃場間移動モードに切り替える。
このように、走行ルートの所要時間が短いトラクタ1cを優先して圃場間移動モードに切り替えることで、待機モードのトラクタ1bの待機時間を少なくすることができる。従って、実施形態に係る情報処理装置130によれば、圃場間移動を効率良く行うことができる。
なお、情報処理装置130は、トラクタ1bの走行ルートと、トラクタ1cの走行ルートとが重複しているため、トラクタ1bおよびトラクタ1cの間の距離が所定の閾値以上離れた場合に、待機モードのトラクタ1bを圃場間移動モードに切り替えるようにしてもよい。
なお、待機モードでは、トラクタ1は、圃場Fの内部における出口Foutの周辺を待機位置としたが、圃場Fの外部における出口Foutの周辺を待機位置としてもよい。かかる場合、圃場間移動を行っている他のトラクタ1の走行を妨げない位置が好ましい。
なお、所要時間の算出は、例えば、圃場F-Bから圃場F-Fへの所要時間を例に挙げた場合、過去に圃場F-Bから圃場F-Fへ移動した際に経過した時間を所要時間として算出可能である。
具体的には、情報処理装置130は、過去に圃場F-Bから圃場F-Fへの走行ルートを走行した際の開始地点から終了地点までの経過時間を記憶部に記憶し、かかる経過時間に基づいて所要時間を算出する。これにより、所要時間を高精度に算出することができる。
なお、情報処理装置130は、圃場F-Bから圃場F-Fへの所要時間を算出する場合に、圃場F-Fから圃場F-Bへの走行ルートを走行した際の経過時間に基づいて算出してもよい。つまり、情報処理装置130は、経過時間に対応する走行ルート(圃場F-Fから圃場F-B)と、所要時間の算出対象である走行ルート(圃場F-Bから圃場F-F)との進行方向が逆向きである場合に、当該経過時間に基づいて当該所要時間を算出する。これにより、仮に、圃場F-Bから圃場F-Fへの走行ルートを走行したことが無い場合であっても、所要時間を算出することができる。
また、情報処理装置130は、経過時間の算出に関し、過去に圃場間移動モードにおいて、開始地点から終了地点までの圃場間を移動中に一時停止した場合には、経過時間を記憶部に記憶しないようにする。これにより、不正確な経過時間が記憶されることで、所要時間の算出結果の精度が低下することを回避することができる。なお、情報処理装置130は、圃場間を移動中に一時停止した場合には、経過時間の算出自体を禁止してもよい。
次に、図7では、圃場間移動モードのトラクタ1が圃場F-Bから圃場F-Fまで予め定められた走行ルートを走行していることとする。また、かかる走行ルート上には、トラクタ1(他のトラクタ1を含む)が過去に停止したことがある位置SP(以下、停止位置SP)が含まれることとする。
実施形態に係る情報処理装置130は、圃場間移動モードであるトラクタ1が停止位置SPを通過する場合に、トラクタ1の管理者が扱う端末装置(タブレット端末140等)に注意情報を通知する。
例えば、注意情報には、これから停止位置SPを通過する旨のテキスト情報(音声情報でも可)とともに、所定の警告音を通知するための情報が含まれる。また、注意情報として、トラクタ1の前方を映すカメラ171の映像を含ませてもよい。
これにより、トラクタ1が過去に停止したことがある位置SPを通過する際に、管理者に対して注意を促すことができ、例えば、再び停止するおそれがある場合には、トラクタ1を停止させたり、停止の原因を取り除く等の対応をとることができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置130によれば、圃場間移動の安全性を高めることができる。
また、情報処理装置130は、注意情報を通知するとともに、停止位置SPの通過前において、停止位置SPから所定距離以内では、トラクタ1の車速を制御する。具体的には、情報処理装置130は、現在の車速から所定速度だけ低下させたり、最高車速を所定値まで低下させたりする制御を行う。
これにより、注意情報を受けた管理者がトラクタ1を操作する等の対応を余裕をもって行うことができるため、圃場間移動の安全性を高めることができる。
なお、注意情報の通知タイミングと、車速制限のタイミングとは同じであってもよく、異なってもよい。例えば、情報処理装置130は、トラクタ1が停止位置SPまで第1閾値以内となった場合に注意情報を通知し、第1閾値よりも近い第2閾値以内となった場合に車速制限を行ってもよい。あるいは、情報処理装置130は、車速制限を先に行って、後で注意情報を通知してもよい。
そして、情報処理装置130は、トラクタ1が停止位置SPを停止することなく通過した場合に、かかる停止位置SPを次回以降の注意情報の通知対象から除外する。つまり、停止することなく通過できれば、停止する原因が除去された判断できるため、次回以降については注意情報を通知しない。これにより、不必要に注意情報が通知されることを回避できるため、管理者に対して与える煩わしさを低減することができる。
なお、情報処理装置130は、管理者が所定の操作をすることで停止位置SPを通過した場合には、通知対象から除外しないようにしてもよい。
また、情報処理装置130は、停止位置SPにおいて停止した場合、停止から所定時間が経過、または、燃料残量が所定の閾値未満のいずれかの状態となった場合に、トラクタ1のエンジンを停止する。
これにより、停止中の燃料消費を抑制できるため、停止位置SPにおいて燃料切れによりトラクタ1が停止してしまうことを回避することができる。
また、情報処理装置130は、トラクタ1のエンジンを停止した場合、管理者等から所定の入力操作を受け付けるまで、上述した前後進クラッチを中立に保持し切替を禁止する。
すなわち、情報処理装置130は、入力操作を受け付けるまで、トラクタ1を走行不可の状態とする。これにより、トラクタ1が停止中に盗難されることを回避できる。
なお、所定の入力操作とは、例えば、暗証番号等を入力する操作や、管理者による手動のエンジンスタートの操作等である。
次に、図8~図10を用いて、情報処理装置130が実行する処理の処理手順について説明する。図8~図10は、実施形態に係る情報処理装置130が実行する圃場間移動処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、図8を用いて、燃料残量に基づくモード切替処理の処理手順について説明する。
図8に示すように、情報処理装置130は、複数の圃場Fにおいて、待機モードのトラクタ1が存在するか否かを判定する(ステップS101)。
情報処理装置130は、待機モードのトラクタ1が存在する場合(ステップS101:Yes)、圃場間移動モード(第1モード)への切替タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS102)。
情報処理装置130は、圃場間移動モードへの切替タイミングが到来した場合(ステップS102:Yes)、トラクタ1の燃料残量が予測燃料消費量以上であるか否かを判定する(ステップS103)。
情報処理装置130は、トラクタ1の燃料残量が予測燃料消費量以上である場合(ステップS103:Yes)、かかるトラクタ1を待機モードから圃場間移動モードへ切り替えて(ステップS104)、処理を終了する。
一方、ステップS101において、情報処理装置130は、待機モードのトラクタ1が存在しない場合(ステップS101:No)、処理を終了する。
また、ステップS102において、情報処理装置130は、圃場間移動モードへの切替タイミングが到来しない場合(ステップS102:No)、切替タイミングが到来するまでステップS102を繰り返し実行する。
また、ステップS103において、情報処理装置130は、トラクタ1の燃料残量が予測燃料消費量未満である場合(ステップS103:No)、かかるトラクタ1を待機モードから燃料補給モードへ切り替えて(ステップS105)、処理を終了する。
次に、図9を用いて、走行ルートの所要時間に基づくモード切替処理の処理手順について説明する。
図9に示すように、まず、情報処理装置130は、複数の圃場Fにおいて、待機モードのトラクタ1が複数存在するか否かを判定する(ステップS201)。
情報処理装置130は、待機モードのトラクタ1が複数存在する場合(ステップS201:Yes)、複数のトラクタ1それぞれの走行ルートを取得する(ステップS202)。
つづいて、情報処理装置130は、走行ルートの所要時間が最も短いトラクタ1に対して待機モードから圃場間移動モードへの切り替えを指示する(ステップS203)。
つづいて、情報処理装置130は、他に待機モードのトラクタ1が残っていないかどうかを判定する(ステップS204)。情報処理装置130は、待機モードのトラクタ1が残っていない場合(ステップS204:Yes)、処理を終了する。
一方、ステップS201において、情報処理装置130は、待機モードのトラクタ1が1台である場合(ステップS201:No)、かかるトラクタ1に対して待機モードから圃場間移動モードへの切り替えを指示し(ステップS205)、処理を終了する。
また、ステップS204において、情報処理装置130は、他に待機モードのトラクタ1が残っていた場合(ステップS204:No)、ステップS203を実行する。
次に、図10を用いて、注意情報の通知処理の処理手順について説明する。
図10に示すように、まず、情報処理装置130は、圃場間移動モードのトラクタ1が走行ルートを走行中であるか否かを判定する(ステップS301)。
情報処理装置130は、圃場間移動モードのトラクタ1が走行ルートを走行中である場合(ステップS301:Yes)、かかる走行ルートにおいて過去の停止位置SPに接近しているか否かを判定する(ステップS302)。
情報処理装置130は、停止位置SPに接近している場合(ステップS302:Yes)、トラクタ1の管理者が扱う端末装置へ注意情報を通知する(ステップS303)。
つづいて、情報処理装置130は、トラクタ1の車速を制限する(ステップS304)。つづいて、情報処理装置130は、トラクタ1が停止位置SPで停止することなく通過したか否かを判定する(ステップS305)。
情報処理装置130は、停止位置SPを停止することなく通過した場合(ステップS305:Yes)、かかる停止位置SPを注意情報の通知対象から除外する(ステップS306)。
つづいて、情報処理装置130は、トラクタ1の車速制限を解除し(ステップS307)、処理を終了する。
一方、ステップS301において、情報処理装置130は、走行中の圃場間移動モードのトラクタ1が存在しない場合(ステップS301:No)、処理を終了する。
また、ステップS302において、情報処理装置130は、トラクタ1が停止位置SPに接近していない場合(ステップS302:No)、処理を終了する。
また、ステップS305において、情報処理装置130は、トラクタ1が停止位置SPにおいて再び停止した場合(ステップS305:No)、かかる停止位置SPを注意情報の通知対象として維持し(ステップS308)、ステップS307を実行する。
上述したように、実施形態に係る実施形態の一態様に係る作業車両1の制御システム100は、測位装置120により測位しながら複数の圃場Fを自律走行する複数のトラクタ1と、複数のトラクタ1それぞれの自律走行を制御する情報処理装置130と、を備え、トラクタ1は、圃場間を移動する第1モードと、圃場Fの出口Foutにおいて第1モードへの切り替わりを待機する第2モードとを有し、情報処理装置130は、トラクタ1が過去に第1モードで圃場間を走行した際の実燃料消費量に基づいて、第2モードであるトラクタ1が第1モードに切り替わった場合に走行予定の走行ルートにおける予測燃料消費量を算出する算出部と、第2モードであるトラクタ1の燃料残量が予測燃料消費量未満である場合、燃料が補給されるまで第2モードであるトラクタ1を停止する走行制御部とを備える。これにより、作業効率の低下を抑制することができる。
また、上述したように、実施形態に係る実施形態の一態様に係る作業車両1の制御システム100は、測位装置120により測位しながら複数の圃場Fを自律走行する複数のトラクタ1と、複数のトラクタ1それぞれの自律走行を制御する情報処理装置130と、を備え、トラクタ1は、圃場間を移動する第1モードと、圃場Fの出口Foutにおいて第1モードへの切り替わりを待機する第2モードとを有し、情報処理装置130は、トラクタ1が過去に第1モードで圃場間を移動中に停止した際の停止位置SPを記憶する記憶部と、第1モードであるトラクタ1が停止位置SPを通過する場合に、トラクタ1の管理者が扱う端末装置(タブレット端末140)に注意情報を通知する通知部とを備える。これにより、圃場間移動の安全性を高めることができる。
また、上述したように、実施形態に係る実施形態の一態様に係る作業車両1の制御システム100は、測位装置120により測位しながら複数の圃場Fを自律走行する複数のトラクタ1と、複数のトラクタ1それぞれの自律走行を制御する情報処理装置130と、を備え、トラクタ1は、圃場間を移動する第1モードと、圃場Fの出口Foutにおいて第1モードへの切り替わりを待機する第2モードとを有し、情報処理装置130は、第2モードであるトラクタ1が複数存在する場合、第1モードに切り替わった場合に走行予定の走行ルートの所要時間が短いトラクタ1から順に第1モードに切り替える。これにより、圃場間移動を効率良く行うことができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。