JP7367670B2 - ソリフェナシン含有医薬組成物 - Google Patents

ソリフェナシン含有医薬組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7367670B2
JP7367670B2 JP2020512218A JP2020512218A JP7367670B2 JP 7367670 B2 JP7367670 B2 JP 7367670B2 JP 2020512218 A JP2020512218 A JP 2020512218A JP 2020512218 A JP2020512218 A JP 2020512218A JP 7367670 B2 JP7367670 B2 JP 7367670B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pharmaceutical composition
drug layer
solifenacin
content
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020512218A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019194095A1 (ja
Inventor
慎 井實
洋平 帆足
要 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nipro Corp
Original Assignee
Nipro Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nipro Corp filed Critical Nipro Corp
Publication of JPWO2019194095A1 publication Critical patent/JPWO2019194095A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7367670B2 publication Critical patent/JP7367670B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/47Quinolines; Isoquinolines
    • A61K31/472Non-condensed isoquinolines, e.g. papaverine
    • A61K31/4725Non-condensed isoquinolines, e.g. papaverine containing further heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/02Inorganic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/14Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
    • A61K9/16Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/20Pills, tablets, discs, rods
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/10Drugs for disorders of the urinary system of the bladder
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本発明は、ソリフェナシンまたはその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物に関する。
ソリフェナシンまたはその薬学的に許容される塩(以下、ソリフェナシンまたはその薬学的に許容される塩を「ソリフェナシン」と呼ぶ場合もある。)の非晶質体は非常に不安定であり、保存中に分解することが知られている。また、非晶質体のソリフェナシンは、経時的に変色することが知られている。
そのため、従来、非晶質体のソリフェナシン含有製剤の安定性を高めるために様々な工夫がされている。例えば、国際公開WO2010/113840号(特許文献1)には、ソリフェナシンの非晶質体の安定化と、着色の防止を目的として、特定の安定化剤を用いることが記載されている。
具体的には、特許文献1には、コハク酸ソリフェナシン、クエン酸と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを水に撹拌溶解させ薬物溶液を調製し、凍結乾燥させて得た医薬組成物について、所定の条件下で、安定性がよく、着色が防止されたことが記載されている。
国際公開WO2010/113840号
しかしながら、特許文献1に記載の医薬組成物の原料を用いると、製造上適さない場合があり、例えば流動層造粒によって医薬組成物を製造することができない。
そこで、本発明の目的は、安定かつ経時的な着色のないソリフェナシン含有医薬組成物を提供することであり、特に、流動層造粒によって製造することが可能な、安定かつ経時的な着色のないソリフェナシン含有医薬組成物を提供することである。
特許文献1に記載の医薬組成物の原料(クエン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム)を用いると、流動層造粒によって医薬組成物を製造することができない場合がある。本発明者らは、原因について鋭意検討した。その結果、これは、クエン酸等をスプレーする際に、配合成分(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース)のpHが局所的に低下し、配合成分(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)が不溶化し、硬化することによって、ソリフェナシンの非晶質体がヒドロキシプロピルメチルセルロースから分離して非常に高い粘度をもち、急激に凝集してしまうためであると考えられた。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、意外にも本発明のソリフェナシン含有医薬組成物を次のように構成することによって、流動層造粒が可能な、安定かつ経時的な着色のないソリフェナシン含有医薬組成物を提供することができることを見出した。
すなわち、本発明に従った医薬組成物は、(A)非晶質体のソリフェナシンまたはその薬学的に許容される塩と、(B)亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウムとを含有する薬物層を有する。
また、本発明に従った医薬組成物においては、薬物層に含まれる(B)の含量は、薬物層の10質量%以下であることが好ましい。
また、本発明に従った医薬組成物においては、薬物層に含まれる(B)の含量は、薬物層の1質量%以下であることが好ましい。
また、本発明に従った医薬組成物においては、薬物層に含まれる(A)の含量に対する(B)の含量の比は、(A)の含量:(B)の含量が1:1以下であることが好ましい。
また、本発明に従った医薬組成物は、造粒された粒子状であることが好ましい。
また、本発明に従った錠剤は、上記のいずれかの医薬組成物を含む。
また、本発明に従った口腔内崩壊錠は、上記のいずれかの医薬組成物を含む。
本発明に従えば、安定かつ経時的な着色のないソリフェナシン含有医薬組成物を提供することであり、特に、流動層造粒によって製造することが可能な、安定かつ経時的な着色のないソリフェナシン含有医薬組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明に従った医薬組成物は、(A)非晶質体のソリフェナシンまたはその薬学的に許容される塩と、(B)亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウムとを含有する薬物層を有する。
本発明における「医薬組成物」とは、種々の経口投与剤形に供しうるソリフェナシン又はその塩を含有する組成物を意味する。
本発明の医薬組成物において、ソリフェナシンの塩は、薬学的に許容される塩であれば特に限定されず、例えば、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の無機酸との塩、コハク酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等の有機酸との塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属との塩、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属との塩、エチレンジアミン塩、ジエタノールアミン塩、N-メチルグルカミン塩等の有機塩基との塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。薬学的に許容される塩は、有機酸との塩であることが好ましく、有機酸との塩のうち、コハク酸を用いることがより好ましい。また、ソリフェナシン又はその塩は、これらの無水物であってもよく。水和物等の溶媒和物であってもよい。
本発明の医薬組成物において、「薬物層」とは、(A)非晶質体のソリフェナシンまたはその薬学的に許容される塩と、(B)亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウムとを含有するものである。言い換えれば、薬物層においては、(A)成分および(B)成分が同じ層に配合されているもので、(A)成分と(B)成分とが接する状態にある。また、薬物層は、好ましくは、不活性な成分を含み、(A)成分と(B)成分とが、不活性な成分のマトリクス中に分散された状態で存在するもの、すなわち、(A)成分と(B)成分とが固体分散体を構成しているものが好適である。薬物層が不活性な成分を含む場合には、該不活性な成分は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであることがより好ましい。
薬物層には、その他、必要に応じて、タルクなどを含有させてもよい。本発明の医薬組成物は、慣用される添加物として使用される各種医薬添加剤を使用して製造することができることは言うまでもない。医薬添加剤としては、例えば、矯味剤、甘味剤、香料、着色剤、安定(化)剤、抗酸化剤、pH調節剤、可溶化剤、溶解補助剤、流動化剤、緩衝剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。添加剤は、典型的には、薬物の粒子の結合性を高めるために配合される結合剤であり、必要に応じて、糖類や崩壊剤等の溶解速度改善剤等を含有させることは自由である。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コポリビドン、エチルセルロース等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明におけるソリフェナシン又はその塩が「非晶質体」であるかどうかは、X線回折により評価できる。ソリフェナシンに特異的なピークが確認された場合を、一部結晶体に変化したものと評価し、ハローピークの場合、非晶質状態を維持したものと評価することができる。
本発明に従った医薬組成物は、薬物層の外側を被覆する外層をさらに備えてもよい。外層は、例えば、ゲル化膨潤層と、ゲル化膨潤層をさらに被覆する1種または2種以上の水不溶性物質からなる被覆層であり、1種または2種以上の導水性調整物質を含んでもよい。
水不溶性物質からなる外層を形成させる場合、例えば、水に溶けにくい、極めて溶けにくい、ほとんど溶けないとされる溶解性を有することが好ましい。具体的には、エチルセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、メチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、乾燥メタクリル酸コポリマーLD、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD(水分散液)、メタクリル酸コポリマーS、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、乾燥乳状白ラック、セラック、ゼイン、ステアリン酸などの高級脂肪酸、セタノールやステアリルアルコールなどの高級アルコール、カルナウバロウやミツロウやパラフィンなどの融点が30~120℃の低融点物質、ショ糖脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸と多価アルコールのエステル、カスターワックスなどの油に水素を添加して得た脂肪、合成ワックス、タルク、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。水不溶性物質はその1種または2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。また、ヒマシ油、フタル酸ジブチル、クエン酸トリエチルなどの可塑剤を混合して用いることも自由である。
また、外層を形成する際、水不溶性物質に導水性調整物質として水溶性物質、親水性物質などを配合することができる。ここでいう導水性調整物質とは、水の浸入速度と浸入量を調節するために、水不溶性物質と共に外層に配合する成分であり、水に溶けやすい成分や、崩壊剤等の親水性で水を通過させやすい成分である。具体的に本発明の外層における導水性調整物質を例示すると、アルファー化デンプン、カゼインナトリウム、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルスターチナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プルラン、ポリビニルピロリドン、コポリビドン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレングリコール、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコール移植片コポリマー、ポリビニルアルコール、マクロゴール、ポリエチレンオキサイド、グリシンやアラニンなどのアミノ酸、グリチルリチン酸などの甘味剤、デキストリンや乳糖などの糖類、マンニトールやキシリトールなどの糖アルコール、結晶セルロース、クロスポビドン、クエン酸トリエチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また、導水性調整物質はその1種または2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
本発明の外層における水不溶性物質と導水性調整物質の組成比は、薬物の物性や吸収部位、製剤の種類などの目的に応じ、目的達成のために適した比率が選択される。
医薬組成物中のソリフェナシン又はその塩の配合量は特に制限されないが、医薬組成物粒子全体の0.5重量%以上であることが好ましい。ただし、ここに示したソリフェナシン又はその塩の配合量は本発明に適用できうる一例であり、限定的に解釈されるべきではない。
また、医薬組成物においては、薬物層に含まれる(B)の含量は、薬物層の10質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。
また、本医薬組成物においては、薬物層に含まれる(A)の含量に対する(B)の含量の比は、(A)の含量:(B)の含量が1:1以下であることが好ましい。
本発明の医薬組成物は、そのまま必要量を配合して種々の経口投与医薬組成物の形態に製することができる。ここでいう製剤とは、散剤、顆粒剤、錠剤、トローチ剤、ドライシロップ剤などである。散剤や顆粒は、該製剤化用微粒子をそのまま配合して混合するだけでも製剤化が可能な場合もある。最近注目されている口腔内崩壊錠にする場合、該製剤化用微粒子を配合して製剤化法を工夫することが必要である。
次に、本発明の医薬組成物粒子の製造方法を説明する。
本発明の医薬組成物粒子は、例えば、結晶セルロースのような核微粒子上に、(A)成分と(B)成分と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなマトリクスを形成するための成分と、他の添加剤とを同時にスプレーし、核粒子上に薬物層を形成する。このようにして形成された薬物層においては、ソリフェナシンまたはその薬学的に許容される塩と、亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウムとが固体分散体を形成している。
核粒子は、例えば流動層コーティング装置などにより、適当な核となる添加物粒子(例えば結晶セルロース(粒)、精製白糖球状粒子、マンニトール球状粒子等)に、結合剤などを溶解または分散した液を噴霧して製してもよい。
核粒子上に薬物層を形成する方法としては、流動層コーティング装置、転動コーティング装置、遠心転動コーティング装置など、粒子状組成物の被覆操作に汎用されている機械によって被覆する方法を採用することが好ましい。
(A)成分と(B)成分と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなマトリクスを形成するための成分と、他の添加剤とが含まれる液体は、必須成分などを水、エタノール、メタノール等の溶媒に溶解または分散して調製されるが、これらの溶媒は適宜混合して用いることも可能である。なお、これらの層の被覆方法については、湿式法に限定されるものではないことは言うまでもない。
仮に、安定化剤が酸性であれば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなマトリクス成分が不溶化し、硬化することによって、ソリフェナシンの非晶質体がヒドロキシプロピルメチルセルロースから分離して非常に高い粘度をもち、急激に凝集してしまう。しかし、本願発明の医薬組成物では、安定化剤として亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウムを用いることによって、薬物と安定化剤(亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウム)とを同時にスプレーすることが可能であるので、製造工程数と製造時間を低減することが可能である。
次に、必要に応じて、例えばゲル化膨潤層や苦味マスキング層、水浸入量制御層、表面改質層等を薬物層の上に形成させて、医薬組成物が得られる。
医薬組成物を口腔内崩壊錠の製造に用いる場合には、医薬組成物の平均粒子径は、通常100~200μm程度であることが望まれる。実質上球形の核粒子が球形状を保ったままで核粒子被覆層と外層が被覆されて100~200μm程度にされるためには、被覆に用いる溶液中に懸濁して使用する物質の平均粒子径は被被覆粒子の10分の1以下の粒子径であることが必要である。
薬物層が被覆された粒子に外層を被覆する方法としては、流動層コーティング装置、転動コーティング装置、遠心転動コーティング装置など、粒子状組成物の被覆操作に汎用されている機械によって被覆する方法を採用することが好ましい。例えば、転動流動層コーティング装置中で、核粒子を流動させながら、スプレーガンにて被覆成分を含有する液を必要量噴霧すればよい。この被覆成分を含有する液は、必須成分などを水、エタノール、メタノール等の溶媒に溶解または分散して調製されるが、これらの溶媒は適宜混合して用いることも可能であり、例えば溶媒として水のみを用いてもかまわない。なお、これらの層の被覆方法については、湿式法に限定されるものではないことは言うまでもない。
以下に本発明の医薬組成物粒子を含有する口腔内崩壊錠に関して説明する。
本発明で言う口腔内崩壊錠とは、口腔内において、錠剤が一定時間内、好ましくは1分以内、より好ましくは45秒以内に崩壊する錠剤に類する製剤を意味する。例えば特開2012-240917号公報、特許第4019374号公報、特許第3746167号公報などに開示される医薬組成物粒子を含有させた口腔内崩壊錠が挙げられる。それらと同じように、本発明の医薬組成物粒子を、適切な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤などとともに口腔内崩壊錠にすることができる。
具体的に製法を例示すれば、(1)医薬組成物粒子をそのまま糖又は糖アルコール類や選択された崩壊剤とともに混合して加圧圧縮することにより錠剤に製する方法、(2)医薬組成物粒子を糖又は糖アルコール類や選抜した崩壊剤などと混合し結合剤溶液で造粒して製した粒子に、適切なその他の錠剤用添加剤を混合して加圧圧縮することにより錠剤に製する方法、(3)医薬組成物粒子に成形性の低い糖類を混合し、かかる混合物を成形性の高い糖類を結合剤として噴霧し被覆及び/または造粒したものを低圧圧縮成形した後、加湿、乾燥して錠剤に製する方法など、いろいろな製法がある。なお、医薬組成物粒子を配合した口腔内崩壊錠の場合、粒子の破壊、錠剤の硬度、崩壊性、含量均一性などへの特別な配慮が必要で、口腔内崩壊錠の製造方法については、ここで述べた方法に限定するべきではなく、鋳型法、湿式成形乾燥法など、錠剤化に際していかなる方法が採用されても差し支えはない。
製剤化用微粒子、すなわち、医薬組成物粒子の錠剤中の配合量は、錠剤重量に対して5重量%以上85重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以上70重量%以下、さらに好ましくは10重量%以上70重量%以下、より好ましくは20重量%以上40重量%以下であるが、これに限定されるべきものではない。医薬組成物粒子の配合量が85重量%より多い場合、錠剤、特に口腔内崩壊錠としての強度や溶解特性が達成されないことが懸念される場合がある。
本発明による口腔内崩壊錠は、本発明の医薬組成物粒子を配合するほか、錠剤の製造に通常用いられる一般的な添加剤を配合して製造することができる。賦形剤としては、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、乳糖などの糖又は糖アルコール、結晶セルロース、リン酸水素カルシウムなどを用いることができる。結合剤としては、トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、コポリビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコールなど通常の結合剤であれば制限されない。崩壊剤としては、通常用いられる、例えばカルメロース、クロスポビドン、コーンスターチ、部分アルファー化デンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどを用いることができる。また、製剤中に、アスパルテーム等の甘味剤、矯味剤などを配合して、服用感を向上させることも自由であり、黄色三二酸化鉄等の着色剤を配合することもできる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<スクリーニング検討>
<実施例1>
コハク酸ソリフェナシンとヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を1:1で水に溶かし、そこに、コハク酸ソリフェナシンに対し亜硫酸ナトリウム1質量%となるように亜硫酸ナトリウムを溶解した後、-80℃にて凍結し、凍結乾燥を行い、医薬組成物を作成した。
<実施例2>
コハク酸ソリフェナシンに対し亜硫酸ナトリウム10質量%となるように調製した以外は、実施例1に従い医薬組成物を製造した。
<比較例1>
亜硫酸ナトリウムを配合しない以外は、実施例1に従い医薬組成物を製造した。
得られた実施例1~2と比較例1の医薬組成物のX線回析プロファイルを次のように測定して、ソリフェナシンが非晶質体であることを確認した。
X線回折プロファイルの測定条件は次の通りであった。
X線出力:40kV,40mA、ゴニオメーター:SmartLab、アタッチメント:ASC6-反射、フィルター:Cu_K-beta、CBO選択スリット:BB、検出器:D/teX Ultra、スキャンモード:CONTINUOUS、スキャンスピード10deg/min、ステップ幅:0.02deg、スキャン軸:2θ/θ、スキャン範囲:5―40deg、入射スリット1/2deg、長手制限スリット:10mm、受光スリット1:8mm、受光スリット2:13mm
実施例1,2および比較例1の医薬組成物では、結晶構造を有する結晶性ソリフェナシン特有のピークが観察されず、ハローパターンが観察された。このことは、実施例1,2および比較例1で得られた医薬組成物中のソリフェナシンが非晶質であることを意味する。
得られた実施例1~2、比較例1の医薬組成物を60℃で5日または10日間保存経過後の類縁物質量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007367670000001
表1に示すように、実施例1,2の医薬組成物では、主類縁物質量が5日後にも10日後にも0%に抑えられた。
<着色試験>
得られた実施例1~2、比較例1の医薬組成物を60℃で1週間保存した時の色度を、JIS Z 8730記載の色表示方法により測定し、下記式に従って初期値との差(ΔE)を求めた。
ΔE=√[(ΔL(初期値との差)+Δa(初期値との差)+Δb(初期値との差)
結果を表2に示す。
Figure 0007367670000002
表2に示すように、実施例1,2の医薬組成物では、比較例1の医薬組成物と比較して、ΔEを低く抑えることができた。一般的にΔEが3以上であれば異なる色として識別可能である。実施例1,2は、ΔEが3より小さいので、保存開始時と1週間保存後とで識別可能なほど色が変化しなかったことがわかる。一方、比較例1では、保存開始時と1週間保存後とで異なる色と識別されるほど変色したことがわかる。
<微粒子及び錠剤での試験>
<実施例3>
水1500.0g、エタノール1500.0gの混液に、ヒプロメロース(TC-5E)80.0g、コハク酸ソリフェナシンを80.0g、亜硫酸ナトリウム8.0gを溶解し、原薬溶解液を調製した。次に、水100.0g、エタノール100.0gの混液に、タルク(FL108)32.0gを分散し、原薬溶解液と混和した。転動流動型コーティング造粒機(株式会社パウレック製:MP-01型)に結晶セルロース(粒)(セルフィアCP102)200.0gを投入し、撹拌流動させながら調製した液を噴霧・コーティングし乾燥して、薬物層を調製した。薬物層中のソリフェナシンが非晶質体であることをX線回折パターンを測定して確認した。
次に、エタノール1500.0gに、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SL)80.0g、を溶解し、カルメロースナトリウム(ブラノース7M1F-PH,Ashland)120.0gを分散した。この液を薬物層に対して噴霧・コーティングし乾燥して、薬物層が外層によって被覆された医薬組成物を製した。
次いで、予め、エトセルSTD-7を54.0g、TC-5Eを6.0gとり、エタノール960.0gと精製水240.0gの混液に溶解させて調製した最外層溶液を噴霧・コーティングし乾燥させて、最外層が被覆された医薬組成物を得た。
<実施例4>
実施例3の医薬組成物42.0gとD-マンニトール(ペアリトール160C)72.0g、結晶セルロース(セオラスUF702)30.0g、クロスポビドン(XL-10)4.5g、ステアリン酸マグネシウム1.5gを袋混合し、ロータリー打錠機(株式会社菊水製作所製:VIRGO)にて打錠して、医薬組成物を含む1錠重量150mgの錠剤を製造した。
<比較例2>
亜硫酸ナトリウムの代わりに没食子酸プロピルを用いた以外は実施例3と同様に医薬組成物を調製した。
得られた実施例3~4、比較例2の医薬組成物の経時的着色を上述の<着色試験>において説明したように測定した。結果を表3に示す。
Figure 0007367670000003
表3に示すように、実施例3,4の医薬組成物または錠剤では、比較例2の医薬組成物と比較して、ΔEを低く抑えることができた。実施例3,4は、ΔEが3より小さいので、保存開始時から2週間後でも識別可能なほど色が変化しなかったことがわかる。一方、比較例2では、保存開始時と1週間保存後で異なる色と識別されるほど変色したことがわかる。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変形を含むものである。

Claims (7)

  1. 結晶セルロースからなる核粒子上に薬物層を有し、
    前記薬物層は、(A)非晶質体のソリフェナシンまたはその薬学的に許容される塩と、(B)亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウムと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、タルクとを含有し、
    前記(A)と前記(B)は前記薬物層中で固体分散体を形成している、医薬組成物。
  2. 前記薬物層に含まれる前記(B)の含量は、前記薬物層の10質量%以下である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記薬物層に含まれる前記(B)の含量は、前記薬物層の1質量%以下である、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記薬物層に含まれる前記(A)の含量に対する前記(B)の含量の比は、前記(A)の含量:前記(B)の含量が1:1以下である、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 造粒された粒子状である、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の医薬組成物を含む、錠剤。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の医薬組成物を含む、口腔内崩壊錠。
JP2020512218A 2018-04-03 2019-03-29 ソリフェナシン含有医薬組成物 Active JP7367670B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018071494 2018-04-03
JP2018071494 2018-04-03
PCT/JP2019/014030 WO2019194095A1 (ja) 2018-04-03 2019-03-29 ソリフェナシン含有医薬組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019194095A1 JPWO2019194095A1 (ja) 2021-04-15
JP7367670B2 true JP7367670B2 (ja) 2023-10-24

Family

ID=68100343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020512218A Active JP7367670B2 (ja) 2018-04-03 2019-03-29 ソリフェナシン含有医薬組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7367670B2 (ja)
WO (1) WO2019194095A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018039780A (ja) 2016-09-02 2018-03-15 大原薬品工業株式会社 非晶質体ソリフェナシン及び抗酸化剤を含有する固形製剤
JP2018177789A (ja) 2017-04-14 2018-11-15 東和薬品株式会社 コハク酸ソリフェナシン含有固形医薬組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018039780A (ja) 2016-09-02 2018-03-15 大原薬品工業株式会社 非晶質体ソリフェナシン及び抗酸化剤を含有する固形製剤
JP2018177789A (ja) 2017-04-14 2018-11-15 東和薬品株式会社 コハク酸ソリフェナシン含有固形医薬組成物

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019194095A1 (ja) 2019-10-10
JPWO2019194095A1 (ja) 2021-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11413295B2 (en) Oral preparation of obeticholic acid
US8753682B2 (en) Dual release oral tablet compositions of dexlansoprazole
JP2001172201A (ja) 経口投与形のための味をマスキングするコーティングとしてのフィルム被覆の使用、経口投与形及びその製造法
WO2009101940A1 (ja) 溶出性の改善された錠剤
JP2009527554A (ja) コハク酸メトプロロールe.r.の錠剤およびその調製方法
JP2012503613A (ja) コンパクト化シナカルセット
MX2014007331A (es) Sistema de multiunidades de granulos de liberacion inmediata.
US20190046449A1 (en) A unique high-shear granulation process for improved bioavailability of rivaroxaban
WO2012018056A1 (ja) 圧縮組成物
KR20230127266A (ko) 서방형 우파다시티닙 제형
US20070269510A1 (en) Solid Unit Dosage Forms of 5-Ht1 Agonist
KR20060136409A (ko) 벤라팍신 히드로클로라이드의 방출연장형 코팅 미니정제
KR20070000439A (ko) 벤라팍신 히드로클로라이드의 방출연장형 코팅 미니정제
US8758818B2 (en) Oral tablet compositions of dexlansoprazole
CA3135946C (en) Enteric tablet containing dimethyl fumarate
WO2010001574A1 (ja) タムスロシン塩酸塩を含有する球形微粒子の製造方法
WO2013172297A1 (ja) 6,7-不飽和-7-カルバモイルモルヒナン誘導体含有製剤
JP2019524683A (ja) 含量均一性が改善されたタムスロシン塩酸塩含有徐放性ペレットを含む経口用薬剤学的製剤
JP7367670B2 (ja) ソリフェナシン含有医薬組成物
KR20180002977A (ko) 방출특성 및 생체이용률이 개선된 소라페닙 토실레이트를 포함하는 경구투여용 약제학적 조성물
WO2013008253A2 (en) Imatinib formulations
JP6733499B2 (ja) ソリフェナシン含有医薬組成物とその製造方法
EP3995136A1 (en) Pharmaceutical composition containing tamsulosin or hydrochloride thereof and preparation method therefor
US20220016058A1 (en) Pharmaceutical composition containing tamsulosin hydrochloride with excellent acid resistance and preparation method therefor
KR20210057590A (ko) 티카그렐러의 방출 제어용 미립구, 약제학적 조성물, 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20210119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230214

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7367670

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150