JP7363218B2 - 消毒用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、消毒用組成物に関し、さらに詳しくは、消毒用組成物を使用、すなわち皮膚に塗布した後に保護具を装着する際、保護具の着脱を円滑に行い得る消毒用組成物に関する。
近年、病原性ウイルスや細菌類による感染症の拡大が懸念されており、各種感染防止関連製品の開発が行われている。なかでも消毒用組成物は、手指に塗布するだけで殺菌消毒できる利点を有し、広く普及している。
消毒用組成物においては、幅広い殺菌スペクトルを持たせ、また殺菌力を高めるために、特定の殺菌成分を配合したり、組成物のpHを特定領域に調整するといった工夫がなされてきた。たとえば、ポリアルキレンビグアナイド化合物を含有する殺菌剤組成物にアルカリ剤を含有させ、組成物のpHを12.5以上とする殺菌剤組成物が開示されている(特許文献1)。
また、殺菌力を維持するとともに、速乾性やべたつきのなさといった使用感の改良を目的として、エタノール等の低級アルコールを高含有量で含有する殺菌剤組成物において、増粘剤の種類や、組成物のpHを特定領域に調整するといった工夫がなされている。たとえば、カルボキシビニルポリマーをアルカリ金属水酸化物で中和し、特定の分子量を有するポリオキシエチレングリコールにより、組成物の白濁を防止したゲル状の手指殺菌剤が提案されている。(特許文献2)。
しかし、上記の消毒用組成物は、pHが中性領域ではなかったり、低級アルコールを比較的多量に含有したりするために、医療関係者のように、消毒用組成物を使用する頻度が高い場合には、手荒れを生じるおそれがあった。
それゆえ、消毒用組成物に手荒れ防止効果を付与するために、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール等の保湿剤を配合したり(特許文献3)、水溶性多価アルコールと脂肪酸トリグリセリドを配合する(特許文献4)など、さらなる工夫がなされてきた。
上記特許文献にて提案された工夫により、べたつきがなくしっとりとした使用感を付与できる消毒用組成物の提供が可能となった。
しかし、医療関係者等のように、消毒用組成物の使用頻度が高く、さらにその使用後に、プラスチック製やゴム製の手袋といった保護具を手指に装着する場合には、保湿性の高い消毒用組成物を用いると、保護具を着脱し難くなるといった問題があり、医療機関に勤務する医師や看護師等から、皮膚に塗布した後に保護具を装着した際にも、保護具の着脱を円滑に行い得る消毒用組成物が強く要望されていた。
特開2016-160245号公報 特開2011-144146号公報 特開2004-155712号公報 特開2011-219410号公報
そこで、本発明は、しっとり感を有し、かつ、手指等の皮膚に塗布した後に、手袋等の保護具を装着する際において、保護具の着脱を円滑に行うことのできる消毒用組成物の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、プロテオグリカン、低級アルコールおよび殺菌剤を含有する消毒用組成物とすることにより、しっとり感を有しながら、該消毒用組成物を皮膚に塗布した後に保護具を装着する際の着脱も円滑となり、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]プロテオグリカンを0.001質量%~10質量%、低級アルコールを10質量%~90質量%、および殺菌剤を0.01質量%~5質量%含有する消毒用組成物。
[2]プロテオグリカンが植物性プロテオグリカンである、[1]に記載の消毒用組成物。
[3]低級アルコールが、エタノールおよびイソプロパノールからなる群より選択される1種以上である、[1]または[2]に記載の消毒用組成物。
[4]さらに、2-メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位を含む共重合体を0.001質量%~10質量%含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の消毒用組成物。
本発明により、しっとり感を有し、かつ、皮膚に塗布した後に保護具を装着する際の着脱の円滑さに優れる消毒用組成物を提供することができる。
従って、本発明の消毒用組成物を手指等に使用した場合には、手荒れ等を防止することができ、さらに該消毒用組成物を塗布した後に手袋等の保護具を装着する際には、保護具の着脱を円滑に行うことができる。
本発明の消毒用組成物は、プロテオグリカン、低級アルコールおよび殺菌剤を含有する。
本発明の消毒用組成物に含有されるプロテオグリカンは、特殊な構造を有する糖とタンパク質の複合体であり、動物性および植物性のプロテオグリカンが存在する。
動物性のプロテオグリカンは、1個のコアタンパク質に、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸等のグリコサミノグリカンが複数本共有結合した糖タンパク質であり、細胞外マトリックスの一成分として、臓器、脳、皮膚、軟骨など体内に広く分布している。
植物性のプロテオグリカンは、アラビノガラクタンとコアタンパク質が一定の様式で結合したものであり、正式にはアラビノガラクタン-プロテイン(AGP)と呼ばれており、植物の細胞壁や樹液に細胞外マトリックスとして存在する。
本発明において、プロテオグリカンとしては、動物性プロテオグリカン、植物性プロテオグリカンのいずれも用いることができるが、製造コストや、近年の植物性原料が好まれる傾向等を考慮すると、植物性プロテオグリカンを用いることが好ましい。
植物性プロテオグリカンとしては、マメ科ネムノキ亜科のアカシア(Acacia)属に属するアラビアゴムノキ(Acacia senegal Willdenow)、またはその同属近縁植物から得られるアラビアゴムを原料とするものが好ましく用いられる。ここで、アラビアゴムは、前記植物の樹皮の傷口から滲出する分泌液を乾燥させたものである。
動物性プロテオグリカンと同等またはそれ以上の生理活性を有するものが得られることから、本発明の目的には、アラビアゴムノキ(Acacia senegal Willdenow)、またはそのセヤル種であるAcacia seyal Delileから得られるアラビアゴムを原料とするものがより好ましく、アカシアゴムノキ(Acacia senegal Willdenow)から得られるアラビアゴムを原料とするものがさらに好ましく用いられる。
本発明において、プロテオグリカンとして好ましく用いられる植物性プロテオグリカンは、上記したアラビアゴムノキ等の植物から得たアラビアゴムから、主にアラビノガラクタンとグリコプロテインを除いた精製物として得られる。
本発明の目的には、植物性プロテオグリカンは、多角度光散乱検出器および示差屈折率検出器をオンライン接続したサイズ排除クロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量が900,000~3,500,000であるものが好ましく用いられ、1,000,000~3,000,000であるものがより好ましく用いられる。
また、アンプライト(Amplite)(商標)アルデヒド定量キット(比色)(Colorimetric Aldehyde Quantitation Kit)(製品番号:10051)(エイエイティー バイオクウェスト(AAT Bioquest)社製)等のアルデヒド定量キットにより測定される総アルデヒド含有量が、0.005μmol当量/g~2μmol当量/gであるものが好ましく用いられる。
本発明において、植物性プロテオグリカンは、水溶液、分散液等の液状の形態、粉末等の固形状の形態のいずれの形態で用いてもよい。
本発明の消毒用組成物には、上記したプロテオグリカンは1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
動物性プロテオグリカンは、サケ鼻軟骨、サメ鰭軟骨及びイカ頭部軟骨等の動物組織から抽出、精製等して製造して用いてもよいが、各社から提供されている市販の製品を用いることもできる。
本発明において、動物性プロテオグリカンは、水溶液、分散液等の液状の形態、粉末等の固形状の形態のいずれの形態で用いてもよい。
一方、植物性プロテオグリカンは、0.5質量%~40質量%に調整されたアラビアゴム水溶液を、ポーラスI型強塩基性アニオン交換樹脂および強酸性カチオン交換樹脂に供して精製することにより、好適に製造することができるが、一般的に有効成分含有量が約1質量%の水溶液として市販されている製品を用いることもできる。
植物性プロテオグリカンのかかる市販の製品としては、たとえば日油株式会社製の「フィトプロテオグリカン(登録商標)」が挙げられる。
本発明の消毒用組成物におけるプロテオグリカンの含有量は、0.001質量%~10質量%であり、皮膚に塗布した後に保護具を装着する際の着脱の円滑さ(以下、本明細書にて「着脱の円滑さ」と略記することがある)の観点から、好ましくは0.005質量%~5質量%である。
プロテオグリカンの含有量が0.001質量%未満では、消毒用組成物に十分な着脱の円滑さを付与することができず、プロテオグリカンの含有量が10質量%を超えても、含有量に見合う効果が得られない場合がある。
本発明の消毒用組成物に含有される低級アルコールは、通常炭素数が5以下であるアルコールであり、プロテオグリカンや殺菌剤を溶解させることができ、皮膚に対して使用可能なものであれば、特に制限なく用いることができるが、炭素数が3以下である一価アルコールが好ましく、炭素数が2または3である一価アルコールがより好ましい。
本発明において好適に用いられる低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられ、エタノールおよびイソプロパノールがより好適に用いられる。
本発明において、低級アルコールは1種を単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の消毒用組成物に低級アルコールを含有させると、消毒用組成物の界面張力が低下して、皮膚の凹凸部位に組成物が広がりやすくなるため、皮膜形成時の均一性が向上し、皮膚や医療器具に対して均一に塗布しやすくなり、着脱の円滑さが良好となる。
本発明の消毒用組成物における低級アルコールの含有量は、10質量%~90質量%であり、好ましくは15質量%~80質量%である。
低級アルコールの含有量が10質量%未満であると、形成される皮膜にムラが生じ、着脱の円滑さに劣る場合がある。一方、低級アルコールの含有量が90質量%を超えると、プロテオグリカンが溶解しない場合がある。
本発明の消毒用組成物に含有される殺菌剤としては、病原性を有する微生物を死滅させ、または増殖を抑制し得る薬剤であり、皮膚の消毒に使用することができ、プロテオグリカンの着脱の円滑さに及ぼす上記効果を阻害しないものであれば、特に制限されることなく用いることができ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等のカチオン性界面活性剤;塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等の両性界面活性剤;グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン等のビグアナイド系化合物;ヨウ素イオン、ヨードホルム、ポビドンヨード等のハロゲン(ヨウ素)化合物;銀イオン等の銀系無機化合物;クレゾール、イソプロピルメチルフェノール等のフェノール系化合物等が挙げられる。
殺菌活性と皮膚に対する低刺激性等の観点からは、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジングルコン酸塩等が好ましく用いられる。
本発明の消毒用組成物には、殺菌剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を選択し、混合して用いてもよい。
本発明の消毒用組成物における殺菌剤の含有量は、殺菌剤の種類等により適宜設定され得るが、通常0.01質量%~5質量%であり、好ましくは0.01質量%~0.05質量%である。
さらに、本発明の消毒用組成物は、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)に基づく構成単位を含む共重合体(以下「MPC共重合体」と表記することがある)を含有し得る。
本発明の消毒用組成物に含有され得るMPC共重合体としては、MPCに基づく構成単位と、疎水性単量体に基づく構成単位を含む共重合体が挙げられ、疎水性単量体に基づく構成単位としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド誘導体等に基づく構成単位が例示される。
MPCに基づく構成単位は、下記の式(1)で表される。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイルまたはメタクリロイル」を意味する。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示す。)
(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構成単位は、下記の式(2)で表される。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸またはメタクリル酸」を意味する。
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数1~24のアルキル基を示す。)
式(2)中、Rで示されるアルキル基は、炭素数1~24の直鎖または分岐のアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2-エチルヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコシル等が例示される。
従って、式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構成単位としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル(ラウリル)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル(ステアリル)、(メタ)アクリル酸ドコシル(ベヘニル)等に基づく構成単位が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構成単位として、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル等、上記式(2)中、Rで示されるアルキル基がジアルキルアミノ基やハロゲン原子等で置換されている(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、Rで示されるアルキル基が、ヒドロキシル基および第4級アンモニオ基で置換された構造を有する2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドに基づく構成単位も、疎水性単量体に基づく構成単位として例示される。
(メタ)アクリルアミド誘導体に基づく構成単位は、下記の式(3)で表される。ここで、「(メタ)アクリルアミド」とは、「アクリルアミドまたはメタクリルアミド」を意味する。
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、RおよびRはそれぞれ独立にメチル基またはエチル基を示し、mは1~3の整数を示す。)
本発明の目的には、(メタ)アクリルアミド誘導体に基づく構成単位として、N,N-ジメチルアミノエチルアクリルアミド、またはN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドに基づく構成単位を含む共重合体が好ましい。
本発明においては、MPC共重合体として、MPCに基づく構成単位と、上記疎水性単量体に基づく構成単位を1種または2種以上含む共重合体を用いることができる。
本発明の目的には、疎水性単量体に基づく構成単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構成単位、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドに基づく構成単位、および(メタ)アクリルアミド誘導体に基づく構成単位からなる群より選択される1種または2種以上を含む共重合体が好ましく用いられる。
MPCに基づく構成単位と、上記疎水性単量体に基づく構成単位のMPC共重合体中におけるそれぞれの含有量の比([MPCに基づく構成単位]:[疎水性単量体に基づく構成単位])(n:n)は、モル比にて9:1~2:1であり、好ましくは8:1~7:3であり、より好ましくは6:1~3:1である。
本発明の消毒用組成物に含有されるMPC共重合体の重量平均分子量は10,000~5,000,000であり、好ましくは、20,000~1,000,000である。
MPC共重合体の重量平均分子量が10,000未満であると、皮膜性が低下し、着脱の円滑さの改善効果が望めない場合があり、重量平均分子量が5,000,000より大きいと、粘度が急激に上昇し、消毒用組成物を調製することが困難となる恐れがある。
なお、MPC共重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定され、プルラン換算の分子量で示される。
MPC共重合体の重合形態は特に限定されず、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、ランダム共重合体が好ましい。
また、MPC共重合体は、MPCに基づく構成単位および疎水性単量体に基づく構成単位以外に、他の構成単位を含む共重合体であってもよい。
他の構成単位は、通常共重合体の構成単位となり得るものから、本発明の効果に影響を与えない範囲で適宜選択することができる。
他の構成単位としては、たとえば、(メタ)アクリル酸アリル等の(メタ)アクリル酸のアルケニルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸の環状アルキルエステル;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のヘテロ環で置換されたアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等の芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸とモノテルペンアルコールとのエステル;(メタ)アクリル酸グリシジル;スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体等に基づく構成単位を挙げることができる。
これら他の構成単位は1種または2種以上を含むことができ、MPC共重合体中におけるその含有量は、MPCに基づく構成単位および疎水性単量体に基づく構成単位の合計量に対して40モル%以下であり、好ましくは20モル%以下である。
MPC共重合体は、公知の製造方法により製造することができる。
たとえば、MPCおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の疎水性単量体、ならびに必要に応じて上記他の構成単位に相当する単量体を含む単量体混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下、窒素等の不活性ガス雰囲気下において、溶液重合等の公知の方法により重合させて製造することができる。
その際の各単量体の含有量比は、MPC共重合体中における各構成単位の含有量比に相当する比とすればよい。
本発明の消毒用組成物には、上記したMPC重合体は1種を選択し、単独で含有させてもよく、2種以上を選択し、組み合わせて含有させることもできる。
本発明の消毒用組成物に含有させるMPC共重合体の形態としては、粉末等の固形状、溶液、分散液等の液状のいずれでもよい。
本発明の消毒用組成物におけるMPC共重合体の含有量は、0.001質量%~10質量%の範囲で適宜選択することができ、着脱の円滑さの観点から、0.005質量%~5質量%の範囲で選択することが好ましい。
MPC共重合体の含有量が0.001質量%未満であると、消毒用組成物において着脱の円滑さが十分でない場合があり、MPC共重合体の含有量が10質量%を超えると、逆に着脱の円滑さを損なう場合がある。
本発明の消毒用組成物は、通常水を含有する。
本発明の消毒用組成物の調製に際し、上記した低級アルコールを、水との混合溶媒として用いることにより、皮膚に対するプロテオグリカンの密着性を向上させることができるため、好ましい。これは組成物の乾燥時において、低級アルコールと水の蒸散速度が異なることから、プロテオグリカンの疎水性基を皮膚表面に効果的に配向させることができるためである。
本発明の消毒用組成物に含有させる水としては、化粧品用または医薬品用等として一般的に用いられる水を用いることができ、イオン交換水、精製水、注射用水等を用いることが好ましい。
本発明の消毒用組成物における水の含有量は、好ましくは3質量%~89質量%であり、より好ましくは15質量%~85質量%である。
水の含有量が3質量%未満である場合、もしくは89質量%を超える場合には、皮膚に対するプロテオグリカンの密着性が低下することがあるため、好ましくない。
また、本発明の消毒用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、湿潤剤を含有することができる。
湿潤剤としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、イソペンチルジオール等の二価アルコール;グリセリン;ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン縮合物;ソルビトール、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール等の糖アルコール等、ポリオール系化合物類が挙げられ、1種を単独で、または2種以上の混合物として用いることができる。
これら湿潤剤の中でも、皮膚への馴染みの良さから、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールおよびグリセリンがより好ましく用いられる。
本発明の消毒用組成物における湿潤剤の含有量は、本発明の効果を損なうことのない範囲で選択され、0.01質量%~10質量%とすることが好ましい。
本発明の消毒用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、消毒用組成物等外用剤に一般的に使用される添加剤を含有させてもよい。
かかる添加剤としては、たとえば、増粘剤、起泡剤、噴射剤、有機酸、酸化防止剤、安定剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、香料、色素、色材等が挙げられる。これらの添加剤は、目的に応じて、1種または2種以上を選択し、含有させることができる。
本発明の消毒用組成物は、上記したプロテオグリカン、低級アルコール、殺菌剤等に、必要に応じてMPC共重合体、水、湿潤剤や一般的な他の添加剤を加えて適宜混合し、均一として製造することができる。
本発明の消毒用組成物は、液状、ペースト状等の半固形状等の形態で提供され得る。
使用時の簡便さや安全性等の観点からは、本発明の消毒用組成物は、液状の形態とし、ディスペンサーポンプ付き容器に充填した液吐出型、スプレーポンプ付き容器に充填した噴霧型、フォーマーポンプ付き容器またはエアゾール容器に充填した泡吐出型、清拭ワイプに含浸させた含浸型等の製品とすることが好ましい。
本発明の消毒用組成物をたとえば手指の消毒に用いる場合には、消毒用組成物を適量(1mL~3mL程度)取り、手に擦り込みながら塗布した後、乾燥させて使用することができる。
本発明の消毒用組成物を清拭ワイプに含浸させる場合には、清拭ワイプ100質量部に対して本発明の消毒用組成物を10質量部~400質量部含浸させ、該ワイプにて、皮膚や医療器具を清拭して使用することができる。
本発明の消毒用組成物は、しっとり感を有し、かつ着脱の円滑さに優れる。それゆえ、本発明の消毒用組成物を手指等に使用した場合には、手荒れ等を防ぐことができ、さらに、手指等の皮膚に塗布した後に手袋等の保護具を装着する際には、保護具の着脱を円滑に行うことができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1~4、比較例1、2]
表1に示す処方に従って、実施例1~4および比較例1、2の各消毒用組成物を下記の通り調製した。
精製水に植物性プロテオグリカンの粉末を添加し、均一になるまで攪拌した。次いでエタノールおよび塩化ベンザルコニウムを添加し、均一になるまで攪拌し、消毒用組成物100gを調製した。MPC共重合体は、精製水の一部に溶解させて添加した。
なお、植物性プロテオグリカンとしては、「フィトプロテオグリカン」(日油株式会社製、重量平均分子量=約1,200,000、総アルデヒド含有量=1.8μmol当量/g)を用い、MPC共重合体としては、MPC・メタクリル酸ブチル共重合体(MPCおよびメタクリル酸ブチルの共重合組成比[MPC/メタクリル酸ブチル](モル比)=80/20、重量平均分子量=600,000)を用いた。
また、エタノールおよび塩化ベンザルコニウムとしては、外用剤用として市販されている一般的な原料を用いた。
上記実施例および比較例の各消毒用組成物について、皮膚に塗布した後に保護具を装着する際の着脱の円滑さおよびしっとり感を下記の通り評価した。
(1)皮膚に塗布した後に保護具を装着する際の着脱の円滑さ(「着脱の円滑さ」)の評価
実施例および比較例の各消毒用組成物について、着脱の円滑さは、25才~55才の男女パネラー20名による官能評価により評価した。
即ち、室温=25℃、相対湿度=60%の環境下で、各パネラーに消毒用組成物のそれぞれを2mL手に取らせ、手指に10回擦り込ませた後、ゴム手袋(「FTラテックス」東京硝子器械株式会社(TGK)製)を着脱させ、着脱の円滑さを下記評価基準により評価させた。パネラー20名の評価点の合計点を算出し、下記判定基準により、着脱の円滑さの判定を行った。
<評価基準>
保護具の着脱を円滑に行うことができる;2点
保護具の着脱をやや円滑に行うことができる;1点
保護具の着脱を円滑に行うことができない;0点
<判定基準>
31点~40点:◎;着脱の円滑さに優れる消毒用組成物である
21点~30点:○;着脱の円滑さにやや優れる消毒用組成物である
20点以下:×;着脱の円滑さに欠ける消毒用組成物である
(2)しっとり感の評価
実施例および比較例の各消毒用組成物を皮膚に塗布した際のしっとり感については、25才~55才の男女パネラー20名による官能評価により評価した。
即ち、室温=25℃、相対湿度=60%の環境下で、各パネラーに消毒用組成物のそれぞれを2mL手に取らせ、手指に10回擦り込ませた後、指で手の平を触らせ、しっとり感を下記評価基準により評価させた。パネラー20名の評価点の合計点を算出し、下記判定基準により、しっとり感の判定を行った。
<評価基準>
しっとりする:2点
ややしっとりする:1点
しっとりしない:0点
<判定基準>
31点~40点:◎;しっとり感のある消毒用組成物である
21点~30点:○;ややしっとり感のある消毒用組成物である
20点以下:×;しっとり感のない消毒用組成物である
着脱の円滑さおよびしっとり感についての評価結果を、表1に併せて示した。
表1に示されるように、本発明の実施例1~4の各消毒用組成物は、着脱の円滑さに優れる~やや優れると評価され、良好~やや良好なしっとり感を有することが認められた。特に、植物性プロテオグリカンに加えて、MPC共重合体を含有する実施例4の消毒用組成物においては、着脱の円滑さおよびしっとり感の双方に優れることが認められた。
これに対し、MPC共重合体を含有するものの、植物性プロテオグリカンを含有しない比較例1の消毒用組成物では、しっとり感は認められたが、着脱の円滑さに欠けると評価された。また、植物性プロテオグリカンおよびMPC共重合体の双方を含有しない比較例2の消毒用組成物では、着脱の円滑さに欠けると評価され、しっとり感も認められなかった。
実施例および比較例の各消毒用組成物についての上記評価結果より、本発明の消毒用組成物は、植物性プロテオグリカンを含有しない比較例の消毒用組成物に比べて、着脱の円滑さおよびしっとり感のいずれにも優れることが明らかとなった。
以上、詳述したように、本発明により、しっとり感に優れ、かつ皮膚に塗布した後に保護具を装着する際の着脱の円滑さに優れる消毒用組成物を提供することができる。
本発明の消毒用組成物を手指等に使用した場合には、手荒れ等を防ぐことができ、さらに、手指等の皮膚に塗布した後に手袋等の保護具を装着する際には、保護具の着脱を円滑に行うことができる。

Claims (2)

  1. 植物性プロテオグリカンを0.01質量%~質量%、低級アルコールを25質量%~60質量%、および殺菌剤を0.01質量%~0.05質量%含有する手指用消毒用組成物であって、低級アルコールが、エタノールおよびイソプロパノールからなる群より選択される1種以上であり、殺菌剤が、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよびクロルヘキシジングルコン酸塩からなる群より選択される1種以上である、手指用消毒用組成物
  2. さらに、下記式(1)で表される2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位、および下記式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステルに基づく構成単位からなり、前記2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位と、前記(メタ)アクリル酸エステルに基づく構成単位の含有量の比([2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位]:[(メタ)アクリル酸エステルに基づく構成単位])がモル比にて8:1~7:3である共重合体を0.005質量%~質量%含有する、請求項1に記載の手指用消毒用組成物。

    (式中、R 1 は水素原子またはメチル基を示す。)

    (式中、R は水素原子またはメチル基を示し、R はブチル基を示す。)
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弘前市,"「コラーゲン」「ヒアルロン酸」に続く第3の成分" 弘前生まれの『プロテオグリカン』配合商品が続々登場 世界唯一!配合化粧品のみを使用するエステサロンもオープン!,atpress,2014年03月31日,https://www.atpress.ne.jp/news/44877

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