JP7367301B2 - 弁構造体、これを備える収容体及び弁構造体付き蓄電デバイス - Google Patents

弁構造体、これを備える収容体及び弁構造体付き蓄電デバイス Download PDF

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Description

本発明は、弁構造体、これを備える収容体及び弁構造体付き蓄電デバイスに関する。
特開2004-006213号公報(特許文献1)は、電池の電池パックについての発明を開示する。この電池パックには、発電要素を封止した金属製の電池缶が含まれる。電池缶の内部では、電解液の気化、分解に起因してガスが発生することがあり、発生したガスによって電池缶の内圧が異常に上昇してしまうと、電池缶の破裂を招き得る。こうした破裂を防止するため、特許文献1の開示する電池缶には、安全弁が形成される。安全弁は、電池缶が破裂する内圧よりも低い内圧で破断して、発生したガスを放出するように構成される。
特開2004-006213号公報
発生したガスは、上述した安全弁のような機構により放出することができる。ところで、このような場合、蓄電デバイス素子を収容する収容体内部の電解液が不足する、いわゆる液枯れとよばれる状態になることが多い。液枯れは蓄電デバイスの劣化を招く。また、短絡によっても液枯れが発生し、発熱反応が連鎖して、ひいては発火に至る可能性がある。このため、発生したガスを逃し、収容体の内圧を下げながら、収容体内の内容物の不足や好ましくない反応を防止することが望まれる。
本発明は、収容体の内圧を下げながら、収容体内の内容物の不足や好ましくない反応を防止することが可能な弁構造体、これを備える収容体及び弁構造体付き蓄電デバイスを提供することを目的とする。なお、本発明の弁構造体を適用し得る範囲は、蓄電デバイス素子を収容する収容体や蓄電デバイス等に限られない。
本発明の第1観点に係る弁構造体は、収容体に取り付けられる弁構造体であって、外体と、第1破壊弁と、第1充填物とを備える。外体は、前記収容体の内部と連通する通路が内部に形成される。第1破壊弁は、前記通路を閉塞するように配置され、前記収容体の内部に向かう側を一次側、該一次側の反対側を二次側とする。第1充填物は、前記通路内において、前記第1破壊弁の二次側に充填され、液体及び固体の少なくとも一方を含む。前記第1破壊弁は、前記収容体の内部で発生したガスに起因して、前記第1破壊弁の一次側の内圧が上昇した場合に、裂開するように構成される。前記第1充填物は、前記第1破壊弁が裂開することにより、前記収容体の内部に放出される。
本発明の第2観点に係る弁構造体は、第1観点に係る弁構造体であって、前記第1破壊弁の開弁圧力は、前記収容体の耐内圧以下である。
本発明の第3観点に係る弁構造体は、第1観点又は第2観点に係る弁構造体であって、前記第1破壊弁の開弁圧力は、前記収容体の耐内圧の2/3以下である。
本発明の第4観点に係る弁構造体は、第1観点から第3観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記第1充填物は、電解液を含む。
本発明の第5観点に係る弁構造体は、第1観点から第4観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記第1充填物は、消火剤を含む。
本発明の第6観点に係る弁構造体は、第1観点から第5観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記第1破壊弁は、金属製である。
本発明の第7観点に係る弁構造体は、第1観点から第5観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記第1破壊弁は、イージーピール可能に接着された部材で構成される。
本発明の第8観点に係る弁構造体は、第1観点に係る弁構造体であって、第2破壊弁と、第2充填物とをさらに備える。第2破壊弁は、前記第1破壊弁の二次側に配置されて前記通路を閉塞し、前記収容体の内部に向かう側を一次側、該一次側の反対側を二次側とする。第2充填物は、前記通路内において、前記第2破壊弁の二次側に充填される液体及び固体の少なくとも一方を含む。前記第2破壊弁は、前記第1破壊弁が裂開した後、前記収容体の内部で発生したガスに起因して、前記第2破壊弁の一次側の内圧が上昇した場合に、裂開するように構成される。前記第2充填物は、前記第2破壊弁が裂開することにより、前記収容体の内部に放出される。
本発明の第9観点に係る弁構造体は、第8観点に係る弁構造体であって、前記第1充填物と、前記第2充填物とは、同じである。
本発明の第10観点に係る弁構造体は、第8観点または第9観点に係る弁構造体であって、前記第1破壊弁及び前記第2破壊弁の開弁圧力は、いずれも同じである。なお、複数の破壊弁の開弁圧力が同じであることには、厳密に同じである場合だけではなく、多少の幅がある場合も含まれる。
本発明の第11観点に係る弁構造体は、第8観点から第10観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記第1破壊弁及び前記第2破壊弁の開弁圧力は、いずれも前記収容体の耐内圧以下である。
本発明の第12観点に係る弁構造体は、第8観点から第11観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記第1破壊弁及び前記第2破壊弁の開弁圧力は、いずれも前記収容体の耐内圧の2/3以下である。
本発明の第13観点に係る弁構造体は、第8観点から第12観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記第1破壊弁及び前記第2破壊弁は、金属製である。
本発明の第14観点に係る弁構造体は、第8観点から第12観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記第1破壊弁及び前記第2破壊弁は、イージーピール可能に接着された部材で構成される。
本発明の第15観点に係る弁構造体は、第8観点から第14観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記第1充填物及び第2充填物は、電解液を含む。
本発明の第16観点に係る弁構造体は、第8観点から第15観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記第1充填物及び第2充填物は、消火剤を含む。
本発明の第17観点に係る弁構造体は、第1観点から第16観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記収容体は、蓄電デバイス素子を収容するように構成される。
本発明の第18観点に係る弁構造体は、第17観点に係る弁構造体であって、前記蓄電デバイス素子は、リチウムイオン電池の蓄電デバイス素子である。
本発明の第19観点に係る弁構造体は、第1観点から第18観点のいずれかに係る弁構造体であって、前記収容体は、少なくとも基材層、バリア層及び熱融着性樹脂層をこの順に有する積層体によって構成されている。
本発明の第20観点に係る弁構造体付き収容体は、第1観点から第19観点のいずれかに係る弁構造体と、前記収容体とを備える。
本発明の第21観点に係る弁構造体付き蓄電デバイスは、第1観点から第19観点のいずれかに記載の弁構造体と、前記収容体と、前記収容体に収容される蓄電デバイス素子とを備える。
第1観点によれば、第1破壊弁の二次側に第1充填物が充填された弁構造体が提供される。弁構造体が取り付けられる収容体の内部で発生したガスに起因して収容体の内圧が上昇し、第1破壊弁が裂開すると、ガスが第1破壊弁の二次側に逃れると同時に、第1充填物が収容体の内部に放出される。第1充填物は、液体及び固体の少なくとも一方を含む。これにより、収容体の内圧を下げながら、収容体内の液体や固体を補充することができる。また、たとえば、収容体内の好ましくない反応を抑制するための液体や固体を収容体内に添加することができる。なお、添加する物質は液体や固体のみならず、気体にも拡張することができる。
一実施形態に係る弁構造体と、弁構造体が取り付けられる収容体とを示す斜視図。 収容体を構成するラミネートフィルムの断面を示す断面概略図。 破壊弁の上面図。 破壊弁の断面図。 筒状要素の斜視図。 筒状要素の形成方法を説明する図。 変形例に係る弁構造体と、弁構造体が取り付けられる収容体とを示す斜視図。 変形例に係る破壊弁の上面図。 変形例に係る破壊弁の断面図。 弁構造体が取り付けられる収容体の一例を示す斜視図。 弁構造体の取付態様の一例を示す模式図。 弁構造体が取り付けられる収容体の一例を示す斜視図。 弁構造体の取付態様の一例を示す断面模式図。 弁構造体の取付態様の一例を示す断面模式図。 別の変形例に係る弁構造体と、弁構造体が取り付けられる収容体とを示す斜視図。 さらに別の変形例に係る弁構造体と、弁構造体が取り付けられる収容体とを示す断面図。 別の実施形態に係る弁構造体と、弁構造体が取り付けられる収容体とを示す正面図。 図8の弁構造体の端面図。 図8の弁構造体の断面図。 実施例に係る弁構造体の斜視図。 実施例に係る弁構造体の断面概略図。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る弁構造体について説明する。
[第1実施形態]
<1-1.収容体の構成及び弁構造体の概要>
図1Aは、本発明の第1実施形態に係る弁構造体100Aと、弁構造体100Aが取り付けられる収容体200とを示す斜視図である。図1Aに示すように、弁構造体100Aは、たとえば、収容体200に取り付けられて使用される。以下では、説明の便宜のため、図1Aの上下方向を「上下」、図1Aの左右方向を「左右」、図1Aの紙面方向を「前後」と称し、これを基準に説明を行う。但し、本発明に係る弁構造体の使用時の向き、方向はこれに限定されない。
収容体200は、たとえば、コーヒー、発酵食品(味噌等)、長期保存用食品、薬品及び蓄電デバイス素子400(リチウムイオン電池やキャパシタ等の蓄電部材)を内部に収容して密閉されるように構成されている。収容体200内の内容物は、時間の経過又は加熱に伴いガスを発生する。
収容体200は、ラミネートフィルム300(積層体)が袋状に成形されて形成されたパウチである。図1Bはラミネートフィルム300の断面模式図である。図1Bに示すように、ラミネートフィルム300は、少なくとも基材層301、バリア層302及び熱融着性樹脂層303をこの順に有する。基材層301は、収容体200の最外層を形成する。また、熱融着性樹脂層303は、収容体200の最内層を形成する。なお、ラミネートフィルム300の厚さとしては、例えば、50~250μm程度、好ましくは90~200μ程度が挙げられる。
基材層301を形成する素材は、絶縁性を備えることを限度として特に制限されない。基材層301を形成する素材としては、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリカーボネート及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。基材層301は、たとえば、上記の樹脂により形成された樹脂フィルムであってもよいし、上記の樹脂を塗布して形成したものであってもよい。樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルムであってもよい。さらに、基材層301は、単層であってもよいし、2層以上により構成されていてもよい。基材層301の厚さとしては、たとえば、3~50μm程度、好ましくは10~35μm程度が挙げられる。
バリア層302は、収容体200内に少なくとも水分の浸入を抑止する層である。バリア層302を構成する金属としては、たとえば、アルミニウム、ステンレス、チタン等が挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。バリア層302は、たとえば、金属箔や金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、炭素含有無機酸化物蒸着膜、及び、これらの蒸着膜を設けたフィルム等により形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。バリア層302の厚みは、水蒸気等のバリア層として機能すれば特に制限されないが、たとえば、10~100μm程度、好ましくは20~80μm程度とすることができる。
熱融着性樹脂層303は、収容体200の周縁において、対向する熱融着性樹脂層と熱融着することによって、収容体200内の内容物を密封する層である。
熱融着性樹脂層303に使用される樹脂成分は、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、たとえば、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン等である。ポリオレフィンとしては、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(たとえば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(たとえば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等の結晶性又は非晶性のポリプロピレン;エチレン-ブテン-プロピレンのターポリマー等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。また、酸変性ポリオレフィンとしては、酸変性されたポリオレフィンであれば特に制限されないが、好ましくは不飽和カルボン酸又はその無水物でグラフト変性されたポリオレフィンが挙げられる。熱融着性樹脂層303の厚さとしては、特に制限されないが、好ましくは100μm以下、より好ましくは15~90μm程度、さらに好ましくは30~80μm程度が挙げられる。
なお、ラミネートフィルム300は、上述した層以外にも、必要に応じてさらなる層を有していてもよい。たとえば、基材層301を強固に接着するために、基材層301とバリア層302との間に接着剤層304(不図示)を有していてもよい。
接着剤層304は、基材層301とバリア層302とを接着可能な接着剤によって形成される層である。接着剤層304の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよいし、1液硬化型接着剤であってもよい。また、接着剤層304の形成に使用される接着剤の接着機構は、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型及び熱圧着型等のいずれであってもよい。接着剤層304の厚さとしては、たとえば、1~10μm程度、好ましくは2~5μm程度が挙げられる。
また、ラミネートフィルム300は、たとえば熱融着性樹脂層303を強固に接着するために、バリア層302と熱融着性樹脂層303との間に、接着層305(不図示)を有していてもよい。
接着層305は、バリア層302と熱融着性樹脂層303とを接着可能な接着剤によって形成される層である。接着層305の形成に使用される接着剤の組成は、特に制限されないが、たとえば、酸変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物である。酸変性ポリオレフィンとしては、酸変性されたポリオレフィンであれば特に制限されないが、好ましくは不飽和カルボン酸又はその無水物でグラフト変性されたポリオレフィンが挙げられる。接着層305の厚さとしては、たとえば、1~50μm程度、好ましくは2~40μm程度が挙げられる。
弁構造体100Aは、収容体200に気密に取り付けられ、収容体200の内部で発生したガスを必要に応じて順次逃がし、収容体200が内圧によって破裂することを防止するように構成される。同時に、ガスを逃すとき、予め充填されていた充填物を収容体200内に放出する。充填物は、元々収容体200内に収容されていた電解液を補填するための電解液や、発熱反応や発火を防止するための消火剤(還元剤)を含み得る。電解液や消火剤は、他の添加剤を含んでいてもよい。
<1-2.弁構造体の構成>
図1Aに示すように、弁構造体100Aは、内部に通路Lが形成される外体2Aを備える。外体2Aは、略円筒形状の筒状部位20A及び取付部22Aを有する。取付部22Aは、弁構造体100Aを収容体200に取り付けるための部位である。取付部22Aは、たとえば収容体200に挟まれた状態でヒートシールされることによって、収容体200に固定される。取付部22Aの断面形状は、収容体200の厚み方向に環状に膨らむ環状部23と、環状部23の両端から左右方向の端部に近づくほど薄く形成された翼状延端部24,24とを輪郭とする涙目形状である。環状部23の外周断面が凸の湾曲であり、この環状部23の両端側と翼状延端部24,24の根元側とは外周断面が凹の湾曲でなだらかに接続されているため、取付部22Aの外周に対して収容体200を構成するラミネートフィルム300を隙間なく接着することができる。従って、収容体200がパウチである場合、取付部22Aの断面形状が上述のような涙目形状に形成されることが好ましい。筒状部位20Aは、取付部22Aの上面から上に延びる円筒状の部位である。本実施形態では、筒状部位20Aは、金属で構成される。筒状部位20Aを構成する金属は特に限定されず、アルミニウム、真鍮、ステンレス等、適宜選択することができる。通路Lは、取付部22A及び筒状部位20Aの内部を貫通して上下方向に延びる断面が円形の通路であり、収容体200の内外を連通させる。
筒状部位20Aの内周面には、一定の間隔を空けて3つのフランジ部21が形成されており、それぞれのフランジ部21の下面は、破壊弁1a、1b、1cの外周縁と溶接されている。つまり、破壊弁1a~cはこの順に通路Lを閉塞するように配置される。好ましくは、破壊弁1a~cは、実質的に等間隔に配置される。破壊弁1a~cは、いずれも同じ構成を有するため、以下ではこれらをまとめて破壊弁1とよぶことがある。破壊弁1は、収容体200の内部に向かう側を一次側、該一次側の反対側を二次側とする。本実施形態では、破壊弁1aが本発明の第1破壊弁に、破壊弁1bが本発明の第2破壊弁にそれぞれ相当する。
破壊弁1は、金属製であり、略円板形状である。破壊弁1は、自身の一次側の内圧が上昇した場合、裂開してガスを二次側の空間に逃すように構成される。本実施形態では、破壊弁1は、収容体200の内部で発生したガスに起因して、収容体200の内圧が所定の圧力まで上昇すると、収容体200のより内側に近いものから順次裂開する。なお、図1に示す状態では、破壊弁1はいずれも裂開していない閉状態である。
収容体200、通路L、及び破壊弁1aは、第1領域R1を規定する。すなわち、破壊弁1aの一次側の通路Lと、収容体200の内部とは連通しており、破壊弁1aが閉状態である場合、収容体200の内圧は第1領域R1の内圧であると言ってよい。第1領域R1は、収容体200内部で発生したガスが最初に封止される閉空間である。
破壊弁1a、通路L、及び破壊弁1bは、第2領域R2を規定する。破壊弁1a及び1bが共に閉状態である場合、第2領域R2は閉空間である。破壊弁1aの二次側の第2領域R2には、第1充填物J1が充填される。
破壊弁1b、通路L、及び破壊弁1cは、第3領域R3を規定する。破壊弁1b及び1cが共に閉状態である場合、第3領域R3は閉空間である。破壊弁1bの二次側の第3領域R3には、第2充填物J2が充填される。なお、本実施形態では、破壊弁1a~cは、実質的に等間隔に配置されている。
図2Aは、破壊弁1の上面図である。破壊弁1の上面には、略Y字状に切り欠かれた切欠き部10が形成される。図2Bは、破壊弁1のI I-I I断面図である。図2Bに示すように、切欠き部10は、破壊弁1の上面と下面とで対称に形成され、切欠き部10の厚みW1は破壊弁1の他の部分の厚みW2よりも薄い。つまり、切欠き部10は、破壊弁1の他の部分よりも相対的に強度が低く、破壊弁1の内部に発生した応力が集中する部位である。これにより、破壊弁1に一定以上の圧力が加わると、切欠き部10から破断が発生し、破壊弁1が裂開する。破壊弁1の開弁圧力は、破壊弁1が裂開する最小の圧力であり、切欠き部10の形状、厚みW1、破壊弁1を構成する材料等のパラメータによって適宜調整することができる。なお、「裂開」とは、破壊弁1を構成する材料が断ち切れることにより、破壊弁1の一次側と二次側とが気体連通した状態になることを指すものとする。
破壊弁1は、本実施形態ではたとえばアルミニウム製であり、W1は10~20[μm]、W2は約200[μm]である。また、開弁圧力は0.2[MPa]である。なお、開弁圧力は、二次側の圧力が大気圧(0.1MPa)であるものとして、常温(25℃)の環境下における破壊弁1の一次側の圧力と二次側の圧力との差で表すものとする。破壊弁1の開弁圧力は、いずれも収容体200の耐内圧以下であり、好ましくは、収容体200の耐内圧の2/3以下である。また、収容体200に取り付けられた弁構造体100Aの破壊弁1が裂開しない構造に置換された場合において、80℃の環境で収容体200の内圧を上昇させた場合に、収容体200が破裂する際の収容体200の内圧を、収容体200の耐内圧という。収容体200の内圧は、大気圧との差で表すものとする。収容体200の耐内圧は、たとえば0.3[MPa]以上1[MPa]以下の範囲内とすることができる。収容体200は、少なくとも、基材層、バリア層及び熱融着性樹脂層をこの順に有する積層体によって構成されているため、収容体200の厚みや強度を考慮すると、耐内圧については、当該範囲程度が適切である。耐内圧は、熱融着性樹脂層303のシール強度や、ラミネートフィルム300の厚みなどによって調整される。
筒状部位20Aは、たとえば図3Aに示すような略円筒形状の金属製のパーツ26と、破壊弁1とで構成される筒状要素25から構成してもよい。図3Bに示すように、パーツ26の一端の内壁面には、内フランジとしてフランジ部21が形成されている。パーツ26のフランジ部21以外の内径は、破壊弁1の外径よりもわずかに大きい。パーツ26の他端から破壊弁1を挿入して、フランジ部21と破壊弁1の外周縁とをレーザー溶接することにより、筒状要素25が得られる。なお、フランジ部21は内フランジとしてではなく、外フランジとしてパーツ26の外壁面に形成されてもよい。この場合、破壊弁1の外周縁は、パーツ26のフランジ部21の上面に溶接されてもよい。こうして得られた筒状要素25を3つ用意し、破壊弁1の側を底面として、筒状要素25の内部に充填物J1、J2を充填し、筒状要素25同士を互いにレーザー溶接してもよい。
第1充填物J1は、液体及び固体の少なくとも一方を含み、破壊弁1aの二次側に充填される。第1充填物J1は、好ましくは電解液を含む。また、第1充填物J1は、好ましくは消火剤を含む。本実施形態では、第1充填物J1は、リチウムイオン電池の電解液である。
第2充填物J2は、液体及び固体の少なくとも一方を含み、破壊弁1bの二次側に充填される。第2充填物J2は、好ましくは電解液を含む。また、第2充填物J2は、好ましくは消火剤を含む。本実施形態では、第2充填物J2は、消火剤である。
本実施形態のように、第1充填物J1と第2充填物J2とは異なっていてもよい。また、第1充填物J1が消火剤であり、第2充填物J2が電解液であってもよい。さらに、第1充填物J1と第2充填物J2とは共に電解液であってもよく、第1充填物J1と第2充填物J2とは共に消火剤であってもよく、第1充填物J1と第2充填物J2とは共に電解液と消火剤の混合物であってもよい。好ましくは、第1充填物J1と第2充填物J2とは同じである。
第1充填物J1及び第2充填物J2に含まれる消火剤(還元剤)は、消火機能を有する液体、固体(たとえば、粉体)及びこれらの組合せであれば、特に限定されない。消火剤は、たとえば、ラジカル捕捉剤としてハロゲン化有機化合物又は非ハロゲン化有機化合物を含む。より具体的には、リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、環状リン酸、ヘキサメトキシシクロトリホスファゼンのような環状ホスファゼン、リン酸アルキル、リン酸アリル、亜リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)のような亜リン酸エステル等のリン系有機化合物、フッ素化ポリプロピレンカーボネートのようなフッ素化アルキレンカーボネート、メチルノナフルオロブチルエーテルのようなフッ素化エーテル等が挙げられ、これらは組み合わせられてもよい。
また、上述の消火剤は、アルカリ土類金属化合物、特にカルシウム化合物を含んでもよい。消火剤はさらに水を含んでもよく、アルカリ土類金属水溶液、特にカルシウム水溶液を含んでもよい。また、消火剤はアルカリ土類金属水溶液、特にカルシウム水溶液であってもよい。
<1-3.弁構造体の動作>
以下、第1実施形態に係る弁構造体100Aの動作について説明する。
電解液の気化や分解に伴って収容体200の内部でガスが発生すると、第1領域R1の内圧が上昇する。第1領域R1の内圧が上昇して(第2領域R2の内圧との差が)破壊弁1の開弁圧力に達すると、破壊弁1aが裂開する。破壊弁1aが裂開すると、第1領域R1と第2領域R2とが連通し、ガスが第2領域R2内に逃れると同時に、第1充填物J1が通路Lを介して収容体200の内部へ放出される。ガスが第2領域R2内に逃れることにより、収容体200に加わる内圧が降下する。また、第1充填物J1が収容体200の内部へ放出されることにより、電解液が補充される。
破壊弁1aの裂開後、第1領域R1及び第2領域R2の内圧が上昇して(第3領域第3領域R3の内圧との差が)破壊弁1の開弁圧力に再び達すると、破壊弁1bが裂開する。破壊弁1bが裂開すると、破壊弁1bの第1領域R1及び第2領域R2と第3領域R3とが連通し、ガスが第3領域R3内に逃れると同時に、第2充填物J2が通路Lを介して収容体200の内部へ放出される。ガスが第3領域R3内に逃れることにより、収容体200に加わる内圧が降下する。また、第2充填物J2が収容体200の内部へ放出されることにより、消火剤が添加され、収容体200内の発熱反応や発火が防止される。
破壊弁1bの裂開後、第1領域R1、第2領域R2、及び第3領域R3の内圧が上昇して(大気圧との差が)破壊弁1の開弁圧力に再び達すると、破壊弁1cが裂開する。破壊弁1cが裂開すると、第1領域R1、第2領域R2、及び第3領域R3と収容体200の外部とが連通する。すなわち、収容体200の内外が連通し、収容体200の内部で発生したガスが外部へと放出される。
<1-4.特徴>
弁構造体100Aは、収容体200(第1領域R1)の内圧が破壊弁1の開弁圧力まで上昇すると、まず破壊弁1aが裂開して第2領域R2を開放し、第1充填物J1を収容体200内に放出する。これによって収容体200が破裂することを防止すると同時に、液枯れを防止することが可能になる。従って、破壊弁1aが裂開したとしても、電池としての機能を維持することが可能である。また、再び収容体200内(第1領域R1及び第2領域R2)の内圧が上昇した場合は、破壊弁1bが裂開して第3領域R3を開放し、第2充填物J2を収容体200内に放出する。これによって収容体200が破裂することを防止すると同時に、発熱反応や発火を防止することが可能になる。このように、破壊弁1が裂開するごとにガスを逃がすための空間が開放され、さらに電解液や消火剤が収容体200内に放出されていくので、収容体200の破裂を防止しながら電池としての機能を維持することが可能になる。
また、破壊弁1a,bが裂開したとしても、収容体200の内部側から最も離れた破壊弁1cが裂開するまでは収容体200の内外が連通しない。このため、電解液の漏洩や、電解液が空気と接触することによる反応、収容体200内への異物混入が発生しにくくなる。
また、収容体200内部の真空引きが必要な場合、弁構造体100Aによれば、真空引きの必要な空間が第1領域R1に限られるので、同じ容積の通路Lを持つ弁体と比較すると、真空引きに必要な時間を短縮できる。
さらに、変形例で後述するように、個々の破壊弁1の開弁圧力や、破壊弁1同士の間隔を調整することにより、収容体200の性質や用途に応じて弁構造体100Aの最適な設計が可能になる。また、弁構造体100A自体の設計自由度が向上する。
<1-5.変形例>
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<1-5-1>
上記第1実施形態において、弁構造体100Aは破壊弁1を3つ備えていたが、破壊弁1の数はこれに限定されない。たとえば、弁構造体100Aは、破壊弁1を1つのみ備えてもよいし、4つ以上備えてもよい。弁構造体100Aが破壊弁1を4つ以上備える場合、弁構造体100Aは破壊弁1の二次側の空間に充填される充填物をさらに備えていてもよい。たとえば、弁構造体100Aが破壊弁1cの二次側に破壊弁1dをさらに備えるような場合、破壊弁1cの二次側の空間に液体及び固体の少なくとも一方を含む第3充填物が充填されていてもよい。第3充填物は、第1充填物J1及び第2充填物J2と同様、液体及び固体の少なくとも一方を含むのであれば、収容体200の内容物や用途に合わせて適宜選択することができる。このように、破壊弁の数、充填物の数及び種類は適宜選択することができる。
<1-5-2>
上記第1実施形態において、外体2Aには略円筒形状の筒状部位20Aが形成されたが、筒状部位20Aはこの形状に限定されない。筒状部位20Aは、たとえば断面が多角形の筒状に形成されてもよい。また、たとえば図4に示すように、筒状部位20Aは下端側から上端側に向かって径が小さくなるテーパー形状に形成されてもよい。図4に示すテーパー形状は、下端側から上端側に向かって径が小さくなるが、下端側から上端側に向かって径が大きくなるテーパー形状とすることもできる。
<1-5-3>
筒状部位20Aを形成する方法は、上述した方法に限定されない。たとえば、図4に示すように筒状部位20Aがテーパー形状に形成される場合、フランジ部21を予め筒状部位20Aの内壁に複数形成しておき、破壊弁1を径の小さいものから順にフランジ部21に溶接していく方法も可能である。
<1-5-4>
上記第1実施形態において、破壊弁1a~cの開弁圧力は全て等しい開弁圧力であったが、破壊弁1a~cとで開弁圧力に差をつけてもよい。たとえば、破壊弁1a~cの順に開弁圧力が大きくなるように構成することもできるし、反対に破壊弁1a~cの順に開弁圧力が小さくなるように構成することもできる。また、上記第1実施形態において、破壊弁1a~cは実質的に等間隔に配置されていたが、破壊弁1同士の間隔は等間隔でなくてもよい。上述したように、個々の破壊弁1の開弁圧力や、破壊弁1同士の間隔を調整することにより、収容体200の性質や用途に応じて弁構造体100Aを設計することが可能である。
<1-5-5>
切欠き部10の形状は、略Y字状に限定されず、たとえば図5Aに示すように十字状に形成されてもよい。また、図5Bに示すように、切欠き部10は破壊弁1の両面に形成されず、片面のみに形成されてもよい。また、厚さW1,W2は上記で挙げた数値に限定されず、適宜変更することができる。
<1-5-6>
上記第1実施形態において、収容体200はラミネートフィルム製のパウチであったが、収容体200はこれに限定されず、弁構造体100Aは種々の材質、形態の収容体に適用可能である。たとえば金属製の缶、樹脂製の容器、及び図6Aに示すような冷間成形(冷間成形)等によって成形されたエンボスタイプの収容体等にも適用可能である。図6Aに示す収容体200は、全体として略直方体形状であり、上述したようなラミネートフィルム300で構成される包装材料210,220を含んでいる。つまり、包装材料210,220の各々は、少なくとも、基材層301、バリア層302及び熱融着性樹脂層303をこの順に有する。包装材料210は、空間S1が形成されるように冷間成形された成形部211と、成形部211の外周縁から延びるフランジ部212とを含んでいる。空間S1には、たとえば蓄電デバイス素子400が収容される。収容体200は、包装材料210、220の各々の周縁に位置する熱融着性樹脂層同士をヒートシールすることにより形成される。
図6Bは、エンボスタイプの収容体200に対する弁構造体100Aの取付態様の一例を示す模式図である。図6Bに示す例では、ヒートシール等により包装材料210(フランジ部212)及び包装材料220と、取付部22Aの外周とをそれぞれ接着することによって、弁構造体100Aが収容体200に固定される。好ましくは、弁構造体100Aは、フランジ部212と翼状延端部24,24とが概ね平行になるように包装材料210,220の隙間に配置される。
なお、収容体200は、必ずしも図6Aに示すような構成でなくてもよい。たとえば、包装材料210と包装材料220とが予め一辺において一体化されて(繋がって)いてもよい。この場合には、包装材料210のフランジ部212の端部において、包装材料210と包装材料220とが一体化しており(繋がっており)、包装材料210と包装材料220とが重ねられた状態で四方シールすることによって、収容体200内に蓄電デバイス素子等が密封されてもよい。また、包装材料210と包装材料220とが一体化している辺においてはフランジ部212が省略されており、包装材料210と包装材料220とが重ねられた状態で三方シールすることによって、収容体200内に蓄電デバイス素子等が密封されてもよい。
また、弁構造体100Aが収容体200に取付られる態様は、収容体200の形態等に応じて適宜選択することができ、図1A、図4、及び図6Bに示すような態様に限定されない。すなわち、取付部22Aの形状は涙目形状に限定されず、また、外体2Aは収容体200に挟まれてヒートシールされる取付部22Aを備えていなくてもよい。たとえば収容体200が図6Aに示すようなエンボスタイプの成形品であるような場合、図6Cに示すように収容体200の天面201に取付孔202を形成し、取付孔202を塞ぐように弁構造体100Aを取り付けることもできる。
より具体的には、図6Dに示すように、弁構造体100Aは収容体200の天面201から内部に埋め込まれるような態様で取り付けられてもよい。この場合、外体2Aは、筒状部位20Aの上端の外周縁にフランジを備え、フランジと天面201(取付孔202の周縁)とがシールされてもよい。また、筒状部位20Aの側周面を接着用の樹脂Pによって覆った後、収容体200と接着してもよい。また、別の例を挙げると、図6Eに示すように、弁構造体100Aは収容体200の天面201から外部へと突出するような態様で取り付けられてもよい。この場合、外体2Aは、筒状部位20Aの下端の外周縁にフランジを備え、フランジと天面201の内側(取付孔202の周縁)とがシールされてもよい。また、図6Dに示す例と同様、筒状部位20Aの側周面を接着用の樹脂Pによって覆った後、収容体200と接着してもよい。さらに、弁構造体100Aの取付箇所は天面201に限定されず、側面や底面であってもよい。
<1-5-7>
筒状部位20Aは、図7A,Bにそれぞれ示すように上端部において上面27によって閉塞されていてもよい。つまり、弁構造体200Aは、全ての破壊弁1が裂開した後も収容体200の内外が連通しないように構成されていてもよい。この場合でも、破壊弁1が裂開すると、ガスが逃れる空間が開放されるため、収容体200の内圧を下げることができる。また、第1、第2充填物J1,J2によって収容体200に収容される内容物の不足や収容体内の好ましくない反応を防止することができる。
<1-5-8>
上記第1実施形態において、筒状部位20Aは金属製であったが、筒状部位20Aを構成する材料はこれに限定されず、たとえば樹脂であってもよい。筒状部位20Aを構成する樹脂の例としては、ポリプロピレン(PP)等のポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。また、筒状部位20Aはセラミック製であってもよい。さらに、筒状部位20Aは異種材料の積層体から構成されてもよく、たとえば、樹脂と金属の積層体、樹脂とセラミックの積層体から構成されてもよい。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態に係る弁構造体について説明する。第2実施形態に係る弁構造体が第1実施形態と相違するのは、弁構造体の材質及び破壊弁の構造である。
<2-1.弁構造体の概要>
図8は、本発明の第2実施形態に係る弁構造体100Bと、弁構造体100Bが取り付けられる収容体200とを示す正面図である。図7に示されるように、弁構造体100Bは、たとえば、収容体200に取り付けられて使用される。以下では、説明の便宜のため、図7の上下方向を「上下」、図7の左右方向を「左右」、図7の紙面方向を「前後」と称し、これを基準に説明を行う。但し、本発明に係る弁構造体の使用時の向き、方向はこれに限定されない。
収容体200は、たとえば、コーヒー、発酵食品(味噌等)、長期保存用食品、薬品及び蓄電デバイス素子400(リチウムイオン電池やキャパシタ等の蓄電部材)を内部に収容して密閉されるように構成されている。収容体200内の内容物は、時間の経過、加熱に伴いガスを発生する。第2実施形態に係る収容体200の構成については、第1実施形態と共通であるため、説明を省略する。
本実施形態の収容体200は、基材層、バリア層及び熱融着性樹脂層をこの順に有するラミネートフィルム(積層体)300が袋状に成型されて形成されたパウチである。収容体200には、リチウムイオン電池の電極、電解液といった電池素子が収容される。弁構造体100Bは、収容体200に気密に取り付けられ、収容体200の内部で発生したガスを必要に応じて順次逃がし、収容体200が内圧によって破裂することを防止するように構成される。同時に、ガスを逃すとき、予め充填されていた充填物を収容体200内に放出する。充填物は、元々収容体200内に収容されていた電解液を補填するための電解液や、発熱反応や発火を防止するための消火剤(還元剤)を含み得る。電解液や消火剤は、他の添加剤を含んでいてもよい。
<2-2.弁構造体の構成>
図8に示す弁構造体100Bは、全体が樹脂フィルムで構成される。弁構造体100Bが備える破壊弁は、イージーピール可能に接着された部材、たとえばヒートシールにより接着されたイージーピールフィルムと樹脂フィルムとで構成される。弁構造体100Bは、内部に通路Lが形成される外体2Bを備える。外体2Bは、上下方向に延びる筒状の筒状部位20Bを有する。筒状部位20Bは、たとえば同じ2枚のフィルム101,101の両端部を、互いにヒートシールすることにより形成される。筒状部位20Bの下端側では、フィルム101,101と収容体200とがヒートシールされており、これによって弁構造体100Bが収容体200に取り付けられる。つまり、筒状部位20Bの下端部のヒートシール部分は、弁構造体100Bを収容体200に取り付けるための取付部22Bを構成する。
収容体200に弁構造体100Bを取り付ける際は、フィルム101,101同士がヒートシールされ、通路Lが閉塞されることを防止するため、フィルム101,101の間に非接着性の樹脂からなるシート103を挟み込んでヒートシールを行う。これにより、取付部22Bにおいて通路Lが閉塞されることがなく、通路Lは収容体200の内部と連通する。シート103は、非接着性の樹脂材料からなるシートであれば特に種類は限定されず、たとえばテトラフルオロエチレン(PTFE)製であってよい。
図8のフィルム101,101の間には、イージーピールフィルム102(以下、EPフィルム102とよぶ)が挟まっており、EPフィルム102の左右の端部は、フィルム101,101の左右の端部と共にヒートシールされている。この部分を縦シール部110とよぶ。EPフィルム102は、易剥離性の樹脂フィルムであり、EPフィルム102と他の樹脂フィルムとがヒートシールされた部分は、通常の樹脂フィルム同士がヒートシールされた部分と比較して、弱い力で剥離する。通路Lは、EPフィルム102によって、第1通路L1と、第2通路L2とに分断される(図9参照)。
図9Aは、弁構造体100Bを取付部22B側から見たときの端面図である。図9Aに示すように、EPフィルム102の幅は、フィルム101,101の幅よりも若干小さく、EPフィルム102の両端は、フィルム101,101の両端よりも筒状部位20Bの内側に位置する。従って、縦シール部110は、フィルム101,101同士のヒートシール部分を含んでいる。このため、縦シール部110は、容易に剥離し難い。
図9Bは、図8に示す弁構造体100BのI X-I X断面図である。弁構造体100Bは、フィルム101、EPフィルム102、及びフィルム101がこの順に重ねられ、ヒートシールにより接着されて形成されるイージーピール部(以下、EP部とよぶ)111a、111b,及び111cを有する。EP部111a~cは、第1通路L1及び第2通路L2を閉塞するように筒状部位20Bの前面と後面の同じ位置に形成される。EP部111a~cは、好ましくは、通路Lの延びる方向に沿って実質的に等間隔に配置される。
EP部111a~cは、通常のヒートシール部よりもシール強度が低いイージーピールであるため、一次側の圧力が上昇するとEPフィルム102からフィルム101,101がそれぞれ剥離する。本実施形態では、EP部111a~cは、収容体200の内部で発生したガスに起因して、収容体200の内圧が所定の圧力まで上昇すると裂開する破壊弁としてそれぞれ機能する。従って、以下ではEP部111a~cを破壊弁111a~c、もしくはまとめて破壊弁111とよぶ。破壊弁111は、収容体200の内部に向かう側を一次側、該一次側の反対側を二次側とする。本実施形態では、破壊弁111aが本発明の第1破壊弁に、破壊弁111bが本発明の第2破壊弁にそれぞれ相当する。
本実施形態では、EP部111a~cのシール強度は、いずれも概ね同じ強度となるように構成されている。従って、破壊弁111a~cの開弁圧力は、いずれも同じである。また、厳密には破壊弁111a~cは、第1通路L1及び第2通路L2のそれぞれを閉塞するように、一対ずつ形成されるともいえる。しかしながら一対の破壊弁は同じ構成を有し、概ね同じように動作するため、同一のEP部に対応する一対の破壊弁は、1個の破壊弁として扱う。
破壊弁111を構成する2枚のフィルム101と、EPフィルム102とがそれぞれヒートシールされ、第1通路L1及び第2通路L2が共に閉塞されている状態を破壊弁111の閉状態とする。また、「裂開」とは、破壊弁111を構成するフィルム101とEPフィルム102との一部又は全部が剥離し、第1通路L1及び第2通路L2が一次側と二次側とで気体連通する状態となることをいうものとする。破壊弁111の開弁圧力は、いずれも収容体200の耐内圧以下であり、好ましくは、耐内圧の2/3以下である。本実施形態の破壊弁111の開弁圧力は、いずれも0.1[MPa]である。なお、開弁圧力は、二次側の圧力が大気圧(0.1MPa)であるものとして、常温(25℃)の環境下における破壊弁111の一次側の圧力と二次側の圧力との差で表す。なお、収容体200に取り付けられた弁構造体100Bの破壊弁111が裂開しない構造に置換された場合において、80℃の環境で収容体200の内圧を上昇させた場合に、収容体200が破裂する際の収容体200の内圧を、収容体200の耐内圧という。収容体200の内圧は、大気圧との差で表すものとする。収容体200の耐内圧は、たとえば0.3[MPa]以上1[MPa]以下の範囲内とすることができる。収容体200は、少なくとも、基材層、バリア層及び熱融着性樹脂層をこの順に有する積層体によって構成されているため、収容体200の厚みや強度を考慮すると、耐内圧については、当該範囲程度が適切である。耐内圧は、熱融着性樹脂層303のシール強度や、ラミネートフィルム300の厚みなどによって調整される。
収容体200、第1通路L1、第2通路L2、及び破壊弁111aは、第1領域R1を規定する。すなわち、破壊弁111aの一次側の第1通路L1及び第2通路L2と、収容体200の内部とは連通しており、破壊弁111aが閉状態である場合、収容体200の内圧は第1領域R1の内圧であると言ってよい。第1領域R1は、収容体200内部で発生したガスが最初に封止される閉空間である。
破壊弁111a、第1通路L1、第2通路L2、及び破壊弁111bは、第2領域R2,R2を規定する。破壊弁111a及び111bが共に閉状態である場合、第2領域R2,R2は閉空間である。破壊弁111aの二次側である第2領域R2,R2には、第1充填物J1が充填される。
破壊弁111b、第1通路L1、第2通路L2、及び破壊弁111cは、第3領域R3,R3を規定する。破壊弁111b及び111cが共に閉状態である場合、第3領域R3,R3は閉空間である。破壊弁111bの二次側である第3領域R3,R3には、第2充填物J2が充填される。なお、本実施形態では、破壊弁111a~cは、互いに同一の間隔を空けて配置されている。
第1充填物J1は、液体及び固体の少なくとも一方を含み、破壊弁111aの二次側に充填される。第1充填物J1は、好ましくは電解液を含む。また、第1充填物J1は、好ましくは消火剤を含む。本実施形態では、第1充填物J1は、リチウムイオン電池の電解液である。
第2充填物J2は、液体及び固体の少なくとも一方を含み、破壊弁111bの二次側に充填される。第2充填物J2は、好ましくは電解液を含む。また、第2充填物J2は、好ましくは消火剤を含む。本実施形態では、第2充填物J2は、消火剤である。
本実施形態のように、第1充填物J1と第2充填物J2とは異なっていてもよい。また、第1充填物J1が消火剤であり、第2充填物J2が電解液であってもよい。さらに、第1充填物J1と第2充填物J2とは共に電解液であってもよく、第1充填物J1と第2充填物J2とは共に消火剤であってもよく、第1充填物J1と第2充填物J2とは共に電解液と消火剤の混合物であってもよい。好ましくは、第1充填物J1と第2充填物J2とは同じである。消火剤については、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
フィルム101としては、公知の種々の接着性フィルムを採用することができる。たとえば、フィルム101は、酸変性ポリプロピレン(PPa)、アルミニウム(Al)、PPaがこの順に積層した積層フィルムであってもよい。この場合、PPa層、Al層の厚みとしては、たとえばそれぞれ1~100[μm]程度及び3~100[μm]程度、好ましくはそれぞれ5~50[μm]程度及び5~50[μm]程度が挙げられる。また、フィルム101は、ポリプロピレン(PP)、アルミニウム(Al)、PPがこの順に積層した積層フィルムであってもよい。この場合、PP層、Al層の厚みとしては、たとえばそれぞれ1~100[μm]程度及び3~100[μm]程度、好ましくはそれぞれ5~50[μm]程度及び5~50[μm]程度が挙げられる。
EPフィルム102としては、公知の種々の易剥離性フィルムを採用することができ、EPフィルム102のシール強度を調節することにより、破壊弁111としての開弁圧力を適宜調整することができる。一例としては、EPフィルム102としてDIC株式会社製のPP製フィルムE1901Tを採用し、E1901Tの厚みは約30[μm]とし、シール強度は10N/15mmとすることができる。なお、シール強度の測定方法は、JIS Z 0238に準拠する。
<2-3.弁構造体の動作>
以下、第2実施形態に係る弁構造体100Bの動作について説明する。
電解液の気化や分解に伴って収容体200の内部でガスが発生すると、第1領域R1の内圧が上昇する。第1領域R1の内圧が上昇して破壊弁111の開弁圧力に達すると、破壊弁111aが裂開する。破壊弁111aが裂開すると、第1領域R1と第2領域R2,R2とが連通し、ガスが第2領域R2,R2内に逃れると同時に、第1充填物J1が収容体200の内部へ放出される。ガスが第2領域R2,R2内に逃れることにより、収容体200に加わる内圧が降下する。また、第1充填物J1が収容体200の内部へ放出されることにより、電解液が補充される。
破壊弁111aの裂開後、第1領域R1及び第2領域R2,R2の内圧が上昇して再び破壊弁111の開弁圧力に達すると、破壊弁111bが裂開する。破壊弁111bが裂開すると、第3領域R3,R3とが連通し、ガスが第3領域R3,R3内に逃れると同時に、第2充填物J2が収容体200の内部へ放出される。ガスが第3領域R3,R3内に逃れることにより、収容体200に加わる内圧が降下する。また、第2充填物J2が収容体200の内部へ放出されることにより、消火剤が添加され、収容体200内の発熱反応や発火が防止される。
破壊弁111bの裂開後、第1領域R1、第2領域R2,R2、及び第3領域R3,R3の内圧が上昇して再び破壊弁111の開弁圧力に達すると、破壊弁111cが裂開する。破壊弁111cが裂開すると、破壊弁111cの一次側(第1領域R1、第2領域R2,R2、及び第3領域R3,R3)と二次側とが連通する。すなわち、収容体200の内外が連通する。
<2-4.特徴>
弁構造体100Bは、収容体200(第1領域R1)の内圧が破壊弁1の開弁圧力まで上昇すると、まず破壊弁111aが裂開して第2領域R2,R2を開放し、第1充填物J1を収容体200内に放出する。これによって収容体200が破裂することを防止すると同時に、液枯れを防止することが可能になる。従って、破壊弁111aが裂開したとしても、電池としての機能を維持することが可能である。また、再び収容体200内(第1領域R1及び第2領域R2,R2)の内圧が上昇した場合は、破壊弁111bが裂開して第3領域R3,R3を開放し、第2充填物J2を収容体200内に放出する。これによって収容体200が破裂することを防止すると同時に、発熱反応や発火を防止することが可能になる。このように、破壊弁111が裂開するごとにガスを逃がすための空間が開放され、さらに電解液や消火剤が収容体200内に放出されていくので、収容体200の破裂を防止しながら電池としての機能を維持することが可能になる。
また、破壊弁111a,bが裂開したとしても、収容体200の内部側から最も離れた破壊弁111cが裂開するまでは収容体200の内外が連通しない。このため、電解液の漏洩や、電解液が空気と接触することによる反応、収容体200内への異物混入が発生しにくくなる。
また、収容体200内部の真空引きが必要な場合、弁構造体100Bによれば、真空引きの必要な空間が第1領域R1に限られるので、同じ容積の通路Lを持つ弁体と比較すると、真空引きに必要な時間を短縮できる。
さらに、変形例で後述するように、破壊弁111同士の間隔を調整することにより、収容体200の性質や用途に応じて弁構造体100Bの最適な設計が可能になる。また、弁構造体100B自体の設計自由度が向上する。
<2-5.変形例>
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<2-5-1>
上記第2実施形態において、筒状部位20Bは2枚のフィルム101,101を重ね合わせて両端部をヒートシールすることにより構成されたが、筒状部位20Bを構成する方法はこれに限定されない。たとえば、1枚のフィルム101を中心で折り返し、端部を重ねた状態にして、折り返し部分と重なった端部とをそれぞれヒートシールしてもよい。
<2-5-2>
上記第2実施形態において、破壊弁111は、イージーピール可能に接着されたフィルム101とEPフィルム102とにより構成されたが、破壊弁111を構成する部材はこれに限定されない。たとえば、EPフィルム102を使用せず、フィルム101とフィルム101とのヒートシール時間、温度等を調整することによってシール強度の低いイージーピールを形成し、破壊弁111を構成してもよい。
<2-5-3>
上記第2実施形態において、弁構造体100Bは破壊弁111を3つ備えていたが、破壊弁1の数はこれに限定されない。たとえば、弁構造体100Bは、破壊弁1を2つ備えてもよいし、4つ以上備えてもよい。弁構造体100Bが破壊弁111を4つ以上備える場合、弁構造体100Bは破壊弁111の二次側の空間に充填される充填物をさらに備えていてもよい。たとえば、弁構造体100Bが破壊弁111cの二次側に破壊弁111dをさらに備えるような場合、破壊弁111cの二次側の空間に液体及び固体の少なくとも一方を含む第3充填物が充填されていてもよい。第3充填物は、第1充填物J1及び第2充填物J2と同様、液体及び固体の少なくとも一方を含むのであれば、収容体200の内容物や用途に合わせて適宜選択することができる。このように、破壊弁の数、充填物の数及び種類は適宜選択することができる。さらに、破壊弁111a~cは、実質的に等間隔に配置されたが、破壊弁111同士の間隔は等間隔でなくてもよい。
<2-5-4>
上記第2実施形態において、筒状部位20Bの上端部はイージーピールとして形成されたが、筒状部位20Bの上端部は通常のヒートシール部やフィルム101の折り返し部で形成され、閉塞されていてもよい。つまり、弁構造体200Bは、全ての破壊弁1が裂開した後も収容体200の内外が連通しないように構成されていてもよい。この場合でも、破壊弁111が裂開すると、ガスが逃れる空間が開放されるため、収容体200の内圧を下げることができる。また、第1、第2充填物J1,J2によって収容体200に収容される内容物の不足や好ましくない反応を防止することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、以下の実施例は、あくまでも本発明の例示に過ぎず、本発明はこれに限定されない。
<実験条件>
図10Aに示す実施例の弁構造体100は、クロム酸処理されたアルミニウム製の外体2を有する。外体2の高さは10mmで、断面形状は涙目形状であり、外周面が収容体200にヒートシールされる。涙目形状の中心には内径10mmの円形断面の貫通孔(通路L)が形成されている。この貫通孔の内周面にはアルミニウム製の破壊弁Xが実質的に等間隔(3mm)で溶接され、通路Lを閉塞すると共に、破壊弁Xと破壊弁Xとの間にはリチウムイオン電池の電解液Dが充填されている(図10B参照)。破壊弁Xは、いずれも直径10mm、厚さ0.3mmであり、両面に十字状の切欠き部を有し、開弁圧力は、0.1MPaである。比較例は、弁構造体100と同様の構造を有し、電解液Dが充填されていない弁構造体である。実施例及び比較例に係る弁構造体をそれぞれ同じ構成のパウチに取り付けた。パウチの耐内圧は、0.8MPaである。パウチへの取り付けは、弁構造体の外周面に酸変性ポリプロピレン(PPa)層、ポリエチレンナフタレート(PEN)層、及び酸変性ポリプロピレン(PPa)層がこの順に積層した接着性フィルム(PPa(厚さ44μm)/PEN(厚さ12μm)/PPa(厚さ44μm))を熱溶着した上で、パウチと外周面とを収容体200℃で5秒間ヒートシールすることにより行った。また、パウチの内部にはリチウムイオン電池の電池素子(蓄電部材)を収容し、真空引きを行った後にパウチを密封した。密封済みのパウチを外部から120℃に加熱することでパウチ内部にガスを発生させ、リチウムイオン電池としての電池特性を確認した。
<実験結果>
以下のような結果が得られた。
実施例:破壊弁Xが順次裂開し、ガスを逃すと共に、電解液がパウチ内に補充され、電池特性が維持された。
比較例:破壊弁Xが順次裂開してガスを逃したが、一部の電解液が失われ、電池特性が低下した。
実験結果より、実施例に係る弁構造体では、パウチの破裂を防止しつつ、電解液を補充することによって電池としての機能を維持できることが分かった。
100A,B 弁構造体
1 破壊弁
2A,B 外体
10 切欠き部
20A,B 筒状部位
21 フランジ部
22A,B 取付部
111 破壊弁(EP部)
200 収容体
J1 第1充填物
J2 第2充填物
L 通路

Claims (21)

  1. 収容体に取り付けられる弁構造体であって、
    前記収容体の内部と連通する入口を有する通路が内部に形成される外体と、
    前記通路を閉塞するように配置され、前記収容体の内部に向かう側を一次側、該一次側の反対側を二次側とする第1破壊弁と、
    前記通路内において、前記第1破壊弁の二次側に充填される液体及び固体の少なくとも一方を含む第1充填物と、
    を備え、
    前記第1破壊弁は、前記収容体の内部で発生したガスに起因して、前記第1破壊弁の一次側の内圧が上昇した場合に、裂開するように構成され、
    前記第1充填物は、前記第1破壊弁が裂開することにより、前記収容体の内部に放出され、
    前記第1破壊弁は、前記入口から離れた位置に配置される、
    弁構造体。
  2. 前記第1破壊弁の開弁圧力は、前記収容体の耐内圧以下である、
    請求項1に記載の弁構造体。
  3. 前記第1破壊弁の開弁圧力は、前記収容体の耐内圧の2/3以下である、
    請求項1又は2に記載の弁構造体。
  4. 前記第1充填物は、電解液を含む、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の弁構造体。
  5. 前記第1充填物は、消火剤を含む、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の弁構造体。
  6. 前記第1破壊弁は、金属製である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の弁構造体。
  7. 前記第1破壊弁は、イージーピール可能に接着された部材で構成される、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の弁構造体。
  8. 前記第1破壊弁の二次側に配置されて前記通路を閉塞し、前記収容体の内部に向かう側を一次側、該一次側の反対側を二次側とする第2破壊弁と、
    前記通路内において、前記第2破壊弁の二次側に充填される液体及び固体の少なくとも一方を含む第2充填物と、
    をさらに備え、
    前記第2破壊弁は、前記第1破壊弁が裂開した後、前記収容体の内部で発生したガスに起因して、前記第2破壊弁の一次側の内圧が上昇した場合に、裂開するように構成され、
    前記第2充填物は、前記第2破壊弁が裂開することにより、前記収容体の内部に放出される、
    請求項1に記載の弁構造体。
  9. 前記第1充填物と、前記第2充填物とは、同じである、
    請求項8に記載の弁構造体。
  10. 前記第1破壊弁及び前記第2破壊弁の開弁圧力は、いずれも同じである、
    請求項8又は9に記載の弁構造体。
  11. 前記第1破壊弁及び前記第2破壊弁の開弁圧力は、いずれも前記収容体の耐内圧以下である、
    請求項8から10のいずれか1項に記載の弁構造体。
  12. 前記第1破壊弁及び前記第2破壊弁の開弁圧力は、いずれも前記収容体の耐内圧の2/3以下である、
    請求項8から11のいずれか1項に記載の弁構造体。
  13. 前記第1破壊弁及び前記第2破壊弁は、金属製である、
    請求項8から12のいずれか1項に記載の弁構造体。
  14. 前記第1破壊弁及び前記第2破壊弁は、イージーピール可能に接着された部材で構成される、
    請求項8から12のいずれか1項に記載の弁構造体。
  15. 前記第1充填物及び第2充填物は、電解液を含む、
    請求項8から14のいずれか1項に記載の弁構造体。
  16. 前記第1充填物及び第2充填物は、消火剤を含む、
    請求項8から15のいずれか1項に記載の弁構造体。
  17. 前記収容体は、蓄電デバイス素子を収容するように構成される、
    請求項1から16のいずれか1項に記載の弁構造体。
  18. 前記蓄電デバイス素子は、リチウムイオン電池の蓄電デバイス素子である、
    請求項17に記載の弁構造体。
  19. 前記収容体は、少なくとも基材層、バリア層及び熱融着性樹脂層をこの順に有する積層体によって構成されている、
    請求項1から18のいずれか1項に記載の弁構造体。
  20. 請求項1から19のいずれか1項に記載の弁構造体と、
    前記収容体と、
    を備える、弁構造体付き収容体。
  21. 請求項1から19のいずれか1項に記載の弁構造体と、
    前記収容体と、
    前記収容体に収容される蓄電デバイス素子と、
    を備える、
    弁構造体付き蓄電デバイス。
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