JP7363751B2 - 高炉の原料装入方法 - Google Patents
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Description
鉱石原料層内にコークスを一部混合することにより還元効率を高めることができることが知られている。これは、鉱石の還元によって生じるCO2ガスが高濃度で存在する鉱石近傍にコークスを混在させることにより、コークスのソルーションロス反応(C+CO2→2CO)が促進されて、還元ガスであるCOガスが高濃度に維持され、鉱石の還元効率を向上させるからである。
特許文献1には、炉頂バンカーに鉱石とコークスを混合して装入するに際し、ベルトコンベア上でのコークスの重ね位置を調整することで、炉頂バンカーから排出されるコークス混合率を制御する原料装入方法が示されている。
また、特許文献2には、鉱石とコークスを別々の炉頂バンカーに貯留しておき、炉頂バンカーからのコークスの排出を開始した後に鉱石の排出を開始することで、コークスと鉱石を混合装入する原料装入方法が示されている。
特許文献1の方法では、鉱石とコークスとを混合して炉頂バンカーに投入するため、炉頂バンカー内でコークスの偏析を生じることが避けられない。このため、炉内での鉱石とコークスの混合状態の制御には限界があり、想定した位置で想定した鉱石とコークスの混合状態を得ることが難しいという問題がある。
また、特許文献2の方法は、鉱石とコークスとを別々の炉頂バンカーに貯留し、鉱石とコークスとを同時に排出することが可能であるため、コークス混合率の制御性は向上する。この方法では、1バッチの中でコークスを炉中心から装入し始めて、その後に鉱石を混合して鉱石・コークスの混合層を形成するため、混合層を形成するコークスとしては、中心コークスを形成するために使用される大塊のコークスが使用される。そのため、混合層中のコークスの表面積は相対的に小さくなり、鉱石・コークスの混合層において期待されるソリューションロス反応が進みにくく、還元効率の向上が不十分であるという問題がある。
[1]ベルレス型装入装置を有するベルレス高炉において鉱石原料とコークスの混合装入を行う原料装入方法であって、
鉱石原料(a)と混合装入用のコークス(b)を別々の炉頂バンカーに貯留しておき、
1チャージ分の鉱石原料を装入する際に、鉱石原料(a)とコークス(b)を各炉頂バンカーから同時に排出して混合装入することにより、鉱石原料(a)とコークス(b)の混合層(x)を形成し、次いで、鉱石原料(a)のみを炉頂バンカーから排出して装入することにより、混合層(x)の上層に、当該チャージの全鉱石原料装入量の10~90質量%の鉱石原料(a)からなる鉱石原料単独層(y)を形成することを特徴とする高炉の原料装入方法。
[3]上記[1]または[2]の原料装入方法において、1チャージ当たり鉱石原料(a)とコークス(b)を各炉頂バンカーから同時に排出して混合装入する回数nに対し、炉頂バンカー数がn+2以上であることを特徴とする高炉の原料装入方法。
[5]上記[1]~[4]のいずれかの原料装入方法において、混合層(x)は、炉径方向において炉中心部領域以外の領域に形成されることを特徴とする高炉の原料装入方法。
[6]上記[1]~[5]のいずれかの原料装入方法において、混合層(x)とその上層の鉱石原料単独層(y)を1バッチで形成するに当たり、炉頂バンカーから鉱石原料(a)を排出する時間に対して、炉頂バンカーからコークス(b)を排出する時間を短くすることを特徴とする高炉の原料装入方法。
第1バッチでは、別々の炉頂バンカーに貯留された鉱石原料(a-1)とコークス(b)を、それぞれの炉頂バンカーから同時に排出して混合装入し、鉱石原料(a-1)の装入終了とともにコークス(b)の装入を終了させることにより混合層(x)を形成し、
第2バッチでは、他の炉頂バンカーに貯留された鉱石原料(a-2)を炉頂バンカーから排出して装入することにより、混合層(x)の上層に鉱石原料単独層(y)を形成することを特徴とする高炉の原料装入方法。
第1バッチでは、別々の炉頂バンカーに貯留された鉱石原料(a-1)とコークス(b-1)を、それぞれの炉頂バンカーから同時に排出して混合装入し、鉱石原料(a-1)の装入終了とともにコークス(b-1)の装入を終了させることにより混合層(x)の一部を形成し、
第2バッチでは、別々の炉頂バンカーに貯留された鉱石原料(a-2)とコークス(b-2)を、それぞれの炉頂バンカーから同時に排出して混合装入することにより、混合層(x)の残部を形成するとともに、所定量の鉱石原料(a-2)を装入した時点でコークス(b-2)の装入を終了させ、引き続き、残りの鉱石原料(a-2)を装入することにより、混合層(x)の上層に鉱石原料単独層(y)を形成することを特徴とする高炉の原料装入方法。
第1バッチでは、別々の炉頂バンカーに貯留された鉱石原料(a-1)とコークス(b)を、それぞれの炉頂バンカーから同時に排出して混合装入することにより、混合層(x)を形成するとともに、所定量の鉱石原料(a-1)を装入した時点でコークス(b)の装入を終了させ、引き続き、残りの鉱石原料(a-1)を装入することにより、混合層(x)の上層に鉱石原料単独層(y)の一部を形成し、
第2バッチでは、他の炉頂バンカーに貯留された鉱石原料(a-2)を炉頂バンカーから排出して装入することにより、鉱石原料単独層(y)の残部を形成することを特徴とする高炉の原料装入方法。
第1バッチでは、別々の炉頂バンカーに貯留された鉱石原料(a-1)とコークス(b-1)を、それぞれの炉頂バンカーから同時に排出して混合装入することにより、1層目の混合層(x1)を形成するとともに、所定量の鉱石原料(a-1)を装入した時点でコークス(b-1)の装入を終了させ、引き続き、残りの鉱石原料(a-1)を装入することにより、混合層(x1)の上層に1層目の鉱石原料単独層(y1)を形成し、
第2バッチでは、別々の炉頂バンカーに貯留された鉱石原料(a-2)とコークス(b-2)を、それぞれの炉頂バンカーから同時に排出して混合装入することにより、2層目の混合層(x2)を形成するとともに、所定量の鉱石原料(a-2)を装入した時点でコークス(b-2)の装入を終了させ、引き続き、残りの鉱石原料(a-2)を装入することにより、混合層(x2)の上層に2層目の鉱石原料単独層(y2)を形成することを特徴とする高炉の原料装入方法。
第1バッチで装入する鉱石原料(a-1)およびコークス(b-1)を、第1および第2の炉頂バンカーに貯留しておき、
第1バッチの装入が終了する前に、第2バッチで装入する鉱石原料(a-2)およびコークス(b-2)を、第3および第4の炉頂バンカーに貯留しておくことを特徴とする高炉の原料装入方法。
[12]上記[1]~[11]のいずれかの原料装入方法において、コークス(b)は、高炉装入用の塊コークスを得るためにコークスを分級した際の篩下コークスであることを特徴とする高炉の原料装入方法。
また、混合装入用のコークス(b)としては、室炉コークス、成形コークス、フェロコークスなどの1種以上を用いることができる。また、室炉コークスのなかでも粒径が小さいコークス、いわゆる小塊コークスを使用した場合には、低粒径による比表面積の増加によりソリューションロス反応によるガス化が促進され、還元効率をより高めることができる。通常、この小塊コークスとしては、高炉装入用の塊コークスを得るために室炉コークスを分級した際の篩下コークスが用いられる。
鉱石原料層Aは、下層側に鉱石原料(a)とコークス(b)の混合層xが形成され、この混合層xの上層に鉱石原料単独層yが形成される。上述したように、混合層xは、鉱石原料(a)とコークス(b)を各炉頂バンカーから同時に排出して混合装入することにより形成され、鉱石原料単独層yは、鉱石原料(a)のみを炉頂バンカーから排出して装入することにより形成される。この実施形態では、通気性を確保するため、炉中心部領域eには混合層xを設けず、炉中心部領域eは鉱石原料(a)のみで構成されている。そして、鉱石原料単独層y(炉中心部領域eの鉱石原料のように、混合層xの上に存在しない鉱石原料は鉱石原料単独層yには含まれない)は、当該チャージの全鉱石原料装入量の10~90質量%、好ましくは40~80質量%の鉱石原料(a)で構成される。したがって、残りの90~10質量%(好ましくは60~20質量%)のコークスは、混合層xに含まれるか、混合層xの上部以外の領域(炉中心部側領域eなど)に存在することになる。
混合層xにおけるコークス(b)の混合割合は特に限定しないが、一般には、鉱石原料(a)に対して7質量%以下程度の割合で混合するのが好ましい。これは、コークス(b)の混合割合が多すぎると、鉱石が昇温して溶融するまでにコークス(b)がガス化(ソリューションロス反応によるガス化)しきれずに小粒のコークスとして炉下部に残留してしまい、炉下部の通気性を阻害する恐れがあるためである。コークス(b)の混合割合が少なくても、鉱石原料(a)中に混合されるコークス(b)があれば、上記したガス化反応により鉱石の還元の促進に寄与するため、コークス混合装入の効果を得ることができる。コークス(b)の混合割合は、鉱石原料(a)に対して好ましくは2質量%以上あればよい。
そして、混合層xの上層に所定量(当該チャージの全鉱石原料装入量の10~90質量%、好ましくは40~80質量%)の鉱石原料(a)からなる鉱石原料単独層yを形成することにより、混合層x内でコークス(b)のソルーションロス反応で発生したCOガスを、上層の鉱石原料単独層yの還元に利用することができるため、鉱石の還元効率を向上させることができる。これに対して、コークス(b)の全部を鉱石原料(a)に均一混合装入した場合には、混合層xから上層のコークス層へ流れるガス中に、鉱石の還元に使われなかったCOガスが含まれた状態となり、鉱石の還元効率を十分向上できない。
この場合も、混合層xは、鉱石原料(a)とコークス(b)を各炉頂バンカーから同時に排出して混合装入することにより形成され、鉱石原料単独層yは、鉱石原料(a)のみを炉頂バンカーから排出して装入することにより形成される。
また、この実施形態でも、通気性を確保するため、炉中心部領域eには混合層xを設けず、炉中心部領域eは鉱石原料のみで構成されている。そして、複数の鉱石原料単独層y(炉中心部領域eの鉱石原料のように、混合層xの上に存在しない鉱石原料は鉱石原料単独層yには含まれない)を合わせた鉱石原料は、当該チャージの全鉱石原料装入量の10~90質量%、好ましくは40~80質量%の鉱石原料(a)で構成される。
粒径15-20mmの焼結鉱を1000g、粒径15-20mmのコークスを25g準備し、試験材に供した。試験材の層厚は約140mmであり、電気炉の均熱帯よりも長くなったため、試験材を層厚方向に2分割して各70mmとし、下層試験材の排ガスデータから上層試験材のガス条件を算出した上で試験を行い、上層試験材と下層試験材の平均還元率を求めた。試験材の層構造は、焼結鉱とコークスが均一に混合した層(以下、混合層という)の上層に焼結鉱のみの層(以下、焼結鉱単独層という)を形成させ、焼結鉱単独層の質量を変化させて試験を行った。その結果を図3に示す。ここで、焼結鉱の還元率とは、2分割した試験材それぞれの還元率の平均値である。還元率は、試験材の実験前後の質量を測定し、質量減少分が還元により除去された酸素量であるとして算出した。
以上の結果から、本発明では、混合層xの上層に形成される鉱石原料単独層yは、当該チャージの全鉱石原料装入量の10~90質量%、好ましくは40~80質量%、より好ましくは40~60質量%の鉱石原料(a)で構成する。
炉頂バンカーの大きさは、装入する鉱石原料(a)やコークス(b)の量に応じて決められる。炉頂バンカーは、鉱石原料(a)の貯留とコークス(b)の貯留を兼用できるものでもよいし、鉱石原料(a)の貯留専用とコークス(b)の貯留専用のものでもよいが、前者の方が炉頂バンカー数を少なくできるので好ましい。
なお、コークス(b)を炉頂バンカーに投入して貯留するには、炉頂バンカーに原料を搬送するためのベルトコンベア上に切出しホッパーを設置し、この切出しホッパーからベルトコンベア上にコークス(b)が切り出されるようにすることが望ましい。
鉱石原料層Aを構成する1チャージ分の原料は、1バッチ、複数バッチ(例えば2バッチ)のいずれで装入してもよい。
鉱石原料(a)とコークス(b)は、ベルレス型装入装置を構成する旋回シュートを通じて装入され、旋回シュートの傾動角を調整(変更)することにより、炉半径方向で炉中心部側から炉壁側に向けて、若しくは炉壁側から炉中心部側に向けて原料が順次装入される。ここで、1バッチ内で混合層xを形成し、さらにその上層に鉱石単独層yを形成する場合、例えば、鉱石原料(a)とコークス(b)を同時排出する期間に旋回シュートの傾動角を変更していた方向に対して、コークス(b)の同時排出を終了した時点以降は逆の方向に旋回シュートの傾動角を変更するようにすることで、鉱石原料(a)とコークス(b)の混合層xの上層に鉱石原料単独層yを形成することができる。
なお、本実施形態のように、1つバッチ(第2バッチ)において、混合層xの残部を形成し、さらにその上層に鉱石原料(a)を装入して鉱石単独層yを形成するには、上述したように、混合層xの残部を形成した後、旋回シュートをそれまでとは逆向きに傾動させて鉱石原料(a)を装入すればよい。
なお、本実施形態のように、1つのバッチ(第1バッチ)において、混合層xの残部を形成し、さらにその上層に鉱石原料(a)を装入して鉱石原料単独層yの一部を形成する場合も、上述したと同様に、混合層xの残部を形成した後、旋回シュートをそれまでとは逆向きに傾動させて鉱石原料(a)を装入すればよい。
なお、図5(D)と図5(E)の実施形態のように1つのバッチ(第1バッチ、第2バッチ)において、混合層x1、x2を形成し、さらにそれらの上層に鉱石原料(a)を装入して鉱石原料単独層y1、y2を形成する場合も、上述したと同様に、混合層x1、x2を形成した後、旋回シュートをそれまでとは逆向きに傾動させて鉱石原料(a)を装入すればよい。
なお、以下の具体例において、例えば、1つバッチ内で混合層x(またはその一部)とその上層の鉱石原料単独層y(またはその一部)を形成するには、旋回シュートによる原料装入中に、旋回シュートの傾動の向きや、炉半径方向での旋回シュートの装入方向を適宜変えればよい。
まず、図1に示すように混合層xを1層設ける場合であって、混合層xとその上層の鉱石原料単独層yを2バッチで形成する場合について説明すると、図6はその一実施形態を示すものであり、第1バッチでは、図6(ア)に示すように、炉半径方向における炉中心部領域eに対して鉱石原料(a)のみを装入し、それ以外の領域に対して鉱石原料(a)とコークス(b)を混合装入することで混合層xを形成する。続く第2バッチでは、図6(イ)に示すように、炉半径方向における全部の領域に対して鉱石原料(a)のみを装入することで、混合層xの上層に鉱石原料単独層yを形成するとともに、炉中心部領域eの残部を形成する。
同じく他の実施形態としては、第1バッチでは、炉半径方向における炉中心部領域eに対して鉱石原料(a)のみを装入し、それ以外の領域に対して鉱石原料(a)とコークス(b)を混合装入することで混合層xの一部を形成する。続く第2バッチでは、炉半径方向における炉中心部領域e以外の領域の一部または全部に対して、鉱石原料(a)とコークス(b)を混合装入することで混合層xの残部を形成した後、引き続き、炉半径方向における全部または一部の領域に対して鉱石原料(a)のみを装入することで、混合層xの上層に鉱石原料単独層yを形成するとともに、炉中心部領域eの鉱石原料層の残部を形成する。
なお、図2に示すように混合層xを2層設ける場合、混合層x1,x2とそれらの上層の鉱石原料単独層y1,y2を、それぞれ別々のバッチ(計4バッチ)で形成するようにしてもよい。
その一実施形態としては、旋回シュートにより、炉半径方向で炉壁側から炉中心部側に向けて原料装入を行った後、折り返して炉中心部側から炉壁側に向けて原料装入を行うことにより、混合層xとその上層の鉱石原料単独層yを1バッチで形成するに当たり、炉壁側から炉中心部側に向けて行う原料装入では、鉱石原料(a)とコークス(b)を各炉頂バンカーから同時に排出して混合装入を開始し、この混合装入を継続して混合層xを形成した後、炉半径方向における炉中心部領域eに対しては、鉱石原料(a)のみを炉頂バンカーから排出して装入し、続く炉中心部側から炉壁側に向けて行う原料装入では、鉱石原料(a)のみを炉頂バンカーから排出して装入することにより、混合層xの上層に鉱石原料単独層yを形成するとともに、炉中心部領域eに鉱石原料層を形成する。
また、以上のような各実施形態(混合層xとその上層の鉱石原料単独層yを1バッチで形成する実施形態)の原料装入を2回繰り返すこと(2バッチ)により、図2に示すような混合層xと鉱石原料単独層yをそれぞれ2層設けた層構造とすることもできる。
図8(ア)~(キ)は、各実施例(発明例、比較例)において鉱石原料層Aを形成する際の各炉頂バンカーからの原料装入のタイミングと装入期間を示している。なお、図8(ア)~(キ)(およびこれに関する以下の説明)は、炉径方向における炉中心部領域以外の領域に対する原料装入に関するものであり、炉中心部領域に対しては鉱石原料(a)のみを装入した(図1、図2参照)。すなわち、鉱石原料(a)(鉱石原料(a-1)および/または鉱石原料(a-2))の一部を、図示しないタイミングで炉中心部領域eに装入した。
表1に各実施例の操業結果を示す。
3基の炉頂バンカーを用い、混合層xの上層に当該チャージの全鉱石原料装入量の10質量%、50質量%、90質量%の鉱石原料(a)からなる鉱石原料単独層yをそれぞれ形成した発明例1、2、3は、混合層xの上層に鉱石原料単独層yを形成しなかった比較例1に較べて還元材比が低下した。一方、3基の炉頂バンカーを用い、混合層xの上層に当該チャージの全鉱石原料装入量の95質量%の鉱石原料(a)からなる鉱石原料単独層yを形成した比較例2は、混合層xにおけるコークス(b)の量が過剰となり、ソリューションロス反応によるCOガスの発生量が減少したため、還元材比は比較例1と同等であった。また、比較例1および発明例1では、1バッチ目の原料装入で空になった炉頂バンカーに原料を再装入(貯留)してから、2バッチ目の原料装入を行うため、1チャージ分の鉱石原料の装入時間が長くなり、出銑量が発明例2、3および比較例2よりも低位となった。
これに対して、4基の炉頂バンカーを用い、混合層xと鉱石原料単独層yを各2層形成した発明例5は、発明例4と同様、混合層xで発生したCOガスが還元に有効に使用されるため、還元材比が発明例1~3よりも低位となったが、さらに、1層目の混合層x1を形成するための原料装入中に別の炉頂バンカーに原料を投入して貯留し、2層目の混合層x2を形成するために使用できるため、炉頂バンカーに原料を補充する際の待ち時間を無くすことができ、出銑量が発明例2、3および比較例2と同等となった。このように、1チャージ当たり鉱石原料(a)とコークス(b)を各炉頂バンカーから同時に排出して混合装入する回数n(混合層xの層数)に対し、炉頂バンカー数をn+2以上とすることにより、炉頂バンカーに原料を補充するための待ち時間(炉内装入の待ち時間)を無くすことができ、原料を連続的に炉内装入することが可能となり、生産量の低下を防ぐことが可能となる。
B コークス層
x,x1,x2 混合層
y,y1,y2 鉱石原料単独層
e 炉中心部領域
1,2,3,4 炉頂バンカー
Claims (8)
- ベルレス型装入装置を有するベルレス高炉において鉱石原料とコークスの混合装入を行う原料装入方法であって、
鉱石原料(a)と混合装入用のコークス(b)を別々の炉頂バンカーに貯留しておき、
1チャージ分の鉱石原料を装入する際に、鉱石原料(a)とコークス(b)を各炉頂バンカーから同時に排出して混合装入することにより、鉱石原料(a)とコークス(b)の混合層(x)を形成し、次いで、鉱石原料(a)のみを炉頂バンカーから排出して装入することにより、混合層(x)の上層に、当該チャージの全鉱石原料装入量の10~90質量%の鉱石原料(a)からなる鉱石原料単独層(y)を形成する原料装入方法であり、
鉱石原料(a)とコークス(b)を各炉頂バンカーから同時に排出する前記混合装入と、鉱石原料(a)のみを炉頂バンカーから排出する前記装入を交互にそれぞれ複数回行うことにより、混合層(x)と鉱石原料単独層(y)が上下方向で交互にそれぞれ複数層形成され、全鉱石原料単独層(y)は、当該チャージの全鉱石原料装入量の10~90質量%の鉱石原料(a)からなることを特徴とする高炉の原料装入方法。 - 1チャージ当たり鉱石原料(a)とコークス(b)を各炉頂バンカーから同時に排出して混合装入する回数nに対し、炉頂バンカー数がn+2以上であることを特徴とする請求項1に記載の高炉の原料装入方法。
- 鉱石原料単独層(y)(但し、鉱石原料単独層(y)が複数層形成される場合には全鉱石原料単独層(y))は、当該チャージの全鉱石原料装入量の40~80質量%の鉱石原料(a)からなることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉の原料装入方法。
- 混合層(x)は、炉径方向において炉中心部領域以外の領域に形成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の高炉の原料装入方法。
- 混合層(x)とその上層の鉱石原料単独層(y)を1バッチで形成するに当たり、炉頂バンカーから鉱石原料(a)を排出する時間に対して、炉頂バンカーからコークス(b)を排出する時間を短くすることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の高炉の原料装入方法。
- 3基または4基の炉頂バンカーを用いて、1チャージ分の鉱石原料(a)を2バッチで装入するに際し、1チャージ分の鉱石原料(a)とコークス(b)を、鉱石原料(a-1)および鉱石原料(a-2)とコークス(b-1)およびコークス(b-2)に、それぞれ2分割し、
第1バッチでは、別々の炉頂バンカーに貯留された鉱石原料(a-1)とコークス(b-1)を、それぞれの炉頂バンカーから同時に排出して混合装入することにより、1層目の混合層(x1)を形成するとともに、所定量の鉱石原料(a-1)を装入した時点でコークス(b-1)の装入を終了させ、引き続き、残りの鉱石原料(a-1)を装入することにより、混合層(x1)の上層に1層目の鉱石原料単独層(y1)を形成し、
第2バッチでは、別々の炉頂バンカーに貯留された鉱石原料(a-2)とコークス(b-2)を、それぞれの炉頂バンカーから同時に排出して混合装入することにより、2層目の混合層(x2)を形成するとともに、所定量の鉱石原料(a-2)を装入した時点でコークス(b-2)の装入を終了させ、引き続き、残りの鉱石原料(a-2)を装入することにより、混合層(x2)の上層に2層目の鉱石原料単独層(y2)を形成することを特徴とする請求項1、3、4のいずれかに記載の高炉の原料装入方法。 - 4基の炉頂バンカーを用い、
第1バッチで装入する鉱石原料(a-1)およびコークス(b-1)を、第1および第2の炉頂バンカーに貯留しておき、
第1バッチの装入が終了する前に、第2バッチで装入する鉱石原料(a-2)およびコークス(b-2)を、第3および第4の炉頂バンカーに貯留しておくことを特徴とする請求項6に記載の高炉の原料装入方法。 - コークス(b)は、高炉装入用の塊コークスを得るためにコークスを分級した際の篩下コークスであることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の高炉の原料装入方法。
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