JP7364926B2 - 軸封構造、圧縮機および冷凍装置 - Google Patents

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Description

本開示は、軸封構造、圧縮機および冷凍装置に関する。
従来から、遠心圧縮機において、電動機の駆動軸周りには、圧縮機構の動作により昇圧される高圧部分とその他の部分との圧力差を仕切るための軸封構造が設けられる。一般的に、軸封構造としては、ラビリンスシールが採用される(例えば、特許文献1参照)。ラビリンスシールは、リング形状を有する金属製のシール部材によって形成される。シール部材の内周面には、複数の凸部(フィン)が駆動軸に沿う方向に間隔をあけて設けられる。それら各凸部と駆動軸の外周面との間には、所定の隙間が設定される。
特開2010-14051号公報
遠心圧縮機においては、過渡的な条件下で駆動軸に半径方向への力が作用し、駆動軸が半径方向へ変位することがある。また、遠心圧縮機が運転時に高温になると、軸封構造にも熱膨張を生じる。これらのことから、軸封構造としてラビリンスシールを採用する場合、ラビリンスシールを形成するシール部材の各凸部と駆動軸とが干渉しないように、シール部材の各凸部と駆動軸との間の隙間を比較的大きく設定する必要がある。そのため、ラビリンスシールの隙間を通じて遠心圧縮機の高圧側から低圧側にガスが比較的多く漏れる。
本開示の目的は、軸封構造での流体の漏れ量を低減することにある。
本開示の第1の態様は、軸封構造(90)を対象とする。第1の態様に係る軸封構造(90)は、回転軸(41)が挿通される挿通孔(92)を有するハウジング(91)と、前記挿通孔(92)に収容された、可撓性を有する円筒状の薄板(93)と、前記ハウジング(91)と前記薄板(93)との間に配置され、前記薄板(93)を弾性的に支持する支持体(97)とを備える。前記薄板(93)の内周面は、前記回転軸(41)に対向して、該回転軸(41)との間に隙間(G2)を形成する。前記支持体(97)は、前記回転軸(41)に沿う方向への流体の流れを抑制する。
第1の態様では、円筒状の薄板(93)がハウジング(91)の挿通孔(92)内で支持体(97)により外周側を弾性的に支持される。回転軸(41)が半径方向へ変位すると、薄板(93)が適応的に撓む。撓んだ薄板(93)は、回転軸(41)の位置が戻ると、支持体(97)の支持により復帰する。こうして、回転軸(41)と薄板(93)との間の隙間(G2)が確保される。よって、回転軸(41)と薄板(93)との間の隙間(G2)の幅(d2)を小さくできる。そして、支持体(97)は、ハウジング(91)と薄板(93)との間で回転軸(41)に沿う方向への流体の流れを抑制する。したがって、軸封構造(90)での流体の漏れ量を低減できる。
本開示の第2の態様は、第1の態様の軸封構造(90)において、前記支持体(97)がメッシュ部材(110)によって構成される、軸封構造(90)である。
第2の態様では、支持体(97)がメッシュ部材(110)によって構成される。メッシュ部材(110)を構成する線材の密度が高いほど、支持体(110)を回転軸(41)に沿う方向へ流れる流体の量が低減される。軸封構造(90)での流体の漏れ量は、メッシュ部材(110)を構成する線材の密度に応じて調整できる。
本開示の第3の態様は、第1の態様の軸封構造(90)において、前記支持体(97)が、前記薄板(93)を受ける複数のばね要素(101)が設けられた円筒状の弾性部材(100)と、該弾性部材(100)と前記ハウジング(91)および前記薄板(93)との間に充填された柔軟な充填材(105)とによって構成される、軸封構造(90)である。
第3の態様では、支持体(97)が弾性部材(100)と充填材(105)とによって構成される。薄板(93)は、弾性部材(100)に設けられた複数のばね要素(101)により弾性的に支持される。弾性部材(100)とハウジング(91)との間および弾性部材(100)と薄板(93)との間には、充填材(105)が充填されるので、それらの隙間を通じて流体が流れるのを阻害できる。また、充填材(105)は、柔軟なため、薄板(93)の撓みに応じて変形する。よって、回転軸(91)が半径方向へ変位したときには、その回転軸(91)の変位に薄板(93)を追随させて撓ませ、回転軸(91)と薄板(93)との間の隙間(G2)を応答性よく確保できる。
本開示の第4の態様は、第1の態様の軸封構造(90)において、前記支持体(97)が、メッシュ部材(110)と、該メッシュ部材(110)の空隙に充填された柔軟な充填材(115)とによって構成される、軸封構造(90)である。
第4の態様では、支持体(97)がメッシュ部材(110)と充填材(115)とによって構成される。メッシュ部材(110)の隙間には、充填材(115)が充填されるので、メッシュ部材(110)の隙間を流体が流れるのを阻害できる。また、充填材(115)は、柔軟なため、薄板(93)の撓みに応じて変形する。よって、回転軸(41)が半径方向へ変位したときには、その回転軸(41)の変位に薄板(93)を追随させて撓ませ、回転軸(41)と薄板(93)との間の隙間(G2)を応答性よく確保できる。
本開示の第5の態様は、圧縮機(2)を対象とする。第5の態様に係る圧縮機(2)は、第1~第4の態様のいずれか1つの軸封構造(90)と、前記軸封構造(90)によって軸封された前記回転軸(41)を有する電動機(40)と、前記電動機(40)の駆動により吸入した流体を圧縮する圧縮機構(50)と、前記圧縮機構(50)との間に前記軸封構造(90)を介する前記電動機(40)の回転子(42)側の位置に設けられ、前記回転軸(41)を外周で回転可能に支持する軸受(60)とを備える。
第5の態様では、上述した軸封構造(90)が圧縮機構(50)と軸受(60)との間に配置される。圧縮機(2)おいて、運転時には、圧縮機構(50)が設けられた側が相対的に高圧側、電動機(40)の回転子(42)側が相対的に低圧側となる。圧縮機(2)の高圧側から低圧側への流体の漏れ量は、軸封構造(90)により低減される。そのことで、回転子(42)が配置される空間の圧力が高まるのを抑制できる。これにより、電動機(40)での撹拌損失(風損)を小さくして、圧縮機(2)の性能を高めることができる。
本開示の第6の態様は、第5の態様の圧縮機(2)において、前記軸受(60)に冷却ガスを供給するガス流路(120)が設けられる、圧縮機(2)である。
第6の態様では、冷却ガスがガス流路(120)を通じて軸受(60)に供給される。軸受(60)は、ガス流路(120)を通じて供給される冷却ガスにより冷却される。これにより、軸受(60)に焼き付きが生じるのを抑制できる。
本開示の第7の態様は、第5または第6の態様の圧縮機(2)において、前記軸受(60)がフォイル気体軸受(80)である、圧縮機(2)である。前記フォイル気体軸受(80)は、可撓性を有するトップフォイル(83)を備え、前記トップフォイル(83)と前記回転軸(41)との間に隙間(G1)を形成し、前記隙間(G1)に生じるガス膜(89)により前記回転軸(41)を支持する。
第7の態様では、回転軸(41)を外周で支持する軸受(60)にフォイル気体軸受(80)を採用する。フォイル気体軸受(80)は、トップフォイル(83)で軸受面(84)を構成し、軸受面(84)の撓みを許容しながら荷重を支持する。回転軸(41)が回転すると、ガスがトップフォイル(83)と回転軸(41)との間の隙間(G1)に引き込まれてガス膜(89)が生じる。このガス膜(89)は、回転軸(41)をトップフォイル(83)の軸受面(84)から浮かせる。それにより、軸受(60)は、回転軸(41)を非接触で回転可能に支持する。このようなフォイル気体軸受(80)は、回転軸(41)の回転に伴い軸受面(84)に生じる摩擦熱および軸受面の摩耗量を低減するのに有利であるから、高速で回転する電動機(40)の回転軸(41)を支持する軸受(60)として好適である。
本開示の第8の態様は、第7の態様の圧縮機(2)において、前記軸封構造(90)の前記薄板(93)と前記回転軸(41)との間の隙間(G2)の幅(d2)が、前記軸受(60)の前記トップフォイル(83)と前記回転軸(41)との間の隙間(G1)の幅(d1)よりも広く設定される、圧縮機(2)である。
第8の態様では、軸封構造(90)の薄板(93)と回転軸(41)との間の隙間(G2)の幅(d2)が軸受(80)のトップフォイル(83)と回転軸(41)との間の隙間(G1)の幅(d1)よりも広く設定される。そのことで、軸封構造(90)での回転軸(41)の回転に伴う発熱が小さくなる。これにより、軸封構造(90)に焼き付きが生じるのを抑制できる。
本開示の第9の態様は、第5~第8の態様のいずれか1つの圧縮機(2)において、前記回転軸(41)の前記薄板(93)と対向する外周面に、当該回転軸(41)の回転に伴い前記回転子(42)側から前記圧縮機構(50)側へガスが流れることで動圧を発生させる動圧溝(130a,130b)が形成される、圧縮機(2)である。
第9の態様では、回転軸(41)の薄板(93)と対向する外周面に動圧溝(140)が形成される。回転軸(41)が回転すると、ガスが動圧を発生させるように動圧溝(140)を回転子(42)側から圧縮機構(50)側へ流れる。それにより、回転軸(41)の回転に応じて圧縮機(2)の低圧側から高圧側にガスを押し戻すようにできる。このことは、圧縮機(2)に設けられた軸封構造(90)でのガスの漏れ量を低減するのに有利である。
本開示の第10の態様は、第5~第9の態様のいずれか1つの圧縮機(2)において、前記薄板(93)の内周面に、前記回転軸(41)の回転に伴い前記回転子(42)側から前記圧縮機構(50)側へガスが流れることで動圧を発生させる動圧溝(140a,140b)が形成される、圧縮機(2)である。
第10の態様では、薄板(93)の内周面に動圧溝(140)が形成される。回転軸(41)が回転すると、ガスが動圧を発生させるように動圧溝(140)を回転子(42)側から圧縮機構(50)側へ流れる。それにより、回転軸(41)の回転に応じて圧縮機(2)の低圧側から高圧側にガスを押し戻すようにできる。このことは、圧縮機(2)に設けられた軸封構造(90)でのガスの漏れ量を低減するのに有利である。
本開示の第11の態様は、第5~第10の態様のいずれか1つの圧縮機(2)において、前記薄板(93)と前記支持体(97)とが全周に亘って接する、圧縮機(2)である。
第11の態様では、薄板(93)と支持体(97)とが全周に亘って接する。そうすると、薄板(93)と支持体(97)との間では、流体が回転軸(41)に沿う方向へ流れる流路を閉ざすことができる。このことは、軸封構造(90)での流体の漏れ量を低減するのに有利である。
本開示の第12の態様は、遠心圧縮機(2)を構成する、第5~第11の態様のいずれか1つの圧縮機(2)である。
第12の態様では、圧縮機(2)が遠心圧縮機(2)である。遠心圧縮機(2)では、圧縮機構(50)がインペラ(51,52)を含んで構成される。遠心圧縮機(2)のインペラ(51,52)が収容されるインペラ室(23,24)は、インペラ(51,52)の回転により昇圧され、相対的に高圧となる。このため、電動機(40)が収容される電動機室(26)とインペラ室(23,24)との間の圧力差を仕切るシールが必要である。そうしたシールとして、上述した軸封構造(90)を有効に利用できる。
本開示の第13の態様は、第5~第12の態様のいずれか1つの圧縮機(2)において、前記ガスが、HFC冷媒、HFO冷媒、HFC冷媒とHFO冷媒との混合冷媒、CF3I冷媒、二酸化炭素冷媒、および炭化水素冷媒のうちいずれか1つである、圧縮機(2)である。
第13の態様では、圧縮機(2)により圧縮されるガスがHFC冷媒などの冷媒である。そうした冷媒を圧縮する圧縮機(2)においても、上述した軸封構造(90)を有効に利用できる。
本開示の第14の態様は、冷凍装置(1)を対象とする。第14の態様に係る冷凍装置(1)は、第5~第13の態様のいずれか1つの圧縮機(2)を備える。前記圧縮機(2)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を構成する。
第14の態様では、上述した圧縮機(2)が冷媒回路(10)に用いられる。このことは、冷凍装置(1)で行われる冷凍サイクルの高効率化に寄与する。
図1は、実施形態1の冷凍装置が備える冷媒回路の概略の構成図である。 図2は、実施形態1の圧縮機の概略構成を例示する縦断面図である。 図3は、実施形態1の圧縮機の要部を例示する縦断面図である。 図4は、図3のIV-IV線におけるラジアル軸受の概略構成を例示する横断面図である。 図5は、図3のV-V線における軸封構造の概略構成を例示する横断面図である。 図6は、実施形態2の軸封構造を例示する図5に相当する箇所の横断面図である。 図7は、実施形態3の軸封構造を例示する図5に相当する箇所の横断面図である。 図8は、第1変形例の遠心圧縮機が備える駆動軸の外周面に形成された動圧溝を例示する要部の断面図である。 図9は、第2変形例の軸封構造が備える薄板の内周面に形成された動圧溝を例示する要部の断面図である。 図10は、第3変形例の圧縮機の概略構成を例示する縦断面図である。
以下、例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の実施形態では、本開示の軸封構造を圧縮機に適用した場合を例に挙げる。なお、図面は、本開示を概念的に説明するためのものである。よって、図面では、本開示の技術の理解を容易にするために寸法、比または数を、誇張あるいは簡略化して表す場合がある。
《実施形態1》
図1に示すように、本開示の圧縮機(2)は、冷凍装置(1)に設けられる。
-冷凍装置-
冷凍装置(1)は、冷媒回路(10)を有する。冷媒回路(10)には、冷媒が充填される。本例の圧縮機(2)で圧縮される流体は、冷媒である。例えば、冷媒は、HFC(Hydro Fluoro Carbon)冷媒、HFO(Hydro Fluoro Olefin)冷媒、HFC冷媒とHFO冷媒との混合冷媒、CF3I(Trifluoroiodomethane)冷媒、二酸化炭素冷媒、および炭化水素冷媒のうちいずれか1つである。
冷媒回路(10)は、主回路(11)、副回路(12)、分岐回路(13)および戻り回路(14)を含む。主回路(11)は、主配管(11a)と、圧縮機(2)と、放熱器(凝縮器)(3)と、第1減圧機構(4)と、蒸発器(5)とを備える。圧縮機(2)、放熱器(3)、第1減圧機構(4)および蒸発器(5)は、主配管(11a)によって直列に接続される。第1減圧機構(4)は、例えば膨張弁である。主回路(11)は、冷媒を循環させて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
冷凍サイクルでは、圧縮機(2)によって圧縮されたガス冷媒が、放熱器(3)において空気に放熱する。このとき、ガス冷媒は、液化して液冷媒に変化する。放熱した液冷媒は、第1減圧機構(4)によって減圧される。減圧された液冷媒は、蒸発器(5)において蒸発する。このとき、液冷媒は、気化してガス冷媒に変化する。蒸発したガス冷媒は、圧縮機(2)に吸入される。圧縮機(2)は、吸入したガス冷媒を圧縮する。
本例の圧縮機(2)は、二段圧縮式の遠心圧縮機(2)である。圧縮機(2)は、高圧インペラ室(23)と、低圧インペラ室(24)とを有する(図2参照)。高圧インペラ室(23)は、高圧側の圧縮室を構成する。低圧インペラ室(24)は、低圧側の圧縮室を構成する。圧縮機(2)は、高圧インペラ室(23)および低圧インペラ室(24)において、冷媒を二段階で圧縮する。
副回路(12)は、副配管(12a)を有する。副配管(12a)の一端は、圧縮機(2)の高圧インペラ室(23)に接続される。副配管(12a)の他端は、圧縮機(2)の低圧インペラ室(24)に接続される。副配管(12a)は、低圧インペラ室(24)の吐出側と、高圧インペラ室(23)の吸入側とを接続する。低圧インペラ室(24)で圧縮された冷媒は、副配管(12a)を通じて高圧インペラ室(23)に吸入される。
分岐回路(13)は、分岐配管(13a)と、第2減圧機構(6)と、ヒータ(7)を有する。分岐配管(13a)は、途中で2つに分岐する。具体的には、分岐配管(13a)は、分岐主管(13b)と、第1分岐管(13c)と、第2分岐管(13d)とを含む。分岐主管(13b)は、分岐配管(13a)の共通部分をなす配管であり、分岐配管(13a)の一端を構成する。この分岐配管(13a)の一端は、主配管(11a)における放熱器(3)と第1減圧機構(4)との間に接続される。
第1分岐管(13c)および第2分岐管(13d)はそれぞれ、分岐主管(13b)から分岐した配管であり、分岐配管(13a)の他端を構成する。第1分岐管(13c)がなす分岐配管(13a)の他端は、圧縮機(2)に設けられた冷却用の第1ガス流路(120A)の流入口に接続される。第2分岐管(13d)がなす分岐配管(13a)の他端は、圧縮機(2)に設けられた冷却用の第2ガス流路(120B)の流入口に接続される。
第2減圧機構(6)は、分岐主管(13b)に設けられる。第2減圧機構(6)は、例えば膨張弁である。ヒータ(7)は、分岐配管(13a)における第2減圧機構(6)よりも分岐側の分岐主管(13b)に設けられる。第2減圧機構(6)およびヒータ(7)は、分岐主管(13b)によって直列に接続される。
分岐主管(13b)を流れる液冷媒は、第2減圧機構(6)によって減圧される。減圧された液冷媒は、ヒータ(7)において加熱される。このとき、液冷媒は、気化してガス冷媒に変化する。このガス冷媒は、第1分岐管(13c)を通じて第1ガス流路(120A)に導入され、第2分岐管(13d)を通じて第2ガス流路(120B)に導入される。
戻り回路(14)は、戻り配管(14a)を有する。戻り配管(14a)は、途中で2つに分岐する。具体的には、戻り主管(14b)と、第1戻り管(14c)と、第2戻り管(14d)とを含む。戻り主管(14b)は、戻り配管(14a)の共通部分をなす配管であり、戻り配管(14a)の一端を構成する。この戻り配管(14a)の一端は、主配管(11a)における蒸発器(5)と圧縮機(2)との間に接続される。
第1戻り管(14c)および第2戻り管(14d)はそれぞれ、戻り主管(14b)から分岐した配管であり、戻り配管(14a)の他端を構成する。第1戻り管(14c)がなす戻り配管(14a)の他端は、圧縮機(2)に設けられた第1ガス流路(120A)の排出口に接続される。第2戻り管(14d)がなす戻り配管(14a)の他端は、圧縮機(2)に設けられた第2ガス流路(120B)の排出口に接続される。
この実施形態の冷凍装置(1)は、例えば空気調和装置である。空気調和装置は、冷房と暖房とを切り換える冷暖房兼用機であってもよい。この場合、冷媒回路(10)は、冷媒の循環方向を切り換える切替機構を有する。切換機構は、例えば四方切換弁である。空気調和装置は、冷房専用機または暖房専用機であってもよい。
また、冷凍装置(1)は、給湯器、チラーユニット、庫内の空気を冷却する冷却装置などであってもよい。冷却装置は、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナなどの内部の空気を冷却する装置である。
-圧縮機-
上述したように、圧縮機(2)は、冷媒回路(10)を構成する。圧縮機(2)は、低圧のガス冷媒を吸引し、そのガス冷媒を圧縮する。圧縮機(2)は、圧縮した後の高圧のガス冷媒を吐出する。なお、以下の説明においては、圧縮機(2)の駆動軸(41)に沿う方向を「軸方向」と称し、軸方向に垂直な方向を「径方向」と称し、駆動軸(41)の周囲に沿う方向を「周方向」と称する。
図2に示すように、圧縮機(2)は、ケーシング(20)と、電動機(40)と、圧縮機構(50)と、軸受(60)と、軸封構造(90)とを備える。
〈ケーシング〉
ケーシング(20)は、両端が閉塞された概ね円筒状の密閉容器である。ケーシング(20)は、その中心線が実質的に水平となる姿勢に設置される。ケーシング(20)は、軸方向に延び、内部空間(S)を有する。ケーシング(20)の内部空間(S)は、軸方向における一方側で第1壁部(21)によって区画され、軸方向における他方側で第2壁部(22)によって区画される。
内部空間(S)において、第1壁部(21)によって軸方向における外側に区画された一方側の空間は、高圧インペラ室(23)を構成する。内部空間(S)において、第2壁部(22)によって軸方向における外側に区画された他方側の空間は、低圧インペラ室(24)を構成する。これら高圧インペラ室(23)の外周部と低圧インペラ室(24)の外周部にはそれぞれ、圧縮空間(25)が形成される。
内部空間(S)において、第1壁部(21)および第2壁部(22)によって軸方向における内側に区画された中間の空間は、電動機室(26)を構成する。電動機室(26)は、高圧インペラ室(23)と、低圧インペラ室(24)との間に位置する。圧縮機(2)の運転時においては、高圧インペラ室(23)と、低圧インペラ室(24)と、電動機室(26)とに、互いに圧力差が生じる。
ケーシング(20)には、第1吸入流路(27)と、第1吐出流路(28)と、第2吸入流路(29)と、第2吐出流路(30)とが設けられる。ケーシング(20)にはさらに、冷却ガスを軸受(60)に供給する冷却用のガス流路(120)が設けられる。本例の冷却ガスは、分岐回路(13)を通じて圧縮機(2)に供給されるガス冷媒である。冷却用のガス流路(120)については後述する。
第1吸入流路(27)および第1吐出流路(28)は、ケーシング(20)の一方側の端部に形成される。第1吸入流路(27)の一端は、副配管(12a)に接続される。第1吸入流路(27)の他端は、高圧インペラ室(23)の中央部分に開口する。第1吐出流路(28)の一端は、高圧インペラ室(23)の圧縮空間(25)に繋がる。第1吐出流路(28)の他端は、主配管(11a)に接続される。
第2吸入流路(29)および第2吐出流路(30)は、ケーシング(20)の他方側の端部に形成される。第2吸入流路(29)の一端は、主配管(11a)に接続される。第2吸入流路(29)の他端は、低圧インペラ室(24)の中央部分に開口する。第2吐出流路(30)の一端は、低圧インペラ室(24)の圧縮空間(25)に繋がる。第2吐出流路(30)の他端は、副配管(12a)に接続される。
〈電動機〉
電動機(40)は、圧縮機構(50)の駆動源である。電動機(40)は、電動機室(26)に収容される。電動機(40)は、例えば永久磁石同期型モータ(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)である。電動機(40)は、駆動軸(41)と、回転子(42)と、固定子(43)とを有する。電動機(40)は、駆動軸(41)の軸心(X)の方向(軸方向)が水平向きとなる姿勢に設けられる。駆動軸(41)は、回転軸の一例である。
駆動軸(41)は、ケーシング(20)の中心軸に沿う方向に内部空間(S)を延びる。駆動軸(41)は、第1壁部(21)および第2壁部(22)にそれぞれ形成された挿通孔(31)に挿通される。駆動軸(41)の一端部は、高圧インペラ室(23)に位置する。駆動軸(41)の他端部は、低圧インペラ室(24)に位置する。駆動軸(41)は、圧縮機構(50)を駆動するための棒状部材である。駆動軸(41)は、軸封構造(90)によって軸封される。
回転子(42)は、概ね円筒状に形成される。回転子(42)には、駆動軸(41)が挿通される。回転子(42)は、駆動軸(41)に固定される。回転子(42)は、駆動軸(41)と実質的に同軸に配置される。回転子(42)には、複数の永久磁石が設けられる。回転子(42)は、駆動軸(41)と一体に回転する。
固定子(43)は、概ね円筒状に形成される。固定子(43)は、回転子(42)の外周を囲うように配置される。固定子(43)は、ケーシング(20)の内壁に固定される。固定子(43)は、鋼板を積層するなどして磁性材料で構成される。固定子(43)には、コイルが巻き付けられる。固定子(43)の内周面は、回転子(42)の外周面と径方向に所定の隙間(エアギャップ)を隔てて対向する。
電動機(40)は、回転子(42)と固定子(43)との間における磁束と電流との相互作用により、駆動軸(41)を回転させる。回転子(42)および固定子(43)は、電動機室(26)を第1空間(S1)と第2空間(S2)とに区画する。第1空間(S1)は、高圧インペラ室(23)側の空間である。第2空間(S2)は、低圧インペラ室(24)側の空間である。
本例の駆動軸(41)には、スラストプレート(44)が設けられる。スラストプレート(44)は、第1空間(S1)の高圧インペラ室(23)寄りに位置する。スラストプレート(44)は、駆動軸(41)の本体(41a)から径方向における外側へ延びる円環状に形成される。スラストプレート(44)は、駆動軸(41)の本体(41a)とは別部品によって構成される。スラストプレート(44)は、駆動軸(41)の本体(41a)の一体に構成されてもよい。
〈圧縮機構〉
圧縮機構(50)は、電動機(40)の駆動により吸入したガス冷媒を圧縮する。圧縮機構(50)は、高圧インペラ(51)と、低圧インペラ(52)とを有する。高圧インペラ(51)は、高圧インペラ室(23)に収容される。高圧インペラ(51)は、駆動軸(41)の一端部に固定される。低圧インペラ(52)は、低圧インペラ室(24)に収容される。低圧インペラ(52)は、駆動軸(41)の他端部に固定される。
高圧インペラ(51)および低圧インペラ(52)はそれぞれ、複数のブレードを有し、概ね円錐形状に形成される。高圧インペラ(51)および低圧インペラ(52)は、駆動軸(41)と一体に回転する。高圧インペラ(51)が回転すると、高圧インペラ室(23)に吸入されたガス冷媒が遠心力により圧縮空間(25)で圧縮される。低圧インペラ(52)が回転すると、低圧インペラ室(24)に吸入されたガス冷媒が遠心力により圧縮空間(25)で圧縮される。
高圧インペラ室(23)は、高圧インペラ(51)の回転により昇圧される。そのことで、高圧インペラ室(23)の気圧は、相対的に高圧になる。このとき、電動機室(26)の気圧は、相対的に低圧になる。低圧インペラ室(24)は、低圧インペラ(52)の回転により昇圧される。そのことで、低圧インペラ室(24)の気圧は、電動機室(26)よりも高く且つ高圧インペラ室(23)よりも低い中間圧になる。
〈軸受〉
圧縮機(2)は、軸受(60)として、スラスト軸受(70)と、第1ラジアル軸受(80A)と、第2ラジアル軸受(80B)とを備える。スラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)は、第1保持部材(61)に保持される。第1保持部材(61)は、第1空間(S1)に配置される。第2ラジアル軸受(80B)は、第2保持部材(66)に保持される。第2保持部材(66)は、第2空間(S2)に配置される。
第1保持部材(61)は、概ね円板状に形成される。第1保持部材(61)の外周面は、ケーシング(20)の内壁に固定される。第1保持部材(61)の中央部分には、挿通孔(62)が形成される。挿通孔(62)には、駆動軸(41)が挿通される。第1保持部材(61)の挿通孔(62)周りには、筒状部(63)が設けられる。筒状部(63)は、第1保持部材(61)の回転子(42)側に位置する。
第1保持部材(61)は、第1空間(S1)を軸方向において2つの空間に区画する。一方の空間は、第1上流側流路(122a)を構成する。他方の空間は、第1下流側流路(123a)を構成する。第1上流側流路(122a)は、第1保持部材(61)に対して高圧インペラ室(23)側に位置する。第1下流側流路(123a)は、第1保持部材(61)に対して回転子(42)側に位置する。
第2保持部材(66)は、概ね円板状に形成される。第2保持部材(66)の外周面は、ケーシング(20)の内壁に固定される。第2保持部材(66)の中央部分には、挿通孔(67)が形成される。挿通孔(67)には、駆動軸(41)が挿通される。第2保持部材(66)の挿通孔(67)周りには、筒状部(68)が設けられる。筒状部(68)は、第2保持部材(66)の回転子(42)側に位置する。
第2保持部材(66)は、第2空間(S2)を軸方向において2つの空間に区画する。一方の空間は、第2上流側流路(122b)を構成する。他方の空間は、第2下流側流路(123b)を構成する。第2上流側流路(122b)は、第2保持部材(66)に対して低圧インペラ室(24)側に位置する。第2下流側流路(123b)は、第2保持部材(66)に対して回転子(42)側に位置する。
第1保持部材(61)の高圧インペラ室(23)側の端面には、第1収容部(64)が形成される。第1収容部(64)は、第1保持部材(61)の挿通孔(62)の開口周りが円環状に凹んだ凹所である。第1収容部(64)内には、スラストプレート(44)が位置する。スラスト軸受(70)は、スラストプレート(44)と関係した状態で第1収容部(64)に嵌め入れられ、第1保持部材(61)に固定される。
第1保持部材(61)の挿通孔(62)の内周面には、第2収容部(65)が形成される。第2収容部(65)は、径方向における外側へ円筒状に凹んだ凹所である。第2収容部(65)は、第1収容部(64)よりも回転子(42)側に位置する。第1ラジアル軸受(80A)は、第2収容部(65)に嵌め入れられる。第1ラジアル軸受(80A)は、第2収容部(65)内で第1保持部材(61)に固定される。
第1ラジアル軸受(80A)およびスラスト軸受(70)はそれぞれ、第1空間(S1)において駆動軸(41)周りに配置される。第1ラジアル軸受(80A)およびスラスト軸受(70)はいずれも、圧縮機構(50)(高圧インペラ(51))との間に第1軸封構造(90A)を介する回転子(42)側の位置に設けられる。第1ラジアル軸受(80A)およびスラスト軸受(70)はそれぞれ、駆動軸(41)を外周で回転可能に支持する。
第2保持部材(66)の挿通孔(67)の内周面には、第3収容部(69)が形成される。第3収容部(69)は、径方向における外側に向けて円筒状に凹んだ凹所である。第2ラジアル軸受(80B)は、第3収容部(69)に嵌め入れられる。第2ラジアル軸受(80B)は、第3収容部(69)内で第2保持部材(66)に固定される。
第2ラジアル軸受(80B)は、第2空間(S2)において駆動軸(41)周りに配置される。第2ラジアル軸受(80B)は、圧縮機構(50)(低圧インペラ(52))との間に第2軸封構造(90B)を介する回転子(42)側の位置に設けられる。第2ラジアル軸受(80B)は、駆動軸(41)を外周で回転可能に支持する。
〈スラスト軸受〉
本例のスラスト軸受(70)は、フォイル気体軸受である。図3に示すように、スラスト軸受(70)は、第1ベース部材(71)と、第1バックフォイル(72)と、第1トップフォイル(73)と、スペーサ(74)と、第2トップフォイル(75)と、第2バックフォイル(76)と、第2ベース部材(77)とを備える。第1ベース部材(71)および第2ベース部材(77)は、互いに組み合わせられて軸受ハウジング(78)を構成する。
軸受ハウジング(78)は、第1バックフォイル(72)、第1トップフォイル(73)、スペーサ(74)、第2トップフォイル(75)および第2バックフォイル(76)を収容する。第1トップフォイル(73)と第2トップフォイル(75)とは、スラストプレート(44)の軸方向における両側に配置される。第1バックフォイル(72)は、第1トップフォイル(73)と第1ベース部材(71)との間に配置される。第2バックフォイル(76)は、第2トップフォイル(75)と第2ベース部材(77)との間に配置される。
スペーサ(74)は、円環状に形成される。スペーサ(74)は、スラストプレート(44)の外周側に配置される。スペーサ(74)は、第1トップフォイル(73)と第2トップフォイル(75)との間に挟み込まれる。スペーサ(74)は、第1トップフォイル(73)と第2トップフォイル(75)との間隔を確保する。第1トップフォイル(73)および第2トップフォイル(75)はそれぞれ、円環状に形成される。第1トップフォイル(73)および第2トップフォイル(75)はいずれも、金属製の薄板からなり、可撓性を有する。
第1バックフォイル(72)および第2バックフォイル(76)はそれぞれ、円環状に形成される。第1バックフォイル(72)は、第1トップフォイル(73)を弾性的に支持する。第2バックフォイル(76)は、第2トップフォイル(75)を弾性的に支持する。第1バックフォイル(72)および第2バックフォイル(76)はいずれも、例えばバンプフォイルである。バンプフォイルは、柔軟なばね要素をなすように波板状に成形された金属製の薄板からなる。
第1トップフォイル(73)とスラストプレート(44)との間、および第2トップフォイル(75)とスラストプレート(44)との間にはそれぞれ、所定の隙間が設定される。駆動軸(41)が回転すると、第1トップフォイル(73)および第2トップフォイル(75)がそれぞれ回転軸(41)との間に隙間を形成し、ガスが第1トップフォイル(73)および第2トップフォイル(75)とスラストプレート(44)との間の隙間に引き込まれてガス膜を生じる。ガス膜は、駆動軸(41)を第1トップフォイル(73)および第2トップフォイル(75)から浮かせる。それにより、スラスト軸受(70)は、ガス膜により駆動軸(41)を非接触で支持する。
〈第1ラジアル軸受、第2ラジアル軸受〉
本例の第1ラジアル軸受(80A)および第2ラジアル軸受(80B)はいずれも、フォイル気体軸受である。第1ラジアル軸受(80A)および第2ラジアル軸受(80B)には、同じ構成のラジアル軸受(80)が用いられる。ラジアル軸受(80)の構成を、第1ラジアル軸受(80A)を例にして図4に示す。ラジアル軸受(80)は、軸受ハウジング(81)と、トップフォイル(83)と、バックフォイル(87)とを備える。
軸受ハウジング(81)は、円筒状に形成され、挿通孔(82)を有する。挿通孔(82)の中央部分には、駆動軸(41)が挿通される。軸受ハウジング(81)は、トップフォイル(83)およびバックフォイル(87)を収容する。トップフォイル(83)およびバックフォイル(87)は、挿通孔(82)内に配置される。バックフォイル(87)は、挿通孔(82)の内周側に位置する。トップフォイル(83)は、挿通孔(82)の中央側(駆動軸(41)側)に位置する。
トップフォイル(83)は、円筒状に形成される。トップフォイル(83)の内周面は、駆動軸(41)の外周面と対向し、軸受面(84)を構成する。トップフォイル(83)は、金属製の薄板からなり、可撓性を有する。トップフォイル(83)の周方向における一端部は、外周側に折り曲げられて突出する突出片(85)を構成する。突出片(85)の先端部には、周方向に曲げられた接合代(86)が設けられる。接合代(86)は、バックフォイル(87)に接合される。そのことで、トップフォイル(83)は、バックフォイル(87)に固定される。
バックフォイル(87)は、円筒状に形成される。バックフォイル(87)は、軸受ハウジング(81)とトップフォイル(83)との間に配置される。バックフォイル(87)は、スポット溶接などにより軸受ハウジング(81)に複数箇所で接合される。そのことで、バックフォイル(87)は、軸受ハウジング(81)に固定される。バックフォイル(87)は、トップフォイル(83)を弾性的に支持する。バックフォイル(87)は、例えばバンプフォイル(88)である。
バンプフォイル(88)は、柔軟なばね要素をなすように波板状に成形された金属製の薄板からなる。バンプフォイル(88)には、径方向における内側へ突出する複数の凸部(89)が設けられる。複数の凸部(89)は、周方向に互いに間隔をあけて配置され、波形状を形成する。各凸部(89)は、ばね要素を構成し、トップフォイル(83)を受ける。
バックフォイル(87)は、メッシュフォイルであってもよい。メッシュフォイルは、金属製のメッシュ部材によって構成される。このメッシュ部材は、金束子(金属ウール)のような線材の集合体からなる。
トップフォイル(83)と駆動軸(41)との間には、所定の隙間(G1)が設定される。当該隙間(G1)の幅(d1)は、例えば10μm~50μm程度である。駆動軸(41)が回転すると、トップフォイル(87)の内周面が回転軸(41)との間に隙間(G1)を形成し、ガスがトップフォイル(83)と駆動軸(41)との間の隙間(G1)に引き込まれてガス膜(89)を生じる。ガス膜(89)は、駆動軸(41)をトップフォイル(83)から浮かせる。それにより、ラジアル軸受(80)は、ガス膜(89)により駆動軸(41)を非接触で支持する。
〈軸封構造〉
図2に示すように、圧縮機(2)は、軸封構造(90)として、第1軸封構造(90A)と、第2軸封構造(90B)とを備える。第1軸封構造(90A)は、第1壁部(21)の駆動軸(41)周りの部分に設けられる。第2軸封構造(90B)は、第2壁部(22)の駆動軸(41)周りの部分に設けられる。
第1壁部(21)の挿通孔(31)の内周面には、第4収容部(32)が設けられる。第4収容部(32)は、当該挿通孔(31)の電動機室(26)側の開口周りが円環状に凹んだ凹所である。第4収容部(32)には、第1軸封構造(90A)が収容される。第1軸封構造(90A)は、第1壁部(21)の挿通孔(31)の内周面と駆動軸(41)との間をシールし、電動機室(26)(第1空間(S1))と高圧インペラ室(23)との間の圧力差を仕切る。
第2壁部(22)の挿通孔(31)の内周面には、第5収容部(33)が設けられる。第5収容部(33)は、当該挿通孔(31)の電動機室(26)側の開口周りが円環状に凹んだ凹所である。第5収容部(33)には、第2軸封構造(90B)が収容される。第2軸封構造(90B)は、第2壁部(22)の挿通孔(31)の内周面と駆動軸(41)との間をシールし、電動機室(26)(第2空間(S2))と低圧インペラ室(24)との間の圧力差を仕切る。
第1軸封構造(90A)および第2軸封構造(90B)には、同じ構成の軸封構造(90)が用いられる。軸封構造(90)の構成を、第1軸封構造(90A)を例にして図5に示す。軸封構造(90)は、軸封ハウジング(91)と、薄板(93)と、支持体(97)とを備える。
軸封ハウジング(91)は、円筒状に形成され、挿通孔(92)を有する。挿通孔(92)の中央部分には、駆動軸(41)が挿通される。挿通孔(92)には、薄板(93)および支持体(97)が収容される。支持体(97)は、挿通孔(92)の内周側に位置する。薄板(93)は、挿通孔(92)の中央側(駆動軸(41)側)に位置する。
薄板(93)は、円筒状に形成される。薄板(93)の内周面は、駆動軸(41)の外周面と対向する。薄板(93)は、金属製の部材であり、可撓性を有する。薄板(93)の周方向における一端部は、外周側に折り曲げられて突出する突出片(94)を構成する。突出片(94)は、支持体(97)に入り込む。そのことで、薄板(93)は、支持体(97)に固定される。
支持体(97)は、円筒状に形成される。支持体(97)は、軸封ハウジング(91)と薄板(93)との間に配置される。支持体(97)は、薄板(93)を弾性的に支持する。本例の支持体(97)は、金属製のメッシュ部材(98)によって構成される。このメッシュ部材(98)は、金束子(金属ウール)のような線材の集合体からなる。
支持体(97)をなすメッシュ部材(98)の線材の密度は、ラジアル軸受(80)のバックフォイル(87)をなすメッシュ部材(88)の線材の密度よりも高い。支持体(97)をなすメッシュ部材(98)の線材の密度は、バックフォイル(87)をなすメッシュ部材(88)の線材の密度と同程度かまたは低くてもよい。このような構成の支持体(97)は、線材の密度に応じて軸方向へのガスの流れを抑制する。
軸封構造(90)の薄板(93)と駆動軸(41)との間には、所定の隙間(G2)が設定される。薄板(93)と駆動軸(41)との間の隙間(G2)の幅(d2)は、ラジアル軸受(80)のトップフォイル(83)と駆動軸(41)との間の隙間(G1)の幅(d1)よりも広く設定される。薄板(93)と駆動軸(41)との間の隙間(G2)の幅(d2)は、例えば50μm~100μm程度である。
駆動軸(41)が回転すると、薄板(93)の内周面が回転軸(41)との間に隙間(G2)を形成し、ガスが薄板(93)と駆動軸(41)との間の隙間(G2)に引き込まれてガス膜(99)を生じる。ガス膜(99)は、駆動軸(41)と薄板(93)との間の隙間(G2)を保持する。このような軸封構造(90)は、ケーシング(20)(第1壁部(21)または第2壁部(22))と駆動軸(41)との間を封止する。
〈冷却用のガス流路〉
図2に示すように、本例の冷却用のガス流路(120)は、第1空間(S1)と第2空間(S2)とに分けて2系統設けられる。2系統のガス流路(120)は、第1ガス流路(120A)と、第2ガス流路(120B)とである。第1ガス流路(120A)は、スラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)にガス冷媒を供給するための流路である。第2ガス流路(120B)は、第2ラジアル軸受(80B)にガス冷媒を供給するための流路である。
第1ガス流路(120A)は、ケーシング(20)に形成された第1導入流路(121a)と、第1上流側流路(122a)と、スラストプレート(44)とスラスト軸受(70)との間の隙間と、スラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)と駆動軸(41)との間の隙間と、第1下流側流路(123a)と、ケーシング(20)に形成された第1排出流路(124a)とを含む。第1導入流路(121a)および第1排出流路(124a)はそれぞれ、複数設けられる。第1導入流路(121a)および第1排出流路(124a)はいずれも、1つであってもよい。
第1導入流路(121a)は、ガス冷媒を外部からケーシング(20)の第1空間(S1)に導入する。第1導入流路(121a)の一端は、ケーシング(20)の外部に開口し、第1分岐管(13c)に接続される。第1導入流路(121a)の他端は、第1上流側流路(122a)に開口する。第1排出流路(124a)は、ガス冷媒をケーシング(20)の第1空間(S1)から外部へ排出する。第1排出流路(124a)の一端は、第1下流側流路(123a)に開口する。第1排出流路(124a)の他端は、ケーシング(20)の外部に開口し、第1戻り管(14c)に接続される。
分岐回路(13)を流れたガス冷媒は、第1分岐管(13c)を通じて第1導入流路(121a)から第1上流側流路(122a)に導入される。第1上流側流路(122a)を流れたガス冷媒は、スラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)を経由して第1下流側流路(123a)に流れる。そして、第1下流側流路(123a)を流れたガス冷媒は、第1排出流路(124a)から第1戻り管(14c)に排出される。スラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)は、第1ガス流路(120A)を流れるガス冷媒によって冷却される。
図3に矢印で示すように、スラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)を経由するガス冷媒は、第2ベース部材(77)と駆動軸(41)との間の隙間、スラストプレート(44)と第2ベース部材(77)との間の隙間、スラストプレート(44)とスペーサ(74)との間の隙間、スラストプレート(44)と第1ベース部材(71)との間の隙間、第1ベース部材(71)と駆動軸(41)との間の隙間、および第1ラジアル軸受(80A)と駆動軸(41)との間の隙間を順に流れる。
スラストプレート(44)と第2ベース部材(77)との間の隙間には、第2トップフォイル(75)とスラストプレート(44)との間の隙間、および第2バックフォイル(76)と第2ベース部材(77)との間の隙間が含まれる。スラストプレート(44)と第1ベース部材(71)との間の隙間には、第1トップフォイル(75)とスラストプレート(44)との間の隙間、および第1バックフォイル(76)と第1ベース部材(77)との間の隙間が含まれる。
第2ガス流路(120B)は、ケーシング(20)に形成された第2導入流路(121b)と、第2上流側流路(122b)と、第2ラジアル軸受(80B)と駆動軸(41)との間の隙間と、第2下流側流路(123b)と、ケーシング(20)に形成された第2排出流路(124b)とを含む。第2導入流路(121b)および第2排出流路(124b)はそれぞれ、複数設けられる。第2導入流路(121b)および第2排出流路(124b)はいずれも、1つであってもよい。
第2導入流路(121b)は、ガス冷媒を外部からケーシング(20)の第2空間(S2)に導入する。第2導入流路(121b)の一端は、ケーシング(20)の外部に開口し、第2分岐管(13d)に接続される。第2導入流路(121b)の他端は、第2上流側流路(122b)に開口する。第2排出流路(124b)は、ガス冷媒をケーシング(20)の第2空間(S2)から外部へ排出する。第2排出流路(124b)の一端は、第2下流側流路(122b)に開口する。第2排出流路(124b)の他端は、ケーシング(20)の外部に開口し、第2戻り管(14d)に接続される。
分岐回路(13)を流れたガス冷媒は、第2分岐管(13d)を通じて第2導入流路(121b)から第2上流側流路(122b)に導入される。第2上流側流路(122b)を流れたガス冷媒は、第2ラジアル軸受(80B)を経由して第2下流側流路(123b)に流れる。第2ラジアル軸受(80B)を経由するガス冷媒は、第2ラジアル軸受(80B)と駆動軸(41)との間の隙間を流れる。そして、第2下流側流路(123b)を流れたガス冷媒は、第2排出流路(124b)から第2戻り管(14d)に排出される。第2ラジアル軸受(80B)は、第2ガス流路(120B)を流れるガス冷媒によって冷却される。
-実施形態1の特徴-
この実施形態1の軸封構造(90)では、円筒状の薄板(93)が軸封ハウジング(91)の挿通孔(92)内で支持体(97)により外周側を弾性的に支持される。駆動軸(41)が半径方向へ変位すると、薄板(93)が適応的に撓む。撓んだ薄板(93)は、駆動軸(41)の位置が戻ると、支持体(97)の支持により復帰する。こうして、駆動軸(41)と薄板(93)との間の隙間(G2)が確保される。よって、駆動軸(41)と薄板(93)との間の隙間(G2)の幅(d2)を小さくできる。そして、支持体(97)は、軸封ハウジング(91)と薄板(93)との間で軸方向へのガスの流れを抑制する。したがって、軸封構造(90)でのガスの漏れ量を低減できる。
この実施形態1の軸封構造(90)では、支持体(97)がメッシュ部材(98)によって構成される。メッシュ部材(98)を構成する線材の密度が高いほど、支持体(97)を軸方向へ流れるガスの量が低減される。軸封構造(90)でのガスの漏れ量は、メッシュ部材(98)を構成する線材の密度に応じて調整できる。
この実施形態1の圧縮機(2)では、第1軸封構造(90A)が高圧インペラ室(23)と電動機室(26)との間に配置される。高圧インペラ室(23)から電動機室(26)へのガスの漏れ量は、第1軸封構造(90A)により低減される。また、当該圧縮機(2)では、第2軸封構造(90B)が低圧インペラ室(24)と電動機室(26)との間に配置される。低圧インペラ室(24)から電動機室(26)へのガスの漏れ量は、第2軸封構造(90B)により低減される。それらのことで、回転子(42)が配置される電動機室(26)の圧力が高まるのを抑制できる。これにより、電動機(40)での撹拌損失(風損)を小さくして、圧縮機(2)の性能を高めることができる。
この実施形態1の圧縮機(2)では、冷却ガスとしてのガス冷媒が第1ガス流路(120A)を通じてスラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)に供給される。スラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)は、第1ガス流路(120A)を通じて供給されるガス冷媒により冷却される。これにより、スラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)に焼き付きが生じるのを抑制できる。
この実施形態1の圧縮機(2)では、冷却ガスとしてのガス冷媒が第2ガス流路(120B)を通じて第2ラジアル軸受(80B)に供給される。第2ラジアル軸受(80B)は、第2ガス流路(120B)を通じて供給されるガス冷媒により冷却される。これにより、第2ラジアル軸受(80B)に焼き付きが生じるのを抑制できる。
この実施形態1の圧縮機(2)では、駆動軸(41)を外周で支持するスラスト軸受(70)、第1ラジアル軸受(80A)および第2ラジアル軸受(80B)それぞれにフォイル気体軸受を採用する。フォイル気体軸受は、駆動軸(41)の回転に伴い軸受面(84)に生じる摩擦熱および軸受面の摩耗量を低減するのに有利であるから、高速で回転する電動機(40)の駆動軸(41)を支持する軸受として好適である。
この実施形態1の圧縮機(2)では、軸封構造(90)の薄板(93)と駆動軸(41)との間の隙間(G2)の幅(d2)がラジアル軸受(80)のトップフォイル(83)と駆動軸(41)との間の隙間(G1)の幅(d1)よりも広く設定される。そのことで、軸封構造(90)での駆動軸(41)の回転に伴う発熱が小さくなる。これにより、軸封構造(90)に焼き付きが生じるのを抑制できる。
この実施形態1の冷凍装置(1)では、上述した圧縮機(2)が冷媒回路(10)に用いられる。このことは、冷凍装置(1)で行われる冷凍サイクルの高効率化に寄与する。
《実施形態2》
この実施形態2の圧縮機(2)は、軸封構造(90)の構成が上記実施形態1と異なる。本例の圧縮機(2)も、上記実施形態1と同様な冷凍装置(1)に使用される。なお、以降の各実施形態では、圧縮機(2)について、軸封構造(90)の構成が上記実施形態1と異なる他は、上記実施形態1と同様に構成される。よって、圧縮機(2)で構成の異なる軸封構造(90)についてのみ説明し、同一の構成箇所の詳細な説明は省略する。
図6に示すように、この実施形態2の軸封構造(90)は、軸封ハウジング(91)と、薄板(93)と、支持体(97)とを備える。軸封ハウジング(91)および薄板(93)は、上記実施形態1の軸封構造(90)をなす軸封ハウジング(91)および薄板(93)と同様に構成される。本例の支持体(97)は、バンプフォイル(100)と、柔軟な充填材(105)とによって構成される。バンプフォイル(100)は、弾性部材の一例である。
バンプフォイル(100)は、円筒状に形成される。バンプフォイル(100)は、柔軟なばね要素をなすように波板状に成形された金属製の薄板からなる。バンプフォイル(100)には、径方向における内側へ突出する複数の凸部(101)が設けられる。複数の凸部(101)は、周方向に互いに間隔をあけて配置され、波形状を形成する。各凸部(101)は、ばね要素を構成し、薄板(93)を受ける。
充填材(105)は、バンプフォイル(100)と軸封ハウジング(91)との間、およびバンプフォイル(100)と薄板(93)との間にそれぞれ充填される。充填材(105)は、例えば発泡金属であり、柔軟性を有する。発泡金属は、金属材料を発泡させてなり、多量の気泡を有するセル状の構造物である。充填材(105)に用いられる発泡金属は、気泡がそれぞれ独立した単独気泡体であってもよく、気泡が互いに繋がった連続気泡体であってもよい。
このような構成の支持体(97)は、軸封ハウジング(91)と薄板(93)との間での軸方向へのガスの流れを抑制する。また、本例の軸封構造(90)では、薄板(93)の突出片(94)の先端部に、周方向に曲げられた接合代(95)が設けられる。突出片(94)は、充填材(105)に入り込む。そして、接合代(95)は、バンプフォイル(100)に接合される。そのことで、薄板(93)は、支持体(97)に固定される。
-実施形態2の特徴-
この実施形態2の軸封構造(90)では、支持体(97)がバンプフォイル(100)と充填材(105)とによって構成される。薄板(93)は、バンプフォイル(100)に設けられた複数の凸部(101)により弾性的に支持される。バンプフォイル(100)と軸封ハウジング(91)との間およびバンプフォイル(100)と薄板(93)との間には、充填材(105)が充填されるので、それらの隙間を通じてガスが流れるのを阻害できる。また、充填材(105)は、柔軟なため、薄板(93)の撓みに応じて変形する。よって、駆動軸(41)が半径方向へ変位したときには、その駆動軸(41)の変位に薄板(93)を追随させて撓ませ、駆動軸(41)と薄板(93)との間の隙間(G2)を応答性よく確保できる。
《実施形態3》
図7に示すように、この実施形態3の軸封構造(90)は、軸封ハウジング(91)と、薄板(93)と、支持体(97)とを備える、軸封ハウジング(91)および薄板(93)は、上記実施形態1の軸封構造(90)をなす軸封ハウジング(91)および薄板(93)と同様に構成される。本例の支持体(97)は、金属製のメッシュ部材(110)と、柔軟な充填材(115)とによって構成される。
メッシュ部材(110)は、円筒状に形成される。メッシュ部材(110)は、金束子(金属ウール)のような線材からなる。支持体(97)をなすメッシュ部材(110)の線材の密度は、当該支持体(97)の剛性がラジアル軸受(80)のバンプフォイル(88)の剛性と同等かまたはそれよりも低くなるように設定されることが好ましい。これによれば、駆動軸(41)の径方向へ変位が進行したときに、第1ラジアル軸受(80A)および第2ラジアル軸受(80B)が駆動軸(41)からの荷重を負担する。したがって、薄板(93)が駆動軸(41)と接することに起因して軸封構造(90)でのシール性が損なわれるのを抑制できる。支持体(97)をなすメッシュ部材(110)の線材の密度は、当該支持体(97)の剛性がラジアル軸受(80)のバンプフォイル(88)の剛性よりも高くなるように設定されてもよい。
充填材(115)は、メッシュ部材(110)の隙間に充填される。充填材(115)は、例えば発泡樹脂であり、柔軟性を有する。発泡樹脂は、合成樹脂を発泡させてなり、多量の気泡を有するセル状の構造物である。充填材(115)に用いられる発泡樹脂は、気泡が互いに繋がった連続気泡体である。充填材(115)に用いられる発泡樹脂は、気泡がそれぞれ独立した単独気泡体であってもよい。
このような構成の支持体(97)は、軸封ハウジング(91)と薄板(93)との間での軸方向へのガスの流れを抑制する。
-実施形態3の特徴-
この実施形態3の軸封構造(90)では、支持体(97)がメッシュ部材(110)と充填材(115)とによって構成される。メッシュ部材(110)の隙間には、充填材(115)が充填されるので、メッシュ部材(110)の隙間をガスが流れるのを阻害できる。また、充填材(115)は、柔軟なため、薄板(93)の撓みに応じて変形する。よって、駆動軸(41)が半径方向へ変位したときには、その駆動軸(41)の変位に薄板(93)を追随させて撓ませ、駆動軸(41)と薄板(93)との間の隙間(G2)を応答性よく確保できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態1~3については、以下のような構成としてもよい。
-第1変形例-
図8に示すように、この第1変形例の圧縮機(2)では、駆動軸(41)の外周面のうち第1軸封構造(90A)の薄板(93)と対向する部分に、複数の第1動圧溝(130a)が形成される。複数の第1動圧溝(130a)は、駆動軸(41)の周方向に互いに間隔をあけて設けられる。各第1動圧溝(130a)は、軸方向に対して駆動軸(41)の回転方向Drとは反対側に傾斜した方向に延びる。
本例の第1動圧溝(130a)は、低圧側から高圧側に向かって曲線を描くように傾斜する。各第1動圧溝(130a)の一端は、軸方向の低圧側において、軸封構造(90)の外方に開放される。各第1動圧溝(130a)の他端は、軸方向の高圧側において、軸封構造(90)の内側で閉塞される。各第1動圧溝(130a)は、駆動軸(41)の回転に伴い動圧を発生させる。この動圧は、図8に二点鎖線で示すように、ガスが第1動圧溝(130a)を低圧側から高圧側へ流れることで発生する。
また、駆動軸(41)のうち第2軸封構造(90B)の薄板(93)と対向する部分には、複数の第2動圧溝(130b)が形成される。複数の第2動圧溝(130b)は、回転子(42)を介して複数の第1動圧溝(130a)と対称な構成を有する。複数の第2動圧溝(130b)は、駆動軸(41)の周方向に互いに間隔をあけて設けられる。各第2動圧溝(130b)は、軸方向に対して駆動軸(41)の回転方向とは反対側に傾斜した方向に延びる。
本例の第2動圧溝(130b)は、低圧側から中間圧側に向かって曲線を描くように傾斜する。各第2動圧溝(130b)の一端は、軸方向の低圧側において、軸封構造(90)の外方に開放される。各第1動圧溝(130a)の他端は、軸方向の中間圧側において、軸封構造(90)の内側で閉塞される。各第2動圧溝(130b)は、駆動軸(41)の回転に伴い動圧を発生させる。この動圧は、図8に二点鎖線で示すように、ガスが第2動圧溝(130b)を低圧側から中間圧側へ流れることで発生する。
この第1変形例の圧縮機(2)では、駆動軸(41)の薄板(93)と対向する外周面に第1動圧溝(130a)が形成される。駆動軸(41)が回転すると、ガスが動圧を発生させるように第1動圧溝(130a)を低圧側から高圧側へ流れる。それにより、駆動軸(41)の回転に応じて圧縮機(2)の低圧側から高圧側にガスを押し戻すようにできる。このことは、圧縮機(2)に設けられた第1軸封構造(90A)でのガスの漏れ量を低減するのに有利である。
この第1変形例の圧縮機(2)では、駆動軸(41)の薄板(93)と対向する外周面に第2動圧溝(130b)が形成される。駆動軸(41)が回転すると、ガスが動圧を発生させるように第2動圧溝(130b)を低圧側から中間圧側へ流れる。それにより、駆動軸(41)の回転に応じて圧縮機(2)の低圧側から中間圧側にガスを押し戻すようにできる。このことは、圧縮機(2)に設けられた第2軸封構造(90B)でのガスの漏れ量を低減するのに有利である。
-第2変形例-
図9に示すように、この第2変形例の圧縮機(2)では、第1軸封構造(90A)の薄板(93)の内周面に、複数の第1動圧溝(140a)が形成される。複数の第1動圧溝(140a)は、駆動軸(41)の周方向に互いに間隔をあけて設けられる。各第1動圧溝(140a)は、軸方向にして駆動軸(41)の回転方向Drとは反対側に傾斜した方向に延びる。
本例の第1動圧溝(140a)は、低圧側から高圧側に向かって全長に亘り同じ角度で傾斜する。各第1動圧溝(140a)の一端は、軸方向の低圧側において、第1軸封構造(90A)の外方に開放される。各第1動圧溝(140a)の他端は、軸方向の高圧側において、第1軸封構造(90A)の内側で閉塞される。各第1動圧溝(140a)は、駆動軸(41)の回転に伴い動圧を発生させる。この動圧は、図9に二点鎖線で示すように、ガスが第1動圧溝(140a)を低圧側から高圧側へ流れることで発生する。
また、第2軸封構造(90B)の薄板(93)の内周面には、複数の第2動圧溝(140b)が形成される。複数の第2動圧溝(140b)は、回転子(42)を介して複数の第1動圧溝(140a)と対称な構成を有する。複数の第2動圧溝(140b)は、駆動軸(41)の周方向に互いに間隔をあけて設けられる。各第2動圧溝(140b)は、軸方向にして駆動軸(41)の回転方向とは反対側に傾斜した方向に延びる。
本例の第2動圧溝(140b)は、低圧側から中間圧側に向かって全長に亘り同じ角度で傾斜する。各第2動圧溝(140b)の一端は、軸方向の低圧側において、第2軸封構造(90B)の外方に開放される。各第2動圧溝(140b)の他端は、軸方向の中間圧側において、第2軸封構造(90)の内側で閉塞される。各第2動圧溝(140b)は、駆動軸(41)の回転に伴い動圧を発生させる。この動圧は、図9に二点鎖線で示すように、ガスが第2動圧溝(140b)を低圧側から中間圧側へ流れることで発生する。
この第2変形例の圧縮機(2)では、第1軸封構造(90A)の薄板(93)の内周面に第1動圧溝(140a)が形成される。駆動軸(41)が回転すると、ガスが動圧を発生させるように第1動圧溝(140a)を低圧側から高圧側へ流れる。それにより、駆動軸(41)の回転に応じて圧縮機(2)の低圧側から高圧側にガスを押し戻すようにできる。このことは、圧縮機(2)に設けられた第1軸封構造(90A)でのガスの漏れ量を低減するのに有利である。
この第2変形例の圧縮機(2)では、第2軸封構造(90B)の薄板(93)の内周面に第2動圧溝(140b)が形成される。駆動軸(41)が回転すると、ガスが動圧を発生させるように第2動圧溝(140b)を低圧側から中間圧側へ流れる。それにより、駆動軸(41)の回転に応じて圧縮機(2)の低圧側から中間圧側にガスを押し戻すようにできる。このことは、圧縮機(2)に設けられた第2軸封構造(90B)でのガスの漏れ量を低減するのに有利である。
-第3変形例-
この第3変形例の圧縮機(2)では、軸封構造(90)の薄板(93)と支持体(97)とが全周に亘って接する。例えば、薄板(93)の外周面は、接着剤により全体に亘って支持体(97)に接着される。薄板(93)と支持体(97)との接着は、両者が全周に亘って接するようになれば、部分的であってもよい。
この第3変形例の圧縮機(2)では、軸封構造(90)の薄板(93)と支持体(97)とが全周に亘って接する。そうすると、薄板(93)と支持体(97)との間では、ガスが軸方向へ流れる流路を閉ざすことができる。このことは、軸封構造(90)でのガスの漏れ量を低減するのに有利である。
-第4変形例-
図10に示すように、圧縮機(2)において、冷却用のガス流路(120)は、第1空間(S1)と第2空間(S2)とで共通に1系統設けられる。ガス流路(120)は、スラスト軸受(70)、第1ラジアル軸受(80A)、電動機(40)および第2ラジアル軸受(80B)に冷却ガスを供給するための流路である。
本例のガス流路(120)は、ケーシング(20)に形成された導入流路(121)、上流側流路(125)と、スラストプレート(44)とスラスト軸受(70)との間の隙間、スラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)と駆動軸(41)との間の隙間、第1中継流路(126)、回転子(42)と固定子(43)との間の隙間、第2中継流路(127)、第2ラジアル軸受(80B)と駆動軸(41)との間の隙間、下流側流路(128)、およびケーシング(20)に形成された排出流路(124)とを含む。導入流路(121)および排出流路(124)はそれぞれ、複数設けられる。導入流路(121)および排出流路(124)はいずれも、1つであってもよい。
導入流路(121)は、ガス冷媒を冷却ガスとしてケーシング(20)の電動機室(26)に導入する。導入流路(121)の一端は、ケーシング(20)の外部に開口した流入口を構成し、分岐配管(13a)に接続される。導入流路(121)の他端は、上流側流路(125)に開口する。上流側流路(125)は、第1保持部材(61)によって第1空間(S1)を区画した2つの空間のうち高圧インペラ室(23)側に位置する一方の空間である。第1中継流路(126)は、それら2つの空間のうち回転子(42)側に位置する他方の空間である。
第2中継流路(127)は、第2保持部材(66)によって第2空間(S2)を区画した2つの空間のうち回転子(42)側に位置する一方の空間である。下流側流路(123)は、それら2つの空間のうち低圧インペラ室(24)側に位置する他方の空間である。排出流路(124)は、ガス冷媒をケーシング(20)の電動機室(26)から外部へ排出する。排出流路(124)の一端は、下流側流路(128)に開口する。排出流路(124)の他端は、ケーシング(20)の外部に開口した流出口を構成し、戻り配管(14a)に接続される。
分岐回路(13)を流れたガス冷媒は、分岐配管(13a)を通じて導入流路(121)から上流側流路(125)に冷却ガスとして導入される。上流側流路(125)を流れたガス冷媒は、スラスト軸受(70)および第1ラジアル軸受(80A)を経由して第1中継流路(126)に流れる。第1中継流路(126)を流れたガス冷媒は、回転子(42)と固定子(43)との間の隙間を通って第2中継流路(127)に流れる。
第2中継流路(127)を流れたガス冷媒は、第2ラジアル軸受(80B)を経由して下流側流路(128)に流れる。そして、下流側流路(128)を流れたガス冷媒は、排出流路(124)から戻り配管(14a)に排出される。スラスト軸受(70)、第1ラジアル軸受(80A)および第2ラジアル軸受(80B)は、ガス流路(120)を流れるガス冷媒によって冷却される。
スラスト軸受(70)、第1ラジアル軸受(80A)、電動機(40)および第2ラジアル軸受(80B)を経由するガス冷媒は、第2ベース部材(77)と駆動軸(41)との間の隙間、スラストプレート(44)と第2ベース部材(77)との間の隙間、スラストプレート(44)とスペーサ(74)との間の隙間、スラストプレート(44)と第1ベース部材(71)の間の隙間、第1ベース部材(71)と駆動軸(41)との間の隙間、第1ラジアル軸受(80A)と駆動軸(41)との間の隙間、回転子(42)と固定子(43)との間の隙間、および第2ラジアル軸受(80B)と駆動軸(41)との間の隙間を順に流れる。
この第4変形例の圧縮機(2)では、冷却用のガス流路(120)が第1空間(S1)と第2空間(S2)とで共通に設けられる。このことは、冷却用のガス流路(120)が第1空間(S1)と第2空間(S2)とで別々に設けられる場合に比べて、当該ガス流路(120)を簡略な構成とするのに有利である。また、ガス流路(120)には、回転子(42)と固定子(43)との間の隙間が含まれる。それにより、軸受(60)だけでなく電動機(40)もガス流路(120)を流れるガス冷媒で冷却できる。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
例えば、上記実施形態1では、軸受(60)を冷却するための冷却ガスとして、冷媒回路(10)を循環する冷媒を用いるとしたが、これに限らない。冷却用のガス流路(120)に流す冷却ガスは、冷媒回路(10)を循環する冷媒とは別個独立のガス回路を循環する冷媒やその他の冷却ガスであってもよい。
上記実施形態2では、軸封構造(90)の支持体(97)をなす弾性部材として複数の凸部(101)を有するバンプフォイル(100)を例に挙げたが、これに限らない。バンプフォイル(100)は、ばね要素として片持ちばね状の板片を複数有する薄板からなるなど、その他の構成であってもよい。バンプフォイル(100)は、弾性部材の一例に過ぎず、弾性部材としては、薄板を受ける複数のばね要素が設けられた円筒状物を用いることが可能である。
上記実施形態1では、圧縮機(2)は、二段圧縮式の遠心圧縮機(2)であるとしたが、これに限らない。圧縮機(2)は、一段圧縮式の遠心圧縮機でもよく、軸流圧縮機などの他のターボ圧縮機であってもよい。また、軸封構造(90)は、圧縮機(2)以外の回転軸を有する回転機械に適用することも可能である。
上記実施形態1では、本開示の軸封構造(90)が封止する対象をガスとしたが、これに限らない。本開示の軸封構造(90)は、ガスだけでなく、液体を含めた全ての流体を封止対象とする。例えば、本開示の軸封構造(90)は、液体を送り出すポンプや水車などに適用することも可能である。
なお、以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、軸封構造、圧縮機および冷凍装置について有用である。
G1 隙間
G2 隙間
1 冷凍装置
2 圧縮機
10 冷媒回路
40 電動機
41 駆動軸(回転軸)
42 回転子
50 圧縮機構
60 軸受
80 ラジアル軸受(フォイル気体軸受)
83 トップフォイル
89 ガス膜
90 軸封構造
92 挿通孔
91 軸封ハウジング(ハウジング)
93 薄板
97 支持体
98 メッシュ部材
100 バンプフォイル(弾性部材)
105 充填材
110 メッシュ部材
115 充填材
120 ガス流路
130a 第1動圧溝(動圧溝)
130b 第2動圧溝(動圧溝)
140a 第1動圧溝(動圧溝)
140b 第2動圧溝(動圧溝)

Claims (14)

  1. 回転軸(41)が挿通される挿通孔(92)を有するハウジング(91)と、
    前記挿通孔(92)に収容された、可撓性を有する円筒状の薄板(93)と、
    前記ハウジング(91)と前記薄板(93)との間に配置され、前記薄板(93)を軸方向の両端に亘る範囲で弾性的に支持する支持体(97)と、を備え、
    前記薄板(93)の内周面は、前記回転軸(41)の外周面に対向して、該回転軸(41)との間に隙間(G2)を形成し、
    前記支持体(97)は、前記回転軸(41)に沿う方向への流体の流れを抑制する、軸封構造。
  2. 請求項1に記載の軸封構造において、
    前記支持体(97)は、メッシュ部材(98)によって構成される、軸封構造。
  3. 請求項1に記載の軸封構造において、
    前記支持体(97)は、前記薄板(93)を受ける複数のばね要素(101)が設けられた円筒状の弾性部材(100)と、該弾性部材(100)と前記ハウジング(91)および前記薄板(93)との間に充填された柔軟な固体の充填材(105)とによって構成される、軸封構造。
  4. 請求項1に記載の軸封構造において、
    前記支持体(97)は、メッシュ部材(110)と、該メッシュ部材(110)の空隙に充填された柔軟な固体の充填材(115)とによって構成される、軸封構造。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の軸封構造(90)と、
    前記軸封構造(90)によって軸封された前記回転軸(41)を有する電動機(40)と、
    前記電動機(40)の駆動により吸入した流体を圧縮する圧縮機構(50)と、
    前記圧縮機構(50)との間に前記軸封構造(90)を介する前記電動機(40)の回転子(42)側の位置に設けられ、前記回転軸(41)を外周で回転可能に支持する軸受(60)と、を備える、圧縮機。
  6. 請求項5に記載の圧縮機において、
    前記軸受(60)に冷却ガスを供給するガス流路(120)が設けられる、圧縮機。
  7. 請求項5または6に記載の圧縮機において、
    前記軸受(60)は、フォイル気体軸受(80)であり、
    前記フォイル気体軸受(80)は、
    可撓性を有するトップフォイル(83)を備え、
    前記トップフォイル(83)と前記回転軸(41)との間に隙間(G1)を形成し、
    前記隙間(G1)に生じるガス膜(89)により前記回転軸(41)を支持する、圧縮機。
  8. 請求項7に記載の圧縮機において、
    前記軸封構造(90)の前記薄板(93)と前記回転軸(41)との間の隙間(G2)の幅(d2)は、前記軸受(80)の前記トップフォイル(83)と前記回転軸(41)との間の隙間(G1)の幅(d1)よりも広く設定される、圧縮機。
  9. 請求項5~8のいずれか1項に記載の圧縮機において、
    前記回転軸(41)の前記薄板(93)と対向する外周面には、当該回転軸(41)の回転に伴い前記回転子(42)側から前記圧縮機構(50)側へガスが流れることで動圧を発生させる動圧溝(130a,130b)が形成される、圧縮機。
  10. 請求項5~9のいずれか1項に記載の圧縮機において、
    前記薄板(93)の内周面には、前記回転軸(41)の回転に伴い前記回転子(42)側から前記圧縮機構(50)側へガスが流れることで動圧を発生させる動圧溝(140b,140b)が形成される、圧縮機。
  11. 請求項5~10のいずれか1項に記載の圧縮機において、
    前記薄板(93)と前記支持体(97)とは、全周に亘って接する、圧縮機。
  12. 遠心圧縮機(2)である、請求項5~11のいずれか1項に記載の圧縮機。
  13. 請求項5~12のいずれか1項に記載の圧縮機において、
    前記流体は、HFC冷媒、HFO冷媒、HFC冷媒とHFO冷媒との混合冷媒、CF3I冷媒、二酸化炭素冷媒、および炭化水素冷媒のうちいずれか1つである、圧縮機。
  14. 請求項5~13のいずれか1項に記載の圧縮機(2)を備え、
    前記圧縮機(2)は、冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を構成する、冷凍装置。
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