JP7363565B2 - 電磁接触器 - Google Patents

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Description

本発明は、電流路の開閉を行う電磁接触器に関する。
電流路の開閉を行う電磁接触器として、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。
特許文献1の電磁接触器は、固定接点を有する一対の固定接触子及び固定接点に接離可能な一対の可動接点を有する可動接触子を備えた接点機構と、可動接触子に駆動軸を介して連結された可動プランジャを有して接点機構を駆動する電磁石ユニットと、接点機構、駆動軸及び可動プランジャを収容する密封された収容室と、を備えている。
収納室は、駆動軸を挿通した仕切り部材によって接点機構と、電磁石ユニットの可動プランジャとを収容する空間が仕切られており、可動プランジャを上下方向に挿通する可動プランジャ貫通孔を有する板状の磁気ヨークと、磁気ヨークの上面に接合され、内部に接点機構と絶縁ホルダーを収容する接点収納ケースと、磁気ヨークの下面に接合され、内部空間に可動プランジャを摺動自在に収容するキャップとを、備えている。仕切り部材は、磁気ヨークと、磁気ヨークの上面に固定された永久磁石と、永久磁石の上面に配置されて駆動軸を上下方向に挿通する板状の補助ヨークと、補助ヨークの上面に配置され、駆動軸を上下方向に挿通するとともに駆動軸の外周面に接触する板状の異物侵入防止部材と、を備えている。また、絶縁ホルダーは有底筒状の部材であり、底部に駆動軸が挿通する挿通穴が形成されている。
電磁接触器の接点機構が開閉操作を行い、一対の固定接触子の固定接点に可動接触子の一対の可動接点が接触する際には、摩耗粉、スス、溶融飛散粒子などの異物が発生する。特許文献1の電磁接触器は、仕切り部材を構成する異物侵入防止部材が、接点機構の開閉操作で発生した異物を電磁石ユニットの可動プランジャを収納するキャップの内部空間に侵入するのを防止しており、可動プランジャがキャップの内部空間で正常に摺動動作を行うようにしている。
特許第6237916号公報
ところで、特許文献1の異物侵入防止部材は、自身に溜まった異物を回収することができず、異物である溶融飛散粒子が、接点機構側に戻って開閉操作に影響を与えるおそれがある。
そこで、本発明は、接点機構で発生した異物が電磁石ユニット側に侵入するのを防止し、且つ大容量の異物回収空間を確保することで、接点機構の開閉操作と電磁石ユニットの駆動動作に影響を与えない電磁接触器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電磁接触器は、固定接点を有する一対の固定接触子及び固定接点に接離可能な一対の可動接点を有する可動接触子を備える接点機構と、可動接触子に連結する駆動軸を有して一対の固定接触子に接離する接離方向に可動接触子を駆動する電磁石ユニットと、有底筒状の部材であり、底部に駆動軸が挿通するホルダー挿通孔が形成されて接点機構及び駆動軸を収納する絶縁ホルダーと、絶縁ホルダー内に発生した異物が電磁石ユニット側に侵入するのを防止する異物回収部材と、を備え、異物回収部材は、粘着性を有するゴムで形成され、底部に向けて開口している凹部が形成されている。
本発明の電磁接触器は、接点機構で発生した異物が、絶縁ホルダーの底部に向けて配置した異物回収部材の大容量の異物回収空間として形成された凹部に確保されるので、異物が電磁石ユニット側に侵入するのが防止されるとともに、接点機構の開閉操作と電磁石ユニットの駆動動作に影響を与えない。
本発明に係る第1実施形態の電磁接触器を示す断面図である。 本発明に係る第1実施形態で使用されている異物回収部材を示す斜視図である。 本発明に係る第1実施形態で使用されている異物回収部材の厚さ方向に沿う断面図である。 本発明に係る第2実施形態で使用されている異物回収部材を示す斜視図である。 本発明に係る第2実施形態で使用されている異物回収部材の厚さ方向に沿う断面図である。 本発明に係る第3実施形態で使用されている異物回収部材を示す斜視図である。 本発明に係る第3実施形態で使用されている異物回収部材の厚さ方向に沿った断面図である。 本発明に係る第4実施形態で使用されている異物回収部材を示す斜視図である。 本発明に係る第4実施形態で使用されている異物回収部材の厚さ方向に沿った断面図である。
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す複数の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態]
図1から図3は、本発明に係る第1実施形態の電磁接触器を示すものである。
図1は、第1実施形態の電磁接触器1を示す断面図であり、この電磁接触器1は、接点機構4と、この接点機構4を駆動する電磁石ユニット5とを備えている。
接点機構4は接点収納ケース6に収納されている。接点収納ケース6は、金属製の角筒体7と、この角筒体7の上端を閉塞する例えばセラミックや合成樹脂材などの絶縁材料により形成した絶縁基板8とを備えている。
角筒体7は、下部に形成した角筒体フランジ部7aが電磁石ユニット5の後述する上部磁気ヨーク21にシール接合された状態で固定されている。絶縁基板8には、貫通孔9,10が所定間隔をあけて形成されている。
接点機構4は、絶縁基板8に導体部11,12を介して固定されている一対の固定接触子13,14(以下、第1固定接触子13、第2固定接触子14と称する)と、これら第1及び第2固定接触子13,14に設けた第1及び第2固定接点13a,14aと対向する第1及び第2可動接点15a,15bを有する可動接触子15とを備えている。
可動接触子15は、電磁石ユニット5の可動プランジャ22に固定された駆動軸23に支持されており、可動接触子15の中央部に駆動軸23を挿通する貫通孔24が形成されている。
駆動軸23の長手方向の中央部には外方に突出する円形状の駆動軸フランジ部25が形成されており、可動接触子15の貫通孔24に駆動軸23を挿入することで、可動接触子15の中央下部が駆動軸フランジ部25に当接し、駆動軸23の上部から接触スプリング26を挿入する。そして、駆動軸23の上端に固定したスプリング受け27aとCリング27bとで接触スプリング26の上端を固定することで、接触スプリング26が可動接触子15に対して所定の付勢力を付与している。
電磁石ユニット5は、側面から見て扁平なU字形状の磁気ヨーク28を有し、この磁気ヨーク28の底板部の中央部に固定プランジャ29が配置され、この固定プランジャ29の外側にスプール30が配置されている。
スプール30は、固定プランジャ29を挿通する中央円筒部31と、この中央円筒部31の下端部から半径方向外方に突出する下フランジ部32と、中央円筒部31の上端より僅かに下側から半径方向外方に突出する上フランジ部33とで構成されている。そして、中央円筒部31、下フランジ部32及び上フランジ部33で構成される収納空間に励磁コイル34が巻装されている。
磁気ヨーク28の開放端となる上端に固定した上部磁気ヨーク21には、中央部にスプール30の中央円筒部31に対向する貫通孔21aが形成されている。
スプール30の中央円筒部31内に挿入された固定プランジャ29の上部には、有底筒状に形成されたキャップ35で覆われ、このキャップ35の開放端に半径方向外方に延長して形成されたフランジ部35aが配置されている。このフランジ部35aは、上部磁気ヨーク21の下面にシール接合されている。これによって、キャップ35が上部磁気ヨーク21の貫通孔21aを介して連通される密封容器が形成される。
キャップ35の内部には、可動プランジャ22が上下に摺動可能に挿入される。この可動プランジャ22には、上部磁気ヨーク21から上方に突出する上端部に半径方向外方に突出する周鍔部22aが形成されている。
上部磁気ヨーク21の上面には、環状に形成された駆動用永久磁石37が可動プランジャ22の周鍔部22aを囲むように固定されている。この駆動用永久磁石37は上下方向すなわち厚み方向に例えば上端側をN極とし、下端側をS極とするように着磁されている。
駆動用永久磁石37の上端面に、駆動用永久磁石37と同一外形で可動プランジャ22の周鍔部22aの外径より小さい内径の貫通孔38を有する補助ヨーク39が固定されており、この補助ヨーク39の下面に、可動プランジャ22の周鍔部22aが接触する。密閉された接点収納ケース6には、アーク消弧用の様々なガスが封入されている。
そして、駆動軸23の下方からバックスプリング36が挿通され、このバックスプリング36の一端側を駆動軸フランジ部25に当接した状態で、駆動軸23の外周に装着する。そして、バックスプリング36を装着した駆動軸23の下部を、補助ヨーク39の貫通孔38に挿通し、可動プランジャ22に挿通した後に固定する。これにより、バックスプリング36は、駆動軸23の駆動軸フランジ部25及び補助ヨーク39の内径側の上面との間に配置され、補助ヨーク39が永久磁石37側に押し付けられる方向にバックスプリング36の所定の付勢力が作用する。
第1固定接触子13は、導電性のある材料からなる側面視C字形状の導電板であり、可動接触子15の長手方向の両端側に離間し、絶縁基板8に導体部11,12を介して固定されている。
第1固定接触子13は、可動接触子15の第1可動接点15a側に配置されており、可動接触子15の第1可動接点15aに下側から対向し、第1固定接点13aを上面に設けた第1導電板部13bと、可動接触子15から離れた第1導電板部13bの端部から折り曲げられて上方に延在している第2導電板部13cと、第2導電板部13cの上端から折り曲げられて可動接触子15の上方に延在している第3導電板部13dと、を備えている。
また、第2固定接触子14は、可動接触子15の第2可動接点15b側に配置されており、可動接触子15の第2可動接点15bに下側から対向し、第2固定接点14aを上面に設けた第1導電板部14bと、可動接触子15から離れた第1導電板部14bの端部から折り曲げられて上方に延在している第2導電板部14cと、第2導電板部14cの上端から折り曲げられて可動接触子15の上方に延在している第3導電板部14dと、を備えている。
第1固定接触子13には、アークの発生を規制する合成樹脂製のアークバリア16が装着されている。第2固定接触子14にも、アークの発生を規制する合成樹脂製のアークバリア17が装着されている。これにより、第1固定接触子13の内周面は、第1固定接点13a及び第1導電板部13bが露出し、第2固定接触子14の内周面は、第2固定接点14a及び第1導電板部14bが露出している。
また、第1固定接触子13の第2導電板部13cの内側面及び第2固定接触子14の第2導電板部14cの内側面を覆うように、平面から見てC字状の磁性体板19a,19bが装着されている。これにより、第2導電板部13c、14cを流れる電流によって発生する磁場をシールドすることができる。
可動接触子15は、導電性材料により図2の左右方向に長尺な直線状の導電板であり、長手方向中央に貫通孔24が形成されており、長手方向の両端部の下面に第1可動接点15a及び第2可動接点15bが形成されている。
接点収納ケース6の内部には、有底筒形状の絶縁ホルダー18が配置されている。絶縁ホルダー18は、溶融したときに水素ガスが発生する絶縁性の合成樹脂によって形成されている。絶縁ホルダー18は、接点収納ケース6の角筒体7の内側に沿って延在する筒状絶縁壁18aと、筒状絶縁壁18aの下部に形成されて上部磁気ヨーク21、駆動用永久磁石36及び補助ヨーク39の上面を覆う絶縁底18bと、を備えている。
そして、絶縁底18bには、駆動軸23及び駆動軸23の外周に装着されたバックスプリング36が遊挿される挿通孔18cが形成されているとともに、挿通孔18cの開口縁部から補助ヨーク39に向って延在し、駆動軸23及びバックスプリング36の外周を囲む円筒形状の絶縁筒部18dが、絶縁底18bに一体に形成されている。
また、絶縁ホルダー18の絶縁底18bの下面と、補助ヨーク39を介して可動プランジャ22の周鍔部22aの上面との間には、異物回収部材40が配置されている。
異物回収部材40は、図2に示すように、外観が略直方体形状の合成ゴムであり、図3にも示すように、厚さ方向の一方の面40aで開口する碗型の凹形状とした粘着性を有する付着面41が形成されている。この碗型の凹形状とした付着面41の底には、厚さ方向の他方の面40bに連通した挿通孔42が形成されている。挿通孔42には、駆動軸23の外周が接触した状態で挿通されている。
この異物回収部材40は、絶縁底18bの下面と補助ヨーク39の上面との間で圧縮され、付着面41に絶縁底18bの絶縁筒部18dが入り込んだ状態で配置されている。
次に、第1実施形態の電磁接触器1の動作及び作用について説明する。
今、電磁石ユニット5の励磁コイル34が無励磁状態にあって、電磁石ユニット5で可動プランジャ22を下降させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。
この釈放状態では、可動プランジャ22が復帰スプリング36によって、上部磁気ヨーク21から離れる上方向に付勢される。これと同時に、駆動用永久磁石37の磁力による吸引力が補助ヨーク39に作用し、可動プランジャ22の周鍔部22aが吸引される。このため、可動プランジャ22の周鍔部22aの上面が補助ヨーク39の下面に接触している。
可動プランジャ22に駆動軸23を介して連結されている接点機構4の可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bが、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aに対して離間している。これにより、第1固定接触子13及び第2固定接触子14の間の電流路が遮断状態にあり、接点機構4が開極状態となっている。
この接点機構4が開極状態から、電磁石ユニット5の励磁コイル34に通電すると、この電磁石ユニット5で励磁力が発生し、可動プランジャ22を復帰スプリング36の付勢力及び駆動用永久磁石37の吸引力に抗して下方に押し下げる。この可動プランジャ22の下降が、周鍔部22aの下面が上部磁気ヨーク21の上面に当たることで停止する。
このように、可動プランジャ22が下降することにより、可動プランジャ22に駆動軸23を介して連結されている可動接触子15も下降し、接点機構4の可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bが、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aに対して接触スプリング26の接触圧で接触する。
このため、電力供給源の大電流が、第1固定接触子13、可動接触子15、第2固定接触子14を通じて負荷装置に供給され閉極状態となる。
この接点機構4の閉極状態から、負荷装置への電流供給を遮断する場合には、電磁石ユニット5の励磁コイル34への励磁を停止する。
励磁コイル34への励磁を停止すると、電磁石ユニット5で可動プランジャ22を下方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ22が復帰スプリング36の付勢力によって上昇し、周鍔部22aが補助ヨーク39に近づくに従って駆動用永久磁石37の吸引力が増加する。
この可動プランジャ22が上昇することにより、駆動軸23を介して連結された可動接触子15が上昇する。これに応じて接触スプリング26で接触圧を与えているときは、可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bが第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aに接触している。その後、上昇する駆動軸23の駆動軸フランジ部25に可動接触子15の中央部の下面が当接した時点で、可動接触子15が第1固定接触子13及び第2固定接触子14に対して上方に離間した開極状態(釈放状態)となる。
接点機構4が開極状態及び閉極状態を繰り返すと、可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bと、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aとの間で、摩耗粉、スス、溶融飛散粒子などの異物が発生する。
このように発生した異物が、絶縁ホルダー18の絶縁底18b側に移動して挿通孔18cを通過すると、絶縁底18bの下面と、補助ヨーク39を介して可動プランジャ22の周鍔部22aの上面との間に配置した異物回収部材40の付着面41に接触する。異物回収部材40は合成ゴム製であり、付着面41は粘着性を有しているので、異物が付着面41に付着されていく。
また、異物回収部材40の挿通孔42に駆動軸23の外周が接触した状態で挿通されているので、異物回収部材40側に移動した異物は、駆動軸23に連結した可動プランジャ22を摺動自在に収容しているキャップ35の収納空間には侵入しない。
また、絶縁底18bの挿通孔18cの開口縁部から補助ヨーク39に向って延在する絶縁筒部18dが異物回収部材40の付着面41に入り込んでいるので、発生した異物の全てが絶縁筒部18dを通過して付着面41に向けて移動して付着される。
さらに、異物回収部材40側に移動した異物の全ては異物回収部材40の付着面41に付着するので、異物の一部(溶融飛散粒子など)が接点機構4側に戻らず、第1及び第2固定接触子13,14及び可動接触子15の開閉操作にも影響を与えない。
したがって、第1実施形態は、接点機構4が開極状態及び閉極状態を繰り返す際に発生した摩耗粉、スス、溶融飛散粒子などの異物が、絶縁底18bの下面と補助ヨーク39を介して可動プランジャ22の周鍔部22aの上面との間に配置した異物回収部材40の付着面41に付着することで回収され、可動プランジャ22を摺動自在に収容しているキャップ35の収納空間への異物の侵入が防止されるとともに、異物が接点機構4に戻ることもないので、接点機構4の開閉操作と電磁石ユニット5の駆動動作に影響を与えず長寿命化を図った電磁接触器1を提供することができる。
また、異物回収部材40の付着面41は碗型の凹形状とされており、平面形状の付着面と比較して大容量の異物回収空間を確保することができるので、長期に渡る電磁接触器1の使用により大量の異物が発生しても、確実に異物を付着させて回収することができる。
また、異物回収部材40を合成ゴムで成形することで、異物が付着することが可能な粘着性を有する付着面41を形成しており、付着面41に特別な加工を行わず低コストで異物回収部材40を成形することができる。
また、絶縁ホルダー18の絶縁底18bの挿通孔18cの開口縁部から補助ヨーク39に向って延在する絶縁筒部18dが異物回収部材40の付着面41に入り込んでいるので、接点機構4で発生した異物は、異物回収部材40の付着面41以外の箇所、例えば絶縁底18bに対向している補助ヨーク39の上面等には移動せず、異物の回収を異物回収部材40で確実に行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る電磁接触器1を構成する異物回収部材の第2実施形態について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図1で示した構成と同一構成部分には同一符号を付して説明は省略する。
第2実施形態の異物回収部材44も、絶縁ホルダー18の絶縁底18bの下面と、補助ヨーク39を介して可動プランジャ22の周鍔部22aの上面との間に配置されている。
本実施形態の異物回収部材44は、外観が略直方体形状の合成ゴムであり、厚さ方向の一方の面44aで大きく開口し、他方の面44bに向うに従い縮径された凹形状の粘着性を有する付着面45が形成されている。この付着面45は、一方の面44aから他方の面44bに向けて階段型の面が形成されており、径を徐々に小さくした複数の円周壁45a1,45a2,45a3,45a4と、径を徐々に小さくした複数の円形段部45b1,45b2,45b3とが交互に形成された面である。この階段型の凹形状とした付着面45の底には、厚さ方向の他方の面44bに連通した挿通孔46が形成されており、この挿通孔46に駆動軸23の外周が接触した状態で挿通される。
本実施形態の異物回収部材44も、絶縁底18bの下面と補助ヨーク39の上面との間で圧縮され、付着面41に絶縁底18bの絶縁筒部18dが入り込んだ状態で配置される。
本実施形態の異物回収部材44を備えた電磁接触器1は、可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bと、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aとの間で異物が発生し、その異物が、絶縁ホルダー18の絶縁底18b側に移動して挿通孔18cを通過すると、異物回収部材44の付着面45に接触する。異物回収部材44は合成ゴム製であり、付着面45は粘着性を有しているので、異物は付着面45に付着されていく。
また、異物回収部材44の挿通孔46に駆動軸23の外周が接触した状態で挿通されているので、異物回収部材44側に移動した異物は、駆動軸23に連結した可動プランジャ22を摺動自在に収容しているキャップ35の収納空間には侵入しない。
また、絶縁底18bの挿通孔18cの開口縁部から補助ヨーク39に向って延在する絶縁筒部18dが異物回収部材44の付着面45に入り込んでいるので、発生した異物の全てが絶縁筒部18dを通過して付着面45に向けて移動して付着される。
さらに、異物回収部材44側に移動した異物の全ては異物回収部材44の付着面45に付着するので、異物の一部(溶融飛散粒子など)が接点機構4側に戻らず、第1及び第2固定接触子13,14及び可動接触子15の開閉操作にも影響を与えない。
したがって、第2実施形態は、接点機構4が開極状態及び閉極状態を繰り返す際に発生した摩耗粉、スス、溶融飛散粒子などの異物が、絶縁底18bの下面と、補助ヨーク39を介して可動プランジャ22の周鍔部22aの上面との間に配置した異物回収部材44の付着面45に付着することで回収され、可動プランジャ22を摺動自在に収容しているキャップ35の収納空間への異物の侵入が防止されるとともに、異物が接点機構4に戻ることもないので、接点機構4の開閉操作と電磁石ユニット5の駆動動作に影響を与えず、長寿命化を図った電磁接触器1を提供することができる。
また、異物回収部材44の付着面45は、複数の円周壁45a1,45a2,45a3,45a4と、複数の円形段部45b1,45b2,45b3とを交互に形成した階段型の凹形状として形成されており、第1実施形態の碗型の凹形状の付着面41よりさらに大きな面積で付着面45が形成され、大容量の異物回収空間を確保することができるので、異物の回収率を高めることができる。
また、異物回収部材44を合成ゴムで成形することで、異物が付着することが可能な粘着性を有する付着面45を形成しており、付着面45に特別な加工を行わず低コストで異物回収部材44を成形することができる。
また、絶縁ホルダー18の絶縁底18bの挿通孔18cの開口縁部から補助ヨーク39に向って延在する絶縁筒部18dが異物回収部材44の付着面45に入り込んでいるので、接点機構4で発生した異物は、異物回収部材44の付着面45以外の箇所には移動せず、異物の回収を異物回収部材44で確実に行うことができる。
[第3実施形態]
次に、図6及び図7は、第3実施形態の異物回収部材47である。
第3実施形態の異物回収部材47も、絶縁ホルダー18の絶縁底18bの下面と、補助ヨーク39を介して可動プランジャ22の周鍔部22aの上面との間に配置されている。
本実施形態の異物回収部材47は、外観が略直方体形状の合成ゴムであり、厚さ方向の一方の面47aで大きく開口し、他方の面47bに向うに従い縮径された凹形状の粘着性を有する付着面48が形成されている。付着面48は、一方の面44aから他方の面44bに向けて凹凸を有する面が形成されており、径を徐々に小さくした断面凸曲面の凸条48a1,48a2,48a3,48a4と、径を徐々に小さくした断面凹曲面の凹条48b1,48b2,48b3,48b4とが交互に形成されている。この付着面48の底には、厚さ方向の他方の面47bに連通した挿通孔49が形成されており、この挿通孔49に駆動軸23の外周が接触した状態で挿通される。
本実施形態の異物回収部材47も、絶縁底18bの下面と補助ヨーク39の上面との間で圧縮され、付着面48に絶縁底18bの絶縁筒部18dが入り込んだ状態で配置される。
本実施形態の異物回収部材47を備えた電磁接触器1は、可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bと、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aとの間で異物が発生し、その異物が、絶縁ホルダー18の絶縁底18b側に移動して挿通孔18cを通過すると、異物回収部材47の付着面48に接触する。異物回収部材47は合成ゴム製であり、付着面48は粘着性を有しているので、異物は付着面48に付着されていく。
また、異物回収部材47の挿通孔49に駆動軸23の外周が接触した状態で挿通されているので、異物回収部材47側に移動した異物は、駆動軸23に連結した可動プランジャ22を摺動自在に収容しているキャップ35の収納空間には侵入しない。
また、絶縁底18bの挿通孔18cの開口縁部から補助ヨーク39に向って延在する絶縁筒部18dが異物回収部材47の付着面48に入り込んでいるので、発生した異物の全てが絶縁筒部18dを通過して付着面48に向けて移動して付着される。
さらに、異物回収部材47側に移動した異物の全ては異物回収部材47の付着面48に付着するので、異物の一部(溶融飛散粒子など)が接点機構4側に戻らず、第1及び第2固定接触子13,14及び可動接触子15の開閉操作にも影響を与えない。
したがって、第3実施形態は、接点機構4が開極状態及び閉極状態を繰り返す際に発生した摩耗粉、スス、溶融飛散粒子などの異物が、絶縁底18bの下面と、補助ヨーク39を介して可動プランジャ22の周鍔部22aとの上面の間に配置した異物回収部材47の付着面48に付着することで回収され、可動プランジャ22を摺動自在に収容しているキャップ35の収納空間への異物の侵入が防止されるとともに、異物が接点機構4に戻ることもないので、接点機構4の開閉操作と電磁石ユニット5の駆動動作に影響を与えず長寿命化を図った電磁接触器1を提供することができる。
また、異物回収部材47の付着面48は、断面凸曲面の凸条48a1,48a2,48a3,48a4と、断面凹曲面の凹条48b1,48b2,48b3,48b4とを交互に形成した凹凸面であり、第1実施形態の碗型の凹形状の付着面41よりさらに大きな面積で付着面48が形成され、大容量の異物回収空間を確保することができるので、異物の回収率を高めることができる。
また、異物回収部材47を合成ゴムで成形することで、異物が付着することが可能な粘着性を有する付着面48を形成しており、付着面48に特別な加工を行わず低コストで異物回収部材44を成形することができる。
また、絶縁ホルダー18の絶縁底18bの挿通孔18cの開口縁部から補助ヨーク39に向って延在する絶縁筒部18dが異物回収部材47の付着面48に入り込んでいるので、接点機構4で発生した異物は、異物回収部材47の付着面48以外の箇所には移動せず、異物の回収を異物回収部材47で確実に行うことができる。
[第4実施形態]
さらに、図8及び図9は、第4実施形態の異物回収部材50である。
第4実施形態の異物回収部材50も、絶縁ホルダー18の絶縁底18bの下面と、補助ヨーク39を介して可動プランジャ22の周鍔部22aの上面との間に配置されている。
本実施形態の異物回収部材50は、外観が略直方体形状の合成ゴムであり、厚さ方向の一方の面50aで開口する碗型の凹形状とした粘着性を有する付着面51が形成されているとともに、付着面51の周方向に延在し、互いに異物回収部材50の厚さ方向に離間している2本の環状溝52a,52bが形成されている。そして、付着面51の底には、厚さ方向の他方の面50bに連通した挿通孔53が形成されている。挿通孔53には、駆動軸23の外周が接触した状態で挿通される。
本実施形態の異物回収部材50も、絶縁底18bの下面と補助ヨーク39の上面との間で圧縮され、付着面48に絶縁底18bの絶縁筒部18dが入り込んだ状態で配置される。
本実施形態の異物回収部材50を備えた電磁接触器1は、可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bと、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aとの間で異物が発生し、絶縁ホルダー18の絶縁底18b側に移動して挿通孔18cを通過すると、異物回収部材50の付着面51に接触する。異物回収部材50は合成ゴム製であり、付着面51は粘着性を有しているので、異物は付着面51に付着されていく。そして、異物の一部は、付着面51に形成した環状溝52a,52bの内部にも付着していく。
そして、異物回収部材50の挿通孔53に駆動軸23の外周が接触した状態で挿通されているので、異物回収部材50側に移動した異物は、駆動軸23に連結した可動プランジャ22を摺動自在に収容しているキャップ35の収納空間には侵入しない。
また、絶縁底18bの挿通孔18cの開口縁部から補助ヨーク39に向って延在する絶縁筒部18dが異物回収部材50の付着面51に入り込んでいるので、発生した異物の全てが絶縁筒部18dを通過して付着面51及び環状溝52a,52bで付着される。
さらに、異物回収部材50側に移動した異物の全ては異物回収部材50の付着面51及び環状溝52a,52bに付着するので、異物の一部(溶融飛散粒子など)が接点機構4側に戻らず、第1及び第2固定接触子13,14及び可動接触子15の開閉操作にも影響を与えない。
したがって、第4実施形態は、接点機構4が開極状態及び閉極状態を繰り返す際に発生した摩耗粉、スス、溶融飛散粒子などの異物が、絶縁底18bの下面と、補助ヨーク39を介して可動プランジャ22の周鍔部22aの上面との間に配置した異物回収部材50の付着面51及び環状溝52a,52bに付着することで回収され、可動プランジャ22を摺動自在に収容しているキャップ35の収納空間への異物の侵入が防止される。また、異物が接点機構4に戻ることもないので、接点機構4の開閉操作と電磁石ユニット5の駆動動作に影響を与えず長寿命化を図った電磁接触器1を提供することができる。
また、異物回収部材50は、付着面51及び環状溝52a,52bを形成しており、第1実施形態の碗型の凹形状の付着面41よりさらに大きな面積で付着面が形成され、大容量の異物回収空間を確保することができるので、異物の回収率を高めることができる。
また、異物回収部材50を合成ゴムで成形することで、異物が付着することが可能な粘着性を有する付着面51及び環状溝52a,52bを形成しており、付着面51及び環状溝52a,52bに特別な加工を行わず低コストで異物回収部材50を成形することができる。
さらに、絶縁ホルダー18の絶縁底18bの挿通孔18cの開口縁部から補助ヨーク39に向って延在する絶縁筒部18dが異物回収部材50の付着面51に入り込んでいるので、接点機構4で発生した異物は、異物回収部材50の付着面51及び環状溝52a,52b以外の箇所には移動せず、異物の回収を異物回収部材50で確実に行うことができる。
1 電磁接触器
4 接点機構
5 電磁石ユニット
6 接点収納ケース
7 角筒体
7a 角筒体フランジ部
8 絶縁基板
9,10 貫通孔
11,12 導体部
13 第1固定接触子
13a,14a 第1及び第2固定接点
13b,14b 第1導電板部
13c,14c 第2導電板部
13d,14d 第3導電板部
14 第2固定接触子
15 可動接触子
15a,15b 第1及び第2可動接点
16,17 アークバリア
18 絶縁ホルダー
18a 筒状絶縁壁
18b 絶縁底
18c 挿通孔(ホルダー挿通孔)
18d 絶縁筒部
19a,19b 磁性体板
21 上部磁気ヨーク
21a 貫通孔
22 可動プランジャ
22a 周鍔部
23 駆動軸
24 貫通孔
25 駆動軸フランジ部
26 接触スプリング
27a スプリング受け
27b Cリング
28 磁気ヨーク
29 固定プランジャ
30 スプール
31 中央円筒部
32 下フランジ部
33 上フランジ部
34 励磁コイル
35 キャップ
35a フランジ部
36 バックスプリング
37 駆動用永久磁石
38 貫通孔
39 補助ヨーク
40 異物回収部材
40a 厚さ方向の一方の面
40b 厚さ方向の他方の面
41 付着面(凹部の開口面)
42 挿通孔
44 異物回収部材
44a 厚さ方向の一方の面
44b 厚さ方向の他方の面
45 付着面(凹部の開口面)
45a1,45a2,45a3,45a4 円周壁
45b1,45b2,45b3 円形段部
46 挿通孔
47 異物回収部材
47a 厚さ方向の一方の面
47b 厚さ方向の他方の面
48 付着面(凹部の開口面)
48a1,48a2,48a3,48a4 凸条
48b1,48b2,48b3,48b4 凹条
49 挿通孔
50 異物回収部材
51 付着面(凹部の開口面)
52a,52b 環状溝
53 挿通孔

Claims (6)

  1. 固定接点を有する一対の固定接触子及び前記固定接点に接離可能な一対の可動接点を有する可動接触子を備える接点機構と、
    前記可動接触子に連結する駆動軸を有して前記一対の固定接触子に接離する接離方向に前記可動接触子を駆動する電磁石ユニットと、
    有底筒状の部材であり、底部に前記駆動軸が挿通するホルダー挿通孔が形成されて前記接点機構及び前記駆動軸を収納する絶縁ホルダーと、
    前記絶縁ホルダー内に発生した異物が前記電磁石ユニット側に侵入するのを防止する異物回収部材と、を備え、
    前記異物回収部材は、粘着性を有するゴムで形成され、前記底部に向けて開口している凹部が形成されていることを特徴とする電磁接触器。
  2. 前記異物回収部材は、前記絶縁ホルダーの前記底部の前記電磁石ユニット側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電磁接触器。
  3. 前記凹部の開口面の一部に複数の環状溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁接触器。
  4. 前記凹部の開口面は、複数の円周壁と、複数の円形段部とを交互に形成した階段型に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電磁接触器。
  5. 前記凹部の開口面は、複数の断面凸曲面の凸条と、複数の断面凹曲面とを交互に形成した凹凸型の凹形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電磁接触器。
  6. 前記絶縁ホルダーの前記ホルダー挿通孔の開口縁部から、前記凹部の開口面に向けて延在し、前記駆動軸の外周を囲む絶縁筒部が形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電磁接触器。
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