JP7364827B1 - 燃料用ホース - Google Patents

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Abstract

押出後に未架橋状態で保管してもポリオール架橋系フッ素ゴムの内層とアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの外層の接着性に優れる燃料用ホースを提供する。管状の内層12と内層12に接して設けられる外層14とを備え、内層12が下記の(A)~(E)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、外層14が下記の(F)~(I)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、(H)および(I)の合計量が(F)100質量部に対し20質量部以上70質量部以下であり、(H)の含有量が(H)および(I)の合計量に対し30質量%以上95質量%以下である。(A)ポリオール架橋系フッ素ゴム(B)ポリオール架橋剤(C)水酸化カルシウム(D)トリアリルイソシアヌレート(E)過酸化物架橋剤(F)アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム(G)パラフィン系ワックス(H)吸油量50mL/100g未満のカーボンブラック(I)吸油量50mL/100g以上のカーボンブラック

Description

本発明は、燃料用ホースに関し、さらに詳しくは、自動車等の燃料の輸送等に用いられる燃料用ホースに関するものである。
自動車等の燃料の輸送等に用いられる燃料用ホースには、複数の層を積層一体化してなる各種ホースが用いられている。そのなかには、燃料の低透過性(バリア性)に優れたフッ素ゴムを内層とし、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを外層とした積層ホースも提案されている。
特開2008-195040号公報 特開2000-273241号公報
ポリオール架橋系のフッ素ゴムは、架橋促進剤の水酸化カルシウムを用いることによってスコーチ(ヤケ)が進みやすい。ポリオール架橋系のフッ素ゴムの内層とアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの外層を押出した後、この積層体を未架橋状態で保管していると、内層と外層の接着界面で内層のスコーチ(ヤケ)が進み、その結果、架橋時にポリオール架橋系のフッ素ゴムとアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムとの反応が阻害され、内層と外層の接着性が低下する問題があることがわかった。
本発明が解決しようとする課題は、押出後に未架橋状態で保管しても、ポリオール架橋系のフッ素ゴムの内層とアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの外層の接着性に優れる燃料用ホースを提供することにある。
本発明に係る燃料用ホースは、管状の内層と、前記内層の外周面に接して設けられる外層と、を備えた燃料用ホースであって、前記内層が、下記の(A)~(E)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、前記外層が、下記の(F)~(I)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、前記(H)および前記(I)の合計量が、前記(F)100質量部に対し、20質量部以上70質量部以下であり、前記(H)の含有量が、前記(H)および前記(I)の合計量に対し、30質量%以上95質量%以下であるものである。
(A)ポリオール架橋系フッ素ゴム
(B)ポリオール架橋剤
(C)水酸化カルシウム
(D)トリアリルイソシアヌレート
(E)過酸化物架橋剤
(F)アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム
(G)パラフィン系ワックス
(H)吸油量50mL/100g未満のカーボンブラック
(I)吸油量50mL/100g以上のカーボンブラック
前記(G)は、融点45℃以上75℃以下のパラフィン系ワックスであることが好ましい。前記(G)の含有量は、前記(F)100質量部に対し、0.5質量部以上6.0質量部以下であることが好ましい。前記(H)は、吸油量20mL/100g以上45mL/100g以下のカーボンブラックであり、前記(I)は、吸油量55mL/100g以上120mL/100g以下のカーボンブラックであることが好ましい。前記(H)の平均粒径は、75nm以上150nm以下であり、前記(I)の平均粒径は、15nm以上70nm以下であることが好ましい。
(1)本発明に係る燃料用ホースは、管状の内層と、前記内層の外周面に接して設けられる外層と、を備えた燃料用ホースであって、前記内層が、下記の(A)~(E)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、前記外層が、下記の(F)~(I)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、前記(H)および前記(I)の合計量が、前記(F)100質量部に対し、20質量部以上70質量部以下であり、前記(H)の含有量が、前記(H)および前記(I)の合計量に対し、30質量%以上95質量%以下であるものである。
(A)ポリオール架橋系フッ素ゴム
(B)ポリオール架橋剤
(C)水酸化カルシウム
(D)トリアリルイソシアヌレート
(E)過酸化物架橋剤
(F)アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム
(G)パラフィン系ワックス
(H)吸油量50mL/100g未満のカーボンブラック
(I)吸油量50mL/100g以上のカーボンブラック
(2)上記(1)において、前記(G)は、融点45℃以上75℃以下のパラフィン系ワックスであることが好ましい。
(3)上記(1)または上記(2)において、前記(G)の含有量は、前記(F)100質量部に対し、0.5質量部以上6.0質量部以下であることが好ましい。
(4)上記(1)から上記(3)のいずれか1において、前記(H)は、吸油量20mL/100g以上45mL/100g以下のカーボンブラックであり、前記(I)は、吸油量55mL/100g以上120mL/100g以下のカーボンブラックであることが好ましい。
(5)上記(1)から上記(4)のいずれか1において、前記(H)の平均粒径は、75nm以上150nm以下であり、前記(I)の平均粒径は、15nm以上70nm以下であることが好ましい。
本発明に係る燃料用ホースは、管状の内層が上記(A)~(E)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、前記内層の外周面に接して設けられる外層が上記(F)~(I)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、前記(H)および前記(I)の合計量が特定量であり、前記(H)の含有量が特定量である。外層にパラフィン系ワックスと吸油量の異なる特定の2種のカーボンブラックを含有させたことで、パラフィン系ワックスがアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層において内層との界面に偏在し、内層と外層の接着界面に現れる。このパラフィン系ワックスにより、内層と外層の接着界面において水酸化カルシウムによるポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)が抑制されるため、押出後に未架橋状態で保管しても、ポリオール架橋系フッ素ゴムの内層とアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの外層の接着性に優れる。
ここで、前記(G)が、融点45℃以上75℃以下のパラフィン系ワックスであると、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層において内層との界面に偏在しやすく、内層と外層の接着界面におけるポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果に優れる。
そして、前記(G)の含有量が、前記(F)100質量部に対し、0.5質量部以上6.0質量部以下であると、内層と外層の接着界面におけるポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果に優れる。
そして、前記(H)が、吸油量20mL/100g以上45mL/100g以下のカーボンブラックであり、前記(I)が、吸油量55mL/100g以上120mL/100g以下のカーボンブラックであると、外層においてパラフィン系ワックスのブリード量が適正量に調整され、適正量のパラフィン系ワックスがフッ素ゴムとの接着界面に偏在することにより、内層と外層の接着界面におけるポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果に優れる。
そして、前記(H)の平均粒径が75nm以上150nm以下であり、前記(I)の平均粒径が15nm以上70nm以下であると、外層においてパラフィン系ワックスのブリード量が適正量に調整され、適正量のパラフィン系ワックスがフッ素ゴムとの接着界面に偏在することにより、内層と外層の接着界面におけるポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果に優れる。
本発明の一実施形態に係る燃料用ホースを示す構成図である。
本発明に係る燃料用ホースについて詳細に説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る燃料用ホースを示している。図1に示すように、燃料用ホース10は、管状の内層12と、内層12の外周面に接して設けられる外層14と、を備えている。
内層12は、下記の(A)~(E)を含有するゴム組成物の架橋体で構成されている。
(A)ポリオール架橋系フッ素ゴム
(B)ポリオール架橋剤
(C)水酸化カルシウム
(D)トリアリルイソシアヌレート
(E)過酸化物架橋剤
ポリオール架橋系フッ素ゴムは、ポリオール架橋可能な部位を有するフッ素ゴムである。ポリオール架橋可能な部位としては、フッ化ビニリデン単位を有する部位などが挙げられる。フッ化ビニリデン単位を有するフッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンと四フッ化エチレンとの三元共重合体、フッ化ビニリデンと三フッ化塩化エチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとパーフルオロメチルエーテルと四フッ化エチレンとの三元共重合体、フッ化ビニリデンと四フッ化エチレンとプロピレンとの三元共重合体などが挙げられる。これらのうちでは、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンと四フッ化エチレンとの三元共重合体が特に好ましい。なお、ポリオール架橋系フッ素ゴムは、過酸化物架橋可能な部位を有していてもよく、この場合には、過酸化物架橋剤を用いてもよい。
ポリオール架橋剤としては、ポリヒドロキシ化合物が挙げられる。ポリヒドロキシ化合物としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン、レゾルシン、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシスチルベン、2,6-ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4-ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’-テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’-テトラブロモビスフェノールAなどが挙げられる。これらのうちでは、耐熱性に優れるなどの観点から、ポリヒドロキシ芳香族化合物が好ましく、特に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
ポリオール架橋剤の配合量は、ポリオール架橋系フッ素ゴム100質量部に対し、0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。上記配合量が0.2質量部以上であると、架橋密度を高くでき、圧縮永久歪を小さく抑えることができる。また、上記配合量が10質量部以下であると、架橋密度が高くなりすぎるのを抑えられ、圧縮時の割れが抑えられる。そして、上記配合量は、より好ましくは0.5質量部以上7.0質量部以下、さらに好ましくは1.0質量部以上5.0質量部以下である。
水酸化カルシウムは、ポリオール架橋系フッ素ゴムの架橋促進剤として用いられる。水酸化カルシウムの配合量は、ポリオール架橋系フッ素ゴム100質量部に対し、1.0質量部以上10質量部以下が好ましい。上記配合量は、より好ましくは2.0質量部以上8.0質量部以下、さらに好ましくは3.0質量部以上7.0質量部以下である。
トリアリルイソシアヌレートは、共架橋剤として用いられる。トリアリルイソシアヌレートを配合することで、内層12と外層14の接着力を向上することができる。トリアリルイソシアヌレートの配合量は、ポリオール架橋系フッ素ゴム100質量部に対し、0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。上記配合量は、より好ましくは0.3質量部以上5.0質量部下、さらに好ましくは0.4質量部以上3.0質量部以下である。
過酸化物架橋剤は、上記共架橋剤とともに用いて内層12と外層14の接着力を向上することができる。過酸化物架橋剤の配合量は、ポリオール架橋系フッ素ゴム100質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましい。上記配合量は、より好ましくは0.2質量部以上3.0質量部下、さらに好ましくは0.3質量部以上2.0質量部以下である。
過酸化物架橋剤としては、例えば、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類や、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等のジアルキルパーオキサイド類や、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m-トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類や、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウリレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類や、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,-テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
内層12を形成するゴム組成物は、必要に応じ、フッ素ゴムに配合される添加物を配合することができる。このような添加物としては、充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、受酸剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤などが挙げられる。受酸剤としては、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。充填剤としては、カーボンブラックなどが挙げられる。
外層14は、下記の(F)~(I)を含有するゴム組成物の架橋体で構成されている。
(F)アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム
(G)パラフィン系ワックス
(H)吸油量50mL/100g未満のカーボンブラック
(I)吸油量50mL/100g以上のカーボンブラック
アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムとしては、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム(NBR+PVC)などが挙げられる。NBR成分が多いほど、ポリオール架橋系フッ素ゴムを含む内層12との接着性が向上する。PVC成分を含むことで、ポリオール架橋系フッ素ゴムを含む内層12との接着性は低下しやすいが、耐オゾン性などの耐候性が向上する。アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムは、ポリオール架橋系フッ素ゴムを含む内層12との接着性の観点からいえば、NBRが好ましく、耐オゾン性などの耐候性の観点からいえば、NBR+PVCが好ましい。
NBR+PVCにおけるPVCの含有量は、ブレンドゴム100質量部中の15質量部~45質量部であることが好ましい。PVCの含有量が15質量部以上であると、耐オゾン性などの耐候性に優れる。PVCの含有量が45質量部以下であると、ポリオール架橋系フッ素ゴムを含む内層12との接着性を向上する効果に優れる。また、上記観点から、NBR+PVCにおけるPVCの含有量は、ブレンドゴム100質量部中の20質量部~40質量部であることがより好ましい。
アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)におけるアクリロニトリル含有量は、NBR100質量%中の28質量%~42質量%であることが好ましい。アクリロニトリル含有量が28質量%以上であると、耐ガソリン性に優れる。アクリロニトリル含有量が42質量%以下であると、ポリオール架橋系フッ素ゴムを含む内層12との接着性を向上する効果に優れる。また、上記観点から、NBRにおけるアクリロニトリル含有量は、NBR100質量%中の30質量%~40質量%であることが好ましい。
アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの架橋剤としては、硫黄、過酸化物架橋剤などが挙げられる。過酸化物架橋剤としては、上記(E)において例示するものを挙げることができる。
アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの架橋剤の配合量は、架橋可能である、スコーチが抑えられるなどの観点から、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム100質量部に対し、0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。より好ましくは0.5質量部以上4.0質量部以下である。
上記架橋剤は、単独で用いてもよいが、強塩基や受酸剤などと組み合わせて用いてもよい。強塩基としては、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7塩(DBU塩)などを挙げることができる。
DBU塩としては、ナフトエ酸、2-ヒドロキシナフトエ酸、ソルビン酸、2-エチルヘキシル酸、没食子酸、p-ヒドロキシ安息香酸、ケイ皮酸等のカルボン酸や、フェノール樹脂のDBU塩を挙げることができる。これらのうちでは、ナフトエ酸やフェノール樹脂のDBU塩が特に好ましい。
DBU塩の配合量は、架橋可能である、スコーチが抑えられるなどの観点から、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム100質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましい。より好ましくは0.3質量部以上3.0質量部以下である。
パラフィン系ワックスは、内層12と外層14の接着界面において水酸化カルシウムによるポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)が発生するのを抑えるために用いる。パラフィン系ワックスとは、減圧蒸留留出油から分離精製した常温においての固形ワックスであり、直鎖状炭化水素(ノルマルパラフィン)を主成分とするものである。主成分とは、パラフィン系ワックス100質量%中50質量%以上の成分であり、パラフィン系ワックスの特性に大きく関係するものである。主成分とは、パラフィン系ワックス100質量%中、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。パラフィン系ワックスは、主成分としてノルマルパラフィンを含んでいるのであれば、他の成分として、分岐状炭化水素(イソパラフィン)や環状炭化水素(シクロパラフィン)などを含んでいてもよい。
パラフィン系ワックスとしては、融点45℃以上75℃以下のものが好ましい。上記融点が45℃未満であると、ポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果が低下しやすい。上記融点が75℃超であると、分子量が大きく、外層14と内層12の界面に偏在しにくく、内層12と外層14の接着界面においてポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果が発揮されにくい。パラフィン系ワックスとしては、ポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果の観点から、その融点は、より好ましくは50℃以上75℃以下、さらに好ましくは55℃以上75℃以下、特に好ましくは60℃以上75℃以下である。
パラフィン系ワックスとしては、炭素数20以上60以下の炭化水素が好ましい。上記炭素数が20未満であると、ポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果が低下しやすい。上記炭素数が60超であると、分子量が大きく、外層14と内層12の界面に偏在しにくく、内層12と外層14の接着界面においてポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果が発揮されにくい。パラフィン系ワックスとしては、ポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果の観点から、炭素数35以上59以下の炭化水素が3質量%以上60質量%以下含まれることが好ましい。より好ましくは5質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上40質量%以下、特に好ましくは20質量%以上40質量%以下である。パラフィン系ワックスの炭素数は、ガスクロマトグラフィーにて測定される値である。
パラフィン系ワックスの配合量は、ポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果により優れるなどの観点から、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム100質量部に対し、0.5質量部以上6.0質量部以下が好ましい。より好ましくは0.5質量部以上4.0質量部以下、さらに好ましくは1.0質量部以上3.0質量部以下である。
(I)吸油量50mL/100g以上のカーボンブラックは、比較的、小粒径で、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの補強目的で添加されるものである。(I)吸油量50mL/100g以上のカーボンブラックは、吸油量が大きいため、パラフィン系ワックスを保持しやすい。このため、パラフィン系ワックスのブリードが妨げられやすい。一方、(H)吸油量50mL/100g未満のカーボンブラックは、比較的、大粒径で、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの強度低下につながるものである。大粒径で吸油量が小さいため、パラフィン系ワックスを保持しにくい。パラフィン系ワックスとともに(I)吸油量50mL/100g以上のカーボンブラックと(H)吸油量50mL/100g未満のカーボンブラックを併用することで、パラフィン系ワックスのブリード量を調整することができる。(H)吸油量50mL/100g未満のカーボンブラックは、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの強度低下につながるものであるものであるが、敢えて用いることで、パラフィン系ワックスのブリード量を最適にして、内層と外層の接着界面におけるポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制することができる。
(I)吸油量50mL/100g以上のカーボンブラックは、上記観点から、より好ましくは吸油量55mL/100g以上、さらに好ましくは吸油量60mL/100g以上、特に好ましくは65mL/100g以上である。一方、(I)吸油量50mL/100g以上のカーボンブラックの吸油量の上限値は、特に限定されるものではないが、上記効果により優れるなどの観点から、好ましくは吸油量120mL/100g以下、より好ましくは吸油量100mL/100g以下、さらに好ましくは吸油量80mL/100g以下である。
(H)吸油量50mL/100g未満のカーボンブラックは、上記観点から、より好ましくは吸油量45mL/100g以下、さらに好ましくは吸油量40mL/100g以下、特に好ましくは35mL/100g以下である。一方、(H)吸油量50mL/100g未満のカーボンブラックの吸油量の下限値は、特に限定されるものではないが、上記効果により優れるなどの観点から、より好ましくは吸油量20mL/100g以上、さらに好ましくは吸油量25mL/100g以上である。カーボンブラックの吸油量は、JIS K6221に準拠してカーボンブラック100gが吸収するDBP(ジブチルフタレート)量から算出される。
(H)および(I)の合計量は、(F)100質量部に対し、20質量部以上70質量部以下であるとよい。また、(H)の含有量は、(H)および(I)の合計量に対し、30質量%以上95質量%以下であるとよい。これにより、パラフィン系ワックスのブリード量を最適にして、内層と外層の接着界面におけるポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制することができる。また、この観点から、(H)および(I)の合計量は、(F)100質量部に対し、より好ましくは30質量部以上60質量部以下、さらに好ましくは40質量部以上60質量部以下である。また、(H)の含有量は、(H)および(I)の合計量に対し、より好ましくは40質量%以上90質量%以下、さらに好ましくは50質量%以上80質量%以下である。
(H)の平均粒径は、75nm以上150nm以下であることが好ましい。より好ましくは75nm以上130nm以下、さらに好ましくは75nm以上100nm以下である。また、(I)の平均粒径は、15nm以上70nm以下であることが好ましい。より好ましくは20nm以上70nm以下、さらに好ましくは30nm以上70nm以下である。これにより、外層14においてパラフィン系ワックスのブリード量が適正量に調整され、適正量のパラフィン系ワックスがフッ素ゴムとの接着界面に偏在することにより、内層12と外層14の接着界面におけるポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)を抑制する効果に優れる。カーボンブラックの平均粒径は、カーボンブラックを電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径で表される。
外層14を形成するゴム組成物は、必要に応じ、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、受酸剤、可塑剤、充填剤、加工助剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、老化防止剤、顔料、難燃剤、架橋促進剤、架橋遅延剤などが挙げられる。
可塑剤としては、エステル系合成可塑剤などを用いることができる。エステル系合成可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステルなどが挙げられる。フタル酸エステルとしては、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジ-n-ブチル(DBP)などが挙げられる。アジピン酸エステルとしては、ジオクチルアジペート(DOA)、ジブチルグリコールアジペート、ジブチルカルビトールアジペートなどが挙げられる。
可塑剤の配合量は、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム100質量部に対し、3質量部以上30質量部以下が好ましい。より好ましくは5質量部以上20質量部以下である。
燃料用ホース10は、次のようにして製造することができる。まず、内層形成用のゴム組成物および外層形成用のゴム組成物をそれぞれ調製し、内層形成用のゴム組成物を円筒状に押出成形した後、その表面(外周面)に接着剤を塗布することなく直接、外層形成用のゴム組成物を押出成形し、未架橋状態の積層体を形成する。未架橋状態の積層体は、適宜保管することができる。次いで、各層を架橋することにより、燃料用ホース10を製造することができる。なお、各層は、共押出成形により形成してもよい。
以上の本発明に係る燃料用ホース10は、管状の内層12が上記(A)~(E)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、内層12の外周面に接して設けられる外層14が上記(F)~(I)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、(H)および(I)の合計量が特定量であり、(H)の含有量が特定量である。外層14にパラフィン系ワックスと吸油量の異なる特定の2種のカーボンブラックを含有させたことで、パラフィン系ワックスがアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層14において内層12との界面に偏在し、内層12と外層14の接着界面に現れる。このパラフィン系ワックスにより、内層12と外層14の接着界面において水酸化カルシウムによるポリオール架橋系フッ素ゴムのスコーチ(ヤケ)が抑制されるため、押出後に未架橋状態で保管しても、ポリオール架橋系フッ素ゴムの内層12とアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの外層14の接着性に優れる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
<内層形成用ゴム組成物の調製>
ポリオール架橋系フッ素ゴム(ポリオール架橋剤含有)100質量部に対し、水酸化カルシウム(架橋促進剤)を6質量部、トリアリルイソシアヌレート(共架橋剤)を1質量部、過酸化物架橋剤を1質量部、酸化マグネシウム(受酸剤)を3質量部、カーボンブラック<3>を15質量部配合し、ニーダーを用いて混練することにより、内層形成用ゴム組成物を調製した。
<外層形成用ゴム組成物の調製>
アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム<2>100質量部に対し、パラフィン系ワックス<1>を2.0質量部、カーボンブラック<1>を30質量部、カーボンブラック<3>を20質量部、酸化亜鉛を5質量部、ステアリン酸を1質量部、老化防止剤を1質量部、可塑剤を15質量部、DBU塩(架橋促進剤)を2質量部、配合し、バンバリーミキサーを用いて混合し、次いで、架橋剤を1質量部、架橋促進剤<1>を1.5質量部、架橋促進剤<2>を1.5質量部配合し、ロールを用いて混練することにより、外層形成用ゴム組成物を調製した。
<燃料用ホースの作製>
調製した内層形成用ゴム組成物と外層形成用ゴム組成物を用い、共押出成形し、内層(厚み1mm)の外周に外層(厚み3mm)が積層された燃料用ホース(内径25mm、外径33mm)を作製した。
(実施例2-3、比較例1)
外層形成用ゴム組成物の調製において、ワックスの種類を変更した以外は実施例1と同様にして、燃料用ホースを作製した。
(実施例4-5)
外層形成用ゴム組成物の調製において、ワックスの配合量を変更した以外は実施例1と同様にして、燃料用ホースを作製した。
(実施例6-10、比較例2-5)
外層形成用ゴム組成物の調製において、カーボンブラックの種類、配合量を変更した以外は実施例1と同様にして、燃料用ホースを作製した。
(実施例11)
外層形成用ゴム組成物の調製において、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの種類を変更した以外は実施例1と同様にして、燃料用ホースを作製した。
用いた材料は、以下の通りである。
(フッ素ゴム組成物)
・ポリオール架橋系フッ素ゴム(ポリオール架橋剤含有):ダイキン工業製「ダイエルG-558」
・水酸化カルシウム
・トリアリルイソシアヌレート:三菱ケミカル製「タイク」
・過酸化物架橋剤:日油製「パーヘキサ25B-40」
・酸化マグネシウム
・カーボンブラック<3>:東海カーボン製「シーストS」
(アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム組成物)
・アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム<1>(NBR):日本ゼオン製「ニポールDN202」
・アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム<2>(PVC含有、NBR+PVC)(NBR/PVC=70/30wt)
・パラフィン系ワックス<1>:精工化学製「サンタイトS」(融点68℃、ノルマルパラフィン81質量%、炭素数35以上59以下の炭化水素29質量%)
・パラフィン系ワックス<2>:日本精蝋製「OZOACE-0062」(融点69℃、ノルマルパラフィン76質量%、炭素数35以上59以下の炭化水素44質量%)
・パラフィン系ワックス<3>:日本精蝋製「Paraffin Wax-135」(融点59℃、ノルマルパラフィン89質量%、炭素数35以上59以下の炭化水素4質量%)
・イソパラフィンを主成分とするワックス:日本精蝋製「Hi-Mic-1080」(融点84℃)
・カーボンブラック<1>:旭カーボン製「アサヒサーマル」、吸油量29mL/100g、平均粒径80nm
・カーボンブラック<2>:東海カーボン製「シーストTA」、吸油量42mL/100g、平均粒径122nm
・カーボンブラック<3>:東海カーボン製「シーストS」、吸油量68mL/100g、平均粒径66nm
・カーボンブラック<4>:東海カーボン製「シースト3」、吸油量101mL/100g、平均粒径28nm
・カーボンブラック<5>:東海カーボン製「シースト9」、吸油量115mL/100g、平均粒径19nm
・酸化亜鉛:酸化亜鉛2種
・ステアリン酸:日油製「ビーズステアリン酸さくら」
・老化防止剤:精工化学製「オゾノン3C」
・可塑剤(エーテルエステル系):ADEKA製「アデカサイザーRS107」
・DBU塩(架橋促進剤):大阪ソーダ製「DA-500」
・架橋剤:硫黄
・架橋促進剤<1>:大内新興化学工業製「ノクセラーTET」
・架橋促進剤<2>:大内新興化学工業製「ノクセラーCZ」
作製した燃料用ホースについて、層間接着性、引張強さの評価を行った。評価結果を配合と合わせて表に示す。
(層間接着性)
作製した架橋前の燃料用ホース(積層体)を湿熱処理(50℃×95%RH×24H)した後、160℃で45分加熱し、スチーム架橋を行った。得られた燃料用ホースから幅25mmの試験片を切り出し、その試験片の外層を、引張試験機を用いて毎分50mmの速度で引き剥がし、その際の破壊状態を観察した。母材破壊したものを特に良好「◎」、一部母材破壊したものを良好「○」、界面剥離したものを不良「×」とした。
(引張強さ)
作製した架橋前の燃料用ホース(積層体)を160℃で45分加熱し、スチーム架橋を行った。得られた燃料用ホースから外面ゴムをスライスしてサンプルを採取し、上記サンプルからJIS5号ダンベルを打ち抜き、このダンベルを用い、JIS K6251に準拠して、破断時の引張強さを測定した。引張強さが12MPa以上であった場合を特に良好「◎」、引張強さが8MPa以上であった場合を良好「〇」、引張強さが8MPa未満であった場合を劣る「×」とした。
Figure 0007364827000001
比較例1~4では、内層と外層の押出成形後の保管時に、内層の未架橋のフッ素ゴムが水酸化カルシウム(塩基性成分)により外層との接着界面でスコーチし、ヤケが発生しており、このために、ポリオール架橋系フッ素ゴムを含む内層とアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層の層間接着性が悪くなり、剥離試験において界面剥離が生じている。比較例5では、材料強度が不十分である。一方、実施例では、内層と外層の押出成形後の保管時に、このようなヤケは観察されず、ポリオール架橋系フッ素ゴムを含む内層とアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層の層間接着性に優れており、剥離試験において界面剥離ではなく母材破壊が生じている。また、材料強度にも優れる。
実施例と比較例を比較すると、実施例は、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層にパラフィン系ワックスと吸油量の異なる特定の2種のカーボンブラックを含有させているのに対し、比較例1は、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層にパラフィン系ワックスではなくイソパラフィンを主成分とするワックスを配合しており、比較例4,5は、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層にパラフィン系ワックスと1種のカーボンブラックを配合しているだけであり、比較例2は、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層にパラフィン系ワックスと吸油量の異なる特定の2種のカーボンブラックを配合しているものの、吸油量の少ないカーボンブラックの割合が少なすぎており、比較例3は、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層にパラフィン系ワックスと吸油量の異なる特定の2種のカーボンブラックを配合しているものの、カーボンブラックの配合量が多すぎている。このことから、実施例のように、アクリロニトリル・ブタジエン系ゴムを含む外層にパラフィン系ワックスと吸油量の異なる特定の2種のカーボンブラックを特定量配合することで、内層と外層の押出成形後に未架橋状態で保管しても、ポリオール架橋系フッ素ゴムの内層とアクリロニトリル・ブタジエン系ゴムの外層の接着性に優れるようになるといえる。
次に、実施例どうしを比較すると、実施例1~3から、パラフィン系ワックスの融点が60℃以上75℃以下であると、上記効果に特に優れることがわかる。また、実施例1,4,5から、パラフィン系ワックスの配合量がアクリロニトリル・ブタジエン系ゴム100質量部に対し1~5質量部であると、上記効果に特に優れることがわかる。また、実施例1,6から、(H)のカーボンブラックの吸油量が40mL/100g以下であると、上記効果に特に優れることがわかる。また、実施例1,7,8から、(I)のカーボンブラックの吸油量が100mL/100g以下であると、上記効果に特に優れることがわかる。
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10 燃料用ホース
12 内層
14 外層

Claims (5)

  1. 管状の内層と、前記内層の外周面に接して設けられる外層と、を備えた燃料用ホースであって、
    前記内層が、下記の(A)~(E)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、
    前記外層が、下記の(F)~(I)を含有するゴム組成物の架橋体で構成され、
    前記(H)および前記(I)の合計量が、前記(F)100質量部に対し、20質量部以上70質量部以下であり、
    前記(H)の含有量が、前記(H)および前記(I)の合計量に対し、30質量%以上95質量%以下である、燃料用ホース。
    (A)ポリオール架橋系フッ素ゴム
    (B)ポリオール架橋剤
    (C)水酸化カルシウム
    (D)トリアリルイソシアヌレート
    (E)過酸化物架橋剤
    (F)アクリロニトリル・ブタジエン系ゴム
    (G)パラフィン系ワックス
    (H)吸油量50mL/100g未満のカーボンブラック
    (I)吸油量50mL/100g以上のカーボンブラック
  2. 前記(G)は、融点45℃以上75℃以下のパラフィン系ワックスである、請求項1に記載の燃料用ホース。
  3. 前記(G)の含有量は、前記(F)100質量部に対し、0.5質量部以上6.0質量部以下である、請求項1または請求項2に記載の燃料用ホース。
  4. 前記(H)が、吸油量20mL/100g以上45mL/100g以下のカーボンブラックであり、前記(I)が、吸油量55mL/100g以上120mL/100g以下のカーボンブラックである、請求項1または請求項2に記載の燃料用ホース。
  5. 前記(H)の平均粒径は、75nm以上150nm以下であり、前記(I)の平均粒径は、15nm以上70nm以下である、請求項1または請求項2に記載の燃料用ホース。
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