以下、実施の形態を図面に基づき説明する。
図1に示すように、本実施形態の遊技システム10は、遊技機である複数のパチンコ機2及び複数のスロット機7と、パチンコ機2の間に設けられた台間機3と、スロット機7の間に設けられた台間機8と、複数のデータ表示機9と、ハブやWi-Fi(登録商標)アクセスポイントなどの通信用機器を用いて構築されたネットワーク20と、島コンピュータ25と、ウェアラブル端末26と、を備えている。
複数の台間機3は、複数のパチンコ機2にそれぞれ対応させて設けた遊技用装置であり、これら複数のパチンコ機2に各々接続されている。一方、複数の台間機8は、複数のスロット機7に各々対応させて設けた遊技用装置であって、これら複数のスロット機7にそれぞれ接続されている。なお、台間機3、8には、紙幣識別装置(ビルバリ)などが搭載されている場合もある。複数のデータ表示機9は、複数のパチンコ機2及び複数のスロット機7にそれぞれ接続されている。複数のパチンコ機2、複数のスロット機7、複数の台間機3、8及び複数のデータ表示機9は、島コンピュータ25を介してネットワーク20に接続されている。なお、以降の説明では、ともに遊技機であるパチンコ機2とスロット機7とを個別に説明する必要がある場合を除き、パチンコ機2を主に例にとって説明する。
また、遊技システム10には、上述した機器以外にも様々な機器が設けられている。つまり、遊技システム10は、計数機14、発券機15、精算機12、景品管理機(POS)19、景品管理機(セルフPOS)16、景品払出機11、18、管理装置5、パーソナルコンピュータ5a、プロトコルコンバータ21、モデム22、カードセンタ23、データ公開機17、再プレー受付機24などをさらに備えている。これらの機器は、ネットワーク20に接続されている。景品管理機19は、景品払出機18が併設されており、従業員が操作を行う従業員用の景品交換装置である。一方、景品管理機16は、景品払出機11が併設されており、景品交換時に遊技者により景品交換操作が可能なセルフ用の景品交換装置である。
管理装置5は、例えば、ホールコンピュータ、景品管理装置、会員管理装置などの情報収集装置として構成されている。パチンコ機2及びスロット機7並びに前述した周辺機器からの情報は、ネットワーク20を介して管理装置5に出力され、さらに、プロトコルコンバータ21、モデム22を介してカードセンタ23に送信される。なお、モデム22からカードセンタ23への情報の通信は、一般通信回線を介して行われる。
遊技システム10では、遊技者は、貨幣(紙幣や硬貨)、会員用カード(会員用記録媒体)27、非会員用カード(非会員用記録媒体)28などを用いてパチンコやスロットなどの遊技を行うことができる。詳細には、遊技システム10では、貨幣、会員用カード27、非会員用カード28により特定可能な度数(有価価値)によって、遊技場(遊技ホール)と遊技者(会員の遊技者,非会員の遊技者)との間で、パチンコ玉やメダル(コイン)などの遊技媒体の貸借が行われ、遊技者は、貸借されたパチンコ玉やメダルを使用して遊技を行う。
ここで、「度数」とは、入金された金額を遊技によって消費される数値に変換(度数化)したもので、例えば、1万円を度数化すると100度数となる。また、「会員の遊技者」とは、会員用カード27を有する遊技者であって、住所、氏名、年齢、性別、好きな台(好きな種類の遊技機)、連絡先、暗証番号などの属性情報が、当該会員の遊技者を個別に識別可能な会員番号(会員ID)と対応付けされて管理装置5に登録されている遊技者である。一方、「非会員の遊技者」とは、会員の遊技者として情報が登録されていない一般の遊技者である。
会員用カード27及び非会員用カード28は、ICチップ及びアンテナを有する非接触タイプの記録媒体であり、カード形状やコイン形状に形成されている。非会員用カード28は、例えば、会員用カード27よりも、縦及び横の長さが短く、さらに、厚さが薄く構成されていて会員用カード27と区別される。会員用カード27には、カードID(記録媒体特定情報)が記憶されており、このカードIDには、会員の遊技者の種々の情報が紐付けされる。この紐付けされる情報(図4参照)は、例えば、遊技ID(収集用識別情報)、会員番号、度数残高、アウト(発射玉)、セーフ(遊技機への供給玉、つまり遊技の上皿への供給玉:遊技者の獲得玉)、利用した金額、などの情報である。
この他にも、貯玉数(スロットの場合は、貯メダル)、ポイントや、図示を省略した勝敗(セーフからアウトを減じたもの)、貸玉数(スロットの場合は、貸メダル数)、遊技台種別などの情報、これらの情報を履歴情報、日毎情報、週毎情報とした情報、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号なども紐付け可能である。また、遊技中は、例えば、遊技者が遊技している遊技台の番号や台間機3の番号を一時的に紐付けることもできる。上記した度数残高や貸玉、貯玉など金銭的に価値のある情報を「価値情報」と呼ぶ。また、遊技を行った時間や発生した大当たり回数などを集計して紐付けしてもよい。
上記の「アウト(発射玉)」は、スロットでは「イン(投入枚数)」と呼ばれることもある。ここではスロットであってもパチンコと同様に「アウト」と称す。同様に上記の「セーフ」は、スロットでは、「アウト(払い出されたメダルの枚数)」と呼ばれることもある。ここでは、スロットであってもパチンコと同様に「セーフ」と称す。「ポイント」には、来店ポイント(台間機3、8に会員用カード27を差し込むと付与されるポイント)、貸玉ポイント(貸し玉数に応じて付与されるポイント)、勝敗ポイント(アウト数からセーフ数の差に応じて、負けた客に付与されるポイント)、稼動ポイント(アウト数に応じて付与されるポイント)などがある。これらの情報は、管理装置5によって管理される。「管理」とは、これらの情報を更新したり、消去したり、保持したりすることである。この情報は、これらに限定されず、遊技管理を行う上で必要な情報であれば、適宜、紐付け(関連付け)られる。
非会員用カード28にもカードID(記録媒体特定情報)が記憶されており、このカードIDには、非会員の遊技者の種々の情報が紐付けられる。詳細には、遊技ID、度数、貸玉、入金などの情報、これらの情報を所定の期間に限って紐付ける。ただし、この情報は、これらに限定されず、遊技管理を行う上で必要な情報であれば適宜紐付けされる。これらの紐付けされる情報は、会員用カード27に紐付けされる情報と同様に、管理装置5によって管理される。非会員用カード28には、会員番号、ポイントなどの情報は紐付けされない。ただし、管理装置5は、これらの情報をいつでも紐付け可能なように、保持しておくことが可能である。
上記情報のうち遊技IDは、例えば、台間機3、8に貨幣を投入したときに付与されるIDであり、以後の遊技の情報はこの遊技IDに対応付けられて管理される。例えば、会員用カード27及び非会員用カード28を所有しない遊技者が貨幣によって遊技を開始した場合、まず遊技IDが発行され、この遊技IDに遊技情報が紐付けられて管理される。その後、例えば、非会員用カード28が発行された場合、遊技IDに対して非会員用カード28に記憶されているカードIDが追加で紐付けられて管理される。また、会員用カード27を所有している遊技者においては、貨幣を投入せずに会員用カード27を台間機3、8に挿入し遊技を開始する場合があるが、その場合、会員用カード27を受け付けた際に遊技IDを発行してもよい。
次に、図2に基づき、台間機3、8について説明する。なお、台間メダル貸し機である台間機8は、台間機3と対応する機能を有しているので、ここでは台間機3について主に説明し、台間機8については詳細な説明を省略する。台間機3は、主に、パチンコ機2の上皿へパチンコ玉を供給するための装置であって、図2に示すように、カード受付部31と、カード処理部32と、貨幣受付部33と、ボタン部34と、各種の情報を表示させる表示部35と、ランプの点灯及び消灯を行うランプ部36と、外部の装置との情報通信を行う通信部37と、当該台間機3における前述した各部を統括的に制御する制御部30と、を備えている。台間機3は、対応するパチンコ機2で獲得されたパチンコ玉を計数できる計数部を備えている場合もある。
貨幣受付部33は、例えば紙幣識別装置と接続されており、この紙幣識別装置に貨幣が挿入されたことや貨幣の金額を認識することができる。ボタン部34は、貸玉ボタン、再プレー用貸玉ボタン、返却ボタンなどを備えている。カード受付部31には、会員用カード27又は非会員用カード28が挿入される。カード処理部32は、リーダライタ部、カード貯留部、カード発行部を備える。リーダライタ部は、カード受付部31が受け付けた会員用カード27又は非会員用カード28からカードIDを読み取る。また、リーダライタ部は、会員用カード27又は非会員用カード28に度数などの情報が記憶されている場合、カードIDに加えてこれらの情報も読み取る。リーダライタ部は、その読み取った情報の制御部30への出力や、制御部30に制御されて更新された度数などの書き込みを行う。カード発行部は、貯留している非会員用カード28を新たに発行する。
カード発行部は、カード貯留部から非会員用カード28を取り出し、例えば、カードIDや最新の価値情報などを新たに記憶させてカード受付部31から排出して発行する。「最新の価値情報(残額情報)」は、例えば、遊技中に消費されずに残った度数を示す情報である。新たな非会員用カード28を発行した場合、カード処理部32は、制御部30に制御されて、非会員用カード28を発行したことを発行情報として管理装置5に送信する。この発行情報には、例えば、非会員用カード28を発行したことを示す情報と、この新たな非会員用カード28に記録されたカードIDと、非会員用カード28に記憶させた最新の価値情報と、が含まれる。
次に、図1、図3に基づき管理装置5の構成について説明する。管理装置5は、上記したように、例えば会員用カード27又は非会員用カード28に紐付けられる情報を管理する。管理装置5は、この管理の一環として遊技IDを発行する。管理装置5は、図1に示すように、管理装置5の情報を参照する機能を含む前述したパーソナルコンピュータ5aに接続されている。管理装置5からの情報は、ネットワーク20を介して各機器に出力される。この結果、前述したデータ表示機9には、複数のパチンコ機2の例えばスランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報が表示される。
より具体的には、図3に示すように、管理装置5は、制御部50、タイマ部51、状態監視部53、データベース部54、通信部55及びID管理部56、並びに、後に各々詳述する、情報集計部52、遊技データ取得部57、呼出目的特定部58、優先度判定部59、履歴データ取得部81、接客方針決定部82及び報知先選択部83を備えている。
制御部50は、管理装置5の図3中に示す前述した各部を統括的に制御する。また、この制御部50は、データベース部54の情報を読み取り、データベース部54が保持する種々の情報を検索して抽出する機能を備えている。この情報の検索及び抽出は、制御部50が行うこともできるし、制御部50の制御下でID管理部56が行うこともできる。
タイマ部51は、所定の時間(例えば、数秒~数分の範囲で任意の期間)を計測することが可能である。タイマ部51は、制御部50、情報集計部52、状態監視部53などに制御されて計時動作を開始し、制御部50、情報集計部52、状態監視部53などから計時動作の完了指示が来るまで計時する。計時した時間は制御部50、情報集計部52、状態監視部53などに通知する。タイマ部51は、通知後、リセットされる。
情報集計部52は、制御部50に制御されて、島コンピュータ25や台間機3、8、データ表示機9などの各機器、各パチンコ機2、各スロット機7から送信された種々の情報に基づき、図4に例示するように、各遊技データのデータベース部54への登録及び集計、並びに必要に応じて当該各遊技データの制御部50への通知を行う。遊技データには、例えば「稼働(遊技中)/非稼働(遊技終了や遊技の一時的中断)」、獲得玉の増加などを表す「玉の増加情報」、例えば会員用/非会員用のカードの挿入状況を表す「カード情報」などがある。
情報集計部52は、上述した情報以外にも、例えば、スタート回数や大当たり回数など、図4に示した種々の情報の集計や管理を行う。さらに、情報集計部52は、これら以外にも大当たり中か否か、確変中か否か、テーブルの最終更新時間などの情報も管理することができる。これらの遊技情報の管理は、例えば、パチンコ機2から出力される、大当り信号、スタート信号、入賞信号、確変信号、アウト信号、セーフ信号、排出するパチンコ玉数に関する信号や、台間機3から出力される、入金信号、貸玉信号、再プレー貸玉信号などに基づいて行われる。
これらの遊技情報は、データベース部54にテーブルとして記憶され、このテーブルは、情報集計部52で管理されることに加え、制御部50に制御下で状態監視部53によっても管理される。テーブルが複数ある場合、図4に示すように、データ番号などのテーブル固有の識別子をそれぞれ紐付けることよって、関連させて管理することが可能である。これらの遊技データは、情報集計部52において、履歴情報、日毎情報、週毎情報などとしても管理することができる。例えば、情報集計部52は、大当り種別毎に遊技データを集計するなど、種々の情報毎に集計したデータを管理する。
状態監視部53は、制御部50に制御されて、情報集計部52が管理する上記の遊技データ(上記した例えば稼働/非稼働の状況など)に基づいて、各パチンコ機2及び各スロット機7を、当該遊技機を遊技者が占有していない状態を示す「空台状態」、遊技中であることを示す「遊技状態」、空台状態と遊技状態の中間の状態である「監視状態」といった3つの状態に区分する。
データベース部54は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど種々の記憶装置を備えている。データベース部54には、前述した情報がテーブルとして記憶される。これらの情報は必要に応じて適宜読み書きされる。通信部55は、ネットワーク20を介し、例えばパチンコ機2や台間機3などの周辺機器との間で、情報(信号)を送受信するための通信インターフェースである。
ID管理部56は、ID検索部、ID発行部及びID登録部を備えている。ID検索部は、データベース部54に記憶されたテーブルから、所定の遊技IDを検索する。ID検索部は、検索結果として、遊技IDの有無や遊技IDが検索された場合には、検索された遊技IDを制御部50に通知する。ID発行部は、新たに遊技IDを発行する。ID登録部は、ID発行部が発行した遊技IDをデータベース部54に記憶させる。また、ID登録部は、発行情報に含まれるカードIDを遊技IDと対応付けてデータベース部54に登録する。
ここで、本実施形態に係る遊技システム10のデータ表示機9、台間機3、8などをはじめとする周辺機器、ウェアラブル端末26、パチンコ機2及びスロット機7、並びに管理装置5が、互いに協働して行う「作業内容特定処理」、「呼出優先度判定処理」、「接客支援処理」を実現するための構成について説明する。上記した「作業内容特定処理」は、従業員の作業を軽減できると共に従業員の正当な評価を行うための処理であり、また「呼出優先度判定処理」は、遊技者が従業員を呼び出した目的に応じて、従業員による対応の優先度を判定し、且つ対応までの時間を集計すると共に目的により集計時間を調整する処理である。さらに「接客支援処理」は、遊技場における遊技者の要望に対して適切な対応を図れるようにする処理である。
すなわち、図5に示すように、ウェアラブル端末26は、遊技場における従業員の例えば利き手の手首に装着されるスマートウォッチなどの携帯端末である。このウェアラブル端末26は、検知部61、報知部63、学習部65、登録部67、従業員の入力インターフェースとなる操作部64、他の機器と通信を行うための通信部68、各部を統括的に制御する制御部60を備えている。
検知部61は、ウェアラブル端末26を装着する従業員の動きを検知する。この検知部61は、例えば3軸加速度センサ及び3軸ジャイロセンサを有する慣性センサと例えば3軸地磁気センサとを備えると共に、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を適用して構成されたいわゆるモーションセンサである。
報知部63は、ウェアラブル端末26を装着している従業員に報知を行う。報知部63は、表示部63aを有する。表示部63aは、報知用のメッセージなどを表示させるディスプレイである。例えば後述するデータ表示機9の呼出操作部において呼出操作が行われた場合に、該データ表示機9に対応して設置されているパチンコ機2の番号(所謂台番号)と呼び出しが行われている旨を表示する。表示部63aがタッチスクリーンディスプレイ(タッチパネル)などで構成されている場合、表示部63aは、操作部64の機能を兼ね備える。また、報知部63は、振動により例えばアラームを発生させる振動発生部や音声メッセージなどを発生させる音声発生部などを備えている。
操作部64は、ウェアラブル端末26を操作するための入力インターフェースである。登録部67は、操作部64を介して操作入力された例えば従業員ID(従業員毎に固有の識別番号)などを設定登録することなどが可能である。
作業内容特定部62は、検知部61により検知された動きに基づいて、ウェアラブル端末26を装着している従業員が行った作業内容を特定する。この作業内容特定部62は、例えば管理装置5に設けられていてもよい。また、操作部64は、当該遊技システム10に対して、ある従業員が従業員IDでログイン/ログオフするログインボタンや、これに加えて、作業スタート/ストップボタンなどを備えていてもよい。例えば、この作業スタート/ストップボタンがオンされてからオフされるまでの期間において、制御部60が検知部61及び作業内容特定部62を動作させるようにしてもよい。
上記した作業内容特定部62は、より具体的には、記憶部62a及び選出部62bを備えている。記憶部62aは、複数の動きのパターン(モーション)と複数の作業内容とを互いに対応付けて予め記憶している。選出部62bは、記憶部62aを参照することにより、記憶部62aに予め記憶された複数の作業内容の中から、検知部61で検知された動きに対応する作業内容を選出する。
ウェアラブル端末26が、ある従業員の利き手である右手などに装着されている場合を例示する。具体的には、記憶部62aには、例えば「右手を上げる動作パターン」と、データ表示機9が備えた後述する呼出操作部41の呼出ボタンをオフにする作業内容である「呼び出しの解除作業」と、が対応付けて記憶されている。また、例えば「右手を下げて一定の角度を保ったまま移動する動作パターン」と「玉箱の運搬作業」とが対応付けされて記憶部62aに記憶されている。さらに、例えば「右手を手前に引く動作パターン」と「パチンコ機の前面のガラス扉を開ける作業」とが対応付けされて記憶部62aに記憶されている。
したがって、選出部62bは、検知部61で検知された動きが、例えば上記した「右手を上げる動作パターン」である場合、これに対応する作業内容として「呼び出しの解除作業」を記憶部62a内から選出することで、結果的に作業内容を特定する。また、選出部62bは、検知部61で検知された動きが、例えば上記した「右手を下げて一定の角度を保ったまま移動する動作パターン」である場合、これに対応する作業内容として「玉箱の運搬作業」を記憶部62a内から選出することで、作業内容を特定する。
ここで、記憶部62a及び選出部62bは、第2の記憶部及び第2の選出部として機能するものであってもよい。この構成の場合、図3に示すように、管理装置5が備えた後述する遊技データ取得部57の機能が利用される。この遊技データ取得部57は、パチンコ機2及び周辺機器から、検知部61で検知された動きと関連する遊技データを取得する。
一方、第2の記憶部として機能する場合の記憶部62aは、複数の動きのパターン及びこれらの動きのパターンにそれぞれ関連する複数の遊技データと、複数の作業内容と、を互いに対応付けて予め記憶している。さらに、第2の選出部として機能する場合の選出部62bは、第2の記憶部として機能する記憶部62aを参照することにより、当該記憶部62aに予め記憶された複数の作業内容の中から、検知部61で検知された動き及び前記取得された遊技データに共に対応する作業内容を選出する。
具体的には、この場合の記憶部62aには、例えば「右手を上げる動作パターン」及び呼出操作部41の呼出ボタンをオフにしたときに遊技データとして出力される「呼び出し解除データ」と、「呼び出しの解除作業」と、が対応付けて記憶されている。また、例えば「右手を手前に引く動作パターン」及びパチンコ機2の前面のガラス扉を開けたときに遊技データとして出力される「ガラス扉開放データ」と、「パチンコ機の前面のガラス扉を開ける作業」と、が対応付けされて記憶部62aに記憶されている。
ここで、上記した遊技データ取得部57が取得する「検知部61で検知された動きと関連する遊技データ」とは、例えばガラス扉を開ける作業の対象となったパチンコ機2で遊技する遊技者の遊技データや、呼び出しの解除作業が行われたデータ表示機9と対応したパチンコ機2で遊技する遊技者の遊技データが該当することになる。
第2の選出部として機能する際の選出部62bは、検知部61で検知された動きが例えば上記した「右手を上げる動作パターン」でありかつ遊技データ取得部57で取得された遊技データが「呼び出し解除データ」である場合、これに対応する作業内容として「呼び出しの解除作業」を記憶部62a内から選出することで、結果的に作業内容を特定する。また、選出部(第2の選出部)62bは、検知部61で検知された動きが例えば上記した「右手を手前に引く動作パターン」でありかつ遊技データ取得部57で取得された遊技データが「扉開放データ」である場合、これに対応する作業内容として「パチンコ機の前面のガラス扉を開ける作業」を記憶部62a内から選出することで、作業内容を特定する。また、例えば、検知部61で検知された動きが「右手を前後方向にひねる動作パターン」でありかつ遊技データ取得部57で取得された遊技データが「島端の計数機14の計数開始データ」である場合、これに対応する作業内容として「島端の計数機14での計数作業」を記憶部62a内から選出する、もしくは検知部61で検知された動きが上記の「右手を上げる動作パターン」でありかつ遊技データ取得部57で取得された遊技データが「呼び出し解除データ」および「大当たり開始データ」である場合、これに対応する作業内容として「玉箱の運搬作業」を記憶部62a内から選出してもよい。
学習部65は、従業員の動きのパターンを学習するものである。つまり、学習部65は、例えば1つの従業員IDで紐付けされる1人の従業員の動きのパターンを複数取り込み、1人の従業員の例えば複数の「右手を手前に引く動作パターン」から平均化した動きの特徴量などを抽出し、この特徴量を例えば従業員ID単位で記憶部62aに記憶させておくことで、動きのパターンマッチングの精度を向上させることを可能とする。なお、例えば学習部65の一部の機能を管理装置5など他の装置に備えてもよい。
一方、前述した複数のデータ表示機9は、図1に示すように、複数のパチンコ機2(及び複数のスロット機7)毎にそれぞれ対応させて設けられている。データ表示機9は、この対応している下部側のパチンコ機2における、例えば、大当たり回数履歴グラフ、スタート回数(例えば複数の絵柄を揃える大当たり抽選を行った回数)、大当たり回数などの情報を表示することが可能な周辺機器である。
具体的には、図6に示すように、データ表示機9は、前述した呼出操作部41、呼出ランプ部42、経過時間計測部43、表示部45、他の機器と通信を行うための通信部46、各部を統括的に制御する制御部40を備えている。表示部45は、上記したスタート回数や大当たり回数などの情報を表示する。呼出操作部41は、当該パチンコ機2で遊技する遊技者からの操作により従業員を呼び出しするためのものであって、呼出ボタンなどを備えている。
呼出ランプ部42は、呼出ボタンのオン、オフと連動して、点灯、消灯する。呼出ボタンがオンされた場合、呼び出しを示す情報が、管理装置5に通知されると共に、ウェアラブル端末26の報知部63を介して従業員に報知される。呼出操作部41の呼出ボタンと呼出ランプ部42とは、ハードウェアとして一体的に構成されている場合もある。なお、所定数のデータ表示機9及びパチンコ機2が設置されているエリア(島)毎には、島端呼出ランプ部25aが設けられている。
詳述すると、前述した呼出操作部41は、従業員の呼び出しを開始させる呼出開始操作と従業員の呼び出しを終了させる呼出終了操作とを受け付ける機能を有する。例えば遊技者によって呼出ボタンがオンにされると、呼出ランプ部42及び島端呼出ランプ部25aが点灯する。一方、例えば従業員によって呼出ボタンがオフにされると、呼出ランプ部42及び島端呼出ランプ部25aが消灯する。一方、経過時間計測部43は、呼出操作部41により呼出開始操作が受け付けされた時刻から呼出終了操作が受け付された時刻までに経過した経過時間を計測する。
すなわち、経過時間計測部43は、呼び出しを開始してから呼び出しの対応作業を従業員が実際に開始するまでの経過時間を計測する。なお、経過時間計測部43は、経過時間を計測している過程で、呼出操作部41が呼出開始操作受け付けてから呼出終了操作を受け付ける前に、所定の時間(例えば20秒)が経過した場合には、接客を催促するメッセージを、ウェアラブル端末26の表示部63aに表示させるようにしてもよい。
また、後者の呼出終了操作は、その動作のパターンと対応付けされた状態で、ウェアラブル端末26における作業内容特定部62の記憶部62aに予め記憶されている。さらに、上記した経過時間計測部43は、作業内容特定部62によって呼出終了操作が作業内容として特定されることを条件として、経過時間の計測を停止する。なお、上述した経過時間計測部43は、図5に示すウェアラブル端末26や図2に示す台間機3、8に設けられていてもよいし、図3に示す管理装置5(当該管理装置5のタイマ部51)に設けられていてもよい。
ここで、図3に示すように、管理装置5は、前述したように、遊技データ取得部57、呼出目的特定部58、優先度判定部59、履歴データ取得部81、接客方針決定部82、報知先選択部83を備えている。また、管理装置5の情報集計部52には、作業内容集計部52a及び接客状況集計部52bが設けられている。ここで、従業員による作業時間、作業エリア、作業回数などを含む作業内容を、正確に記録することは、例えば業務改善活動を推進する上でも重要となる。このため、作業内容集計部52aは、ウェアラブル端末26の作業内容特定部62により特定された作業内容を、ウェアラブル端末26の通信部68及び当該管理装置5の通信部55を介し、受信して集計する。
具体的には、作業内容集計部52aは、上記したように、ウェアラブル端末26の検知部61で検知された動きや、各種の周辺機器から、遊技データ取得部57を介して取得される、呼出ランプ部42の呼出解除データ、島端の計数機14の計数開始データ、大当たり開始データなどの遊技データに基づいて特定された作業内容を集計する。作業内容集計部52aは、特定された作業内容を、例えば従業員別、作業内容別、日別、週別など区分して集計する。また、作業内容集計部52aは、このような集計結果から、集計数が多い作業内容のランキングなどを求める。
なお、島端の計数機14まで玉箱を運び、玉箱から玉を流して計数する作業は負荷が大きくなる。また、ある担当エリアの従業員が他の担当エリアで作業した場合も、作業の負荷が大きくなる。そこで、作業内容集計部52aは、作業の負荷が大きい従業員がピックアップされるように集計を行うようにしてもよい。この場合、その従業員の作業に関する評価ランクを高めることや、作業の負荷が大きいエリアを識別することが可能となる。作業内容集計部52aは、作業の負荷の大小を基に評価ランクを特定し、これを従業員別の集計結果に反映させるようにしてもよい。
ここで、遊技データ取得部57は、ウェアラブル端末26の検知部61で検知された動きと関連する遊技データに加え、パチンコ機2で遊技する遊技者に関連する遊技データを、ネットワーク20を介して、パチンコ機2及び周辺機器から取得する。この遊技データ取得部57は、当該遊技者に関連する取得対象の遊技データとしては、例えば、呼出開始操作が受け付ける所定時間前から呼出終了操作が受け付されるまでの期間内に発生した遊技データを取得する。ここで、遊技データ取得部57は、遊技者が会員用カード27を用いて遊技している場合、会員IDを基にその遊技者に該当した遊技データを取得し、一方、遊技者が非会員用カード28や貨幣を用いて遊技している場合、遊技IDを基にその遊技者に該当した遊技データを取得する。
呼出目的特定部58は、遊技データ取得部57によって取得された遊技データに基づいて、遊技者が呼出操作部41を介して従業員を呼び出しした呼出目的を特定する。すなわち、呼出目的特定部58は、複数の種類の遊技データと、複数の種類の呼出目的とが対応付けて記憶された所定の記憶テーブルなどを参照することで、上記取得された遊技データに対応する呼出目的を特定する。具体的には、呼出目的特定部58は、例えば特賞(大当り)の発生直後の呼び出しであるならば呼出目的を玉箱交換として特定し、さらに例えばパチンコ機2および周辺機器からの遊技データを受信しなくなった後、所定時間が経過してからの呼び出しであるならば呼出目的を遊技終了として特定する。
このため、呼出目的特定部58が参照する記憶テーブルには、遊技データとしての「特賞発生データ」、「呼出要求データ」及び「特賞発生から呼出要求発生までの期間の閾値となる時間データ」と、呼出目的としての「玉箱交換」と、が対応付けられて記憶されている。さらに、この記憶テーブルには、遊技データとしての「呼出要求データ」及び「呼出要求発生から遡った遊技データの非発生期間の閾値となる時間データ」と、呼出目的としての「遊技終了」と、が対応付けられて記憶されている。呼出目的特定部58にて特定した呼出目的は、管理装置5において前記した経過時間計測部で計測した時間と対応付けて記憶、集計してもよい。
管理装置5の優先度判定部59は、特定された呼出目的に対しての従業員による対応の優先度を判定する。つまり、優先度判定部59は、複数の種類の呼出目的と複数の種類の優先度(優先度高、優先度中、優先度低など)とが対応付けて記憶された所定の記憶テーブルなどを参照することで、上記特定された呼出目的に対応する優先度を判定する。
優先度判定部59では、例えば、呼出目的がパチンコ機2の故障に対する応対要求、大当たり時の玉箱の運搬要求などである場合、優先度を高く判定し、呼出目的が休憩のため遊技者がパチンコ機2の遊技を休止する要求やコーヒーなどの飲食物の手配の要求などである場合、優先度を低く判定する。これにより、従業員は、呼び出し順ではなく、優先度順に接客を行えるため、呼び出し要件の緊急性などを考慮した接客が可能となる。特定された呼出目的及び判定された優先度は、ネットワーク20を介して、従業員のウェアラブル端末26に送信され、これを受信したウェアラブル端末26は、報知部63が有する表示部63aに呼出目的の優先度を表示させる。もしくは例えば、呼出目的の優先度順に表示順序を入れ替えて、呼出が行われているパチンコ機2の番号(所謂台番号)を表示する。一方、接客状況集計部52bは、データ表示機9の経過時間計測部43が計測した上記経過時間を、ネットワーク20を介して取得し、従業員の呼び出し毎に、この経過時間と前記特定された呼出目的とを互いに対応付けて接客状況として集計する。
履歴データ取得部81は、遊技データ取得部57が得た遊技データのうちの、当該遊技者の来店状況、当該遊技者の景品交換実績データ、当該遊技者による例えば遊技の勝敗に関する履歴、当該遊技者による従業員の呼出目的の履歴、及び当該遊技者による従業員の呼出回数の履歴のうちの少なくとも一つを含む履歴データを取得する。接客方針決定部82は、取得した履歴データに基づいて、遊技者に対する接客方針を決定する。すなわち、接客方針決定部82は、複数の種類の履歴データと複数の種類の接客方針とが対応付けて記憶された所定の記憶テーブルなどを参照することで、上記取得された履歴データに対応する接客方針を決定する。
決定された接客方針及び特定された呼出目的は、ネットワーク20を介して、従業員のウェアラブル端末26に送信され、これを受信したウェアラブル端末26は、これら接客方針及び呼出目的を報知部63で報知する。具体的には、接客方針及び呼出目的は、表示部63aにメッセージなどで表示される。また、表示部63aは、報知情報を表示させる表示色を、優先度(例えば緊急度)に応じて切り替えて表示させるようにしてもよい。
なお、上記した接客方針及び呼出目的は、非会員用カード28の残りの度数がない状況、非会員用カード28などが台間機3のカード受付部31から取り出された状況、大当たりが終了した状況、などを判別可能な遊技データを基づき、特定することが可能となる。また、会員用カード27が台間機3のカード受付部31で受け付けられている場合には、その遊技者の会員IDとそれに紐付く履歴データから、例えば食事、休憩などが何時頃といった当該遊技者の行動パターンや、タバコやコーヒーなどの遊技途中での景品交換が多いといった行動パターンが推定され、これを基に接客方針や呼出目的を特定することができる。例えば、この会員IDを有する遊技者のお気に入りのパチンコ機の空き状況をウェアラブル端末26に報知させ、該状況を遊技者にお知らせすることで、遊技者の好感を得ることが可能となる。
さらに詳述すると、接客方針決定部82は、実質的にパチンコ機2などの遊技機での遊技の動向から接客方針(接客アドバイス)を決定する。接客方針決定部82は、履歴データに基づき、例えば呼び出しを行った遊技者の所定期間内の来店回数(来店頻度)に応じた接客方針を決定する。また、接客方針決定部82は、遊技者が遊技をやめ、退店する可能性をその遊技者の履歴データを基に判定し、この判定結果に応じた接客方針を決定する。さらに、接客方針決定部82は、遊技者の履歴データに基づき、出玉と投資との割合を判定して負けが込んでいる遊技者に対応した接客方針、人為的なトラブルが多い遊技者に対応した接客方針などを決定する。このような場合には応対する能力を有する従業員として、業務の熟練度の高い責任者待遇の従業員のウェアラブル端末26にのみ報知が行われることが望ましい。
そこで、報知先選択部83は、特定された呼出目的及び決定された接客方針に応じて、当該呼出目的及び前記優先度並びに接客方針の報知先(送信先)となるウェアラブル端末26を選択する。報知先(送信先)の選択肢としては、ある従業員IDを有する1人の従業員のウェアラブル端末26を選択する場合、遊技場内のあるエリア(島)を担当する1人又は複数の従業員のウェアラブル端末26を選択する場合、あるエリア(島)及びその近隣のエリアを担当する複数の従業員のウェアラブル端末26を選択する場合、などを例示することができる。
つまり、報知先選択部83は、例えば管理装置5のデータベース部54に記憶されている複数の従業員に関する登録情報を参照する。データベース部54には、遊技場内における従業員毎の担当エリア、従業員毎の業務に対する熟練度の高さ(低さ)、従業員の役職や権限などが、従業員ID及びウェアラブル端末26固有のIDなどにそれぞれ関連付けて記憶されている。したがって、報知先選択部83は、呼出目的が例えばパチンコ機2の深刻な故障対応などである場合には、業務の熟練度の高い従業員が装着したウェアラブル端末26を選択して、呼出目的、優先度、接客方針(例えば遊技データから推測される故障内容に対応した修理方法など)の報知を行う。また、報知先選択部83は、金庫鍵に関する事項など、金銭の取り扱いが関係する呼出目的の場合、例えばアルバイト待遇の従業員のウェアラブル端末26を選択せずに、責任者の権限を有し、金庫鍵を有する従業員のウェアラブル端末26を選択する。報知先選択部83のこのような構成により、遊技者の勝ち負けの状況などに応じて適切な従業員が適切な接客を行うことが可能となる。
さらに、報知先選択部83は、難易度の高い呼出目的や優先度の高い呼び出しなどが例えば遊技場内の特定のエリア(島)に集中している場合、当該特定のエリアの複数人の従業員(複数のウェアラブル端末26)を選択したり、当該特定のエリア及びその近隣のエリアの複数人の従業員(複数のウェアラブル端末26)を選択したりすることで、報知を行う。これにより、従業員の労働量の偏りを分散させることが可能になり、エリア毎の従業員における労働量の均一化を図ることができる。なお、担当するエリアとは異なる近隣のエリアの呼び出しに対応することは通常の呼び出しへの対応と比較して負荷が大きいため、上述の管理装置5の作業内容集計部52aにおける作業の集計において近隣のエリアでの対応である旨を加味して集計してもよいし、データ表示機9の経過時間計測部43における計測結果に関し、近隣のエリアでの対応であることを理由に時間を補正してもよい。
ここで、遊技システム10が備える台間機3(及び台間機8)とウェアラブル端末26とデータ表示機9と例えば管理装置5とが協働して行うリモコン(リモートコントロール)処理を図7に示すフローチャートに基づき説明する。このリモコン処理では、ウェアラブル端末26は、台間機3(及び台間機8)の遠隔操作器として機能する。管理装置5のデータベース部54には、従業員の所定の動作のパターン及び所定の遊技データと、台間機3をリモコン操作するための制御信号と、が対応付けて記憶されている。つまり、管理装置5は、データベース部54を参照しつつ、データ表示機9から得られる所定の遊技データとウェアラブル端末26で検知される動作とにそれぞれ対応したリモコン操作のための制御信号をウェアラブル端末26に通知する。
概略的には、図7に示すように、従業員がウェアラブル端末26を装着した側の手で、データ表示機9における呼出操作部41の呼出ボタンを微小期間に2回押しした場合、管理装置5は、台間機3のリモコン操作に関する従業員操作であると認識する(S1)。管理装置5は、データ表示機9の呼出ボタンが2回押しされた日時と、このデータ表示機9に対応するパチンコ機2の台番号と、をデータベース部54に互いに対応付けて記憶保持させる(S2)。
一方、呼出ボタンの2回押しをモーション認識したウェアラブル端末26は、管理装置5に対し、当該従業員操作を認識していることを問合せする(S3)。問合せを受けた管理装置5は、ウェアラブル端末26へ、データベース部54に記憶保持している対象の遊技機の台番号を返信する(S4)。台番号を受信したウェアラブル端末26は、この台番号のパチンコ機2に対応する台間機3の台間機用リモコン画面(従業員操作画面を表示させるための確認画面)を表示部63aに表示させる(S5)。これにより、従業員は、ウェアラブル端末26をリモコンとして、台間機3をリモコン操作することができる。
次に、景品管理機(セルフPOS)16について主に図8に基づき説明を行う。景品管理機16は、遊技者が自ら景品交換操作可能なセルフ用の景品交換機であって、パチンコ機2(又はスロット機7)での遊技によって遊技者が獲得したパチンコ玉などの獲得遊技媒体の数量が関連付けされた記録媒体に基づき、獲得遊技媒体と所望の景品との交換制御を行う機器である。
景品管理機16は、表示部71、操作部72、記録媒体読取部73、検出部74、他の機器と通信を行うための通信部75、各部を統括的に制御する制御部70などを備えている。記録媒体読取部73は、獲得遊技媒体の数量が関連付けされた記録媒体の情報を読み取る。操作部72は、表示部71に表示される情報を遊技者が視認しながら、操作を行う入力インターフェースである。検出部74は、上記した記録媒体に基づく、獲得遊技媒体と所望の景品との交換制御に際しての種々の情報を検出(検知)する。通信部75は、各種の通知を行う通知部75aを備えている。通知部75aは、景品管理機16での景品の交換制御の際に、ウェアラブル端末26に様々な情報を通知する。
このような景品管理機16は、下記に示す交換禁止解除機能、補充回収業務通知機能、呼出通知機能、景品交換開始通知機能、清掃要請通知機能、異常通知機能、支援要請機能、特定景品交換通知機能、景品補充通知機能、不正検知機能、及びカード取り忘れ検知機能を有する。交換禁止解除機能は、遊技者が操作部72を介してロック解除要請操作をした場合、このロック解除要請がウェアラブル端末26の報知部63に報知されると共に、表示部63aにロック解除操作画面が表示され、この操作画面に基づき操作部64からロック解除操作がなされると、景品管理機16での景品交換ができない状態が解除される機能である。
補充回収業務通知機能は、レシートニアエンド(景品管理機16内のレシートがもう少しでなくなることの通知)や、カードスタッカーニアエンドニアフル(景品管理機16内のおつり記憶用のカード切れや、このカードが景品管理機16内で満杯であること)などを示す情報(通知)を、ウェアラブル端末26の報知部63を介して報知させる機能である。呼出通知機能は、景品交換に際し、遊技者が操作部72を介して従業員の呼出操作をした場合、この呼び出しがウェアラブル端末26の報知部63から報知される機能である。この場合、呼び出しされた従業員に、遊技客により交換不可能な割引対象景品の割引対応を依頼することなどが可能となる。景品交換開始通知機能は、遊技者が操作部72を介して景品交換制御を開始させた場合、この旨がウェアラブル端末26の報知部63に報知させる機能である。この機能は、セキュリティ担保として従業員による許可(監視)を必要とする場合などに有用となる。
清掃要請通知機能は、一定回数の景品交換操作が行われたことを、検出部74が検出(検知)したときに、景品管理機16の清掃を促す通知(情報)を、ウェアラブル端末26の報知部63を介して従業員に報知させる機能である。また、例えば清掃要請通知機能は、景品管理機16のみではなく、景品管理機16に接続される景品払出機11の清掃要請を通知してもよい。異常通知機能は、記録媒体読取部による記録媒体の読み取りエラーが、一定回数以上発生したことを検出部74が検出(検知)したときに、この旨をウェアラブル端末26の報知部63に報知させる機能である。支援要請機能は、遊技者が操作部72からの特定の操作に一定時間以上要していることを検出部74が検出したときに、これに連動して(自動判断により)、従業員の支援が必要である旨の通知(情報)を、ウェアラブル端末26の報知部63に報知させる機能である。
特定景品交換検知機能は、例えば年齢認証が必要な酒やたばこなどの特定景品の交換制御が開始されたことを、検出部74が検出したときに、この旨をウェアラブル端末26の報知部63に報知させる機能である。また例えば、所定数以上の獲得遊技媒体数と交換が可能な景品を特定景品としてもよい。一方、景品補充通知機能は、上記した特定景品が一定個数以上交換されたことを、検出部74が検出したときに、この旨をウェアラブル端末26の報知部63に報知させる機能である。不正検知機能は、操作部72からの何等かの不正の可能性のある操作が行われたことを、検出部74が検出したときに、この旨をウェアラブル端末26の報知部63に報知させる機能である。カード取り忘れ検知機能は、度数有りの例えば会員用カード27や非会員用カード28などのカード型の記録媒体について、この記録媒体のカード搬出口などからの取り忘れを、検出部74が検出したときに、この旨をウェアラブル端末26の報知部63に報知させる機能である。
なお、上記した景品管理機16における呼出通知機能、およびデータ表示機9における呼び出しにおいて、呼び出しから直ちに従業員が対応可能な場合ではウェアラブル端末26に報知する必要性が低減するため、このような状況を想定し、呼び出し操作から一定時間(例えば15秒)経過したにも関わらず対応がされていないときにはじめて、この呼び出しをウェアラブル端末26の報知部63から報知させるようにしてもよい。また、自治体によっては、酒やたばこなどの特定景品や換金用の特殊景品のセルフ交換を禁止している自治体もあるため、特定景品や特殊景品については、上記した交換禁止の対象景品として予め設定しておいてもよい。なおこの場合は、ウェアラブル端末26の表示部63aには前記のロック解除操作画面の代わりに景品交換禁止の説明が必要な旨の表示が行われる。
次に、遊技システム10による従業員の作業内容特定処理を図9に示すフローチャートに基づき説明する。図9に示すように、まず、ウェアラブル端末26の検知部61は、従業員の動きを検知すると(S11のYES)、作業内容特定部62の選出部62bは、記憶部62a内の記憶内容を参照する。記憶部62a内の予め記憶された複数の動きのパターンの中に、検知された動きと一致する動きのパターンがある場合(S12のYES)、選出部62bは、当該検知された動きに対応する作業内容を選出する。ここで、選出部62bは、前述したように、検知された動きと関連する遊技データの内容を加味して、作業内容を選出するようにしてもよい。
作業内容特定部62は、このようにして選出部62bによって選出された作業内容を従業員が行った作業内容として特定する(S13)。特定された作業内容は、ウェアラブル端末26からネットワーク20を介して管理装置5に送信される。管理装置5の作業内容集計部は、逐次受信する複数の作業内容を、例えば従業員別、作業内容別、日別、週別などに区分して集計する(S14)。このようにウェアラブル端末26や管理装置5を介して自動的に行われる作業内容特定処理では、従業員が自ら行った作業内容を登録する必要がないため、従業員の作業を軽減できると共に、従業員の作業評価を正当に行うことができる。
続いて、遊技システム10による呼出優先度判定処理を図10に示すフローチャートに基づき説明する。図10に示すように、例えばパチンコ機2で遊技する遊技者から、当該パチンコ機2に対応するデータ表示機9の呼出操作部41を介して従業員が呼び出しされた場合(S21のYES)、このデータ表示機9の呼出ランプ部42及びパチンコ機2が設置されたエリア(島)の島端呼出ランプ部25aが点灯し、ウェアラブル端末26の報知部63には該データ表示機9に対応して設置されているパチンコ機2の番号(所謂台番号)と呼び出しが行われている旨を表示する。この際、管理装置5の遊技データ取得部57は、呼出操作を行った遊技者、パチンコ機2及び周辺機器に関連する遊技データを、ネットワーク20を介して、パチンコ機2及び遊技場内の周辺機器から取得する(S22)。
管理装置5の呼出目的特定部58は、遊技データ取得部57によって取得された遊技データに基づいて、遊技者が呼出操作部41を介して従業員を呼び出しした呼出目的を特定する(S23)。管理装置5の優先度判定部59は、特定された呼出目的に対しての従業員による対応の優先度を判定する(S24)。例えば、呼出目的がパチンコ機2の故障に対する応対要求などである場合、優先度は高く判定され、呼出目的が休憩のため遊技者がパチンコ機2の遊技を休止する要求などである場合、優先度は低く判定される。
判定された優先度は、ネットワーク20を介して、従業員のウェアラブル端末26に送信され、これを受信したウェアラブル端末26は、報知部63が有する表示部63aに呼出目的の優先度を表示させる。これにより、従業員は、早急な対応が必要な状況と早急な対応が比較的不要な状況とを判断することができ、呼出目的についての緊急性などを考慮した上で、遊技者の要望に対応することが可能となる。
なお、データ表示機9の呼出操作部41は、従業員の呼び出しを開始させる呼出開始操作と従業員の呼び出しを終了させる呼出終了操作とを受け付ける機能を有している。呼出開始操作は、主に遊技者によって行われ、呼出終了操作は、主に従業員によって行われる。呼出終了操作の実行は、ウェアラブル端末26の作業内容特定部62による作業内容の特定機能によって検証されてもよい。
ここで、例えば呼出目的についての優先度が判定された後、パチンコ機2の経過時間計測部43は、呼出操作部41により呼出開始操作が受け付けされた時刻から呼出終了操作が受け付された時刻までに経過した経過時間、(つまり従業員が呼び出しの対応作業を実際に開始するまでの経過時間)を計測する(S25)。さらに、管理装置5の接客状況集計部52bは、ネットワーク20を介して、この経過時間を、データ表示機9から取得し、従業員の呼び出し毎に、この経過時間と前記特定された呼出目的とを互いに対応付けて接客状況として集計する。このような呼出優先度判定処理によれば、遊技場内において従業員の作業が比較的忙しくなるエリア(島)などを把握することなどが可能となり、これにより、遊技者が従業員を呼び出す目的に応じて、従業員が対応を開始する開始時間の調整を図ることができる。なお、集計する経過時間は、例えば、エリア内で同時に多数のパチンコ機2において呼び出しが行われるなどのイレギュラーな状況の場合に集計対象から除外する、または時間を短く補正してもよいし、優先度が高い呼出目的と普通の呼出目的の場合は計測通りの経過時間にて集計する一方、優先度が低い呼出目的における経過時間は短く補正してもよい。また、優先度ごとに区別して経過時間を集計してもよい。
次いで、遊技システム10による接客支援処理を図11に示すフローチャートに基づき説明する。図11に示すように、この接客支援処理では、まず、呼出優先度判定処理のS21~S23と同様に、例えばパチンコ機2で遊技する遊技者から、このパチンコ機2に対応するデータ表示機9の呼出操作部41を介して従業員が呼び出しされた場合(S31のYES)、このデータ表示機9の呼出ランプ部42及び当該パチンコ機2が設置されたエリア(島)の島端呼出ランプ部25aが点灯し、ウェアラブル端末26の報知部63には該データ表示機9に対応して設置されているパチンコ機2の番号(所謂台番号)と呼び出しが行われている旨を表示する。この際、管理装置5の遊技データ取得部57は、呼出操作を行った遊技者に関連する遊技データを、ネットワーク20を介して、パチンコ機2及び遊技場内の周辺機器から取得する(S32)。
管理装置5の呼出目的特定部58は、遊技データ取得部57によって取得された遊技データに基づいて、遊技者が呼出操作部41を介して従業員を呼び出しした呼出目的を特定する(S33)。この一方で、管理装置5の履歴データ取得部81は、遊技データ取得部57が得た遊技データのうちの、当該遊技者による例えば遊技の勝敗に関する履歴、当該遊技者による従業員の呼出目的の履歴、及び当該遊技者による従業員の呼出回数の履歴のうちの少なくともいずれかを含む履歴データを取得する(S34)。
管理装置5の接客方針決定部82は、取得した履歴データに基づいて、遊技者に対する接客方針を決定する。接客方針決定部82は、例えば、遊技で大きく敗けている遊技者に対しては、極力慎重に応対することなどを接客方針として決定する(S35)。決定された接客方針及び特定された呼出目的は、ネットワーク20を介して、従業員のウェアラブル端末26に送信され、これを受信したウェアラブル端末26は、これら接客方針及び呼出目的を報知部63で報知(表示部63aで表示)する(S36)。ここで、遊技者とのトラブルなどが生じ得る責任の重い対応が必要な場合には、報知先選択部83を介して、熟練された従業員のウェアラブル端末26に接客方針及び呼出目的が送信される。このような接客支援処理では、遊技者のニーズを満足する応対を行うことができる。
図11に示す上記した接客支援処理は、次の<例1>~<例5>のような場合に有用である。
<例1:会員の景品交換の履歴データに基づく、この会員へのメニューなどの提示>
データ表示機9を介して呼び出しを行った際のパチンコ機2横の台間機3に挿入された会員カードから会員を特定して景品交換の履歴データを検索する。検索された履歴データに基づき呼出目的を特定することで、従業員は、例えばタバコやコーヒーなどの交換頻度の高い景品を事前に会員のもとへ持って行く対応や、メニューのようなものを持って行く対応が可能となる。さらに、会員の履歴データから呼び出しが行われた時間帯をさらに得て、この時間帯の情報を基に、例えば、毎日午後3時頃にコーヒーを持って行くなどの対応が可能となる。
<例2:パチンコ機などの遊技機に関する機械的トラブルの解消>
例えばパチンコ機2から出力されるアウト、セーフなどの遊技データの異常から呼出目的がそのパチンコ機2で生じた機械的トラブルであることを特定する。呼び出しが行われた際にそのパチンコ機2の機械的トラブルの内容に基づき、その機械的トラブルを解消可能なスキルを持つ従業員のウェアラブル端末26を選択して報知を行う。なおその際、例えば鍵やドライバーなどの道具が必要な旨なども併せて表示してもよい。
<例3:接客の履歴データに基づく、適切な従業員への報知>
データ表示機9を介して呼び出しを行った際のパチンコ機2横の台間機3に挿入された会員カードから会員を特定し、その会員の履歴データから、例えば過去に人為的なクレームを行った会員であることが判明した場合、そのクレームの頻度や内容に基づき、接客に熟練した従業員のウェアラブル端末26を選択して報知を行う。遊技状況への不満に起因したクレームであるか、又は従業員の対応不備に起因したクレームであるか、といったことを接客方針に関連する情報として報知してもよい。遊技状況の不満に起因したクレームであれば、当該会員の直近の遊技状況と照らし合わせて接客方針を決定することが可能となる。また、遊技客からのクレームに対する従業員の熟練度として接客の履歴データを基に、接客回数や、接客に関するランクのような基準を設けて、従業員IDなどと対応付けて記録保持しておいてもよい。その場合、ランクが高い従業員のウェアラブル端末26が優先され選択して報知を行う。また、その会員の履歴データから、特定の従業員の呼び出しが多いことが判明した場合、当該会員の担当従業員としその従業員のウェアラブル端末26を選択して報知を行うようにしてもよい。
<例4:過去の対応時間に基づく従業員への報知>
データ表示機9を介して呼び出しを行った際のパチンコ機2横の台間機3に挿入された会員カードから会員を特定し、その会員の履歴データを基に、呼出開始操作が受け付けされてから呼出終了操作が受け付けされるまでに経過した過去の複数の経過時間を取得し、この取得結果に応じた報知を実行する。例えば、過去に、対応までに著しく時間を要した会員に対する接客方針としては、例えば対応順序を優先的に早めるように配慮した接客方針を報知することが望ましい。これにより、度重なる対応遅延に繋がらないようにこの会員に対する接客を行う。
<例5:呼出場所とエリア(島)毎の従業員配置情報から適切な従業員に報知>
遊技場(パチンコホール)内は、エリアによって繁閑がある。遊技場では、予めそれを考慮して必要な人員数の従業員を配置しているが、通常、遊技者が少ないエリアで呼び出しが連続した場合には、配置されている従業員数も少ないため対応が遅れることがある。これを回避するために、予め所定の人員配置情報を設定しておいた上で、人員が少ないエリア(島)で呼び出しが連続した場合に、報知先選択部83は、対応の遅れを予測し、他のエリアの従業員にも報知が行われるように、報知先のウェアラブル端末26を適宜選択する。
既述したように、本実施形態の遊技システム10によれば、従業員の作業を軽減できることに加え、従業員の正当な評価を行うことが可能である。また、本実施形態の遊技システム10によれば、遊技者が従業員を呼び出す目的に応じて、従業員が対応を開始する開始時間の調整を図ることができる。さらに、本実施形態の遊技システム10によれば、遊技場における遊技者の要望に対して適切な対応を図ることが可能となる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。