JP7363247B2 - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、一対の回転体間で作用する押圧力を調整可能に構成された定着装置、および当該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
従来の定着装置において、記録媒体が通過するニップ部を形成する加圧ローラーと定着ローラーとのニップ圧をカムを用いて調整する技術が、特開2009-294331号公報(特許文献1)および特開2011-248093号公報(特許文献2)に開示されている。
特許文献1に開示の定着装置は、固定された一端側を回転中心として回動可能に設けられたアーム部が加圧ローラーのシャフトを押圧するように構成されている。アーム部が加圧ローラーを押圧する力を調整することにより、加圧ローラーが定着ローラーを押し込むニップ圧が調整される。
アーム部の他端側には、アーム部が加圧ローラーのシャフトを押し込むようにアーム部の他端側を付勢するバネと、アーム部に対してバネが位置する側とは反対側からアーム部の他端側に当接し、バネの付勢力を調整するカムが設けられている。カムは、周方向において回転中心から距離が異なる複数の箇所を有し、カムがアーム部の他端側に当接する当接箇所を決定することで、バネの付勢力が調整される。
特許文献2に開示の定着装置も、固定された一端側を回転中心として回動可能に設けられたアーム部が加圧ローラーのシャフトを押圧するように構成されている。アーム部が加圧ローラーを押圧する力を調整することにより、加圧ローラーが定着ローラーを押し込むニップ圧が調整される。
アーム部の他端側において、アーム部の延びる方向に、第1付勢力でアーム部を付勢する第1付勢部材と第2付勢力でアーム部を付勢する第2付勢部材とが並んで配置されている。さらに、第1付勢部材による第1付勢力がアーム部に伝達されないように第1付勢部材を付勢力に抗して押し込む押込部材(切替部材)と、押込部材の位置を移動させるためのカムとが設けられている。カムが押込部材に当接する位置を調整することにより、アーム部に作用する付勢力を第1付勢力と第2付勢力とで切り替える。
特開2009-294331号公報 特開2011-248093号公報
画像形成装置においては、様々な種類の記録媒体に対応して画像を形成することが必要となる。たとえば、封筒は、普通紙等の一枚から成る紙と比較して相当程度厚さが厚くなっている。このため、普通紙等と同様のニップ圧で、加圧ローラーと定着ローラーとの間に封筒を通過させた場合には、ニップ圧が強すぎて、ローラーが封筒に対してスリップする。このような場合には、封筒にしわが形成されてしまう。
このため、厚さが大きく異なる記録媒体に対応して、画像を定着させるためには、ニップ圧を大きく変更する必要が生じる。
ここで、特許文献1に記載の定着装置においては、単一のカムの当たり位置によってバネの付勢力を調整するため、ニップ圧を大きく変更させるためには、カムの最大半径を相当程度大きくしなければならない。このような場合には、カムを配置するためのスペースを確保することが困難となる。
特許文献2に記載の定着装置においては、同一種類の記録媒体間でニップ圧を調整する機構が開示されている。このため、特許文献2に記載の構成において、厚さが大きく異なる記録媒体に対応させてニップ圧を大きく変更させるためには、アーム部の他端側を長くし、第1付勢部材の長さも長くしなければならない。また、第1付勢部材による第1付勢力がアーム部に伝達されない状態となるように押込部材を相当程度押し込む必要があり、カムの径を大きくする必要がある。このような場合には、アーム部、およびカムを配置するためのスペースを確保することが困難となる。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、一方の回転体を他方の回転体に押圧する押圧力を調整する調整機構の設置スペースを容易に確保しつつ、記録媒体の種類に応じて押圧力を調整することができる定着装置および画像形成装置を提供することにある。
本開示に基づく定着装置は、各々が有する回転軸が互いに平行となるように対向して配置され、記録媒体が通過するニップ部を形成する一対の回転体と、上記一対の回転体のうち一方の回転体を上記一対の回転体のうちの他方の回転体に向けて押圧する可動部材と、上記可動部材が上記一方の回転体を上記他方の回転体に向けて押圧する押圧力を、各々が独立して調整する第1調整機構および第2調整機構と、を備える。上記第2整機構によって調整される最大の上記押圧力は、上記第1調整機構によって調整される最大の上記押圧力よりも小さい。上記第1調整機構および上記第2調整機構は、上記回転軸と平行な方向に並んで配置されている。
上記本開示に基づく定着装置にあっては、上記可動部材は、少なくとも上記回転軸と平行な方向において位置が異なる第1被押圧部および第2被押圧部を含んでいることが好ましい。この場合には、上記第1調整機構は、上記押圧力を調整するための第1付勢力を上記可動部材に作用させる第1付勢部材と、上記第1付勢力に抗して上記第1被押圧部を押し込むための第1カムとを含むことが好ましく、上記第2調整機構は、上記押圧力を調整するための第2付勢力を上記可動部材に作用させる第2付勢部材と、上記第2付勢力に抗して上記第2被押圧部を押し込むための第2カムとを含むことが好ましい。さらに、上記第2カムの長径は、上記第1カムの長径よりも短いことが好ましく、上記第1カムと上記第2カムは、回転方向の位相が異なるように、上記回転軸と平行な共通の回転シャフトに配置されていることが好ましい。
上記本開示に基づく定着装置は、上記回転シャフトを回転駆動する駆動部を備えることが好ましく、上記シャフトを回転させることで上記押圧力を変更することが好ましい。
上記本開示に基づく定着装置にあっては、上記第1カムは、周方向に並んで配置され、互いに異なる押し込み量で上記第1被押圧部を押し込む複数の押込部を有していてもよい。
上記本開示に基づく定着装置は、上記回転シャフトの回転位置を検知する回転位置検知機構をさらに備えていてもよい。
上記本開示に基づく定着装置にあっては、上記第1付勢部材が有するばね定数をk1とし、上記第2付勢部材が有するばね定数をk2とした場合に、k1≧5×k2を満たすことが好ましい。
上記本開示に基づく定着装置にあっては、上記第1調整機構は、上記回転軸と平行な方向において、上記第2調整機構よりも上記回転軸の中央側に配置されていることが好ましい。
上記本開示に基づく定着装置は、上記押圧力を独立して調整する第3調整機構をさらに備えていてもよい。この場合には、上記第1調整機構、上記第3調整機構、および上記第2調整機構は、上記回転軸と平行な方向に配置されていることが好ましい。
上記本開示に基づく定着装置にあっては、上記第3調整機構によって調整される最大の上記押圧力は、上記第2調整機構によって調整される最大の上記押圧力よりも小さいことが好ましく、上記第1調整機構、上記第2調整機構、および上記第3調整機構は、上記回転軸と平行な方向において、上記回転軸の中央側からこの順に並んで配置されていることが好ましい。
上記本開示に基づく定着装置にあっては、上記ニップ部を通過する上記記録媒体が、厚紙、普通紙、または薄紙の場合に、上記第1調整機構によって上記押圧力を調整することが好ましく、上記ニップ部を通過する上記記録媒体が封筒またはエンボス紙の場合に、上記第2調整機構によって上記押圧力を調整することが好ましい。
本開示に基づく画像形成装置は、搬送経路に沿って搬送される上記記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、上記搬送経路に沿って搬送される上記記録媒体上にトナー画像を定着させる上記の定着装置と、を備える。
上記本開示に基づく画像形成装置は、上記記録媒体の種類および坪量の少なくともいずれかを設定するための操作パネルをさらに備えていてもよい。この場合には、上記操作パネルで設定された上記記録媒体の情報に基づいて上記押圧力を調整することが好ましい。
本発明によれば、一方の回転体を他方の回転体に押圧する押圧力を調整する調整機構の設置スペースを確保しつつ、記録媒体の種類に応じて押圧力を調整することができる定着装置および画像形成装置を提供することができる。
実施の形態1に係る画像形成装置の概略図である。 実施の形態1に係る定着装置の端部側を示す斜視図である。 実施の形態1に係る定着装置における第1カムを回転軸方向に沿って見た場合の平面図である。 実施の形態1に係る定着装置における第1カムと第2カムとを回転軸方向に沿って見た場合の平面図である。 実施の形態1に係る定着装置において回転シャフトの回転位置を検知する回転位置検知機構を示す図である。 実施の形態1に係る定着装置の第1状態を示す図である。 実施の形態1に係る定着装置の第2状態を示す図である。 実施の形態1に係る定着装置の第3状態を示す図である。 実施の形態1に係る定着装置の第4状態を示す図である。 実施の形態1に係る画像形成装置の画像形成フローを示す図である。 変形例1に係る画像形成装置に具備される複数の調整機構の一部を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置の概略図である。図1を参照して、実施の形態1に係る画像形成装置100について説明する。
図1には、カラープリンタとしての画像形成装置100が示されている。以下では、カラープリンタとしての画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンタに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンタであってもよいし、ファックスであってもよいし、モノクロプリンタ、カラープリンタおよびファックスの複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)であってもよい。
画像形成装置100は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、筐体90と、制御部101と、操作パネル102とを備える。
筐体90は、画像形成装置100の外殻を規定する。筐体90は、内部に、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、制御部101とを収容する。
操作パネル102は、筐体90に組み付けられている。操作パネル102は、各種情報をユーザに通知する表示部、および、各種ユーザ操作を受付ける入力部を含む。より具体的には、操作パネル102は、入力部の機能として、テンキーを含む各種入力キー群、およびタッチセンサなどを含むとともに、表示部の機能として、タッチセンサと一体化した液晶表示部、およびLED(Light Emitting Diode)などからなる各種インジケータを含む。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40とによって画像形成部が構成される。この画像形成部は、後述する搬送経路41に沿って搬送される記録媒体S上にトナー画像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像形成ユニット1Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、中間転写ベルト30に沿って中間転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、像担持体としての感光体10と、複数の機能部材とを備える。複数の機能部材は、たとえば、帯電装置11と、露光装置12と、現像装置13と、クリーニング装置17とを含む。
帯電装置11は、感光体10の表面を一様に帯電する。露光装置12は、制御部101からの制御信号に応じて感光体10にレーザー光を照射し、入力された画像パターンに従って感光体10の表面を露光する。これにより、入力画像に応じた静電潜像が感光体10上に形成される。
現像装置13は、現像ローラー14を回転させながら、現像ローラー14に現像バイアスを印加し、現像ローラー14の表面にトナーを付着させる。これにより、トナーが現像ローラー14から感光体10に転写され、静電潜像に応じたトナー像が感光体10の表面に現像される。
感光体10と中間転写ベルト30とは、一次転写ローラー31を設けている部分で互いに接触している。一次転写ローラー31は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。トナー像と反対極性の転写電圧が一次転写ローラー31に印加されることによって、トナー像が感光体10から中間転写ベルト30に転写される。イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、シアン(C)のトナー像、およびブラック(BK)のトナー像が順に重ねられて感光体10から中間転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト30上に形成される。
中間転写ベルト30は、従動ローラー38および駆動ローラー39に張架されている。駆動ローラー39は、たとえばモーター(図示しない)によって回転駆動される。中間転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、中間転写ベルト30上のトナー像が二次転写ローラー33に搬送される。
クリーニング装置17は、感光体10に圧接されている。クリーニング装置17は、トナー像の転写後に感光体10の表面に残留するトナーを回収する。
カセット37には、記録媒体Sがセットされる。記録媒体Sは、カセット37から1枚ずつタイミングローラー40によって搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。二次転写ローラー33は、ローラー形状を有し、回転可能に構成される。二次転写ローラー33は、トナー像と反対極性の転写電圧を搬送中の記録媒体Sに印加する。これにより、トナー像は、中間転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、中間転写ベルト30上のトナー像が転写される。二次転写ローラー33への記録媒体Sの搬送タイミングは、中間転写ベルト30上のトナー像の位置に合わせてタイミングローラー40によって調整される。タイミングローラー40により、中間転写ベルト30上のトナー像は、記録媒体Sの適切な位置に転写される。
定着装置50は、自身を通過する記録媒体Sを加圧および加熱する。これにより、トナー像は記録媒体Sに定着する。このように、定着装置50は、搬送経路41に沿って搬送される記録媒体S上のトナー画像を定着させる。トナー像が定着された記録媒体Sは、トレイに排紙される。
なお、上述では、印刷方式としてタンデム方式を採用している画像形成装置100について説明したが、画像形成装置100の印刷方式は、タンデム方式に限定されない。画像形成装置100内における各構成の配置は、採用される印刷方式に従って適宜変更され得る。画像形成装置100の印刷方式として、ロータリー方式や直接転写方式が採用されてもよい。ロータリー方式の場合、画像形成装置100は、1つの感光体10と、同軸上で回転可能に構成される複数の現像装置13で構成される。画像形成装置100は、印刷時には、各現像装置13を感光体10に順に導き、各色のトナー像を現像する。直接転写方式の場合、画像形成装置100は、感光体10上に形成されたトナー像が記録媒体Sに直接転写される。
図2は、実施の形態1に係る定着装置の端部側を示す斜視図である。図2を参照して、実施の形態1に係る定着装置50について説明する。
図2に示すように、定着装置50は、一対の回転体としての、定着ローラー51および加圧ローラー52と、可動部材としてのアーム部53と、アーム支持部54と、第1調整機構55と、第2調整機構56と、回転シャフト57とを備える。アーム部53、アーム支持部54、第1調整機構55、および第2調整機構56は、加圧ローラー52の両端側にそれぞれ設けられている。
定着ローラー51および加圧ローラー52は、互いに有する回転軸C1,C2が平行となるように対向して配置されている。定着ローラー51および加圧ローラー52は、後述するシャフト511、およびシャフト521が互いに平行となるように対向して配置されている。定着ローラー51および加圧ローラー52は、上述の記録媒体Sが通過するニップ部を形成する。
定着ローラー51は、シャフト511と、弾性層512とを含む。シャフト511は、アルミ製または鉄製であり、パイプ形状を有する。弾性層512は、たとえばシリコーンゴムなどで構成されている。弾性層512の表面には、離型層が形成されている。離型層は、たとえば、PFA等のフッ素系樹脂で形成されている。
定着ローラー51は、内部に熱源を有していてもよい。熱源としては、たとえば、ハロゲンランプ等を使用することができる。このように、定着ローラー51に熱源が設けられている場合には、定着ローラー51は加熱ローラーとして機能する。
加圧ローラー52は、シャフト521と、弾性層522とを含む。シャフト521は、アルミ製または鉄製であり、パイプ形状を有する。弾性層522は、たとえばシリコーンゴムなどで構成されている。弾性層522の表面には、離型層が形成されている。離型層は、たとえば、PFA等のフッ素系樹脂で形成されている。
アーム部53は、鋼板等の板状部材によって構成されている。アーム部53は、第1部分531および第2部分532を有する。第1部分531は、シャフト521の下方側からシャフト521に対向する。第2部分532は、第1部分531の一端側から上方に向けて延在する。
アーム部53は、アーム支持部54によって回動可能に支持されている。具体的には、第2部分532の上端側がアーム支持部54によって支持されており、アーム部53は、アーム支持部54の中心軸回りに回動する。アーム支持部54の中心軸は、上記回転軸C1、C2と平行である。
アーム部53は、アーム支持部54に支持されている一端側と、その反対側に位置する他端側とを有する。アーム部53の他端側には、後述する第1カム552に押し込まれる第1被押圧部534、後述する第2カム562に押し込まれる第2被押圧部535が設けられている。
第1被押圧部534および第2被押圧部535は、少なくとも上記回転軸C1、C2と平行な方向において位置が異なっている。第1被押圧部534および第2被押圧部535は、さらに上下方向に位置が異なっていてもよい。
また、アーム部53には、シャフト521の周面に当接し、シャフト521を押圧する押圧部533が設けられている。
アーム部53の他端側が定着ローラー51に近づくようにアーム部53が回転することにより、押圧部533がシャフト521を定着ローラー51側に向けて押圧する。これにより、加圧ローラー52が定着ローラー51に向かうように押圧される。
第1調整機構55および第2調整機構56は、加圧ローラー52を定着ローラー51に圧接または離間させる圧接離間機構として機能する。第1調整機構55および第2調整機構56は、アーム部53の他端側に配置されている。
第1調整機構55および第2調整機構56は、加圧ローラー52を定着ローラー51に向けて押圧する押圧力を互いに独立して調整する。第1調整機構55および第2調整機構56は、第1調整機構55が上記押圧力を調整する状態と、第2調整機構56が上記押圧力を調整する状態とを切り替え可能に構成されている。なお、後述するように、第2調整機構56によって調整される最大の上記押圧力は、第1調整機構55によって調整される最大の上記押圧力よりも小さい。
第1調整機構55および第2調整機構56は、上記回転軸C1、C2と平行な方向に並んで配置されている。第1調整機構55は、上記回転軸C1、C2と平行な方向において、第2調整機構56よりも回転軸C1、C2の中央側に配置されている。
このように、押圧力を小さく調整する第2調整機構56を第1調整機構55の外側に配置することにより、加圧ローラー52の端部側に作用する力を小さくできる。この結果、加圧ローラー52が大きく撓むことを防止することができる。
第1調整機構55は、第1付勢部材551および第1カム552を含む。第1付勢部材551および第1カム552は、アーム部53の他端側がこれら第1付勢部材551および第1カム552の間に位置するように配置されている。第1付勢部材551と第1カム552の間には、上記第1被押圧部534が配置されている。
第1付勢部材551は、アーム部53の上方側に配置されている。第1付勢部材551は、上記押圧力を調整するための第1付勢力をアーム部53に作用させる。第1付勢部材551は、アーム部53をシャフト521から遠ざける方向に第1付勢力を作用させる。第1付勢部材551のばね定数k1は、たとえば、40N/mm以上90N/mm以下である。
第1カム552は、アーム部53の下方側に配置されている。第1カム552は、上記第1被押圧部534に対向するように配置されている。第1カム552は、第1付勢力に抗して第1被押圧部534を押込可能に構成されている。
第1カム552は、回転シャフト57に固定されている。第1カム552は、回転シャフト57が回転することにより回転する。
第2調整機構56は、第2付勢部材561および第2カム562を含む。第2付勢部材561および第2カム562は、アーム部53の他端側がこれら第2付勢部材561および第2カム562の間に位置するように配置されている。第2付勢部材561と第2カム562の間には、上記第2被押圧部535が配置されている。
第2付勢部材561は、アーム部53の上方側に配置されている。第2付勢部材561は、上記押圧力を調整するための第2付勢力をアーム部53に作用させる。第2付勢部材561は、アーム部53をシャフト521から遠ざける方向に第2付勢力を作用させる。第2付勢部材561のばね定数k2は、たとえば、2N/mm以上40N/mm以下である。
第2カム562は、アーム部53の下方側に配置されている。第2カム562は、上記第2被押圧部535に対向するように配置されている。第2カム562は、第2付勢力に抗して第2被押圧部535を押込可能に構成されている。
第2カム562は、第1カム552と共通の回転シャフト57に固定されている。すなわち、第2カム562は、第1カム552が固定された回転シャフト57に固定されている。第2カム562は、回転シャフト57が回転することにより回転する。
回転シャフト57は、上記回転軸C1、C2と平行となるように配置されている。回転シャフト57は、駆動部としてのモータMによって回転させられる。モータMの動作は、上述の制御部101によって制御される。
なお、第1調整機構55と第2調整機構56によって調整される押圧力の差を大きくし、記録媒体の種類に応じてより正確に定着処理を行なうために、上記ばね定数k1およびばね定数k2は、k1≧5×k2を満たすことが好ましい。
図3は、実施の形態1に係る定着装置における第1カムを回転軸方向に沿って見た場合の平面図である。図4は、実施の形態1に係る定着装置における第1カムと第2カムとを回転軸方向に沿って見た場合の平面図である。
図3および図4を参照して、第1カム552、および第2カム562の詳細について説明する。
図3に示すように、第1カム552は、周方向に並んで配置された複数の押込部P1、P2、P3と、非押込部P4とを有する。複数の押込部P1、P2、P3は、互いに異なる押込量で第1被押圧部534を押し込み可能に設けられている。非押込部P4は、第1被押圧部534を押し込み不能に設けられている。非押込部P4は、特定の位置ではなく、第1カム552の周縁に沿って相当程度の範囲で設けられている。
第1カム552の回転中心C3から押込部P1までの距離L1は、回転中心C3から押込部P2までの距離L2、および回転中心C3から押込部P3までの距離L3よりも長い。回転中心C3から押込部P2までの距離L2は、回転中心C3から押込部P3までの距離L3よりも長い。
第1カム552を回転させて、複数の押込部P1、P2、P3、および非押込部P4の位置を切り替えることにより、第1カム552が第1被押圧部534を押し込む押込量を変更することができる。これにより、アーム部53の回転量を調整することができ、ひいては、アーム部53が加圧ローラー52を定着ローラー51の回転体に向けて押圧する押圧力を調整することができる。
たとえば、押込部P1で第1被押圧部534を押し込む場合には、加圧ローラー52と定着ローラー51とによって形成されるニップ部のニップ圧を、800N以上1200以下とすることができる。
押込部P2または押込部P3で第1被押圧部534を押し込む場合には、加圧ローラー52と定着ローラー51とによって形成されるニップ部のニップ圧を、300N以上600N以下とすることができる。
図4に示すように、第2カム562は、第1カム552と回転方向の位相が異なるように回転シャフト57に配置されている。なお、回転方向の位相が異なるとは、カムの回転中心および当該回転中心から最も離れたカムの外縁とを結ぶ線と、カムの回転中心を通過する所定の基準線との成す角度のうち小さい方の角度が互いに異なるように回転することを意味する。
このように第1カム552と第2カム562とにおいて、回転方向の位相が異なることにより、第2カム562は、非押込部P4が第1被押圧部534に対向している状態、すなわち、第1カム552が第1被押圧部534を押し込まない状態において、第2被押圧部535を押し込む。第2カム562は、単一の押込部P5を有する。
ここで、第2カムの長径は、第1カムの長径よりも短くなっており、第2カム562の回転中心C4から第2カム562の外縁までの最大の長さは、第1カム552の回転中心C3から第1カム552の外縁までの最大の長さよりも短くなっている。また、上述のように、第2付勢部材561による第2付勢力は、第1付勢部材551による第1付勢力よりも小さくなっている。
これにより、第2カム562が第2被押圧部535を押し込むことでアーム部53が回転する回転量は、第1カム552が第1被押圧部534を押し込むことでアーム部53が回転する回転量よりも小さくなる。この結果、上述のように、第2調整機構56によって上記押圧力を調整する状態における最大の押圧力は、第1調整機構55によって上記押圧力を調整する状態における最大の押圧力よりも小さくなる。
具体的には、第2カム562によって第2被押圧部535を押し込む場合には、加圧ローラー52と定着ローラー51とによって形成されるニップ部のニップ圧を、10N以上50N以下とすることができる。
図5は、実施の形態1に係る定着装置において回転シャフトの回転位置を検知する回転位置検知機構を示す図である。図5を参照して、回転位置検知機構60について説明する。
図5に示すように、定着装置50は、回転シャフト57の回転位置を検知する回転位置検知機構60をさらに備える。回転位置検知機構60は、一例として、複数の光電センサ61、62、63と、遮光部64とを含む。複数の光電センサ61、62、63は、回転シャフト57の周方向に並んで配置されている。遮光部64は、回転シャフト57が回転することにより、回転シャフト57の中心軸回りに回転する。
複数の光電センサ61、62、63は、発光部および受光部を有する。発光部は、受光部に向けて検出光を出射する。回転シャフト57の回転に伴って回転する遮光部64が、複数の光電センサ61、62、63のいずれかの上記検出光を遮光することにより、回転位置検知機構60は、回転シャフト57の回転位置を検知することができる。
なお、図5においては、複数の光電センサが3つである場合を例示したが、複数の光電センサは、第1カム552における複数の上記複数の押込部、および非押込部の個数、第2カム562における押込部の個数に応じて、適宜配置される。このように、回転位置検知機構60を設けることにより、回転シャフト57の回転位置を正確に検知し、より適切に押圧力を調整することができる。
なお、上述のような回転位置検知機構60を設けない場合であっても、ステッピングモーター等を用いることで回転シャフト57の回転を制御することができる。
図6から図9は、実施の形態1に係る定着装置の第1状態から第4状態を示す図である。図6から図9を参照して、実施の形態1に係る定着装置50において、アーム部53が加圧ローラー52を定着ローラー51に向けて押圧する押圧力を、第1調整機構55または第2調整機構56によって調整する動作について説明する。
図6は、定着装置50の第1状態を示している。第1状態は、記録媒体Sの画像形成が行われず、記録媒体Sへの画像の定着も行われない場合の状態である。このため、第1状態においては、定着ローラー51と加圧ローラー52とは互いに離間している。
定着ローラー51と加圧ローラー52とを互いに離間させるために、第1調整機構55においては、第1カム552の非押込部P4が第1被押圧部534に対向し、第1カム552が第1被押圧部534を押し込んでいない状態となっている。また、第2調整機構56においても、第2カム562が第2被押圧部535を押し込んでいない状態となっている。
図7は、定着装置50の第2状態を示している。第2状態は、記録媒体として封筒紙、またはエンボス紙が用いられる場合の状態である。封筒は、普通紙等の一枚から成る紙と比較して相当程度厚さが厚くなっている。また、エンボス紙も凹凸形状によってその厚みが、普通紙等の一般の紙と比べて、相当程度厚さが厚くなっている。
一般的に、普通紙等の一般の紙と同様のニップ圧で、加圧ローラーと定着ローラーとの間に封筒、またはエンボス紙を通過させた場合には、ニップ圧が強すぎて、ローラーが、封筒紙またはエンボス紙に対してスリップする。このような場合には、封筒またはエンボス紙にしわが形成されてしまう。
このため、第2状態においては、ニップ圧が小さくなるように、第2調整機構56によって上記押圧力が調整される。第1調整機構55においては、第1カム552の非押込部P4が第1被押圧部534に対向し、第1カム552が第1被押圧部534を押し込んでいない状態となっている。一方、第2調整機構56においては、第2カム562が第2被押圧部535を押し込んだ状態となっている。
第2調整機構56によって、アーム部53が加圧ローラー52を定着ローラー51に向けて押圧する押圧力を調整することにより、上述のように、加圧ローラー52と定着ローラー51とによって形成されるニップ部のニップ圧を非常に低い値に調整することができる。これにより、封筒、またはエンボス紙に適したニップ圧に調整でき、封筒、またはエンボス紙に適切に画像を定着させることができる。
図8は、定着装置50の第3状態を示している。第3状態は、記録媒体として薄紙が用いられる場合の状態である。記録媒体として薄紙が用いられる場合には、普通紙、厚紙が用いられる場合と比較して、ニップ圧を低くする必要がある。一方で、上記薄紙が用いられる場合には、封筒またはエンボス紙が用いられる場合と比較して、ニップ圧を高くする必要がある。
このため、第3状態においては、第1調整機構55によって上記押圧力が調整される。第1調整機構55においては、第1カム552の押込部P2または押込部P3で第1被押圧部534を押し込んだ状態となっている。なお、図8においては、押込部P3で第1被押圧部534を押し込んだ状態が図示されている。一方で、第2調整機構56においては、第2カム562が、第2被押圧部535を押し込んでいない状態となっている。
押込部P2または押込部P3で第1被押圧部534を押し込んで、アーム部53が加圧ローラー52を定着ローラー51に向けて押圧する押圧力を調整することにより、上述のように、加圧ローラー52と定着ローラー51とによって形成されるニップ部のニップ圧を低圧に調整することできる。これにより、薄紙に適したニップ圧に調整でき、薄紙に適切に画像を定着させることができる。
図9は、実施の形態1に係る定着装置の第4状態を示す図である。第4状態は、記録媒体として普通紙、厚紙が用いられる場合の状態である。記録媒体として普通紙、厚紙が用いられる場合には、ニップ圧を相当程度大きくする必要がある。
このため、第4状態においては、第1調整機構55によって上記押圧力が調整される。第1調整機構55においては、第1カム552の押込部P1で第1被押圧部534を押し込んだ状態となっている。一方で、第2調整機構56においては、第2カム562が、第2被押圧部535を押し込んでいない状態となっている。
押込部P1で第1被押圧部534を押し込んで、アーム部53が加圧ローラー52を定着ローラー51に向けて押圧する押圧力を調整することにより、上述のように、加圧ローラー52と定着ローラー51とによって形成されるニップ部のニップ圧を高圧に調整することできる。これにより、普通紙、または厚紙に適したニップ圧に調整でき、普通紙、または厚紙に適切に画像を定着させることができる。
図10は、実施の形態1に係る画像形成装置の画像形成フローを示す図である。図10を参照して、実施の形態1に係る画像形成フローについて説明する。
図10に示すように、画像形成フローにおいては、まず、工程S10において、画像形成装置100の電源を入れる。続いて、工程S11において、所定の温度となるように、定着装置50を加熱する。具体的には、上述の熱源によって所定の温度となるように、定着ローラー51、および加圧ローラー52を加熱する。この際、定着装置50は、上述の第1状態であり、定着ローラー51、および加圧ローラー52は、離間した状態である。
次に、工程S12において、記録媒体Sをセットする。なお、記録媒体Sが、予めカセット等にセットされている場合には、工程S12は省略される。続いて、工程S13において、記録媒体の坪量、および記録媒体の種類の少なくともいずれかを設定する。具体的には、上述の操作パネル102を用いて、記録媒体の坪量、および記録媒体の種類の少なくともいずれかに関する情報を入力する。
次に、工程S14において、画像形成装置100は、画像形成命令を受け付けて、プリントジョブを開始する。続いて、工程S15において、制御部101は、記録媒体Sが、封筒またはエンボス紙か否かを判断する。具体的には、制御部101は、工程S13にて設定された記録媒体に関する情報に基づいて、記録媒体Sが何であるかを判断する。
工程S15にて、記録媒体Sが封筒またはエンボス紙であると判断された場合(工程S15;YES)には、工程S16Aが実施される。工程S15にて、記録媒体Sが、封筒またはエンボス紙でないと判断された場合(工程S15;NO)には、工程S16Bが実施される。なお、記録媒体Sが、封筒またはエンボス紙でないと判断された場合においては、記録媒体Sは、薄紙、厚紙、または普通紙である。
工程S16Aにおいては、制御部101は、上記記録媒体に関する情報に基づいて、上述のモータMの動作を制御し、第2調整機構56によって上記押圧力を調整するように回転シャフト57を回転させる。具体的には、第1カム552によって第1被押圧部534が押し込まれず、第2カム562によって第2被押圧部535が押し込まれるように回転シャフト57を回転させる。
工程S16Bにおいては、制御部101は、上記記録媒体に関する情報に基づいて、上述のモータMの動作を制御し、第1調整機構55によって上記押圧力を調整するように回転シャフト57を回転させる。具体的には、第2カム562によって第2被押圧部535が押し込まれず、第1カム552の押込部P1、押込部P2または押込部P3によって第1被押圧部534が押し込まれるように回転シャフト57を回転させる。押込部P1、押込部P2および押込部P3のいずれで第1被押圧部534を押し込むかは、記録媒体Sが、普通紙、厚紙、および薄紙のいずれであるかによって適宜選択される。
なお、工程S16Aおよび工程S16Bのいずれにおいても、制御部101は、設定された記録媒体に関する情報に基づき、所定の光電センサにおいて、検出光が遮光部64によって遮光される状態となるように回転シャフト57を回転させる。
続いて、工程S17において、回転位置検知機構60によって回転シャフト57の回転位置を検知する。具体的には、上述のように、所定の光電センサにおいて、検出光が遮光部64によって遮光されていることを検知する。なお、工程S17は、工程S16Aまたは工程S16Bと同時に行われてもよい。
次に、工程S18において、工程S16Aまたは工程S16Bで調整された上記押圧力で加圧ローラー52と定着ローラー51との間に形成されるニップ部に記録媒体Sを通過させ、記録媒体Sに画像を定着させる。なお、記録媒体Sの枚数は、1枚に限定されず、複数の記録媒体Sの各々に、画像を定着させてもよい。
続いて、工程S19において、プリントジョブを終了する。次に、工程S20において、制御部101は、上述のモータMの動作を制御し、定着ローラー51および加圧ローラー52が離間するように回転シャフト57を回転させる。具体的には、第1被押圧部534に非押込部P4が対向し、第2カム562によって第2被押圧部535が押圧されない状態となるように回転シャフト57を回転させる。以上のような工程を経て、画像形成フローが終了する。
以上のように、実施の形態1に係る定着装置50にあっては、上述のように押圧力を独立して調整する第1調整機構55および第2調整機構56が、定着ローラー51の回転軸C1および加圧ローラー52の回転軸C2と平行な方向に並んで配置されている。また、第2調整機構56で調整される最大の押圧力は、第1調整機構で調整される最大の押圧力と比較して、極めて小さくなっている。
ここで、アーム部53によって加圧ローラー52を定着ローラー51に向けて押圧する構成において、単一の調整機構を用いて圧力差を大きくするためには、一般的に可動部材としてのアーム部53の可動範囲を大きくしなければならない。この場合には、アーム部53の長さを長くしなければならない。さらに、カムまたは移動体によってアーム部を押し込む構成とする場合には、アーム部の押込量に差をつけるために、カムの長径あるいは、移動体の移動範囲も拡大しなければならない。この結果、アーム部のスペース、およびカムを配置するためのスペースまたは移動体が移動するためのスペースを確保しなければならず、ローラーの径方向において装置が大型化してしまう。
実施の形態1においては、上述のように、第1調整機構55および第2調整機構56を回転軸と平行な方向に並べて配置することにより、定着ローラー51および加圧ローラー52の径方向において装置が大型化することを抑制することができる。また、シャフト521の軸方向において、シャフト521が設けられている範囲で第1調整機構55および第2調整機構56を設置できるため、設置スペースを容易に確保することができる。さらに、上述のように、第1調整機構55および第2調整機構56を設けることで、記録媒体の種類に応じて押圧力を調整することができる。このような効果は、定着装置50を備えた画像形成装置100においても発揮される。また、このような効果は、調整機構が付勢部材とカムとを含む構成において顕著に発揮される。
さらに、カムの大型化が防止されるため、被押圧部を調整する押込部を切り替える際に、カムの回転量を小さくすることができる。このため、押込部の切替の際にカムを回転させるための時間が長くなることを防止し、定着処理にかかる時間が長くなることを防止することが防止できる。
また、上述した実施の形態1において、第1調整機構55および第2調整機構56において、第1カム552および第2カム562が共通の回転シャフト57に配置される場合を例示して説明したが、これに限定されず、それぞれ独立した回転シャフトに配置されていてもよい。なお、第1カム552および第2カム562を共通の回転シャフト57に配置する場合には、シャフト、その駆動原等を共通化することで、部品点数を削減でき、省スペース化を図ることができる。
(変形例1)
図11は、変形例1に係る画像形成装置に具備される複数の調整機構の一部を示す図である。図11においては、回転シャフト57に配置された複数のカムを図示している。図11を参照して、変形例1に係る定着装置について説明する。
図11に示すように、変形例1に係る定着装置は、実施の形態1に係る定着装置50と比較した場合に、第1調整機構55A、第2調整機構56Aに加えて、第3調整機構58が設けられている点において相異する。その他の構成については、ほぼ同様である。
変形例1においては、上述のように3つの調整機構が設けられることにより、各々で調整する押圧力が異なっており、これにより、調整された押圧力によって定着ローラー51と加圧ローラー52との間で形成されるニップ部のニップ圧が相異する。
第1調整機構55A、第2調整機構56A、および第3調整機構58は、それぞれ独立して上記押圧力を調整する。第1調整機構55A、第2調整機構56A、および第3調整機構58は、それぞれ、カムおよび付勢部材(不図示)を備えている。
第3調整機構58によって調整される最大の上記押圧力は、第1調整機構55Aによって調整される最大の押圧力よりも小さく、第2調整機構56Aによって調整される最大の上記押圧力よりも大きい。
第1調整機構55A、第3調整機構58、および第2調整機構56Aは、回転軸C1、C2と平行な方向において、回転軸C1、C2の中央側から順に並んで配置されている。
第1調整機構55Aによって押圧力を調整した場合のニップ圧は、800N以上1200以下である。第2調整機構56Aによって押圧力を調整した場合のニップ圧は、10N以上50N以下である。第3調整機構58によって押圧力を調整した場合のニップ圧は、300N以上600N以下である。
このように押圧力、ひいてはニップ圧を制御するために、第1調整機構55Aにおける第1カム552の長径は、第2調整機構56Aにおける第2カム562の長径、および第3調整機構58による第3カム582の長径よりも長い。
第3調整機構58における第3カム582の長径は、第2調整機構56Aにおける第2カム562の長径よりも長い。
以上の構成とする場合であっても、変形例1に係る定着装置は、実施の形態1に係る定着装置50とほぼ同様の効果が得られる。
なお、変形例1においては、調整機構が3つある場合を例示して説明したが、これに限定されず、設置位置を確保できる限り、調整機構の数は、4つ以上であってもよい。
(その他の変形例)
上述した実施の形態1および2においては、可動部材としてのアーム部53が、加圧ローラー52を定着ローラー51に向けて押圧可能に設けられている場合を例示して説明したが、これに限定されない。アーム部53が、定着ローラー51を加圧ローラー52に向けて押圧可能に設けられていてもよい。
また、実施の形態1および2においては、各調整機構が、付勢部材とカムを有する場合を例示して説明したが、これに限定されない。カムに変えて、所定の方向に移動可能に構成された移動体を用いてもよい。この場合に、移動体の位置を調整し、付勢部材の付勢力に抗してアーム部53を押し込むことで押圧力を調整することができる。なお、カムを用いる場合には、回転シャフト57の回転位置で押圧力を調整することができるため、容易に調整を行なうことができる。
以上、今回発明された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1C,1K,1M,1Y 画像形成ユニット、10 感光体、11 帯電装置、12 露光装置、13 現像装置、14 現像ローラー、15C,15K,15M,15Y トナーボトル、17 クリーニング装置、30 中間転写ベルト、31 一次転写ローラー、33 二次転写ローラー、37 カセット、38 従動ローラー、39 駆動ローラー、40 タイミングローラー、41 搬送経路、50 定着装置、51 定着ローラー、52 加圧ローラー、53 アーム部、54 アーム支持部、55,55A 第1調整機構、56,56A 第2調整機構、57 回転シャフト、58 第3調整機構、60 回転位置検知機構、61 光電センサ、64 遮光部、90 筐体、100 画像形成装置、101 制御部、102 操作パネル、511 シャフト、512 弾性層、521 シャフト、522 弾性層、531 第1部分、532 第2部分、533 押圧部、534 第1被押圧部、535 第2被押圧部、551 第1付勢部材、552 第1カム、561 第2付勢部材、562 第2カム、582 第3カム。

Claims (13)

  1. 各々が有する回転軸が互いに平行となるように対向して配置され、記録媒体が通過するニップ部を形成する一対の回転体と、
    前記一対の回転体のうち一方の回転体を前記一対の回転体のうちの他方の回転体に向けて押圧する可動部材と、
    前記可動部材が前記一方の回転体を前記他方の回転体に向けて押圧する押圧力を、各々が独立して調整する第1調整機構および第2調整機構と、を備え、
    前記第2調整機構によって調整される最大の前記押圧力は、前記第1調整機構によって調整される最大の上記押圧力よりも小さく、
    前記第1調整機構および前記第2調整機構は、前記回転軸と平行な方向に並んで配置されており、
    前記可動部材は、少なくとも前記回転軸と平行な方向において位置が異なる第1被押圧部および第2被押圧部を含み、
    前記第1調整機構は、前記押圧力を調整するための第1付勢力を前記可動部材に作用させる第1付勢部材と、前記第1付勢力に抗して前記第1被押圧部を押し込むための第1カムとを含み、
    前記第2調整機構は、前記押圧力を調整するための第2付勢力を前記可動部材に作用させる第2付勢部材と、前記第2付勢力に抗して前記第2被押圧部を押し込むための第2カムとを含み、
    前記第1カムが前記第1被押圧部を押し込んだ状態、または、前記第2カムが前記第2被押圧部を押し込んだ状態で、前記押圧力が発現され、
    前記第1カムが前記第1被押圧部を押し込んでいる状態においては、前記第2カムは前記第2被押圧部を押し込んでいない状態であり、前記押圧力は前記第1調整機構によって発現されており、
    前記第2カムが前記第2被押圧部を押し込んでいる状態においては、前記第1カムは前記第1被押圧部を押し込んでいない状態であり、前記押圧力は前記第2調整機構によって発現されている、定着装置。
  2. 記第2カムの長径は、前記第1カムの長径よりも短く、
    前記第1カムと前記第2カムは、回転方向の位相が異なるように、前記回転軸と平行な共通の回転シャフトに配置されている、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記回転シャフトを回転駆動する駆動部を備え、
    前記回転シャフトを回転させることで前記押圧力を変更する、請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記第1カムは、周方向に並んで配置され、互いに異なる押し込み量で前記第1付勢部材を前記第1被押圧部に向けて押し込む複数の押込部を有する、請求項2または3に記載の定着装置。
  5. 前記回転シャフトの回転位置を検知する回転位置検知機構をさらに備えた、請求項2から4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記第1付勢部材が有するばね定数をk1とし、前記第2付勢部材が有するばね定数をk2とした場合に、k1≧5×k2を満たす、請求項2から5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記第1調整機構は、前記回転軸と平行な方向において、前記第2調整機構よりも前記回転軸の中央側に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記押圧力を独立して調整する第3調整機構をさらに備え、
    前記第1調整機構、前記第3調整機構、および前記第2調整機構は、前記回転軸と平行な方向に配置されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記第3調整機構によって調整される最大の上記押圧力は、前記第1調整機構によって調整される最大の前記押圧力よりも小さく、前記第2調整機構によって調整される最大の前記押圧力よりも大きく、
    前記第1調整機構、前記第3調整機構、および前記第2調整機構は、前記回転軸と平行な方向において、前記回転軸の中央側からこの順に並んで配置されている、請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記ニップ部を通過する前記記録媒体が、厚紙、普通紙、または薄紙の場合に、前記第1調整機構によって前記押圧力を調整し、
    前記ニップ部を通過する前記記録媒体が封筒またはエンボス紙の場合に、前記第2調整機構によって前記押圧力を調整する、請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 各々が有する回転軸が互いに平行となるように対向して配置され、記録媒体が通過するニップ部を形成する一対の回転体と、
    前記一対の回転体のうち一方の回転体を前記一対の回転体のうちの他方の回転体に向けて押圧する可動部材と、
    前記可動部材が前記一方の回転体を前記他方の回転体に向けて押圧する押圧力を、各々が独立して調整する第1調整機構および第2調整機構と、を備え、
    前記第2調整機構によって調整される最大の前記押圧力は、前記第1調整機構によって調整される最大の上記押圧力よりも小さく、
    前記第1調整機構および前記第2調整機構は、前記回転軸と平行な方向に並んで配置されており、
    前記押圧力を独立して調整する第3調整機構をさらに備え、
    前記第1調整機構、前記第3調整機構、および前記第2調整機構は、前記回転軸と平行な方向に配置されており、
    前記第3調整機構によって調整される最大の上記押圧力は、前記第1調整機構によって調整される最大の前記押圧力よりも小さく、前記第2調整機構によって調整される最大の前記押圧力よりも大きく、
    前記第1調整機構、前記第3調整機構、および前記第2調整機構は、前記回転軸と平行な方向において、前記回転軸の中央側からこの順に並んで配置されている、定着装置。
  12. 搬送経路に沿って搬送される前記記録媒体上にトナー画像を形成する画像形成部と、
    前記搬送経路に沿って搬送される前記記録媒体上にトナー画像を定着させる請求項1から11のいずれか1項に記載の定着装置と、を備えた画像形成装置。
  13. 前記記録媒体の種類および坪量の少なくともいずれかを設定するための操作パネルをさらに備え、
    前記操作パネルで設定された前記記録媒体の情報に基づいて前記押圧力が調整される、請求項12に記載の画像形成装置。
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