JP7368571B1 - 位置精度評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】3次元点群データにおける水平方向の位置精度を客観的且つ精度良く評価することができる位置精度評価方法を提供する。【解決手段】位置精度評価方法では、第1水平方向に沿った直線状の第1境界線を有し互いに異なる方向に傾斜した一対の第1屋根に対応する第1点群データ、及び第1水平方向に交差する第2水平方向に沿った直線状の第2境界線を有し互いに異なる方向に傾斜した一対の第2屋根に対応する第2点群データを3次元点群データから抽出する。続いて、第1点群データから第1境界線に対応する第1仮想線を、第2点群データから第2境界線に対応する第2仮想線を取得する。続いて、第1境界線の第1実測線と第1仮想線との水平方向における第1離隔距離、及び第2境界線の第2実測線と第2仮想線との水平方向における第2離隔距離を算出し、第1,第2離隔距離に基づいて、3次元点群データの水平方向の位置精度の評価値を算出する。【選択図】図1

Description

本開示は、位置精度評価方法に関する。
特許文献1には、河川等の対象物について、航空レーザ測量の点群データ(3次元地形データ)を取得する手法が記載されている。この点群データは、各計測点の3次元計測データの集まりである。
特開2016-142533号公報
上記技術分野にあっては、航空レーザ測量における3次元点群データの高さ方向(標高)の精度の検証方法が、測量法第34条で定める作業規程の準則(令和2年3月31日一部改正)に規定されている。一方、レーザでは水平位置を正確に計測することはできないため、3次元点群データのみを使用して、3次元点群データにおける水平方向の精度を検証する方法については、上記作業規定には規定されていない。
一方、例えば、地籍調査(航空レーザ測量)、及び効率的手法導入推進基本調査(リモートセンシングデータ活用型)においては、国土交通省が定める「地籍調査作業規定準則」に則り作業が行われ、航空レーザ調整用基準点の精度の制限が、「地籍調査作業規定準則運用基準」(最終改正:令和3年3月30日国不籍第555号)別表第34条に規定されている。
具体的には、地籍調査作業規定準則第77条には、水平位置及び標高の基準となる点(以下「調整用基準点」(標定点等の表現もある)という)は地籍図根三角点を使用するものとすること、ただし自然又は既設の工作物を利用することは妨げないこと、が記載されている。また、地籍調査作業規定準則運用基準では、調整用基準点と航空レーザ点群データとの制限値は標準偏差30cm以内(最大値60cm以内)とされている。また、上記運用基準別表32条には、調整用基準点上に設置する精度検証に用いる対空標識(一般的には平面の白いべニア板等)の規格を90cm×90cmの方形を標準とする旨が記載されている。地上より50cm程度上に対空標識を設置して、対空標識に照射された3次元点群(航空レーザ点群)データを用いて対空標識の中心を推定し、推定した中心を別途測量した調整用基準点の真位置と比較することにより、精度管理が行われる。
しかしながら、上記手法においては、そもそも平面の対空標識を使って3次元点群データの精度管理を行うことはレーザの特性を無視しており、3次元点群データに基づいて平面の中心を特定するには作業者の主観が入ってしまう。以下、水平方向の精度管理方法として、現在考えられている手法とその問題点について説明する。
第1の手法として、反射強度が強い平面の対空標識を利用する手法が考えられる。この第1の手法では、上記水平方向の精度を評価するためには、数メートルに及ぶ大きさの対空標識等を設置する必要があると考えられる。しかしながら、このような大きさの対空標識は現地に設置することは、現実的でなく、また、仮に設置ができて3次元点群データを利用したとしても、上述したように平面状の対空標識の中心を特定するには作業者の主観が入ってしまう。また、30cm以内の許容誤差を判断するには、点群密度が少ないという問題がある。
第2の手法として、既存の道路に存在する反射強度が強い道路の白線等を利用する手法が考えられる。しかしながら、この第2の手法でも、例えば、上述したように平面状の白線の中心を特定するには作業者の主観が入ってしまう。また、白線に対応する3次元点群データを利用して30cm以内の許容誤差を判断するには、点群密度が少ないという問題がある。
第3の手法として、立体的な対空標識を利用する手法が考えられる。この立体的な対空標識を利用する第3の手法は、理想的であり、現在までさまざまな検証が行われている。しかしながら、当該第3の手法においても、ある程度大きな対空標識を設置する必要があり、そのような対空標識を用意するのは現実的ではない。
第4の手法として、既存の構造物を利用する手法が考えられる。この既存の構造物を利用する第4の手法においては、例えば、構造物の上面の重心を決定する必要があるが、平面状の構造物の上面の重心を3次元点群データから特定するには、やはり作業者の主観が入ってしまう。また、構造物の上面に対応する3次元点群データを利用して30cm以内の許容誤差を判断するには、点群密度が少ないという問題がある。
以上のように、現在、水平方向の精度管理の種々の手法が検討されているが、いずれも客観性及び精度に問題がある。本開示は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、3次元点群データにおける水平方向の位置精度を客観的且つ精度良く評価することができる位置精度評価方法を提供することを目的とする。
本開示に係る位置精度評価方法は、[1]「航空レーザ測量における3次元点群データの水平方向の位置精度を評価するための位置精度評価方法であって、鉛直方向からみて第1水平方向に沿った直線状の第1境界線を有すると共に、互いに異なる方向に傾斜した一対の第1屋根に対応する第1点群データを、3次元点群データから抽出する第1工程と、鉛直方向からみて第1水平方向に交差する第2水平方向に沿った直線状の第2境界線を有すると共に、互いに異なる方向に傾斜した一対の第2屋根に対応する第2点群データを、3次元点群データから抽出する第2工程と、第1点群データから一対の第1屋根のそれぞれに対応する一対の第1仮想面を構成すると共に、当該一対の第1仮想面のそれぞれが交わる線として第1境界線に対応する第1仮想線を取得する第3工程と、第2点群データから一対の第2屋根のそれぞれに対応する一対の第2仮想面を構成すると共に、当該一対の第2仮想面のそれぞれが交わる線として第2境界線に対応する第2仮想線を取得する第4工程と、第1境界線の実測により得られた第1実測線と第1仮想線との水平方向における離隔距離である第1離隔距離を算出すると共に、第2境界線の実測により得られた第2実測線と第2仮想線との水平方向における離隔距離である第2離隔距離を算出する第5工程と、第1離隔距離と第2離隔距離とに基づいて、3次元点群データの水平方向の位置精度を評価するための評価値を算出する第6工程と、を備える位置精度評価方法」である。
この[1]の位置精度評価方法では、まず、一対の第1屋根及び一対の第2屋根に対応する3次元点群データが抽出される。一対の第1屋根は、鉛直方向からみて第1水平方向に沿った直線状の第1境界線を有すると共に互いに異なる傾きを有する屋根である。一対の第2屋根は、鉛直方向からみて第1水平方向に交差する第2水平方向に沿った直線状の第2境界線を有すると共に互いに異なる傾きを有する屋根である。そして、一対の第1屋根に対応する3次元点群から、一対の第1屋根のそれぞれに対応する一対の第1仮想面が構成され、一対の第1仮想面のそれぞれが交わる線であって、第1境界線に対応する第1仮想線が取得される。また、一対の第2屋根に対応する3次元点群を用いることにより、一対の第2屋根のそれぞれに対応する一対の第2仮想面が構成され、一対の第2仮想面のそれぞれが交わる線であって、第2境界線に対応する第2仮想線が取得される。そして、第1境界線の実測により得られた第1実測線と第1仮想線との水平方向における離隔距離である第1離隔距離が算出されると共に、第2境界線の実測により得られた第2実測線と第2仮想線との水平方向における離隔距離である第2離隔距離が算出される。そして、第1離隔距離と第2離隔距離とに基づいて、3次元点群データの水平方向の位置精度を評価するための評価値が算出される。
このように、この[1]の位置精度評価方法では、第1屋根の第1境界線に対応する第1仮想線、及び第2屋根の第2境界線に対応する第2仮想線が3次元点群データから得られる。そして、得られた第1仮想線と第1境界線の実測線との離隔距離、及び第2仮想線と第2境界線第2仮想線と第2境界線の実測線との離隔距離に基づいて、水平方向の位置精度の評価値が算出されるので、3次元点群データにおける水平方向の位置精度を客観的且つ精度良く評価することができる。
本開示に係る位置精度評価方法は、[2]「一対の第1屋根及び一対の第2屋根は、それぞれ、切妻屋根を構成しており、第1境界線及び第2境界線は、それぞれ、切妻屋根の大棟において形成されている、上記[1]に記載の位置精度評価方法」であってもよい。この場合、構造物に一般的に用いられている屋根形状を利用するため、上記位置精度を容易に評価することができる。
本開示に係る位置精度評価方法は、[3]「第1境界線と第2境界線の成す角度は、略90°である、上記[1]又は[2]に記載の位置精度評価方法」であってもよい。この場合、互いに略直交した2方向のそれぞれにおける離隔距離に基づいて評価値が算出されるため、より精度良く上記位置精度を評価することができる。
本開示に係る位置精度評価方法は、[4]「第6工程では、評価値として、第1離隔距離と第2離隔距離との二乗和平方根を算出する、上記[3]に記載の位置精度評価方法」であってもよい。これにより、仮に各屋根の境界線が測地座標系の水平方向成分に沿っていない場合であっても、評価値を適切に算出することができる。
本開示に係る位置精度評価方法は、[5]「第1境界線及び第2境界線の一方は、東西方向に沿っており、第1境界線及び第2境界線の他方は、南北方向に沿っている、上記[1]~[4]のいずれかに記載の位置精度評価方法」であってもよい。これにより、測地座標系の水平方向成分であるX方向及びY方向のそれぞれにおける3次元点群データの精度を評価することができる。
本開示に係る位置精度評価方法は、[6]「第5工程では、第1離隔距離として、第1仮想線と第1実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出し、第2離隔距離として、第2仮想線と第2実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出する、上記[1]~[5]のいずれかに記載の位置精度評価方法」であってもよい。これにより、3次元点群データに基づいて得られた仮想線と実際の境界線とが互いに平行でない場合であっても、評価値を適切に算出することができる。
本開示によれば、3次元点群データにおける水平方向の位置精度を客観的且つ精度良く評価することができる位置精度評価方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る位置精度評価方法の主な工程を示すフローチャートである。 図2は、航空レーザ測量の作業エリア内に存在する屋根の一例を示す図である。 図3は、切妻屋根を構成する一対の第1屋根の一例を示す図である。 図4(A),図4(B),図4(C),図4(D)は、第1仮想面の構成までの一例を示す図である。 図5(A),図5(B)は、第1離隔距離の算出例を示す図である。 図6は、一対の第1屋根及び一対の第2屋根の一例を示す図である。 図7は、一対の第1屋根及び一対の第2屋根の一例を示す図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する部分を省略する。
図1は、本実施形態に係る位置精度評価方法の主な工程を示すフローチャートである。位置精度評価方法は、航空レーザ測量における3次元点群データの水平方向の位置精度を評価する方法である。航空レーザ測量における3次元点群データは、航空機が、測量の作業エリアに対してレーザ光の走査を行うことにより得られるレーザ光の反射点群を示すデータである。以下、航空レーザ測量及び3次元点群データの概要について説明する。
航空レーザ測量は、計画された計測コースに従って航空機が移動しながら作業エリア全域を測量することにより実施される。航空機は、有人航空機であってもよいし、ドローン等の無人航空機であってもよく、特に限定されない。具体的には、レーザ計測装置、及びIMU装置等が搭載された航空機とGNSS(Global Navigation Satellite System)固定局(電子基準点)との1秒毎の同時観測が行われることにより、航空機の測量中の位置が求められ、IMU装置によって航空機における3軸(X軸、Y軸、Z軸)の傾き及び加速度が求められる。そして、航空機(レーザプラットホーム)が、作業エリアに対してレーザ光の走査を行い、レーザ反射光を受光することにより、地表面及び地上構造物までの距離を計測する。また、作業エリアにおけるレーザ光の反射点群を示す反射点群データを取得する。一方、GNSS観測データ及びGNSS固定局データより1秒ごとの位置座標を算出し、IMU装置の3軸補正と反射点群データから地表面の3次元点群データを取得する。3次元点群データに含まれる各点には、例えば、上記GNSS、及びIMU等の情報に基づいて、3次元座標(X座標、Y座標、Z座標)が設定される。続いて、取得された3次元点群データから不要な点群を除去するノイズ処理が実施され、最終的な3次元点群データが得られる。
ここで、このように得られた3次元点群データのうち、高さ方向(標高)の精度については、管理手法が測量法第34条で定める作業規程の準則に規定されており、調整用基準点を用いて高さ方向の精度の評価及び調整が実施される。一方、レーザでは水平位置を正確に計測することはできず、3次元点群データにおける水平方向の精度を客観的に評価する手法については上記作業規定等には規定されていない。そこで、この位置精度評価方法では、得られた3次元点群データの水平方向の位置精度を客観的に且つ精度良く評価する。
この評価方法では、航空レーザ測量の作業エリア内に存在する構造物等の屋根のうち、評価に適した屋根の組合せを利用する。評価に適した屋根とは、後述する所定の条件を満たす屋根である。構造物とは、例えば、家屋、及び商・工業施設等である。具体的には、この評価方法では、上記適した屋根の組合せに対応する3次元点群データに基づいて、3次元点群データの水平方向の位置精度を評価するための評価値を算出する。この評価値によって、水平方向の位置精度を客観的に且つ精度良く評価することが可能となる。以下、まず、上記適した屋根の組合せの詳細を説明してから、評価値の算出方法を含む位置精度評価方法について詳細を説明する。
上記適した屋根の組合せの詳細について、図2,3を適宜用いて説明する。図2は、航空レーザ測量の作業エリアF内に存在する屋根の一例を示す図である。図3は、切妻屋根を構成する一対の第1屋根の一例を示す図である。
適した屋根の組合せとしては、後述する条件を満たす一対の第1屋根及び一対の第2屋根が利用される。一対の第1屋根は、鉛直方向からみて第1水平方向に沿った直線状の第1境界線を有すると共に、互いに異なる方向に傾斜した一対の屋根である。一対の第2屋根は、鉛直方向からみて第1水平方向に交差する第2水平方向に沿った直線状の第2境界線を有すると共に、互いに異なる方向に傾斜した一対の屋根である。
本実施形態では、一対の第1屋根及び一対の第2屋根は、それぞれ、切妻屋根を構成しており、第1境界線及び第2境界線は、それぞれ、切妻屋根の大棟において形成されている。すなわち、一対の第1屋根及び一対の第2屋根は、それぞれ、切妻屋根の大棟を境界として、互いに異なる方向に山状に傾斜した一対の屋根である。
図2に示される例では、航空レーザ測量の作業エリアF、及び作業エリアF内に存在する一対の第1屋根及び一対の第2屋根の組合せが複数示されている。ここでは、まず、一対の第1屋根H11a,H11b及び一対の第2屋根H12a,H12bに着目して適した屋根の組合せについて説明する。一対の第1屋根H11a,H11bは、鉛直方向からみて第1水平方向Z11に沿った直線状の第1境界線B11を有すると共に、互いに異なる方向に傾斜している。すなわち、図3に示されるように、一対の第1屋根H11a,H11bは、切妻屋根を構成しており、第1境界線B11は、切妻屋根の大棟D11において形成されている。
図2に示されるように、一対の第2屋根H12a,H12bは、鉛直方向からみて第1水平方向Z11に交差する第2水平方向Z12に沿った直線状の第2境界線B12を有すると共に、互いに異なる方向に傾斜している。一対の第1屋根H11a,H11bと同様に、一対の第2屋根H12a,H12bは、切妻屋根を構成しており、第2境界線B12は、切妻屋根の大棟において形成されている。
ここで、作業エリア内に存在する屋根の状況は、作業エリアごとに異なる。本評価方法では、作業エリア内に存在する屋根に応じて、より適した条件を有する一対の第1屋根及び一対の第2屋根の組合せが利用される。以下、各条件について説明する。
第1の条件は、一対の第1屋根及び一対の第2屋根のそれぞれの4隅及び2棟が、道路等からトータルステーションにより観測可能なことである。ただし、上記4隅及び2棟は、すべてが観測できなくても、座標交点計算にて算出できる程度に観測できればよい。第2の条件は、一対の第1屋根及び一対の第2屋根が、それぞれ、ガルバリウム鋼板(登録商標)からなる屋根等、可能な限り屋根の表面及び棟に凹凸が少ない形状の屋根であることである。
第3の条件は、2棟の建物が直角に近い方向に向いていることである。すなわち、第3の条件は、第1境界線と第2境界線との成す角度が例えば略90°であることである。ここでいう略90°とは、90°±10°をいい、好ましくは90°±5°、より好ましくは90°±1°である。第4の条件は、第3条件を満たす2棟の建物であって、さらに、一方が南北に向いており、且つ、他方が東西に向いていることである。すなわち、第4の条件は、第1境界線及び第2境界線の一方が、東西方向に沿っており、第1境界線及び第2境界線の他方が、南北方向に沿っていることである。
上記各条件のうち、第1の条件は、必須であるが、第2~第4の条件は、作業エリア内に存在する屋根の状況に応じて適用され得る。つまり、本評価方法に利用される一対の第1屋根及び一対の第2屋根は、前提として、それぞれ、道路から、4隅及び2棟がトータルステーションにより観測可能なものであって、その他にも、屋根の形状、及び互いの大棟の位置関係に応じて適宜選定される。なお、上記各条件以外にも、例えば、一対の第1屋根と一対の第2屋根とが互いにより近接している組合せを優先的に本評価方法に利用してもよい。
また、本評価方法に利用される組合せは、複数であってもよく、その場合、作業エリア内でなるべく互いに離れた場所に存在する組合せが選定されてもよい。ただし、本評価方法に利用される組合せの数は、任意である。例えば、上記条件を満たす組合せが作業エリア内に1つだけ存在する場合には、1つであってもよい。
図2に示される例では、一対の第1屋根H11a,H11b及び一対の第2屋根H12a,H12bの他に、一対の第1屋根H21a,H21b及び一対の第2屋根H22a,H22b、一対の第1屋根H31a,H31b及び一対の第2屋根H32a,H32b、並びに一対の第1屋根H41a,H41b及び第2屋根H42a,H42bの組合せが、作業エリアF内に存在している。これら4つの組合せの各屋根は、少なくとも第1の条件を満たしている。
これら4つの組合せのうち、一対の第1屋根H11a,H11b及び一対の第2屋根H12a,H12bにおいては、第1境界線B11が南北方向に沿っており、第2境界線B12が東西方向に沿っている。また、一対の第1屋根H21a,H21b及び一対の第2屋根H22a,H22bにおいても、第1水平方向Z21に沿った、第1屋根H21a,H21bの第1境界線B21が南北方向に沿っており、第2水平方向Z22に沿った第2屋根H22a,H22bの第2境界線B22が、東西方向に沿っている。つまり、一対の第1屋根H11a,H11b及び一対の第2屋根H12a,H12b、並びに一対の第1屋根H21a,H21b及び一対の第2屋根H22a,H22bの組合せは、第3及び第4の条件を満たしている。
一方、一対の第1屋根H31a,H31b及び一対の第2屋根H32a,H32bにおいては、第1水平方向Z31に沿った第1屋根H31a,H31bの第1境界線B31、及び第2水平方向Z32に沿った第2屋根H32a,H32bの第2境界線B32は南北方向にも東西方向にも沿っていないが、第1境界線B31と、第2境界線B32とが成す角度は略90°である。一対の第1屋根H41a,H41b及び一対の第2屋根H42a,H42bにおいても、第1水平方向Z41に沿った第1屋根H41a,H41bの第1境界線B41、及び第2水平方向Z42に沿った第2屋根H42a,H42bの第2境界線B42は南北方向にも東西方向にも沿っていないが、第1境界線B41と第2境界線B42とが成す角度は略90°である。つまり、一対の第1屋根H31a,H31b及び一対の第2屋根H32a,H32b、並びに一対の第1屋根H41a,H41b及び一対の第2屋根H42a,H42bの組合せは、第4の条件を満たしていないものの第3の条件は満たしている。
図2に示される例では、作業エリアF内で互いに離れた場所に上記4つの第1屋根及び第2屋根の組合せが存在する。本評価方法には、上記4つの第1屋根及び第2屋根の組み合わせのすべてが利用されてもよいし、上記各条件と照らし合わせてより適した組合せのみが利用されてもよい。
次に、位置精度評価方法について詳細に説明する。この評価方法は、選定された一対の第1屋根及び一対の第2屋根の組合せごとに実施される。図1に示されるように、この方法においては、まず、一対の1屋根に対応する第1点群データを、3次元点群データから抽出する(ステップS11:第1工程)。第1点群データは、例えば、一対の第1屋根の実際の位置データ、及び3次元点群データの各点が示す3次元座標(X座標、Y座標、Z座標)等に基づいて抽出される。
続いて、一対の第2屋根に対応する第2点群データを、3次元点群データから抽出する(ステップS12:第2工程)。第2点群データは、例えば、一対の第2屋根の実際の位置データ、及び3次元点群データの各点が示す3次元座標等に基づいて抽出される。
続いて、第1点群データから一対の第1屋根のそれぞれに対応する一対の第1仮想面を構成すると共に、当該一対の第1仮想面のそれぞれが交わる線として第1境界線に対応する第1仮想線を取得する(ステップS13:第3工程)。以下、ステップS11における第1点群データの抽出方法、並びにステップS13における一対の第1仮想面の構成方法、及び第1仮想線の取得方法の一例について、図3,図4(A),図4(B),図4(C),図4(D)を用いて説明する。図4(A),図4(B),図4(C),図4(D)は、第1仮想面の構成までの一例を示す図である。
まず、第1点群データに基づいて、一対の第1屋根H11a,H11bに対応する一対の第1仮想面を構成する。具体的には、3次元点群データのうち第1屋根H11aに対応する第1点群データの各点を特定した後、特定した各点の3次元座標より最小二乗法による回帰平面を形成する。この平面は、屋根の傾斜を仮想的な面で表したものである。まず、図4(A)に示されるように、航空写真中の第1屋根H11aにおいて、大棟を境に分かれる2面上で、各面に対応する第1枠F1及び第2枠F2を設定する。
続いて、図4(B)に示されるように、3次元点群データのうち、第1枠F1に対応する点群データT1(第1枠F1内に位置する複数の点を含むデータ)及び第2枠F2に対応する点群データT2(第2枠F2内に位置する複数の点を含むデータ)を、第1点群データとして切り出す(抽出する)。続いて、図4(C)に示されるように、切り出した2つの点群データT1,T2に基づいて、最小二乗法により回帰平面である一対の第1仮想面S1,S2を計算する。第1仮想面S1は、AX+BY+CZ+D=0で表され、第1仮想面S2は、AX+BY+CZ+D=0で表される。ここで、X及びYは水平方向を表す変数であり、Zは、高さ方向を表す変数である。A,A,B,B,C,C,D,Dのそれぞれは、係数であり、最小二乗法で決定する値である。
続いて、第1仮想面S1,S2から、屋根の大棟部での仮想面が交差する交線を求め、これを第1仮想線K11とする。具体的には、図4(D)に示されるように、第1仮想面S1と第1仮想面S2との交線を計算する。交線は、P=P+tSで表される。S,Pはそれぞれ、以下のように表される。なお、Vzが0の場合には代替が行われる。以上のようにして、第1仮想線K11を得ることができる。
S=(Vx,Vy,Vz)=(B×C-C-B,C×A-A×C,A×B-B×A
=(D×B-D×B)/Vz,(D×A-D×A)/Vz,0)
続いて、第2点群データから一対の第2屋根H12a,H12bのそれぞれに対応する一対の第2仮想面を構成すると共に、当該一対の第2仮想面のそれぞれが交わる線として第2境界線B12に対応する第2仮想線を取得する(ステップS14:第4工程)。
具体的には、まず、第2点群データに基づいて、一対の第2屋根H12a,H12bに対応する一対の第2仮想面を構成する。第2仮想面の構成方法については、第1仮想面の構成方法と同様であるため、詳細な説明を省略する。第2屋根H12aに対応する第2仮想面、及び第2屋根H12bに対応する第2仮想面を形成し、これら2つの第2仮想面が交差する交線を第2仮想線として得る。
続いて、第1屋根における第1離隔距離を算出すると共に、第2屋根における第2離隔距離を算出する(ステップS15:第5工程)。第1離隔距離は、第1境界線の実測により得られた第1実測線と第1仮想線との水平方向における離隔距離である。第2離隔距離は、第2境界線の実測により得られた第2実測線と第2仮想線との水平方向における離隔距離である。
ここで、第1境界線及び第2境界線の実測により、第1実測線及び第2実測線を得る手法の一例について説明する。第1実測線の実測(地上測量)は、例えば以下の手順で行われる。まず、GNSS基準点を選定する。具体的には、一対の第1屋根及び一対の第2屋根のそれぞれについて、屋根の周辺の道路から屋根の4隅及び2棟が可能な限り見える箇所、且つ上空視界の開けたGNSS観測が可能な場所に、GNSS基準点を2点設置する。2点のGNSS基準点は、互いに視通が取れる場所であって、測量用三脚が整置できる場所である。2点のGNSS基準点の設置には、アスファルト面に測量鋲を打つことが標準とされるが、現地状況により変更されてもよい。以下、2点のGNSS基準点を、第1基準点、及び第2基準点として説明する。
続いて、GNSS観測を実施する。まず、第1基準点の測点鋲にて、ネットワーク型RTK-GNSS(Realtimekinematic-Global Navigation Satellite System)による単点測量を行う(これは一例でありGNSSの他の手法(スタティック法等)を用いることもある)。具体的には、観測を2セット行い、1回目の観測を採用値、2回目の観測を点検値として、平面直角座標系のX,Y,Hの座標値を決定する。続いて、第2基準点についても、第1基準点の場合と同様に観測を行う。このようにして、第1基準点、及び第2基準点のX,Y,Hの座標値を決定する。
続いて、トータルステーション(以下、「TS」という)測量を実施する。まず、TS測量機を第1基準点に整置する。そして、第2基準点を後視として、一対の第1屋根及び一対の第2屋根のそれぞれについて、屋根の観測ポイントを3次元放射観測によって観測する。第2基準点についても、第1基準点を後視として、第1基準点の場合と同様に、屋根の観測を行う。
続いて、上記GNSS観測、及び上記TS測量によって観測されたデータを処理する。まず、第1基準点、及び第2基準点についての上記GNSS観測(ネットワーク型RTK-GNSS単点測量)による観測結果を、帳票出力してTS計算の既知点とする。なお、このGNSS観測による観測結果は、リアルタイム観測結果のため、解析済である。続いて、TS測量によって観測された角度距離の観測値に基づいて3次元放射計算を行い、一対の第1屋根及び一対の第2屋根のそれぞれのX,Y,Hの座標値を算出する。続いて、TS測量にて視通の取れなかったポイントについて、交点計算を実施して座標値を求める。
続いて、第1屋根について、上記の処理により得られた第1屋根のX,Yの座標値から、第1屋根の大棟に沿った第1実測線を求める。図3に示される例では、第1屋根H11a,H11bの大棟D11が直接観測され、大棟の2つの端点Pが座標計算されている。したがって、2つの端点P同士を結んで、第1実測線R11が得られる。
第2屋根についても、上記の処理により得られた第2屋根のX,Yの座標値から、第2屋根の大棟に沿った第2実測線を求める。具体的には、屋根の大棟が直接観測された場合には、上記処理により座標計算された大棟の2つの端点同士を結んで、実測線を求める。以上が、第1実測線及び第2実測線を得る一例である。ただし、本評価方法に用いられる第1実測線及び第2実測線は、特に限定されるものではなく、他の方法によって得られたものであってもよい。また、第1実測線及び第2実測線は、本評価方法中で実測される必要はなく、予め取得されていてもよい。
続いて、ステップS15において、第1離隔距離及び第2離隔距離を算出する方法について、図5(A),図5(B),6,7の例を適宜用いて説明する。図5(A),図5(B)は、第1離隔距離の算出例を示す図である。図6は、一対の第1屋根及び一対の第2屋根の一例を示す図である。図7は、一対の第1屋根及び一対の第2屋根の一例を示す図である。
第1離隔距離は、第1実測線を実際の第1境界線(真のライン)として、第1実測線と第1仮想線とを水平面で重ね、重ねた第1実測線と第1仮想線との距離を算出することで得られる。すなわち、第1離隔距離は、第1境界線に対する第1仮想線の水平方向における誤差である。図5に示される例を挙げて説明すると、図4(D)において第1仮想線K11を得た後、図5(A)に示されるように、水平面上にて、第1仮想線K11に、地上から測量した第1実測線R11をXY座標値で重ねる。そして、図5(B)に示されるように、第1実測線R11から第1仮想線K11までの離隔距離を求めて、これを第1離隔距離とする。
本実施形態では、第1離隔距離として、第1仮想線と第1実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出する。具体的には、第1仮想線における一対の第1屋根に対応する部分(一対の第1屋根と重なる部分)と、第1実測線における一対の第1屋根に対応する部分との間で、水平方向における最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出する。
第2離隔距離は、第2実測線を実際の第2境界線(真のライン)として、第2実測線と第2仮想線とを水平面で重ね、重ねた第2実測線と第2仮想線との距離を算出することで得られる。すなわち、第2離隔距離は、第2境界線に対する第2仮想線の水平方向における誤差である。本実施形態では、第2離隔距離として、第2仮想線と第2実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出する。具体的には、第2仮想線における一対の第2屋根に対応する部分(一対の第2屋根と重なる部分)と、第2実測線における一対の第2屋根に対応する部分との間で、水平方向における最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出する。
ここで、一対の第1屋根H11a,H11b及び一対の第2屋根H12a,H12bに対して本評価方法のステップS15の処理を実施する場合について説明する。図6は、図2に示される一対の第1屋根H11a,H11b及び一対の第2屋根H12a,H12bの拡大図である。図2,6に示されるように、一対の第2屋根H12a,H12bの第2境界線B12は東西方向に沿っており、一対の第1屋根H11a,H11bの第1境界線B11は南北方向に沿っている。
この場合、ステップS15においては、第1屋根H11a,H11bについて、図6に示されるように、第1仮想線K11における一対の第1屋根H11a,H11bに対応する部分と、第1実測線R11における一対の第1屋根H11a,H11bに対応する部分との間の水平方向における最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出する。そして、このように算出された値を第1離隔距離ΔYとして得る。第1離隔距離ΔYは、測地座標系の水平方向成分に沿った方向(ここでは第2水平方向Z12に相当する方向)における距離である。
一対の第2屋根H12a,H12bについても、第2仮想線K12における一対の第2屋根H12a,H12bに対応する部分と、第2実測線R12における一対の第2屋根H12a,H12bに対応する部分との間の水平方向における最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出する。そして、このように算出された値を第2離隔距離ΔXとして得る。第2離隔距離ΔXは、測地座標系の水平方向成分(ここでは第1水平方向Z11に相当する方向)に沿った方向における距離である。
次に、一対の第1屋根H41a,H41b及び一対の第2屋根H42a,H42bに対して本評価方法のステップS15の処理を実施する場合について説明する。図7は、図2に示される一対の第1屋根H41a,H41b及び一対の第2屋根H42a,H42bの拡大図である。図2,7に示されるように、一対の第1屋根H41a,H41bの第1境界線B41、及び一対の第2屋根H42a,H42bの第2境界線B42は東西方向及び南北方向には沿っていないが、第1境界線B41と第2境界線B42の成す角度が略90°である。
この場合、ステップS15では、一対の第1屋根H41a,H41bについて、第1仮想線K41における一対の第1屋根H41a,H41bに対応する部分と、第1実測線R41における一対の第1屋根H41a,H41bに対応する部分との間の水平方向における最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを、第1離隔距離ΔIとして算出する。第1離隔距離ΔIは、測地座標系の水平方向成分とは異なる任意の方向に沿った距離である。また、一対の第2屋根H42a,H42bについても、第2仮想線K42における一対の第2屋根H42a,H42bに対応する部分と、第2実測線R42における一対の第2屋根H42a,H42bに対応する部分との間の水平方向における最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを、第2離隔距離ΔJとして得る。第2離隔距離ΔJは、測地座標系の水平方向成分とは異なる任意の方向に沿った距離である。
続いて、第1離隔距離と第2離隔距離とに基づいて、3次元点群データの水平方向の位置精度を評価するための評価値を算出する(ステップS16:第6工程)。評価値の算出方法は、一対の第1屋根の第1境界線と、一対の第2屋根の第2境界線との位置関係に応じて、以下の第1パターン、第2パターン、及び第3パターンのいずれかに分かれる。
第1のパターンは、第1境界線及び第2境界線の一方が、東西方向に沿っており、第1境界線及び第2境界線の他方が、南北方向に沿っている場合(すなわち、上述した第3の条件及び第4の条件を満たす場合)に適用される。第2パターンは、第1境界線及び第2境界線が東西方向及び南北方向には沿っていないが、第1境界線と第2境界線の成す角度が略90°である場合(すなわち、上述した第3の条件を満たす場合)に適用される。第3パターンは、第1境界線と第2境界線との位置関係が、第1パターン及び第2パターンのいずれにも当てはまらない場合に適用される。
第1パターンが適用される場合、ステップS16においては、ステップS15にて算出された第1離隔距離及び第2離隔距離から、三平方の定理を用いて評価値を算出する。すなわち、ステップS16においては、第1離隔距離と第2離隔距離との二乗和平方根を算出する。
図6に示される一対の第1屋根H11a,H11b及び一対の第2屋根H12a,H12bに対して本評価方法が行われる場合には、第1パターンが適用される。すなわち、図6に示されるように、ステップS16においては、第1離隔距離ΔYと第2離隔距離ΔXとの二乗和平方根ΔS(図示せず)を算出し、第1離隔距離ΔY、第2離隔距離ΔX、及び二乗和平方根ΔSを評価値として得る。
第2パターンが適用される場合、ステップS16においては、第1パターンの場合と同様に、第1離隔距離と第2離隔距離との二乗和平方根を算出する。
図7に示される一対の第1屋根H41a,H41b及び一対の第2屋根H42a,H42bに対して本評価方法が行われる場合には、第2パターンが適用される。すなわち、図7に示されるように、ステップS16においては、第1離隔距離ΔIと第2離隔距離ΔJとの二乗和平方根ΔS(図示せず)を算出し、二乗和平方根ΔSを評価値として得る。
第3パターンが適用される場合、ステップS16においては、第1離隔距離に対応する成分及び第2離隔距離に対応する成分を評価値として得る。これは、第1境界線及び第2境界線が東西方向及び南北方向には沿っておらず、第1境界線と第2境界線の成す角度が略90°以外である場合には、二乗和平方根を算出することが困難であるためである。
以上により、位置精度評価方法の一連の処理が終了する。なお、本評価方法で得られた評価値は、例えば、水平方向の精度管理に用いられてもよい。一例として、ステップS16において第1パターンの評価値が算出された場合には、評価値であるΔX,ΔY,ΔSの各成分の較差精度を評価してもよく、ステップS16において第2パターンの評価値が算出された場合には、評価値であるΔSの各成分の較差精度を評価してもよい。また、ステップS16において第3パターンの評価値が算出された場合には、評価値である第1離隔距離に対応する成分、及び第2離隔距離に対応する成分の較差精度を評価してもよい。すなわち、第3パターンの場合、測地座標系の水平方向成分に沿っていない任意方向での各成分の較差検証を評価してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る位置精度評価方法においては、まず、一対の第1屋根及び一対の第2屋根に対応する3次元点群データが抽出される。そして、一対の第1屋根に対応する3次元点群から、一対の第1屋根のそれぞれに対応する一対の第1仮想面が構成され、一対の第1仮想面のそれぞれが交わる線であって、第1境界線に対応する第1仮想線が取得される。また、一対の第2屋根に対応する3次元点群を用いることにより、一対の第2屋根のそれぞれに対応する一対の第2仮想面が構成され、一対の第2仮想面のそれぞれが交わる線であって、第2境界線に対応する第2仮想線が取得される。そして、第1境界線の実測により得られた第1実測線と第1仮想線との水平方向における離隔距離である第1離隔距離が算出されると共に、第2境界線の実測により得られた第2実測線と第2仮想線との水平方向における離隔距離である第2離隔距離が算出される。そして、第1離隔距離と第2離隔距離とに基づいて、3次元点群データの水平方向の位置精度を評価するための評価値が算出される。
このように、この位置精度評価方法では、第1屋根の第1境界線に対応する第1仮想線、及び第2屋根の第2境界線に対応する第2仮想線が3次元点群データから得られる。そして、得られた第1仮想線と第1境界線の実測線との離隔距離、及び第2仮想線と第2境界線第2仮想線と第2境界線の実測線との離隔距離に基づいて、水平方向の位置精度の評価値が算出されるので、3次元点群データにおける水平方向の位置精度の評価を客観的且つ精度良く評価することができる。
特に、この位置精度評価方法では、3次元点群データを用いて客観的に構成された一対の第1仮想面及び一対の第2仮想面に基づいて、第1仮想線及び第2仮想線が取得される。また、この評価方法では、精度の高いTS測量による第1実測線及び第2実測線が用いられる。そして、このように得られた第1仮想線と第1実測線との離隔距離、及び第2仮想線と第2実測線との離隔距離に基づいて、評価値が算出される。よって、この評価方法では、上記水平方向の位置精度の評価の客観性を確実に確保することができる。
本実施形態に係る位置精度評価方法では、一対の第1屋根及び一対の第2屋根が、それぞれ、切妻屋根を構成しており、第1境界線及び第2境界線が、それぞれ、切妻屋根の大棟において形成されている。これにより、構造物に一般的に用いられている屋根形状を利用するため、上記位置精度を容易に評価することができる。
本実施形態に係る位置精度評価方法では、第1境界線と第2境界線の成す角度が、略90°である。これにより、互いに略直交した2方向のそれぞれにおける離隔距離に基づいて評価値が算出されるため、より精度良く上記位置精度を評価することができる。
本実施形態に係る位置精度評価方法では、第6工程において、評価値として、第1離隔距離と第2離隔距離との二乗和平方根を算出する。これにより、仮に各屋根の境界線が測地座標系の水平方向成分に沿っていない場合であっても、評価値を適切に算出することができる。
本実施形態に係る位置精度評価方法では、第1境界線及び第2境界線の一方が、東西方向に沿っており、第1境界線及び第2境界線の他方が、南北方向に沿っている。これにより、測地座標系の水平方向成分であるX方向及びY方向のそれぞれにおける3次元点群データの精度を評価することができる。
本実施形態に係る位置精度評価方法では、第5工程において、第1離隔距離として、第1仮想線と第1実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出し、第2離隔距離として、第2仮想線と第2実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出する。これにより、3次元点群データに基づいて得られた仮想線と実際の境界線とが互いに平行でない場合であっても、評価値を適切に算出することができる。
以上の実施形態は、本開示に係る位置精度評価方法の一実施形態を説明したものである。したがって、本開示に係る位置精度評価方法は、上述した例に限定されることなく、任意に変更され得る。
例えば、一対の第1屋根及び一対の第2屋根のそれぞれは、境界線を有し、互いに異なる方向に傾斜した一対の屋根であればよく、例えば、バタフライ型屋根(V字状の屋根)を構成していてもよいし、屋根に類似した形状を有する物体等、構造物の屋根でなくてもよい。
図1に示されるステップS15の処理において、第1離隔距離として、第1仮想線と第1実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離の2つ以上を算出する場合や、第2離隔距離として、第2仮想線と第2実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離の2つ以上を算出する場合には、ステップS16において、2つ以上の第1離隔距離のそれぞれと2つ以上の第2離隔距離のそれぞれとに基づいて2つ以上の評価値(例えば2乗和平方根)を算出することができる。また、ステップS15の処理においては、第1離隔距離として、第1仮想線と第1実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離とは異なる距離を算出し、第2離隔距離として、第2仮想線と第2実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離とは異なる距離を算出してもよい。
図1に示されるステップS12は、ステップS11よりも前に行われてもよく、ステップS11と並行して行われてもよい。また、ステップS14は、ステップS13よりも前に行われてもよく、ステップS13と並行して行われてもよい。
本開示の第1工程~第6工程の少なくとも1つの工程は、装置によって実施されてもよい。具体的には、本評価方法は、第1抽出部と、第2抽出部と、第1取得部と、第2取得部と、第1算出部と、第2算出部と、の少なくとも1つを備える位置精度評価装置による位置精度評価方法であってもよい。位置精度評価装置は、プロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)等)、メモリ(例えば、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等)等を含んで構成されたコンピュータである。
第1抽出部は、第1工程として、鉛直方向からみて第1水平方向に沿った直線状の第1境界線を有すると共に、互いに異なる方向に傾斜した一対の第1屋根に対応する第1点群データを、3次元点群データから抽出してもよい。
第2抽出部は、第2工程として、鉛直方向からみて第1水平方向に交差する第2水平方向に沿った直線状の第2境界線を有すると共に、互いに異なる方向に傾斜した一対の第2屋根に対応する第2点群データを、3次元点群データから抽出してもよい。
第1取得部は、第3工程として、第1点群データから一対の第1屋根のそれぞれに対応する一対の第1仮想面を構成すると共に、当該一対の第1仮想面のそれぞれが交わる線として第1境界線に対応する第1仮想線を取得してもよい。
第2取得部は、第4工程として、第2点群データから一対の第2屋根のそれぞれに対応する一対の第2仮想面を構成すると共に、当該一対の第2仮想面のそれぞれが交わる線として第2境界線に対応する第2仮想線を取得してもよい。
第1算出部は、第5工程として、第1境界線の実測により得られた第1実測線と第1仮想線との水平方向における離隔距離である第1離隔距離を算出すると共に、第2境界線の実測により得られた第2実測線と第2仮想線との水平方向における離隔距離である第2離隔距離を算出してもよい。
第2算出部は、第6工程として、第1離隔距離と第2離隔距離とに基づいて、3次元点群データの水平方向の位置精度を評価するための評価値を算出してもよい。また、第2算出部は、第6工程では、評価値として、第1離隔距離と第2離隔距離との二乗和平方根を算出してもよい。
H11a,H11b,H21a,H21b,H31a,H31b,H41a,H41b…第1屋根、B11,B21,B31,B41…第1境界線、H12a,H12b,H22a,H22b,H32a,H32b,H42a,H42b…第2屋根、B12,B22,B32,B42…第2境界線、D11…大棟、K11,K41…第1仮想線、R11,R41…第1実測線、K12,K42…第2仮想線、R12,R42…第2実測線、S1,S2…第1仮想面、Z11…第1水平方向、Z12…第2水平方向、ΔI,ΔY…第1離隔距離、ΔJ,ΔX…第2離隔距離。

Claims (6)

  1. 航空レーザ測量における3次元点群データの水平方向の位置精度を評価するための位置精度評価方法であって、
    鉛直方向からみて第1水平方向に沿った直線状の第1境界線を有すると共に、互いに異なる方向に傾斜した一対の第1屋根に対応する第1点群データを、前記3次元点群データから抽出する第1工程と、
    鉛直方向からみて前記第1水平方向に交差する第2水平方向に沿った直線状の第2境界線を有すると共に、互いに異なる方向に傾斜した一対の第2屋根に対応する第2点群データを、前記3次元点群データから抽出する第2工程と、
    前記第1点群データから前記一対の第1屋根のそれぞれに対応する一対の第1仮想面を構成すると共に、当該一対の第1仮想面のそれぞれが交わる線として前記第1境界線に対応する第1仮想線を取得する第3工程と、
    前記第2点群データから前記一対の第2屋根のそれぞれに対応する一対の第2仮想面を構成すると共に、当該一対の第2仮想面のそれぞれが交わる線として前記第2境界線に対応する第2仮想線を取得する第4工程と、
    前記第1境界線の実測により得られた第1実測線と前記第1仮想線との水平方向における離隔距離である第1離隔距離を算出すると共に、前記第2境界線の実測により得られた第2実測線と前記第2仮想線との水平方向における離隔距離である第2離隔距離を算出する第5工程と、
    前記第1離隔距離と前記第2離隔距離とに基づいて、前記3次元点群データの水平方向の位置精度を評価するための評価値を算出する第6工程と、
    を備える、
    位置精度評価方法。
  2. 前記一対の第1屋根及び前記一対の第2屋根は、それぞれ、切妻屋根を構成しており、
    前記第1境界線及び前記第2境界線は、それぞれ、前記切妻屋根の大棟において形成されている、
    請求項1に記載の位置精度評価方法。
  3. 前記第1境界線と前記第2境界線の成す角度は、略90°である、
    請求項1に記載の位置精度評価方法。
  4. 前記第6工程では、前記評価値として、前記第1離隔距離と前記第2離隔距離との二乗和平方根を算出する、
    請求項3に記載の位置精度評価方法。
  5. 前記第1境界線及び前記第2境界線の一方は、東西方向に沿っており、
    前記第1境界線及び前記第2境界線の他方は、南北方向に沿っている、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の位置精度評価方法。
  6. 前記第5工程では、
    前記第1離隔距離として、前記第1仮想線と前記第1実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出し、
    前記第2離隔距離として、前記第2仮想線と前記第2実測線との最短距離、最長距離、及び、平均距離の少なくとも1つを算出する、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の位置精度評価方法。
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