JP7364254B2 - 開放形共振器 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体の誘電特性(複素比誘電率の実数部(比誘電率ε’)および誘電正接(tanδ))の測定に適した開放形共振器に関する。
車載レーダー、光通信、高速デジタル機器などの応用分野において、ミリ波帯の周波数が用いられているが、レーダーにおける位置分解能の向上、光通信における通信速度の上昇、デジタル機器における処理の高速化が必須の課題となっており、使用されるミリ波の周波数はさらに高まっていくことが想定される。現状では、それぞれ、75-80GHz帯、50GHz帯、40GHz帯が最先端機器での使用周波数帯であるが、今後は100GHzを超える周波数が想定されている。また、第5世代通信網(5G)の次に来る第6世代通信網(6G)においては、330GHz帯まで使うことを想定した議論がなされている。これに伴い、それらの機器に使用される材料特性の測定においても、より高周波を用いた測定が必要となってきている。材料特性のうちでも、高周波化にともなうミリ波のエネルギー損失が大きな問題となることから、材料の誘電特性の測定が必須の課題となっている。
ミリ波帯での誘電特性の測定においては、特にそのエネルギー損失の低減が重要な開発課題であることから、誘電正接(損失角、tanδ)の測定が重要であり、従来、共振器を用いた測定が主流である。スプリットシリンダー共振器はその代表的な装置であり、60GHz程度までの低損失材料の誘電正接の測定に用いられている。しかし、スプリットシリンダー共振器ではそれより高い周波数での誘電特性を正確に測定することが困難となってきており、それより上の周波数においては開放形共振器(ファブリペロ共振器)が適している(非特許文献1)。
ファブリペロ共振器においては、互いに対向して配置された2つの球面反射鏡の間にフィルム状に加工した試料を挿入し、例えば、100GHz程度の周波数の入力信号を入力して共振測定を行って共振波形を取得し、その試料の誘電特性を測定する。共振測定にはネットワークアナライザを用いることが多い。ネットワークアナライザをファブリペロ共振器につないで、横軸を周波数、縦軸を透過信号強度(透過係数)としたグラフ(共振波形)を取得し、共振特性を測定する。ここで、「共振特性」とは共振の中心周波数(共振周波数)とQ値(本明細書では中心周波数と3dBバンド幅の比を採用)のことである。試料があるときとないときの共振特性から試料の比誘電率と誘電正接を計算またはシミュレーションで求めるのが一般的である。
ファブリペロ共振器の各球面反射鏡は中心軸について軸対称であるため、入力信号の縦偏波と横偏波に対して共振器の形状が同じであり、入力される入力信号に縦偏波と横偏波が含まれる場合、試料を挿入していない状態(空状態)で測定される共振周波数は縦偏波の場合も横偏波の場合も同一である。つまり、ファブリペロ共振器におけるTEM00qモード共振では縦偏波の共振モードと横偏波の共振モードの2つの共振モードが縮退している。
実際のファブリペロ共振器では、入力される入力信号のうち縦偏波のみをのみを励起するように設計しているが、加工や組み立て精度には一定の制約(誤差)があるため、横偏波も励起される。特に、異方性のある試料は縦方向の比誘電率εv’と横方向の比誘電率εh’が異なるので、空状態で縦偏波と横偏波の共振周波数が同一であるファブリペロ共振器に異方性のある試料を挿入すると、縮退が解け、縦偏波の共振周波数と横偏波の共振周波数に差が生じ、共振波形に2つの共振周波数が観測される。このように、本来測定されるべき縦偏波の共振波形に横偏波の共振波形が重畳されると、試料の誘電特性を正確に測定することが困難となる。
A. L. CULLEN and P. K. YU, The accurate measurement of permittivity by means of open resonator, Proc. R. Soc. Lond. A. 325, 493-509 (1971)
誘電率に異方性を有する試料の誘電特性をより高精度に測定することができる開放形共振器を提供する。
本開示の開放形共振器は、互いに対向して配置される2つの反射球面をそれぞれ有する2つの球面反射鏡と、前記2つの反射球面の間に配置される試料の誘電特性を測定するための入力信号を入力する信号注入部と、を備える。前記2つの球面反射鏡の少なくとも一方の球面反射鏡は、前記少なくとも一方の球面反射鏡の反射球面に沿って配置された溝を有する。
本開示の開放形共振器によれば、測定に使用する信号の縦偏波のみを実質的に用いて試料の誘電特性を測定することができるので、異方性を有する試料の誘電特性を高精度に測定することができる。
実施の形態1に係るファブリペロ共振器の模式図 実施の形態1に係るファブリペロ共振器の球面反射鏡のZ方向から見た模式図 図2Aに示す2B-2B断面線による断面を示す説明図 異方性により共振の縮退が解けた共振波形を示す図(異方性大) 異方性により共振の縮退が解けた共振波形を示す図(異方性小) 異方性を有しない試料の共振波形を示す図 異方性により共振の縮退が解けた共振波形を説明する図 異方性により共振の縮退が解けた共振波形を説明する図 実施の形態1に係るファブリペロ共振器で測定された共振波形を示す図 実施の形態2に係るファブリペロ共振器の球面反射鏡のZ方向から見た模式図 図6Aに示す6B-6B断面線による断面を示す説明図 実施の形態3に係るファブリペロ共振器の球面反射鏡のZ方向から見た模式図 図7Aに示す7B-7B断面線による断面を示す説明図
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るファブリペロ共振器の模式図である。図1に示すように、実施の形態1に係るファブリペロ共振器100は、固定台10、第1の球面反射鏡11、第2の球面反射鏡12、試料台20、マイクロメータ22および覆い30を有する。ファブリペロ共振器100は、開放形共振器の一例である。以下の説明では、図1に示すXYZ直交座標系を用いて説明し、X方向は上下方向、Y方向は前後方向、Z方向は左右方向に、それぞれ対応する。
固定台10には、図1に示すように、第1の反射球面13を有する第1の球面反射鏡11と第2の反射球面14を有する第2の球面反射鏡12が、互いに対向して配置される。このとき、第1の反射球面13の中心と第2の反射球面14の中心とは、所定の球面間距離D0を有する。第1の反射球面13および第2の反射球面14の中心には、中心軸Cに沿って、それぞれ第1の導波管41および第2の導波管42が配置され、第1の導波管41および第2の導波管42の球面側の先端開口部には、所望の共振特性を得る結合状態を形成するための微小の径を有する第1の結合孔15および第2の結合孔16がそれぞれ形成されている。第1の球面反射鏡11の第1の導波管41は試料の誘電特性の測定のための入力信号が入力される信号注入部であり、第2の球面反射鏡12の第2の導波管42は検出信号が出力される信号検出部である。
試料台20は、貫通孔21を有し、互いに対向する第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間に配置される。試料台20は、誘電特性の測定の対象となる試料25を取り付けるホルダである。試料25は貫通孔21を覆うように取り付けられる。試料台20に取り付けられた試料25の左右方向(Z方向)の位置を調整するためのマイクロメータ22が取り付けられている。マイクロメータ22は、固定台10(即ち、第1の球面反射鏡11および第2の球面反射鏡12)に対して試料台20のZ方向の位置を調整することにより試料台20に取り付けられた試料25の位置を調整することができる位置調整機構である。
覆い30は、透明のアクリル板からなる前板、背板および前板と背板とを接続する天板を有してコの字形状に形成されている。図1に示すように、誘電特性の測定時においては、覆い30の前板、背板および天板は、それぞれファブリペロ共振器100の前面側、背面側および上面側を覆う。また、試料取付時においては、覆い30は上方にスライドされてファブリペロ共振器100から外され、第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間(即ち、試料台が配置される空間)が露出した状態となっている。
図2Aは、ファブリペロ共振器100の第1の球面反射鏡11のZ方向から見た模式図であり、図2Bは、図2Aに示す2B-2B断面線による断面を示す説明図である。図2A、図2Bに示すように、第1の球面反射鏡11は、第1の反射球面13、第1の反射球面13の中心に形成された第1の結合孔15および第1の反射球面13に形成された溝17A、17B(総称して、溝17という)を有する。溝17A、17Bは、第1の反射球面13の中心軸C(Z方向)を対称軸として軸対称に、第1の結合孔15から所定の距離(実施の形態1では1mm)隔ててそれぞれ上下方向(縦方向)に第1の反射球面13の端部まで形成されている。なお、溝17は第1の反射球面13の端部近傍(端部までの距離が約1mm)まで形成されていれば、必ずしも端部まで形成される必要はない。溝17を第1の結合孔15と隔てて配置するのは、溝17の接続による第1の結合孔15の形状の変形を避けるためである。
また、溝17は、中心軸Cを通るZX面に沿って縦方向に形成され、中心軸Cを通るYZ面について面対称に配置されている。ここで、縦方向とは、溝17をXY平面に投影した時の溝17が延在する方向(X方向)であり、縦方向は、ZX面に平行な方向であって、入力信号の電界の方向と実質的に一致する。即ち、入力信号の電界の方向は基本的には縦方向である。基本的にというのは、入力信号は、電界の方向が縦方向(即ち、縦偏波)となるように第1の導波管41から入力されるが、第1の導波管41の寸法誤差、第1の結合孔15の加工精度および第1の結合孔15と第1の導波管41の配置精度の関係で、事実上、実際に入力された入力信号には横方向の信号(横偏波)の成分が生じることが避けられないからである。
ファブリペロ共振器100では、球面間距離D0は120mmであり、第1の反射球面13および第2の反射球面14の半径は96mm、球面深さは5mm、XY面に投影した円の半径は約30.6mmであり、溝17の深さは0.8mm、幅は0.2mmである。ファブリペロ共振器100の測定周波数は、75~110GHzであり、溝17の深さ(0.8mm)は、測定周波数の波長の1/4程度に設定している。これは、溝の深さが測定周波数の波長の1/4のときに反射球面を流れる横方向の表面電流が最も小さく(ほぼゼロに)なるからである。また、溝の深さが測定周波数の波長の1/2になると横方向の表面電流を抑制する効果がほとんどなくなるので、最も高い測定周波数においても、溝の深さが波長の1/2にならないことが望ましい。そのため、溝の深さは、測定周波数の波長の1/8以上1/2未満の範囲に設定することが望ましい。
(誘電特性の測定)
ファブリペロ共振器100による誘電特性の測定の手順(ステップ)は次の通りである。
1)ファブリペロ共振器100、ネットワークアナライザおよびコントローラをケーブルで接続する。
2)試料を装着しない状態(試料無)で、測定する共振周波数において、共振特性(第1の共振特性)を測定し共振波形のバンド幅からQ値Qemptyを求める。
3)測定する周波数における共振とその前後の共振とを合わせた5個の共振を測定し、5個の共振周波数から、反射球面間の球面間距離D0を計算で求める。
4)ファブリペロ共振器100の覆い30を外して試料25を試料台20に装着した後、覆い30で第1の球面反射鏡11と第2の球面反射鏡12との間の空間を覆う。
5)マイクロメータ22を操作して、試料25の位置調整を行う(共振周波数が最小値を示す位置に試料25の位置を合わせる)。
6)試料25の位置調整がされた状態(試料有)で、測定する共振周波数において、共振特性(第2の共振特性)を測定し、試料25の挿入によって移動した共振の中心周波数(共振周波数Fsample)とQ値Qsampleを求める。
7)試料25の厚さt、球面間距離D0、試料を装着しない状態のQ値Qempty、試料を装着した状態の共振周波数Fsample、試料を装着した状態のQ値Qsampleから試料の比誘電率ε’と誘電正接tanδを計算で求める。
同一の試料25に対して複数の周波数で誘電特性を測定するときは、上記ステップ1)の後、上記ステップ2)および3)を測定対象のすべての周波数で行い、次に上記ステップ4)および5)を行った後、上記ステップ6)および7)を測定対象のすべての周波数で行う。
(効果等)
ファブリペロ共振器は、入力される入力信号を互いに対向する反射球面の金属表面で反射させることにより共振特性を測定する。入力される入力信号が反射球面で反射されるのは、金属表面に電流が流れ、金属内部には電界が入れない(金属表面における境界条件:E=0)ためである。このため、溝17を有しない均一な金属表面の反射球面では入力信号の縦偏波も横偏波も同じように反射される。これに対し、図2Aおよび図2Bに示すファブリペロ共振器100の第1の反射球面13のように、ZX面に沿って溝17を形成すると、ZX面と平行な方向(縦方向)に流れる表面電流は影響を受けないが、ZX面と交差する方向(横方向)の表面電流は流れにくくなる。このため、入力信号の縦偏波は全反射されるが、横偏波の電磁波の反射は弱く、横偏波の共振はほとんど消滅し観測不能なレベルとなる。
図3A~図3Cは、溝17を有しない従来のファブリペロ共振器を用いて、3種類の試料(異方性大:図3A、異方性小:図3B、異方性無:図3C)の共振特性を測定したときの共振波形を示す図である。反射球面が溝17を有しない従来のファブリペロ共振器を用いて、異方性の大きい試料(液晶ポリマー(LCP))の共振特性を測定すると、図3Aに示すように、共振が大きく分離し、共振波形に2つの共振が観測される。異方性の小さい試料(ポリイミド)の場合は、図3Bに示すように、共振のピークの比較的近く(共振周波数よりも低い周波数側)に「コブ」が現れ、共振波形の変形が観測される。異方性を有しない試料(シクロオレフィンポリマー(COP))の場合は、図3Cに示すように、測定された共振波形に変形は観測されない。
図4Aおよび図4Bは、異方性により共振の縮退が解けた共振波形を説明する図である。図4Aに示す場合のように、試料25の異方性により共振の縮退が解けて縦偏波の共振周波数の近傍に横偏波の共振周波数が存在すると、測定される共振波形において縦偏波の共振周波数から横偏波の共振周波数の方へシフトした共振周波数が測定されることになる。共振周波数がシフトすると比誘電率の測定値に誤差を生じすることになる。また、図4Bに示す場合のように、試料25の異方性により共振の縮退が解けて縦偏波の共振波形の3dBバンド幅BW3dB内に横偏波の共振周波数が存在すると、測定される共振波形において縦偏波の共振波形の3dBバンド幅BW3dBよりも大きい3dBバンド幅BW3dBが測定されることになる。3dBバンド幅BW3dBが大きくなると誘電正接の測定値に誤差を生じすることになる。なお、横偏波の共振が縦偏波の共振に対して高周波側と低周波側のどちらに位置するかは測定される試料25の縦方向の誘電率と横方向の誘電率の大小関係による。
図5は、第1の球面反射鏡11が溝17を有するファブリペロ共振器100を用いて、比較的異方性の小さい試料の共振特性を測定したときの共振波形を示す図である。第1の球面反射鏡11が溝17を有するファブリペロ共振器100を用いて、比較的異方性の小さい試料(ポリイミド)のの共振特性を測定すると、図5に示すように、上記図3Bに示したような「コブ」は現れず、共振波形に変形は観測されない。これは、溝17により第1の反射球面13の表面に生じる横方向の表面電流が抑制され、入力信号の横偏波による共振が実質的に消滅し縦偏波の共振のみが観測されるためである。
ファブリペロ共振器100では、第1の球面反射鏡11の第1の反射球面13に2つの溝17A、17Bを形成したが、例えば、第2の球面反射鏡12の第2の反射球面14にも溝17A、17Bと同様に2つの溝を設けてもよいし、溝17Bを第1の反射球面13ではなく第2の反射球面14に設けてもよい。このように、溝17は、第1の反射球面13および第2の反射球面14の一方のみに設けられてもよいし、両方に設けられてもよく、両方に設けられる場合、溝の形状は同じであってもよいし異なってもよい。入力される入力信号の横偏波の反射を十分に抑えることができるように、2つの反射球面に縦方向に設けられる溝17の数(即ち、溝17の縦方向の総長さ)を設定することができる。
ファブリペロ共振器100では、中心軸Cを通るZX平面に沿って、溝17Aを第1の結合孔15の近傍から+X方向に第1の反射球面13の端部まで、溝17Bを第1の結合孔15の近傍から-X方向に第1の反射球面13の端部まで形成し、溝17を軸対称かつ面対称に配置したが、必ずしも溝17を軸対称かつ面対称に配置する必要はない。例えば、2つの溝17の少なくとも一方の長さを短くしてしてもよい。反射球面に縦方向の溝を形成すれば、入力される入力信号の横偏波の反射を抑制することができ、横偏波の反射を十分に抑えることができるように、溝17の縦方向の総長さを設定することができる。
(実施の形態2)
図6Aは、実施の形態2に係るファブリペロ共振器の第1の球面反射鏡111のZ方向から見た模式図であり、図6Bは、図6Aに示す6B-6B断面線による断面を示す説明図である。第1の球面反射鏡111は、図6Aおよび図6Bに示すように、Y方向に並んで第1の反射球面113に形成された2つの溝117A、117B(総称して、溝117という)を有する点で、X方向に並んで第1の反射球面13に形成された2つの溝17を有する実施の形態1の第1の球面反射鏡11と異なる。具体的には、実施の形態2の2つの溝117は、実施の形態1の2つの溝17と同様にZX面と平行(即ち、縦方向)に形成されているが、実施の形態1の2つの溝17が第1の反射球面13の中心軸Cを通るZX面に沿って配置されているに対して、実施の形態2の2つの溝117は第1の反射球面113の中心軸Cを通るZX面上には配置されていない。溝117Aは中心軸Cの+Y方向側に、溝117Bは中心軸Cの-Y方向側に、第1の反射球面113の端部から端部まで縦方向に形成され、溝117はZX面について面対称に配置されている。なお、溝117は第1の反射球面113の端部近傍(端部までの距離が約1mm)まで形成されていれば、必ずしも端部まで形成される必要はない。溝117の深さおよび幅は実施の形態1の溝17と同じであり、実施の形態2に係るファブリペロ共振器の他の構成は実施の形態1に係るファブリペロ共振器100と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態2に係るファブリペロ共振器においても、溝117と交差する方向に流れる表面電流が抑制されるので、入力信号の横偏波の反射が抑制され、異方性を有する試料25の共振特性を測定した場合も、測定される共振波形に変形は生じない。
実施の形態2のファブリペロ共振器では、第1の反射球面および第2の反射球面のうち第1の反射球面113にのみ溝117を形成する例を説明したが、溝が第1の反射球面および第2の反射球面の両方に設けられてもよい点、両方に溝を設ける場合、溝の形状は同じであっても異なってもよい点は、実施の形態1の場合と同様であるので、説明を省略する。
実施の形態2のファブリペロ共振器では、第1の球面反射鏡111の第1の反射球面113に2つの溝117を形成したが、溝117の数は1つでもよいし、3以上でもよい。また、溝117を面対称に配置する例を説明したが、必ずしも面対称である必要はない。入力される入力信号の横偏波の反射を十分に抑えることができるように、溝117の数(即ち、溝117の縦方向の総長さ)を設定することができる。
(実施の形態3)
図7Aは、実施の形態3に係るファブリペロ共振器の第1の球面反射鏡211のZ方向から見た模式図であり、図7Bは、図7Aに示す7B-7B断面線による断面を示す説明図である。第1の球面反射鏡211は、図7Aに示すように、中心軸Cを中心としたZ方向視で左上側(+X方向かつ+Y方向側)と右下側(-X方向かつ-Y方向側)にそれぞれ溝217A、217B(総称して、溝217という)を有する点で、Y方向に並んだ2つの溝117を有する実施の形態2の第1の球面反射鏡111と異なる。具体的には、溝217Aは、中心軸Cの+Y方向側に、中心軸Cを通るYZ平面から+X方向に第1の反射球面213の端部近傍まで縦方向に形成され、溝217Bは、中心軸Cの-Y方向側に、中心軸Cを通るYZ平面から-X方向に第1の反射球面213の端部近傍まで縦方向に形成されている。溝217の形成を第1の反射球面213の端部近傍までに留め、端部まで形成しないのは、端部に近づくにつれて高精度での加工が困難となるからである。溝217は、実施の形態2の溝117と同様にZX面と平行(即ち、縦方向)に形成されているが、溝117よりも溝の長さが短い。また、溝217は中心軸Cについて軸対称に配置されている。溝217の深さおよび幅は実施の形態1の溝17と同じであり、実施の形態3に係るファブリペロ共振器の他の構成は実施の形態1に係るファブリペロ共振器100と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態3に係るファブリペロ共振器においても、溝217A、217Bと交差する方向に流れる表面電流が抑制されるので、入力信号の横偏波の反射が抑制され、異方性を有する試料25の共振特性を測定した場合も、測定される共振波形に変形は生じない。
実施の形態3のファブリペロ共振器では、第1の反射球面および第2の反射球面のうち第1の反射球面213にのみ溝217を形成したが、溝が第1の反射球面および第2の反射球面の両方に設けられてもよい点、両方に溝を設ける場合、溝の形状は同じであっても異なってもよい点は、実施の形態1の場合と同様であるので、説明を省略する。
実施の形態3のファブリペロ共振器では、第1の球面反射鏡211の第1の反射球面213に2つの溝217A、217Bを形成したが、溝217Aまたは溝217Bの一方のみでもよい。また、溝217を軸対称に配置する例を説明したが、必ずしも軸対称である必要はない。さらに、溝217の数は3以上となるように、中心軸Cを中心としたZ方向視で右上側(+X方向かつ-Y方向側)および左下側(-X方向かつ+Y方向側)の少なくとも一方にも配置してもよい。反射球面に縦方向の溝を形成すれば、入力される入力信号の横偏波の反射を抑制することができ、横偏波の反射を十分に抑えることができるように、溝217の数(即ち、溝217の縦方向の総長さ)を設定することができる。
(他の実施の形態)
実施の形態1のファブリペロ共振器100では、溝17が第1の反射球面13の中心軸Cを通るZX面上に配置される例を説明したが、溝17に加えて実施の形態2で説明した2つの溝117を第1の反射球面13に形成してもよい。入力される入力信号の横偏波の反射を十分に抑えることができない場合は、縦方向の溝を増やすことによって、さらに横偏波の反射を抑えることができる。
実施の形態1~3では、第1の反射球面13、113、213にそれぞれ溝17、117、217を形成する例について説明し、第2の反射球面14にも溝17、117、217と同様の溝を形成してもよい旨を述べた。第1の反射球面と第2の反射球面の両方に溝を形成する場合、第1の反射球面に形状される溝の形状パターンと第2の反射球面に形状される溝の形状パターンとは必ずしも同一である必要はない。例えば、実施の形態1のファブリペロ共振器100において、第2の反射球面14に実施の形態2の溝117または実施の形態3の溝217と同様の溝を形成してもよい。このように、実施の形態1~3で説明した溝17、117、217を適宜組み合わせて、第1の反射球面および第2の反射球面に形成することも可能である。
実施の形態1~3では、溝17、117、217の形成方向である縦方向と入力信号の電界の方向とを実質的に一致させる例を説明した。溝の形成方向と入力信号の電界の方向とが厳密には一致する場合に、縦方向の表面電流には実質的に影響を与えることなく、最も効率よく横方向の表面電流を抑制することとなり、入力信号の横偏波の成分による共振は観測不能なレベルまで減衰する。しかし、溝の形成方向と入力信号の電界の方向とが厳密には一致せず、ある程度の角度を有する場合であっても、縦方向の表面電流に比べて横方向の表面電流を大きく抑制できる場合は、入力信号の縦偏波に比べて横偏波による共振は大きく減衰する。このような場合は、入力信号の横偏波による共振の影響を受けることなく、縦偏波による共振測定が可能となるので、溝の形成方向と入力信号の電界の方向とが実質的に一致していると言える。溝の形成方向と入力信号の電界の方向とのなす角度が大きくなるにつれて、縦方向の表面電流への影響が大きくなって入力信号の縦偏波による共振の減衰が大きくなる一方、横方向の表面電流に対する抑制は減少し入力信号の横偏波による共振の減衰は小さくなる。従って、効率よく入力信号の横偏波による共振を除去して縦偏波による共振測定を行うためには、XY平面(中心軸Cに垂直な平面)に投影した場合の溝の形成方向と入力信号の電界の方向とのなす角度が30度(望ましくは15度、より望ましくは5度)以下になるように、合わせる必要がある。
実施の形態1、2に係るファブリペロ共振器では、信号注入部および信号検出部に導波管を用いた。測定周波数に応じて、導波管に代えて、先端にループアンテナを有する同軸ケーブルを用いることもできる。
実施の形態1、2に係るファブリペロ共振器では、第1の反射球面13、113に縦方向の溝17、117を形成し電界の方向が縦方向の入力信号を入力する例を説明したが、反射球面に横方向の溝を形成し電界の方向が横方向の入力信号を入力して、試料の誘電特性を測定してもよい。即ち、縦方向および横方向に限らず、反射球面に形成された溝の形成方向を入力信号の電界の方向と実質的に合わせることにより、異方性を有する試料の誘電特性をより正確に測定することができる。
本発明の開放形共振器は、誘電率に異方性を有する試料の誘電特性をより高精度に測定することに適している。
10 固定台
11、111、211 第1の球面反射鏡
12 第2の球面反射鏡
13、113、213 第1の反射球面
14 第2の反射球面
15 第1の結合孔
16 第2の結合孔
17、17A、17B、117、117A、117B、217、217A、217B 溝
20 試料台
21 貫通孔
22 マイクロメータ
25 試料
30 覆い
41 第1の導波管
42 第2の導波管
100 ファブリペロ共振器
BW3dB 3dBバンド幅
C 中心軸
D0 球面間距離

Claims (7)

  1. 互いに対向して配置される2つの反射球面をそれぞれ有する2つの球面反射鏡と、
    前記2つの反射球面の間に配置される試料の誘電特性を測定するための入力信号を入力する信号注入部と、を備え,
    前記2つの球面反射鏡の少なくとも一方の球面反射鏡は、前記少なくとも一方の球面反射鏡の反射球面に沿って配置された溝を有する、
    開放形共振器。
  2. 前記溝は、前記入力信号の電界の方向と実質的に同一の方向に形成される、
    請求項1に記載の開放形共振器。
  3. 前記溝の形成方向と、前記信号注入部からの前記入力信号の電界の方向とのなす角度は、30度以下である、
    請求項1に記載の開放形共振器。
  4. 前記溝は、前記2つの反射球面の中心を結ぶ中心軸を通る平面に平行に配置される、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の開放形共振器。
  5. 前記溝は、前記2つの反射球面の中心を結ぶ中心軸を通る平面に沿って配置される、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の開放形共振器。
  6. 前記2つの球面反射鏡の各々は、前記反射球面の中心に結合孔を有し、
    前記溝は、前記結合孔と所定の間隔を隔てて配置され、前記中心軸について軸対称および前記中心軸を通る平面について面対称の少なくとも一方の態様に配置される、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の開放形共振器。
  7. 前記溝の深さは、測定周波数に対応する波長の1/8以上1/2未満である、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の開放形共振器。
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