JP3849999B2 - 方向検出可能魚群探知機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は魚群の方向又は/及び位置をも検出可能とする魚群探知機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に魚群の位置や移動方向を検出する装置として、電子スキャンニングソナーや、サーチライトソナーが用いられてきた。又その変形的ソナーとしてサイドスキャンソナー、セクタスキャンソナー等も利用されている。
これらの装置は、海面下を3次元的に表現出来る点で優れている。しかし電子スキャンニングソナー等は装置が大がかりとなり、コストも高く艤装も大変である。比較的小型のサーチライトソナー等はコストも比較的低く押さえられるが、メカニックスキャンの為早い探索や魚群の早い動きに追従出来ない場合があった。又映像表示がPPI表示のため操作には、熟練を要すると言われている。サイドスキャンニングソナーには、電子スキャンニング法とメカニックスキャンニング法がある。又、両者を組み合わせたセクタ電子スキャンニング法等種々の方法が開発されているが同様の欠点がある。
【0003】
その他、電子スキャンソナーやサーチライトソナーは、超音波ビームをできるだけ狭く絞って方位分解能を上げようとするため、海底の底質(岩盤、砂地、等)の判断は難しい事が上げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は超音波ビームを走査(スキャンニング)することなく、反射物標の方向又は/及び位置を検出でき、しかも小型、安価に構成することができる魚群探知機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、比較的広い指向性ビームをもちその指向性ビームが一部互いに重ねられた第1、第2超音波送受波器より超音波パルスがそれぞれ放射され、その反射波の対応放射送受波器での受波レベルがそれぞれ検出され、同一反射物標よりの反射波に対する第1、第2送受波器の受波レベルの差からその反射物標の方向が検出される。
【0006】
第1、第2送受波器の各指向性ビームと一部が重ねられた比較的広い指向性ビームの第3超音波送受波器が更に設けられ、この第3送受波器より放射された超音波パルスの反射波についての第3送受波器での受波レベルが検出され、同一反射物標よりの第1乃至第3送受波器の各受波レベルからその反射物標の位置が求められる。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明ではサイドローブが非常に少なく、比較的広い、例えば半減全角が40°程度の指向性ビームをもつ超音波送受波器が用いられる。このような送受波器としては図1Aに示すランジュバン円形振動子を用いることができる。ランジュバン振動子の例えばTGM50/200B/12Lの指向特性の50kHzでの実測データを図1Bに示す。この指向特性からわかるようにサイドローブはほとんどない。ランジュバン振動子は円形振動子であるため、全周にわたり対称性がよい指向特性が得られる。
【0008】
このような同一の広い指向性の2つの送受波器がその指向性ビームを一部互いに重ねて設けられる。例えば図2Aに示すように、2つのランジュバン振動子11A,11Bがその中心線12A,12Bを鉛直線13に対し、互いに反対側に20°傾斜させて設けられる。送受波器11A,11Bの送受波面をそれぞれ20°の俯角を与える。両送受波器の指向特性は図2Bの曲線14A,14Bとなる。いま図2Bに示すように、鉛直方向に対し、−30°の方向から10°づつ順次異なる方向で+30°方向にそれぞれ反射物標P1 〜P7 があったとすると、これら各物標よりの反射波の送受波器11A,11Bでの各受波レベルはそれぞれ異なったものとなる。例えば物標P2 についてみると、送受波器11Aの感度が−0dB、送受波器11Bの感度は−20dBであるから、送受波器11Aの方が送受波器11Bより受波レベルが20dB大きい、物標P4 については、送受波器11A,11Bの感度が共に−4dBであり、受波レベルに差がない。各物標P1 〜P7 についての送受波器11A,11Bの感度は図2Cに示すようになる。
【0009】
従って送受波器11A,11Bの各法線12A,12Bの内側にある物標については、送受波器11A,11Bの感度差、つまり受波レベル差から、物標の方向(方位)を求めることができる。物標の方向を決めることができるのは両送受波器11A,11Bとも感度が得られる角度範囲であり、一方の送受波器のみしか感度が得られない場合は、例えば送受波器11Aのみしか受波レベルが検出できない場合はその物標は−30°〜−60°の概略方向に在ることと判断される。
【0010】
このように2つの送受波器11A,11Bにより物標方向を検出する場合におけるBスコープ表示には、送受波器11A,11Bの両検出受信レベルを加算した信号を用いる。
更にこの発明では同一の広い指向ビーム特性をもつ3つの送受波器を用いて、物標位置の検出を可能とする。このため、図3Aに示すように3つの送受波器11A,11B,11Cの法線方向12A,12B,12Cが鉛直線13に対し120°の等角間隔となり、かつ図2Aに示したようにそれぞれ送受波面が水平面に対して20°の俯角を互いに外側にもつように送受波器11A,11B,11Cが配される。この時図3Bに示すように送受波器11A,11B,11Cの各放射ビーム16A,16B,16Cは互いに一部重なった状態となる。送受波器11A,11B,11Cの位置から100m下における法線12A,12B,12Cの各位置、各送受波器11A,11B,11Cの各等感度線(等音圧分布線)17A,17B,17Cは図4Aに示すようになる。各放射ビーム16A,16B,16Cは鉛直線13に対し、それぞれ20°傾斜しているため、図4Bに示すように100mの深度で水平に切断すれば、その断面は楕円となるから、感度線17A,17B,17Cは実際にはそれぞれ楕円となる。
【0011】
もし送受波器11A,11B,11Cの相対感度差が20dBまで測定可能であれば、1辺が116mの正三角形18の内側の範囲では送受波器11A,11B,11Cの相対感度差が測定できる。この正三角形18の内側の各点は3つの等感度線17A,17B,17Cの交点と対応し、よって送受波器11A,11B,11Cの各感度の組により、位置が一義的に定まる。従って正三角形18の内側における1点にある物標からの反射波の送受波器11A,11B,11Cでの受信レベルを求めれば、その組合せよりその物標の位置を求めることができる。送受波器11A,11B,11Cの感度差が12dBまでしか測定することができなければ、1辺が58mの正三角形19の内側にある物標の位置を測定できる。ここで送受波器11A,11B,11Cの感度及び指向特性がよく揃っているものとする。
【0012】
以上の説明から、3つの送受波器11A,11B,11Cを用い、水深100mで感度差が20dBまで測定できれば、図4Cに示すように領域ウ内の物標は3つの送受波器11A,11B,11Cでその反射波の受信レベルを検出できるから位置を正確に求めることができる。領域イ内の物標は、2つの送受波器11Aと11B、11Bと11C、11Cと11Aの何れかでその反射波の受信レベルを検出できるから方向を正確に検出することができる。領域ア内の物標はその反射波の受信レベルは送受波器11A,11B,11Cの何れか1つでしか検出できないから、概略の方向が判断される。
【0013】
以上の測定原理を用いたこの発明の魚群探知機の実施例を図5に示す。送受波器11A,11B,11Cは図3を参照して説明したものと同様のものであり、これらに対し、送信部21A,21B,21Cからそれぞれ独立に励振パルスを印加することができるようにされる。このように広角超音波ビームの送受波を行うと、他魚船の魚群探知機との干渉が問題となる。この点から、同一周波数帯での送受波器の使用を避けること、超音波パルス放射周期をランダム(規則性がない)にすることが考えられる。図5の例では乱数発生部22により、例えば送信周期の1/10程度の範囲内で発信タイミングをランダムに変化させ、その発信タイミング、つまり0m位置信号により送信制御部23が起動され、送信制御部23は送信部21A,21B,21Cを順次制御し、送受波器11A,11B,11Cよりシーケンス的に超音波パルスが放射される。
【0014】
送受波器11A,11B,11Cはその指向特性と感度がよく揃ったものが望ましい。指向特性は送受波器の形状などで決まりかなり揃うが、感度に関しては、固有振動周波数f0 などのずれ、その他の素因により厳密に揃えることは困難である。そこで送受波器11A,11B,11Cの感度差を予め測定し、これら3つの送受波器11A,11B,11Cの感度が揃うように、受信前置増幅器24の前段に設けた電子減衰器25A,25B,25Cで補正する。この感度補正データは感度補正ROM26に記憶され、また発信時の感度を下げると共に、遠方よりの反射波の受信感度を上げるいわゆるSTC用制御信号がSTC用ROM27に記憶されている。
【0015】
送受波器11A,11B,11Cの各受波信号はそれぞれ電子減衰器25A,25B,25Cへ供給され、電子減衰器25A,25B,25Cの出力は受信切換器28で順次切換えられて受信前置増幅器24へ供給される。シーケンス切換制御部29により、何れの送受波器による送受波を行うかの順序のタイミングが制御され、そのタイミングにより乱数発生部22よりの乱数発生が行われ、また送信制御部22の送信タイミングが制御され、更にSTC特性、感度校正部31を通じ、更に感度補正用ROM26の補正データが減衰器制御32を通じて電子減衰器25A,25B,25Cに対し、初期設定がなされ、またSTC用ROM27のデータによる電子減衰器制御部32を通じる電子減衰器25A,25B,25Cに対するSTC制御が行われ、更に受信機切換器28が制御され、励振送受波器、例えば11Aと対応した電子減衰器25Aの選択がなされる。
【0016】
前置増幅器24の出力に手動感度調整器33を通じ、更に後段増幅器34を通じて検波器35へ供給されて検波され、その検波出力はA/D変換器36でデジタル信号に変換され、その変換デジタルの探知信号39Aは加算器37で加算されて、バッファメモリ38、領域38Aに書込まれる。バッファメモリ38への書込みは、次に送受波器11Bが励振されると、その時の探知信号39Bが前回の探知信号39Aと加算されて、領域38Aに書込まれ、次に送受波器11Cの励振により得られた探知信号39Cが領域38Aの信号と加算されて領域38Aに書込まれる。領域38Aには探知信号39A,39B,39Cが加算され、1つの探知信号39が得られる。
【0017】
この探知信号39は海底検出部41及びターゲット自動検出部42へ供給される。海底検出部41は乱数発生部22よりの0位置信号(発信信号)とその入力されて探知信号39から海底位置を検出する。この検出は従来の魚群探知機で行われている手法と同様に行われる。ターゲット自動検出部42は前記0位置信号と検出海底位置信号との間の探知信号39中から魚群などの物標からの反射信号を検出し、その検出した各物標反射波信号ごとにそのタイミングでまた対応する時間だけアナログスイッチ43を開にする自動ゲート信号を生成する。
【0018】
バッファメモリ38よりの探知信号39はBスコープ映像化処理部44で処理され、更にビデオ信号変換部45を通じてラスタスキャン表示器46へ供給され、例えば表示面に上下方向へ1本の表示線に1探知信号39が表示され、その表示線が表示面の左右の一端より他端にないものから順に表示される。例えば図6に示すように通常の魚群探知機における表示が得られる。この表示には発信線表示47、水底像48、魚群像49が表示される。
【0019】
操作員はこの表示画像を見て最新データにおける、例えば魚群像49の右端にカーソルを位置させてヒットすることによりターゲット手動検出部51から魚群反射位置、その長さと対応した手動ゲート信号が生成され、これら手動、自動切換スイッチ50により自動ゲート信号と切換えられてアナログスイッチ43へ供給される。
【0020】
アナログスイッチ43は物標からの反射波が受信されている間オンとされ、これを受信前置増幅器24の出力が通過され、AGC回路52へ供給され、更に後段増幅器53で増幅された後検波器54で検波される。この検波出力のピークがピーク検出器55で検出され、この検出出力に応じてAGC制御部56によりAGC回路52の利得が制御され、受信信号のレベルの変化範囲がほぼ一定とされるが、送受波器11A,11B,11Cの各受波信号中の最も高いレベルの信号に対してAGC制御が行われ、それ以外の受波信号に対しては最も高いレベルの信号に対して制御された利得に保持される。つまり3つの送受波器11A,11B,11Cによる同一物標からの反射波の受波信号中の、最も強い信号レベルが飽和しない基準レベルになるようにAGCがかけられ、そのAGC感度(利得)で他の送受波器の受波信号も増幅され、これら送受波器11A,11B,11Cの同一物標からの反射波の受波レベル差が、最大縮尺率で計測される。
【0021】
検波器54の検波出力はA/D変換器57でデジタル信号に変換され、そのデジタル信号の物標反射波受波信号は送受波器11A,11B,11Cの受波信号別に切換器58で切換えられてバッファメモリ59の領域59A,59B,59Cに物標信号61A,61B,61Cとして記憶される。このようにして、同一物標からの物標信号61A,61B,61Cはその物標の方向に応じて互いに異なる受信レベルとなる。ターゲット位置方位計算部62でバッファメモリ59よりの物標信号から同一物標について先に述べた手法により、その物標の位置又は方向が計算され、その計算結果が、模式図化し、又は方位、距離、深度など数値化して表示器46に表示される。
【0022】
例えば図6において、表示面上の物標像がない部分に上側の魚群像491 に対し、円とその中心を通る直交線の座標像64とその原点位置の縦軸と平行した船像65に対し、魚群像49の検出位置が丸点像66のブリンキング表示とされ、かつ、その魚群探知機を装備した魚船の船首方向に対する魚群像49の魚群の方位θと、魚船からその魚群までの距離Rと、魚群補正の深度Dとの数値表示67が、座標表示64の近くになされる。同様に下側の魚群像492 に対し、座標表示64′、船像65′に検出した船首方向に対する方位表示68と、その方位のθ′の数値表示67′が行われる。魚群像492 は送受波器11A,11B,11C中の2つから反射波を受波できず、位置の検出ができなかった場合である。
【0023】
この魚船に取付けられた傾斜センサ71の出力が傾斜センサ処理部72に入力され、魚船が規定の角度より傾斜して、物標反射信号61A,61B,61Cのレベルが変化して正確に位置、方位を計算できない状態になると、ターゲット位置方位計算部62の計算を中止させ、あるいは傾斜センサ71で検出した傾き角度、傾き方位に応じて、ターゲット位置方位計算部62での計算を補正するようにする。
【0024】
図5中の切換器28,57を省略し、かつ送信部21A,21B,21Cから互いに異なる周波数の超音波パルスで同時に送受波器11A,11B,11Cを励振する場合の例を図7に図5と対応する部分に同一符号を付けて示す。この場合は送信制御部22により送信部21A,21B,21Cに対し同時に送信制御がなされ、電子減衰器25A,25B,25Cの出力はそれぞれ前置増幅器24A,24B,24Cへ供給され、これより、手動底度調整手段33′により調整される電子減衰器81A,81B,81Cへ供給され、更に後段増幅器34A,34B,34Cを通じて、検波器35A,35B,35Cへ供給され、それぞれ検波され、これら検波出力は加算回路82で電圧加算されてA/D変換器36へ供給され、これよりデジタルの探知信号39が得られる。つまり図6中の加算器37、バッファメモリ38は省略される。
【0025】
また前置増幅器24A,24B,24Cの各出力はアナログゲート43A,43B,43Cに分岐供給され、これよりそれぞれ、AGC回路52A,52B,52C、更に後段増幅器53A,53B,53Cをそれぞれ通して検波器54A,54B,54Cで検波され、これら検波出力はピーク検出回路55へ供給されると共に、A/D変換器57A,57B,57Cへ供給され、これらA/D変換出力がターゲット位置方位計算部62へ供給される。この図7の構成はハードウェア規模が図6に示したものより大になるが、高速の探査が可能である。
【0026】
送受波器11A,11B,11Cの各受波レベルの相対値は、深度に関係しない、つまり、2つの受波レベルの差で決まる方向(方位)は比でみれば、距離に関係しないで、一定であり、同様に3つの受波レベルの比でみれば、これにより決る位置の相対関係は深度に関係なく、つまり、深度が深くなれば、これに比例して、隣接位置の間隔が大となるだけで、相対関係はかわりない。従って、送受波器11A,11B,11Cの各受信レベルの相対比と、相対位置を予め求めておき、これをメモリに記憶しておき、そのメモリを物標信号61A,61B,61Cの相対比で読み出し、相対位置を求め、その相対位置を、その物標の深度により絶対位置に変換するようにしてもよい。同様に2つの物標信号61Aと61B、61Bと61C、61Cと61Aの各相対比と方向(方位)との関係を予め求め、これをメモリに記憶しておき、このメモリと検出した2つの物標信号の相対比で読出して方向を決定してもよい。
【0027】
上述において送受波器を4つ以上設けてもよい。上述では2又は3つの送受波器を鉛直線13を中心として各送受波器の送受波面の中心法線が1点で交差するように配したが、この交差点をわずかずらすことにより、水平面内で直線的に配置してもよい。その実施例を図10に示す。図2A、図3Aに示した配置関係の例えばランジュバン振動子よりなる送受波器11A,11B,11Cをそれぞれの角度姿勢を保持したまま、送受波器11Aの両側に送受波器11B,11Cを配し、これらがほぼ水平面内でほぼ一直線上に、その送受波面の中心点が位置するように配置する。
【0028】
この場合、送受波器11Aの送受波面中心を通る鉛直線13に対し、その両側の送受波器11B(11C)の法線12Bは図11A,Bの破線で示すように、水平方向に前記中心間の距離Rcだけずれる。送受波面の各中心間の距離Rc(図10)は例えば15cm程度である。各送受波器の送受波面の水平線に対する角度、前記例では20°に保持されているため、鉛直線13と法線12B(12C)とのなす角度は変わらないため、図2A,図3Aの配置状の鉛直線13と法線12Bとの関係が図11A,Bに実線で示す状態から、破線で示す状態に、水平方向にRcだけずれるだけであり、このずれは深さが10mでも100mでも同じである。従って図10の右に示したように直線状に配置して前述のように検出方向を測定した場合の測定誤差は、深さの大きさに関わらず一定で、Rc、前記例では15cmに過ぎず、この程度の誤差は実質的には無視できる。
【0029】
図2A,図3Aに示したように送受波器11A,11B,11Cを円形配置した場合は、その全体としての送受波器101は図12Bに示すように厚みのある円板状のモールド品とされるが、図10の右側に示すように直線状に配置した場合の全体としての送受波器102は図13Bに示すように細長の長方体状のモールド品と構成される。従って、この送受波器102を、例えば漁船に対し、その船首方向、つまり進行方向と平行になるように取付けられると、図12Bの送受波器101と比較して、体積が3割程度小とすることができ、かつ液体抵抗が小さい。
【0030】
このように送受波器をほぼ水平でほぼ直線的に配置する適用例は送受波器の数が3個に限らず、2個、4個以上でもよい。また送受波器をほぼ水平面内でほぼ直線状に配列する場合に限らず、ほぼ鉛直面内で、ほぼ直線状に配列してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、機械的走査をさせないで、物標の方位、位置を検出することができ、可動部のない安定度が高いものが得られる。
また電子走査をさせないで物標の方位、位置を検出できるので、電子回路が簡単になり、設計が容易であって、送受波器において位相合成などの処理を必要とせず、送受波器の配線なども簡単になる。従来の何れの走査方式より小形かつ安価に構成することができる。
【0032】
サイドローブの少ない送受波器を用いるので偽像がほとんどなく、誤った判断が少ない。
各探知信号を1本の表示線として表示し、その表示線を配列する。Bスコープ表示をすることができ、従来の記録紙による記録表示形式になれている操作員に見易い表示を行うことができ、しかも物標の位置、方位を検出することができる。
【0033】
広い超音波ビームの送受波器を複数用いるため、その合成ビームの指向角は前記具体例では80°にもおよび、従来のサイドスキャンニングソナーと同程度の探査範囲を探索することができ、探査漏れが少ない。
本船とこれに対する物標の位置の相対関係を模式図で表示することにより、読み取りに熟練を要しない、かつ物標の移動方向も知ることができる。また、数値表示により正確な値を知らせることができる。
【0034】
送受波器の合成指向角が極めて広いため、水底の地質の判断が可能となる。つまり狭い指向角の送受波器を用いた場合は図8Aに示すように超音波の水底92への到達時間差はそのビームの軸心91aと周辺91bとでわずかである。従って図8Bに示すように送信パルス93のパルス幅Tcと、ほぼ等しいパルス幅Tcの反射波94が受波される。水底92が岩盤の場合はその反射波94の受波レベルが大きなものとなる。水底92が砂地の場合は図9Cに示すように反射波94の幅は同様にTcであるが、受波レベルが小さくなる。しかし、これら図8B,Cの両反射波の差により地質を推定することは比較的困難である。
【0035】
しかし、超音波ビーム91が広角の場合は図9Aに示すように、超音波ビーム9の中心91aと周辺91bとで超音波が水底92に到達する時間に比較的大きな差Tbが生じる。このため、水底92が岩盤の場合は、反射波94の波形は図9Bに示すように急に大きく立上り、送信パルス幅Tcの後に徐々に低下した後、Tcだけ一定値を保持して、立下るものとなる。一方水底92が砂地の場合は、砂地中に超音波が入り大きく減衰し、その減衰は中心線91aよりも周辺91bの方が著しく、反射波94は図9Cに示すように、レベルが小さく、図9Bの反射波94のあるレベル以上に相当する部分の波形となる。従って、この図9B,Cの両反射波94の波形が図8B,Cの場合と比較して、大きく相違し、反射波94の波形により水底92の地質を推定することができる。
【0036】
更に、図10に示したように送受波器を直線状に配列すると、円形配置の場合より3割程度小さくなり、それだけ水の抵抗が小となり、例えばこの魚群探知機が取付けられる船体の船首方向、つまり進行方向と平行にすることにより、水の抵抗を著しく小さくすることができる。
またランジュバン振動子の場合は、一般の直線配列のモールドであり、方向検出可能な魚群探知機用送受波器でも同じ型を用いて作ることができ、安価に構成することができる。
【0037】
更に直線状であるため、方向検出可能な魚群探知機用送受波器の特徴である送受波器取付けの際の方向が見分け易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは広い指向角の超音波ビーム特性をもつ超音波送受波器の例を示す図、Bはその指向角特性を示す図である。
【図2】Aは超音波ビームを一部重ねた2つの送受波器の配置例を示す図、Bはその指向角特性を示す図、Cは同図B中の物標P1 〜P7 に対する両ビームの感度を示す図である。
【図3】Aは超音波ビームを互いに一部重ねた3つの送受波器の配置例を示す図、Bはその3つの超音波ビームの模式図である。
【図4】Aは図3Bの水深100mでの各超音波ビームの等感度(等音圧)曲線及び位置検出領域を示す図、Bは送受波器位置とその法線の水深100mでの鉛直線に対する距離の関係を示す図、Cは図3Bにおける物標位置検出領域、物標方位検出領域、物標概略方位検出領域を示す図である。
【図5】この発明の実施例の機能構成を示すブロック図。
【図6】図5中の表示器46の表示例を示す図。
【図7】この発明の他の実施例の機能構成を示すブロック図。
【図8】Aは狭角ビームによる水底探査を示す図、Bは送信パルスと反射波を示す図、Cは反射波の他の例を示す図である。
【図9】Aは広角ビームによる水底探査を示す図、Bは送信パルスと反射波を示す図、Cは反射波の他の例を示す図である。
【図10】送受波器の円形配列と直線状配列と配置関係例を示す図。
【図11】送受波器の円形配列と直線状配列とにおける鉛直線と送受波器の法線方向の関係を示す図。
【図12】Aは送受波器の円形配列を示す図、Bはその全体を示す斜視図である。
【図13】Aは送受波器の直線状配置を示す図、Bはその全体を示す斜視図である。

Claims (2)

  1. 或る平面を基準に、略直線的に配列された3個以上の超音波送受波器と、
    上記各超音波送受波器から超音波を放射させる手段と、
    超音波を受けた物標からの反射波の、当該超音波が放射された放射送受波器での受波レベルを検出する手段と、
    同一物標からの反射波に対する上記各超音波送受波器の相対的受波レベルの差から上記物標の方向及び/又は位置を求める手段と
    を備え、
    上記各超音波送受波器は、
    各超音波送受波器の超音波送受波面の法線が上記平面の法線上の1点でほぼ交わり、かつ、各超音波送受波器の任意の異なる2つの超音波送受波器の各指向性ビームは重なり合いを有するとして上記平面の上記法線を中心軸とした当該平面上の円周上に等角間隔に配された配置から、各超音波送受波器の送受波面と上記平面との角度を保ったまま、重複せずに略直線的に並べ替えて配列され、
    略直線的に配列された状態において、上記各超音波送受波器の任意の異なる2つの超音波送受波器の各指向性ビームは重なり合いを有する
    ことを特徴とする方向検出可能魚群探知機。
  2. 上記各超音波送受波器の受波レベルをそれぞれ検波する検波手段と、
    検波手段から出力された検波出力を合成する合成手段と、
    合成手段によって合成された各超音波ごとの検波出力の合成信号を1本の表示線として表示し、その表示を新旧の順に配列したBスコープ表示と、原点に船の図形を配した座標と、その座標に上記求めた物標位置を示す像及び上記求めた方向を示す線を示す表示とを行う表示器と備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の方向検出可能魚群探知機。
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