JP7365744B1 - 超音波送受波器 - Google Patents

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Abstract

水中の広いエリアを比較的早く探査でき安価でコンパクトな構成の超音波送受波器を提供する。この超音波送受波器11は、超音波を送受信する複数の超音波振動子31がケース21内に収容された状態でモールドされている。複数の超音波振動子31は、中心に配置された1つの第1超音波振動子31Aと、第1超音波振動子31Aの周囲に均等な間隔で配置された5つ以上8つ以下の第2超音波振動子31Bとからなる。第2超音波振動子31Bの第2中心軸C2が、第1超音波振動子31Aの第1中心軸C1に対して角度θをなすように、第2音響放射面34Bを傾斜させた状態で、第2超音波振動子31Bが配置されている。選択図:図1

Description

本発明は、超音波を送受信する複数の超音波振動子を備えた超音波送受波器に関するものである。
従来、超音波の送受信によって魚群などの被探査物を検知するための装置として、スキャニングソナーがよく知られている。一般的なスキャニングソナーは、超音波を送受信する超音波振動子を有する超音波送受波器と、その超音波送受波器を旋回及び回転させる駆動機構とを備えている。そして、この種のスキャニングソナーでは、超音波送受波器を旋回及び回転させながら超音波の送受信を行い、水中を探査するようになっている。
ところで、上記のような駆動機構を持たない代わりに、平面や球面を有する支持体の上に多数の超音波振動子をマトリックス状あるいはアレイ状に配置したスキャニングソナーも従来いくつか提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2006-105850号公報 中華人民共和国特許公開CN-A-109959915号公報
しかしながら、上記従来のスキャニングソナーの場合、多数の超音波振動子を有することから、装置全体が大型化しやすくコンパクトに構成することができなかった。また、チャンネル数が多いことから、チャンネルの切換制御のための構成が複雑になり、装置全体として高価なものとなりやすかった。さらに、一連のスキャンに時間がかかるため、水中の広いエリアの探査結果を短時間で得ることが難しかった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水中の広いエリアを比較的早く探査することができ、しかも安価でコンパクトな構成とすることができる超音波送受波器を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、超音波を送受信する複数の超音波振動子がケース内に収容された状態でモールドされている超音波送受波器であって、複数の前記超音波振動子は、中心に配置された1つの第1超音波振動子と、前記第1超音波振動子の周囲に均等な間隔で配置された5つ以上8つ以下の第2超音波振動子とからなり、前記第1超音波振動子は、第1音響放射面及び前記第1音響放射面に直交する第1中心軸を有するとともに、前記第2超音波振動子は、第2音響放射面及び前記第2音響放射面に直交する第2中心軸を有し、前記第2中心軸が前記第1中心軸に対して角度をなすように前記第2音響放射面を傾斜させた状態で、前記第2超音波振動子が配置され、複数の前記超音波振動子を所定の位置及び傾きに保持する振動子ホルダが前記ケースとは別体に設けられ、複数の前記超音波振動子を保持した前記振動子ホルダは、前記ケース内に収容された状態で充填剤によってモールドされ、前記充填剤は、前記超音波振動子の音響整合層よりも固有音響インピーダンスが低く、防水性を有するとともに、外表面が前記ケースの開口部と面一になるように充填されることで前記ケースの開口部を塞いでいることをその要旨とする。
従って、請求項1に記載の発明によると、第1超音波振動子を中心としてその周囲に、均等な間隔で限られた少ない数の第2超音波振動子を傾斜させて配置している。このように配置することで、各々の第2超音波振動子の音響放射面が所定角度ずつ異なる方向を向いた状態となる。ゆえに、水中の広い探査エリアを限られた少ない数の超音波振動子でカバーすることが可能となり、広範囲を比較的早く探査することができる。しかも、超音波振動子の総数が少ないことから、装置をコンパクトに構成することができる。さらに、チャンネル数も少なくて済むため、切換制御のための構成が簡略化され、安価な装置とすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第2中心軸が前記第1中心軸に対して20°以上40°以下の範囲から選択した1つの角度をなしていることをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、複数の前記超音波振動子の音響放射面の全てが、1つの仮想球面上に位置するように配置されていることをその要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記振動子ホルダは、底部と周壁とを有するとともに前記超音波振動子を保持するカップ状の保持部を、前記超音波振動子と同数だけ備えることをその要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項において、前記振動子ホルダは、前記第2超音波振動子を保持する前記保持部の前記周壁の一部に切欠部を有する樹脂成型品であることをその要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項において、複数の前記超音波振動子は、互いに同じ大きさ及び形状を有していることをその要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項において、隣接する前記第2超音波振動子間の隙間の大きさは、前記超音波振動子の直径の25%以下であり、前記第1超音波振動子と前記第2超音波振動子との隙間の大きさは、前記超音波振動子の直径の10%以下であることをその要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項において、複数の前記超音波振動子は、スカッパー取付具を兼ねる前記ケース、または、スカッパー取付具に装着可能なねじ構造を有する前記ケース内に収容されていることをその要旨とする。
以上詳述したように、請求項1~に記載の発明によると、水中の広いエリアを比較的早く探査することができ、しかも安価でコンパクトな構成とすることができる超音波送受波器を提供することができる。
本発明を具体化した第1実施形態の超音波送受波器を示す概略断面図。 第1実施形態の超音波送受波器を示す概略正面図。 第1実施形態の超音波送受波器を構成する超音波振動子の断面図。 第1実施形態の超音波送受波器を構成する超音波振動子の正面図。 第1実施形態において複数の超音波振動子の配置態様を示す概略斜視図。 第1実施形態にて使用する1つの超音波振動子について、周波数と送波電圧感度との関係を示したグラフ。 第1実施形態にて使用する1つの超音波振動子についての周波数ごとの指向特性を示したグラフ。 第1実施形態にて使用する、異なる方向を向けて配置した3つの超音波振動子についての指向特性を示したグラフ。 第2実施形態の超音波送受波器を示す概略断面図。 第2実施形態にて使用する振動子ホルダを斜め上側から見た斜視図。 第2実施形態にて使用する振動子ホルダを斜め下側から見た斜視図。 第2実施形態にて使用する振動子ホルダの底面図。 第2実施形態にて使用する振動子ホルダの側面図。 別の実施形態におけるスカッパー取付型の超音波送受波器を示す概略断面図。 別の実施形態におけるスカッパー取付型の超音波送受波器を示す概略断面図。 第2超音波振動子を5個配置した別の実施形態を示す概略斜視図。 第2超音波振動子を8個配置した別の実施形態を示す概略斜視図。 第2超音波振動子を4個配置した比較例を示す概略斜視図。
[第1の実施形態]
以下、本発明をスキャニングソナーに用いられる超音波送受波器11に具体化した第1の実施形態を図1~図8に基づき詳細に説明する。
図1は本実施形態の超音波送受波器11を示す概略断面図、図2は同じくその概略正面図である。
スキャニングソナーは、水中に超音波を照射することにより水中に存在する魚群などの被探査物を探査するための装置である。本実施形態のスキャニングソナーは、基本的に超音波送受波器11を備えるほか、昇降装置、表示装置、制御装置等(いずれも図示略)を含んで構成されている。超音波送受波器11は、船舶における船底に配置された状態で使用するために、昇降装置に取り付けられている。昇降装置は、超音波送受波器11を昇降させることにより、超音波送受波器11を水中に浸漬させる。表示装置は船舶の操舵室内に設置されており、操作部及び表示部を有している。制御装置も船舶の操舵室内に設置されており、表示装置及び制御装置に電気的に接続されている。この制御装置は、所定のプログラムに従って超音波送受波器11を駆動制御し、超音波の送受信を行わせる。またこの制御装置は、所定のプログラムに従って表示装置を駆動制御し、水中探査結果を超音波画像として表示させる。
図1に示されるように、本実施形態の超音波送受波器11は、超音波を送受信する複数の超音波振動子31をケース21内に収容した状態でモールドした構造を備えている。図3は超音波送受波器11を構成する超音波振動子31の断面図、図4は同じくその正面図である。図5は複数の超音波振動子31の配置態様を示す概略斜視図である。
図3、図4に示されるように、本実施形態において使用される複数の超音波振動子31は、互いに同じ大きさ及び形状を有する円板状の構造物である。各々の超音波振動子31は、基材32及び圧電素子33を備えている。基材32は、音響整合層を兼ねる円板状の樹脂製板材であり、本実施形態ではガラスエポキシ製の基材が使用されている。
圧電素子33は圧電セラミックス製の板状物であって、本実施形態ではチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いて形成された円板状の板状物が使用されている。圧電素子33は、基材32に対して接合された前面41と、前面41の反対側にある背面42と、前面41及び背面42に直交する外周面43とを有している。圧電素子33の前面41には前面側電極44が形成され、圧電素子33の背面42には背面側電極45が形成されている。本実施形態では、圧電素子33の前面41の全体が、前面側電極44及び図示しない接着層を介して基材32に接合されている。
圧電素子33は、平面視で互いに平行な溝部52により分割されており、複数の略帯状の振動部51を備えた構造を有している。この構造は、後述する比帯域0.2以上の広帯域振動子を実現するうえで有利なものとなっている。溝部52の深さは特に限定されず任意であるが、例えば圧電素子33の厚さの80%~95%程度に設定される。複数の溝部52は直線状であって互いに交差しておらず、本実施形態では互いに平行に形成されている。溝部52同士の間隔は特に限定されず任意であるが、例えば圧電素子33の厚さの25%~50%程度の大きさに設定される。溝部52同士の間隔をこの範囲内にすることで、厚さ方向に圧電素子33が変形しやすくなり、電気機械結合係数を大きくすることができる。
圧電素子33の分割数(即ち振動部51の本数)は特に限定されず任意に設定されるが、例えば4~10程度であり、本実施形態では5つとされている。5つの振動部51のうち、中央部に位置する振動部51の長さが最も長く、その両側に位置する振動部51の長さがそれに次いで長く、さらにその外側に位置する振動部51の長さが最も短くなっている。また、振動部51の幅は、最も外側に位置する振動部51の幅が、それ以外のものの幅よりも大きくなっている。上記5つの振動部51は、圧電素子33の前面41側の端部において互いに繋がっている。各々の振動部51の長さは高さよりも大きく、高さは幅よりも大きくなっている。また、基材32の厚さは振動部51の高さよりも小さくなっている。また、圧電素子33において振動部51同士が繋がる部分の厚さは、圧電素子33及び基材32の厚さよりもかなり薄くなっている。例えば本実施形態では、当該繋がり部分の厚さを基材32の厚さの5%~20%程度としている。
圧電素子33の背面42における背面側電極45は、5つの振動部51の表面を架け渡すようにして形成されている。本実施形態では背面側電極45として、銅、銀、錫などの電気抵抗が小さい金属材料からなる導電性金属箔が使用されている。そして、図1に示されるように、前面側電極44には第1のリード線61が電気的に接続され、背面側電極45には第2のリード線62が電気的に接続されている。これらのリード線61、62は、1本の配線用ケーブル64内に収容されて結束されている。配線用ケーブル64は、ケース21の上部に設けられた配線挿通孔29を通ってケース21外に引き出されている。また、圧電素子33の背面42側には、超音波の残響を抑えるために、スポンジ等からなるシート状の防音材47(バッキング材)が貼付されている。
図1、図2に示されるように、ケース21は、ABS樹脂などの樹脂材料を用いて形成され、一端に開口部22を有する有底円筒状を呈している。このケース21内には複数の超音波振動子31が収容されている。具体的にいうと、複数の超音波振動子31は、中心に配置された1つの第1超音波振動子31Aと、第1超音波振動子31Aの周囲に均等な間隔で配置された5つ以上8つ以下の第2超音波振動子31Bとからなる。本実施形態では第2超音波振動子31Bの数を6つとしている。また本実施形態では、第1超音波振動子31Aの音響放射面34Aと、各々の第2超音波振動子31Bの音響放射面34Bとが、全て1つの仮想球面上に位置している。
ここで、第1超音波振動子31Aにおいては、音響放射面34Aの中心を直交する第1中心軸C1の方向(第1超音波振動子31Aの法線ベクトルの方向ということもある。)が、音響放射方向であると把握することができる。また、第2超音波振動子31Bにおいては、音響放射面34Bの中心を直交する第2中心軸C2の方向(第2超音波振動子31Bの法線ベクトルの方向ということもある。)が、音響放射方向であると把握することができる。そして、図1に示す超音波送受波器11では、第2中心軸C2が第1中心軸C1に対して角度θをなすように第2音響放射面34Bを傾斜させた状態で、各々の第2超音波振動子31Bが配置されている。つまり、第1超音波振動子31Aの音響放射方向は、ケース21の軸線方向と同じ方向(図1では下方向)を向いている。これに対し、各々の第2超音波振動子31Bの音響放射方向は、ケース21の軸線方向とは異なる方向を向いている。より具体的にいうと、本実施形態の各々の第2超音波振動子31Bは、互いの音響放射面34Bを内側に向けて(言い換えると、第1超音波振動子31Aがある側に向けて)傾斜配置されている(図1、図5を参照)。このとき、第2中心軸C2は第1中心軸C1に対して20°以上40°以下の範囲から選択した1つの角度θをなしていることがよく、本実施形態では前記角度θがそれぞれ約30°となっている。なお、図1に示されるように、各々の第2中心軸C2と第1中心軸C1とは1点で集束した状態となっている。また、隣接する第2超音波振動子31Bの第2中心軸C2同士も、20°以上40°以下の範囲から選択した1つの角度θ(ここでは約30°)をなしている。
この超音波送受波器11では、7つの超音波振動子31が互いに密集した状態で配置されている。隣接する第2超音波振動子31B間の隙間の大きさは、例えば超音波振動子31の直径の25%以下に設定され、本実施形態では5%以下に設定されている。つまり、隣接する第2超音波振動子31B同士は、ほぼ隙間がない状態で配置されている。また、第1超音波振動子31Aと第2超音波振動子31Bとの隙間の大きさは、例えば超音波振動子31の直径の10%以下に設定され、本実施形態では5%以下に設定されている。つまり、第1超音波振動子31A及び第2超音波振動子31B同士も、ほぼ隙間がない状態で配置されている。
そして、上記のように互いに密集して配置された7つの超音波振動子31は、図1、図2に示されるように、ケース21内に収容された状態で充填剤26によってモールドされている。この充填剤26としては、超音波振動子31の音響整合層である基材32よりも固有音響インピーダンスが低く、防水性を有する樹脂材料(例えばウレタン樹脂等)が使用される。充填剤26の外表面はケース21の開口部22と面一になるように充填されており、これによりケース21の開口部22が塞がれている。
以上のように構成された本実施形態の超音波送受波器11を備えたスキャニングソナーにより、水中を探査する方法を説明する。まず、制御装置を駆動させて超音波送受波器11に超音波の送受信を行わせる。即ち、各々の超音波振動子31に対して発振信号を出力する制御を行い、超音波振動子31を駆動させる。このとき、圧電素子33の各振動部51は、収縮と伸長とを繰り返す。振動部51が高さ方向に収縮すると振動部51が幅方向に若干膨らむように変形し、逆に振動部51が高さ方向に伸長すると振動部51が幅方向に若干細るように変形する。その結果、圧電素子33が振動し、超音波振動子31から水中に対して超音波が照射(送信)される。被探査物に到達した超音波の反射波は、超音波送受波器11の各々の超音波振動子31に入力(受信)される。制御装置は、各々の超音波振動子31が受信した超音波の反射波を受信信号に変換して取り込み、これに基づき所定の演算処理を行う。そして制御装置は、演算処理により得られた水中探査結果を表示装置に表示させる。より具体的には、各々の超音波振動子31の駆動タイミングを制御して送受信を行うことで、各々の受信信号の情報から各方位の水中探査結果が画像化され、表示装置に表示される。その結果、魚群等がどの方角及びどの程度の深さにいるのかということを、タイムラグなく常時監視することが可能となる。従って、本実施形態の超音波送受波器11を備えたスキャニングソナーは、魚群等の移動方向を知るのに有効な手段となり得る。
次に、本実施形態の超音波送受波器11の評価方法及びその結果について説明する。図6は、1つの超音波振動子31について周波数と送波電圧感度との関係を示したグラフである。図7は、1つの超音波振動子31について周波数ごとの指向特性を示したグラフである。図8は、異なる方向を向けて配置した3つの超音波振動子31についての指向特性を示したグラフである。
まず、測定用サンプルとして、本実施形態の超音波振動子31と基本的に同様の構成の超音波振動子を準備した(図4等を参照)。ここでは、超音波振動子31の直径を25mmφ、圧電素子33の厚さを9mm、基材32の厚さを4mmに設定した。また、圧電素子33における溝部52は4本とし、その深さは8.5mmとし、圧電素子33において振動部51同士が繋がる部分の厚さは0.5mmとした。
次に、測定用サンプルである超音波振動子31を駆動して超音波を照射(送信)
させ、そのときの電圧振幅をオシロスコープにより測定し、送波電圧感度を算出した。このとき、40kHz~260kHzの間で周波数を複数段階に切り替え、切り替えたそれぞれの周波数において超音波を送信した。そして、オシロスコープを用いた上記の手法を用いて、超音波振動子31の送波電圧感度(dB)を算出した。
その結果、図6のグラフに示すように、60kHz付近を中心とする位置、160kHzを中心とする位置の2箇所に送波電圧感度のピークが現れることがわかった。このとき160kHz付近に現れるピークの振動は厚み方向振動であり、60kHz付近に現れるピークの振動は径方向振動であった。例えば、図6のグラフにおいて送波電圧感度145dBを基準とした場合、約50kHz~70kHzの周波数域、約120kHz~250kHzの周波数域でこの値を超えていた。このことから、本実施形態の超音波振動子31は、厚み方向振動により振動する上記の下方周波数域と、径方向振動より振動する上記の上方周波数域とにおいて使用可能な広帯域振動子であると結論付けられた。ちなみに、スキャニングソナーに用いる超音波送受波器11を構成する超音波振動子31としては、チャープ駆動が有効な比帯域0.2以上の広帯域振動子が望ましいと考えられる。この超音波振動子31の比帯域を求めたところ0.2以上であったため、好ましい特性を備えていると言えるものであった。なお、超音波振動子31の周波数と音響伝搬との関係では、周波数が低いほど超音波が水中深くまで到達する一方で、周波数が高いほど高分解能となる。従って、チャープ駆動による多周波の解析が可能になると、両方の利点を享受することができるばかりでなく、ノイズを低減することができるようになる。
次に、超音波振動子31の指向特性を検証した。具体的には、測定用サンプルである1つの超音波振動子31から超音波を照射し、照射時(送信時)の送波音圧を測定した。このとき0°~90°の間で超音波振動子31のチルト角度(傾動角度)を複数段階に変更し、変更したそれぞれのチルト角度において超音波を照射し、送波音圧を測定した。ここでは、音響放射面(基材32の裏面)が鉛直方向における下方を向いた状態でのチルト角度を0°とし、音響放射面が側方を向いた状態でのチルト角度を90°とする。さらに、超音波の周波数を65kHz、140kHz、180kHz、240kHzに切り替え、切り替えたそれぞれの周波数において超音波を照射し、送波音圧を測定した。その結果を図7のグラフに示す。
それによると、図7のグラフからも明らかなように、いずれの周波数においても大きなサイドローブは発生していなかった。よって、本実施形態の超音波振動子31は、スキャニングソナーに用いる超音波送受波器11に適用するにあたり、理想的な指向特性を備えたものであることが確認された。また、この超音波振動子31の半減全角を実測したところ、各周波数で19°~26°であった。
次に、複数の超音波振動子31を組み合わせて用いた場合の指向特性を検証した。具体的には、測定用サンプルである3つの超音波振動子31を30°ずつ傾けた状態で並べて配置した。そして、これら3つの超音波振動子31から140kHzの超音波を照射し、照射時(送信時)の送波音圧を上記と同様の手法によりそれぞれ測定した。その結果を図8のグラフに示す。
それによると、図8のグラフからも明らかなように、各々の超音波振動子31の超音波ビームは、大きなサイドローブを有しない理想的なものであった。また、3つの超音波振動子31を30°ずつ傾けた状態で配置した場合、3つのメインローブが30°ずつずれて指向した状態となる。このため、3つの超音波振動子31の超音波ビームは、約90°という比較的広い範囲をカバーできるものとなることがわかった。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の超音波送受波器11は、中心に配置された1つの第1超音波振動子31Aと、その周囲に均等な間隔で配置された6つの第2超音波振動子31Bとを備えている。そして、第2中心軸C2が第1中心軸C1に対して角度θをなすように第2音響放射面34Bを傾斜させた状態で、各々の第2超音波振動子31Bが配置されている。つまり、第1超音波振動子31Aを中心としてその周囲に、均等な間隔で限られた少ない数の第2超音波振動子31Bを傾斜させて配置している。このように配置することで、各々の第2超音波振動子31Bの第2音響放射面34Bが所定角度(約30°)ずつ異なる方向を向いた状態となる。ゆえに、水中の広い探査エリアを限られた少ない数の超音波振動子31でカバーすることが可能となり、広範囲を比較的早く探査することができる。しかも、超音波振動子31の総数が少ないことから、装置をコンパクトに構成することができる。さらに、チャンネル数も少なくて済むため、切換制御のための構成が簡略化され、安価な装置とすることができる。
ちなみに、超音波送受波器11を構成する超音波振動子31の指向角を広くするには共振周波数が低いほうがよいが、そのためには超音波振動子31の共振長を長くする必要がある。この場合、圧電素子33の厚さを増すか径を大きくする必要があり、装置全体のコンパクト化を阻害する。その一方で、超音波送受波器11の全体のサイズは、価格を抑えるためにできる限りコンパクトにしたいという要請がある。その点、本実施形態によれば、上記の相反する2つの課題を解決することが可能となる。
(2)本実施形態の超音波送受波器11では、第2中心軸C2が第1中心軸C1に対して20°以上40°以下の範囲から選択した1つの角度θ(本実施形態では30°)をなしている。このように各々の第2超音波振動子31Bが1つの適切な角度θをもって傾斜配置されることにより、広いエリアを限られた少ない数の超音波振動子31で無駄なく確実にカバーすることができる。
(3)本実施形態の超音波送受波器11では、超音波振動子31の音響放射面の全てが1つの仮想球面上に位置するように配置されている。よって、超音波振動子31の音響放射面の全てが1つの仮想球面上に位置するように配置されていない場合に比べて、装置全体をコンパクトに構成しやすくなる。また、特定の超音波振動子31から放射される超音波ビームが、別の超音波振動子31の陰になって遮られるようなことがなくなる。よって、広いエリアを限られた少ない数の超音波振動子31で確実にカバーすることができる。
(4)本実施形態の超音波送受波器11では、複数の超音波振動子31がケース21内に収容された状態で充填剤26によってモールドされている。この充填剤26は、超音波振動子31の音響整合層である基材32よりも固有音響インピーダンスが低く、防水性を有する。またこの充填剤26は、外表面がケース21の開口部22と面一になるように充填され、開口部22を塞いでいる。従って、複数の超音波振動子31が充填剤26に埋設されて不可視となる結果、複数の超音波振動子31が保護され、防水性が向上する。また、ケース21の開口部22側が凹凸のない超音波放射面となるので、見た目が煩雑になりにくく、水中での抵抗も低減される。
(5)本実施形態の超音波送受波器11では、複数の超音波振動子31は、互いに同じ大きさ及び形状を有している。従って、複数の超音波振動子31の感度特性を揃えることができるため、測定精度に優れた超音波送受波器11とすることができる。
(6)本実施形態の超音波送受波器11では、隣接する第2超音波振動子31B間の隙間の大きさは、超音波振動子31の直径の25%以下となっている。また、第1超音波振動子31Aと第2超音波振動子31Bとの隙間の大きさは、超音波振動子31の直径の10%以下となっている。つまり、上記2種類の隙間の大きさが所定値以下に設定されているので、第1超音波振動子31A及び複数の第2超音波振動子31Bを効率よく密集して配置することができる。よって、装置をコンパクトに構成しやすくなるという利点がある。
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態の超音波送受波器11Aを図9~図13に基づき詳細に説明する。ここでは、第1の実施形態と同じ構成については共通の部材番号を付し、詳細な説明を省略する。図9は超音波送受波器11Aを示す概略断面図である。図10は振動子ホルダ71を斜め上側から見た斜視図、図11は斜め下側から見た斜視図、図12は底面図、図13は側面図である。
この超音波送受波器11Aは、複数の超音波振動子31を所定の位置及び傾きに保持する固定台としての振動子ホルダ71を備えている点が、第1の実施形態のものと異なっている。この振動子ホルダ71は、本体76と複数の保持部72とを含んで構成された樹脂成形品である。本実施形態では保持部72の数が、中心部に1つ、周辺部に6つの合計7つとなっている。即ち、この振動子ホルダ71は、7つある超音波振動子31と同数の保持部72を備えている。本体76は複数の連結部78からなる部材であって、複数の保持部72を支持している。複数の連結部78は、隣接する保持部72同士を互いに連結している。複数の連結部78同士の間の領域は、本体76を上下方向に連通する抜き穴79となっている。
各々の保持部72は、底部73と周壁74とを有する平面視で円形のカップ状をした部分である。振動子ホルダ71の中心部に位置する1つの保持部72は、第1超音波振動子31Aを保持するための保持部である。振動子ホルダ71の周辺部に位置する6つの保持部72は、第2超音波振動子31Bを保持するための保持部である。中心部に位置する保持部72に対して、周辺部に位置する6つの保持部72は約30°傾斜している。また、周辺部に位置する6つの保持部72は、樹脂成型時の型抜きの便宜を図るために、周壁74の一部に切欠部75を有している。この切欠部75は、周壁74の半周程度にわたり、振動子ホルダ71の最外周部に位置している。一方、中心部に位置する保持部72は、周壁74の一部に切欠部75を有しておらず、完全な形状を有している。
各々の保持部72の底部73には、底部73の表裏面に連通する配線用孔77が形成されている。これらの配線用孔77には、超音波振動子31から引き出された第1のリード線61及び第2のリード線62がそれぞれ挿通されている。
本実施形態の超音波送受波器11Aは、次のような手順で組み付けられる。まず、振動子ホルダ71を用意し、中央部の保持部72に第1超音波振動子31Aを保持させ、周辺部の6つの保持部72に第2超音波振動子31Bを保持させる。このとき、第1超音波振動子31A及び第2超音波振動子31Bは、接着剤等を用いて保持部72の内面に接合されてもよい。また、第1超音波振動子31A及び第2超音波振動子31Bの背面側に、図示しない防音材が配置されてもよい。次に、超音波振動子31を保持した状態の振動子ホルダ71をケース21内に収容して位置決めする。具体的には、第1超音波振動子31Aの音響放射方向が、ケース21の軸線方向と同じ方向になるように調整する。その際、振動子ホルダ71の一部をケース21の内面に当接させて位置決めを行ってもよい。その例を挙げると、例えば振動子ホルダ71の本体76に図示しない柱部を複数本突設させておく。そして、それら柱部をケース21の内面の複数箇所に当接させることにより、確実な位置決めを図ってもよい。次に、この状態で充填剤26を用いてモールドすることにより、複数の超音波振動子31を保持した振動子ホルダ71をケース21内に封入して、超音波送受波器11Aの組み付けが完了する。
本実施形態の超音波送受波器11Aは、第1実施形態で挙げた効果に加えて以下の効果を奏する。
(1)本実施形態の超音波送受波器11Aは、複数の超音波振動子31を所定の正しい位置及び傾きに保持する振動子ホルダ71を備えている。従って、1つの第1超音波振動子31A及び6つの第2超音波振動子31Bが、簡単にかつ確実に所定の正しい位置及び傾きに保持される。また、このような振動子ホルダ71を用いることで、各超音波振動子31同士を位置決めするときの面倒な作業が不要になる。よって、高品質であって製造が容易な超音波送受波器11Aとすることができる。
(2)本実施形態の超音波送受波器11Aの振動子ホルダ71は、底部73と周壁74とを有するとともに、超音波振動子31を保持するカップ状の保持部72を超音波振動子31と同数(ここでは7つ)だけ備えている。従って、超音波振動子31と同数あるカップ状の保持部72に各超音波振動子31を保持させることにより、正しい位置及び角度で振動子ホルダ71に各超音波振動子31を安定的に支持させることができる。
(3)本実施形態の超音波送受波器11Aの振動子ホルダ71は、第2超音波振動子31Bを保持する保持部72の周壁74の一部に切欠部75を有する樹脂成型品である。第2超音波振動子31Bを保持する保持部72はいずれも傾斜している。それゆえ、金型成型により樹脂成形品を作製する際に、型抜きが困難になることが予想される。その点、この振動子ホルダ71では、当該保持部72の周壁の一部(型抜きが困難な箇所)が切り欠かれているので、型抜きを簡単に行うことが可能となる。よって、製造が容易な超音波送受波器11Aとすることができる。
(4)本実施形態の超音波送受波器11Aの振動子ホルダ71は、ケース21内に収容された状態で充填剤26によってモールドされている。充填剤26は、超音波振動子31の音響整合層を兼ねる基材32よりも固有音響インピーダンスが低く、防水性を有する。また、充填剤26は、外表面がケース21の開口部22と面一になるように充填されることで、開口部22を塞いでいる。従って、複数の超音波振動子31及び振動子ホルダ71が充填剤26に埋設されて不可視となる。その結果、これらが保護され、防水性が向上する。また、ケース21の開口部22側が凹凸のない超音波放射面となるので、見た目が煩雑になりにくく、また、水中での抵抗を低減することもできる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・例えば、図14に示す別の実施形態の超音波送受波器11Bのようにしてもよい。この超音波送受波器11Bは、スカッパー取付型の超音波送受波器であり、船底80に設けられた排水孔(スカッパー孔)81に取り付け可能な構造を有している。通常、スカッパー孔81には円筒状のスカッパー取付具が嵌め込まれる。スカッパー取付具はナットで固定され、その上部開口には蓋が被せられる。本実施形態では、ケース21A自体が円筒状のスカッパー取付具と同様の構造を有しており、スカッパー取付具を兼ねるものとなっている。具体的にいうと、スカッパー取付具を兼ねるケース21Aの外周面には、フランジ部86と雄ねじ溝部85とが設けられている。そして、スカッパー孔81にケース21Bが嵌め込まれ、この状態で雄ねじ溝部85にナット83の雌ねじ部87を螺着することで、ケース21Aがスカッパー孔81に固定されている。従って、この超音波送受波器11Bも、既存のスカッパー孔81を利用して船底80に簡単にかつ水密的に取り付けられることができる。
・また、図15に示す別の実施形態の超音波送受波器11Cのようにしてもよい。この超音波送受波器11Cもスカッパー取付型の超音波送受波器である。この超音波送受波器11Cを構成するケース21Bは、船底80に設置されているスカッパー取付具82に装着可能なねじ構造を有している。具体的にいうと、スカッパー取付具82の内周面には雌ねじ溝部82aが設けられており、外周面には雄ねじ溝部82bが設けられている。ケース21Bの外周面全体には、雄ねじ溝部82aにねじ止めされる雌ねじ部84が設けられている。そして、雌ねじ溝部82aと雌ねじ部84との螺合によって、ケース21Bがスカッパー取付具82を介してスカッパー孔81に固定されている。従って、この超音波送受波器11Cは、既存のスカッパー孔81を利用して船底80に簡単にかつ水密的に取り付けられることができる。なお、上述した図14の超音波送受波器11Bは、船底80の外側から取り付ける必要がある。その反面、超音波送受波器11Bには、既存のスカッパー孔81を拡径加工せずそのまま利用できるという利点がある。図15の超音波送受波器11Cは、取り付けのために既存のスカッパー孔81を若干拡径するか、あるいは超音波振動子31を若干小さくする必要がある。その反面、超音波送受波器11Cには、既存のスカッパー孔81に対して船底80の内側から取り付けることができるという利点がある。
・上記実施形態では、1つの第1超音波振動子31Aの周囲に均等な間隔で6つの第2超音波振動子31Bを配置した例を示したが、これに限定されない。例えば、図16に示す別の実施形態のように、1つの第1超音波振動子31Aの周囲に均等な間隔で5つの第2超音波振動子31Bを配置してもよい。この例においては、第1超音波振動子31Aの法線ベクトルに対する第2超音波振動子31Bの法線ベクトルの傾きを例えば30°に設定する。また、隣接する第2超音波振動子31B同士の法線ベクトルの傾きを例えば34°に設定する。そしてこの場合、各々の超音波振動子31の半減全角が34°以上あれば、94°という比較的広い範囲を超音波ビームでカバーすることができる。あるいは、第1超音波振動子31Aの法線ベクトルに対する第2超音波振動子31Bの法線ベクトルの傾きを例えば34°に設定する。また、隣接する第2超音波振動子31B同士の法線ベクトルの傾きを例えば39°に設定する。そしてこの場合、各々の超音波振動子31の半減全角が40°以上あれば、108°という比較的広い範囲を超音波ビームでカバーすることができる。
また、図17に示す別の実施形態のように、1つの第1超音波振動子31Aの周囲に均等な間隔で8つの第2超音波振動子31Bを配置してもよい。この例においては、第1超音波振動子31Aの法線ベクトルに対する第2超音波振動子31Bの法線ベクトルの傾きを例えば30°に設定する。また、隣接する第2超音波振動子31B同士の法線ベクトルの傾きを例えば22°に設定する。そしてこの場合でも、上記実施形態や図16のものと同等の比較的広い範囲を超音波ビームでカバーすることができる。ただし、振動子数の増加によって全体が若干大きくなることから、第2超音波振動子31Bの数は7つ以下とすることが好ましく、6つ以下とすることがより好ましい。
ここで、図18に示す比較例のように、1つの第1超音波振動子31Aの周囲に均等な間隔で4つの第2超音波振動子31Bを配置した構成について検討する。この場合、隣接する第2超音波振動子31B同士を近づけて密に配置することができず、それらの間に大きな隙間が生じてしまう。この例においては、第1超音波振動子31Aの法線ベクトルに対する第2超音波振動子31Bの法線ベクトルの傾きを例えば34°に設定する。また、隣接する第2超音波振動子31B同士の法線ベクトルの傾きを例えば46.5°に設定する。そしてこの場合には、超音波ビームに死角ができてしまうため、好ましくないことがわかる。よって、各々の超音波振動子31の半減全角を40°以上にする必要性が生じる。
・上記実施形態では、図10~図13に示したような構造の振動子ホルダ71を用いたがこれに限定されない。例えば、吸音材を省略する代わりに、振動子ホルダ71自体に吸音材としての機能を付与してもよい。また、振動子ホルダ71は金型成型法以外の方法(例えば3Dプリンティング等)で作製されてもよいほか、樹脂以外の材料(例えば金属等)を用いて作製されてもよい。
・上記実施形態では、複数の超音波振動子31は互いに同じ大きさ及び形状を有しているとしたが、これに限定されない。例えば大きさが異なっていてもよく、あるいは形状が異なっていても勿論よい。
・上記実施形態では、複数の超音波振動子31の音響放射面の全てが1つの仮想球面上に位置するように配置したが、これに限定されず、1つまたは複数の音響放射面が仮想球面上にない構造を採用しても勿論よい。
・上記実施形態では、各々の第2超音波振動子31Bが、互いの音響放射面34Bを内側に向けて(言い換えると、第1超音波振動子31Aがある側に向けて)傾斜配置されていたが、これに限定されない。これとは逆に、各々の第2超音波振動子31Bが、互いの音響放射面34Bを外側に向けて(言い換えると、第1超音波振動子31Aがない側に向けて)傾斜配置されていてもよい。
・上記実施形態では、圧電素子33は、平面視で互いに平行な溝部52により分割されており、複数の略帯状の振動部51を備えた構造を有していたが、これに限定されない。例えば、平面視で放射状の複数の溝部52により、圧電素子33を分割してもよい。
11、11A、11B、11C…超音波送受波器
21、21A、21B…ケース
22…ケースの開口部
26…充填剤
31…超音波振動子
31A…第1超音波振動子
31B…第2超音波振動子
34A…第1音響放射面
34B…第2音響放射面
71…振動子ホルダ
72…保持部
73…底部
74…周壁
75…切欠部
C1…第1中心軸
C2…第2中心軸
θ…角度

Claims (8)

  1. 超音波を送受信する複数の超音波振動子がケース内に収容された状態でモールドされている超音波送受波器であって、
    複数の前記超音波振動子は、中心に配置された1つの第1超音波振動子と、前記第1超音波振動子の周囲に均等な間隔で配置された5つ以上8つ以下の第2超音波振動子とからなり、
    前記第1超音波振動子は、第1音響放射面及び前記第1音響放射面に直交する第1中心軸を有するとともに、前記第2超音波振動子は、第2音響放射面及び前記第2音響放射面に直交する第2中心軸を有し、
    前記第2中心軸が前記第1中心軸に対して角度をなすように前記第2音響放射面を傾斜させた状態で、前記第2超音波振動子が配置され
    複数の前記超音波振動子を所定の位置及び傾きに保持する振動子ホルダが前記ケースとは別体に設けられ、
    複数の前記超音波振動子を保持した前記振動子ホルダは、前記ケース内に収容された状態で充填剤によってモールドされ、
    前記充填剤は、前記超音波振動子の音響整合層よりも固有音響インピーダンスが低く、防水性を有するとともに、外表面が前記ケースの開口部と面一になるように充填されることで前記ケースの開口部を塞いでいる
    ことを特徴とする超音波送受波器。
  2. 前記第2中心軸が前記第1中心軸に対して20°以上40°以下の範囲から選択した1つの角度をなしていることを特徴とする請求項1に記載の超音波送受波器。
  3. 複数の前記超音波振動子の音響放射面の全てが、1つの仮想球面上に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波送受波器。
  4. 前記振動子ホルダは、底部と周壁とを有するとともに前記超音波振動子を保持するカップ状の保持部を、前記超音波振動子と同数だけ備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波送受波器。
  5. 前記振動子ホルダは、前記第2超音波振動子を保持する前記保持部の前記周壁の一部に切欠部を有する樹脂成型品であることを特徴とする請求項に記載の超音波送受波器。
  6. 複数の前記超音波振動子は、互いに同じ大きさ及び形状を有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波送受波器。
  7. 隣接する前記第2超音波振動子間の隙間の大きさは、前記超音波振動子の直径の25%以下であり、
    前記第1超音波振動子と前記第2超音波振動子との隙間の大きさは、前記超音波振動子の直径の10%以下である
    ことを特徴とする請求項に記載の超音波送受波器。
  8. 複数の前記超音波振動子は、スカッパー取付具を兼ねる前記ケース、または、スカッパー取付具に装着可能なねじ構造を有する前記ケース内に収容されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波送受波器。
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